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JP4188929B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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JP4188929B2 JP2005061078A JP2005061078A JP4188929B2 JP 4188929 B2 JP4188929 B2 JP 4188929B2 JP 2005061078 A JP2005061078 A JP 2005061078A JP 2005061078 A JP2005061078 A JP 2005061078A JP 4188929 B2 JP4188929 B2 JP 4188929B2
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Description

この発明は、光ピックアップ装置に関し、より特定的には、ピッチや溝深さの異なる種々の記録媒体の情報を再生可能な光ピックアップ装置に関する。
光ディスクは、多量の情報信号を高密度で記録することができるため、オーディオ、ビデオ、コンピュータ等の多くの分野において利用されている。特に最近は、動画情報などのようにコンピュータ等で取り扱うデータ量が飛躍的に増大しており、それに伴って、記録ピットおよびトラックピッチの微細化による光ディスクの大容量化が進んでいる。
また、近年ではCD(Compact Disc)系、DVD(Digital Versatile Disc)系、BD(Blu-Ray Disc;登録商標)系など様々な規格の光ディスクが商品化されており、これらの異なる規格の情報記録媒体を互換可能な光ピックアップが望まれている。これにともない、トラックピッチの異なる様々な光ディスクに対応できるトラッキングサーボ法が必要となってきている。
情報記録媒体においては、ミクロン単位で記録された情報信号を再生するために、情報トラックに対して光ビームを正確にトラッキングさせる必要がある。トラッキング制御に用いられるトラッキング誤差信号(TES:Tracking Error Signal)は、種々の方法により検出することが可能である。これまでに広く用いられている単純な方法としては、1ビームのプッシュプル法や、サブビームを用いた3ビーム法などが知られている。
3ビーム法では、グレーティング等により光源から出た光をメインビームと2つのサブビームとに分割する。その後、一方のサブビームを再生トラックに対して内周側に1/4トラックだけずれた位置に正確に調整し、他方のサブビームを外周側に1/4トラックだけずれた位置に正確に調整する。こうして調整された2つのサブビームの光量差を算出することにより、トラッキング誤差信号を算出する。
3ビーム法は、単純な演算回路で実現できるため、再生専用CDなどでは多く用いられている。しかし、相変化系媒体または色素系媒体のように反射率が変化する記録型ディスクを用いる場合には、記録の前後でトラッキング誤差信号にDCオフセットが発生するという問題があった。
一方、1ビームによるプッシュプル法は、反射率変動の影響を受けにくいので、上記のような記録型ディスクにも対応できる。しかし、トラッキング時などに対物レンズが半径方向にシフトした場合やディスクがチルトした場合などには、プッシュプル法であってもトラッキング誤差信号にオフセットが発生する。
そこで、こうしたオフセットをキャンセルする方法として、3ビームを用いた差動プッシュプル(DPP:Differential Push Pull)法が特許文献1に提案されている。DPP法について、図9〜11を用いて説明する。
図9は、DPP法を用いた光ピックアップ100の全体構成を示した概略図である。図9を参照して、光ピックアップ100は、光源1と、コリメータレンズ2と、グレーティング301と、ビームスプリッタ4と、対物レンズ5と、集光レンズ7と、光検出部801とを備える。光検出部801は、2分割光検出器800,810,820を含む。光ピックアップ100は、光ディスク6のトラック61に記録された情報を再生する。
光源1からの出射光Pは、コリメータレンズ2によって平行光にされた後、グレーティング301によってメインビームP0とサブビームP1,P2とに分割される。グレーティング301は、通常のグレーティングである。また、サブビームP1はサブビームの+1次光で、サブビームP2はサブビームの−1次光である。これらの3ビームは、ビームスプリッタ4を通過し、対物レンズ5によって光ディスク6のトラック61上に集光される。これらの3ビームが光ディスク6上のトラック61にどのように集光されるかについて次に説明する。
図10は、メインビームP0およびサブビームP1,P2が光ディスク6のトラック61上にどのように集光されるかを示した図である。図10に示すように、トラック61の接線方向(Y方向)にサブビームP1、メインビームP0、サブビームP2が順に配列される。サブビームP1,P2は、図9のグレーティング301を回転調整することにより、メインビームP0が集光するトラックに対して互いに逆方向に1/2ピッチだけ半径方向(X方向)にずらして配置される。
図9に戻って、光ディスク6からの3ビームの反射光は、対物レンズ5を通ってビームスプリッタ4で反射される。ビームスプリッタ4で反射された3ビームは、集光レンズ7によって、光検出部801の2分割光検出器800,810,820にそれぞれ導かれる。具体的には、メインビームP0は2分割光検出器800に、サブビームP1は2分割光検出器810に、サブビームP2は2分割光検出器820に、それぞれ導かれる。光検出部801の具体的な回路構成について次に説明する。
図11は、図9の光ピックアップ100における光検出部801の具体的な構成について示した回路図である。光検出部801は、受光領域800a,800bを有する2分割光検出器800と、受光領域810a,810bを有する2分割光検出器810と、受光領域820a,820bを有する2分割光検出器820と、差動増幅器300,310,320,370と、加算器330と、可変利得増幅器350とを含む。
