JP4203330B2 - ズームレンズおよびカメラ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ズームレンズおよびカメラ装置に関する。
この発明のズームレンズは銀塩カメラに用いるズーム撮影レンズとして好適に利用できるほか、デジタルカメラやビデオカメラ、デジタルカメラ機能内臓の携帯情報端末装置に特に好適に利用できる。
【0002】
【従来の技術】
近来、デジタルカメラの市場は非常に大きなものとなっている。
ユーザのデジタルカメラに対する要望は多岐にわたるが、高画質化と小型化は常にユーザの欲するところであり要望が大きく、撮影レンズとして用いられるズームレンズにも高性能化と小型化の両立が求められる.
デジタルカメラに用いられるズームレンズは、小型化の面ではレンズ全長(最も物体側のレンズ面から像面までの距離)の短縮が必要であり、高性能化の面では、少なくとも300万〜600万画素の撮像素子に対応できる解像力を「全ズーム域」にわたって有する必要がある。
「撮影レンズの広画角化」を望むユーザも多く、ズームレンズの短焦点端の半画角は38度以上あることが望ましい。半画角:38度は、35mm銀塩カメラ(いわゆるライカ版)換算の焦点距離で28mmに相当する。
【0003】
デジタルカメラ用のズームレンズには多くの種類が考えられるが、小型化に適したタイプとして「物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1群、正の焦点距離を持つ第2群、正の焦点距離を持つ第3群を配し、第2群の物体側に第2群と一体に移動する絞りを有してなり、短焦点端から長焦点端への変倍に際し、第2群が像側から物体側へ単調に移動し、第1群が「変倍に伴う像面位置の変動を補正する」ように移動するもの」がある(特許文献1〜4)。
【0004】
特許文献1に記載されたズームレンズはこの種のズームレンズの基本的なものであり、基本的な構成は全て同号公報に開示されているが、小型化という面ではなお改良の余地を残している。
【0005】
特許文献2記載のズームレンズでは、第1群を正・負・負・正の4枚構成として「短焦点端における歪曲収差」を良好に補正しているが、広角端における半画角は31度程度に留まっている。また、結像性能の基本となる球面収差が大きく、300万〜600万画素の撮像素子への対応は困難である。
【0006】
特許文献3記載のズームレンズは、第2群を正・負・正または負の3枚もしくは4枚構成として小型化を図っており、第1群の構成としても多くのバリエーションが開示されているが、広角端における半画角は29〜32度程度に留まり、38度以上という要請には応えられない。
【0007】
特許文献4記載のズームレンズは比較的小型で、像性能も良好であるが、広角端での半画角は33度程度に止まっている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−039214号公報
【特許文献2】
特開2000−147381号公報
【特許文献3】
特開2002−048975号公報
【特許文献4】
特開2001−296475号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、十分に小型でありながら、広角端における半画角:38度以上を有し、なおかつ、300万〜600万画素の撮像素子に対応した解像力を有する高性能のズームレンズの実現を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明のズームレンズは、図1に例示するように、物体側(図の左方)から順に、負の焦点距離を持つ第1群I、正の焦点距離を持つ第2群II、正の焦点距離を持つ第3群IIIと、第2群IIの物体側に配されて第2群IIと一体に移動する絞りSとからなり、短焦点端から長焦点端への変倍に際し、第1群Iと第2群IIの間隔が小さくなり、第2群IIと第3群IIIの間隔が大きくなるように、少なくとも第1群Iと第2群IIが移動するズームレンズである。
【0011】
請求項1記載のズームレンズは、以下の点を特徴とする。
【0012】
即ち、ズームレンズにおける第1群Iは、図1に例示されたように、物体側から順に、像側に凹面を向けた第1の負メニスカスレンズ1−1、像側に凹面を向けた第2の負メニスカスレンズ1−2、両凸レンズ1−3、この両凸レンズ1−3に接合された両凹レンズ1−4を有する。
【0013】
そして、第1群Iにおける第2の負メニスカスレンズ1−2の像側面から、両凸レンズ1−3の物体側面までの光軸上距離:D4、第1群Iの、第1の負メニスカスレンズ1−1の物体側面から両凹レンズ1−4の像側面までの光軸上距離:L1が、条件:
(1) 0.20<(D4/L1)<0.40
を満足する。
【0014】
上記請求項1記載のズームレンズにおいては、第1群Iの両凹レンズ1−4の屈折率:N1−4が、条件:
(2) 1.60<N1-4 <1.90
を満足することが好ましい(請求項2)。この場合、第1群Iの両凸レンズ1−3の屈折率:N1−3およびアッベ数:ν1−3、第1群の両凹レンズ1−4の屈折率:N1−4およびアッベ数:ν1−4が、条件:
(3) -0.20<(N1-3-N1-4)<0.10
(4) 5<(ν1-4-ν1-3)<25
を満足することが好ましい(請求項3)。
【0015】
上記請求項1〜3の任意の1に記載のズームレンズにおいて、第1群における第2の負メニスカスレンズ1−2の像側面を非球面とすることができる(請求項4)。
【0016】
