JP4187908B2 - 基礎杭回転圧入施工機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管杭を回転圧入して埋設するための基礎杭回転圧入施工機であって、更に詳細には比較的軟弱な上層からその下の堅い地盤の支持層までに至る鋼管杭の回転圧入を行うことを可能にしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
長尺な鋼管杭を打ち込んで基礎杭とする施工の1つに、ベースマシーンにオーガ装置を装着し、そのオーガ装置によって鋼管杭に回転を与えながら地中への回転圧入を行うものがある。図8は、そうした施工方法の一工程を示した概念図である。
ベースマシーンである三点支持式杭打機(以下、単に「杭打機」という)100は、クローラによる走行部101上に操縦席などを備えた旋回体102が設けられ、その旋回体102のフロントブラケット103にリーダ104がバックステー105によって立設されている。そのリーダ104には、鋼管杭110に回転を与えて圧入させるオーガ装置120が軸方向に摺動自在に装着され、旋回体102のドラムから繰り出されるワイヤロープ106に連結されてリーダ104に沿って昇降するようになっている。
【0003】
そこで、こうした杭打機100を使用した鋼管杭の回転圧入は、次のような施工手順で行われる。先ず、杭打機100は、オーガ装置120をリーダ104の上端にまで上昇させ、そこにクレーンを利用して鋼管杭110を吊り込み、管端をオーガ装置120にはめ込んでセットする。鋼管杭110の下端部分は、不図示の振れ止め装置によって固定する。
続いて、鋼管杭110の鉛直性を確認した後、オーガ装置120を駆動させ、鋼管杭110に回転を与えて図8に示すように回転圧入を行う。鋼管杭110の先端には螺旋刃や掘削刃が形成されており、オーガ装置120によって与えられる回転と、その重さや螺旋による推進力とによって地中へと掘進して徐々に圧入が行われていく。
【0004】
ところが、鋼管杭110が所定の深さにまで入れられると、地盤が堅くなってオーガ装置120で得られる回転トルクではそれ以上の圧入が困難になることがある。そうした状況は、オーガ装置120に作用するトルクで確認され、従来は、こうしてトルクがある値を超えた時点でオーガ装置120による施工を完了していた。そして、鋼管杭110の回転圧入は、オーガ装置120の施工から回転圧入機能を備えたチュービング装置の圧入に切り替えられていた。ここで図9は、チュービング装置による施工状態を示した概念図である。
【0005】
鋼管杭110は、図9に示すように比較的柔らかい上層Aの下にある堅い地盤の支持層Bにまで打ち込まれるため、従来は地層が支持層Bに変わる手前までは前述したようなオーガ装置120が利用され、その後チュービング装置130へと切り替えられていた。
このチュービング装置130は、図示するように貫いた鋼管杭110の外周をチャック手段によって把持し、油圧モータの回転駆動により鋼管杭110に回転を与えるとともに、上下方向に駆動するスラストジャッキによって鋼管杭110を下降させるようにしたものである。
【0006】
作業の切り替えは、先ず鋼管杭110からオーガ装置120が外され、地中から突き出た状態の鋼管杭110へとクレーンで吊り下げられたチュービング装置130が搬送される。そして、チュービング装置130は、そのチャック手段が鋼管杭110にはめ合うようにして地上に降ろされ図示するように設置される。
そこで、チュービング装置130に把持された鋼管杭110にはより高いトルクの回転が与えられ、それとともに地中への押し込みが行われ、図9に示すように堅い地盤の支持層Bにまで鋼管杭110が回転圧入される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした鋼管杭の回転圧入は、上層Aの地盤と支持層Bの地盤とで鋼管杭110を回転圧入する際に必要とする回転トルクが違うので、オーガ装置120に加えて高トルクを発生させるチュービング装置130が必要であり、そのため従来からその切り替えに手間がかかり、施工の段取りが悪く作業効率が良くなかった。