2分割光検出器800,810,820は、各々がトラック方向の分割線によって2分割されている。2分割光検出器800は、メインビームP0の反射光のファーフィールドパターンを受光する。2分割光検出器810,820は、サブビームP1,P2の反射光のファーフィールドパターンをそれぞれ受光する。
差動増幅器300は、2分割光検出器800の受光領域800a,800bからそれぞれ出力される信号を差動増幅し、プッシュプル信号PP300を生成する。差動増幅器310は、2分割光検出器810の受光領域810a,810bからそれぞれ出力される信号を差動増幅し、プッシュプル信号PP310を生成する。差動増幅器320は、2分割光検出器820の受光領域820a,820bからそれぞれ出力される信号を差動増幅し、プッシュプル信号PP320を生成する。
加算器330は、プッシュプル信号PP310とPP320とを加算する。可変利得増幅器350は、加算器330の出力信号をk倍する。この係数kは、メインビームP0とサブビームP1,P2との光強度の違いを補正するためのものである。メインビームP0とサブビームP1,P2(P1=P2とする)との光強度比がa対bである場合、係数kはk=a/(2b)となる。
差動増幅器370は、プッシュプル信号PP300と可変利得増幅器350の出力信号とを差動演算し、プッシュプル信号(トラッキング誤差信号)PP0を生成する。プッシュプル信号PP0を求める式は、次のようになる。
PP0=PP300−k(PP310+PP320) (11)
図10で説明したように、サブビームP1,P2は、メインビームP0に対して互いに逆方向に1/2トラックピッチだけ光ディスク6の半径方向にずれている。そのため、図11に示すように、サブビームP1,P2にそれぞれ対応するプッシュプル信号PP310,320は、メインビームP0に対応するプッシュプル信号PP300に対して、位相が180度ずれた逆位相の信号となる。
一方、対物レンズ5のシフトや光ディスク6の傾きなどによるトラッキング誤差信号のDCオフセットに対しては、プッシュプル信号PP300,PP310,PP320とも同相となる。トラッキング誤差信号のDCオフセットは、式(11)のプッシュプル信号PP0を演算をする過程でキャンセルすることができる。
また、本願出願人は、上記のDPP法を改善し、3ビームのディスク上での回転調整をしなくて済むようにした新しい「位相シフトDPP法」を、特許文献2,3において提案している。位相シフトDPP法について、図12,13を用いて説明する。
図12は、位相シフトDPP法において用いられるグレーティング301Kの構造を示した上面図である。位相シフトDPP法の光ピックアップは、図9に示したDPP法の光ピックアップ100におけるグレーティング301および光検出部801をそれぞれグレーティング301Kおよび光検出部801Kに置き換えたものである。ゆえに、位相シフトDPP法を用いた光ピックアップの全体構成については説明を繰り返さない。
図12を参照して、グレーティング301Kは、グレーティングパターンD1(ブランク部分)と、グレーティングパターンD2(ハッチング部分)とを含む。図12では、グレーティング301Kにおいて光ビームPが通過する領域の中心を原点とし、図9の光ディスク6の半径方向(ラジアル方向)をX方向、トラック方向をY方向と設定している。グレーティング301Kは、光ディスク6のトラック方向(Y方向)を境界として、両側を反対方向に傾斜させた複数のグレーティングパターンに分割されている。
グレーティングパターンD1は、グレーティングの凹凸溝がトラック方向に対して垂直に形成されている。グレーティングパターンD2は、グレーティングの凹凸溝ピッチはグレーティングD1と同じであるが、格子溝の相対位置がグレーティングパターンD1と比べて1/2ピッチだけずれた構造となっている。グレーティング301Kの一部F10を拡大した拡大部F10Lを用いて、この構造を説明する。
拡大部F10Lに示すように、グレーティングパターンD1とD2とでは、パターン溝を形成するランドLN(ハッチング部分)とグルーブGR(ブランク部分)との位置が反転している。このような構造とすることにより、グレーティング301KのグレーティングパターンD1とD2とで位相差が180度異なる領域を形成することができる。
たとえば、グレーティングパターンD1を位相差を付加しない領域とするとき、グレーティングD2は位相差を180度付加する領域となる。図12では、グレーティングパターンD1とD2とを、ほぼ等間隔の幅で交互に形成している。
図9を参照して、グレーティング301から置換されたグレーティング301Kを通過した光ビームPは、メインビームP0とサブビームP1,P2とに分割される。グレーティング301Kによって分割されたサブビームP1,P2は、メインビームP0に対してそれぞれ±180度の位相差が付加される。これは、グレーティングの溝構造が0次光と1次光との干渉縞に相当し、1次光の位相がずれると干渉縞も移動することから、概念的にも理解できる。これらの3ビームが光ディスク6上のトラック61にどのように集光されるかについて次に説明する。
図13は、グレーティング301Kによって分割された3ビームが光ディスク6のトラック61上にどのように集光されるかを示した図である。図13に示すように、トラック61の接線方向(Y方向)にサブビームP1、メインビームP0、サブビームP2が順に配列される。
サブビームP1は、図12で示したグレーティング301Kの構造により、4つのスポットSP11〜SP14を含む。サブビームP2も同じく、4つのスポットSP21〜SP24を含む。このように、グレーティング301Kの構造により、3ビームP0〜P2のスポット光が図10から図12のように変化する理由について、以下に説明する。
グレーティングの構造を通常のグレーティングから図12のグレーティング301Kのように変更すると、サブビームP1,P2のような1次以上の回折光が影響を受ける。これに対し、0次回折光であるメインビームP0は透過光なので、グレーティング301Kの溝構造による影響は受けない。
