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JP4187917B2 - 組織再生マトリックス用グリコサミノグリカン−コラーゲン複合体の製造方法 - Google Patents

組織再生マトリックス用グリコサミノグリカン−コラーゲン複合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟骨等の組織再生マトリックス用グリコサミノグリカン(GAG)−コラーゲン複合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
軟骨は非常に再生しにくい臓器であるが、加齢やスポーツ障害による変形性関節症等の関節疾患の対策として軟骨再生材料の開発が切望されている。軟骨組織の主成分は、II型コラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸鎖が豊富なプロテオグリカンである。これまで、ハイドロキシアパタイト−II型コラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸自己組織化体が、invivoにおいてある程度軟骨再生を促進する結果が得られている。
【0003】
また、これまで、ヒアルロン酸を架橋剤(ジアミン、ジエポキシ、エピクロロヒドリン)により架橋したもの、縮合剤(水溶性カルボジイミド)により架橋したもの、ヒアルロン酸のカルボキシル基の部分に疎水基を導入したもの等が報告されている。
【0004】
また、グリコサミノグリカン(GAG)−コラーゲン複合体の調製は、コラーゲン溶液を凍結乾燥したコラーゲンマトリックスへのGAGの固定化(J.S.Pieper et al.,「Biomaterials」, 2000,21:581-593)やGAG−コラーゲンコンプレックスを化学架橋する手法が取られていた(特表平6−505642号公報、特開平7−196704号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
グリコサミノグリカンとコラーゲンとの複合体に関しては、コラーゲンスポンジに縮合剤を用いてグリコサミノグリカンを固定化する手法と、グリコサミノグリカンとコラーゲンのポリイオンコンプレックスを縮合剤を用いて架橋する手法が報告されているが、これらの手法を用いると成型が困難であるという問題がある。
【0006】
本発明は、鋳型に入れて成型が可能である系において、軟骨、肝臓、血管、神経等、さまざまな組織再生マトリックスとして使用できる、各組織に極めて類似した物性を示し、生物学的機能も優れている組織再生材料の開発を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
ヒアルロン酸はグリコサミノグリカンと呼ばれる多糖類の一つであり、II型コラーゲンはポリカチオンの一つである。ヒアルロン酸水溶液とII型コラーゲン塩酸溶液は混合するとポリイオンコンプレックス(PIC)を形成することが知られている。これは、ヒアルロン酸の分子鎖がカルボキシル基の解離により負に帯電(ポリアニオン)しており、一方、II型コラーゲンは高分子鎖全体として正に帯電(ポリカチオン)しているため(等電点8以上)である。
【0008】
また、縮合剤である水溶性カルボジイミド(WSC:1−エチル−3−(3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)は、pH4から8の条件下で安定にカルボキシル基を活性化し、その活性中間体はアミノ基および水酸基と反応し、アミドおよびエステルを形成することが知られている。
【0009】
