JP4202039B2 - 幼児用靴 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、幼児が使用する幼児用靴に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大人が靴を履いて歩行する場合は、足裏をローリングさせて滑らかに歩行している。すなわち、踵から着地し、次に足裏の外側を着地させ、最後の爪先で着地すると共に、爪先で前方に押し出す動作をし、前へ進むように足裏をローリングさせている。
しかし、歩行動作が未熟な幼児等の場合、当初は、大人のように滑らかに足裏をローリングさせることができない。また、立ち止まることができるようになり、つかまり歩きをする時期では、足裏全体で着地し、そのまま足を持ち上げる動きしかできず、その後の発達途上の段階においても、踵から着地した後、足裏の外側の着地等を滑らかに行わず、足裏から直ぐに爪先側に体重が移動し、いわゆる爪先立ちの動作等を行おうとする傾向にある。
これらの動作は、決して無駄ではなく、このような動作等を行っていくうちに徐々に、足裏のローリング等が滑らかにでき、大人のように歩行できるようになるのである。
したがって、幼児等が行うこのような動作はできるだけ幼児にさせることが好ましく、このような動きを妨げると、却って歩行練習の妨げとなってしまい、歩く際の足の運び方に悪影響を及ぼすだけでなく、足指の付け根への負担等に伴い、足の形にまで、影響するおそれがある。
また、この時期の幼児等は成長の一環として、爪先立ちを多く行うことが観察によって確認されており、ローリングと同様に爪先立ちを妨げないようにする必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、現在、幼児用靴として販売等されているものは、大人の靴を小さくしたものが多く、靴全体が、特に靴底が硬く幼児の歩行や爪先立ちを行い難くする幼児用靴が多く問題となっていた。
このため、幼児用靴の靴底を柔らかくして、幼児の爪先立ちをし易くする工夫もあるが、靴には、アッパーと呼ばれる靴底から立ち上がるように配置され、足の甲等を覆うように形成される部分が存在する。このアッパーにはある程度、剛性を確保しなければならない部分、例えば爪先側のトウアッパー等が存在するため、どうしてもある程度の剛性が必要となり、この剛性によって幼児の歩行や爪先立ち等の動作を妨げ問題となっていた。
【0004】
本発明は、以上の点に鑑み、幼児が爪先立ちをし易く、これにより歩行練習等を行い易い幼児用靴を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的は、請求項1の発明によれば、幼児の足の足裏側を配置するための靴底部と、前記靴底部から立ち上がるように、且つ幼児の足を包むように形成されるアッパー本体部と、このアッパー本体部には、幼児の足を挿入するための履き口部と、前記履き口部の一部を切り欠いて爪先側方向に向かって形成されている足挿入用開口部と、前記足挿入用開口部に対応して配置される舌状当接部と、実質的に一本の線状とされた幼児の足を靴内に固定するための着脱可能な固定用ベルト部と、を備える幼児用靴であって、前記舌状当接部は前記足挿入用開口部の爪先側の端部又はその近傍の前記アッパー本体部に設けられた舌状当接部取り付け領域に縫合されると共に、前記舌状当接部取り付け領域は、前記靴底部の爪先から踵までの全長に対し、踵から55%以上で、85%未満の位置で、靴底部の形成された足指屈曲用脆弱部の上方に配置され、前記舌状当接部には、前記舌状当接部を前記足挿入用開口部に対して配置した場合に、前記履き口部の上端より高く突出するように上端部が形成され、前記上端部の基部側には変形が容易となる屈曲変形部が爪先側に膨らむ曲線で形成され、前記アッパー本体部の爪先部には、アッパー本体部に硬質層を配置したトウキャップ部が形成され、前記トウキャップ部の内側は、幼児の足の親指の背屈動作を前記爪先部が阻害しないように親指との間の上下方向における上部側の隙間部が、他の足指と前記爪先部の内側との隙間部に比べ大きくなるように、幼児の足の親指が配置される部分が最も厚く、小指が配置されている部分に向かって薄くなるように形成されていることを特徴とする足の裏全体を地面につけて足の指でバランスを取りながら歩き始める歩行練習期に用いられる幼児用靴により達成される。
【0006】
請求項1の構成によれば、前記舌状当接部は前記足挿入用開口部の爪先側の端部又はその近傍の前記アッパー本体部に設けられた舌状当接部取り付け領域に縫合されており、固定用ベルト部が実質的に一本の線状として、着脱可能に形成されている。
したがって、容易に固定用ベルト部による固定を外し、前記舌状当接部を靴の爪先側に開くことができ、使用者である幼児や、その介助者である母親等が前記足挿入用開口部を大きく開き、足を挿入して履く際に、前記舌状当接部が邪魔となることがない。
【0007】
また、この舌状当接部は前記アッパー本体部の舌状当接部取り付け領域に縫合により取り付けられるが、この縫合により舌状当接部取り付け領域は、周囲の領域に比べ脆弱部となる。
【0008】
そして、前記舌状当接部取り付け領域は、前記靴底部の爪先から踵までの全長に対し、踵から55%以上で、85%未満の位置で、靴底部の形成された足指屈曲用脆弱部の上方に配置される。
この足指屈曲用脆弱部は、幼児の中足骨点等の位置を測定した結果、足の足指屈曲線及びその近傍に対応する位置となり、この足指屈曲線等は、歩行に際し足が屈曲する部分である。
したがって、前記舌状当接部取り付け領域は、靴底部に形成された前記足指屈曲用脆弱部の上方に位置するので、使用者の足指の屈曲の際、靴底部が屈曲すると共に、その上方にあり脆弱部となっている前記舌状当接部取り付け領域も屈曲し、使用者の歩行を妨げない構成となっている。
なお、ここで示す靴底部とは、接地面である靴底だけでなく、足裏が配置される中敷等も含まれており、足指屈曲用脆弱部は、靴底部の少なくとも一部に設けられている。
また、前記構成によれば、使用者の前記足指屈曲領域より爪先側に前記トウキャップ部が配置されるので、前記硬質層を配置したトウキャップ部が、使用者の足指の屈曲動作を妨げることがない。
【0009】
好ましくは、請求項2の発明によれば、請求項1の構成において、前記トウキャップ部と前記アッパー本体部との境界部に前記舌状当接部取り付け領域が形成されていることを特徴とする幼児用靴である。
【0010】
請求項2の構成によれば、トウキャップ部をアッパー本体に縫合するため、トウキャップ部に沿って、アッパー本体を幅方向に横断するように縫合に伴う脆弱部が形成されることになり、より屈曲し易い構成となる。
【0011】
好ましくは、請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2に構成において、前記足指屈曲用脆弱部に対応する前記靴底部には、靴幅方向に向かって形成される溝部が設けられており、前記溝部が前記靴底部の爪先側に膨らんだ湾曲形状に配置されていることを特徴とする幼児用靴である。
【0012】
請求項3の構成によれば、靴底部の前記足指屈曲用脆弱部には、靴幅方向に向かって形成される溝部が設けられているので、この溝部により前記靴底部は屈曲し易い構成となっている。
また、前記溝部が前記靴底部の爪先側に膨らんだ湾曲形状となっているので、使用者の前記足指屈曲線及びその近傍により近似した形状となり、スムーズに屈曲することができる。
【0013】
好ましくは、請求項4の発明によれば、請求項3の構成において、前記溝部の湾曲形状の小指側端部が親指側端部より前記靴底部の踵側に配置されていることを特徴とする幼児用靴である。
【0014】
請求項4の構成によれば、前記溝部の湾曲形状の小指側端部が親指側端部より前記靴底部の踵側に配置されているので、前記溝部は、使用者の足の足指屈曲線及びその近傍により近似する形状となる。
【0015】
好ましくは、請求項5の発明によれば、請求項1乃至請求項4のいずれかの構成において、前記足指屈曲用脆弱部に対応する前記靴底部の部分と前記アッパー本体部との境界部分には、帯状に外周硬質層が形成され、前記外周硬質層は、その略中央部が最も幅が狭い略凹状に形成されていることを特徴とする幼児用靴である。
