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JP4176492B2 - 塗膜形成方法 - Google Patents

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JP4176492B2 JP2003013260A JP2003013260A JP4176492B2 JP 4176492 B2 JP4176492 B2 JP 4176492B2 JP 2003013260 A JP2003013260 A JP 2003013260A JP 2003013260 A JP2003013260 A JP 2003013260A JP 4176492 B2 JP4176492 B2 JP 4176492B2
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Kansai Paint Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の基体樹脂と特定のブロック化ポリイソシアネート硬化剤を含有したカチオン電着塗料による塗膜形成方法に関し、該塗膜形成方法は、90秒間〜150秒間の短時間での電着塗装においてつきまわり性、防錆鋼板の電着適性(g材塗装性)、防食性に優れた塗装物品を得ることができる。
【0002】
【従来の技術及び課題】
【特許文献1】
2001−19878号公報
【特許文献2】
2002−275690号公報
【特許文献3】
2002−60680号公報
カチオン電着塗料は、塗装作業性が優れ形成した塗膜の防食性が良好なことから、これらの性能が要求される自動車ボディなどの導電性金属製品の下塗り塗料として広く使用されている。 しかし近年、衝突安全性向上の面から自動車ボディの強度アップのため、幾重にも補強部材が重なり合った構造は、電気が流れにくく電流密度が低下することから塗膜が析出し難く、未塗装となり防食性低下の原因となる。そのため塗装電圧を上げて、内板部に膜厚をつけることが考えられる。
【0003】
また自動車ボディの低コスト化の面から防錆鋼板として、亜鉛メッキ鋼板(g材)を用いることが多い。他に、塗装ラインの省エネルギー化、省スペース化、生産性の向上から、短時間(90秒間〜150秒間)での電着塗装が要求されてきた。
【0004】
上記の課題を踏まえ、被塗物の袋部や内板面に高いつきまわり性を得るために、高電圧での電着塗装を余儀なくされる為、被塗物の外板面では、防錆鋼板(g材)の電着塗装時に発生したスパークが、塗膜の焼付け後にピンホールとなって残り、仕上り性の低下を招くことがあった。
【0005】
従来の発明に、亜鉛めっき鋼板に対するガスピンホール発生を抑制し、かつ高いつきまわり性を有する塗膜が得られるカチオン電着塗料の調整方法で、カチオン電着塗料の最低造膜温度を電着塗装設定温度の±5℃以内に、塗装時電導度を1000〜1500μS/cmに調整されたカチオン電着塗料を使用し、前記の電着塗装設定温度で電着塗装する電着塗膜形成方法に関する発明【特許文献1】。
【0006】
外板膜厚(μm)を増膜させることなく、内板膜厚(μm)が確保できる均一塗装性を有し、さらに亜鉛メッキ鋼板の仕上がり性良好なカチオン電着塗料であって、1.カチオン電着塗装において、単位膜厚当たりの分極抵抗値(a)が120〜300kΩ・cm/μm、及び単位電気量当たりの塗料析出量(b)が50〜150mg/Cの範囲であるカチオン電着塗料を用い、実効電圧(V)230V以下で塗装することを特徴とする塗膜形成方法に関する発明【特許文献2】。つきまわり性、耐ガスピン性を改良したカチオン電着塗料組成物であって、アミン変性エポキシ樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤とを含有する樹脂成分を、中和剤として有機酸と有機酸の金属塩とを含有し、中和剤として含まれる有機酸の総量と、有機酸と有機酸の金属塩との当量比を調整したカチオン電着塗料組成物に関する発明【特許文献3】。などが挙げられる。
【0007】
上記ように、カチオン電着塗料においてつきまわり性と防錆鋼板(亜鉛メッキ鋼板)の電着適性を両立する手法は多く挙げられるものの、短時間(通電時間が90秒間〜150秒間)にて、つきまわり性と防錆鋼板の電着適性の両立が可能で、かつ防食性が良好な発明はなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこれらの課題に応えるために鋭意研究を行なった結果、下記の手段により目的が達成できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
即ち、本発明は、
1.以下のアミン付加エポキシ樹脂(A)、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)を含有するカチオン電着塗料を用いた塗膜形成方法、
アミン付加エポキシ樹脂(A):エポキシ樹脂(a)に、多価ポリオール(a)と多価ポリオールのエポキシ化合物(a)と環状エステル化合物(a)の中から選ばれる少なくとも1種類の変性剤、ポリフェノール化合物(a)及びアミノ基含有化合物(a)を反応させてなる基体樹脂
ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B):芳香族ポリイソシアネート化合物、又は脂環式ポリイソシアネート化合物の中から選ばれる少なくとも1種類のポリイソシアネート化合物(b)に、ブロック剤として、オキシム系化合物、脂肪族アルコール類、芳香族アルキルアルコール類、エーテルアルコール類の中から選ばれる少なくとも1種類のブロック剤(b)を反応させてなる硬化剤
2. アミン付加エポキシ樹脂(A)のガラス転移温度が−10〜60℃の範囲、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)のガラス転移温度が−10〜50℃の範囲であることを特徴とする1項に記載の塗膜形成方法、
3. さらに防錆剤としてビスマス化合物を含有する1項又は2項に記載のカチオン電着塗料を用いた塗膜形成方法、
4.電着塗装時において、通電開始から1分後の塗膜抵抗値が400kΩ・cm〜850kΩ・cmであるカチオン電着塗料を用いた1項乃至3項のいずれか1項に記載の塗膜形成方法、
5.1項〜4項のいずれか1項に記載の塗膜形成方法によって塗装された塗装物品、に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、特定の基体樹脂と特定の硬化剤を用い、好ましくは両成分のガラス転移温度を一定の範囲内としたカチオン電着塗料によって、短時間(90秒間〜150秒間)の電着塗装において、袋構造部や内板部に膜厚を容易につけることが可能な高つきまわり性と、防錆鋼板の電着適性(g材塗装性)、かつ防食性に優れる塗膜形成方法を見出した。
【0011】
さらに上記のカチオン電着塗料は、電着塗装において通電開始から1分後の塗膜抵抗値を400kΩ・cm〜850kΩ・cm、好ましくは480kΩ・cm〜650kΩ・cmの範囲とすれば、容易に高つきまわり性と防錆鋼板の電着適性(g材塗装性)の両立が可能である。
【0012】
つきまわり性は、4枚ボックス法によって評価する。すなわち図1に示すように、4枚のリン酸亜鉛処理した冷延鋼板を、20mm間隔で平行に配置したボックスを用いる。なお、GH面の鋼板以外の鋼板AB面〜EFには下部に8mmφの穴が設けられている。図2に示すような配線図で電着塗装を行い、対極から最も近いA面の膜厚と最も遠いG面の膜厚の値から評価する。
【0013】
本発明の塗膜形成方法によると、電着塗装において通電時間が90秒間〜150秒間の電着塗装において、G面膜厚(μm)/A面膜厚(μm)=30〜100%、好ましくはG面膜厚(μm)/A面膜厚(μm)=50〜100%のつきまわり性を得ることができる。
【0014】
防錆鋼板の電着適性(g材塗装性)については、上記のつきまわり性を得た電圧、例えば、被塗物に200V以上、好ましくは250V以上、さらに好ましくは300V以上の電圧を印加しても塗面にピンホールの発生がない。
【0015】
上記のように、つきまわり性と防錆鋼板の電着適性を得るには、特定の基体樹脂と特定の硬化剤を用いたカチオン電着塗料を用いることが必須条件で、さらに基体樹脂と硬化剤において、ガラス転移温度が特定の範囲内に収まること、さらに好ましくはカチオン電着塗料の通電開始から1分間後の塗膜抵抗値を一定の範囲内に入れることによって、つきまわり性と防錆鋼板の電着適性が、さらに向上することを見出した。
【0016】
以下に、カチオン電着塗料に用いる特定の基体樹脂として用いるアミン付加エポキシ樹脂(A)、硬化剤として用いるブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)について説明する。
【0017】
アミン付加エポキシ樹脂(A):
エポキシ樹脂(a)に、多価ポリオール(a)と多価ポリオールのエポキシ化合物(a)と環状エステル化合物(a)の中から選ばれる少なくとも1種類の変性剤、ポリフェノール化合物(a)、及びアミノ基含有化合物(a)を反応させてなる基体樹脂である。塗膜のつきまわり性をさらに向上させるためには上記アミン付加エポキシ樹脂(A)にブロックポリイソシアネート硬化剤(B)の一部を反応させて得られるアミン付加エポキシ樹脂(A)を基体樹脂として使用することが好ましい。
【0018】
エポキシ樹脂(a)は、塗膜の防食性等の観点から、特に、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリン、例えば、エピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂が好適である。
【0019】
該エポキシ樹脂の形成のために用い得るポリフェノール化合物としては、従来のものと同様のものが使用でき、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン(ビスフェノールA)、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等を挙げることができる。
【0020】
また、ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂としては、中でも、ビスフェノールAから誘導される下記式
【0021】
【化1】
Figure 0004176492