以下に説明する請求項5ないし7に記載のズームレンズは、物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1群、正の焦点距離を持つ第2群、正の焦点距離を持つ第3群と、第2群の物体側に配されて第2群と一体に移動する絞りとからなり、短焦点端から長焦点端への変倍に際し、第1群と第2群の間隔が小さくなり、第2群と第3群の間隔が大きくなるように、少なくとも第1群と第2群が移動するズームレンズであって、第1群が、物体側から順に、像側に凹面を向けた第1の負メニスカスレンズ、像側に凹面を向けた第2の負メニスカスレンズ、両凸レンズ、この両凸レンズに接合された両凹レンズを有し、正の焦点距離を持つ第2群が、物体側から順に、物体側に曲率の大きな面を向けた第1の正レンズ2−1、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ2−2、この負メニスカスレンズに接合された正メニスカスレンズ2−3、第2の正レンズ2−4を有する。
【0017】
請求項5記載のズームレンズは、第2群IIの、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ2−2の屈折率:N2−2およびアッベ数:ν2−2、負メニスカスレンズ2−2に接合された正メニスカスレンズ2−3の屈折率:N2−3およびアッベ数:ν2−3が、条件:
(5) 0.15<(N2-2-N2-3)<0.40
(6) 25<(ν2-3-ν2-2)<50
を満足する。
【0018】
請求項6記載のズームレンズは、第2群IIにおける、第1の正レンズ2−1の物体側面の曲率半径:r2−1F、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ2−2の物体側面の曲率半径:r2−2F、負メニスカスレンズ2−2と正メニスカスレンズ2−3の接合面の曲率半径:r2−2R、最大像高:Y’が、条件:
(7) 1.40<{(1/r2-1F)+(1/r2-2F)+(1/r2-2R)}×Y'<2.20
を満足する。
【0019】
請求項7記載のズームレンズは、第2群IIの第1の正レンズ2−1の物体側面から、負メニスカスレンズ2−2と正メニスカスレンズ2−3との接合面までの光軸上の距離:LPN、第2群IIの最も物体側の面から最も像側の面までの光軸上の距離:L2が、条件:
(8) 0.40<(LPN/L2)<0.70
を満足する。
【0020】
請求項5〜請求項7の任意の1に記載のズームレンズにおいて、第2群IIにおける負メニスカスレンズ2−2と正メニスカスレンズ2−3との接合面の曲率は、第2群IIの全ての面の中で最も大きいことが好ましい(請求項8)。
【0021】
請求項5〜8の任意の1に記載のズームレンズにおいては、第2群IIにおける、最も物体側の面と最も像側の面とを非球面とすることが好ましい(請求項9)。
【0022】
上記ズームレンズにおける第1群を「物体側から順に、少なくとも1枚の像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、両凸レンズ、この両凸レンズに接合された両凹レンズを有する構成」とし、第2群を「少なくとも1枚の負レンズと、少なくとも3枚の正レンズを有する構成」とすることも考えられる。
【0023】
このズームレンズでは、第1群を「物体側から順に、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、両凸レンズ、この両凸レンズの像側に接合された両凹レンズからなる構成」とすることができる。
【0024】
上記ズームレンズにおいてはまた、第2群を「物体側から順に、物体側に曲率の大きな面を向けた第1の正レンズ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、この負メニスカスレンズの像側に接合された正メニスカスレンズ、第2の正レンズからなる構成」とすることも考えられる。
【0025】
この発明のカメラ装置は、上記請求項1〜9の任意の1に記載のズームレンズを「カメラ機能部の撮影用光学系」として有することを特徴とする(請求項10)。このようなカメラ装置は「携帯情報端末装置」として実施できる。勿論、請求項1〜9の任意の1に記載のズームレンズを撮影用光学系として有する、デジタルカメラ装置や、銀塩カメラ装置として実施できることも当然である。
【0026】
この発明のように、物体側から負・正・正の3群を配して構成されるズームレンズでは一般に、短焦点端から長焦点端への変倍に際し、第2群が像側から物体側へと単調に移動し、第1群が「変倍に伴う像面位置の変動を補正する」ように移動する。そして、変倍機能の大半は第2群が担っており、第3群は「主として像面から射出瞳を遠ざける」ために設けられている。
【0027】
このタイプのズームレンズで広画角化を図るためには、第1群に「より強い負のパワー」を与える必要があり、その構成が重要となる。特に、広画角化に伴って急激に増大しがちな非点収差・歪曲収差・倍率色収差等を良好に補正しなければならない。
【0028】
このために第1群の構成枚数を増やすことが考えられるが、構成枚数の増加は第1群の「光軸方向の厚み」の増大につながり、十分な小型化を妨げるばかりかコストの増大も招来してしまう。
【0029】
この発明のズームレンズと同様に、4枚以下のレンズで第1群を構成する場合、物体側から順に負メニスカスレンズ・正メニスカスレンズを配した2枚構成のもの、物体側から順に負メニスカスレンズ・負レンズ・正レンズを配した3枚構成のもの、物体側から順に正レンズ・負メニスカスレンズ・負レンズ・正レンズを配した4枚構成のもの、物体側から順に負メニスカスレンズ・両凹レンズ・正レンズ・負レンズを配した4枚構成のものが知られている。