本発明者は、グリコサミノグリカン−ポリカチオン複合体(ハイブリッド)ゲルの調製について検討を行った結果、特定の塩濃度を用いてグリコサミノグリカンとポリカチオンであるコラーゲンとがポリイオンコンプレックスを形成するのを抑制しつつ縮合剤を用いて架橋させることにより、WSCを用いた縮合反応によりグリコサミノグリカン−コラーゲン複合体ゲルを得ることができ、軟骨、肝臓、血管、神経等、さまざまな組織の優れた再生材料を得ることができることを見出した。
【0010】
発明は、グリコサミノグリカンとコラーゲンを縮合反応により架橋した組織再生マトリックス用グリコサミノグリカン−コラーゲン複合体を提供する。
【0011】
すなわち、本発明は、グリコサミノグリカンとコラーゲンを縮合反応により架橋したグリコサミノグリカン−とコラーゲン複合体を製造する方法において、
グリコサミノグリカンとコラーゲンの混合水溶液に水に溶解する塩を存在させることによってグリコサミノグリカンとコラーゲンがポリイオンコンプレックスを形成するのを抑制しつつ、縮合剤として水溶性カルボジイミドを用いた縮合反応により架橋することを特徴とする組織再生マトリックス用グリコサミノグリカン−コラーゲン複合体の製造方法である。
【0012】
また、本発明は、縮合剤として水溶性カルボジイミドと2−ヒドロキシスクシンイミドを組み合わせて用いることを特徴とする上記のグリコサミノグリカン−コラーゲン複合体の製造方法である。
【0013】
また、本発明は、グリコサミノグリカンがヒアルロン酸であり、コラーゲンがII型コラーゲンであり、塩がNaClであり、塩濃度が0.4±0.05Mであることを特徴とする上記のグリコサミノグリカン−コラーゲン複合体の製造方法である。
【0014】
また、本発明は、縮合反応前のゾル状の水溶液を鋳型に流し込み、次いで縮合反応を行なうことによって耳、鼻、又は軟骨欠損部の形状を形成することを特徴とする上記のグリコサミノグリカン−コラーゲン複合体の製造方法である。
【0015】
また、本発明は、架橋によって形成したグリコサミノグリカン−コラーゲン複合体のハイドロゲルからなるマトリックスを水で洗浄し、マトリックス中の塩のイオン、水溶性カル ボジイミド、および副生成物を除去することを特徴とする上記のグリコサミノグリカン−コラーゲン複合体の製造方法である。
【0016】
グリコサミノグリカンとしては、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸等の多糖類をいずれも用いることができる。コラーゲンには10数種のタイプがあるが、種類は特に限定されない。グリコサミノグリカンの代表的なものとしてヒアルロン酸(略号HyalA)を用い、コラーゲンとしてII型コラーゲンを用いた場合について、以下に本発明を詳しく説明する。
【0017】
本発明の方法において、架橋形成の条件は、(1)PICを形成しない塩濃度、すなわち、静電的相互作用によりPICを形成しないような塩濃度で架橋を行うことと、(2)WSCの安定性の高いpH4以上で架橋を行うことである。
【0018】
NaCl等の塩を含まない水中においてヒアルロン酸はカルボキシル基により分子として負に帯電しており(ポリアニオン)、一方、コラーゲンは分子全体で正に帯電している。塩を含まないヒアルロン酸水溶液と塩を含まないコラーゲン水溶液を混合するとヒアルロン酸の負電荷とコラーゲンの正電荷によってポリイオンコンプレックスとして沈殿が生じる。
【0019】
ヒアルロン酸とコラーゲンの水溶液を混合する際に適量の塩が存在すると、塩の溶解によって生じたイオンがヒアルロン酸とコラーゲンの電荷を打ち消すためにポリイオンコンプレックスは形成されなくなる。このような原理であるために用いる塩の種類は、水に溶解する塩、例えば、NaCl、CaCl2、Na2SO2等、であればどのような塩でも使用できる。ただ、塩の種類により最適塩濃度が若干変わることがある。水溶性カルボジイミドで架橋を行うのは、このポリイオンコンプレックスを形成しない塩濃度のときである。
【0020】
架橋直後では、塩がゲル中に塩のイオンの状態でまだ存在している。この塩を除くには、大過剰の水で洗浄する。ゲル中に含まれるイオンを除かないと、ポリイオンコンプレックスによる架橋形成を行うことができない。すなわち、共有結合+静電的相互作用による結合が形成されない。
