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JP4196659B2 - 情報表示体とその製造方法および使用方法 - Google Patents

情報表示体とその製造方法および使用方法 Download PDF

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JP4196659B2
JP4196659B2 JP2002353755A JP2002353755A JP4196659B2 JP 4196659 B2 JP4196659 B2 JP 4196659B2 JP 2002353755 A JP2002353755 A JP 2002353755A JP 2002353755 A JP2002353755 A JP 2002353755A JP 4196659 B2 JP4196659 B2 JP 4196659B2
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聡 新山
慎哉 田原
斉 対馬
紀子 末廣
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Asahi Glass Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は情報表示体とその製造方法およびその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、情報表示体が数多く使用されている。従来例の第1の態様は、透明地に対して、着色部分または非透明な部分を形成し、文字や模様などの情報を表示するものである。たとえば、店舗などの外装用の板ガラス面に、印刷、塗装などで情報を表示することが行われている。
【0003】
店舗の外装部分に板ガラスを用いると、外光を採光できるとともに、街路側から店舗内を視認できる。そのため、顧客への宣伝効果が期待される。また、店舗の板ガラスの表面に直接印字するかまたは広告紙を貼着することによって、特売期間や特定商品の広告を示すことが行われている。
【0004】
また、商品を陳列するためのショーケースやショーウインドにガラス板が使用されている。ショーケース内に商品説明のための印刷物などが配置される。また、ショーウインド内の商品の近傍には、商品イメージに相応しい装飾物や印刷物が配置される。これらの付属的に配置される表示物は、商品や季節の変化に応じて手作業で廃棄、交換、変更がなされている。
【0005】
また、電車等の車両において、車両間のドアの一部に透明体が設けられている。ドアを開閉する際に、対向する乗客の有無を確認できるようにされている。この透明体には、その車両の番号やその他の情報が表示されている。
【0006】
また、従来例の態様2は、結婚式場、葬祭場、会議場、展覧会などの各種式場における情報表示である。多数の人々が集合する場所の案内、行き先の表示、待合場所の表示などに多くの情報表示板が使用されている。一部の情報表示板には、意匠性を向上させるため、または情報表示板の裏面側を視認させるために、ガラス板や樹脂板の表面に印刷を施すことによって情報表示を行っている。
【0007】
また、従来例の態様3は、会社や銀行の受付、役所の窓口などに設置された情報表示体である。窓口には透明体で作られた間仕切りが通常設けられている。事務員は間仕切り越しに顧客との対面業務をもっぱら行っている。このような場合、間仕切りの近傍に表示装置を配置して、顧客に対する案内表示が行われることが多い。
【0008】
また、従来例の態様3は、自動車のインスツルメントパネル周辺の情報表示体である。自動車の運転者は車両情報や運行情報を逐次必要とする。このような情報を別途設置された表示装置に表示させる。運転者はフロントガラスを介して外界情報を認知するとともに、表示装置からの情報を同時に認知する必要がある。従来公知の表示装置では、表示領域に関して充分な透明性が得られないため、外界情報をさえぎることになる。そのため、フロントガラス近傍に表示装置を設置することが困難であった。
【0009】
また、従来例の態様4は、パチンコ台やピンボールゲームのようなアーケードゲーム装置に見出すことができる。可動する機械装置を有するゲーム盤の前面や、ゲーム表示面に透明体が使用されることが多い。その透明体の背後に種々の表示装置が設置され、遊興者にゲーム情報を伝達するようにされている。ゲーム装置本体の保護の観点で、最外面をガラス板などの透明体とすることが多い。このガラス板そのものには表示能力がないため、必要な表示装置をそのガラス板の裏面側に配置している。
【0010】
また、情報表示体の表示装置としてさまざまなものが知られている。おもに、電気信号により、任意に情報を変更できるものが好ましく提案された。フォトクロミックディスプレイ、エレクトロクロミックウインドウ(ECW)、TN型液晶表示装置、STN型液晶表示装置、液晶調光ガラス(LCW)、透過散乱型の動作モードを有する液晶/高分子複合体表示装置で外場を印加しながら重合形成を行うもの(特許文献1)、強誘電性液晶表示装置、カイラルネマチック液晶表示装置などが知られている。
【0011】
液晶表示装置のなかでも、カイラルネマチック液晶表示装置は、古くから知られている(特許文献2、3、非特許文献1)。セル構造、液晶材料、カイラル剤、選択反射光の設定方法、配向膜、駆動方法などに関する最近の技術発表として特許文献4〜7がある。また、カイラルネマチック液晶層に接する配向膜をプレチルト角が60°以上とする方法も特許文献8に示されている。
【0012】
【特許文献1】
米国特許第4818070号明細書
【0013】
【特許文献2】
米国特許第3936815号明細書
【0014】
【特許文献3】
米国特許第4097127号明細書
【0015】
【特許文献4】
