JP4173660B2 - 移動通信システム、移動機、及び、移動機の位置推定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信システム、移動機及び移動機の位置推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、移動通信システムにおける移動機の位置推定方法として、例えば、基地局に接続された子装置から送信される下り信号を受信した移動機が、この下り信号に含まれる基地局毎に固有に割り当てられた基地局識別符号を、子装置を介して基地局へ報告し、基地局側でこの基地局識別符号と対応付けられた基地局設置位置を移動機の位置として推定する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基地局の設置間隔は数kmに及ぶ場合があり、移動機の位置を基地局の設置位置として推定すると、移動機の位置推定精度が著しくおちる場合が生じる。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、移動機の位置をより精度良く推定可能な移動通信システム、移動機及び移動機の位置推定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
移動通信システムにおいて、基地局からの信号を複数の子装置が接続された親装置に一旦入力して分配させて複数の子装置に送出し、この信号を複数の子装置から各々移動機に送信させる一方、子装置が移動機から各々受けた信号を親装置で合成させてから基地局に送出させる移動通信システムがある。
【0006】
このような移動通信システムにおいて、親装置に接続される複数の子装置は、基地局回りの通信領域内に面的に広がって各々設置されている。そこで、本発明者らは、このような移動通信システムにおいて、各々の子装置を利用して移動機の位置を推定することにより、より高精度に移動機の位置を推定できるものと考え、本発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明の移動通信システムは、所定の領域内で離間配置され移動機からの信号を各々無線受信する複数の子装置と、上記複数の子装置が各々受信した信号を合成し基地局に送信する親装置と、を備える移動通信システムにおいて、上記子装置からの信号を上記子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰させ減衰された信号を合成させる減衰手段と、上記減衰率の組合せを所定の規則に基づいて変化させる減衰率変化手段と、上記変化される各々の減衰率の組合せのもとで上記合成された信号の電力に関する情報を測定する電力測定手段と、上記減衰率の組合せを変化させたときの上記電力に関する情報の変化に基づいて上記移動機の位置を推定する移動機位置推定手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の移動通信システムによれば、子装置が移動機から各々受信した信号が、子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰された後に親装置で合成されると共に、この減衰率の組合せが所定の規則に基づいて変化される。そして、減衰率の組合せを変化させたときの、合成された信号の電力に関する情報の変化に基づいて、各々の子装置が移動機から受信した信号の電力の大きさに関する情報が得られる。このとき、各々の子装置が移動機から受信する信号の電力は、当該子装置が移動機に近いほど大きくなるので、この電力の大きさに関する情報に基づいて、移動機から各々の子装置までの距離が推定され、移動機の位置が推定される。
【0009】
ここで、上記減衰率変化手段は、上記所定の規則として、上記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に係る信号に対する減衰率が、他の子装置に係る信号に対する減衰率よりも高くなるように上記減衰率の組合せを変化させることが好ましい。
【0010】
これにより、減衰率の組合せの変化毎に、複数の子装置から順に選ばれる1つの子装置が受信した信号のみが、他の子装置の信号に比して減衰されて合成される。このようにして各々合成された信号の電力の大きさは、当該減衰時に各々選択された子装置が受信した信号の電力が、他の子装置が受信した信号の電力に比して大きいほど、すなわち、当該子装置が移動機に近いほど相対的に小さくなるので、合成された信号の電力に関する情報を互いに比較することにより各々の子装置で受信された電力の大小関係が容易に得られる。
【0011】
また、上記移動機位置推定手段は、上記各々の減衰率の組合せのもとでの上記電力の最小値を取得すると共に、上記最小値が得られた際に上記減衰率変化手段で選択された1つの子装置を特定する最小値対応子装置特定手段と、上記特定された子装置の位置を上記移動機の位置として取得する移動機位置取得手段と、を備えることが好ましい。
