JP4185351B2 - 外部帯電式静電塗装用ガン - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は特に水系塗料,メタリック系塗料等の高導電性塗料を静電塗装する場合に最適な塗装効率と安全性、作業性に優れた静電塗装用スプレーガンに関する。
【0002】
【従来の技術】
静電塗装は、噴霧される塗料粒子に高電圧静電気を帯電させ、静電スプレーガンから被塗装物に形成される電界によって塗着効率を向上させる塗装方法として広く採用されている。この様な静電塗装に使用される塗料は、作用効果の関係で電気的に抵抗値の大きい溶剤型塗料と電気抵抗値の低い水系もしくはメタリック系塗料等の高導電性塗料に大別され、その塗装方法、装置が大きく異なっている。
【0003】
すなわち揮発性有機化合物を含む溶剤型塗料は、近年の環境問題から使用の削減が求められ、水系塗料への移行が必要とされてきている。しかしながら噴霧される塗料に直接帯電させて静電塗着効果を高めようとした場合、水系塗料の場合は、通常の装置では荷電する高電圧が塗料を通じて接地された塗料供給源に流れ、静電効果が得られないだけでなく、塗料供給系に高電圧が流れ危険性が生ずる。
【0004】
このため塗料供給系を接地側から絶縁し、高電圧を維持しながら静電塗装を行う方法・装置が用いられている。しかし膨大となる塗料供給系の帯電量から、危険性の増加は避けられず、また連続的に塗装作業を行い工業的に効率を上げるには、特開平6−198228に見られるような塗料供給装置を使用する必要があり、大がかりな装置の導入が必要で、使用上の注意、保守の問題も発生する。
【0005】
これらの問題から、水系塗料やメタリック塗料の静電塗装は普及が進まず、環境対策への遅れの原因になっていた。一方、塗料に直接荷電せず噴霧域の外部に設置した電極からの放電によりイオン化された領域を通過する塗料粒子に帯電させ、被塗装物に向かう電気力線(電界)に載せて被塗装物に塗着させる外部電極を用いた静電塗装機が知られている。
【0006】
その一つとして、スプレーガンに一体とし、共動する装置として、特許第2770079号や、特開平7−213958の如き静電塗装装置が提案されている。外部電極方式の静電塗装スプレーガンは、スプレーガンによる噴霧塗料領域から外れた位置に設置された外部電極に高電圧を印加することにより、被塗装物等の接地電位側に放電させて電界を形成し、ここを通過する塗料の微粒子に帯電させると共に被塗装物へ向かって形成される電界に載せて塗着を促進するものである。しかし前述の直接帯電方式に比較し放電域を通過する塗料粒子への帯電効果は低く、充分な静電効果が得られていない。
【0007】
一般に商業的に使用して効果が得られる静電塗装用スプレーガンとしては、主に溶剤系塗料に使用される直接帯電式の場合、電極への荷電電圧は−30kVから−70kV程度、電位差があるほど効果が得られるが、高電圧による火花放電や電撃放電の危険性増加と、装置の耐電圧強度等からは、なるべく低いことが要求されている。したがって−50kV前後で使用されることが多くなっている。これに対し外部電極方式の場合は、これより高い電位差で印加されるのが一般的となっている。
【0008】
直接塗料の噴霧中心に荷電電極を設置して効率良く帯電する方式に比べ、外部帯電方式は実用的効果を得るために、より高い電圧を必要とし、荷電電極の位置は、実質的に接地電位側になる噴霧塗料の噴出口への危険な放電及び放電による荷電電極の電圧低下を防止するために噴霧装置の前方に十分に離れた位置に設置される。
【0009】
通常、商業的なスプレーガンの場合、80mmから150mmともいわれ、大きく突き出す構成になっている。このために多くが自動塗装装置に付帯させて駆動される自動スプレーガンとして使用されていた。すなわち手持ち式スプレーガンとしては荷電電極が大きく前方に突き出し、かつ噴霧塗料の付着による機能低下を防止するために噴霧の軸から外して側方に置かれるために、大形で操作のしにくいスプレーガンとなって作業者の負担を増大することになっていた。