そこで、鋼管杭110の回転圧入をオーガ装置120だけで行うことができれば作業効率は良くなるが、高トルクを発生させるオーガ装置120は勢い大型になり、加えてオーガ装置120を支える杭打機100も大型になってしまう。
【0008】
従って、従来のオーガ装置を大型化しただけのものは、輸送の不便さや生産コストのアップなど、新たに生じる問題の方が大きかった。
また、オーガ装置120は、杭打機100に支持される作業装置なので、トルクを上げること、即ち大型化に対しては杭打機100の強度やバランスの点から常に制約を受ける。そのため、オーガ装置120を大型化してもトルク不足が生じることは否めず、そうした場合にはやはり別途チュービング装置が必要になり、結論としてオーガ装置を大型化することは有効な手段ではなかった。
【0009】
そこで本発明は、かかる課題を解決すべく、鋼管杭の最終根入れまでを行うことを可能にする基礎杭回転圧入施工機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の基礎杭回転圧入施工機は、貫通した鋼管杭を把持するチャック手段と、チャック手段と一体に回転可能な回転体と、回転体に回転を与える駆動モータと、駆動モータの回転を減速して回転体に伝達する減速機構と、杭打機の機体前部に設けられた油圧シリンダからなるフロントジャッキから下方への荷重を受ける荷重受ブラケットとを備えた鋼管杭回転圧入用オーガと、前記鋼管杭回転圧入用オーガに把持された鋼管杭内に挿入したスクリュウに回転を与えるスクリュウ回転用オーガとを有し、前記スクリュウ回転用オーガを前記鋼管杭回転圧入用オーガの上方に配置して取り外し可能に連結し、両オーガを杭打機のリーダに同時に装着したことを特徴とする。
【0011】
よって、本発明の基礎杭回転圧入施工機によれば、柔らかい地盤では、鋼管杭回転圧入用オーガによって回転させる鋼管杭を、鋼管杭回転圧入用オーガ及びスクリュウ回転用オーガや鋼管杭自身の重量によって地中に圧入することにより回転圧入を行い、堅い地盤では杭打機のフロントジャッキによって加圧することにより、強制的に力を加えて圧入することによって回転圧入を行う。また、その際フロントジャッキが発生する高トルクに対する反力取りも受け持つので、リーダには高トルクに対する負荷がかからなくなる。
従って、鋼管杭を柔らかい地盤の回転圧入から堅い地盤への最終根入れまでを、既存のリーダのまま基礎杭回転圧入施工機によって行うことができるようになった。
また、鋼管杭回転圧入用オーガの上方にスクリュウ回転用オーガも装着してスクリュウによる中掘りを同時に行うので、鋼管杭の回転圧入をスムーズに行うことが可能となった。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る基礎杭回転圧入施工機の一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態の基礎杭回転圧入施工機は、鋼管杭回転圧入用オーガを三点支持式杭打機に装着し、従来高回転オーガとチュービング装置を使用して行っていた鋼管杭の回転圧入を1台の作業装置で行うことができるようにしたものである。そして、特に今回の基礎杭回転圧入施工機は、この鋼管杭回転圧入用オーガによる回転圧入に伴い、鋼管杭内の中掘りを行うようにしたものである。中掘りを行うのは、鋼管杭内でスクリュウを回転させることにより、掘削圧密による先端閉塞現象が発生しても、これを容易に除去できて鋼管杭のスムーズな回転圧入を行わせることができるからである。
【0013】