【0016】
請求項5の構成によれば、前記足指屈曲用脆弱部が設けられた前記靴底部の部分と前記アッパー本体部との境界部分に形成される帯状の外周硬質層は、その略中央部が最も幅が狭い略凹状に形成されている。
したがって、使用者の足指が屈曲する際、前記外周硬質層の存在によって、屈曲が妨げられ難い構成となっている。
すなわち、前記外周硬質層が略凹状に形成されているので、この最も幅が狭い部分を中心に屈曲し易い構成となっている。
【0017】
また、靴の外足側である足の小指が配置される側に前記外周硬質層の略凹状が形成されると、使用者、特に幼児が歩行に際し、バランスをとるため小指を外側に広げる動作を行うとき、前記略凹状に切り欠かれた部分に小指が当接する。
したがって、前記外周硬質層が小指の広がりを妨げることがない。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0025】
(第1の実施の形態)
(本発明の第1の実施の形態に係る歩行練習期の幼児用靴(以下、「幼児用靴100という」の全体構成の概略等について。)
図1は、本発明の実施の形態に係る幼児用靴100を示す概略斜視図である。
図1に示すような幼児用靴100は、月齢が経ち、幼児が1人で前に向かって歩くことができるようになり始め、足の裏全体を地面につけて足の指でバランスを取りながら歩き始める、いわゆる歩行練習期以降に用いられる幼児用靴である。
具体的には、月齢が例えば12ヶ月程度からの幼児が対象となる。この月齢の幼児は、手を離して前によちよち歩き始める月齢となる。
【0026】
図1に示すように、幼児用靴100は、使用者である幼児等の足の足裏側を配置するための靴底部110と、前記靴底部110から立ち上がるように、且つ幼児等の足を包むように形成されるアッパー本体部120とを備えている。
【0027】
(靴底部110等について)
図2は図1の幼児用靴100の中央縦断図を示す概略図である。
図2に示すように、靴底部110は、その表面側に靴底本体112が配置され、この靴底本体112の内側には中底111が形成されている。
【0028】
(靴底本体112等について)
靴底本体112は、弾性部材である熱可塑性のエラストマーや合成ゴム若しくは天然ゴム等で形成されているため、歩く際の衝撃を吸収し、滑り止め効果も発揮するように構成されている。
図3は、図1の靴底本体112の底面を示す概略底面図である。
図2及び図3に示すように、靴底本体112の爪先側には溝部112aが複数形成され、これら溝部112aは靴底本体112の幅方向に形成されている。
【0029】
具体的には図3に示すように、溝部112aは、靴底本体112の爪先側に膨出するように湾曲する湾曲形状となっている。
このため、靴底本体112における溝部112aの部分が溝部112aの形成方向に屈曲し易い構成となっている。
そして、より詳細には、この溝部112aの湾曲形状は、その小指側端部112cが親指側端部112dより、靴底本体112の踵側に配置されている。
すなわち、小指側端部112cの方が親指側端部112dより図3において下方に配置されている。
また、靴底本体112には、円形等の異なった複数の種類の滑り止め部112bも形成されているので、滑らずに歩行し易い構成ともなっている。
【0030】
(溝部112aと足指屈曲部C等との関係等について)
ところで、幼児等が歩行や爪先立ち等を行うには、足の踵を上げて足指を屈曲させる必要があり、この足指の屈曲する部分が、足指屈曲線といわれている。図4は、足の骨格等を示す概略説明図である。
図4に示すように、足指は親指側である第1趾から小指側である第5趾まで配置され、その各指の中足指関節及びその周辺に、前記足指屈曲線及びその近傍である足指屈曲部が矢印Cで示されている。
この足指屈曲部Cが、幼児等が爪先立ち等を含めた歩行に際し足を屈曲させる部分である。
【0031】
また、この足指屈曲部Cは幼児等によって、その位置が、異なるが、幼児の中足骨点の位置等を計測したところ、踵から85%の位置において靴幅方向に形成される第1の線E1と、踵から55%の位置において靴幅方向に形成される第2の線E2とで形成される足指屈曲領域F内に多くが位置することが確認された。
このように足指屈曲用脆弱部である足指屈曲領域は、統計上、使用者である幼児等の足の足指屈曲部Cに対応する位置となる。
そして、この足指屈曲領域F内に、図3に示すように溝部112aが例えば6本形成されている。したがって、幼児等が歩行に際し、足指屈曲部Cを屈曲する際、靴底本体112の溝部112aも変形、屈曲し、幼児等の歩行に際し行われる足指の屈曲を妨げない構成となっている。
【0032】
また、この溝部112aは、上述のように小指側端部112cが親指側端部112dより踵側に配置され、全体が爪先側に膨らんだ湾曲形状に形成されている。
したがって、この溝部112aの形状は、図4に示す足の足指屈曲部Cと極めて近似した形状となっているので、幼児等が足指屈曲部Cを屈曲させると、その屈曲とほぼ同様の形状で溝部112aも屈曲することになり、より足指の屈曲を妨げない構成となっている。
なお、ここでは、屈曲し易いように、溝部112aを形成しているが、同様に屈曲し易ければ、靴底本体112を硬さが異なる素材で形成し、溝部112aに対応した部分に軟らかい材質のものを配置し、その他の部分に硬めの材質のものを配置してもよい。このとき、好ましくは接着剤を使わず、一体に成形した方が硬くならないため良い。
【0033】
(アッパー本体部120等について)
図1に示すように、前記靴底部110から立ち上がるように、且つ幼児用の足を包むように形成されるアッパー本体部120が配置されている。
このアッパー本体部120は、アッパー本体121、履き口部122、そして、足挿入用開口部123、踵部140等から形成されている。
【0034】
(アッパー本体121、履き口部122及び足挿入用開口部123等について)
アッパー本体121は、柔らかい素材等から成り、アッパー本体121の上端部に、図1に示すように幼児等の足を挿入するための履き口122が形成されている。
図5は、図1の幼児用靴100の後述する舌片130を爪先側に開いた状態を示す概略平面図である。
図5に示すように、前記履き口部122の一部を切り欠いて爪先側方向に向かって足挿入用開口部123が略U字状に形成されている。
【0035】
この履き口部122の開口と足挿入用開口部123の開口とが連続した開口を形成するため、幼児等が足を挿入しやすい大きな開口を形成することができる。
本実施の形態では、図5に示すアッパー本体121に形成された履き口部122と足挿入用開口部123とで形成される開口と幼児用靴100とを平面図(図5)において表した場合に、前記開口の最大長さGが、例えば75mm乃至90mm程度に形成され、幼児用靴100の全長Dが例えば125mm乃至160mm程度に形成されている。
したがって、前記開口の最大長さGは、前記幼児用靴10の全長Dに対して55%以上という大きな開口となり、極めて足を挿入しやすく、保護者等が履かせ易く、幼児等が履き易い靴となる。
【0036】
なお、この比率55%以上とは100%でも構わないが、靴の構造を考慮すると55%乃至75%であることが好ましい。
また、図1に示すように、履き口部122の近傍にはカウンターループ160が形成され、幼児等が靴を履く際の手がかりとなるように構成されている。
【0037】
(踵部140等について)
図1に示すように、幼児等の足の踵を配置するための踵部140がアッパー本体121の形成されている。
この踵部140は、具体的には図2及び図6(a)に示す、靴底部110の一部に形成される靴底側踵部142と、アッパー本体121に形成されるアッパー本体側踵部であるアッパー側踵部141とで構成される。
そして、このアッパー側踵部141には、図2に示すように、その剛性を高めるためにカウンター部150が配置されている。
これは、上述のようにアッパー本体121は柔らかい素材で構成されているため、幼児等の踵を保持するには剛性が不足するからである。
【0038】
一方、靴底側踵部142は、靴底本体112が弾性部材である熱可塑性のエラストマーや合成ゴム若しくは天然ゴム等で形成されているため踵を保持するための十分な剛性を有するため、カウンター部150が配置されていないが、この靴底側踵部142にカウンター部150を配置しても構わない。