【0030】
この発明のズームレンズは、これらを上回る収差補正能力を有する第1群を実現することにより、高性能・広画角を達成する。
【0031】
即ち、請求項1に示すように、第1群は「物体側から順に、少なくとも1枚の像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、両凸レンズ、この両凸レンズに接合された両凹レンズ」を有する。即ち、物体側には、像側に凹面を向けた1枚以上の負メニスカスレンズが配され、これに続いて両凸レンズが配される。
【0032】
このように第1群の最も物体側に「凹面を像側に向けた負メニスカスレンズ」を配すると、広角端において、大きな画角をもって入射する光線を、負メニスカスレンズの各レンズ面(入射側が凸面、射出側が凹面)により、無理無く導いて、光軸に対する傾きを低減させることができ、この負メニスカスレンズに続く両凸レンズへの入射角を有効に小さくすることができる。
【0033】
例えば、特許文献3に記載された実施例のうちには、第1群を凹面を像側に向けた1枚の負メニスカスレンズとし、このメニスカスレンズに続いて両凹レンズを配置したものがあるが、このような構成の場合、負メニスカスレンズにより光軸に対する傾きを低減された光線は、続いて入射する両凹レンズの凹レンズ面に大きな入射角で入射することになるため、凹レンズ面への入射部で大きな収差を生じやすい。
【0034】
この発明のズームレンズでは、第1群の負メニスカスレンズに続いて「両凸レンズ」が配されるので、上記の如く「負メニスカスレンズにより光軸に対する傾きを低減された光線の、両凸レンズへの入射角が小さく」なり、収差の発生を抑えることができる。
【0035】
請求項1記載のズームレンズでは、図1に例示したように、第1群Iは、物体側から順に、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ1−1、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ1−2、両凸レンズ1−3、この両凸レンズ1−3に接合された両凹レンズ1−4の3群4枚で構成される。
【0036】
このため、第1群Iの最も物体側に「いずれも像側に凹面を向けた2枚の負メニスカスレンズ1−1、1−2を配置して、大きな入射角を持つ軸外光束を、これら2枚の負メニスカスレンズの4つの面で「少しずつ屈折させる」ことにより、これら4面のなかの特定の面で「極端に大きな軸外収差」が発生しないようにしている。
【0037】
さらに、これら2枚の負メニスカスレンズ1−1、1−2の像側に、物体側から順に正レンズと負レンズを接合した接合レンズを配置し、倍率色収差の補正に効果を上げている。接合レンズ農地の物体側の正レンズを「両凸レンズ」、負レンズを「両凹レンズ」とすることにより、球面収差等の単色収差を十分に補正したまま倍率色収差をコントロールできる。その際、正レンズ(両凸レンズ)・負レンズ(両凹レンズ)とも「物体側に曲率の大きな面を向けている」のが望ましい。
【0038】
より十分な広画角化を図るために、条件(1)式を満足する。
条件(1)のパラメータ:(D4/L1)が下限値:0.20以下になると、軸外光線が互いに近づき、これらを分離しにくくなるため、軸外収差(非点収差・歪曲収差・倍率色収差等)の補正が難しくなる(特に、第1、第2の負メニスカスレンズに非球面を用いて収差補正を行う場合)。
【0039】
また、製造上の理由によって「第2の負メニスカスレンズの像側面から両凸レンズの物体側面までの光軸上の距離:D4」が変化した場合や、第2の負メニスカスレンズと両凸レンズが軸ずれを起こした場合、特に長焦点端における球面収差・コマ収差の変動が大きくなって好ましくない。
【0040】
パラメータ:(D4/L1) が0.40以上となると、軸上マージナル光線の両凸レンズへの入射位置が高くなることに起因するマイナスの球面収差が補正不足になり易く、また、短焦点端(広角端)において第1群に入射する光線の高さが増加し、第1群の外径が大きくなり、レンズ系全体を十分に小型化できなくなる。
【0041】
さらに望ましくは、条件(1)よりもさらに狭い条件:
(1’) 0.25<(D4/L1)<0.35
を満足するのが良い。
【0042】
解像力を高めるには像面湾曲が良好に補正されていなければならないが、像面湾曲を「より良好に補正」するためには、条件(2)を満足することが望ましい(請求項2)。
【0043】
屈折率:N1−4が1.60以下であると、第1群の像面湾曲の十分な補正が難しくなり、特に短焦点端における軸外性能の劣化を引き起こし易くなる。逆に、N1−4を1.90以上にすることは、第1群における両凹レンズに「非常に高い屈折率」を要求することになり、コストアップを招く。さらに望ましくは、条件(2)よりもさらに狭い条件:
(2’) 1.70<N14<1.90
を満足するのがよい。
【0044】
上記条件(2)により像面湾曲を「より良好に補正した状態」において、倍率色収差を「より改善する」ためには、条件(3)、(4)を満足することが望ましい(請求項5)。
【0045】
条件(3)のパラメータ:(N1-3-N1-4)が、−0.20より小さくなるか、0.10より大きくなると、第1群の接合レンズをなす両凸レンズ・両凹レンズ間の屈折率差が大きくなり、これに伴内い「接合面で発生する単色収差」が増大するので、第1群全体の収差バランスを維持するのが難しくなる。
【0046】
また、条件(4)のパラメータ:(ν1-4-ν1-3) が5よりも小さいと、上記接合面における色収差を十分にコントロールできず、倍率色収差の補正が不十分となり易い。逆に、パラメータ:(ν1-4-ν1-3)が25を越えて大きくなると、倍率色収差が補正過剰となり易く、いずれも好ましくない。