図1は、本実施形態の鋼管杭回転圧入用オーガとスクリュウ回転用オーガとを装着した基礎杭回転圧入施工機の一部側面図である。この鋼管杭回転圧入用オーガ1及びスクリュウ回転用オーガ3は、図8に示したと同様の杭打機5に装着するものであり、図示するようにリーダ51のガイドパイプ52に摺動自在に係合している。上下に配置されたスクリュウ回転用オーガ3と鋼管杭回転圧入用オーガ1とは、連結シリンダ31,31によって連結され、スクリュウ回転用オーガ3のシーブ32を介してワイヤロープ53に吊設されている。
【0014】
次に、図3は、スクリュウ回転用オーガ3を連結した鋼管杭回転圧入用オーガ1の断面を示した図である。スクリュウ回転用オーガ3は、通常一般的に使用されるものであって、電動オーガの場合は電動モータ、油圧オーガの場合は油圧モータを出力源として減速機を介して最終の回転軸に回転出力を伝達する構造となっている。そして、その回転軸にカップリング33を介してスクリュウ7が同軸上に連結される。
一方、鋼管杭回転圧入用オーガ1は、2個の油圧モータ11,11を備え、その回転を減速ギヤを介して把持した鋼管杭8に伝達するよう構成されている。鋼管杭回転圧入用オーガ1は、回転体12が昇降フレーム13に対しベアリング14を介して回転可能な状態で設けられている。
【0015】
その回転体12の外周には旋回ギア17が形成され、それに油圧モータ11のモータ軸に固定されたピニオンギヤ15がアイドラギヤ16を介して噛合している。従って、鋼管杭回転圧入用オーガ1は、こうしたピニオンギヤ15、アイドラギヤ16そして旋回ギヤ17からなる歯車列によって、高トルクを発生させるための減速機構が構成されている。
一方、円筒状に形成された回転体12には、その内周面にテーパ面が形成され、図示するように鋼管杭8とその回転体12との間に挿入する楔形状のチャック部材18,18…が複数配設されている。
【0016】
チャック部材18は、リンク19を介して回転フレーム20に連結され、その回転フレーム20は、ベアリング21を介して上部フレーム22に回転可能に設けられている。従って、この鋼管杭回転圧入用オーガ1は、上下のベアリング14,21に回転支持された回転体12、チャック部材18、そしてリンク19及び回転フレーム20が一体になって回転するように構成されている。
また、鋼管杭回転圧入用オーガ1には、チャック部材18を上下動させるためのチャックシリンダ23が設けられている。チャックシリンダ23は、そのシリンダチューブが上部フレーム22に固定され、そのシリンダチューブから突き出されたシリンダロッドが、その先端で昇降フレーム13側にピン結合されている。
【0017】
更に鋼管杭回転圧入用オーガ1には、後述するように杭打機5のフロントジャッキから下方への荷重を受けるため、そのフロントジャッキに連結可能な荷重受ブラケット25が昇降フレーム13に水平に張り出されている。
そして、こうした鋼管杭回転圧入用オーガ1は、図示するようにスクリュウ回転用オーガ3の下方に装着され、スクリュウ回転用オーガ3に設けられた連結シリンダ31,31のシリンダロッドが、その先端で上部フレーム22とピン結合されている。
【0018】
続いて、こうした鋼管杭回転圧入用オーガ1を利用した基礎杭回転圧入施工機によれば、スクリュウ回転用オーガ3とともに次のようにして鋼管杭8の回転圧入が行われる。
先ず、杭打機5のリーダ51に、図1に示すようにして鋼管杭回転圧入用オーガ1とスクリュウ回転用オーガ3とが連結された状態で装着され、図3に示すようにして鋼管杭回転圧入用オーガ1が鋼管杭8を把持し、スクリュウ回転用オーガ3にスクリュウ7が連結される。
鋼管杭回転圧入用オーガ1が鋼管杭8を把持する場合は、図3に示す状態からチャックシリンダ23のシリンダロッドを伸ばすと、それによって上昇する上部フレーム22によってチャック部材18が引き上げられる。そのため、チャック部材18の内周面が鋼管杭8の外周面よりも径方向に広がり、鋼管杭8が、チャック部材18との間に隙間を空けて回転体12内に挿入される。
