JP4175618B2 - 一体式の案内を具備した流体圧低下装置を備えるバルブ - Google Patents

Description

本発明は、流体エネルギ消費装置に関し、特に、組み立てられた状態で機械的な締結具によって確実に保持された複数の積層ディスクを備える流体圧低下装置に関する。

オイル及びガスのパイプラインシステムのような工業プロセス、化学プロセス等における流体の制御では、流体の圧力を低下させることが多くの場合に必要となる。流量制御バルブ及び流体レギュレータのような調整可能な流量制限装置、及びデフューザ，消音器，及びその他の背圧装置のような他の固定式の流体制限装置は、本課題のために利用される。与えられた用途での流量制御バルブ及び／又はその他の流体制限装置の目的は、流量又はその他のプロセス変数を制御することかも知れない。しかしながら、制限は、その流量制御機能の副産物として固有の圧力低下を引き起こす。

現在、積層ディスクをケージアセンブリに確実に保持することが望まれるならば、蝋付け工程において追加の機械的な締結具を融着した流体圧低下装置を形成する複数の積層ディスクのアセンブリが追加され、利用可能である。ケージアセンブリは、該ケージアセンブリの中空中心を通じて移動可能なプラグのようなバルブ制御部材を受け入れるために、流量制御バルブに挿入されることが可能である。

一例として、ここで同一の譲受人に譲渡された米国特許第6,026,859号においては、ケージアセンブリ内の複数の積層ディスクは、中空中心を有するフローディスクとプレナムディスクとを交互に配したものを具備している。それぞれのケージ端は、積層ディスクの対向端に設けられる。ケージ端の１つは、一連のネジ切りされた孔を有し、また、反対のケージ端は、対応する数の皿孔を有している。対応する数の穴が、組み立てられた積層ディスクの構成で、各ディスクを通じてドリル穴あけ、切断、又はパンチで穿孔される。各ディスクの穴は、１つのケージ端におけるそれぞれのネジ切りされた穴に、そして、反対のケージ端におけるそれぞれの皿孔に位置決めされることができる。最終アセンブリでは、ディスクは、組み立てられたディスクの外径に沿って溶接されるか又は蝋付けされることによって共に保持される。これに代えて、ネジ切りされたボルトが、１つのケージ端を通じて、そして、反対のケージ端のネジ切りされた穴に螺合すべくディスクを通じて挿入される。

改善された実施の形態においては、積層ディスクが、２つのケージ端部材を具備し、その１つは、一連のテーパ孔を有している。テーパナットは、対応するテーパ穴に挿入され、係合される。これによって、ボルト及びナットの締結が、積層されたディスク−ケージアセンブリを機械的に保持する。

そのような装置の使用においては、プラグの内側ケージに亘る摺動がケージアセンブリの内径を不当に磨耗し、内径ケージ面とプラグ外面との間を不当に摩損することが知られている。

したがって、使用中におけるこれらの装置の耐摩耗性及び耐摩損性を提供することが望まれる。
米国特許第6,026,859号明細書

本発明の原理によれば、ケージの内周囲に亘って移動可能とされたプラグのようなバルブ制御部材を案内し、ケージの内周囲において硬質な金属から形成された案内部材を、内周囲の磨耗及び摩損を低減するために備えた流体圧低下装置が提供される。

本発明に係る流体圧低下装置は、外周囲と、縦方向軸に沿って位置決めされた中空中心によって規定される内周囲とを有し、積層ディスクのケージアセンブリを形成する複数の積層ディスクを備えている。複数の縦方向のチャネルは、内周囲の周りの積層ディスクに形成される。前記ディスクよりも硬質な金属から形成された案内部材は、個々の縦方向のチャネルに設けられ、縦方向のチャネル内の案内部材の寸法は、案内部材がケージの内周囲の寸法に実質的に適合するように協力する。

案内部材は、ケージアセンブリの内周囲のバルブ制御部材による磨耗及び摩損を低減するために、ケージアセンブリを通じて移動するバルブ制御プラグ部材のためのケージ内周囲での案内を形成する。

本発明の好ましい実施の形態においては、案内部材は、ULTIMET（登録商標）合金又はアロイ６（Alloy 6）のような硬質な又は耐摩耗性のある材料からなる縦方向のロッドを具備している。ガイドロッドは、ディスク材料よりも硬質であるか又は少なくとも高い耐磨耗性を有し、その隣接する摺動部材との磨耗及び摩損を防止するのに十分である。前記ロッドは、縦方向のチャネル内に適合される。これによって、ロッドの外表面は、ケージアセンブリの内周囲と実質的に一致し、適合する。従って、バルブ制御プラグの外表面は、プラグがケージの内周囲に亘って移動するのに従って、ガイドロッドの外表面によって案内される。