【0047】
さらに望ましくは、条件(3)、(4)よりも狭い以下の条件:
(3’) -0.15<(N1-3-N1-4)<0.05
(4’) 5<(ν1-4-ν1-3)<25
を満足するのがよい。
【0048】
単色収差の補正をより良好に行うためには、第1群に1面以上の非球面を有することが望ましい。中でも「最も効果的な収差補正」を行うためには、第2の負メニスカスレンズの像側面を非球面とすることが望ましい(請求項4)。第2の負メニスカスレンズの像側面は第1群の中で最も曲率を小さくし、大きなパワーを持たせることができるが、この箇所に非球面を導入することにより、特に短焦点端における歪曲収差や非点収差等を効果的に補正することが可能となる。
【0049】
第1の負メニスカスレンズの像側面を非球面とすることによっても同様の効果を得ることが可能であるが、第1の負メニスカスレンズは第2の負メニスカスレンズよりも径が大きいので、非球面レンズの製作が相対的に難しくなりコストアップの要因となる。したがって、第2の負メニスカスレンズに上記の如く非球面を設けるのが良い。
【0050】
この発明のズームレンズの最も大きな特徴は、以上に述べた第1群の構成にあるが、ズームレンズとして「より良好な収差補正を行うための条件」を以下に述べる。
【0051】
各種の収差が少なく、解像力の高いズームレンズを実現するには「変倍による収差変動」を小さく抑えることも重要であり、特に主変倍群である第2群がその変倍範囲の全域において良好に収差補正されていることが望ましい。このため、第2群の構成枚数を増やすことが考えられるが、第1群と同様、構成枚数の増加は第2群の光軸方向の厚みを増やすことにつながり、十分な小型化の達成を困難としコストの増大も招きやすい。
【0052】
4枚以下のレンズで構成される第2群としては、物体側から順に「正レンズ・負レンズ・正レンズ」を配した3枚構成のもの、物体側から順に「正レンズ・正レンズ・負レンズ」を配した3枚構成のもの、物体側から順に「正レンズ・正レンズ・負レンズ・正レンズ」を配した4枚構成のもの、物体側から順に「正レンズ・負レンズ・負レンズ・正レンズ」を配した4枚構成のものが知られており、上に説明した構成を有する「この発明のズームレンズにおける第1群」とこれらの第2群とを組み合わせることで、小型・広画角・高性能のズームレンズを構成できる。
【0053】
さらに、この発明のズームレンズにおける第2群を、物体側から順に「正レンズ・負レンズ・正レンズ・正レンズ」を配した4枚構成のものとすることができる。
【0054】
第2群の物体側に開口絞りが配置される構成上、第2群内では「開口絞りから遠い像側のレンズ面ほど、軸外光線が光軸から離れた場所を通る」ため、軸外収差の補正に関与が深くなる。第2群は、全体として負のパワーの両側に正のパワーを有する対称なパワー配置であるが、軸外収差の補正に関与が深い「像側の正のパワー」を2枚の正レンズに分割することによってパワー配分の自由度が増え、軸外収差の良好な補正が可能になる。
【0055】
このように、第2群を正・負・正・正の4枚構成とする場合、第2群を、図1に例示するように、物体側から順に、物体側に曲率の大きな面を向けた第1の正レンズ2−1、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ2−2、この負メニスカスレンズに接合された正メニスカスレンズ2−3、および第2の正レンズ2−4からなる3群4枚構成とすることができる(請求項5ないし7)。
【0056】
第2群において、物体側から2番目の負レンズ(負メニスカスレンズ2−2)と3番目の正レンズ(正メニスカスレンズ2−3)を接合することは、組み付け偏心の抑制や組み付け工数の削減に効果がある。
【0057】
さらに、物体側から2番目の負レンズ2−2をメニスカス形状としてその物体側面に正のパワーを持たせることにより、最も物体側の第1の正レンズとともに「正のパワーを分担」させ、また、物体側から3番目の正レンズ2−3をメニスカス形状としてその像側面に負のパワーを持たせることにより「接合面とともに負のパワーを分担」させることにより、第2群中の特定の面で「過大な収差」が発生することを防ぎつつ、第2群全体としての収差量の低減と製造誤差感度の低減を両立させることができる。
【0058】
条件(5)、(6)を満足することにより、より十全な収差補正が可能となる(請求項5)。
【0059】
条件(5)のパラメータ:(N2-2-N2-3)を0.15より小さくすると、負・正メニスカスレンズ2−2、2−3の接合面に十分な負のパワーを与えることが困難になり、像面湾曲を補正しきれなくなる。パラメータ:(N2-2-N2-3)を0.4より大きくすると、第2群の負メニスカスレンズ2−2に非常に高い屈折率が要求され、高価な硝材が必要となりコストアップを招く。また、条件(6)のパラメ−タ:(ν2-3-ν2-2)を25よりも小さくすると、負・正メニスカスレンズ2−2、2−3の接合面における色収差を十分にコントロールできず、軸上色収差の補正と倍率色収差の補正を両立させることが難しくなる。
【0060】
また、パラメータ:(ν2-3-ν2-2)を50よりも大きくすると、正メニスカスレンズ2−3に非常に小さな分散が要求され、高価な硝材が必要となってコストアップを招く。なお、さらに望ましくは、条件(5)、(6)よりもさらに狭い、以下の条件:
(5’) 0.20<(N2-2-N2-3)<0.40
(6’) 30<(ν2-3-ν2-2)<50
を満足するのがよい。
【0061】
像面湾曲をさらに改善するには、条件(7)を満足することが望ましい(請求項6)。