【0010】
手持ち式の静電塗装スプレーガンとしての提案も見られるが、実用的レベルにおいて先端に突き出す電極が操作性を悪くし、また操作中に物品にぶつけて破損する危険性がある等の問題が多く残存し、提案されているものの普及を妨げていた。また塗料への直接帯電に比べ外部に設けた電極の放電による帯電とでは大きな差があり、より高い電圧の使用による安全性の向上、効果的な帯電によると着効率の向上が要求されその解決が求められている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように外部帯電式の場合は帯電効果が充分に得られにくいことから、より高い電圧の使用から危険性への配慮、高電圧による絶縁破壊に対する考慮を必要とし、スプレーガンとしての装置の小形化、手持ち式スプレーガンとしての実用化に多くの問題があった。
本発明が解決すべき根本の課題は、帯電効果の向上による塗着効率の改善であり、安全性を確保することである。これとともにスプレーガンの小形化を図り、手持ち式のスプレーガンに使用できる装置として使用範囲を拡大、水性塗料の静電塗装普及を図ることにある。
【0012】
外部電極方式の静電スプレーガンにおいては、電極からの放電によりイオン化域を形成し、このイオン化域を通過する噴霧塗料粒子を帯電させる必要から、必要な放電を維持するためスプレーガンの塗料ノズルにアース側電位を構成している。しかしこの場合アース側電位と外部電極との距離が近すぎると放電電流が大きくなり、外部電極が必要とする先端電圧が得られず、また一定以上近づけると塗料ノズル側の接地電位に流れる電流が集中し、周囲に放電してイオン化圏域を形成する領域が急激に減少する。このために、結果として静電効果すなわち塗着効率の向上効果が充分に得られなくなる。したがってこの様な一方的なストリーマ放電が起きないように電極位置を定め、イオン化域の形成を維持することが必要となる。また噴霧の前方に配置する外部電極へ、噴霧塗料による塗料付着が生じやすく、静電効果の減少、付着塗料の再飛散による被塗装物への再付着が塗装品質上の問題となる。このため外部電極位置をアース側電位である塗料ノズルから離す提案がされている。
【0013】
また静電塗装に限らず塗装用スプレーガンは、工場における自動化ラインでの量産塗装に使用する場合であっても自動作動のスプレーガンのみでは難しく、特に最終的に塗装品質を決める工程には多くが作業者による手持ち式のスプレーガンで行われている。したがってスプレーガンの取扱性、操作性は、単に塗着効率向上の経済性だけでなく作業能率の向上、塗装品質の向上・安定性につながり総体的に、長期的に見た場合の改善効果は極めて重要な要素となる。
【0014】
この点で従来の外部帯電式静電塗装用スプレーガンは、自動装置等に装着される自動スプレーガンを前提としたものが殆どで、取扱性、操作性及び直接作業者に及ぼす危険性に対する厳密な安全対策、小形化に改善の余地がある。
【0015】
通常使用されるスプレーガンの領域において外部電極を配置するに噴霧ノズルから前方に大きく離れた位置に置く必要から電極は軽量であることが重要であるが、必要な部材の構成を組み合わせることにとらわれ、これを使用する作業者の最も必要とする取扱いや軽量化の問題が解決されていない。また電極に荷電する高電圧発生器をスプレーガンと一体に設けて高電圧ケーブルの重さより作業者を解放させること、噴霧ノズルより前方に突出する高電圧に荷電される電極から危険性を排除することにより総体的に価値の高い静電塗装用スプレーガンが要求される。
【0016】