【0012】
これにより、各々の減衰率の組合せのもとで合成された信号の電力のうちの最小値が取得され、当該最小値が取得された際に減衰率が他の子装置に比して高くされた一つの子装置が特定される。そして、当該子装置が移動機から受信した信号の電力が一番大きく、当該子装置が移動機に一番近接していることがわかるので、当該子装置の位置を移動機の位置とすることにより、移動機の位置が好適に推定される。
【0013】
また、上記子装置に接続され、上記移動機からの信号を無線受信すると共に当該信号を当該子装置を介して上記親装置に送信する孫装置を有し、上記移動機位置取得手段は、上記最小値対応子装置特定手段により特定された子装置と、当該子装置に接続された孫装置と、の平均位置を取得し当該平均位置を上記移動機の位置として取得してもよい。
【0014】
これにより、孫装置を有する移動通信システムにおける移動機の位置をさらに精度良く取得できる。
【0015】
また、上記減衰率変化手段は、上記所定の規則として、上記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に係る信号に対する減衰率が、他の子装置に係る信号に対する減衰率よりも低くなるように上記減衰率の組合せを変化させてもよい。
【0016】
これにより、減衰率の組合せの変化毎に、複数の子装置から順に選ばれる1つの子装置が受信した信号のみが、他の子装置の信号に比して減衰されずに合成される。このようにして各々合成された信号の電力の大きさは、当該減衰時に各々選択された子装置が受信した信号の電力が、他の子装置が受信した信号の電力に比して大きいほど、すなわち、当該子装置が移動機に近いほど相対的に大きくなるので、合成された信号の電力に関する情報を互いに比較することにより各々の子装置で受信された電力の大小関係が容易に得られる。
【0017】
ここで、上記移動機位置推定手段は、上記各々の減衰率の組合せのもとでの上記電力の最大値を取得すると共に、上記最大値が得られた際に上記減衰率変化手段で選択された1つの子装置を特定する最大値対応子装置特定手段と、上記特定された子装置の位置を上記移動機の位置として取得する移動機位置取得手段と、を備えることが好ましい。
【0018】
これにより、各々の減衰率の組合せのもとで合成された信号の電力のうちの最大値が取得され、当該最大値が取得された際に減衰率が他の子装置に比して低くされた一つの子装置が特定される。そして、当該子装置が移動機から受信した信号の電力が一番大きく、当該子装置が移動機に一番近接していることがわかるので、当該子装置の位置を移動機の位置とすることにより、移動機の位置が好適に推定される。
【0019】
また、上記子装置に接続され、上記移動機からの信号を無線受信すると共に当該信号を当該子装置を介して上記親装置に送信する孫装置を有し、上記移動機位置取得手段は、上記最大値対応子装置特定手段により特定された子装置と、当該子装置に接続された孫装置と、の平均位置を取得し当該平均位置を上記移動機の位置として取得してもよい。
【0020】
これにより、孫装置を有する移動通信システムにおける移動機の位置をさらに精度良く取得できる。
【0021】
また、上記変化される各々の減衰率の組合せのもとでの上記電力に関する情報の変化が、上記領域内における移動機の位置と対応づけて予め記憶された位置別電力変化記憶手段を備え、上記移動機位置推定手段は、上記電力測定手段によって測定された上記電力に関する情報の変化と、上記位置別電力変化記憶手段に記憶された電力に関する情報の変化と、を比較して、上記移動機の上記領域内での位置を推定することが好ましい。
【0022】
予め移動機の位置毎に、上記減衰率の組合せの変化に起因する、合成された信号の電力の変化をデータベースとして記憶しておき、位置の不明な移動機について測定された電力の変化をこのデータベースと比較することにより、移動機の位置が容易に推定される。
【0023】
また、上記減衰手段は、上記子装置が受信した信号をハードウェア的に減衰させることが好ましい。
【0024】
これにより、本発明の移動通信システムにおける信号の減衰が好適に行われる。
【0025】
また、上記減衰手段は、上記子装置が受信した信号をソフトウェア的に減衰させてもよい。
【0026】
これによっても、本発明の移動通信システムにおける信号の減衰が好適に行われる。
【0027】