カウンター部150は、図2や図6の斜線部分に示すように、例えば側面からみて円弧状に配置され、厚さ1.2mm程度のゴム等から構成されている。
このようにアッパー側踵部141に、カウンター部150を配置することで剛性が高められ、後述するように固定用ベルト135で固定された際に、幼児用靴の踵部140に幼児等の足の踵が正確にホールドされることになる。
【0039】
また、踵部140には、図1及び図2に示すように、前記靴底本体112を構成する前記弾性部材が、アッパー本体部120にかけて配置されている。このため、カウンター部150の剛度を高めることとなり、確実に踵を保持することができる。
【0040】
(舌片130等について)
ところで、前記略U字状の足挿入用開口部123に対し、これを塞ぐように舌状当接部である舌片130が図1に示すように配置されている。
この舌片130は、表面がポリウレタン性の合成皮革等の比較的剛度を有する素材で確実に固定できるように形成され、内側はポリエステル製の柔軟性に富む素材により構成されている。
なお、舌片130及び固定用ベルト133の外周を、ポリエステル等の生地によりパイピングすることで、伸びてしまうことなどを防ぐよう剛度を高め、更に、開く際の指がかりとなるよう構成してもよい。
そして、舌片130は、アッパー本体121に対して縫合される部分である基部131を有し、この舌片130を前記足挿入用開口部123に対して配置した場合に、履き口部122の上端より高く突出するように形成されている上端部132と、舌片130をアッパー本体121に固定するための固定用ベルト部である固定ベルト133を有している。
【0041】
(基部131等について)
図1に示すように舌片130の基部131は、前記略U字状の足挿入用開口部123の爪先側の端部又はその近傍のアッパー本体121に設けられた舌状取り付け領域である縫合部124に縫合等されている。
この縫合部124によって前記舌片130を固定するため、自由端側となる舌片130の上端部132側を図5に示すように、幼児用靴100の爪先側に倒すことができる。
したがって、使用者等が足挿入開口部123を図5に示すように開状態にし、足を挿入して履く際に、前記舌片130が邪魔になることがない。
また、この縫合部131は、図6に示すように図3で示す溝112aが形成されている足指屈曲領域Fの上方に配置されている。
【0042】
図6は図1の幼児用靴100の左側面とカウンター部を示した概略左側面図である。
靴底部110に形成されている溝部112aの配置領域は、上述のように、図3で示す足指屈曲領域Fである。
したがって、縫合部124は、前記足指屈曲領域Fに設けられた足指屈曲用脆弱部である溝部112aの上方に形成されることになる。
【0043】
ところで、この縫合部124は、縫合によりアッパー本体121の他の部分である周囲の領域に比べ脆弱部となるため屈曲し易い部分となっている。
これは縫合によりアッパー本体121や舌片130に孔があけられることに伴い、剛度が弱まるためである。
また、縫合に使用される糸によっては剛度が高まることも起こり得るが、その場合においても足指屈曲領域Fに対応したアッパー本体121において、剛度が同等ならば、剛度の強い縫合部124の前後が屈曲し易くなるよう癖付けられるため足指屈曲部Cに沿って屈曲し易いこととなる。
また、この縫合部124が設けられた部分を足指屈曲部Cに沿って断面とした場合、その断面は縫合部124が頂点近傍となる半円状とされている。
このため、図7に示すように、アッパー本体121の頂部が屈曲し易いこととなり、半円状のためアッパー本体121全体が足指屈曲に応じて変形し易い。
このため、歩行や爪先立ち等に際し、幼児等が足の足指屈曲部C(図4)を屈曲させると、その屈曲動作により、脆弱部となっているアッパー本体121の縫合部124も屈曲し、歩行に際し、必要な足指の屈曲を妨げない歩行し易い靴となる。
【0044】
特に、足指屈曲部Cに対応して靴底本体112の溝部112aも屈曲するので、幼児等の足指屈曲に対応して靴底部110とアッパー本体120が屈曲することになり、極めて屈曲し易い歩行し易い幼児用靴となる。
図7は、幼児用靴100を幼児等が履いて足指を屈曲して歩行している状態を示す概略説明図である。
図7に示すように足指の屈曲に対応して靴底部110の溝部112aとアッパー本体112の縫合部124が屈曲する構成となっている。
このとき、特に溝部112aに対して、脆弱部である縫合部124が、爪先寄りに形成されている。
これは、前方に対して移動するように足を屈曲させた場合、屈曲する半径の違いから靴底部110に面による脆弱化と比べて、僅かに爪先よりアッパー本体121の上部である縫合部124の部位が屈曲することに対応するためである。
【0045】
(固定用ベルト133等について)
図1に示すように、舌片130の両側には固定用ベルト部である固定ベルト133が形成されている。この2つの固定用ベルト133は舌片130に対して一体的に形成され、且つその舌片130の両側からそれぞれ突出するように略対称に実質的に一本の線状に結ばれるように配置されている。
この固定用ベルト133の端部である先端部の内側には、図5に示すように係合手段であるベルト側面ファスナー133aがそれぞれ形成されている。
また、このベルト側面ファスナー133aに対応して、図5に示すようにアッパー側面ファスナー121aが形成されている。
【0046】
このため、これらベルト側面ファスナー133aとアッパー側面ファスナー121aとを幼児等の母親等が操作すれば容易に着脱可能で位置の調整も可能な係合手段となるように構成されている。
したがって、足の幼児用靴100に対する固定や開放は、前記固定用ベルト133の先端部のベルト側面ファスナー133aとアッパー側面ファスナー121aとの間の係合状態を操作するだけなので、従来のように紐等によって固定する場合よりも極めて容易に着脱をすることができる。
また、ベルト側面ファスナー133aとアッパー側面ファスナー121aとの係合位置を調整することができるため、幼児の足のサイズや形状の違いに対応して任意の位置に固定することができる。
更に、固定用ベルト133は舌片130の両側に突出するように略対称に形成されているため、締める力を均等とすることができ、アッパー本体120を歪めることなく固定することができる。
なお、ここでは、面ファスナー133a、121aを略長方形としているが、固定強度を強め確実に固定できるよう、面ファスナー133a、121aを足挿入開口部123側に開口に沿うように延伸されてもよい。
【0047】
(固定ベルト133と踵部140等との関係等について)
図7は、図1の幼児用靴100の右側面を示した概略右側面図である。
図6に示すように固定ベルト133のそれぞれの先端部の幅方向における略中央部を相互の結んだ仮想線Hをそのまま延長した場合に、この仮想線Hが、踵部140における図2に示すアッパー側踵部141と靴底側踵部142との境界部又はその近傍に達するように固定ベルト133は配置されている。
したがって、幼児等が幼児用靴100を履き、図1に示すように固定ベルト133締める、すなわち、固定ベルト133の先端部のベルト側面ファスナー133aをアッパー側面ファスナー121aと係合させると、固定ベルト133は、幼児等の足を幼児用靴100の踵部140の方向へ固定するように作用することになる。
この仮想線Hを延長して図6に示す載置面(床)と仮想線Kと交差する部位における角度θは30度乃至40度とされている。
【0048】
これにより、本実施の形態の幼児用靴100は、従来の幼児用靴のように幼児等の足を靴底部110側に略垂直方向に固定する場合に比べ格段にホールド性が向上すると共に、幼児等の爪先立ちや歩行に伴う足指屈曲を妨げることなく、足を靴にホールドできる。また、幼児用靴100の中で足が動いてしまい、歩行し難いことに伴う、足の運びや足の形への影響を未然に防ぐことができるので、歩行しやすい幼児用靴100となる。
【0049】
なお、この固定ベルト133の固定方向は上述のように踵部140の方向であり、この踵部140には図5等に示すようにカウンター部150が配置され、踵部のうち、特にアッパー側踵部141の剛性が高められている。