【0022】
ここでn=0〜8で示されるものが好適である。
【0023】
エポキシ樹脂(i)は、一般に180〜2,500、好ましくは200〜2,000であり、さらに好ましくは400〜1,500の範囲内のエポキシ当量を有することができ、また、一般に少なくとも200、特に400〜4,000、さらに特に800〜2,500の範囲内の数平均分子量を有するものが適している。
【0024】
かかるエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)からエピコート828EL、同左1002、同左1004、同左1007なる商品名で販売されているものが挙げられる。
【0025】
変性剤:
変性剤として用いる多価ポリオール(a)は、例えば、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を含有する化合物であり、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメチロール、ネオペンチルグリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールAなどのジオール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどのトリオール類;ペンタエリスリトール、α−メチルグルコキシドなどのテトロール類;ソルビトール、ジペンタエリスリトールなどのヘキソール類;シュークロースなどのオクトール類が挙げられる。
変性剤としては、上記の多価ポリオール(a)にエピクロルヒドリンを反応させて得られる多価ポリオールのエポキシ化合物(a)も用いることができる。
【0026】
さらにプロピレンオキシド変性ビスフェノールAジグリシジル、エチレングリコールオキシド変性ビスフェノールAジグリシジル等も変性剤として用いることができる。変性剤として用いる環状エステル化合物(a)は、下記の式 (1)
【0027】
【化2】
Figure 0004176492
式(1)
(式中、R=HまたはCH、nは3〜6)で示され、具体的には、例えば、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、ζ−エナラクトン、η−カプリロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−エナラクトン、ξ−カプリロラクトンが挙げられ、特に好ましくはε−カプロラクトンである。
【0028】
上記付加反応において、式(1)の環状エステル化合物(a)は開環し、エポキシ樹脂中の2級水酸基と反応し、1級水酸基を付与するとともに、ラクトンに基因するメチレン鎖部分はエポキシ樹脂に可塑性を付与する。
【0029】
エポキシ樹脂(a)と反応させる変性剤の量、即ち、多価ポリオール(a)、多価ポリオールのエポキシ化合物(a)、環状エステル化合物(a)から選ばれる少なくとも1種類の変性剤の量は、厳密に制限されるものではないが、アミン付加エポキシ樹脂(A)中に、多価ポリオール(a)と多価ポリオールのエポキシ化合物(a)と環状エステル化合物(a)から選ばれる少なくとも1種類ノ変性剤が5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%を占めるように調節するのが好ましい。
【0030】
次に、ポリフェノール化合物(a)は、例えば、パラ−オクチルフェノール、ビスフェノールプロパン、ビスフェノールメタン、レゾルシン、ピロカテコール、パラ−tert−ブチルフェノール、ビスフェノールスルホン、ビスフェノールエーテル、パラ−フェニルフェノール等、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレンが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組合せて用いることができる。
【0031】
製造方法は、反応釜にエポキシ樹脂(a)、多価ポリオール(a)と多価ポリオールのエポキシ化合物(a)と環状エステル化合物(a)から選ばれる少なくとも1種類ノ変性剤、ポリフェノール化合物(a5)を配合した後、さらに有機溶剤、ジメチルベンジルアミン、トリブチルアミン、トリエチルアミンなどの塩基性アミノ化合物触媒、及びテトラエチルアンモニュウムブロマイド、テトラブチルアンモニュウムブロマイド、テトラエチルアンモニュウムヒドロキシド、トリフェニルエチルホスホニュウムアイオダイドなどを加えて変性エポキシ樹脂を作成する。
【0032】
変性エポキシ樹脂を製造するにおける触媒量としては、エポキシ樹脂(a)、多価ポリオール(a)と多価ポリオールのエポキシ化合物(a)と環状エステル化合物(a)から選ばれる少なくとも1種類ノ変性剤、及びポリフェノール化合物(a5)の固形分合計に基づいて、1〜10,000ppm配合し、約50℃〜約200℃の温度で約30分〜約10時間加熱することによって行うことができる。
【0033】
次に、上記の変性エポキシ樹脂にアミノ基含有化合物(a6)を付加してアミン付加エポキシ樹脂(A)が製造される。
【0034】