【0021】
縮合剤で架橋を行う利点は、(1)架橋形成後、縮合剤を洗浄で除くことが可能であるため、架橋剤の毒性を問題にしなくてよいこと、(2)生分解性ハイドロゲルが得られること、(3)縮合剤の濃度をコントロールすることにより架橋度のコントロール(ポアサイズのコントロール)が可能であること、(4)ハイドロゲルに組織の修復を早める作用のあるタンパク質であるTGF−β(Transforming Growth Factor beta) 、繊維芽細胞の増殖を早める繊維芽細胞増殖因子FGF(Fibroblast Growth Factor)、血管内皮細胞の増殖を早める血管内皮細胞増殖因子VEGF(Vascular Endothelial Growth Factor)等のサイトカイン類を内包させ、徐放することも可能であること等である。
【0022】
本発明のヒアルロン酸−II型コラーゲン複合体は、含水率が90〜99重量%、ヒアルロン酸(ポリアニオン)/コラーゲン(ポリカチオン)比(重量)が50/50〜5/95、空孔率が90〜99容積%である。架橋密度は、含水率に対応している。
【0023】
図1は、本発明の方法によってグリコサミノグリカン−コラーゲン(ポリカチオンゲルを形成直後の複合マトリックスの模式図である。複合マトリックスを形成した直後には、複合マトリックスに塩(図1の場合はNaCl)が入っているので、NaイオンとClイオンがマトリックス中に存在するために共有結合のみでマトリックスが架橋されている。次に、複合マトリックスを大過剰の水に入れ、マトリックス内部のNaイオン、Clイオンを除く。
【0024】
図2は、ヒアルロン酸とII型コラーゲンのゲルの水中での膨潤時の構造(共有結合+静電的相互作用)を示す模式図である。この模式図は、大過剰の水でマトリックスを洗浄し、マトリックス中のNaイオン、Clイオン、水溶性カルボジイミドおよびウレア等の副生成物を除去した後の構造を示す。この場合、水溶性カルボジイミドによって形成した共有結合(アミドとエステル結合)の他にも結合が形成されると考えられる。この結合は、COO−とNH3+との静電的な相互作用によるものである。これは、NaイオンとClイオンがマトリックス内部から除かれるために未反応のカルボキシル基とアミノ基がコンプレックスを作り、見掛け上の架橋点になるということである。
【0025】
図3は、ヒアルロン酸とII型コラーゲンの混合比を1:1とした場合のヒアルロン酸溶液の種々のpHにおけるPIC形成を500nmの光の透過率(%)を調べることにより評価したグラフである。この図は、ヒアルロン酸とコラーゲン水溶液(それぞれ1.25%の濃度)を重量比1:1で混合したときに、どのようなpHの時にポリイオンコンプレックスを形成しなくなるかを調べたものである。横軸にヒアルロン酸水溶液のpHを取り、縦軸に500nmの光の透過率(分光光度計[UV/Vis spectrometer] を使用)を取っている。
【0026】
透過率が0%の時には、光が透過しないということであるから、ポリイオンコンプレックスが形成していることを示す。100%に近づくほどポリイオンコンプレックスが形成されないことを示している。ヒアルロン酸水溶液のpHが6から1.5の間では、透過率がほとんど0%なので、ポリイオンコンプレックスが形成している。PHが1になると透過率が約70%まで上昇しているので、ポリイオンコンプレックスが形成されなくなることが分かる。
【0027】
図4は、同じく、種々の塩(図1の場合はNaCl)濃度におけるPIC形成を500nmの光の透過率(%)を調べることにより評価したグラフである。この図は、ヒアルロン酸とコラーゲン水溶液(それぞれ1.25%の濃度)を重量比1:1で混合したときに、どのような塩濃度の時にポリイオンコンプレックスを形成しなくなるかを調べたものである。横軸にヒアルロン酸とコラーゲンの混合液中に含まれるNaCl濃度を取り、縦軸に500nmの光の透過率を取っている。