【0062】
条件(7)のパラメータ:{(1/r2-1F)+(1/r2-2F)+(1/r2-2R)}×Y'を、1.40より大きくすると、第2群の像面湾曲を十分に補正でき、ズーム域全体にわたって「像面の平坦性」を保つことが可能となる。しかし、上記パラメータが2.20を越えて大きくすると、第2群の各面で発生する収差が大きくなって「収差のやりとり」が増え、製造誤差感度が大きくなる。
【0063】
なお、さらに望ましくは、条件(7)よりもさらに狭い条件:
(7’) 1.55<{(1/r2-1F)+(1/r2-2F)+(1/r2-2R)}×Y'<2.05
を満足するのが良い。
【0064】
さらに球面収差・非点収差・コマ収差を改善するためには、条件(8)を満足することが望ましい(請求項7)。
【0065】
第2群において、最も物体側の第1の正レンズ2−1の物体側面と、負・正メニスカスレンズ2−2、2−3の接合面は双方とも曲率が大きく、互いに大きく収差をやりとりして収差補正に最も寄与している。良好な収差補正には「これら2つの面を通る光線の高さ」が重要である。
【0066】
条件(8)のパラメータ:(LPN/L2)が0.40より小さくなると、第2群の負メニスカスレンズ2−2の像側面における軸外主光線の高さが小さくなり過ぎ、非点収差・コマ収差の補正が不足する場合が生じる。パラメータ:(LPN/L2) が0.70を越えて大きくなると、第2群の負メニスカスレンズ2−2の像側面における軸上マージナル光線高さが小さくなり過ぎ、球面収差の補正が不足する場合が生じる。さらに望ましくは、条件(8)よりもさらに狭い条件:
(8’) 0.45<(LPN/L2)<0.65
を満足するのがよい。
【0067】
単色収差と色収差のバランスをより良好なものとするためには、第2群の負メニスカスレンズ2−2と正メニスカスレンズ2−3の接合面の曲率が、第2群の全ての面の中で最も大きいことが望ましい(請求項8)。
【0068】
第2群において、上記接合面以外の面の曲率が接合面の曲率よりも大きいと、単色収差を良好に補正したまま「軸上色収差と倍率色収差のバランスをとる」ことが難しくなる。
【0069】
単色収差の補正をさらに良好に行うには、第2群に2面以上の非球面を有することが望ましい。これら2面以上の非球面をそれぞれ「光線の通り方が異なる箇所」に用いることで収差補正の自由度を向上させることが可能となる。最も効果的な収差補正を行うには、第2群の最も物体側の面と最も像側の面を非球面とすることが望ましい(請求項9)。
【0070】
第2群の最も物体側の面は絞りSの近傍であるため、軸上と軸外の光束がほとんど分離せずに通り、この箇所に設けた非球面は、主として球面収差やコマ収差の補正に寄与する。第2群の最も像側の面は絞りSから離れているため、軸上と軸外の光束がある程度分離して通り、この箇所に設けた非球面は、非点収差等の補正に寄与する。このように、2面の非球面を「最も物体側の面と最も像側の面に用いる」ことにより、それぞれの非球面が十分に異なる効果をもたらし、収差補正の自由度が飛躍的に増加する。
【0071】
この発明で解決課題している、小型化・広画角化(38度以上)・高解像力は、前述した、第1群を「物体側から順に、少なくとも1枚の像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、両凸レンズ、この両凸レンズに接合された両凹レンズを有する構成」とし、第2群を「少なくとも1枚の負レンズと、少なくとも3枚の正レンズを有する構成」や、第1群を「物体側から順に、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、両凸レンズ、この両凸レンズの像側に接合された両凹レンズからなる構成」、さらには、第2群を「物体側から順に、物体側に曲率の大きな面を向けた第1の正レンズ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、この負メニスカスレンズの像側に接合された正メニスカスレンズ、第2の正レンズからなる構成」によっても達成できる。
このような構成を採ることによっても、第1群と第2群のそれぞれが有する「収差補正上の能力」が相乗的に働き、十分に小型・広画角で高性能のズームレンズを得ることが可能となる。
【0072】
以上に説明した第1群・第2群の構成によってこの発明のズームレンズは十分に特徴付けられているが、ズームレンズとしてさらに良好な性能を確保するための条件を付記しておく。
【0073】
第3群は、物体側に曲率の大きな面を向けた正レンズとし、少なくとも1面に非球面を有することが望ましい。このような構成によれば、第3群の厚みを最小限に抑えつつ「非点収差等の軸外収差」をより良好に補正することができる。
【0074】
また、第3群は変倍に際して固定としても良いが、少量移動させることにより「収差補正の自由度」を増加させることができる.
絞りの開放径は「変倍に拘わらず一定とする」のが機構上簡略で良い。ただし、長焦点端の開放径を、短焦点端に比べて大きくすることにより、変倍に伴うFナンバの変化を小さくすることもできる。また、像面に到達する光量を減少させる必要があるときには「絞りを小径化」しても良いが、絞り径を大きく変えることなく、NDフィルタ等の挿入により光量を減少させた方が、回折現象による解像力の低下を防止できて好ましい。
【0075】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明のズームレンズの具体的な数値実施例を示す。全実施例を通じて最大像高は4.65mmとした。
【0076】
各実施例における記号の意味は以下の通りである.