このため、幼児等の足を前記固定ベルト133で幼児用靴100の踵部140方向へ固定すると、このカウンター部150を介して幼児等の足の踵が踵部140に押し付けられ、より確実に足の踵が踵部140に固定されるので、幼児等の足の靴に対するホールド性が著しく向上することになる。
【0050】
ところで、固定ベルト133の2つの先端部は、図6に示すように、このカウンター部150の外縁部151と近接して配置される構成となっている。
したがって、カウンター部150に固定ベルト133の2つの端部である先端部が直接、固定されない構成となっている。
したがって、カウンター部150の剛性により確実にホールドさせつつも、この先端部とカウンター部150の外縁部151との間が直接固定されず、その間には、アッパー本体121の柔らかい素材が配置されているので、幼児等の歩行時に行う足指屈曲等に伴う足の変形に応じて、この柔らかい素材の部分が変形し、足に負担をかけない構成となっている。
このため、幼児等の足の変形に追従して幼児用靴100の前記柔らかい部分が変形するので、幼児等にとって歩きやすい靴となる。
【0051】
(舌片130と足の足高点等との関係等について)
図8は人における足の骨格等の概略説明図である。
図8に示すように人の足には矢印Bで示す部分に足高点Bと称される部分がある。
本実施の形態の幼児用靴100は、図1に示すように、2つの固定ベルト133を結んで実質的に一本の線状と考えた際の舌片130の中央部における下縁部側の仮想線である足高点仮想線Iが、幼児等の足の甲における図9の足高点B又はその近傍に配置されるように舌片130は構成されている。
したがって、固定ベルト133が、幼児等の足の甲を靴底部110方向に垂直に押し付けてしまい、幼児用靴100の中の足のホールド性が低下するのを効果的に防ぐことができる。
【0052】
すなわち、幼児等の足の甲の足高点B又はその近傍より、図1において爪先側の足の甲に2つの固定ベルト133の下縁部側を結んだ足高点仮想線Iが配置されると、この固定ベルト133の押し付け力は、足の甲側から足の裏側に垂直方向に向けられ、足を靴底部110側に押し付け足を固定しようとする。
これでは、足の甲の部分を押し付けるだけで、幼児用靴100の中における足の動きが大きな踵を固定ができず、足が靴の中でズレ易く、歩き難くなってしまう。
また、幼児等の足首側に2つの固定ベルト133の下縁部側を結んだ足高点仮想線Iが配置されると、幼児等の足首の曲げる動きを防いでしまう。
【0053】
一方、足の屈曲を考慮して固定ベルト133の前記押し付け力を弱めると、足が靴の中で固定されず、やはり歩き難い靴となってしまう。
この点、本実施の形態の幼児用靴100では、2つの固定ベルト133を結んだ舌片130の中央部における下縁部側の仮想線である足高点仮想線Iが、幼児等の足の甲における図8の足高点B又はその近傍に配置されるように舌片130及び固定用ベルト133は構成されているので、幼児等の足を靴底部110方向に略垂直方向に押し付けることがないので、幼児等の足指屈曲を妨げることなく、足を靴に固定でき、ホールド性が向上することとなる。
すなわち、固定ベルト133の下縁部側が、足高点Bから爪先側の足の甲に配置されるのを有効に防止できるので、より精度良く幼児の足を幼児用靴100の踵部140に押し付けることができ、幼児等の足のホールド性がより高まる幼児用靴100となる。
【0054】
また、固定ベルト133は図1に示すように、舌片130に対し一体的に形成され、且つその両側である左右方向にそれぞれ突出するように略対称に配置されている。
したがって、幼児等の足を固定するために固定ベルト133を操作した際、固定ベルト133の締め付け量の偏りに伴う、幼児用靴100の歪みを低減することができる。また、2つの固定ベルト133に均等に力をかけることになるため、図8の足の甲の足高点側から踵点方向に正しく力を加えることができ、幼児等の足の踵を幼児用靴100の踵部140にしっかりとホールドさせることができる。
すなわち、舌片130の両側に突出して形成されている固定ベルト133で固定するので、これら舌片130と固定ベルト133によって、しっかりと足を靴内にホールドすることができる
【0055】
(上端部132について)
図1に示すように舌片130を前記足挿入用開口部123に対して配置した場合に、履き口部122の上端より高く突出するように上端部132が形成されている。
この上端部132によって、舌片130はより広い面積で幼児等の足を包むことになるので、足の靴に対するホールド性、特に足首のホールド性が高まる幼児用靴100となる。
【0056】
このように舌片130に上端部132を形成することで足のホールド性は高まるが、逆に歩行に際し行われる足首の屈曲が、この上端部132が食い込んでしまうなどで妨げられるおそれがある。
例えば、図7に示すように幼児等の足首を爪先側に屈曲した際に舌片130の上端部132が幼児等の足首に当接して、足首の屈曲を妨げるおそれがある。
そこで、本実施の形態の幼児用靴100では2つの固定ベルト133の上縁部側を結んだ仮想線上に屈曲変形部であるステッチ132aが爪先側に膨らむ曲線で形成されている。
このステッチ132aは縫合等によって構成され、このステッチ132aによって上端部132は縫合部124と同様に、その基部側で変形が容易になっている。
そして、このステッチ132aの変形により、図7に示すような上端部132の変形、具体的には足首の屈曲に追従した、爪先側への屈曲が生じ、歩行に際し、ホールド性が高く、足首の屈曲を妨げない、歩行しやすい幼児用靴100となる。
【0057】
(トウアッパー125について)
図9は、図1の幼児用靴100のトウキャップ部であるトウアッパー125を靴幅方向に切断した状態を示す概略断面図である。
このトウアッパー125は、アッパー本体121の柔らかい素材の上に、舌片130と同様に、硬質層である例えば合成皮革等を配置することや、カウンター部150と同様な補強を行うことで他の部分より剛性が高められるように構成されている。
このアッパー125とアッパー本体121との境界部である、図1に示す外縁部125aに、前記舌状当接部取り付け領域である縫合部124が形成されている。
【0058】
したがって、幼児等の前記足指屈曲部C(図4参照)より爪先側に前記トウアッパー125が配置されるので、前記合成皮革等を配置し剛性が高いトウアッパー125が幼児等の足指の屈曲動作を妨げず、外縁部125cも縫合されているため脆弱部として機能して屈曲し易い。このため、図7に示すように幼児等が足指を屈曲する際に、縫合部124等と合わせ、より屈曲し易い構成となっている。
一方、幼児用靴100の爪先部であるトウアッパー125は、爪先の保護などを目的として、他の部分より剛性を高める必要もあるので、上述のように足指の屈曲を妨げない範囲で剛性が高められている。
【0059】
また、図9に示すように、幼児用靴100のトウアッパー125の内側における高さは、幼児の足の親指が配置される部分が最も厚く、小指が配置される部分に向かって漸次薄くなるように形成されている。
すなわち、トウアッパー125の内側における親指との間の上下方向における隙間部が、他の足指と前記爪先部の内側との隙間部に比べ大きくなるように形成されている。
【0060】
このように親指と前記爪先部との間に最も隙間部が形成されているのは、この時期の幼児に多く見られる動きである歩行に際して親指の背屈を行っても、この親指の背屈動作を前記爪先部が阻害しないためである。
このため幼児が歩行に際して、バランスを保つため、幼児用靴100の内部で親指を背屈することが可能であるので、円滑な歩行及び歩行練習ができる構成ともなっている。
【0061】
(側面皮革部126等について)
図1に示すように、足指屈曲領域F(図3参照)内に対応する靴底部110の部分とアッパー本体部120との境界部分には、帯状の外周硬質層である側面皮革部126が形成されている。
この側面皮革部126は、アッパー本体121の柔らかい素材の上に、トウアッパー125と同様に、アッパー本体121より剛性が高い合成皮革等が帯状に配置されている。
この側面皮革部126は、図1に示すように、その略中央部に最も幅狭い略凹状の切り欠きである凹部126aが形成されている。