前記の変性エポキシ樹脂に反応するアミノ基含有化合物(a6)は、エポキシ樹脂にアミノ基を導入して、該エポキシ樹脂をカチオン化するためのカチオン性付与成分であり、エポキシ樹脂と反応する活性水素を少なくとも1個含有するものが用いられる。
【0035】
上記のアミノ基含有化合物(a6)としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミンなどのモノ−もしくはジ−アルキルアミン;
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、トリ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノール、モノエチルアミノエタノールなどのアルカノールアミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのアルキレンポリアミン及びこれらのポリアミンのケチミン化物;エチレンイミン、プロピレンイミンなどのアルキレンイミン;ピペラジン、モルホリン、ピラジンなどの環状アミンなどが挙げられる。
【0036】
これらのアミノ基含有化合物(a6)は、変性エポキシ樹脂のエポキシ基と、約30℃〜約150℃の温度で30分〜150分間程度の条件下で反応させてもよいが、一般には、上記のアミンのうち第1級アミンやN−ヒドロキシアルキル第2級アミンを使用する場合には、このものをあらかじめケトン、アルデヒドもしくはカルボン酸と、100〜230℃程度で加熱反応させてアルジミン、ケチミン、オキサゾリンもしくはイミダゾリンに変性し、このものを変性エポキシ樹脂中のエポキシ基と、約80℃〜約200℃の温度で約1時間〜約5時間反応させることが好ましい。
【0037】
また、これらのアミノ基含有化合物(a6)の使用量は、アミン付加エポキシ樹脂(A)のアミン価が20〜80mgKOH/g、好ましくは25〜70mgKOH/gとなるような範囲内が好ましい。また、アミン付加エポキシ樹脂(A)の重量平均分子量は約1,000〜約10,000の範囲内にあることが好ましい。
【0038】
また、上記のようにして得られたアミン付加エポキシ樹脂(A)のガラス転移温度は−10〜60℃の範囲である。
【0039】
本発明でのガラス転移温度は、示差熱分析装置(セイコー電子工業社製熱分析装置”DSC−5200型”により昇温速度10℃/分で測定)により実測した値である。
【0040】
ブロック化ポリイソシアネート(B)
本発明において、架橋剤として使用されるブロック化ポリイソシアネート(B)は、ポリイソシアネート種としては、芳香族ポリイソシアネート化合物又は脂環式ポリイソシアネート化合物のポリイソシアネート化合物(b)に、ブロック剤としては、オキシム系化合物、脂肪族アルコール類、芳香族アルキルアルコール類、エーテルアルコール類の中から選ばれる少なくとも1種類のブロック剤(b)を反応させてなるブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)である。
【0041】
芳香族ジイソシアネート化合物は、例えば、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(通常、「MDI」と呼ばれる)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、クルードMDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
【0042】
なかでもジフェニルメタン−2,4'−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート(通常、「MDI」と呼ばれる)、クルードMDIが好適である。
【0043】
クルードMDIは、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネートとジフェニルメタン−2,4'−ジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートとを主成分とする混合物であり、市販品として、コスモネートM−50、同M−200、同M−100、同M−300等(以上、いずれも三井化学社製);スミジュール44V10、同44V20、同44V40等(以上、いずれも住友バイエルウレタン社製);ルプラネートM−12、同M−12S、同M−20、同M−20S等(以上、いずれもドイツ国、BASF社製);モンデュアMR(LIGHT)等(バイエル社製)などを挙げることができる。
【0044】
脂環式ポリイソシアネート化合物は、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び/又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0045】
他に、上記のポリイソシアネート化合物の変性物には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDIなどのポリイソシアネートの変性物;およびこれらの2種以上の混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート基含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