また塗料が外部電極や電極保持部に付着した状態で塗装を続行すると、蓄積された塗料粒子が堆積を増して塗料の垂れを起し、塗装の仕上り品質を低下させ、塗装機の信頼性を損なうという問題がある。更に付着した塗料は、アース電位側の塗料ノズルに近づくことによって沿面放電が増加し電極先端電圧が低下することになり、十分なイオン化放電ができなくなる。また水系塗料のように固まりやすく塗料中の希釈液では溶けない場合は、固形分が絶縁の作用をし電極としての作用効果が大きく減少する。このため電極及びその付近に塗料の付着を避けなければならない
【0017】
本発明は前述した従来技術の問題と要求に鑑みなされたもので、使用される静電塗装の実用的、商業的な範囲で、作業者が使用して安全であり、使い易く、かつ生産性、経済性に効果が得られ、結果として環境問題に大きな改善となる水系塗料の活用普及に貢献できる静電塗装用スプレーガンを得ることができるものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明による静電スプレーガンは、スプレーガンを把持するハンドルと噴霧操作を行う引金を備え、高電圧発生器を搭載した手持ち式スプレーガンに関してする提供される。噴霧化装置を備え、該噴霧化装置に供給される塗料の経路とは電気的絶縁を維持して離開し、噴霧化装置の外側に荷電電極を備えた外部帯電式静電塗装ガンにおいて、噴霧化装置による噴霧化位置の手前に高抵抗体を含む高電圧出力端を設け、該噴霧化位置の前方30mmから80mmで噴霧化装置からの噴霧流の中心から外側にその噴霧流を避けかつ可及的近傍に電極先端を位置させることによって、最も効率の高い塗着効果と安全性を確保できる。
【0019】
電極先端は、必要とされる実用的条件として荷電電極と高電圧出力部の間に150MΩ以上の抵抗を設け、荷電電圧−70kVを荷電した場合に、荷電電極から噴出する液体塗料もしくはアース側電位の塗料ノズルに向かって電気的に集中した流れを持つ放電が生じない60から150μAに維持する範囲の電流とする距離にあって、噴霧流の端部を避けて噴霧軸から離開する位置にあって最も近い位置となる範囲に設置される。
【0020】
【発明の実施の形態】
実用的な静電塗装用スプレーガンで有効とされる塗着効率を得るには、荷電電圧−70から−90kVを維持し、電極からの放電電流を60から150μAとする必要があり、危険な電撃放電を防止するために安全性から、電極と高電圧出力部の間に150MΩ以上の抵抗を設けることが必要である。これらの条件の中で最大電流の抑制と静電効果を充分に得られる電極位置として前記の位置が採用され、効果的に働くことになる。
【0021】
前記噴霧流を避ける位置は、噴霧流の中心軸から離し、その距離は荷電電極の位置が前方に離れる距離に対し1/2の長さを越えない範囲で最も近い位置に設定する。これによって噴霧された塗料粒子の付着を防止し、塗料粒子に対する帯電効果を維持して、静電効果を得ることができる。
【0022】
また本願の静電塗装用スプレーガンは、先端に導電性塗料が供給されアース側電位とされる塗料噴出口を有し絶縁材料で形成された噴霧化装置を備え、該噴霧化装置に供給される塗料供給経路を包含するスプレーガン本体とは電気的に絶縁された外部電極を設ける。
【0023】
外部電極は、噴霧流の外側に150から300MΩの制限抵抗体を介して−70から−90kVの高電圧が出力される高電圧発生器の出力端子と接続されて荷電されることが必要である。外部電極は安全性のため電極からの放電電流が150μA以下に維持され、塗着効率から60μA以上に維持される位置になるように配置され、交換可能とすれば設定が容易となる。また、取り付けたときに噴霧流を避けるために前方に離れるにしたがって徐々に噴霧軸の中心から離れるよう取付部の角度を付け、着脱する電極体の長さに対応して最適な位置に容易に設定することができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1ないし図7にもとづき説明する。