【0028】
透過率が0%の時には、光が透過しないということであるから、ポリイオンコンプレックスが形成していることを示す。100%に近づくほどポリイオンコンプレックスが形成されないことを示す。NaCl濃度が0.4M近くで透過率が急上昇し、0.4Mで透過率が最大値を示していることから、0.4Mおよびその近傍、数値で表現すれば0.4±0.05M程度でポリイオンコンプレックスが形成されなくなることが分かる。
【0029】
図3、図4から、pH1または0.4MのNaCl濃度の時に光の透過率(%)が最大となり、PICの形成が大幅に抑制されることが明らかとなった。この理由は、低pHになるとヒアルロン酸およびII型コラーゲンのカルボキシル基の解離が抑制される(pKa以下)ため、II型コラーゲンのプロトン化したアミノ基とコンプレックスを形成できな<なるためであると考えられる。
【0030】
一方、NaCl濃度が0.4Mのときに透過率が最大値を取る理由としては、以下のことが考えられる。すなわち、塩濃度が0.4Mまでは塩添加がPICの形成を抑制する方向に働き、塩濃度が0.4Mを超えると塩析効果によりコラーゲンが析出してくるためであると考えられる。
【0031】
以上の結果から、ヒアルロン酸とII型コラーゲンがPICを形成しない最適の条件は、pH1または塩濃度0.4Mのときであることが明らかとなった。縮合剤のWSCが安定にカルボキシル基を活性化するpHは、4〜8であり、pH1の条件下では極めて不安定である。そこで、塩濃度0.4Mの条件下で種々の濃度のWSC(0〜1000mM)を添加し、架橋を行った。
【0032】
図5は、得られたゲルを大過剰の水で洗浄し、ゲルのマトリックスから縮合剤およびNaイオン、Clイオンを除去し、これを凍結乾燥したマトリックスの膨潤度[Swelling Ratio;乾燥したゲルが自重の何倍、水を吸収するかという値=(湿潤ゲルの重量−乾燥ゲルの重量)/乾燥ゲルの重量]とWSC濃度(mM)の関係を示すグラフである。
【0033】
この図は、ヒアルロン酸とコラーゲンの混合比が1:1の場合に、水溶性カルボジイミド(WSC)の濃度を変化させたときに得られた複合体の膨潤度がどのように変化するかを調べたものである。この図から言えることは、縮合剤の濃度をコントロールすることによって複合体中に含まれる水の含量をコントロールできるということである。膨潤度が小さくなるということは、複合体中に含まれる水の含量が少なくなることを意味するので、複合体は硬くなる。
【0034】
図6は、ヒアルロン酸とII型コラーゲンの混合比を変えた場合の、マトリックスの転化率とWSC濃度(mM)の関係を示すグラフである。この図は、水溶性カルボジイミド(WSC)の濃度が転化率に及ぼす影響を調べた結果を示すものである。対象の複合体は、ヒアルロン酸とコラーゲンの比率が1:1から1:8までのものである。水溶性カルボジイミドの濃度を増加させていくと、およそ20〜30mMで100%近くに達していることから、ほぼ仕込通りのヒアルロン酸−II型コラーゲン複合体が得られることを示している。
【0035】
逆に言えば、20〜30mM以上の水溶性カルボジイミドを添加しないと定量的に複合体が得られないということを示している。WSC濃度が100mM以上のときには転化率はさらに大きくなる。ヒアルロン酸の分子量、あるいは、ヒアルロン酸とコラーゲンの濃度を上げると水溶性カルボジイミド濃度は20mMより低い値でも架橋は可能である。
【0036】