【0019】
そして、チャックシリンダ23のシリンダロッドを縮めると、上部フレーム22が下降し、それに伴ってチャック部材18が回転体12と鋼管杭8との間に強く押し込まれる。こうして鋼管杭8は、複数のチャック部材18,18…によって中心方向に強く押し付けられて図2に示すように把持される。
一方、スクリュウ回転用オーガ3には、前述したようにカップリング33を介して先端に螺旋刃7aを有するスクリュウ7が連結される。その際螺旋刃7aの位置調整は、連結シリンダ31,31によって鋼管杭回転圧入用オーガ1とスクリュウ回転用オーガ3との距離を操作することにより行い、図2に示すように先端を鋼管杭8から突き出させたり、或いはそれより上昇させて後退させたりする。こうした調整は、トルクのかかり具合によって掘削抵抗が軽減するように、適宜作業状況に応じて行われる。
【0020】
こうして鋼管杭8の把持及びスクリュウ7との連結の準備が完了すると、鋼管杭回転圧入用オーガ1とスクリュウ回転用オーガ3の駆動により鋼管杭8の回転圧入が実行される。
先ず、鋼管杭回転圧入用オーガ1では、油圧モータ11,11が駆動し、その回転出力が各ピニオンギヤ15,15からアイドラギヤ16,16を介して回転体12の旋回ギヤ17へと伝達される。そのため、油圧モータ11,11の回転出力は、ピニオンギヤ15と旋回ギヤ17とのギヤ比に従って減速して伝達され、その分旋回ギヤ17への伝達トルクが増大する。そして、この旋回ギヤ17の形成された回転体12が回転し、チャック部材18によって把持された鋼管杭8に回転が与えられる。
【0021】
そこで、施工開始段階や柔らかい地盤部分では、鋼管杭回転圧入用オーガ1やスクリュウ回転用オーガ3、そして鋼管杭8自身の重さが鋼管杭8を地中へと圧入する加圧力となり、鋼管杭8の先端に形成された螺旋刃8aが鋼管杭回転圧入用オーガ1から与えられる回転によりねじ込まれるその推進力によって、鋼管杭8が地中へと掘進して徐々に回転圧入が行わる。
このとき鋼管杭回転圧入用オーガ1では、鋼管杭8を把持して、回転体12、チャック部材18、リンク19そして回転フレーム20が、昇降フレーム13及び上部フレーム22に対して回転する。従って、鋼管杭8が回転圧入する際に受ける回転反力は、その回転を支える昇降フレーム13及び上部フレーム22が装着されたリーダ51のガイドパイプ52によって受けられている(図1参照)。
【0022】
鋼管杭8は、こうして鋼管杭回転圧入用オーガ1によって回転圧入されるが、その際、基礎杭回転圧入施工機では同時にスクリュウ回転用オーガ3によってスクリュウ7に回転が与えられ、鋼管杭8の内部及び先端部分で回転する螺旋刃7aによって土が揉みほぐされている。従って、鋼管杭8の圧入に際して掘削圧密による先端閉塞現象が起こりにくく、また発生してもこれを容易に除去できる。
ところで、こうした鋼管杭8の回転圧入は、例えば図9に示す比較的柔らかい上層Aの部分では可能であるが、鋼管杭8の先端が堅い地盤の支持層Bに達すると、それまでのような鋼管杭回転圧入用オーガ1などの重量だけでは圧入することができなくなる。そこで、本実施形態の鋼管杭回転圧入用オーガ1では、鋼管杭8を圧入するための加圧力を杭打機5のフロントジャッキから得るようにした。
【0023】
ここで、図2は、フロントジャッキに鋼管杭回転圧入用オーガ1を取り付けた状態を示した基礎杭回転圧入施工機の一部側面図である。また、図4はフロントジャッキを取り付けた鋼管杭回転圧入用オーガ1の断面を示した図である。