米国特許出願公開第2002/0036614A1明細書
【0016】
【特許文献5】
米国特許出願公開第2002/0047819A1明細書
【0017】
【特許文献6】
米国特許出願公開第2002/0122148A1明細書
【0018】
【特許文献7】
米国特許出願公開第2002/0126229A1明細書
【0019】
【特許文献8】
特開2001−343648号公報
【0020】
【非特許文献1】
George H.Heilmeier, Joel E.Goldmacher et al, Appl. Phys. Lett., 13(1968),132
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来例の態様1の手法は人手を要するものである。よって、情報を自由に、タイムリーに変更することが容易ではなかった。また、従来例の態様2や態様3では、高度な情報を表示するために、従来公知のTN型LCD等の機能表示体を透明体に併置すると、状況に応じて、完全な透明状態を呈することが困難であった。また、別途表示装置を準備することが必要であった。
【0022】
また、高度な表示機能を有する表示体は、それ自身の透過率が40%以下と低いため、透明体と組み合わせて表示を行うようにすると、裏面側を透視するには不十分であった。たとえば、自動車の計器に表示はインスツルメントパネルに集中的に配置されているが、運転中の運転者の視点の移動を少なくする上では、フロントパネル近傍への表示体の配備が好ましい。これまでの表示体は、透過率が低くフロントガラス近傍へ設置すると外界の視界を妨げることになり好ましくなかった。
【0023】
また、LCWやECWでは、表示の書き換えの速度や、電力消費、駆動の容易性の点で問題があった。また、表示状態を通電または駆動することなく連続して保持することが困難であった。
【0024】
また、メモリ型の動作モードを有するカイラルネマチック液晶表示素子そのものは、知られていたが、透明地の上にさまざまな情報をあたかも表示するように構成した液晶調光ガラスは、まったく知られていなかった。
【0025】
本発明は、従来例の上記の課題を解決し、任意な情報を透過率の高い透明地の上に表示可能であり、かつ表示書き込み後には、駆動または通電を遮断しても、その表示を保持できるものである。書き換えを行うことができ、また低消費電力で表示を保持でき、従来技術に比べて取り扱いが容易な情報表示体を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明の態様1は、一対の透明電極付き基板に、電圧非印加時に2以上の光学状態を保持できるメモリー型の動作モードを有するカイラルネマチック液晶が挟持され、複数の画素を有する平面状の液晶光学素子が設けられ、電圧パルスによって複数の画素の光学状態が制御され、当該複数の画素の光学状態の組み合わせによって、面状に情報が表示されるように構成された情報表示体であって、カイラルネマチック液晶の光学状態として、少なくともフォーカルコニック状態での光散乱状態とプレナー状態での光透明状態とを有し、電圧パルスによって画素の光散乱状態と光透明状態とが可逆的に変化できるように構成され、カイラルネマチック液晶に接するように、プレチルト角が60°以上となるような樹脂膜が各透明電極付き基板に設けられ、選択反射光の帯域幅の中心波長を0.7〜1.2μmに設定し、カイラルネマチック液晶がプレナー状態をとる場合に、選択反射光の少なくとも一部に赤外光を含み、透明状態である画素における電気光学素子の一方の面から他方の面を通過する際の可視光の透過率が60%以上であることを特徴とする情報表示体を提供する。好ましくは70%以上であるようにする。
【0031】
態様は、前記樹脂膜の少なくとも片側にラビング処理が行われてなる態様に記載の情報表示体を提供する。
【0032】
態様は、透明電極がマトリックス型電極であって、ドットマトリックス型の表示が行われるように構成されるか、または、透明電極がセグメント型電極であって、セグメント型の表示が行われるように構成された態様またはに記載の情報表示体を提供する。
【0033】
態様は、透明体と電気光学素子とが並設され、電気光学素子の制御可能なすべての画素が透明状態である場合に、透明体と電気光学素子とが一様な透明状態を呈することができる態様1〜のいずれかに記載の情報表示体を提供する。
【0034】
態様は、透明体と電気光学素子とが一体となって前記透明状態を呈する場合に、透明体と電気光学素子とが重ねられた領域における透過率が50%以上である態様に記載の情報表示体を提供する。また、前記透過率が55%以上であることが好ましい。
【0035】
態様は、態様1〜のいずれかに記載の情報表示体を自動車、列車、船または飛行機の窓に用いる情報表示体の使用方法を提供する。
【0036】
態様は、態様1〜のいずれかに記載の情報表示体を、案内板として用いる情報表示体の使用方法を提供する。
【0037】
態様は、態様1〜のいずれかに記載の情報表示体を、商品と視認者との間に配置し、ニュース、広告表示または商品情報を表示する情報表示体の使用方法を提供する。
【0038】
態様は、態様1〜のいずれかに記載の情報表示体を建物の外壁材の少なくとも一部として用いる情報表示体の使用方法を提供する。
【0039】
態様10は、情報表示体をショーウインドまたはショーケースとして用いる態様に記載の情報表示体の使用方法を提供する。
【0040】
態様11は、態様1〜のいずれかに記載の情報表示体を、投射表示装置のスクリーンとして用いる情報表示体の使用方法。
【0041】