先述したように、グレーティング301Kによって分割されたサブビームP1,P2は、メインビームP0に対してそれぞれ±180度の位相差が付加される。このような位相差を有するビームをレンズで集光させると、スポット光は基本的には図13のような主に4つのピークを持つ強度プロファイルとなる。この強度プロファイルは、上記の位相差を有する時間信号をフーリエ変換したときに生じる空間周波数分布に相当する。
概念的には、グレーティング301Kの構造によってサブビームP1,P2の中にさらに位相反転した周期性が付加されると説明できる。この周期性が一種の回折格子のような機能を果たし、サブビームP1,P2の中にさらにサブビームが生成されるというイメージである。次に、光検出部801Kの具体的な回路構成について説明する。
図14は、位相シフトDPP法において用いられる光検出部801Kの具体的な構成について示した回路図である。光検出部801Kは、図11のDPP法における光検出部801に差動増幅器300Kが付加された構成を有する。したがって、重複する部分の説明はここでは原則として繰り返さない。
差動増幅器300は、2分割光検出器800の受光領域800a,800bからそれぞれ出力される信号を差動増幅し、プッシュプル信号PP300を生成する。差動増幅器300Kは、2分割光検出器810,820からそれぞれ出力されるトータル信号SB1K,SB2Kを差動増幅し、トラッキング誤差信号TB1Kを生成する。
差動増幅器310は、2分割光検出器810の受光領域810a,810bからそれぞれ出力される信号を差動増幅し、プッシュプル信号PP310を生成する。差動増幅器320は、2分割光検出器820の受光領域820a,820bからそれぞれ出力される信号を差動増幅し、プッシュプル信号PP320を生成する。
加算器330は、プッシュプル信号PP310とPP320とを加算する。可変利得増幅器350は、加算器330の出力信号をk倍する。この係数kは、図11において説明したのと同様に、メインビームP0とサブビームP1,P2との光強度の違いを補正するためのものである。差動増幅器370は、プッシュプル信号PP300と可変利得増幅器350の出力信号とを差動演算し、プッシュプル信号(トラッキング誤差信号)PP0を生成する。プッシュプル信号PP0を求める式は、次のようになる。
PP0=PP300−k(PP310+PP320) (12)
図14に示すように、2分割光検出器800で受光されるメインビームP0は、透過光であるため、図12のグレーティング301Kの構造による影響を受けない。これに対し、2分割光検出器810,820でそれぞれ受光されるサブビームP1,P2は、グレーティング301Kの構造による影響を受けるため、図14に示すような格子状の明暗パターンが現れる。
図13で説明したように、位相シフトDPP法では、サブビームP1、P2がそれぞれ4つのスポットに分かれる。そのため、生成されるプッシュプル信号PP310,PP320は、位相差が加わらないメインビームP0のプッシュプル信号PP300と比較して、振幅がほぼゼロとなる(より詳しい理由は、たとえば特許文献3を参照)。
つまり、サブビームP1、P2は、光ディスク6のトラック61上のどこに集光されても振幅がほぼゼロとなる。このため、プッシュプル信号PP310,PP320の和からは、対物レンズ5のシフトや光ディスク6の傾きなどによるトラッキング誤差信号のDCオフセットのみが検出される。トラッキング誤差信号のDCオフセットは、式(12)のプッシュプル信号PP0を演算をする過程でキャンセルすることができる。
このように、位相シフトDPP法は、従来のDPP法に比べ、サブビームP1,P2をメインビームP0から1/2トラックだけずれた位置に正確に位置調整するのに必要なグレーティングの回転調整が不要となる。
特公平4−34212号公報(第3−4頁、図5−7) 特開2001−250250号公報(第6−10頁、図1−3) 特開2004−5892号公報(第8−10頁、図1−5)
しかしながら、DPP法(位相シフトDPP法を含む)では基本的にプッシュプル信号を用いているため、光ディスクのトラック溝形状が変化するとプッシュプル信号の振幅が変化する。DPP法で用いられるプッシュプル信号は、再生光源の波長をλとすると、トラック溝の深さ(光路長)がλ/8+n・λ/4(nは整数)付近で最大振幅となる。しかし、干渉状態が反転するλ/4+n・λ/4付近では振幅がゼロとなり、プッシュプル信号は得られない。すなわち、DPP法を用いた光ピックアップは、プッシュプル信号が得られない溝深さの光ディスク(たとえば、凹凸ピットで情報が記録された特定の再生専用ディスク)に対しては適用できない。
一方、3ビーム法は、このような再生専用ディスクに対してもトラッキング誤差信号の検出が可能であるが、DPP法とはサブビームの調整位置が異なる。このため、同一の光ピックアップで、3ビーム法とDPP法とを併用することはできなかった。位相シフトDPP法を用いた場合、サブビームの位置調整は不要であるが、3ビーム法によるトラッキング誤差信号が検出できない。そのため、やはり同一の光ピックアップで3ビーム法と位相シフトDPP法とを併用することはできなかった。
3ビーム法とDPP法とを同一の光ピックアップで併用するのに、光ピックアップ内でグレーティングを両方法に応じてそれぞれ最適な回転角度に機械的に調整する機構を搭載し、光ディスクの種類に合わせて回転角度の調整を切り換えることは考えられる。しかし、この場合には、複雑な回転機構および制御が必要となるためコストアップとなり、薄型化にも適さない。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ピッチや溝深さの異なる種々の記録媒体に対してそれぞれ最適なトラッキングサーボを適用することが可能な光ピックアップ装置を提供することである。