鋼管杭回転圧入用オーガ1を図2に示す状態に取り付けるためには、先ず図3に示す状態からチャックシリンダ23のシリンダロッドを伸ばすと、上部フレーム22の上昇によって把持状態にあったチャック部材18が引き抜かれる。打ち込まれた鋼管杭8に対してフリーになった鋼管杭回転圧入用オーガ1は、スクリュウ回転用オーガ3のシーブ32に掛けられたワイヤロープ53の巻出しによって所定の高さにまで降ろされる。そして、鋼管杭回転圧入用オーガ1は、所定の高さで再びチャック部材18が鋼管杭8との間に差し込まれ、そうして把持した鋼管杭8と一体になる。
【0024】
続いて、鋼管杭回転圧入用オーガ1には、その荷重受ブラケット25にフロントジャッキ55が図2及び図4に示すように取り付けられる。ここで、図5及び図6は鋼管杭回転圧入用オーガ1を装着した杭打機5のフロント部分を示した平面図であり、特に図5は、オーガの重量で鋼管杭の圧入を行う状態を示し、図6は、フロントジャッキを使用して鋼管杭の圧入を行う状態を示したものである。
杭打機5には、リーダ51が立設されたフロントブラケット56の両側に開度調整が可能な揺動アーム57,57が軸着され、その揺動端にはフロントジャッキ55,55が図2に示すように鉛直に固定されている。フロントジャッキ55は油圧シリンダであり、そのシリンダロッド55aが下方に突設されている。
【0025】
この揺動アーム57,57は、柔らかい地盤に鋼管杭8を回転圧入させる場合には、鋼管杭回転圧入用オーガ1の下降進路上に重ならないようにするため、図5に示すように両側に大きく開いている。
そして、フロントジャッキ55,55で鋼管杭8を圧入させる場合には、前述したように鋼管杭回転圧入用オーガ1が所定の高さにまで降ろされて鋼管杭8を把持したところで、揺動アーム57,57が図6に示すように閉じられる。そのため、フロントジャッキ55,55は、鋼管杭回転圧入用オーガ1の荷重受ブラケット25,25上に配置され、そこでシリンダロッド55a,55aが突き出されると、その先端が荷重受ブラケット25,25の位置決穴25a,25aにはめ込まれて連結される(図2、図4参照)。
【0026】
一方、鋼管杭8の先端を支持層B(図9参照)に回転圧入(根入れ)する場合には、その地盤を乱さないようにスクリュウ7による中掘りを行わないことがある。そのため、そうした場合には、図2及び図4に示すように鋼管杭回転圧入用オーガ1から連結シリンダ31,31の連結を外し、スクリュウ回転用オーガ3だけを上昇させてスクリュウ7を退避させる。
【0027】
根入れの準備が完了すると、再び鋼管杭回転圧入用オーガ1の油圧モータ11が駆動し、その回転出力がピニオンギヤ15からアイドラギヤ16を介して回転体12の旋回ギヤ17へと減速して伝達され、チャック部材18によって把持された鋼管杭8に回転が与えられる。
また、こうした回転とともに杭打機5のフロントジャッキ55が駆動して、そのシリンダロッド55aが下方に突き出される。そのため、鋼管杭回転圧入用オーガ1は、荷重受ブラケット25を介して下方に強い力で押し下げられ、同時に鋼管杭回転圧入用オーガ1に把持された鋼管杭8が圧入される。
【0028】
支持層Bのような堅い地盤へ鋼管杭8を回転圧入させる場合には大きなトルクが必要となるが、鋼管杭回転圧入用オーガ1では、油圧モータ11の回転出力がピニオンギヤ15と旋回ギヤ17とのギヤ比によって十分なトルクを発生させることができる。
なお、こうして鋼管杭8が回転圧入する際に受ける回転反力はフロントジャッキ55で受け、また圧入反力は杭打機5全体で受けることになる。よって、リーダ51は、鋼管杭回転圧入用オーガ1に対応させて強度を上げる必要がなくなり、既存のものが使用できる。
【0029】
ところで、フロントジャッキ55を使用した場合、1回の駆動でシリンダロッド55aの1ストローク分しか鋼管杭8を圧入できないので、更に圧入が必要な場合には鋼管杭回転圧入用オーガ1を再度上昇させて同じ動作を繰り返す必要がある。
そのためには、鋼管杭回転圧入用オーガ1を上昇させて鋼管杭8の更に上を把持するように、掴み換えを行わなければならない。そこで、例えば一旦チャック部材18による把持を放して鋼管杭回転圧入用オーガ1を鋼管杭8に沿って上昇させ、後退したシリンダロッド55aを荷重受ブラケット25,25の位置決穴25a,25aに再度はめ込ませる。