態様12は、一対の透明電極付き基板に、電圧非印加時に2以上の光学状態を保持できるメモリー型の動作モードを有するカイラルネマチック液晶が挟持され、複数の画素を有する平面状の液晶光学素子を設け、電気信号によって複数の画素の光学状態を制御でき、当該複数の画素の光学状態の組み合わせによって、面状に情報を表示させるように構成する情報表示体の製造方法であって、カイラルネマチック液晶表示素子の液晶のカイラル剤と液晶材料とを調製し、プレナー状態における選択反射光を赤外域にして可視域で実質的に透明状態を呈するようにし、セルギャップを調整し、フォーカルコニック状態において可視域で実質的に光散乱状態を呈するようにし、電気信号によって画素の光散乱状態と光透明状態とを可逆的に変化できるようにし、液晶層に接するようにプレチルト角が60°以上となるような樹脂膜を各透明電極付き基板に配置し、選択反射光の帯域幅の中心波長を0.7〜1.2μmに設定し、カイラルネマチック液晶がプレナー状態をとる場合に、選択反射光の少なくとも一部に赤外光を含むようにし、透明状態である画素における電気光学素子の一方の面から他方の面を通過する際の可視光の透過率を60%以上にすることを特徴とする情報表示体の製造方法を提供する。
【0049】
態様13は、液晶材料とカイラル剤との混合比を調整することによって、プレナー状態における選択反射波長の帯域を赤外域に設定する態様12に記載の情報表示体の製造方法を提供する。
【0051】
上記の各態様において、透明体としてガラス板、プラスチック基板を用いることが好ましい。プラスチック基板のなかで、ポリカーボネート板を用いることが好ましい。
【0052】
また、態様においては、情報表示体を、車両の設備情報、車両運行情報、一般の広告、または一般のニュースを表示することが好ましい。
【0053】
態様においては、情報表示体を自動車の車載用表示装置として使用し、車両状態、地図情報、ネット情報などを表示することが好ましい。
【0054】
態様においては、情報表示体を式場、イベント会場、会議場、結婚式場、葬祭場、展示場、博物館、水族館の案内板として用いることが好ましい。
【0055】
態様においては、情報表示体を店内のポップ(Point of Purchase)表示体として用いることが好ましい。
【0056】
態様においては、情報表示体を窓口の透明仕切り板として用い、顧客へのサービス情報を表示することが好ましい。
【0057】
態様においては、情報表示体をゲーム装置の表面部材の少なくとも一部として用い、サービス内容の表示、ゲームの説明を表示することが好ましい。ゲーム装置として、たとえば、パチンコ、アーケードゲームに用いることができる。上記の各態様において、電気光学素子を複数積層して使用することが好ましい。
【0058】
態様においては、情報表示体を店舗などの外装部材の少なくとも一部に用い、店舗内
の商品情報や、店舗に関連した情報を表示させることが好ましい。
【0059】
また、上記の各態様において、情報表示が行われる領域が平面のみからなることが好ましい。平面型の情報表示体として利用できる。
【0060】
また、情報表示が行われる領域が透明体の曲面を含むように構成することもできる。上記のショーウインド、間仕切り、自動車の車載用表示装置などの場合であって、透明体が曲面形状を有することが好ましい場合があるからである。設置する際に、フロントガラスや間仕切りを構成する透明体の曲面形状にほぼ沿うかまたは密着するように配置できるからである。
【0061】
【発明の実施の形態】
図1に本発明に用いる液晶光学素子の模式的断面図を示す。図1に示す液晶光学素子10には、ガラス基板1A、1B、電極2A、2B、高分子薄膜3A、3B、および液晶層4が配置される。液晶層4には、フォーカルコニック状態とプレナー状態を安定に呈するカイラルネマチック液晶を用いる。
【0062】
電極2A、2Bの一方は行電極(コモン電極)であり、他方は列電極(セグメント電極)である。行電極と列電極は直交するように配置される。以下の説明では、電極2Bが列電極であり、電極2Aが行電極であるとする。
【0063】
高分子薄膜3A、3Bには、プレチルト角が60°以上となるような樹脂膜を設けることが好ましい。プレチルト角が60°以上となる樹脂膜としては、ガラス転移温度が少なくとも60℃以上、好ましくは、100℃以上の硬化した樹脂を用いることができる。
【0064】
さらに、このような樹脂膜にラビング処理が施されることが好ましい。具体的には、ポリイミドが好適であり、少なくとも片方の基板に形成する。プレチルト角は、樹脂膜にネマチック液晶が接した際に、その接触面で形成される面に対する液晶分子の配向角度である。
【0065】
液晶が面に平行な場合を0°とする。高分子薄膜3A、3Bを共にラビング処理が施されたプレチルト角が60°以上となるようなポリイミドなどの樹脂膜にすることができる。また、電極2Aと高分子薄膜3Aとの間、電極2Bと高分子薄膜3Bとの間に、金属酸化物などにより形成した電気絶縁層を設けることが好ましい。
【0066】
すると、プレナー状態での透明性をさらに高めることができ、透過−散乱による表示を行う際のコントラスト比を高めることができる。プレチルト角を80度以上とすることで、さらに液晶配列を安定化させることもできる。
【0067】
ラビング処理を施したプレチルト角が60°以上となるような樹脂膜を、少なくとも片側の液晶との界面に使用することにより、斜めから入射する光に対しても充分な透明性を示すことができる。
【0068】
後述する実施例では、両側の界面にラビング処理を施した、プレチルト角が60°以上となるような樹脂膜を用いている。本発明は、プレチルト角が60°以上となる樹脂膜であって、ラビング処理を施さないものを液晶との界面の両側に設ける構成のものを用いることができる。また、プレチルト角が60°以上となる樹脂膜を液晶との界面の両側に設け、その片側のみにラビング処理を施したものを用いることもできる。
【0069】
電極間間隙はスペーサー等で保持する。2〜15μmが好ましい。さらには、3〜6μmが好ましい。電極間隙が小さすぎると表示のコントラスト比が低下し、大きすぎると駆動電圧が上昇し、またプレナー状態での液晶配向に乱れが生じ透明性が若干損なわれることがあるからである。