【0046】
ブロック化剤は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そして付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温において安定で且つ約100〜200℃、好ましくは120〜150℃に加熱した際、ブロック剤を解離して遊離のイソシアネート基を再生しうるものであることが望ましい。また解離するブロック剤としては分子量が小さい程、形成した加熱減量が少なく、またそのことにより乾燥炉の低ヤニ・ススに寄与する。
【0047】
このようなブロック剤は、例えば、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール類;ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−メチルアセトアミド、n−エチルアセトアミド、n−メチルプロピオンアミド、n−メチルホルムアミドなどの低分子量アミド化合物等が挙げられる。
【0048】
なかでもオキシム系化合物、脂肪族アルコール類、芳香族アルキルアルコール類、エーテルアルコール類が、つきまわり性と防錆鋼板の電着適性の面から、本発明の目的とするカチオン電着塗料には好ましい。
上記のブロック剤の配合量としては、イソシアネートのNCO基に対して1:1〜1:1.3で反応させることが好ましい。比率が1.3を越えるとブロック剤が残存して塗膜の防食性を低下させ、1.0未満ではNCO基が残存して塗料組成物の安定性を損なうので好ましくない。
【0049】
本発明の塗膜形成方法に用いるカチオン電着塗料のブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)には、ポリイソシアネート化合物として、芳香族ポリイソシアネート化合物、又は脂環式ポリイソシアネート化合物のポリイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種類と、ブロック剤として、オキシム系化合物、脂肪族アルコール系、芳香族アルキルアルコール系、エーテルアルコール類の中から選ばれる少なくとも1種類の組み合わせが好ましい。
【0050】
上記のカチオン電着塗料は、アミン付加エポキシ樹脂(A)及びブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)を必須成分として含有するものであり、さらに必要に応じて、有機錫化合物、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、有機溶剤、水、中和剤、顔料分散剤、塗面調整剤などの塗料添加物を含有することができる。
【0051】
上記有機錫化合物は、ブロック化ポリイソシアネート(B)のブロック化剤の解離を促進し硬化触媒として働くものであり、例えば、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイドなどの有機錫酸化物;ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジベンゾエート、ジブチル錫ジベンゾエートなどのジアルキル錫の脂肪酸または芳香族カルボン酸塩等を挙げることができ、なかでも低温硬化性の点からジアルキル錫芳香族カルボン酸塩が好適である。
有機錫化合物の含有量は、厳密に規定されるものではなく、塗料組成物に要求される性能等に応じて広範囲にわたって変えることができるが、通常、塗料組成物中の樹脂固形分100重量部あたり0〜8重量部、好ましくは0.05〜5重量部の範囲内となるようにするのが好適である。
【0052】
カチオン電着塗料は、電着塗装によって所望の基材表面に塗装することができる。電着塗装は、一般には、固形分濃度が約5〜40重量%となるように脱イオン水などで希釈し、さらにpHを5.0〜9.0の範囲内に調整した電着浴を、通常、浴温15〜35℃に調整し、負荷電圧100〜400Vの条件で被塗物を陰極として、通電時間は30秒間〜5分、極面積比(A/C):8/1〜1/8、極間距離は10cm〜300cmで通電することによって行うことができる。
電着塗膜の膜厚は、特に制限されるものではないが、一般的には、10〜40μm、好ましくは15〜30μmの範囲内とすることができる。また、塗膜の焼き付け硬化温度は、一般に約100〜約200℃、好ましくは約120〜約170℃の範囲内が適している。
【0053】
本発明の特定の基体樹脂と特定の硬化剤を用いたカチオン電着塗料による塗膜形成方法は、電着塗装時において、通電開始から1分後の塗膜抵抗値を400kΩ・cm〜850kΩ・cm、好ましくはを480kΩ・cm〜650kΩ・cmの範囲とすることが容易であり、そのことによって通電時間が90秒間〜150秒間の短時間での電着塗装にて、袋構造や内板部の膜厚が得られる高いつきまわり性と、防錆鋼板の電着適性(g材塗装性)の両立が可能となった。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、特定の基体樹脂と特定の硬化剤を用い、好ましくは、両成分のガラス転移温度を一定の範囲内とした樹脂成分を用いたカチオン電着塗料によって、短時間(90秒間〜150秒間)の電着塗装において高つきまわり性と、防錆鋼板の電着適性(g材塗装性)、及び防食性に優れる塗装物品が得られる。