【0062】
したがって、図7に示すように幼児等が足指を屈曲させた際には、この凹部126aを中心にアッパー本体120や靴底部110が屈曲し易い構成となっている。このため、幼児等が歩行や爪先立ち等をし易い幼児用靴100となる。
更に、アッパー本体121が、側面皮革部126から縫合部124にかけて幅が狭まるように形成されており、やわらかいアッパー本体121が変形することで屈曲を妨げない構成となっている。
また、図7に示す幼児用靴100の外足側である足の小指が配置される部分が靴底部110における最大幅とされて外側に隙間部が形成されると共に、側面皮革部126の凹部126aが配置されるので、幼児等が歩行や爪先立ちに載置、バランスをとるため図10に示すように小指を外側に広げる動作を行うとき、この凹部126aに小指が当接する。
したがって、幼児等の小指の広がりを剛性のある側面皮革部126が邪魔をすることがないので、幼児等はバランスをとることができる。
図10は、幼児等の足指の小指の広がり状態を示す概略説明図であり、このように幼児は歩行時に、大きく指を開く傾向がある。
このため、本実施の形態に幼児用靴100は幼児等が爪先立ち等に際しバランスをとりやすい靴となる。
【0063】
(インソール200について)
図2に示すように、本実施の形態の幼児用靴100の中底111の上には、脱着可能な幼児用靴中敷であるインソール200が靴底部110n一部として設けられている。
図11(a)はインソール200の概略低面図であり、図11(b)は図11(a)のA−A’線概略断面図である。
図11(a)に示すように、インソール200は幼児用靴100の中底111の形状に合わせ形成され、柔らかい材質である例えば発泡EVA樹脂や発泡ポリエチレン等により形成されている。
このインソール200の底面側には図11(a)(b)に示すように、脆弱部である屈曲用溝部201が例えば6本形成されている。
【0064】
この屈曲用溝部201は、図3の靴底本体112に形成されている溝部112aと同様の領域、すなわち、足指屈曲領域Fに爪先側に膨らんだ形で形成されている。
このインソール200における屈曲用溝部201は、靴底部110と同様に、足指屈曲領域F’に形成され、取り付けられた靴底部110における全長に対する踵から85%の位置のE1’と、踵から55%の位置のE2’の位置との区間とされている。
このとき、靴底部110との関係上、幼児用靴100の踵部の厚さ(D’)を5mmとして、インソール200の踵部からのE1’及びE2’までの長さに5mmを足して、55%から85%の位置となるよう構成している。
【0065】
このようなインソール200は、幼児等の足が幼児用靴100のサイズに比べ若干、小さい場合等にサイズを調整等するために配置される。
このようにインソール200を幼児用靴100の中底111に配置した場合、インソール200にも、靴底本体112の溝部112aと同様の屈曲用溝部201が同様の形状で同様の位置に設けられている。
したがって、幼児等が歩行に際し上述のように足指屈曲等を行う際、インソール200がその屈曲を妨げることなく、歩行しやすい幼児用靴100となる。
【0066】
(幼児用靴100の使用方法等について)
本実施の形態に係る幼児用靴100は、以上のように構成されているが、以下のその使用方法等について説明する。
ここでは、介助者である母親等が、子である幼児に幼児用靴100を履かせることを例に説明する。
【0067】
先ず、母親は図1に示す幼児用靴100の2つの固定ベルト133を把持し、面ファスナー133a、121aの係合を解除させる。
その後、図5の舌片130の上端部132を把持し、舌片130の縫合部124側の固定端を中心に、自由端である他の部分を靴の爪先側に倒す。この状態を示したのが図5である。
【0068】
図5に示すように履き口122と足挿入用開口部123で形成される開口の最大長さGは、幼児用靴100の全長Dに比べ、約60%にも達するため、格段に大きな開口を形成することができる。
このような大きな開口が形成されるため、母親が幼児の足を挿入させやすい、すなわち、履かせ易い幼児用靴100となる。
【0069】
次に、母親は上述と逆に、舌片130を図1の状態に戻し、両側に配置される2つの固定ベルト133の面ファスナー133aをアッパー本体121の面ファスナー121aと係合させ、位置を調整しながら固定する。
したがって、紐等によって固定するのと異なり母親等は容易に幼児に幼児用靴100を履かせることができる。また、固定ベルト133の位置調整が可能なため、適当な位置に固定ベルト133を配置できるので、最適な状態で幼児に幼児用靴100を履かせることができる。
このとき、固定ベルト133は図5に示すように、左右略対称位置に配置されている。このため、固定ベルト133の締め付けすぎにより、幼児用靴100が歪むことがない。
【0070】
また、この固定ベルト133は、幼児の足の甲を靴底方向に押し付けるのではなく、踵方向に押し付けて固定するので、歩行の邪魔に成らずに足が靴の内部で固定される。
したがって、本実施の形態の幼児用靴100は、母親等が幼児等に履かせ易い靴であると共に、靴を履いた後は、足が幼児用靴100の踵部140に押し付けられて固定されるので、ホールド性が高く歩き易い幼児用靴100となる。
【0071】
また、図7等に示すように、足指屈曲領域Fに対応して、靴底本体112には溝部112aが、そしてインソール200には屈曲用溝部201が、さらに、アッパー本体部120には縫合部124や外縁部125aや凹部126aが形成されているので、幼児等が歩行や爪先立ち等を行い易い幼児用靴100とインソール200となっている。
【0072】
(第2の実施の形態)
図12は、本発明の第2の実施の形態に係る、伝え歩き期の幼児用靴300(以下、「幼児用靴300」とする)を示す概略斜視図である。図13は図12の幼児用靴300の爪先側を示した概略正面図である。図14は図12の幼児用靴300の右側面とカウンター部とを示した概略右側面図である。
また、図15は図12の幼児用靴300の概略平面図、図16は図12の幼児用靴300の概略底面図である。
【0073】
(第2の実施の形態に係る幼児用靴300の全体構成の概略等について)
図12に示す幼児用靴300を履く、伝え歩き期の幼児は、例えば8ヶ月乃至12ヶ月の月齢の幼児であり、その歩行形態は、机等につかまり、手の力を使い、「つかまり立ち」をしながら横に移動する状態である。そして、この「つかまり立ち」の際に、爪先立ちをしたり、爪先立ちをした状態で歩こうとする特徴がある。
【0074】
図12及び図13に示すように、幼児用靴300は、幼児等の足裏側を配置するための靴底部320と、靴底部310から立ち上がるように、且つ幼児等の足を包むように形成されるアッパー本体部320とを備えている。
【0075】
(靴底部310等について)
靴底部310は、伝え歩き期が始まる例えば8ヶ月程度の月齢の幼児の足の動きに追従できる程度の軟らかい材質から形成されており、例えば、ポリエステル、綿、ナイロン、キャンバス(帆布)、トリコット、合成ゴム、合成皮革を含む皮革等により形成されている。
また、図13及び図16に示すように、この靴底部310には、例えば円形の滑り止め部312が多数、形成されている。
このように多数の円形の滑り止め部312を靴底部310の表面に形成することで、幼児用靴300を履いた幼児等が滑ることなく歩行等をすることができるようになっている。
なお、滑り止め部分312が設けられた部分は、設けられていない部分と比較すると硬いため、第1の実施の形態と同様に、溝部112aのような形で、滑り止め部312を実線状や点線状に設け、滑り止め部312が設けられていない部分が溝部112aと同様に屈曲し易く機能するよう構成してもよい。
【0076】
(アッパー本体部320等について)
靴底部3100の上部には図12等に示すように、アッパー本体部320が、幼児等の足を包み込むように形成されている。
アッパー本体部320は、伝え歩き期の幼児の歩行の際に行われる足首や足指等の屈曲の妨げとならないために、全体がやわらかい材質によって形成されており、表面をメッシュ加工されたポリエステル等で形成されることにより、特に通気性が確保されている。