図7は、同様に、マトリックスの膨潤度とWSC濃度(mM)の関係を示すグラフである。この図は、ヒアルロン酸とコラーゲンの比率を1:1から1:8まで変えた場合についても水溶性カルボジイミドの濃度をコントロールすることによって膨潤度の制御が可能であることを示している。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の方法は、水溶性カルボジイミドを用いてグリコサミノグリカンとコラーゲン(ポリカチオンの架橋を行う際に、ポリイオンコンプレックスを形成しない条件で架橋を行うものであり、ポリイオンコンプレックスを形成させない条件は2つある。一つは、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸)のカルボキシル基を解離させないpH、もう一つは、ポリイオンコンプレックスを形成しない最適な塩濃度である。ポリイオンコンプレックスを形成しないこの最適の条件は、ヒアルロン酸とII型コラーゲンの組み合わせの場合は、pHが1の時と、NaCl濃度が0.4±0.05M(pHは、pH調整をしない状態でおよそ5)の時である。この値は、グリコサミノグリカンとコラーゲンの他の組み合わせ(例えば、コンドロイチン硫酸とコラーゲン)では、多少変動するので、それぞれの組み合わせによって最適値を定める。
【0038】
しかし、水溶性カルボジイミドを用いて架橋を行う場合には、水溶性カルボジイミドの安定性を考える必要がある。水溶性カルボジイミドが安定に反応するpHは、4〜8であるから、塩を添加した場合には、水溶性カルボジイミドが安定に存在するpH4〜8の範囲内にあるために架橋が可能となる。
【0039】
また、用いる水溶性カルボジイミドは、pHが4〜8の範囲のときに安定にカルボキシル基を活性化し、アミノ基または水酸基と反応する試薬である。つまり、水溶性カルボジイミドが安定に存在してポリイオンコンプレックスを形成しない条件というのは、NaCl濃度が0.4±0.05M(このときのpHは、およそ5)の時ということになる。水溶性カルボジイミドの濃度は、グリコサミノグリカンの分子量、あるいはグリコサミノグリカンとコラーゲンの濃度を上げると低い濃度でも架橋が可能である。
【0040】
水溶性カルボジイミドに2−ヒドロキシスクシンイミドを組み合わせて用いてもよい。2−ヒドロキシスクシンイミドは、水溶性カルボジイミドの反応効率を上げるために使用するもので、その濃度は、水溶性カルボジイミドが1に対して1〜0.1が好ましい。
【0041】
グリコサミノグリカンとコラーゲンの混合比は任意に変えることができ、混合比を変えることによって、物性や生物学的機能が変わってくる。ヒアルロン酸等グリコサミノグリカンの分子量は、この系では、数万〜数100万までどのような分子量のものについても適用できる。
【0042】
縮合剤の濃度をコントロールすることによって複合体中に含まれる水の含量をコントロールできる。複合体中に含まれる水の含量が少なくなる、つまり膨潤度が小さくなると複合体は硬くなる。硬いのがいいのかどうかは、複合体を使ってどのような組織を作るかによる。例えば、複合体を生体内で早く分解させたい時には、水溶性カルボジイミドの濃度を下げて、膨潤度を上げてやることが必要であり、硬いものが必要な場合には、水溶性カルボジイミドの濃度を上げることが必要となる。ただし、水溶性カルボジイミドは、生体に対していいものではないので、濃度が少なく、細胞の増殖能が高いものがより好ましい。
【0043】
架橋直後には塩が生成したゲル中に塩のイオン(NaClの場合はNaイオンとClイオン)の状態で存在しているので、ゲルを大過剰の水で洗浄して塩のイオンを除去する。洗浄方法としては、例えば、ゲルの体積で100倍量以上の脱イオン水に生成したゲルを浸漬する。洗浄によって、ゲルの中に含まれるイオンの他に、未反応の水溶性カルボジイミドおよびウレア等の副生成物が除去される。ゲル中に含まれるイオンを除くことによって共有結合+静電的相互作用による結合が形成される。
【0044】
本発明の複合体の利用に当たっては、縮合反応前のゾル状の水溶液を適当な鋳型に流し込み、縮合反応を行うことによって、さまざまな形の耳や鼻、軟骨欠損部位等複雑な形状のものまで容易に形成することが可能である。使用法については、スポンジ状、ゲル状のものを使用し、そのマトリックスの中に軟骨を作る場合は、軟骨細胞を、血管を作る場合は、血管内皮細胞を入れて培養する。マトリックス自身として使用可能の他、細胞の増殖、分化を促すための足場としてもマトリックスを使用できる。また、細胞等の実験に用いるには、水中で洗浄した後、生体中の浸透圧とほぼ等しい濃度の塩濃度を持つリン酸緩衝液中に入れ、複合体中の水をリン酸緩衝液に置換した後に使用する。