この発明は、光源からの出射光を記録媒体に照射し、記録媒体の反射光に基づいて情報を再生する光ピックアップ装置であって、出射光をメインビームと、+1次のサブビームと、−1次のサブビームとに分割するグレーティングと、メインビームと複数のサブビームとを含む反射光を受光し、位相シフトDPP法および3ビーム法の両方法によって、情報の再生に用いられるトラッキング誤差信号を生成する光受光部とを備え、グレーティングは、凹凸溝が交互に形成されたノーマル領域と、凹凸溝の並ぶ方向が記録媒体のトラック方向に形成された第1のグレーティングパターンと、第1のグレーティングパターンと凹凸溝の相対位置が1/2ピッチだけずれた第2のグレーティングパターンと、が交互に形成された位相シフト領域を含む。
好ましくは、第1のグレーティングパターンと第2のグレーティングパターンとは、記録媒体のトラック方向の所定軸の両側に、所定軸からそれぞれ所定方向に傾斜させて交互に配置されている。
好ましくは、光受光部は、メインビームの反射光を受光する2分割光検出器と、+1次のサブビームの反射光を受光する第1の3分割光検出器と、−1次のサブビームの反射光を受光する第2の3分割光検出器と、2分割光検出器の第1および第2の受光領域からそれぞれ出力される信号を差動増幅して第1のプッシュプル信号を生成する第1の差動増幅器と、第1の3分割光検出器の第1および第2の受光領域からそれぞれ出力される信号を差動増幅して第2のプッシュプル信号を生成する第2の差動増幅器と、第2の3分割光検出器の第1および第2の受光領域からそれぞれ出力される信号を差動増幅して第3のプッシュプル信号を生成する第3の差動増幅器と、第2のプッシュプル信号と第3のプッシュプル信号とを加算して定数倍した信号と第1のプッシュプル信号とを差動増幅して位相シフトDPP法のトラッキング誤差信号を生成する第4の差動増幅器と、第1の3分割光検出器の第3の受光領域と第2の3分割光検出器の第3の受光領域とからそれぞれ出力されるトータル信号を差動増幅して3ビーム法のトラッキング誤差信号を生成する第5の差動増幅器とを含む。
この発明の他の局面によれば、光源からの出射光を記録媒体に照射し、記録媒体の反射光に基づいて情報を再生する光ピックアップ装置であって、出射光を、メインビームと、+1次のサブビームと、−1次のサブビームと、+2次のサブビームと、−2次のサブビームとに分割するグレーティングと、メインビームと複数のサブビームとを含む反射光を受光し、位相シフトDPP法および3ビーム法の両方法によって、情報の再生に用いられるトラッキング誤差信号を生成する光受光部とを備え、グレーティングは、凹凸溝の並ぶ方向が記録媒体のトラック方向に形成された第1のグレーティングパターンと、第1のグレーティングパターンと凹凸溝の相対位置が1/2ピッチだけずれた第2のグレーティングパターンと、が交互に形成された領域を含み、凹凸溝の幅がランドとグルーブとで1:1からずれている。
好ましくは、第1のグレーティングパターンと第2のグレーティングパターンとは、記録媒体のトラック方向の所定軸の両側に、所定軸からそれぞれ所定方向に傾斜させて交互に配置されている。
好ましくは、光受光部は、メインビームの反射光を受光する第1の2分割光検出器と、+1次のサブビームの反射光を受光する第2の2分割光検出器と、−1次のサブビームの反射光を受光する第3の2分割光検出器と、+2次のサブビームの反射光を受光する第1の光検出器と、−2次のサブビームの反射光を受光する第2の光検出器と、第1の2分割光検出器の第1および第2の受光領域からそれぞれ出力される信号を差動増幅して第1のプッシュプル信号を生成する第1の差動増幅器と、第2の2分割光検出器の第1および第2の受光領域からそれぞれ出力される信号を差動増幅して第2のプッシュプル信号を生成する第2の差動増幅器と、第3の2分割光検出器の第1および第2の受光領域からそれぞれ出力される信号を差動増幅して第3のプッシュプル信号を生成する第3の差動増幅器と、第2のプッシュプル信号と第3のプッシュプル信号とを加算して定数倍した信号と第1のプッシュプル信号とを差動増幅して位相シフトDPP法のトラッキング誤差信号を生成する第4の差動増幅器と、第1および第2の光検出器からそれぞれ出力されるトータル信号を差動増幅して3ビーム法のトラッキング誤差信号を生成する第5の差動増幅器とを含む。
好ましくは、光検出部は、記録媒体の種類に応じて、位相シフトDPP法のトラッキング誤差信号と3ビーム法のトラッキング誤差信号とのいずれか一方を選択する。
この発明によれば、ピッチや溝深さの異なる種々の記録媒体に対してそれぞれ最適なトラッキングサーボを適用することが可能となる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による光ピックアップ10Aの全体構成を示した概略図である。実施の形態1の光ピックアップ10Aは、図9に示したDPP法の光ピックアップ100におけるグレーティング301および光検出部801をそれぞれグレーティング3Aおよび光検出部8Aに置き換えたものである。ゆえに、重複する部分の説明はここでは繰り返さない。まず、グレーティング3Aの構造について説明する。
図2は、光ピックアップ10Aにおいて用いられるグレーティング3Aの構造を示した上面図である。図2を参照して、グレーティング3Aは、ノーマル領域3Xと、位相シフト領域3Yとを含む。グレーティング3Aの一部F1を拡大した拡大部F1Lに示すように、ノーマル領域3Xは、ランドLN(ハッチング部分)とグルーブGR(ブランク部分)とから形成される通常の凹凸溝を有している。
位相シフト領域3Yは、図12のグレーティング301Kと同様に、グレーティングパターンD1(ブランク部分)と、グレーティングパターンD2(ハッチング部分)とを含む。図2では、グレーティング3Aにおいて光ビームPが通過する領域の中心を原点とし、図1の光ディスク6の半径方向(ラジアル方向)をX方向、トラック方向をY方向と設定している。位相シフト領域3Yは、光ディスク6のトラック方向(Y方向)を境界として、両側を反対方向に傾斜させた複数のグレーティングパターンに分割されている。
グレーティングパターンD1は、グレーティングの凹凸溝がトラック方向に対して垂直に形成されている。グレーティングパターンD2は、グレーティングの凹凸溝ピッチはグレーティングD1と同じであるが、格子溝の相対位置がグレーティングパターンD1と比べて1/2ピッチだけずれた構造となっている。図12と同様に、位相シフト領域3Yの一部F2を拡大した拡大部F2Lを用いて、この構造を説明する。