さらに上記のカチオン電着塗料の電着塗装において通電開始から1分後の塗膜抵抗値を400kΩ・cm〜850kΩ・cmの範囲とすれば、容易に高つきまわり性と、防錆鋼板の電着適性(g材塗装性)の両立が可能となる。
理由としては、カチオン電着塗料の構成成分であるエマルションは、エマルションのコア部(中心部分)に硬化剤が、シェル部(表層部分)に基体樹脂の成分となって、基体樹脂のアミノ基を中和することによってエマルションの粒子を形成している。ここで特定の基体樹脂と特定の硬化剤を用いて、好ましくはガラス転移温度が一定の範囲とすることによって、1.通電開始から早い時間に塗膜抵抗が形成されるため、外板に費やされた電流が内板の塗膜形成に費やすことができ、つきまわり性が向上する。2.コア部(中心部分)に硬化剤が、通電時のスパークに耐えうる硬さを有しており、塗膜破壊を起しにくく、またガス穴が発生しても、シェル部(表層部分)の軟らかさがピンホールを補修することから、防錆鋼板の電着適性(g材塗装性)に優れる。と考えられる。
上記の塗膜形成方法によると、短時間電着塗装が可能であるため生産性の向上、ラインの省スペース化、省エネルギー性にも優れ、かつ高つきまわり性であることから、袋部や内板部では防食性に優れ、かつ外板面では防錆鋼板のピンホール発生のない、仕上り性に優れた塗装物品を得ることができる。
【0055】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例のみに限定されるものではない。以下、「%」は「重量%」を意味するものとする。
【0056】
基体樹脂の製造例
製造例1
温度計、撹拌機、還流冷却器、窒素ガス吹込口を取り付けた反応容器に、窒素ガス吹込下でプロピレンオキシド変性ビスフエノールAジグリシジルエーテル(注1)525部、ビスフエノールA 342部、及び有効成分80%のモノエタノールアミンとメチルイソブチルケトンとのケチミンのメチルイソブチルケトン溶液36部を仕込み、160℃でエポキシ基が消失するまで反応させた。
さらに、このものにエポキシ当量が約190のビスフエノールジグリシジルエーテル 665部及び有効成分80%のモノエタノールアミンとメチルイソブチルケトンとのケチミンのメチルイソブチルケトン溶液232部を加え、140℃でエポキシ基濃度が0.27ミリモル/gになるまで反応させた。これによって数平均分子量約1500のエポキシ樹脂液が得られた。
次にエチレングリコールモノブチルエーテル365部で希釈冷却し、100℃になったところで有効成分80%のジエチレントリアミンのメチルイソブチルケトンジケチミンのメチルイソブチルケトン溶液167部を加え、100℃で粘度上昇が停止するまで反応させ、固形分が80%の基体樹脂No.1を得た。基体樹脂No.1のガラス転移温度は、23℃であった。
(注1) プロピレンオキシド変性ビスフエノールAジグリシジルエーテル(三洋化成社製、商品名、グリシエールBPP−350、エポキシ当量約340)。
【0057】
製造例2
製造例1と同様な反応装置に窒素ガス吹込下でエポキシ当量約300のエチレンオキシド変性ビスフエノールAジグリシジルエーテル(注2)450部、及びビスフエノールA 342部、及び有効成分80%のモノエタノールアミンのメチルイソブチルケトンケチミン(メチルイソブチルケトン溶液)36部を仕込み、160℃でエポキシ基が消失するまで反応させた。
さらに、このものにエポキシ当量が約190のビスフエノールAジグリシジルエーテル665部、及び有効成分80%のモノエタノールアミンとメチルイソブチルケトンとのケチミンのメチルイソブチルケトン溶液232部を仕込み、140℃でエポキシ基濃度が0.29ミリモル/gになるまで反応させた。これによつて数平均分子量約1,500のエポキシ樹脂液が得られた。
次にこのものをエチレングリコールモノブチルエーテル350部で希釈冷却し、100℃になつたところで有効成分80%のジエチレントリアミンのメチルイソブチルケトンジケチミンのメチルイソブチルケトン167部を加え、100℃の粘度上昇が停止するまで反応させ、固形分が80%の基体樹脂No.2を得た。基体樹脂No.2のガラス転移温度は、28℃であった。
(注2) エチレンオキシド変性ビスフエノールAジグリシジルエーテル[三洋化成社製、商品名:グリシエールBPE−300、エポキシ当量約300]。
【0058】
製造例3
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコに、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって得られた数平均分子量370、エポキシ当量185のエポキシ樹脂518部を仕込み、ビスフェノールA 57部、及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、120℃でエポキシ当量が250となるまで反応させた。