アッパー本体部320には、図12等に示すように幼児等の足を挿入するための履き口部322が形成されている。そして、この履き口部322の一部を切り欠いて爪先側方向へ向かって略U字状に足挿入用開口部323が形成され、この開口は履き口323の開口と連接して形成されている。
【0077】
(履き口部322,足挿入開口部323、舌片330等について)
この足挿入用開口部323には、図12等に示すように舌状当接部である舌片330が、この開口を塞ぐように配置されている。
この舌片330は、表面がメッシュ加工されたポリエステル等で形成され、内側はポリエステル等の柔軟性に富む素材により構成されている。
また、この舌片330の爪先側の端部は、図12等に示すアッパー本体部320の足挿入用開口部323の爪先側の端部又はその近傍に設けられた舌状当接部取り付け領域である縫合部324に対して縫合により固定されている。
【0078】
このため、舌片330は、第1の実施の形態の幼児用靴100の舌片130と同様に、舌片330を幼児用靴300の爪先側に倒すことができ、これにより、足挿入用開口部323を開状態とすることができ、幼児等の使用者が足を挿入する際に、舌片330が邪魔になることがない。
図17は、舌片330を爪先側に開き、履き口部322と足挿入用開口部323を開にした状態を示す概略平面図である。
【0079】
このように舌片330を開くことにより、履き口部322と、これに連接する足挿入用開口部323とで形成される開口は、極めて大きくなり、第1の実施の形態の幼児用靴100と同様に、母親等の保護者が幼児に幼児用靴100を履かせる際に、幼児の足を挿入し易い構成となる。
この履き口部322と足挿入用開口部323によって形成されている開口を平面図である図17に示した場合、図23のL1は、例えば70mm乃至80mm程度に形成されている。
これは、図12における幼児用靴300を平面図である図17に示した場合、全長(L2)が120mm乃至140mmであることから、全長(L2)の 55%以上となり、好ましくは、55%乃至75%という大きな開口を形成することができることになる。
【0080】
(固定用ベルト333等について)
ところで、図12に示すように、幼児用靴300の足挿入用開口部322の開口状態を任意の状態に保持するための固定用ベルト部である固定用ベルト333が実質的に一本の線状とされてアッパー本体部320に配置されている。
この固定用ベルト333は舌片330と同様に表面がメッシュ加工されたポリエステル等により形成され、内側はポリエステル等の柔軟性に富む素材により構成されているので、容易に変形可能に形成されている。
なお、図12に示す固定用ベルト333の外周333bは綿やポリエステルの生地等によってパイピングされており、長さ方向に伸びてしまうなどの変形を防いでいる。
また、この固定用ベルト333は、その左端部(内足側)333cが図14及び図18に示すようにアッパー本体部320に固定され固定端となっている。
【0081】
図18は図12の固定用ベルト333を開いた状態を示す概略斜視図である。
図18に示されるように、固定用ベルト333は、履き口部322側に凹状となるように弓形に形成されており、後述するように固定用ベルト333が幼児等の足の足高点又はその近傍を固定する構成となっている。
したがって、固定用ベルト333は幼児等が幼児用靴300を履いて歩行した際に、幼児等の足首に当たらない構成となっている。
【0082】
そして、他方の一端部である右端部(外足側)333dには、着脱可能な係合手段であるベルト側面ファスナー333eが形成されている。そして、このベルト側面ファスナー333eに対応するアッパー本体部320の表面にも、対応するアッパー側面ファスナー321aが形成されている。
したがって、固定用ベルト333の右端部333dに設けられたベルト側面ファスナー333eと、アッパー本体部320に設けられたアッパー側面ファスナー321aとの係合位置を調整することにより、幼児用靴300の足挿入用開口部323の開口を任意の状態に保持させることができる構成となっている。
【0083】
なお、通常は右端部333dのベルトが側面ファスナー333dを、アッパー本体部320のアッパー側面ファスナー321aに装着すると、それぞれ両端部333d,333cが靴の長手方向である前後方向に対して左右対称の位置に配置されるように構成されている。
このため、固定用ベルト333の締め付け量を大とした場合に伴う幼児用靴300の全体の歪み等を低減することができると共に、前記固定用ベルト333を左右均等に力をかけることになるため、後述する幼児等の足の足高点側から踵方向に正しく力をかけて踵を幼児用靴300の踵部340に確実に固定することができる。
したがって、幼児が歩行をし易く、若しくは歩行練習をし易い靴となっている。
【0084】
また、この固定用ベルト333の右端部333dの固定は、ベルト側面ファスナー333e、アッパー側面ファスナー321aの着脱だけなので、紐等によって固定する場合より極めて容易に着脱することができる。したがって、幼児等が足を入れた後は、容易に足をしっかり靴に固定することができ、母親等の介助者にとっても履かせ易い靴となる。
【0085】
(踵部340とカウンター部350等について)
ところで、図12に示す幼児用靴300には、挿入された幼児の足の踵が配置される踵部340が形成されている。この踵部340は、具体的には、図14に示すように、靴底部320に形成される靴底側踵部である靴底側踵部342と、アッパー本体部320に形成されるアッパー本体側踵部であるアッパー側踵部341とを有している。
このような踵部340のうち、アッパー側踵部341は、上述のアッパー本体部320の一部として形成されているため、踵部340としては剛性が不足し、使用者である幼児等の足の踵を適度のホールドすることができない。
そのため、図14に示すように、アッパー側踵部341の内側には、アッパー側踵部341の剛性を高めるためカウンター部350が配置されている。
【0086】
このカウンター部140は、具体的には、図14に示すように側面形状が略扇形の形状をしており、厚みが例えば1.2mm程度のゴム等により形成されている。
このカウンター部350がアッパー側踵部341の内部に配置されることにより、アッパー側踵部341の剛性が向上し、図14に示す踵部340全体の剛性が向上することになる。
そして、剛性の向上した踵部340に幼児等の足の踵が正確にホールドされることとなる。
【0087】
このように、幼児用靴300のアッパー側踵部341の内部にカウンター部350が配置されるが、このカウンター部350の外縁部351に近接して、図14に示すように固定用ベルト333の左端部333cが配置されている。
なお、右端部333dも同様の構成である。
このように幼児用靴300のカウンター部350に対して固定用ベルト333の両端部333c、333dが直接固定されていない。このため、第1の実施の形態と同様に、後述するようにカウンター部150に固定用ベルト333で保持するように固定しつつも、歩行に伴う足首の前方への屈曲による変形等を外縁部351と固定用ベルト333の両端部333c、333dとの間に配置された、柔軟な素材によるアッパー本体部320の変形で吸収する。
これにより、幼児等の歩行時の足の変形により生じる幼児用靴300の変形を吸収でき、幼児に不必要な負担をかけることがなく、歩き易い幼児用靴300となっている。
【0088】
(固定用ベルト333と踵部340との関係等)
図12及び図14は、固定用ベルト333の右端部333dのベルト側面ファスナー333eをアッパー本体321のアッパー側面ファスナー321aに係合させ、使用者が歩行する際の固定用ベルト333の配置状態を示している。
このとき、図14に示す固定用ベルト333の左端部333cの幅方向における略中央部を結んだ仮想線が仮想線Jである。
したがって、この仮想線Jは第1の実施の形態の仮想線Iについて説明したのと同様に、この仮想線Jをそのまま延長した場合に、この仮想線Jが、図14における靴の右端側で、アッパー側踵部341と靴底側踵部342との境界部J’に達するように、固定用ベルト333は配置される。
また、仮想線Jを延長して、図14に示す載置面(床)の仮想線Kと交差する部位における角度θは、第1の実施の形態と同様に例えば30度乃至40度となっている。