【0030】
なお、鋼管杭回転圧入用オーガ1の上昇には、先ほど切り離したスクリュウ回転用オーガ3を連結するようにしてもよい。その場合、連結及び切り離しを容易にするために自動連結ピンを用いるようにすることが好ましい。
また、鋼管杭回転圧入用オーガ1から切り離した時点でスクリュウ回転用オーガ3を杭打機5から外し、図7に示すように、鋼管杭回転圧入用オーガ1に設けたシーブ26に直接ワイヤロープ53を掛けるようにしてもよい。
更に、鋼管杭回転圧入用オーガ1の荷重受ブラケット25と、フロントジャッキ55のシリンダロッド55aとを、ピン連結や自動連結ピン、或いはフランジ結合等によって連結し、フロントジャッキ55の駆動によって上昇させるようにしてもよい。
【0031】
続いて、鋼管杭8を把持した鋼管杭回転圧入用オーガ1を再び回転させ、同時にフロントジャッキ55によって圧入することにより、その鋼管杭8の先端部分が支持層B(図9参照)へ更に回転圧入される。そして、根入れが終了したところで、鋼管杭回転圧入用オーガ1を上昇させて鋼管杭から外して鋼管杭8の施工を完了する。
ところで、本実施形態では、鋼管杭回転圧入用オーガ1を使用した場合、鋼管杭8内にスクリュウ7を通して同時に中掘りを行うことができるので、そうした施工を一例として説明したが、地盤によっては図7に示すようにして鋼管杭回転圧入用オーガ1のみで回転圧入するようにしてもよい。
【0032】
よって、本実施形態の鋼管杭回転圧入用オーガ1を使用した場合、図9に示す上層Aから支持層Bへの鋼管杭8の回転圧入をそれ1台で行うことができるので、従来のように地盤の堅さによってオーガとチュービング装置とを使い分けるような必要がなくなった。そのため、設備費用を大幅に抑えることができ、施工中の段取りが良く作業効率が格段に向上した。
鋼管杭回転圧入用オーガ1を杭打機5に装着した基礎杭回転圧入施工機は、鋼管杭8を堅い地盤へ強制的に圧入するための手段として杭打機5に常設されているフロントジャッキ55を利用するようにしたので、チュービング装置のように別途スラストジャッキを要せず、その点で装置自体を小型軽量化し、コストを下げることができた。更に、フロントジャッキ55にて高トルクに対する回転反力取りを受け持つので、リーダ51の強度を上げる必要がなく、既存のものの使用が可能となり、この面でもコストを下げることができた。
【0033】
また、チュービング装置はクレーンを使用して施工場所間を移動させる必要があったが、その点で基礎杭回転圧入施工機は、杭打機5に鋼管杭回転圧入用オーガ1を装着して使用するので、機動性(取り回しやすさ)の面でも格段に向上した。
更に、鋼管杭回転圧入用オーガ1とスクリュウ回転用オーガ3とを杭打機5に同時に装着して使用することができるので、従来のオーガを使用した回転圧入(図8参照)ではできなかったスクリュウによる中掘りを同時に行うことができ、鋼管杭8の回転圧入をスムーズに行うことが可能となった。
【0034】
なお、本発明は、前記実施形態のものに限定される訳ではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、前記実施形態の鋼管杭回転圧入用オーガ1は、そのチャック手段として楔形状のチャック部材18を鋼管杭8との間に挿入する構成のものを示したが、その他にバンドタイプのものを使用するようにしてもよい。