ついでε−カプロラクトン213部、及びテトラブトキシチタン0.03部を加え、170℃に昇温し、この温度を保ちながら経時でサンプリングを行ない、赤外吸収スペクトル測定にて未反応ε−カプロラクトン量を追跡し、反応率が98%以上になった時点でビスフェノールA 148部とジメチルベンジルアミン0.4部をさらに加え、130℃でエポキシ当量936となるまで反応させた。ついでメチルイソブチルケトン257.4部、ジエチルアミン25.6部、ジエタノールアミン68.3部を加え80℃で2時間反応後、メチルエチルケトンで希釈し、固形分が80%の基体樹脂No.3を得た。基体樹脂No.3のガラス転移温度は、38℃であった。
【0059】
製造例4
反応容器にイソホロンジイソシアネート222部を仕込み反応温度を外部冷却により30〜40℃に保ちながら、メチルエチルケトオキシム113.1部を徐々に滴下して部分ブロックポリイソシアネートを合成した。
次に、製造例3で得た基体樹脂No.3 500部に、上記の部分ブロックイソシアネート83.7部加え、窒素気流下に100℃で赤外吸収スペクトル測定にてイソシアネート基の吸収がなくなるまで反応させた後、ジエチレングリコールモノブチルエーテルで希釈し、固形分が80%の基体樹脂No.4を得た。基体樹脂No.4のガラス転移温度は、44℃であった。
【0060】
製造例5
エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名、エポキシ樹脂)1010gに、ビスフェノールA 390g及びジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130℃でエポキシ当量800になるまで反応させた。次に、ジエタノールアミン160g及びジエチレントリアミンのケチミン化物65gを加え、120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブ355gを加え、アミン価67、固形分が80%の基体樹脂No.5を得た。基体樹脂No.5のガラス転移温度は、90 ℃であった。
【0061】
硬化剤の製造
製造例6
反応容器中に、コスモネートM−200(注3) 270部及びメチルイソブチルケトン25部を加え70℃に昇温した。この中に2,2−ジメチロールブタン酸15部を徐々に添加し、ついでエチレングリコールモノブチルエーテル118部を滴下して加え、70℃で1時間反応させた後、60℃に冷却し、プロピレングリコール152部を添加した。この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアナト基の吸収がなくなったことを確認し、固形分が80%の硬化剤No.1溶液を得た。ガラス転移温度は、5 ℃であった。(注3)コスモネートM−200 :商品名、三井化学社製、クルードMDI
【0062】
製造例7
反応容器中に、トリレンジイソシアネート174部を加え70℃に昇温した。この中に2,2−ジメチロールブタン酸15部を徐々に添加し、ついでエチレングリコールモノブチルエーテル118部を滴下して加え、70℃で1時間反応させた後、60℃に冷却し、プロピレングリコール152部を添加した。この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアナト基の吸収がなくなったことを確認し、固形分が80%の硬化剤No.2を得た。ガラス転移温度は、10 ℃であった。
【0063】
製造例8
反応容器中に、イソホロンジイソシアネート222部及びメチルイソブチルケトン99部を加え、50℃に昇温した。この中にメチルエチルケトキシム174部をゆっくり加えた後、60℃に昇温した。この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアネートの吸収がなくったことを確認し、有機溶剤にて固形分を調整し、固形分80%の硬化剤No.3を得た。ガラス転移温度は、8 ℃であった。
【0064】
製造例9
ヘキサメチレンジイソシアネート50部に、メチルケトオキシム30部及びトリメチロールプロパン10部を40〜60℃で滴下した後、80℃で1時間加熱し、この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアネートの吸収がなくったことを確認し、有機溶剤にて固形分を調整し、固形分80%の硬化剤No.4を得た。ガラス転移温度は、−19℃であった。
【0065】
カチオン電着塗料用のエマルションの製造例
製造例10 EM No.1
基体樹脂No.1 87.5部(樹脂固形分で70部)、硬化剤No.1 を37.5g(樹脂固形分で30g)、及び10%酢酸を13部を配合し、均一に攪拌した後、脱イオン水を強く攪拌しながら約15分間を要して滴下し、カチオン電着塗料用のエマルションである固形分34%のEM No.1を得た。
【0066】
製造例11〜18 EM No.2〜No.9
表1の配合内容として、製造例10と同様の操作にてカチオン電着塗料用のエマルションである固形分34%のEM No.2〜No.9を得た。
【0067】
【表1】
Figure 0004176492
【0068】
顔料分散ペーストの製造
製造例19
固形分60%のエポキシ系4級アンモニウム型分散用樹脂 5.83部(固形分3.5部)、酸化チタン14.5部、精製クレー7.0部、水酸化ビスマス 1.0部、有機錫1.0部、カーボンブラック0.4部、脱イオン水20.1部を加え、ボールミルにて20時間分散したあと取出し、固形分55%の顔料分散ペースト(固形分 27.4部)を得た。