1は本実施例による外部帯電式静電スプレーガンを示し、該スプレーガン1は、手持ち式の例を示しハンドル2、引金3をもって操作される。銃身部4は先端に設けた噴霧化装置5より噴出する塗料を制御すると共に、銃身部4の上部に配置された高電圧発生器6に供給する低電圧電源の入出力を制御して、スプレーガン1の外側に設けた外部電極7の先端電極71に荷電する高電圧を制御している。
【0025】
この実施例の場合噴霧化装置5は圧縮空気で塗料を霧化するエアースプレーガンが示されており、塗料ノズル52の周囲に空気キャップ51が配置され、所望の噴霧パターンが、この空気キャップ51により形成されて被塗装物の塗装を行う。これらの構成は広く知られたスプレーガンの構造が採用されているが、静電塗装においては銃身部4を含め電気的絶縁材料で形成されている。本発明において水系もしくは高導電性塗料が使用され外部に荷電電極を設けたスプレーガンの場合、塗料経路はアース側電位と接続されるため、塗料ノズル52内のニードル弁53は金属性で、後部に位置する前記ハンドル2と電気的に接続されている。通常の静電スプレーガンと同様ハンドルは導電性であり、この実施例の場合は半導電性の樹脂を使用して、作業者が手で操作する場合にアース側電位になるようにしている。
【0026】
高電圧発生器6は図2に示すように、低周波トランス61、コッククロフトウォルトン多段倍電圧整流回路62、保護用高抵抗63が絶縁性樹脂で鋳込まれたカートリッジ64で構成されている。カートリッジ64は低電圧の供給側に入力端子65、高電圧出力側に出力端子66を露出している他は電気的に絶縁強度が維持されている。
【0027】
カートリッジ64は、絶縁材で形成されたスプレーガン1の銃身部4に設けた装着部11に挿入され、前記高電圧発生器6の出力端子66が導線12と接続される。スプレーガン1の銃身部4には先端に設けられる噴霧化装置5の外側後方に外部電極の電極接続部13が設けられ、前記導線12の他端が接続端子14として絶縁材の電極接続部13の内側に露出させている。
【0028】
着脱部13に装着される外部電極7は先端部に前記先端電極71を露出させ、後端に着脱部72を設けて全体が絶縁材で形成されている。着脱部72の一端より接続端子73を露出させ、該接続端子73と先端電極71との間を導体74で接続している。外部電極7が銃身部4の電極接続部13に装着されたとき、接続端子73と銃身部4側の接続端子14が接触し電気的に接続される。本実施例では接続を確実に行うため接続端子73がバネの構成をしているが、接続端子14側をバネで形成しても良い。
【0029】
本実施例の場合、電極接続部13に装着された外部電極7の先端部は、前記噴霧化装置の塗料ノズル先端位置より70mm前方で、縦方向に長い噴霧の軸中心から横方向に30mm離れた位置に先端がくるように設置されている。
【0030】
銃身部4側の電極接続部13は噴霧の軸に対して外側に広がる約10°の角度Bをもっており、電極体を取り付けたとき先端までの位置が長くなるほど噴霧の軸中心から離れる方向になる。したがって通常の塗装作業で使用される範囲での塗料の噴出量、噴霧の広がりに対しては、前記実施例の電極先端位置で塗料の付着を受けずに作業の継続ができるが、荷電電圧の状況、その他の塗装条件の変動によっては電極位置を変更した方がよい場合もあり、異なる長さの電極体を用いたときに噴霧ノズルから離れるほど噴霧軸からも離れ、塗料の付着を防止することができる。
【0031】
外部帯電方式の静電塗装の場合、種々の試験の結果から無荷電すなわち通常の塗装に対し、10%程度の塗着効率アップが必要と判断される。そのため外部電極に荷電する電圧は、必要かつ安全性から−70kVから−90kVが必要であり、前述のとおり直接帯電方式に比較し、より高電圧が必要となる。このことから安全性に対する策が必要であり、高電圧発生器の出力側には、荷電電極がアース側に接近した場合に、放電電流を安全な範囲として200μAにおさえるために制限抵抗を少なくとも150MΩの高抵抗を必要とする。