これに代えて、縦方向のウェルドビードストリップは、案内部材を具備するために、縦方向のチャネル内に配設されることができる。縦方向のウェルドビードストリップは、ULTIMET（登録商標）又はアロイ６のような硬化肉盛材料から形成されることができ、チャネル内に配置される。これによって、ビードストリップの露出した表面は、ケージアセンブリの内周囲と実質的に一致し、適合する。

新規であると考えられる本発明の特徴は、添付された請求の範囲において特に陳述される。本発明は、添付の図面と共に次の説明を参照することによって最も理解され得る。ここで、同様の参照符号は、いくつかの図面において同様の要素を識別している。

さて、図１を参照して、複数の積層ディスクを有し、流量制御バルブ12内に取り付けられたバルブケージ10の形態の、本発明の原理に従った流体圧低下装置を例示する。流量制御バルブ12は、流体入口16と、流体出口18と、接続通路20とを有するバルブ本体14を具備し、該接続通路20は、バルブ本体に亘っている。シートリング22は、バルブ本体通路20内に取り付けられ、バルブケージ10の内部への、また、バルブケージ10の外部を通じた流体の流れを制御するために、バルブケージ10内でスライド移動可能なプラグを有するバルブ操作部材24と協働する。バルブケージ10は、公知の方法により、バルブのバルブボンネット部分に係合するケージリテーナ26及び取付ボルト28のような従来の取付手段によってバルブ内に保持される。

バルブケージ10は、複数の積層ディスク30を具備し、公知の方法により、積層ディスクの中空中心に入ってディスク周囲から出る、又はその逆の流体の流れ減衰（flow attenuation）を提供する。ここで同一の譲受人に譲渡された米国特許第5,941,281号及び第6,026,859号が例として参照されるかも知れない。

本発明の原理によれば、上記ディスクよりも硬質な又は少なくとも上記ディスクよりも高い耐磨耗性を有する金属から形成された案内部材は、バルブ操作部材24のプラグを内周囲内で移動可能に案内するために、積層ディスクの中空中心の内周囲に設けられる。これによって、積層ディスク10の内周囲上での磨耗及び摩損を低減する。図２は、本発明の１つの実施の形態を示し、図３及び図４は、本発明の好ましい実施の形態を示している。

図２は、複数のディスクを具備し、ケージアセンブリの内周囲36によって閉ざされた中空中心34を有するケージアセンブリ内に形成された積層ディスクアセンブリ32を概略的に例示している。ディスクの各々は溝38を有しており、これによって、組み立てられたケージ内には、位置決めされた溝38から形成された縦方向のチャネルが設けられている。それぞれの縦方向のウェルドビードストリップ40は、内周囲36と実質的に一致し、適合する中空内部34でこれらのストリップの露出した表面を有する縦方向のチャネルの各々内に配設される。バルブ制御部材24のプラグのためのガイド面を周囲36に沿ってケージ内部34内で移動可能に設けるためには、ビードストリップ40を形成するULTIMET（登録商標）合金又はアロイ６のような硬化肉盛材料が使用されることが好ましい。複数の縦方向のウェルドビードストリップ40は、硬化肉盛材料から形成されるときに、それによって、より軟質のディスクの内周囲36上の磨耗及び摩損を低減する傾向がある。

図３及び図４は、本発明の好ましい実施の形態を例示し、ここでは、ケージアセンブリ42は、内周囲46によって閉じられた中空中心44を有する複数の積層ディスク30を具備している。ディスクの各々は、図４中で示されるような周囲46での小さな開口50を除いて実質的に閉じられた溝48を有している。従って、ディスクがケージアセンブリ42内に組み込まれるときには、周囲46に沿った複数の縦方向のチャネルが設けられる。各チャネルは、周囲46で小さな開口50を有した位置決めされた溝48からなっている。溝48又はポケットは、公知の方法により、ドリル穴あけ、レーザ切断、ウォータージェット切断等により作成されることができる。