【0069】
実施例及び比較例
実施例1
エマルションNo.1(基体樹脂No.1、硬化剤No.1) 294部(固形分100部)に、顔料分散ペーストNo.1を49.8部(固形分27.4部)、脱イオン水 293.2部を加え、固形分20%のカチオン電着塗料No.1(固形分 127.4)を製造した。
【0070】
実施例2〜6
表2の配合内容とする以外は、実施例1と同様にしてカチオン電着塗料No.2〜No.6を得た。
【0071】
比較例1〜3
表3の配合内容とする以外は、実施例1と同様にしてカチオン電着塗料No.7〜No.9を得た。
【0072】
塗装試験
上記実施例及び比較例で得た各カチオン電着塗料中に、パルボンド#3020(日本パーカラジジング社製、商品名、リン酸亜鉛処理剤)で化成処理した、0.8×150×70mmの冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板を用いて、下記の試験内容に従って、塗膜試験に供した。
【0073】
カチオン電着塗料No.1〜No.6(実施例)の塗料配合、塗料特性、試験結果を表2に示す。
【0074】
【表2】
Figure 0004176492
【0075】
カチオン電着塗料No.7〜No.9(比較例)の塗料配合、塗料特性、試験結果を表3に示す。
【0076】
【表3】
Figure 0004176492
【0077】
(注4)つきまわり性:冷延鋼板(化成処理)によって図1のような4枚ボッ
クス法つきまわり性試験の治具を作成し、図2のような配線にて、浴温28℃で、表中の電圧にて90分間、又は150秒間、電着塗装を行った。その後、170℃−20分間の焼付け乾燥を行い、外板(A面)膜厚、内板(G面)膜厚、G面膜厚/A面膜厚(%)を評価した。
【0078】
(注5)防錆鋼板の電着適性(g材塗装性):亜鉛メッキ鋼板(化成処理)を電着浴のカソードとして浸漬し、浴温度28℃で、表中の電圧にて、90分間、又は150秒間電着塗装した。その後、170℃−20分間の焼付け乾燥を行い、試験板10×10cm中のピンホールの数をかぞえる。
○:ピンホールの発生なく良好な仕上がり性、
△:ピンホールが3〜5個発生、
×:10個以上発生した
【0079】
(注6)防食性:冷延鋼板(化成処理)を用いてカチオン電着塗装を行った試験板に、素地に達するようにナイフでクロスカット傷を入れ、これをJIS Z−2371に準じて840時間耐塩水噴霧試験を行った。ナイフ傷からの傷、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
◎:錆、フクレの最大幅がカット部より2mm未満(片側)、
○:錆、フクレの最大幅がカット部より3mm未満(片側)、
△:錆、フクレの最大幅がカット部より3〜4mm(片側)、
×:錆、フクレの最大幅がカット部より4mm以上
【0080】
【図面の簡単な説明】
【図1】 4枚ボックスつきまわり性の塗装試験に用いる治具である。
【図2】 4枚ボックスつきまわり性の塗装試験の結線図である。
【符号の説明】
10.H面
11.A面
12.C面
13.E面
14.G面
15.8mmφの穴を空ける
20.浴槽
21.カチオン電着塗料
22.陽極

Claims (3)

  1. アミン付加エポキシ樹脂(A)及びブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)を含有するカチオン電着塗料を電着塗装して電着塗膜を形成する塗膜形成方法であって、該アミン付加エポキシ樹脂(A)エポキシ樹脂(a)に、多価ポリオール(a)と多価ポリオールのエポキシ化合物(a)と環状エステル化合物(a)の中から選ばれる少なくとも1種類の変性剤、ポリフェノール化合物(a)及びアミノ基含有化合物(a)を反応させてなり、該アミン付加エポキシ樹脂(A)のガラス転移温度が−10〜60℃の範囲である基体樹脂であり、該ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)芳香族ポリイソシアネート化合物、又は脂環式ポリイソシアネート化合物の中から選ばれる少なくとも1種類のポリイソシアネート化合物(b)に、ブロック剤として、オキシム系化合物、脂肪族アルコール類、芳香族アルキルアルコール類、エーテルアルコール類の中から選ばれる少なくとも1種類のブロック剤(b)を反応させてなり、該ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)のガラス転移温度が−10〜50℃の範囲である硬化剤であり、電着塗装時において、通電開始から1分後の塗膜抵抗値が480kΩ・cm 〜650kΩ・cm であり、通電時間が90秒間〜150秒間の範囲にあることを特徴とする塗膜形成方法。
  2. 該アミン付加エポキシ樹脂(A)が請求項1記載のアミン付加エポキシ樹脂(A)にブロックポリイソシアネート硬化剤(B)の一部を反応させてなる基体樹脂である請求項1に記載の塗膜形成方法。
  3. 請求項1又は2に記載の塗膜形成方法によって塗装された塗装物品。
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