【0032】
実際に塗料を噴霧した場合はこの電流値は150μA程度に減少し、この値が静電塗装時の最大電流値として扱われる。実用的な塗装の平均的条件として、吹付け圧力300kPa、吹付け距離300mm、塗料噴出量300ml/minで150から600MΩの高抵抗を用い、電極位置30から80mm、荷電電圧30から90kVでのテストを重ねた結果、図6のようにほぼ120μAまで静電効果が向上するが、それ以上は変化が顕著にみられず、逆に危険性が増すことになるため最大電流値は120μAが良いと言える。但し危険性に関しても問題ないとされる150μAとしても実質効果に大きな差異はない。逆に電流値70μA付近以下では急激に静電効果が低下し、実用的に使用する意味が無くなる。
【0033】
高抵抗を高くすれば安全性が向上するが、電流値が低下し、これによって、十分な放電が行われずに塗料への帯電が損なわれ、静電効果の低下を招くことになる。したがって最大で300MΩが実用範囲として求められる。ここで示す静電効果は、いわゆるつき廻りとして噴霧流が対面する以外の後面や側面に塗料が回り込んで塗着する程度を表しているが、その値は高いほど塗料が被塗装物に塗着し、静電塗装における塗装工程の短縮、塗装効率向上の効果があるとされ、塗着効率との相関も確認されている。
【0034】
更に、この時重要な要素として外部電極の設置位置が求められる。すなわち高電圧の電極からアース電位側の塗料ノズルもしくは噴出する塗料に放電する場合、その距離が近いほど電流値が大きくなることが知られている。しかし静電塗装においてはイオン化効率の高い放電が必要であり、塗料ノズルに集中する放電電流れが生ずるほどに近すぎると、逆に静電効果が得られなくなる。そこで多くの試験確認の結果、実際に適用される塗装条件の範囲において外部電極の位置は、噴霧の始まる位置から30mm以上離すと良いことが解った。
【0035】
すなわち実用上必要とされる−70kVの荷電電圧で、200MΩの高抵抗を備えた場合、120μAから150μAの電流値を維持できる距離は約30mmであり、これより近くなるとストリーマ放電が発生し、急激に放電電流値が上昇して安全性が損なわれる。したがって塗着効率を維持する上で制限抵抗値を前記の通り300MΩとした場合の至近距離は約30mmとするのが望ましい。
【0036】
また外部電極の位置が一定以上離れた場合、放電電流は前記の高抵抗の値によってほぼ決まり、図7のように安定し、静電効果にも大きな変化は見られない。したがって従来から安全性を考慮し、効果の影響が少ない離れた位置に設置することが用いられており、被塗装物との中間近くに設定することが従来より採用されていた。
【0037】
しかしながら、スプレーガンの操作性を考慮した場合噴霧装置の前方に置かれる電極は小形で、より近い位置に置かれることが望ましいのは明らかであり、前記した本願の位置によって実塗装条件の範囲において、安全かつ高い効率で作業性、操作性の高いスプレーガンで外部静電塗装を行うことができる。
【0038】
一方、噴霧流を避けるための電極位置は、実際の塗装において噴霧された塗料が一定の広がりをもって被塗装物に向かうため、塗料の付着から守るための距離を置くことも重要な要素になる。すなわち電極が塗料で付着した場合、塗膜となった塗料は絶縁材となり、電極からの放電を阻止する。したがって静電効果は急激に減少することになる。
【0039】