f:全系の焦点距離
F:Fナンバ
ω:半画角
R:曲率半径
D:面間隔
Nd:屈折率
νd:アッベ数
K:非球面の円錐定数
A4:4次の非球面係数
A6:6次の非球面係数
A8:8次の非球面係数
A10:10次の非球面係数
A12:12次の非球面係数
A14:14次の非球面係数
A16:16次の非球面係数
A18:18次の非球面係数
非球面は、近軸曲率半径の逆数(近軸曲率)をC、光軸からの高さをHとするとき、周知の式:
X=CH2/[1+√{1-(1+K)C2H2}]
+A4・H4+A6・H6+A8・H8+A10・H10+A12・H12+A14・H14+A16・H16+A18・H18
により定義される。
【0077】
【実施例】
実施例1
f = 5.98〜16.89,F = 2.62〜4.51,ω = 39.18〜15.52
【0078】
非球面:第4面
K = 0.0,A4 =-3.19923×10-4,A6 =-7.49996×10-6,A8 = 3.11483×10-7,
A10 =-1.90421×10-8,A12 = 3.91258×10-10,A14 =-2.01103×10-12,
A16 =-5.49008×10-14,A18 = 3.19870×10-16
非球面:第9面
K = 0.0,A4 =-9.62105×10-5,A6 =-9.78873×10-7,A8 = 1.62625×10-8,
A10 = -8.46903×10-10
非球面:第15面
K = 0.0,A4 = 1.62639×10-4,A6 = 2.90705×10-5,A8 =-3.68616×10-6,
A10 = 2.00067×10-7
非球面:第16面
K = 0.0,A4 =-1.57048×10-5,A6 = 5.24326×10-6,A8 =-2.39620×10-7,
A10 = 4.62003×10-9 。
【0079】
【0080】
条件パラメータの数値
D4/L1 = 0.294
(N1-3 - N1-4) = -0.106
(ν1-4 -ν1-3) = 9.02
(N2-2 - N2-3) = 0.208
(ν2-3 -ν2-2) = 31.7
{(1/r2-1F) + (1/r2-2F) + (1/r2-2R)}×Y'= 1.86
(LPN/L2) = 0.498 。
【0081】
実施例2
f = 5.97〜16.88,F = 2.62〜4.59,ω = 39.21〜15.53
【0082】
非球面:第4面
K = 0.0,A4 =-3.07826×10-4,A6 =-4.85834×10-6,A8 = 4.79994×10-8,
A10 =-5.13369×10-9,A12 = 1.31874×10-10,A14 =-4.44648×10-12,
A16 = 1.00002×10-13,A18 =-1.19017×10-15
非球面:第9面
K = 0.0,A4 =-1.10644×10-4,A6 = 2.90173×10-7,A8 =-1.07103×10-7,
A10 = 2.85402×10-9
非球面:第15面
K = 0.0,A4 = 9.10913×10-5,A6 = 3.24177×10-7,A8 =-1.34026×10-7,
A10 =-3.59634×10-8
非球面:第16面
K = 0.0,A4 =-2.67179×10-5,A6 = 5.31764×10-6,A8 =-2.07797×10-7,
A10 = 3.28298×10-9 。
【0083】
【0084】
条件のパラメータの数値
D4/L1 = 0.325
(N1-3 - N1-4) = -0.106
(ν1-4 -ν1-3) = 9.02
(N2-2 - N2-3) = 0.226
(ν2-3 -ν2-2) = 36.6
{(1/r2-1F) + (1/r2-2F) + (1/r2-2R)}×Y'= 2.02
(LPN/L2) = 0.520 。
【0085】
実施例3
f = 5.97〜16.88,F = 2.61〜4.45,ω = 39.20〜15.54
【0086】
非球面:第4面
K = 0.0,A4 =-3.28735×10-4,A6 =-3.95505×10-6,A8 = 1.71512×10-9,
A10 =-5.76704×10-9,A12 = 1.88632×10-10,A14 =-5.01533×10-12,
A16 = 8.46845×10-14,A18 =-9.53474×10-16
非球面:第9面
K = 0.0,A4 =-9.81680×10-5,A6 = 2.13804×10-7,A8 =-7.01685×10-8,
A10 = 1.49964×10-9
非球面:第15面
K = 0.0,A4 = 1.02941×10-4,A6 = 1.46109×10-5,A8 =-1.82418×10-6, A10 = 8.25168×10-8
非球面:第16面
K = 0.0,A4 = 1.53668×10-5,A6 = 6.06988×10-7,A8 = 1.88462×10-8,
A10 =-3.07013×10-10 。
【0087】
【0088】
条件のパラメータの数値
D4/L1 = 0.303
(N1-3 - N1-4) = -0.146
(ν1-4 -ν1-3) = 11.82
(N2-2 - N2-3) = 0.258
(ν2-3 -ν2-2) = 37.5
{(1/r2-1F) + (1/r2-2F) + (1/r2-2R)}×Y'= 1.80
(LPN/L2) = 0.523 。
【0089】
実施例4
f = 5.97〜14.07,F = 2.61〜4.05,ω = 39.20〜18.55
【0090】
非球面:第4面
K = 0.0,A4 =-3.65648×10-4,A6 =-7.69868×10-6,A8 = 3.21673×10-7,
A10 =-2.69702×10-8,A12 = 6.39510×10-10,A14 = 3.39873×10-12,
A16 =-4.70104×10-13,A18 = 5.69704×10-15
非球面:第9面
K = 0.0,A4 =-1.20418×10-4,A6 = 4.09247×10-7,A8 =-1.17777×10-7,
A10 = 3.33202×10-9
非球面:第15面
K = 0.0,A4 = 1.34801×10-4,A6 = 2.11761×10-5,A8 =-2.36142×10-6,
A10 = 1.08818×10-7
非球面:第16面
K = 0.0,A4 = 2.73069×10-6,A6 = 4.04193×10-6,A8 =-1.57711×10-7,
A10 = 2.95910×10-9 。
【0091】
【0092】
条件のパラメータの数値
D4/L1 = 0.345
(N1-3 - N1-4) = 0.029
(ν1-4 -ν1-3) = 17.2
(N2-2 - N2-3) = 0.226
(ν2-3 -ν2-2) = 36.56
{(1/r2-1F) + (1/r2-2F) + (1/r2-2R)}×Y'= 1.80
(LPN/L2) = 0.526 。