【0070】
表示の態様は、たとえば、ドットマトリックス表示である。コモン電極を走査する表示態様であれば、セグメント表示などの非フルドットマトリックス表示であってもよい。基板は、ガラス基板でも樹脂基板でもよいが、本発明の情報表示体の特徴を生かすためには、透明性のある基板を用いることが好ましい。また、ガラス基板と樹脂基板の組み合わせでもよい。基板は無色のものでもよいが、透明性があれば着色している基板を使用してもよい。
【0071】
電極面内に微量のスペーサーを散布し、対向させた基板の四辺を注入孔を除いてエポキシ樹脂等のシール材で封止し空セルを形成する。真空注入法によって液晶組成物を空セル内に満たす。このとき、シール材として硬化後に透明なシール材を用いると表示体を透明とした際に、情報表示体の周辺部に至るまで、透明性を呈することができるのでさらに好ましい。
【0072】
硬化後に透明なシール材としては、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系、エン−チオール系またはそれらの混合系などが例示できる。シール材の硬化は、熱硬化、光硬化などを使用することができる。
【0073】
図2は本発明の情報表示体の一構成例20を模式的に表したブロック図である。コントローラ11は、行ドライバ12L、12Rに、行電極への電圧パルス入力を指示し、列ドライバ13に列電極への電圧パルス入力を指示する。液晶電源装置14は、行ドライバ12L、12Rおよび列ドライバ13に必要な電圧を供給する。
【0074】
また、情報表示体20はほぼ矩形の形状をなしており、その一辺(図面上の下部)を接続辺とし、駆動回路15と液晶光学素子の電極との接続をとっている。その他の三辺は非接続辺であって、表示領域からその端部までがほぼ透明な形態を有するものである。端部を含む周辺部を透明にするには、表示領域の電極への引き回し配線を細線化し、その本数を約20本以内に設定することによって、実質的に目に見えない状態を作ることができる。または、配線引き回しを行う周辺部の内面に低プレチルト膜を設け、表示部と同様にラビング処理を行う。すると、液晶層を安定したプレナー状態に置くことができる。このようなセル構造によって、表示領域ではなく、電圧で駆動されることのない周辺部を常時透明にすることができる。
【0075】
この構成例20では、行電極の引き回しを表示面の左右で交互に振り分けて引き出している。左右の辺の端部(約1〜2cm)に行電極の引き出し配線が配置されている。このようにして、表示面の上方向、左右方向の三辺が実質的に透明であるようにしている。行電極の引き出しは、一本ずつ交互に引き出し、全体の電極抵抗がバランスするようにした。
【0076】
行ドライバ12および列ドライバ13は、コントローラ11の指示に従い、液晶表示素子の行電極2Aおよび列電極2Bに電圧パルスを入力する。コントローラ11は、各電極の電位を切り替えて、液晶層4をプレナー状態やフォーカルコニック状態に移行させる。以下、プレナー状態の透明状態をオン表示、フォーカルコニック状態の光散乱状態示をオフ表示と記す。
【0077】
次に、液晶光学素子10の表示を書き換えるときの動作について説明する。まず、駆動回路15は、行電極2Aを1本ずつ選択しながら線順次走査し、各画素に配置された液晶層4をプレナー状態に移行させるための電圧(オン表示とするための電圧)を印加する。この電圧が印加されると液晶層4はホメオトロピック状態になる。
【0078】
そして、電圧印加が終了すると液晶層4はプレナー状態に移行し、オン表示(透明状態)となる。行電極2Aを走査しながら全画素をオン表示にするので、これまで透過状態と散乱状態とで表示されていた画面が消去される。図3〜5に駆動波形と、駆動に応じた表示状態の説明図を示す。また、図6にカイラルネマチック液晶の配列状態を模式的に示す。分図(A)がホメオトロピック状態、分図(B)が完全プレーナ状態、分図(c)が通常のプレーナ状態、分図(d)がフォーカルコニック状態を示す。
【0079】
駆動回路15は、全ての行電極2Aを一本ずつ選択する行電極2Aの走査を少なくとも1回行い、画面全体をオン表示の透明状態にする。また、オン表示の電圧信号が入力された後、透明表示体が透明状態を呈するには、その液晶配列の変化に時間を要する場合もあるが、その場合であっても引き続く電圧走査を同様に行ってもよい。
【0080】
続いて、駆動回路15は、行電極2Aを線順次走査して、表示データに対応する電圧を印加する。この結果、所望の表示が書き込まれ、表示の書き換えが完了する。透明表示体駆動装置は、行電極2Aの走査を少なくとも1回行って、表示データを書き込む。また、行電極2Aの走査を2回行うと、表示のコントラスト比を改善できるため、さらに好ましい。
【0081】
また先のオン電圧の走査による画面消去の工程での行選択時間をAt、次の表示書き込み時の行選択時間をBtとした時、At>Bt・1.5とするとさらに高いコントラスト比を得ることができ、また充分なコントラスト比が得られる印加電圧の範囲を広くとることができるので好ましい。
【0082】
図3(a)は一つの行電極2Aに印加される駆動波形の例であり、図3(b)は一つの列電極2Bに印加される駆動波形の例である。図3(a),(b)に示すように、行ドライバ12は選択された行電極2Aに電圧振幅Vの電圧パルスを入力する。列ドライバ13は、列電極2Bに電圧振幅Vの電圧パルスを入力する。
【0083】
このとき、既に述べたV+V>V、V−V=V、V<Vという条件を満足するようにVおよびVを定める。図3(c)は、図3(a),(b)に示す電圧パルスが入力されたときに液晶層4に印加される電圧の波形を示す。
【0084】