形成された縦方向のチャネル（４つのチャネル）の各々内には、図３及び図４中で例示される、ガイドロッド52が挿入される。上記ガイドロッドは、ULTIMET（登録商標）合金又はアロイ６のような硬質な又は耐摩耗性のある材料、少なくともディスクよりも硬質な又はディスクよりも高い耐磨耗性を有し、隣接する摺動部材との磨耗及び摩損を防ぐのに十分な材料から形成されることが好ましい。ガイドロッド52は、位置決めされた溝又はポケット48によって形成された縦方向のチャネルの大きさに合わせられる。これによって、ロッドのほんの一部が開口50で露出される。言い換えれば、開口50でのガイドロッドの露出した部分は、内周囲46と一致し、実質的に適合する。従って、ロッド52は、プラグが中空中心44内で、また、内周囲46に隣接して移動するときに、バルブ操作部材24のプラグを案内するように作用する。これによって、ロッド52は、ケージアセンブリの内周囲上での磨耗及び摩損を防ぐことを助ける。

本発明に係るケージアセンブリ又は圧力低下装置での硬質な又は耐摩耗性のある金属製の案内部材の使用が、摩損及び不当な磨耗を防ぐために他のケージ部材の構成に適用することができることは、理解される。例として、硬質な又は耐磨耗性のある金属製の案内部材は、ケージと制御部材との間の相対的な摺動があるその他の流体（ガス又は液体）制御用途でのより軟質な金属製のケージアセンブリに適用することができる。

さらに、硬質な又は耐磨耗性のある案内部材は、バルブアクチュエータシリンダ、ステム、ブッシング、ボール（回転物）、ディスク（バタフライバルブディスク）等のようなその他の流体バルブ部品に適用することができる。

先の詳細な記述は、理解の明瞭化のためだけに与えられたものであって、その変更が当業者にとっては明白であるが、そこから不必要な限定が理解されてはならない。

本発明に係る流体圧低下装置を形成する積層ディスクケージアセンブリの形態におけるバルブトリムを有した流量制御バルブを示す断面図である。 ケージアセンブリの内周囲に設けられた縦方向のウェルドビードストリップを具備する積層ディスクケージアセンブリの斜視図である。 ケージの内周囲に設けられた縦方向のロッドを具備する積層ディスクケージアセンブリの本発明の好ましい実施の形態を示す斜視図である。 各チャネルにおける内周囲の縦方向のチャネルと縦方向のロッドとを示す積層ディスクケージアセンブリの平面図である。

符号の説明

10 バルブケージ（積層ディスク）
12 流量制御バルブ
14 バルブ本体
16 流体入口
18 流体出口
20 接続通路（バルブ本体通路）
22 シートリング
24 バルブ操作部材（バルブ制御部材）
26 ケージリテーナ
28 取付ボルト
30 積層ディスク
32 積層ディスクアセンブリ
34 中空中心（中空内部，ケージ内部）
36 内周囲
38 溝
40 ウェルドビードストリップ
42 ケージアセンブリ
44 中空中心
46 内周囲
48 溝（ポケット）
50 開口
52 ガイドロッド

Claims (7)

1. 本装置を通じて移動可能な流体バルブ制御部材と共に使用する流体圧低下装置であって、
   外周囲と、縦方向軸に沿って位置決めされた中空中心によって規定される内周囲とを有し、前記流体バルブ制御部材を前記中空中心内で前記内周囲に沿って受け入れるケージアセンブリを形成する複数の積層ディスクと、
   前記内周囲の周りの前記積層ディスクに形成された複数の縦方向のチャネルと、
   前記ケージアセンブリの前記内周囲の磨耗を低減するために、前記流体バルブ制御部材の前記中空中心を介した移動を案内すべく前記内周囲に適合され、前記ディスクよりも高い耐磨耗性を有する金属から形成された前記縦方向のチャネル内のそれぞれの案内部材と
   を備えることを特徴とする流体圧低下装置。
2. 前記案内部材は、前記縦方向のチャネル内に溶接された縦方向のウェルドビードストリップを具備する請求項１記載の流体圧低下装置。
3. 前記縦方向のウェルドビードストリップは、硬化肉盛材料から形成される請求項２記載の流体圧低下装置。
4. 前記縦方向のチャネルは、前記ウェルドビードストリップを露出すべく実質的に前記内周囲で開いている請求項３記載の流体圧低下装置。
5. 前記案内部材は、前記縦方向のチャネル内に挿入された縦方向のロッドを具備する請求項１記載の流体圧低下装置。
6. 前記縦方向のロッドは、硬質又は耐摩耗性のある金属から形成される請求項５記載の流体圧低下装置。
7. 前記縦方向のチャネルは、実質的に閉じられており、前記縦方向のロッドのほんの一部を露出すべく前記内周囲で開口を有している請求項５記載の流体圧低下装置。

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