【0089】
すなわち、このように固定用ベルト333の両端部333c、333dが配置されると、使用者である幼児等が幼児用靴300を履き、固定用ベルト333で足を固定する際、固定用ベルト333は、図14の仮想線Jに示すように、靴の中の足を靴の踵部340方向へ固定するように作用することとなる。
このように足を靴の踵部340方向へ向かって足を固定すると、従来のように足を靴底方向へ固定する場合に比べ、格段に足のホールド性が向上することとなる。
【0090】
また、第1の実施の形態と同様に、図14に示すように、カウンター部350の外縁部351と固定用ベルト333の両端部333c、333dとが近接して配置されているため、カウンター部350の剛性の高さを有効に利用することができる。
すなわち、固定用ベルト333で足を踵方向へ押し付ける際、カウンター部350の剛性を最大限有効に利用しつつ、足の踵を靴の踵部350に固定させることができる。
【0091】
(固定用ベルト333と足高点との関係等について)
次に、図14における固定用ベルト333の下縁部333f側は、幼児等の足の甲における足高点又はその近傍に配置されるようになっている。この足高点は第1の実施の形態で示した図8の足高点Bである。
したがって、第1の実施の形態の幼児用靴100の場合と同様に、本実施の形態の幼児用靴300によれば、固定用ベルト333の下縁部333f側が幼児の足の足高点Bに配置されるので、不必要に足の甲を足裏側に押さえつけることがない。特に、固定用ベルト部130が、足高点Bから爪先側の足の甲に配置されるのを有効に防止できるので、より精度良く幼児の足を幼児用靴300の踵部340に押し付けることができ、幼児の足のホールド性がより高まり、歩行を妨げない幼児用靴300となる。
【0092】
(足指屈曲領域Fと縫合部324との関係等について)
図19は、本実施の形態に係る幼児用靴100を幼児が履き、歩行や、この時期に多く見られる爪先立ちのために足の踵を持ち上げている状態を示す概略斜視図であり、図20は、図19の幼児用靴300の概略断面図である。
図20は、第1の実施の形態の図7と同様に、幼児が幼児用靴300を履き、足の踵を浮かせる動きをし、図4の足指屈曲部Cが屈曲している状態を示す図である。
本実施の形態では、使用者である幼児の足指屈曲部Cを含む図3に示す足指屈曲領域Fの近傍の上方に相当する位置に、舌状取り付け領域である縫合部324が縫合等によって形成されている(図12参照)。
【0093】
この縫合部324は、第1の実施の形態の縫合部124と略同様の構成であるので、第1の実施の形態と同様に、爪先立ち等や歩行に際し、幼児等が足の足指屈曲部C(図4参照)を屈曲させると、その屈曲動作により、脆弱部となっているアッパー本体部320の縫合部324も屈曲し、爪先立ち等に際し、必要な足指の屈曲を妨げない幼児用靴300となっている。
【0094】
(インソール210について)
靴底部310の内側には、図20に示すようにインソール210が配置されている。このインソール210は、第1の実施の形態のインソール200と略同様の構成となっており、脆弱部である屈曲用溝部211が図3の足指屈曲領域Fに対応して形成されている。
なお、本実施の形態では、靴底部310に設けられた足指屈曲用の脆弱部は、靴底部310の一部であるインソール210のみに設けられている。
したがって、図20に示すように、インソール210を幼児用靴300の内部に配置しても、第1の実施の形態と同様に、幼児等が爪先立ち等の歩行に際し、足指屈曲等を行う際、インソール210が、その屈曲を妨げることなく、爪先立ち等を行い易い構成となっている。
【0095】
(固定用ベルト333の幅等について)
図12に示す固定用ベルト333の舌片330上に配置される部分の幅は、20mm乃至25mm程度に形成されている。すなわち、この部分の幅が、25mm超の場合は、幅が広すぎて幼児の足のサイズや形状の違いに対応することができず、固定用ベルト333の位置ズレが起こりやすく、足の凹凸に対応して固定用ベルト333が追従することができず、結果的に固定用ベルト333による足の固定が不十分となり、足が幼児用靴300の中でズレ易くなる。
【0096】
一方、前記部分の幅が、20mm未満の場合は、足に食い込んでしまいやすくなるだけでなく、幼児の足の屈曲運動により固定用ベルト333のねじれが生じ、幼児の足と固定用ベルト333との相対位置が変化し、固定用ベルト333で足をしっかり固定することが困難となってしまうからである。
したがって、固定用ベルト333の舌片330上に配置される部分の幅が、20mm乃至25mm程度に形成されていれば、足が靴の中でズレることなく、固定用ベルト333でしっかりと足を固定できる、優れた固定用ベルト部130となる。
【0097】
(トウアッパー325等について)
ところで、図21は、本実施の形態の幼児用靴300のアッパー本体320の爪先部のトウアッパー325の形状を示す概略断面図である。
このトウアッパー325は、第1の実施の形態のトウアッパー125と同様に、幼児の足の親指が配置される部分が最も厚く、小指が配置される部分に向かって漸次薄くなるように形成されている。
したがって、幼児が爪先立ち等に際し、バランスをとるため、親指を背屈させても、この親指の背屈動作をトウアッパー325が阻害しない構成となっている。
【0098】
また、トウアッパー325の小指側は、小指を外側に開く動作を妨げないよう隙間部325aが形成されており、幼児が歩行に際して、バランスを保つために、特に小指を開きやすくなっている。
なお、上述の構成以外に、図12に示すように履き口部322の近傍にはカウンターループ360等が形成されている。
【0099】
本実施の形態に係る幼児用靴300は、以上のように構成されるので、幼児のが爪先立ち等や歩行等をする際に行う足指の屈曲を阻害しない、歩行及び歩行練習を行い易い幼児用靴300となる。
また、履き口部322等により大きな開口が形成されるため、母親が幼児の足を挿入させやすい、すなわち、履かせ易い幼児用靴300となる。
また、固定用ベルト333の締め付けすぎにより、幼児用靴300が歪むことなく、確実に足を靴に固定できる。
また、この固定用ベルト333は、幼児の足の甲を靴底方向に押し付けるのではなく、踵方向に押し付けて固定するので、歩行の邪魔に成らずに足が靴の内部で固定されるので、歩行し易く、且つホールド性が高い幼児用靴300となる。
なお、母親等が幼児用靴300を脱がす場合においても、同様に前記開口を大きくすることができるため、脱がし易い靴となる。
【0100】
(第2の実施形態の変形例)
図22は、第2の実施の形態の幼児用靴400の変形例である伝え歩き期の幼児用靴400(以下、「幼児用靴400」とする)を示す概略斜視図である。
本変形例に係る幼児用靴400では、第2の実施の形態の幼児用靴300と異なりアッパー本体部420の表面に2種類の表生地が配置されている。
具体的には、図22に示すように、爪先部のトウアッパー425及び踵部440を構成している合皮製の比較的硬い表生地420aと、側面部を構成しているメッシュ加工されたポリエステルナイロン、キャンパス、綿、トリコット等の柔軟な素材で形成された柔らかい表生地420bとが使用されている。
【0101】
そして、これらトウアッパー425を形成する比較的硬い表生地420aと側面部を構成する比較的柔らかい表生地420bとの境界部420cは、柔らかい表生地420bが配置され、また縫合に伴い、脆弱部ともなっている。
この境界部420cの下方に足の図3の足指屈曲領域Fが配置されるため、この境界部420cは、幼児が歩行する際、足指の屈曲に応じて変形する。
更に、足指屈曲領域Fの上部となるアッパー本体部420は、やわらかい表生地420bが上方に向かって狭まる形で硬い表生地420aよりも広い面積となるように構成されており柔軟に屈曲しやすい。
したがって、より歩行しやすく、足の屈曲の妨げにならない幼児用靴200となる。
【0102】