拡大部F2Lに示すように、グレーティングパターンD1とD2とでは、パターン溝を形成するランドLN(ハッチング部分)とグルーブGR(ブランク部分)との位置が反転している。このような構造とすることにより、グレーティング3AのグレーティングパターンD1とD2とで位相差が180度異なる領域を形成することができる。
たとえば、グレーティングパターンD1を位相差を付加しない領域とするとき、グレーティングD2は位相差を180度付加する領域となる。図2では、グレーティングパターンD1とD2とを、ほぼ等間隔の幅で交互に形成している。
このように、実施の形態1のグレーティング3Aは、通常の凹凸溝を有するノーマル領域3Xと、グレーティングパターンD1とD2とで位相差が180度異なる位相シフト領域3Yとが、X軸を境にして半分ずつ形成されている。図1を参照して、グレーティング301Aを通過した光ビームPは、ノーマル領域3Xを通過するか位相シフト領域3Yを通過するかにかかわらず、メインビームP0とサブビームP1,P2とに分割される。
グレーティング3Aによって分割されたサブビームP1,P2は、位相シフト領域3Yを通過した光ビームに限り、メインビームP0に対してそれぞれ±180度の位相差が付加される。この位相シフトの原理は、図12で説明した位相シフトDPP法と同じである。次に、光検出部8Aの具体的な回路構成について説明する。
図3は、図1の光ピックアップ10Aにおける光検出部8Aの具体的な構成について示した回路図である。光検出部8Aは、2分割光検出器80と、3分割光検出器81A,82Aと、差動増幅器30,30A,31A,32A,37Aと、加算器33と、可変利得増幅器35とをを含む。2分割光検出器80は、受光領域80a,80bを有する。3分割光検出器81Aは、4分割受光領域81Aa,81Abと、2分割受光領域81Acとを有する。3分割光検出器82Aは、4分割受光領域82Aa,82Abと、2分割受光領域82Acを有する。
2分割光検出器80は、トラック方向の分割線によって2分割されている。3分割光検出器81A,82Aは、まずトラックと直交する方向の分割線によって2分割され、トラック方向の分割線によって当該2分割の一方がさらに2分割されている。2分割光検出器80は、メインビームP0の反射光のファーフィールドパターンを受光する。3分割光検出器81A,82Aは、サブビームP1,P2の反射光のファーフィールドパターンをそれぞれ受光する。
差動増幅器30は、2分割光検出器80の受光領域80a,80bからそれぞれ出力される信号を差動増幅し、プッシュプル信号PP30を生成する。差動増幅器30Aは、3分割光検出器81A,82Aの各2分割受光領域81Ac,82Acからそれぞれ出力されるトータル信号SB1A,SB2Aを差動増幅し、トラッキング誤差信号TB1Aを生成する。
差動増幅器31Aは、3分割光検出器81Aの4分割受光領域81Aa,81Abからそれぞれ出力される信号を差動増幅し、プッシュプル信号PP31Aを生成する。差動増幅器32Aは、3分割光検出器82Aの4分割受光領域82Aa,82Abからそれぞれ出力される信号を差動増幅し、プッシュプル信号PP32Aを生成する。
加算器33は、プッシュプル信号PP31AとPP32Aとを加算する。可変利得増幅器35は、加算器33の出力信号をk倍する。この係数kは、図11において説明したのと同様に、メインビームP0とサブビームP1,P2との光強度の違いを補正するためのものである。差動増幅器37Aは、プッシュプル信号PP30と可変利得増幅器35の出力信号とを差動演算し、プッシュプル信号(トラッキング誤差信号)PPAを生成する。プッシュプル信号PPAを求める式は、次のようになる。
PPA=PP30−k(PP31A+PP32A) (1)
図3に示すように、2分割光検出器80で受光されるメインビームP0は、図2の位相シフト領域3Yによる影響を受けない。これに対し、3分割光検出器81A,82Aでそれぞれ受光されるサブビームP1,P2は、図2の位相シフト領域3Yによる影響を受けるため、4分割受光領域81Aa,81Ab,82Aa,82Abにおいて、図3に示すような格子状の明暗パターンが現れる。
上述のように4分割受光領域81Aa,81Ab,82Aa,82Abにおける各受光パターンの大部分が格子状となることにより、生成されるプッシュプル信号PP31A,PP32Aは、図12,13の位相シフトDPP法で説明したように、位相差が加わらないメインビームP0のプッシュプル信号PP30と比較して、振幅がほぼゼロとなる。
したがって、式(1)の演算を行なうことにより、2分割光検出器80、3分割光検出器81Aの4分割受光領域81Aa,81Ab、および3分割光検出器82Aの4分割受光領域82Aa,82Abからそれぞれ出力されるプッシュプル信号を用いて、位相シフトDPP法とほぼ同じ特性のトラッキング誤差信号を得ることができる。
次に、3ビーム法によるトラッキング誤差信号の検出について説明する。図4は、グレーティング3Aによって分割された3ビームが光ディスク6のトラック61上にどのように集光されるかを示した図である。
図4に示すように、トラック61の接線方向(Y方向)にサブビームP1、メインビームP0、サブビームP2が順に配列される。サブビームP1は、図2で示したグレーティング3Aのノーマル領域3XによるスポットSP10と、位相シフト領域3Yによる4つのスポットSP11〜SP14とを含む。中央のスポットSP10は、周囲のスポットSP11〜SP14と比較して最も強いピークを有する。また、サブビームP2も同様に、スポットSP20と、その外側の4つのスポットSP21〜SP24とを含む。
サブビームP1,P2は、図1のグレーティング3Aを回転調整することにより、トラック61の接線方向(Y方向)に対してメインビームP0を中心に角度θだけ回転して配置される。サブビームP1は、中央のスポットSP10がトラック61に対して内周側に1/4トラックだけずれた位置に調整される。サブビームP2は、中央のスポットSP20がトラック61に対して外周側に1/4トラックだけずれた位置に調整される。