【0045】
【実施例】
実施例1〜6
ヒアルロン酸(分子量=640,000,生化学工業製)1.25w/v%水溶液およびII型コラーゲン(新田ゼラチン製)1.25w/v%0.01N−HClの混合溶液に0.4MのNaClを添加し、pHがおよそ5の状態で、縮合剤である水溶性カルボジイミド水溶液を滴下し、十分攪拌、脱泡した後、30℃で2時間放置した。その後、得られたゲルを大過剰の水で2日間洗浄し、ゲルのマトリックスから縮合剤、副生成物、およびNaイオン、Clイオンを除去した。これを1日間凍結乾燥した。
【0046】
実施例1〜6のそれぞれのヒアルロン酸対コラーゲンの比および添加した水溶性カルボジイミドの量(mM)を下記のとおりとした。実施例1=1:8−100、実施例2=1:1−100、実施例3=1:8−20、実施例4=1:4−20、実施例5=1:2−20、実施例6=1:1−20。例えば、1:8−100の実施例1では、ヒアルロン酸とコラーゲンの比率が1:8で、水溶性カルボジイミドの濃度が100mMを示している。なお、コントロールとしてTCPS(Tissue Culture PolyStylene;普段用いられている細胞培養用のシャーレ)とコラーゲン(20mMの水溶性カルボジイミドで架橋)を用いた。
【0047】
図8に、実施例6、ヒアルロン酸対コラーゲンの比および添加した水溶性カルボジイミドの量が1:1−200mMのもの、ヒアルロン酸、コラーゲンについて、それぞれFT−IRによりエステル形成の同定を行った結果を示す。実施例6について、化学反応によって共有結合が形成していることが確認できる。
【0048】
図9は、それぞれの実施例のヒアルロン酸とII型コラーゲンマトリックスを37℃で7日軟骨細胞培養し、細胞数をカウントした結果を示し、各実施例のそれぞれのヒアルロン酸対コラーゲン比−(WSC濃度)と相対成長率を棒グラフで示している。
【0049】
各実施例の複合体の調製には、厚さ1mm、直径15mmのディスク状の複合体を用いた。その上に、子牛の関節から取り出し増殖させた軟骨細胞を1×105 個播種した。このときの培養液の組成は、DMEM培地に10%ウシ血清(FBS)が入ったものを使用した。複合体上に細胞を播種した後、4日後に培養液を交換し、その後3日後(Total の培養日数7日)に細胞数をCell Counting Kit (同仁化学薬品(株) 製)を用いて計数した。
【0050】
データは、TCPS上の細胞数を1として相対的な細胞数を示してある。この結果から、まず言えることは、本発明による複合体は、どのような比率でも有意(4〜7倍)に軟骨細胞の増殖を促進するということである。これが、コラーゲンのみであると全くといっていいほど細胞数が増えていないが、ヒアルロン酸と複合化することによって優れた細胞増殖能があることが分かる。
【0051】
また、ヒアルロン酸とコラーゲンとの比率の違いというものは、この場合には、認められない。水溶性カルボジイミドの濃度の違いも有意な差とは言えない。細胞の形態には差があり、TCPSとコラーゲン上では、軟骨細胞が繊維状の形態をしており、実施例の複合体上では、軟骨細胞特有の丸い形態をしていることから細胞に対する適合性が高いと言える。
【0052】
物性と生物学的機能で最も優れている条件は実施例3の条件である。図7では、ヒアルロン酸とコラーゲンとの比が1:4または1:8で水溶性カルボジイミドが20mMの時に膨潤度が極小値を取っている。これは、複合体中に含まれる水が他のものに比べて少なく、硬いことを示す。すなわち、取り扱いやすいということである。また、図9で、実施例3と実施例4を比較すると細胞数にそれ程差はないとは言え、実施例3の方が、より生物学的に活性が高いと言える。実施例6は最も細胞数が多いが強度が弱く最適とは言えない。