また、本変形例の幼児用靴400の舌状当接部である舌片430の爪先側端部も、足挿入用開口部423の略U字状の底部近傍でアッパー本体部420に設けられた舌状当接部取り付け領域である縫合部424で縫合等され、固定端となっている。したがって、この縫合部424は第1及び第2に実施の形態の縫合部124,324と同様に、図示しないインソール210等に設けられた足指屈曲領域F内の上方に配置されるため、幼児の爪先立ち等に伴う足指の屈曲を行い易い構成となっている。
なお、第1の実施の形態と同様に、側面皮革部426の足指屈曲領域Fに対応した部分を凹状に切り欠き屈曲をよりし易く構成してもよい。
【0103】
その他の構成は、形状が若干異なるが、それらの機能等は第2の実施の形態と同様の固定用ベルト433やインソール210等が配置されている。
その他、履き口部422,カウンターループ460、そして踵部440等が配置されている。この踵部440には、第1の実施の形態と同様にカウンター部450が内部に配置されている。
【0104】
このように本変形例に係る幼児用靴400でも、第2の実施の形態の幼児用靴300と同様の作用、効果等を奏させることができると共に、固定用ベルト430や踵部440が、比較的剛性の高い合皮により形成され、確実にホールドすることや、幼児の足指屈曲部Cに沿った屈曲が容易且つ精度良く行われるため、歩行や爪先立ちがしやすい靴となる。
【0105】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【0106】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、幼児が爪先立ちをし易く、これにより歩行練習等を行い易い幼児用靴を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る幼児用靴を示す概略斜視図である。
【図2】図1の幼児用靴の中央縦断図を示す概略図である。
【図3】図1の靴底本体の底面を示す概略底面図である。
【図4】足の骨格等を示す概略説明図である。
【図5】図1の幼児用靴の後述する舌片を爪先側に開いた状態を示す概略平面図である。
【図6】幼児用靴の左側面とカウンター部を示した概略左側面図である。
【図7】幼児用靴を幼児等が履いて足指を屈曲して歩行している状態を示す概略説明図である。
【図8】人における足の骨格等の概略説明図である。
【図9】図1の幼児用靴のトウキャップ部であるトウアッパーを靴幅方向に切断した状態を示す概略断面図である。
【図10】幼児等の足指の小指の広がり状態を示す概略説明図である。
【図11】(a)はインソールの概略低面図であり、(b)は図11(a)のA−A’線概略断面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る、伝え歩き期の幼児用靴を示す概略斜視図である。
【図13】図12の幼児用靴の爪先側を示した概略正面図である。
【図14】図13の幼児用靴の右側面とカウンター部とを示した概略右側面図であり、
【図15】図13の幼児用靴の概略平面図である。
【図16】図13の幼児用靴の概略底面図である。
【図17】舌片を爪先側に開き、履き口部と足挿入用開口部を開にした状態を示す概略平面図である。
【図18】図12の固定用ベルトを開いた状態を示す概略斜視図である。
【図19】本実施の形態に係る幼児用靴を幼児が履き、歩行や、この時期に多く見られる爪先立ちのために足の踵を持ち上げている状態を示す概略斜視図である。
【図20】図19の幼児用靴の概略断面図である。
【図21】本実施の形態の幼児用靴のアッパー本体の爪先部のトウアッパーの形状を示す概略断面図である。
【図22】第2の実施の形態の幼児用靴の変形例である伝え歩き期の幼児用靴を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
100・・・歩行練習期の幼児用靴、110、310・・・靴底部、111・・・中底、112・・・靴底本体、112a・・・溝部、112b、312・・・滑り止め部、112c・・・小指側端部、112d・・・親指側端部、120、320、420・・・アッパー本体部、121・・・アッパー本体、121a、321a・・・アッパー側面ファスナー、122,322,422・・・履き口部、123,323,423・・・足挿入用開口部、124,324,424・・・縫合部、125,325、425・・・トウアッパー、125a・・・外縁部、325a・・・隙間部、126・・・側面皮革部、126a・・・凹部、130、330,430・・・舌片、131・・・基部、132・・・上端部、133,333,433・・・固定ベルト、133a、333e・・・ベルト側面ファスナー、333b・・・外周、333c・・・左端部、333d、533d・・・右端部、333f・・・下縁部、140、340、440・・・踵部、142,342・・・靴底側踵部、141、341・・・アッパー本体側踵部、150,350、450・・・カウンター部、151、351・・・外縁部、200、210・・・インソール、201、211・・・屈曲用溝部、360,460・・・カウンターループ、420a・・・硬い表生地、420b・・・柔らかい表生地、420c・・・境界部、300、400・・・伝え歩き期の幼児用靴、B・・・足高点、C・・・足指屈曲部、D・・・靴底本体の全長、E1・・・第1の線、E2・・・第2の線、F・・・足指屈曲領域、G・・・開口の最大長さ、H、J・・・仮想線、I・・・足高点仮想線、J’・・・境界部、K・・・載置面の仮想線
Claims (5)
- 幼児の足の足裏側を配置するための靴底部と、
前記靴底部から立ち上がるように、且つ幼児の足を包むように形成されるアッパー本体部と、
このアッパー本体部には、幼児の足を挿入するための履き口部と、
前記履き口部の一部を切り欠いて爪先側方向に向かって形成されている足挿入用開口部と、
前記足挿入用開口部に対応して配置される舌状当接部と、
実質的に一本の線状とされた、幼児の足を靴内に固定するための着脱可能な固定用ベルト部と、を備える幼児用靴であって、
前記舌状当接部は前記足挿入用開口部の爪先側の端部又はその近傍の前記アッパー本体部に設けられた舌状当接部取り付け領域に縫合されると共に、
前記舌状当接部取り付け領域は、前記靴底部の爪先から踵までの全長に対し、
踵から55%以上で、85%未満の位置で、靴底部に形成された足指屈曲用脆弱部の上方に配置され、
前記舌状当接部には、前記舌状当接部を前記足挿入用開口部に対して配置した場合に、前記履き口部の上端より高く突出するように上端部が形成され、
前記上端部の基部側には変形が容易となる屈曲変形部が爪先側に膨らむ曲線で形成され、
前記アッパー本体部の爪先部には、アッパー本体部に硬質層を配置したトウキャップ部が形成され、
前記トウキャップ部の内側は、幼児の足の親指の背屈動作を前記爪先部が阻害しないように親指との間の上下方向における上部側の隙間部が、他の足指と前記爪先部の内側との隙間部に比べ大きくなるように、幼児の足の親指が配置される部分が最も厚く、小指が配置されている部分に向かって薄くなるように形成されていることを特徴とする足の裏全体を地面につけて足の指でバランスを取りながら歩き始める歩行練習期に用いられる幼児用靴。 - 前記トウキャップ部と前記アッパー本体部との境界部に前記舌状当接部取り付け領域が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の幼児用靴。
- 前記足指屈曲用脆弱部に対応する前記靴底部には、靴幅方向に向かって形成される溝部が設けられており、
前記溝部が前記靴底部の爪先側に膨らんだ湾曲形状とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の幼児用靴。 - 前記溝部の湾曲形状の小指側端部が親指側端部より前記靴底部の踵側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の幼児用靴。
- 前記足指屈曲用脆弱部が設けられた前記靴底部の部分と前記アッパー本体部との境界部分には、帯状に外周硬質層が形成され、
前記外周硬質層は、その略中央部が最も幅が狭い略凹状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の幼児用靴。
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