3ビームが光ディスク6のトラック61上に図4のように配置される結果、光検出部8Aの3分割光検出器81A,82Aにおける各受光パターンは、4分割受光領域81Aa,81Ab,82Aa,82Abにおいては格子状の明暗パターンが現れるものの、2分割受光領域81Ac,82Acでは通常のプッシュプルパターンとなる。トラッキング誤差信号TB1Aを求める式は、次のようになる。
TB1A=SB1A−SB2A (2)
トラッキング誤差信号TB1Aは、具体的には図3の差動増幅器30Aによって生成される。式(2)の演算を行なうことにより、3分割光検出器81Aの2分割受光領域81Acおよび3分割光検出器82Aの2分割受光領域82Acからそれぞれ出力されるトータル信号信号SB1A,SB2Aを用いて、3ビーム法とほぼ同じ特性のトラッキング誤差信号TB1Aを得ることができる。
前述したように、位相シフトDPP法では、サブビームP1,P2のトラック上の集光位置に関係なく、同じ特性のトラッキング誤差信号が得られる。したがって、3ビーム法にとって最適な位置にサブビームP1,P2が配置されるようにグレーティング3Aを回転調整することで、位相シフトDPP法および3ビーム法の2つの方法によるトラッキング誤差信号を同一の光ピックアップを用いて検出することが可能となる。
実施の形態1では、たとえば、反射率が変化する記録型ディスクに対しては、位相シフトDPP法によるトラッキングサーボを行なうことができる。また、プッシュプル信号が非常に小さい可能性のある再生専用ROM(Read Only Memory)ディスクなどに対しては、3ビーム法によるトラッキングサーボを採用することができる。
以上のように、実施の形態1によれば、グレーティング3Aの構造を位相シフトDPP法および3ビーム法の両方に対応させることによって、異なる種類の光ディスクに対してそれぞれ最適なトラッキングサーボ法を選択できる。これにより、光ディスクの種類に合わせてより正確かつ安定なトラッキング制御を行なうことが可能となる。
[実施の形態2]
図5は、この発明の実施の形態2による光ピックアップ10Bの全体構成を示した概略図である。実施の形態2の光ピックアップ10Bは、図9に示したDPP法の光ピックアップ100におけるグレーティング301および光検出部801をそれぞれグレーティング3Bおよび光検出部8Bに置き換えたものである。ゆえに、重複する部分の説明はここでは繰り返さない。まず、グレーティング3Bの構造について説明する。
図6は、光ピックアップ10Bにおいて用いられるグレーティング3Bの構造を示した上面図である。図6を参照して、グレーティング3Bは、図12のグレーティング301Kと同じく、グレーティングパターンD1(ブランク部分)と、グレーティングパターンD2(ハッチング部分)とを含む。グレーティング3Bは、グレーティング301Kと同じく、光ディスク6のトラック方向(Y方向)を境界として、両側を反対方向に傾斜させた複数のグレーティングパターンに分割されている。
グレーティングパターンD1は、グレーティングの凹凸溝がトラック方向に対して垂直に形成されている。グレーティングパターンD2は、グレーティングの凹凸溝ピッチはグレーティングD1と同じであるが、格子溝の相対位置がグレーティングパターンD1と比べて1/2ピッチだけずれた構造となっている。グレーティング3Bの一部F3を拡大した拡大部F3Lを用いて、この構造を説明する。
拡大部F3Lに示すように、グレーティングパターンD1とD2とでは、パターン溝を形成するランドLN(ハッチング部分)とグルーブGR(ブランク部分)との位置が反転している。このような構造とすることにより、グレーティング3BのグレーティングパターンD1とD2とで位相差が180度異なる領域を形成することができる。
さらに、実施の形態2のグレーティング3Bでは、ランドLNとグルーブGRとで凹凸溝の幅が1:1からずれている。これにより、グレーティング3Bは、±2次の回折光(サブビームP3,P4)を発生する(図5参照)。グレーティングパターンD1とD2とでは、±1次の回折光(サブビームP1,P2)に対しては位相差が180度異なるが、±2次の回折光に対しては位相差が発生しない。
このように、実施の形態2の光ピックアップ10Bは、グレーティング3Bによって分割されるメインビームP0、±1次のサブビームP1,P2に加えて、±2次のサブビームP3,P4も利用する(図5参照)という点で、実施の形態1の光ピックアップ10Aと異なる。次に、光検出部8Bの具体的な回路構成について説明する。
図7は、図5の光ピックアップ10Bにおける光検出部8Bの具体的な構成について示した回路図である。光検出部8Bは、2分割光検出器80,81B,82Bと、光検出器83,84と、差動増幅器30,30B,31B,32B,37Bと、加算器33と、可変利得増幅器35とをを含む。2分割光検出器80は、受光領域80a,80bを有する。2分割光検出器81Bは、受光領域81Ba,81Bbを有する。2分割光検出器82Bは、受光領域82Ba,82Bbを有する。
2分割光検出器80,81B,82Bは、各々がトラック方向の分割線によって2分割されている。2分割光検出器80は、メインビームP0の反射光のファーフィールドパターンを受光する。2分割光検出器81B,82Bは、サブビームP1,P2の反射光のファーフィールドパターンをそれぞれ受光する。光検出器83,84は、サブビームP3,P4の反射光のファーフィールドパターンをそれぞれ受光する。
差動増幅器30は、2分割光検出器80の受光領域80a,80bからそれぞれ出力される信号を差動増幅し、プッシュプル信号PP30を生成する。差動増幅器30Bは、光検出器83,84からそれぞれ出力されるトータル信号SB1B,SB2Bを差動増幅し、トラッキング誤差信号TB1Bを生成する。
差動増幅器31Bは、2分割光検出器81Bの受光領域81Ba,81Bbからそれぞれ出力される信号を差動増幅し、プッシュプル信号PP31Bを生成する。差動増幅器32Bは、2分割光検出器82Bの受光領域82Ba,82Bbからそれぞれ出力される信号を差動増幅し、プッシュプル信号PP32Bを生成する。