時間Tp1において、行ドライバ12L、12Rは、選択された行電極2Aの電位をVに設定し、選択されていない行電極の電位を0とする。時間Tp1では、各行電極2Aの選択時間はAである。また、列ドライバ13は、時間Tp1の間、全ての列電極2Bの電位を−Vに設定する。この結果、図3(c)に示すように、選択された行の画素の液晶層4にはV+Vの電圧が印加され、電圧印加終了後、その画素はオン表示へ移行する。
【0085】
また、選択されていない行の画素の液晶層4には電圧Vが印加される。電圧Vが印加されても、画素の表示状態は変化しない。行ドライバ12L、12Rおよび列ドライバ13は、時間Tp2における走査でも、同様に電圧を印加する。
【0086】
図4は、表示書換時の画面変化の例を示す説明図である。最初に図4(a)に示す画面が表示されていたとする。図4(a)において、背景は透明であり、Xマークの部分は散乱を呈している。時間Tp1において、オン表示とするための1回目の走査を行うと、全画素がオン表示に移行し全画像が消去される。図4(b)のXマークでは非常に弱い散乱を呈することによって表示が行われる。
【0087】
時間Td1において、行ドライバ12は、選択された行電極2Aの電位をVに設定し、選択されていない行電極の電位を0とする。時間Td1では、各行電極2Aの選択時間はWである。また、列ドライバ13は、各列電極2Bを、選択された行の表示データに応じてVまたは−Vに設定する。
【0088】
この結果、選択された行の各画素の液晶層4にはV+VまたはV−Vの電圧設定され、各画素がオン表示またはオフ表示に移行する。各行電極2Aが走査されることにより所望の表示に書き換えられる。なお、選択されていない行の画素の液晶層4には電圧Vが印加される。電圧Vが印加されても、画素の表示状態は変化しない。行ドライバ12L、12Rおよび列ドライバ13は、時間Td2における走査でも、同様に電圧を印加する。
【0089】
図3では、時間Td1,Td2において、一つの列電極2Bに電圧Vが連続的に設定される場合を示した。
【0090】
時間Tp2における走査の後、時間Td1において表示データを書き込むための走査を行うと、図4(d)に示すように所望の表示が書き込まれる。時間Td2において、表示データを書き込むための2回目の走査を行うと、コントラスト比がより改善され、図4(e)に示すように表示データの書き込みが完了する。
【0091】
ここでは、オン表示とするための走査を2回、表示データを書き込むための走査を2回行う場合を示したが、各走査回数がこれに限定されるわけではない。
【0092】
行/列のそれぞれの選択電圧としては、Vr/Vcが10〜20の範囲にあるとコントラスト比が高くでき好ましい。
【0093】
また、選択期間内または、選択期間ごとに印加電圧の極性を反転させることで、素子の信頼性を改善できるので好ましい。このような駆動方法については、本出願人による特願2002−274111号に示した。以下、本発明の実施例を説明する。
【0094】
【実施例】
(例A)
液晶光学素子を以下のようにして形成した。まず、行電極基板用に240本のストライプ状の透明電極を有するガラス基板と、列電極基板用に240本のストライプ状の透明電極を有するガラス基板とを作成した。ガラス基板の厚みは1.1mmのものを用いた。各ガラス基板の液晶層と接する側に電気絶縁層として無機薄膜を形成し、ポリイミド(JSR社製、品番:JALS−682−R3)の樹脂溶液を塗布し焼成してラビング処理を施した。この樹脂膜の膜厚は500Åであり、プレチルト角は89°程度であった。
【0095】
各基板のラビング方向は、それぞれのストライプ電極が交差するように重ね合わせた際、対向するように設定した。その後、下側の基板面に直径4μmの樹脂性のスペーサーを散布した。上側の基板には、注入孔を除く四辺に、幅約0.4mmで透明なエポキシ樹脂を印刷した。上下基板のストライプ電極が交差するようにガラス基板を重ね合わせてエポキシ樹脂を硬化させ空セルを形成した。
【0096】
市販のネマチック液晶(メルク・ジャパン株式会社製:MJ00423、T=94.0℃、Δn=0.230、ε=15.0)の82.2質量部、化1に示すカイラル剤8.9質量部、化2に示すカイラル剤8.9質量部からなるカイラルネマチック液晶A(以下、液晶Aと記す。)を調整した。
【0097】
【化1】
Figure 0004196659
【0098】
【化2】
Figure 0004196659
【0099】
この液晶Aのヘリカルピッチの長さは0.559μmであった。先に作製した空セルに液晶Aを真空注入法で注入し、注入孔を紫外線硬化の封止材で封止して液晶パネルを作製した。この液晶パネルの一部の行電極と一部の列電極との間に実効値20Vrms、幅10msecのバイポーラー矩形波パルスを1回だけ印加して10秒間静置した。すると、電圧を印加した各電極の交差部は、透明度の高い透明状態を示した。液晶光学素子の製造フローを図7に示す。
【0100】
この透明部分の分光反射特性を測定したところ、中心波長約0.91μmの選択反射が観測された(図8の波長特性を示すグラフを参照)。また、液晶光学素子の透明部分(画素)の透過率を集光角約5度のシュリーレン光学系で測定したところガラス基板を含めて82%であった。これは、きわめて良好な透明度である。
【0101】
一般的に、カイラルネマチック液晶の選択反射光は所定の帯域幅を有している。本発明において、高い透明性を得るために、帯域幅の中心波長を0.7〜1.2μmに設定することが好ましい。0.7μm未満ではPLの選択反射光色が視認できるため、「透過−散乱」の動作モードでは透過光が着色するからである。また、偏光板を用いた「透過−吸収」の動作モード(参考例)では、吸収時に選択反射光が偏光板を通過して、洩れるためにコントラスト比が低下する。
【0102】