また、例えば、鋼管杭回転圧入用オーガ1では、ピニオンギヤ15、アイドラギヤ17及び旋回ギヤ18からなる平歯1段減速の減速機構で構成したが、その他複数段にしても良く、遊星減速機を用いるようにするなどしても良い。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、貫通した鋼管杭を把持するチャック手段と、チャック手段と一体に回転可能な回転体と、回転体に回転を与える駆動モータと、駆動モータの回転を減速して回転体に伝達する減速機構と、杭打機の機体前部に設けられた油圧シリンダからなるフロントジャッキから下方への荷重を受ける荷重受ブラケットとを備えた鋼管杭回転圧入用オーガと、前記鋼管杭回転圧入用オーガに把持された鋼管杭内に挿入したスクリュウに回転を与えるスクリュウ回転用オーガとを有し、前記スクリュウ回転用オーガを前記鋼管杭回転圧入用オーガの上方に配置して取り外し可能に連結し、両オーガを杭打機のリーダに同時に装着した構成としたので、鋼管杭の最終根入れまでを行うことを可能にする基礎杭回転圧入施工機を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る鋼管杭回転圧入用オーガとスクリュウ回転用オーガとを装着した基礎杭回転圧入施工機の一実施形態を示した低トルク駆動状態の一部側面図である。
【図2】 本発明に係る鋼管杭回転圧入用オーガとスクリュウ回転用オーガとを装着した基礎杭回転圧入施工機の一実施形態を示した高トルク駆動状態の一部側面図である。
【図3】 低トルク駆動状態のスクリュウ回転用オーガを連結した鋼管杭回転圧入用オーガの断面を示した図である。
【図4】 高トルク駆動状態のスクリュウ回転用オーガを連結した鋼管杭回転圧入用オーガの断面を示した図である。
【図5】 鋼管杭回転圧入用オーガを装着した杭打機のフロント部分を示した低トルク駆動状態の平面図である。
【図6】 鋼管杭回転圧入用オーガを装着した杭打機のフロント部分を示した高トルク駆動状態の平面図である。
【図7】 鋼管杭回転圧入用オーガのみを装着した基礎杭回転圧入施工機の一実施形態を示した一部側面図である。
【図8】 鋼管杭を打ち込んで基礎杭とする施工の一工程を示した概念図である。
【図9】 従来の回転圧入装置による施工を示した概念図である。
【符号の説明】
1 鋼管杭回転圧入用オーガ
3 スクリュウ回転用オーガ
5 杭打機
7 スクリュウ
8 鋼管杭
11 油圧モータ
12 回転体
15 ピニオンギヤ
16 アイドラギヤ
17 旋回ギヤ
18 チャック部材
25 荷重受ブラケット
55 フロントジャッキ
Claims (1)
- 貫通した鋼管杭を把持するチャック手段と、チャック手段と一体に回転可能な回転体と、回転体に回転を与える駆動モータと、駆動モータの回転を減速して回転体に伝達する減速機構と、杭打機の機体前部に設けられた油圧シリンダからなるフロントジャッキから下方への荷重を受ける荷重受ブラケットとを備えた鋼管杭回転圧入用オーガと、
前記鋼管杭回転圧入用オーガに把持された鋼管杭内に挿入したスクリュウに回転を与えるスクリュウ回転用オーガとを有し、
前記スクリュウ回転用オーガを前記鋼管杭回転圧入用オーガの上方に配置して取り外し可能に連結し、両オーガを杭打機のリーダに同時に装着したことを特徴とする基礎杭回転圧入施工機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000191298A JP4187908B2 (ja) | 2000-06-26 | 2000-06-26 | 基礎杭回転圧入施工機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000191298A JP4187908B2 (ja) | 2000-06-26 | 2000-06-26 | 基礎杭回転圧入施工機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2002004280A JP2002004280A (ja) | 2002-01-09 |
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