加算器33は、プッシュプル信号PP31BとPP32Bとを加算する。可変利得増幅器35は、加算器33の出力信号をk倍する。この係数kは、図11において説明したのと同様に、メインビームP0とサブビームP1,P2との光強度の違いを補正するためのものである。差動増幅器37Bは、プッシュプル信号PP30と可変利得増幅器35の出力信号とを差動演算し、プッシュプル信号(トラッキング誤差信号)PPBを生成する。プッシュプル信号PPBを求める式は、次のようになる。
PPB=PP30−k(PP31B+PP32B) (3)
図7に示すように、2分割光検出器80で受光されるメインビームP0だけでなく、光検出器83,84で検出される±2次のサブビームP3,P4もまた、図6のグレーティング3Bにおける位相シフトの影響を受けない。これに対し、2分割光検出器81B,82Bでそれぞれ受光される±1次のサブビームP1,P2は、図6のグレーティング3Bにおける位相シフトの影響を受けるため、2分割受光領域81Ba,81Bb,82Ba,82Bbにおいて、図7に示すような格子状の明暗パターンが現れる。
上述のように2分割受光領域81Ba,81Bb,82Ba,82Bbにおける各受光パターンの大部分が格子状となることにより、生成されるプッシュプル信号PP31B,PP32Bは、図12,13の位相シフトDPP法で説明したように、位相差が加わらないメインビームP0のプッシュプル信号PP30と比較して、振幅がほぼゼロとなる。
したがって、式(3)の演算を行なうことにより、2分割光検出器80,81B,82Bからそれぞれ出力されるプッシュプル信号を用いて、位相シフトDPP法とほぼ同じ特性のトラッキング誤差信号を得ることができる。次に、3ビーム法によるトラッキング誤差信号の検出について説明する。
図8は、グレーティング3Bによって分割された5ビームが光ディスク6のトラック61上にどのように集光されるかを示した図である。図8に示すように、トラック61の接線方向(Y方向)にサブビームP3,P1、メインビームP0、サブビームP2,P4が順に配列される。サブビームP1は、図6で示したグレーティング3Bの構造により、4つのスポットSP11〜SP14とを含む。サブビームP2も同じく、4つのスポットSP21〜SP24とを含む。
サブビームP1〜P4は、図5のグレーティング3Aを回転調整することにより、トラック61の接線方向(Y方向)に対してメインビームP0を中心に角度θだけ回転して配置される。サブビームP1,P3は、トラック61に対して内周側に1/4トラックだけずれた位置に調整される。サブビームP2,P4は、トラック61に対して外周側に1/4トラックだけずれた位置に調整される。
5ビームが光ディスク6のトラック61上に図8のように配置される結果、2分割光検出器81B,82Bにおける各受光パターンにおいては格子状の明暗パターンが現れるものの、2分割光検出器80および光検出器83,84では通常のプッシュプルパターンとなる。トラッキング誤差信号TB1Bを求める式は、次のようになる。
TB1B=SB1B−SB2B (4)
トラッキング誤差信号TB1Bは、具体的には図7の差動増幅器30Bによって生成される。式(4)の演算を行なうことにより、光検出器83,84からそれぞれ出力されるトータル信号信号SB1B,SB2Bを用いて、3ビーム法とほぼ同じ特性のトラッキング誤差信号TB1Bを得ることができる。
実施の形態1でも述べたように、位相シフトDPP法では、サブビームP1〜P4のトラック上の集光位置に関係なく、同じ特性のトラッキング誤差信号が得られる。したがって、3ビーム法にとって最適な位置にサブビームP1〜P4が配置されるようにグレーティング3Bを回転調整することで、位相シフトDPP法および3ビーム法の2つの方法によるトラッキング誤差信号を同一の光ピックアップを用いて検出することが可能となる。
以上のように、実施の形態2によれば、グレーティング3BのランドLNとグルーブGRとで凹凸溝の幅を1:1からずらして±2次の回折光を利用することにより、実施の形態1と同じく、異なる種類の光ディスクに対してそれぞれ最適なトラッキングサーボ法を選択できる。これにより、光ディスクの種類に合わせてより正確かつ安定なトラッキング制御を行なうことが可能となる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態1による光ピックアップ10Aの全体構成を示した概略図である。 光ピックアップ10Aにおいて用いられるグレーティング3Aの構造を示した上面図である。 図1の光ピックアップ10Aにおける光検出部8Aの具体的な構成について示した回路図である。 グレーティング3Aによって分割された3ビームが光ディスク6のトラック61上にどのように集光されるかを示した図である。 この発明の実施の形態2による光ピックアップ10Bの全体構成を示した概略図である。 光ピックアップ10Bにおいて用いられるグレーティング3Bの構造を示した上面図である。 図5の光ピックアップ10Bにおける光検出部8Bの具体的な構成について示した回路図である。 グレーティング3Bによって分割された5ビームが光ディスク6のトラック61上にどのように集光されるかを示した図である。 DPP法を用いた光ピックアップ100の全体構成を示した概略図である。 メインビームP0およびサブビームP1,P2が光ディスク6のトラック61上にどのように集光されるかを示した図である。 図9の光ピックアップ100における光検出部801の具体的な構成について示した回路図である。 位相シフトDPP法において用いられるグレーティング301Kの構造を示した上面図である。 グレーティング301Kによって分割された3ビームが光ディスク6のトラック61上にどのように集光されるかを示した図である。 位相シフトDPP法において用いられる光検出部801Kの具体的な構成について示した回路図である。
符号の説明