また、選択反射光の中心波長が1.2μmを超えると、フォーカルコニック状態における散乱が弱くなり、「透過−散乱」の動作モードでのコントラスト比が低下する。偏光板を使用した動作モードでも、入射光の偏光解消が不充分となりコントラスト比が低下する。
【0103】
カイラルネマチック液晶の選択反射光の帯域幅の半値幅Δλは、使用する液晶の屈折率異方性(Δn)と液晶のヘリカルピッチ(P)とによって決定される。Δnの大きい液晶を用いた場合、Δλが0.1μm前後になることがある。完全に透過光の着色を回避するためには、選択反射の中心波長を0.76μm以上とすることが好ましい。さらに、0.80μm以上にすることが特に好ましい。図8は各波長域における選択反射の特性を示す。およそ、選択反射光は波長に対して単峰性をほぼ示す。その帯域の中心波長は0.7〜1.2μmの間にある。反射率の最大値は約40%である。
【0104】
本例の液晶光学素子では、240本の透明電極を行電極、240本の透明電極を列電極とし、行ドライバおよび列ドライバをそれぞれ行電極および列電極に接続した。なお、本例では、行ドライバおよび列ドライバを備える駆動回路として、サンウォーター株式会社製の任意波形発生器を使用した。そして、駆動は以下のようにして行った。
【0105】
前画像を消去するためにオン表示するため走査を1回とし、その時、At=16msecとした。次に、Wt=8msecとして表示書き込みのための走査を2回行って液晶光学素子の表示駆動を行い電源を遮断した。表示データを書き込むための走査における行電極に対する電圧振幅Vは17.9Vとし、列電極に対する電圧振幅Vは1.1Vとした。すなわち、表示を書き込むための走査では、オン表示とするメモリ性液晶にV+V=19Vを印加し、オフ表示とするメモリ性液晶にV−V=16.8Vを印加した。VrとVcとの比(Vr/Vc)は、約16である。
【0106】
この各パラメータの組み合わせにおける、表示書換時間は約8秒(16×240+8×240×2=7680msec)となった。また、集光角約5度のシュリーレン光学系で計測した透過−散乱のコントラスト比は4:1以上であった。また、表示データを書き換えた後に、表示面に残像が生じるようなことはなかった。
【0107】
次に、本発明の情報表示体の使用方法に関する実施例について説明する。例1〜6、8は、情報表示体を透明体と組み合わせて使用する例である。たとえば、透明な窓の一部に組み込むか、表面に貼着して形成することができる。透明体として、板ガラスや透明プラスチック板が好適な材料としてあげられる。平板状のものが好ましいが曲面状でも使用できる。
板ガラスの具体的な性能、規格については「旭硝子板ガラス建材総合カタログ1996年発行」(普通板ガラス、合わせガラス、強化ガラス等)に記載されている。
【0108】
一般的に、合わせガラスの中間膜の内部に、上記の液晶光学素子を挟み込みことが好ましい。この場合は、プラスチック基板を用い、液晶シートとして予め形成するようにする。また、透明板の一部分を欠き、そこの空間に液晶光学素子をはめ込むようにして用いることもできる。透明体と液晶光学とが、あたかも一つの透明物体として視認されるように、透明度が実質的にほぼ一致していることが好ましい。
【0109】
(例1)
液晶光学素子を含む情報表示体33を、ショーウインドまたはショーケースを構成する透明体に並設し使用する例である。図9はショーケースのなかに商品(草花の鉢植え)を置いた状態を模式的に示す。
【0110】
ショーケース31は透明なプラスチック板またはガラス体である。その表面に液晶光学素子30を貼着するか、または内部に液晶光学素子30を組み込む。分図(A)は、液晶光学素子30をほぼ透明状態とし、内部の草花32を外部から充分に透視できる状態を示す。分図(B)は、液晶光学素子30に商品である草花の名称や価格などの情報を表示する状態を示す。
【0111】
(例2)
液晶光学素子40を列車の扉42の窓部41に組み込んで使用する例である。このようにして構成した情報表示体43は、通路における透視性が良好である。かつ、窓部に利用者に必要な情報を表示できるので利便性と安全性が向上できるので好ましい。
【0112】
(例3)
図11に本発明の情報表示体55を、自動車のインパネ上に構成する様子を模式的に示す(分図A)。ハンドル52、カーナビゲーション装置53、インパネ54の上部に液晶光学素子50を設置する。衛星からの位置情報を運転者が見やすい位置で、逐次表示できるようにすることができる。この場合、液晶光学素子50が透明状態になると、フロントガラス51とほぼ一様な透明体となり、運転者にとって外界の視認の妨げにはならない。液晶光学素子50には、速度情報と時刻を表示することができる(分図B)。
【0113】
(例4)
図12に、本発明の情報表示体63を示す。本例では、液晶光学素子60を、理容店などの店舗の外装用板ガラス61の一部に組み込むようにする。液晶光学素子60がほぼ透明状態になると、店内の様子62が、街路側からはっきり見えるようになる。液晶光学素子60に所定の情報を表示すると、店舗内のサービスの様態や商品の宣伝や特売期間の案内を、そのガラス壁面の一部であるかのように見える表面に直接表示することができる。本例の場合、非透明な壁面の一部をくり貫くようにして情報表示体を構成することもできる。
【0114】
(例5)
図13に、本発明の情報表示体72の使用状態を示す。液晶光学素子70A、70Bをサイドウインドウ71の一部またはほぼ前面に組み込む。外光が強く眩しい場合に、液晶光学素子70Bの有効表示領域のほぼ全面を散乱状態にし、搭乗者への日射を低減することができる。また、サイドウインドウ71の片隅に設置する液晶光学素子70Aに、使用者の氏名や、企業の名称等の情報を表示することができる。このような自動車用の情報表示体72は高い機能性を有しているので好ましい。
【0115】
(例6)