【0093】
図1〜図4に順次、上記実施例1〜4のズームレンズの構成断面図を示す。これらの図において、符号Iは第1群、符号IIは第2群、符号IIIは第3群、符号Sは絞りを示し、符号FLは「各種フィルタ」を示している。
【0094】
図5〜図7に順次、実施例1に関する短焦点端・中間焦点距離・長焦点端における収差曲線図を示す。図8〜図10に順次、実施例2に関する短焦点端・中間焦点距離・長焦点端における収差曲線図を示す。図11〜図13に順次、実施例3に関する短焦点端・中間焦点距離・長焦点端における収差曲線図を示す。図14〜図16に順次、実施例4に関する短焦点端・中間焦点距離・長焦点端における収差曲線図を示す。
【0095】
これら収差曲線図に見られるとおり、各実施例とも、短焦点端における半画角は39度以上が達成されるとともに収差が十分に補正され、300万〜600万画素の受光素子に対応することが可能となっている。また、十分な小型化が達成され、非常に良好な像性能を確保できている。
【0096】
【発明の実施の形態】
図17および図18を参照して、携帯情報端末装置としてのカメラ装置の実施の形態を説明する。
図17の(a)、(b)は正面側と上部面とを示す図、(c)は背面側を示す図である。カメラ装置30は、撮影レンズ31として、上に説明した請求項1〜15の任意の1に記載のズームレンズ(より具体的には、例えば、上記実施例1〜4の適宜のもの)を「撮影用ズームレンズ」として有する。
【0097】
図17(a)において、符号32はフラッシュ、符号33はファインダを示す。ズームレバー34とシャッタボタン35は、本体の上面側に配置されている。
図17(b)は撮影レンズ31の使用状態を示す図である。
撮影レンズ31は、使用されないときは、図17(a)に示すように、カメラ装置本体に「沈胴式」に収納される。ズームレンズの上記各実施例とも、レンズ枚数が9枚と少なく、第2群の厚さも小さいので、沈胴式に収納すると薄いカメラ本体内に収納できる。
【0098】
図17(c)に示すように、電源スイッチ36、操作ボタン37、液晶モニタ38はカメラ装置本体の背面側に配置され、通信カード用スロット39Aと、メモリカードスロット39Bは、本体側面に配置されている。
【0099】
図18は、カメラ装置の「システム構造」を示す図である。カメラ装置30は携帯情報端末装置である。図18に示すように、カメラ装置30は、撮影レンズ31と受光素子(エリアセンサ)45を有し、撮影レンズ31によって形成される撮影対象物の像を受光素子45によって読取るように構成され、受光素子45からの出力は中央演算装置40の制御を受ける信号処理装置42によって処理されてデジタル情報に変換される。即ち、カメラ装置30は「撮影画像をデジタル情報とする機能」を有している。
【0100】
信号処理装置42によってデジタル化された画像情報は、中央演算装置40の制御を受ける画像処理装置41において所定の画像処理を受けた後、半導体メモリ44(前記メモリカードスロット39Bにセットされる)に記録される。液晶モニタ38には、撮影中の画像を表示することもできるし、半導体メモリ44に記録されている画像を表示することもできる。また、半導体メモリ44に記録した画像は、通信カード43(前記通信カード用スロット39Aにセットされる)等を使用して外部へ送信することも可能である。
【0101】
図17(a)に示すように、撮影レンズ31は、カメラ装置30の携帯時には「沈胴状態」にあり、ユーザが電源スイッチ36を操作して電源を入れると、図17(b)に示すように鏡胴が繰り出される。このとき、鏡胴内部でズームレンズの各群は、例えば「短焦点端の配置」となっており、ズームレバー34を操作することで各群の配置が変化して長焦点端への変倍を行うことができる。このとき、ファインダ33も撮影レンズの画角変化に連動して変倍する。
【0102】
シャッタボタン35の「半押し」によりフォーカシングがなされる。フォーカシングは、第1群もしくは第3群、あるいは受光素子の移動によって行うことができる。シャッタボタン35を、半押し状態からさらに押し込むと撮影がなされ、その後は上記の「画像情報処理」が実行される。
【0103】
半導体メモリ44に記録した画像を液晶モニタ38に表示したり、通信カード43等を使用して外部へ送信する場合は、操作ボタン37の操作により行なう。
撮影レンズ31として、実施例1〜4の任意のものを使用すると、これらは性能良好であるので、受光素子45として、300万画素〜600万画素クラスのものを使用した高画質で小型のカメラ装置(携帯情報端末装置)を実現できる。
【0104】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば、新規なズームレンズとカメラ装置を実現できる。この発明のズームレンズは、上記の如く、十分に小型で、38度以上の半画角という広画角を実現でき、しかも高性能であり300万〜600万画素の撮像素子に対応した解像力を実現可能である。従って、このズームレンズをカメラ機能部の撮影光学系として使用することにより、小型・高画質のカメラ装置(携帯情報端末装置等)を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のズームレンズの構成を示す断面図である。
【図2】実施例2のズームレンズの構成を示す断面図である。
【図3】実施例3のズームレンズの構成を示す断面図である。
【図4】実施例4のズームレンズの構成を示す断面図である。
【図5】実施例1のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図6】実施例1のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である.
【図7】実施例1のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図8】実施例2のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図9】実施例2のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である.
【図10】実施例2のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図11】実施例3のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図12】実施例3のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である.
【図13】実施例3のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図14】実施例4のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図15】実施例4のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である.