1 光源、2 コリメータレンズ、3A,3B,301,301K グレーティング、3X ノーマル領域、3Y 位相シフト領域、4 ビームスプリッタ、5 対物レンズ、6 光ディスク、7 集光レンズ、10A,10B,100 光ピックアップ、8A,8B,801,801K 光検出部、61 トラック、80,81B,82B,800,810,820 2分割光検出器、81A,82A 3分割光検出器、83,84 光検出器、30,30A,30B,300,300K,31A,31B,310,32A、32B,320,37A,37B,370 差動増幅器、33,330 加算器、35,350 可変利得増幅器。

Claims (7)

  1. 光源からの出射光を記録媒体に照射し、前記記録媒体の反射光に基づいて情報を再生する光ピックアップ装置であって、
    前記出射光をメインビームと、+1次のサブビームと、−1次のサブビームとに分割するグレーティングと、
    前記メインビームと複数の前記サブビームとを含む前記反射光を受光し、位相シフトDPP法および3ビーム法の両方法によって、前記情報の再生に用いられるトラッキング誤差信号を生成する光受光部とを備え、
    前記グレーティングは
    凹凸溝が交互に形成されたノーマル領域と、
    凹凸溝の並ぶ方向が前記記録媒体のトラック方向に形成された第1のグレーティングパターンと、前記第1のグレーティングパターンと前記凹凸溝の相対位置が1/2ピッチだけずれた第2のグレーティングパターンと、が交互に形成された位相シフト領域を含む、光ピックアップ装置。
  2. 前記第1のグレーティングパターンと前記第2のグレーティングパターンとは、前記記録媒体のトラック方向の所定軸の両側に、前記所定軸からそれぞれ所定方向に傾斜させて交互に配置されている、請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 記光受光部は、
    前記メインビームの前記反射光を受光する2分割光検出器と、
    前記+1次のサブビームの前記反射光を受光する第1の3分割光検出器と、
    前記−1次のサブビームの前記反射光を受光する第2の3分割光検出器と、
    前記2分割光検出器の第1および第2の受光領域からそれぞれ出力される信号を差動増幅して第1のプッシュプル信号を生成する第1の差動増幅器と、
    前記第1の3分割光検出器の第1および第2の受光領域からそれぞれ出力される信号を差動増幅して第2のプッシュプル信号を生成する第2の差動増幅器と、
    前記第2の3分割光検出器の第1および第2の受光領域からそれぞれ出力される信号を差動増幅して第3のプッシュプル信号を生成する第3の差動増幅器と、
    前記第2のプッシュプル信号と前記第3のプッシュプル信号とを加算して定数倍した信号と前記第1のプッシュプル信号とを差動増幅して前記位相シフトDPP法のトラッキング誤差信号を生成する第4の差動増幅器と、
    前記第1の3分割光検出器の第3の受光領域と前記第2の3分割光検出器の第3の受光領域とからそれぞれ出力されるトータル信号を差動増幅して前記3ビーム法のトラッキング誤差信号を生成する第5の差動増幅器とを含む、請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  4. 光源からの出射光を記録媒体に照射し、前記記録媒体の反射光に基づいて情報を再生する光ピックアップ装置であって、
    前記出射光を、メインビームと、+1次のサブビームと、−1次のサブビームと、+2次のサブビームと、−2次のサブビームとに分割するグレーティングと、
    前記メインビームと複数の前記サブビームとを含む前記反射光を受光し、位相シフトDPP法および3ビーム法の両方法によって、前記情報の再生に用いられるトラッキング誤差信号を生成する光受光部とを備え、
    前記グレーティングは、凹凸溝の並ぶ方向が前記記録媒体のトラック方向に形成された第1のグレーティングパターンと、前記第1のグレーティングパターンと前記凹凸溝の相対位置が1/2ピッチだけずれた第2のグレーティングパターンと、が交互に形成された領域を含み、凹凸溝の幅がランドとグルーブとで1:1からずれている、光ピックアップ装置。
  5. 前記第1のグレーティングパターンと前記第2のグレーティングパターンとは、前記記録媒体のトラック方向の所定軸の両側に、前記所定軸からそれぞれ所定方向に傾斜させて交互に配置されている、請求項に記載の光ピックアップ装置。
  6. 記光受光部は、
    前記メインビームの前記反射光を受光する第1の2分割光検出器と、
    前記+1次のサブビームの前記反射光を受光する第2の2分割光検出器と、
    前記−1次のサブビームの前記反射光を受光する第3の2分割光検出器と、
    前記+2次のサブビームの前記反射光を受光する第1の光検出器と、
    前記−2次のサブビームの前記反射光を受光する第2の光検出器と、
    前記第1の2分割光検出器の第1および第2の受光領域からそれぞれ出力される信号を差動増幅して第1のプッシュプル信号を生成する第1の差動増幅器と、
    前記第2の2分割光検出器の第1および第2の受光領域からそれぞれ出力される信号を差動増幅して第2のプッシュプル信号を生成する第2の差動増幅器と、
    前記第3の2分割光検出器の第1および第2の受光領域からそれぞれ出力される信号を差動増幅して第3のプッシュプル信号を生成する第3の差動増幅器と、
    前記第2のプッシュプル信号と前記第3のプッシュプル信号とを加算して定数倍した信号と前記第1のプッシュプル信号とを差動増幅して前記位相シフトDPP法のトラッキング誤差信号を生成する第4の差動増幅器と、
    前記第1および前記第2の光検出器からそれぞれ出力されるトータル信号を差動増幅して前記3ビーム法のトラッキング誤差信号を生成する第5の差動増幅器とを含む、請求項に記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記光検出部は、前記記録媒体の種類に応じて、前記位相シフトDPP法のトラッキング誤差信号と前記3ビーム法のトラッキング誤差信号とのいずれか一方を選択する、請求項1〜のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
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