【0053】
【発明の効果】
本発明のグリコサミノグリカンとコラーゲン複合ゲル、例えばヒアルロン酸−II型コラーゲン複合ゲルは、耳、鼻、軟骨欠損部等の複雑な形状を容易に形成することが可能であり、架橋剤の毒性を考慮する必要がなく、生体内の酵素(ヒアルロニダーゼ、コラゲナーゼ)により分解することが予想され、組織再生マトリックスとしての有用性が極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ヒアルロン酸とII型コラーゲンのゲル形成時の構造(共有結合)を示す模式図である。
【図2】図2は、ヒアルロン酸とII型コラーゲンのゲルの水中での膨潤時の構造(共有結合+静電的相互作用)を示す模式図である。
【図3】図3は、ヒアルロン酸溶液の種々のpHにおけるPICの形成を500nmの光の透過率(%)を調べることにより評価したグラフである。
【図4】図4は、ヒアルロン酸溶液の種々の塩(NaCl)濃度におけるPICの形成を500nmの光の透過率(%)を調べることにより評価したグラフである。
【図5】図5は、ヒアルロン酸とII型コラーゲンマトリックスの膨潤度とWSC濃度(mM)の関係を示すグラフである。
【図6】図6は、ヒアルロン酸とII型コラーゲンの混合比を変えた場合の、ヒアルロン酸とII型コラーゲンマトリックスの転化率とWSC濃度(mM)の関係を示すグラフである。
【図7】図7は、ヒアルロン酸とII型コラーゲンの混合比を変えた場合の、ヒアルロン酸とII型コラーゲンマトリックスの膨潤度とWSC濃度(mM)の関係を示すグラフである。
【図8】図8は、本発明のヒアルロン酸とII型コラーゲンマトリックスについてのFT−IRによるエステル形成の同定を示すグラフである。
【図9】図9は、各実施例によって得られたヒアルロン酸とII型コラーゲンマトリックスを用いて軟骨細胞培養したヒアルロン酸対コラーゲン比−(WSC濃度)と相対成長率を示すグラフである。

Claims (5)

  1. グリコサミノグリカンとコラーゲンを縮合反応により架橋したグリコサミノグリカン−とコラーゲン複合体を製造する方法において、
    グリコサミノグリカンとコラーゲンの混合水溶液に水に溶解する塩を存在させることによってグリコサミノグリカンとコラーゲンがポリイオンコンプレックスを形成するのを抑制しつつ、縮合剤として水溶性カルボジイミドを用いた縮合反応により架橋することを特徴とする組織再生マトリックス用グリコサミノグリカン−コラーゲン複合体の製造方法。
  2. 縮合剤として水溶性カルボジイミドと2−ヒドロキシスクシンイミドを組み合わせて用いることを特徴とする請求項1記載のグリコサミノグリカン−コラーゲン複合体の製造方法。
  3. グリコサミノグリカンがヒアルロン酸であり、コラーゲンがII型コラーゲンであり、塩がNaClであり、塩濃度が0.4±0.05Mであることを特徴とする請求項1又は2記載のグリコサミノグリカン−コラーゲン複合体の製造方法。
  4. 縮合反応前のゾル状の水溶液を鋳型に流し込み、次いで縮合反応を行なうことによって耳、鼻、又は軟骨欠損部の形状を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のグリコサミノグリカン−コラーゲン複合体の製造方法。
  5. 架橋によって形成したグリコサミノグリカン−コラーゲン複合体のハイドロゲルからなるマトリックスを水で洗浄し、マトリックス中の塩のイオン、水溶性カルボジイミド、および副生成物を除去することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のグリコサミノグリカン−コラーゲン複合体の製造方法。
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