図14に、本発明の情報表示体83の使用状態を示す。銀行の窓口82の間仕切り81に設置する例である。液晶光学素子80には、日付、天気予想、為替レート、最新の金利情報等の情報を逐次表示するようにする。利用者は最新の情報を視認でき、かつ、窓口の内側を透視して見ることができるので、安心感と開放感のあるオフィスを実現できる。
【0116】
(例7)
図15、16に、本例の情報表示体の動作状態を撮影した写真を示す。店舗等に設置し、利用者に、その日の天気予報を提供できるものである。たとえば、一時間毎に、液晶光学素子の表示を書き換えることにより、当日の天気予報を表示する。これらの図15と図16とでは、情報表示を行っている液晶光学素子の各画素の散乱状態と透明状態とが、ちょうど反転している。
【0117】
本例の情報表示体は上述した、矩形形状の一辺を接続辺とする形態のものではなく、四方に枠を配置したものである。これを、矩形形状の一辺を接続辺とし、電極群と駆動回路とを接続するように構成することもできる。左右方向に配列する行電極を奇数行と偶数行とに分け、それぞれを左右の辺の端部から引き出し、基板の両側端部を通って接続辺に導くように配設する。列電極の引き出し配線は接続辺側で、シール材に混入したトランスファービーズによって、他方の基板に導通接続するようにする。
【0118】
この構造の場合、すべての駆動回路を一方の基板上に設置することができるので、製造上、設計上の長所が生まれる。この設計方法によって、接続辺以外の三辺を実質的に透明にすることができる。そして、液晶光学素子と透明体とを組み合わせた際に、両者が一様な透明物体であるかのように見えるので好ましい。透明体と容易に組み合わせることができるので好ましい。
【0119】
また、このような三辺が透明である形態の情報表示体を用いて、連続的に多数個を並設することによって、より大型サイズの情報表示装置を構成することができる。その際に、接続辺を、同一の辺に並べることが好ましい。本発明の情報表示体は、その接続辺を、窓や外装材の端部に近設するようにすればよい。
【0120】
本例の情報表示体の実験では、黒い背景条件に対して、散乱した画素部分が白く視認されるようにしている。この情報表示体において、必要に応じて情報を書き換える場合であっても、新たな表示画面のなかに「天気予報のアイコン」等の画像情報が残像となることはない。
【0121】
たとえば、縦20cm、横20cmの大きさの表示を行う場合、160本の行電極と160本の列電極を用いて、天気予報に必要な表示情報(太陽、雨、二種類の曇、雨滴のグラフィックマークと時刻表示)を書き込むことができる。なお、このときの1画素の大きさは、縦1.25mm、横1.25mmである。
【0122】
(例8)
液晶光学素子90をピンボール機やパチンコ台の前面ガラス板の一部として組み込む(図17参照)。遊興者にタイムリーにサービスや広告を表示できるようになる。この際、ゲームの実施に支障はなく、あたかも透明な板ガラスであるかのように感じられ、まったく違和感のない情報表示を提供できる。また、電源を遮断しても表示状態を保持できるので好ましい。あるいは、ゲーム盤の一部または全面をマスキングするように用いることもできる。
【0123】
(例9)
図18は、本発明による情報表示体のサンプル品と、液晶/高分子複合体(液晶が約62%、高分子が38%の質量比)を備えた液晶調光ガラス(LCW)のサンプル品とを併置し、両者の使用状態を対比的に示す写真である。本発明のサンプル品は、全体を透明状態にした後に、電源回路を遮断し、メモリー状態におき(全面がプレナー状態)、透明状態をそのまま保持している。
【0124】
この写真は約30°の斜め方向から撮影したものであり、背景に置いた物体(携帯電話)の見え方の差が十分にわかる。表1に透過特性の数値を示す。
【0125】
【表1】
Figure 0004196659
【0126】
(例10)
図19は、本発明の液晶表示素子の試作サンプルと、従来技術のサンプル(透過型のTN液晶表示素子の一例)の使用状態を対比的に示す写真である。左側がTN液晶表示素子である。
【0127】
本発明によるサンプル品は、透明な背景地に対して、白濁した箇所によって「文字」を表現している。また、逆のコントラストの画像を表示することもできる。このサンプルはフルドットマトリックスの電極構成を備えているので、文字のみならずグラフィックや模様を表現することができる。
【0128】
【発明の効果】
本発明により、透明感があり裏面側を透視でき、かつ必要とする情報を見やすく表示できる情報表示体を提供できる。また、装置としてもきわめて簡素な形態であり、不要に空間を占拠することがない。
【0129】
また、利用者が情報表示体の裏面側を透視できるので、安心感、安全性あるいは開放感を与えることができる。
【0130】
また、従来は情報を表示することができなかったガラス製の外壁材などに情報を表示するように構成できるので、広告機能が飛躍的に向上できる。
【0131】
また、従来は設置することが困難であった自動車のフロントウインドウ付近に情報表示体を設けて、必要とする情報を見やすく表示できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる液晶光学素子の模式的断面図。
【図2】本発明の情報表示体の部分構成を示すブロック図。
【図3】本発明の情報表示体の表示書換を行うことができる第1の駆動波形図。
【図4】本発明の情報表示体の表示書換時における画面変化の例を示す説明図。
【図5】本発明の情報表示体の表示書換を行うことができる第2の駆動波形図。
【図6】(A)カイラルネマチック液晶のHO状態、(B)完全プレーナ状態、(C)プレーナ状態、(D)フォーカルコニック状態を示す説明図。
【図7】本発明に用いるカイラルネマチック液晶表示素子の製造フローチャート。
【図8】本発明の情報表示体に用いるカイラルネマチック液晶表示素子の選択反射特性を示すグラフ。