本発明の電極位置は噴霧流を避けて、できるだけ噴霧軸に近い位置に置かれる。実際にエアースプレーの場合、長円形パターンの短径側に電極が置かれる。短径側は噴霧の広がりが少なく安定しており、噴霧の始まる点では急激に広がりを持つが以後、ほぼ噴射気流の広がりと同じ10°程度の安定した広がりをもって、噴霧が行われる。前記実施例によれば電極体に長さの異なるものを使用した時も噴霧軸に対して塗料付着の防止でき、静電効果を得る上でなるべく近い位置を自動的に維持でき、静電効果を最大限に得ることが可能となる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、以上述べたとおり外部帯電式静電塗装ガンの電極位置を、最も効果的に作用する位置に特定したため、静電効果を最大限に引き出し、従来より塗着効率を向上でき、かつ安全性、操作性を高め作業者が使い易いスプレーガンを得られるため、使用の普及が図られる。特にこの種のスプレーガンは環境問題に対する水性塗料化が求められていながら、実際に使用しての問題があったが、本発明によって最も効率の高い塗着効果と安全性を確保でき、特に使用にあたって通常のスプレーがンと同様な使い易さで静電塗装が可能となる。
【0041】
実用的な静電塗装用スプレーガンとして荷電電圧及び放電電流値を特定し、安全性から、電極と高電圧出力部の間に設ける高抵抗を定めることによって、最も効果の高い電極の位置を設定でき、実際に使用される範囲内において容易に実効をあげることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の一実施例を示す断面図
図2は、高電圧発生器の構成図
図3は、外部電極の取付部の部分断面図
図4は、図1の先端部分の平面図で外部電極の位置を示す説明図
図5は、図1の先端側から見た側面図
図6は、電極からの電流値に対する静電効果の傾向を示すグラフ
図7は、外部電極位置による電流値の変化を示すグラフ
【符号の説明】
1、スプレーガン本体
2、ハンドル
3、引金
4、銃身部
5、噴霧化装置
6、高電圧発生器
64、カートリッジ
7、外部電極
9、外部帯電ユニット
13、電極体着脱部
71、先端電極
72、着脱部
73、接続端子
75、係止片
Claims (4)
- スプレーガンを把持するハンドルと噴霧操作を行う引金を備え、高電圧発生器を搭載した手持ち式スプレーガンの先端に噴霧化装置を備え、該噴霧化装置に供給される塗料の経路とは電気的絶縁を維持して離開し、噴霧化装置の外側に荷電電極を備えた外部帯電式静電塗装ガンにおいて、噴霧化装置による噴霧化位置の手前に高抵抗体を含む高電圧出力端を設け、該噴霧化位置の前方30mmから80mmで噴霧化装置からの噴霧流の中心から外側にその噴霧流を避けかつ可及的近傍に電極先端を位置させてなる外部帯電式静電塗装用ガン。
- 電極先端の位置は、噴霧軸中心から外側に、噴霧化位置からの前方向距離に対し1/2を越えない範囲で設置してなる請求項1の外部帯電式静電塗装用ガン。
- 先端に噴霧化装置を備え、該噴霧化装置に供給される塗料の経路とは電気的絶縁を維持して離開し、噴霧化装置の外側に荷電電極を備えた外部帯電式静電塗装ガンにおいて、噴霧化装置の塗料噴出口から荷電電極先端までの距離は、荷電電極と高電圧出力部の間に150MΩ以上の抵抗を設け、荷電電圧−70kVを荷電した場合に、荷電電極からアース側電位に置かれた塗料噴出口に向かって放電電流を60から150μAに維持する範囲の距離を維持し、かつ荷電電極の位置は、噴霧化装置による噴霧流の端部を避けて噴霧の外側となる範囲に配置してなる外部帯電式静電塗装用ガン。
- 静電塗装用ガンの側方に設けた電極取付部の取付角度を前方に向かって拡開するよう形成し、前記電極取付部に配した高電圧出力端子に接続される荷電電極の長さに応じて、荷電電極の先端位置が霧化装置から離れるにしたがって噴霧軸中心との距離が広がるように構成した請求項3の外部帯電式静電塗装用ガン。
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