【図16】実施例4のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図17】カメラ装置(携帯情報端末装置)の実施の1形態を示す外観図である。
【図18】図29のカメラ装置のシステム構造を示す図である。
【符号の説明】
I 第1群
II 第2群
III 第3群
S 絞り
F 各種フィルタ
Claims (10)
- 物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1群、正の焦点距離を持つ第2群、正の焦点距離を持つ第3群と、第2群の物体側に配されて第2群と一体に移動する絞りとからなり、短焦点端から長焦点端への変倍に際し、第1群と第2群の間隔が小さくなり、第2群と第3群の間隔が大きくなるように、少なくとも第1群と第2群が移動するズームレンズであって、
第1群が、物体側から順に、像側に凹面を向けた第1の負メニスカスレンズ、像側に凹面を向けた第2の負メニスカスレンズ、両凸レンズ、この両凸レンズに接合された両凹レンズを有し、
第1群における第2の負メニスカスレンズの像側面から、両凸レンズの物体側面までの光軸上距離:D 4 、第1群の、第1の負メニスカスレンズの物体側面から両凹レンズの像側面までの光軸上距離:L 1 が、条件:
(1) 0.20<(D 4 /L 1 )<0.40
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1記載のズームレンズにおいて、
第1群の両凹レンズの屈折率:N 1−4 が、条件:
(2) 1.60<N 1-4 <1.90
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項2記載のズームレンズにおいて、
第1群の両凸レンズの屈折率:N 1−3 およびアッベ数:ν 1−3 、第1群の両凹レンズの屈折率:N 1−4 およびアッベ数:ν 1−4 が、条件:
(3) -0.20<(N 1-3 -N 1-4 )<0.10
(4) 5<( ν 1-4 - ν 1-3 )<25
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1〜3の任意の1に記載のズームレンズにおいて、
第1群における第2の負メニスカスレンズの像側面を非球面としたことを特徴とするスームレンズ。 - 物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1群、正の焦点距離を持つ第2群、正の焦点距離を持つ第3群と、第2群の物体側に配されて第2群と一体に移動する絞りとからなり、短焦点端から長焦点端への変倍に際し、第1群と第2群の間隔が小さくなり、第2群と第3群の間隔が大きくなるように、少なくとも第1群と第2群が移動するズームレンズであって、
第1群が、物体側から順に、像側に凹面を向けた第1の負メニスカスレンズ、像側に凹面を向けた第2の負メニスカスレンズ、両凸レンズ、この両凸レンズに接合された両凹レンズを有し、
正の焦点距離を持つ第2群が、物体側から順に、物体側に曲率の大きな面を向けた第1の正レンズ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、この負メニスカスレンズに接合された正メニスカスレンズ、第2の正レンズを有し、
第2群における、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズの屈折率:N 2−2 およびアッベ数:ν 2−2 、上記負メニスカスレンズに接合された正メニスカスレンズの屈折率:N 2−3 およびアッベ数:ν 2−3 が、条件:
(5) 0.15<(N 2-2 -N 2-3 )<0.40
(6) 25<( ν 2-3 - ν 2-2 )<50
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1群、正の焦点距離を持つ第2群、正の焦点距離を持つ第3群と、第2群の物体側に配されて第2群と一体に移動する絞りとからなり、短焦点端から長焦点端への変倍に際し、第1群と第2群の間隔が小さくなり、第2群と第3群の間隔が大きくなるように、少なくとも第1群と第2群が移動するズームレンズであって、
第1群が、物体側から順に、像側に凹面を向けた第1の負メニスカスレンズ、像側に凹面を向けた第2の負メニスカスレンズ、両凸レンズ、この両凸レンズに接合された両凹レンズを有し、
正の焦点距離を持つ第2群が、物体側から順に、物体側に曲率の大きな面を向けた第1の正レンズ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、この負メニスカスレンズに接合された正メニスカスレンズ、第2の正レンズを有し、
第2群における、第1の正レンズの物体側面の曲率半径:r 2−1F 、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズの物体側面の曲率半径:r 2−2F 、この負メニスカスレンズとこれに接合される正メニスカスレンズの接合面の曲率半径:r 2−2R 、最大像高:Y’が、条件:
(7) 1.40<{(1/r 2-1F )+(1/r 2-2F )+(1/r 2-2R )} × Y'<2.20
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1群、正の焦点距離を持つ第2群、正の焦点距離を持つ第3群と、第2群の物体側に配されて第2群と一体に移動する絞りとからなり、短焦点端から長焦点端への変倍に際し、第1群と第2群の間隔が小さくなり、第2群と第3群の間隔が大きくなるように、少なくとも第1群と第2群が移動するズームレンズであって、
第1群が、物体側から順に、像側に凹面を向けた第1の負メニスカスレンズ、像側に凹面を向けた第2の負メニスカスレンズ、両凸レンズ、この両凸レンズに接合された両凹レンズを有し、
正の焦点距離を持つ第2群が、物体側から順に、物体側に曲率の大きな面を向けた第1の正レンズ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、この負メニスカスレンズに接合された正メニスカスレンズ、第2の正レンズを有し、
第2群の第1の正レンズの物体側面から、負メニスカスレンズと正メニスカスレンズとの接合面までの光軸上の距離:L PN 、第2群の最も物体側の面から最も像側の面までの光軸上の距離:L 2 が、条件:
(8) 0.40<(L PN /L 2 )<0.70
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項5〜請求項7の任意の1に記載のズームレンズにおいて、
第2群における負メニスカスレンズと正メニスカスレンズとの接合面の曲率が、第2群の全ての面の中で最も大きいことを特徴とするズームレンズ。 - 請求項5〜8の任意の1に記載のズームレンズにおいて、
第2群における、最も物体側の面と最も像側の面とが非球面であることを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1〜9の任意の1に記載のズームレンズを、カメラ機能部の撮影用光学系として有することを特徴とするカメラ装置。
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