【図9】本発明の情報表示体をショーケースに用いた状態を示す説明図。
【図10】本発明の情報表示体を列車の扉の窓に用いた状態を示す説明図。
【図11】(A)本発明の情報表示体を自動車の車内表示装置に用いた状態を示す説明図、(B)情報表示体の部分拡大図。
【図12】本発明の情報表示体を店舗の窓に用いた状態を示す説明図。
【図13】本発明の情報表示体を自動車のサイドウインドウに用いた状態を示す説明図。
【図14】本発明の情報表示体を窓口の間仕切りに使用した状態を示す説明図。
【図15】本発明の情報表示体の一例の表示状態を示す写真(背景が透明状態)。
【図16】本発明の情報表示体の一例の表示状態を示す写真(背景が散乱状態)。
【図17】本発明の情報表示体をゲーム装置に用いた状態を示す模式図。
【図18】従来例のLCWのサンプル品と本発明のサンプル品との対比写真。
【図19】TN−LCDのサンプル品と本発明のサンプル品との対比写真。
【符号の説明】
1A、1B:ガラス基板
2A、2B:電極
3A、3B:高分子薄膜
4:液晶組成物
11:コントローラ
12:行ドライバ
13:列ドライバ
14:液晶電源装置
15:駆動回路
10:液晶光学素子

Claims (13)

  1. 一対の透明電極付き基板に、電圧非印加時に2以上の光学状態を保持できるメモリー型の動作モードを有するカイラルネマチック液晶が挟持され、複数の画素を有する平面状の液晶光学素子が設けられ、電圧パルスによって複数の画素の光学状態が制御され、当該複数の画素の光学状態の組み合わせによって、面状に情報が表示されるように構成された情報表示体であって、
    カイラルネマチック液晶の光学状態として、少なくともフォーカルコニック状態での光散乱状態とプレナー状態での光透明状態とを有し、電圧パルスによって画素の光散乱状態と光透明状態とが可逆的に変化できるように構成され、
    カイラルネマチック液晶に接するように、プレチルト角が60°以上となるような樹脂膜が各透明電極付き基板に設けられ、選択反射光の帯域幅の中心波長を0.7〜1.2μmに設定し、
    カイラルネマチック液晶がプレナー状態をとる場合に、選択反射光の少なくとも一部に赤外光を含み、
    透明状態である画素における電気光学素子の一方の面から他方の面を通過する際の可視光の透過率が60%以上であることを特徴とする情報表示体。
  2. 前記樹脂膜の少なくとも片側にラビング処理が行われてなる請求項に記載の情報表示体。
  3. 透明電極がマトリックス型電極であって、ドットマトリックス型の表示が行われるように構成されるか、または、透明電極がセグメント型電極であって、セグメント型の表示が行われるように構成された請求項またはに記載の情報表示体。
  4. 透明体と電気光学素子とが並設され、電気光学素子の制御可能なすべての画素が透明状態である場合に、透明体と電気光学素子とが一様な透明状態を呈することができる請求項1〜のいずれか1項に記載の情報表示体。
  5. 透明体と電気光学素子とが一体となって前記透明状態を呈する場合に、透明体と電気光学素子とが重ねられた領域における透過率が50%以上である請求項に記載の情報表示体。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の情報表示体を自動車、列車、船または飛行機の窓に用いる情報表示体の使用方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の情報表示体を、案内板として用いる情報表示体の使用方法。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の情報表示体を、商品と視認者との間に配置し、ニュース、広告表示または商品情報を表示する情報表示体の使用方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の情報表示体を建物の外壁材の少なくとも一部として用いる情報表示体の使用方法。
  10. 情報表示体をショーウインドまたはショーケースとして用いる請求項に記載の情報表示体の使用方法。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の情報表示体を、投射表示装置のスクリーンとして用いる情報表示体の使用方法。
  12. 一対の透明電極付き基板に、電圧非印加時に2以上の光学状態を保持できるメモリー型の動作モードを有するカイラルネマチック液晶が挟持され、複数の画素を有する平面状の液晶光学素子を設け、電気信号によって複数の画素の光学状態を制御でき、当該複数の画素の光学状態の組み合わせによって、面状に情報を表示させるように構成する情報表示体の製造方法であって、
    カイラルネマチック液晶表示素子の液晶のカイラル剤と液晶材料とを調製し、プレナー状態における選択反射光を赤外域にして可視域で実質的に透明状態を呈するようにし、セルギャップを調整し、フォーカルコニック状態において可視域で実質的に光散乱状態を呈するようにし、電気信号によって画素の光散乱状態と光透明状態とを可逆的に変化できるようにし、
    液晶層に接するようにプレチルト角が60°以上となるような樹脂膜を各透明電極付き基板に配置し、選択反射光の帯域幅の中心波長を0.7〜1.2μmに設定し、カイラルネマチック液晶がプレナー状態をとる場合に、選択反射光の少なくとも一部に赤外光を含むようにし、
    透明状態である画素における電気光学素子の一方の面から他方の面を通過する際の可視光の透過率を60%以上にすることを特徴とする情報表示体の製造方法。
  13. 液晶材料とカイラル剤との混合比を調整することによって、プレナー状態における選択反射波長の帯域を赤外域に設定する請求項12に記載の情報表示体の製造方法。
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