本発明の移動通信システムは、基地局からの信号を受信して複数に分配する親装置と、所定の領域内で離間配置され上記親装置で分配された信号を各々受信して移動機に対して無線送信すると共に上記移動機からの信号を無線受信する複数の子装置と、を備える移動通信システムにおいて、上記親装置で分配された信号を、上記子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰させ、減衰された信号を当該子装置に各々送信する減衰手段と、上記減衰率の組合せを所定の規則に基づいて変化させる減衰率変化手段と、上記移動機から送信される、上記変化される各々の減衰率の組合せのもとでの、上記移動機が上記複数の子装置から受信する各々の信号を合成してなる信号の電力に関する情報を取得する電力取得手段と、上記減衰率の組合せを変化させたときの上記電力に関する情報の変化に基づいて上記移動機の位置を推定する移動機位置推定手段と、を備えることを特徴とする。
【0028】
本発明の移動通信システムによれば、親装置から分配された信号が子装置毎に設定される減衰率の組合せで個別に減衰された後に当該子装置に各々送信され移動機に送信されると共に、この減衰率の組合せが変化される。また、移動機において、これらの減衰された信号を合成してなる信号の電力に関する情報が、各々の減衰率の組合せについて測定・送信され、この移動機から送信される電力に関する情報が電力取得手段により取得される。そして、減衰率の組合せを変化させたときの、合成してなる信号の電力に関する情報の変化に基づいて、移動機が各々の子装置から受信した信号の電力の大きさに関する情報が得られる。ここで、移動機が各々の子装置から受信する信号の電力は、移動機との距離が近い子装置からの信号ほど大きくなるので、この電力の大きさに関する情報に基づいて、移動機から子装置までの距離が推定され、移動機の位置が推定される。
【0029】
ここで、上記減衰率変化手段は、上記所定の規則として、上記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に送信する信号に対する減衰率が、他の子装置に送信する信号に対する減衰率よりも高くなるように上記減衰率の組合せを変化させることが好ましい。
【0030】
これにより、減衰率の組合せの変化毎に、複数の子装置に分配される信号の内から順に選ばれる、1つの子装置に対する信号のみが他の子装置に対する信号に比して減衰されて移動機で合成される。このようにして各々合成された信号の電力の大きさは、当該減衰時に各々選択された子装置が移動機に近いほど相対的に小さくなるので、合成された信号の電力に関する情報を互いに比較することにより、移動機から子装置までの距離が容易に推定される。
【0031】
また、上記移動機位置推定手段は、上記各々の減衰率の組合せのもとでの上記電力の最小値を取得すると共に、上記最小値が得られた際に上記減衰率変化手段で選択された1つの子装置を特定する最小値対応子装置特定手段と、上記特定された子装置の位置を上記移動機の位置として取得する移動機位置取得手段と、を備えることが好ましい。
【0032】
これにより、各々の減衰率の組合せのもとで合成された信号の電力のうちの最小値が取得され、当該最小値が取得された際に減衰率が他の子装置に比して高くされた一つの子装置が特定される。そして、移動機が当該子装置から受信した信号の電力が一番大きく、当該子装置が移動機に一番近接していることがわかるので、当該子装置の位置を移動機の位置とすることにより、移動機の位置が好適に推定される。
【0033】
また、上記子装置に接続され、上記子装置から送信される信号を中継して上記移動機に対して無線送信する孫装置を有し、上記移動機位置取得手段は、上記最小値対応子装置特定手段が特定した子装置と、当該子装置に接続された孫装置と、の平均位置を取得し当該平均位置を上記移動機の位置として取得しても良い。
【0034】
これにより、孫装置を有する移動通信システムにおける移動機の位置をさらに精度良く取得できる。
【0035】
また、上記減衰率変化手段は、上記所定の規則として、上記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に送信する信号に対する減衰率が、他の子装置に送信する信号に対する減衰率よりも低くなるように上記減衰率の組合せを変化させてもよい。
【0036】
これにより、減衰率の組合せの変化毎に、複数の子装置に分配される信号の内から順に選ばれる、1つの子装置に対する信号のみが他の子装置に対する信号に比して減衰が小さくなる。このようにして各々合成された信号の電力の大きさは、当該減衰時に各々選択された子装置が移動機に近いほど相対的に大きくなるので、合成された信号の電力に関する情報を互いに比較することにより、移動機から子装置までの距離が容易に推定される。
【0037】
ここで、上記移動機位置推定手段は、上記各々の減衰率の組合せのもとでの上記電力の最大値を取得すると共に、上記最大値が得られた際に上記減衰率変化手段で選択された1つの子装置を特定する最大値対応子装置特定手段と、上記特定された子装置の位置を上記移動機の位置として取得する移動機位置取得手段と、を備えることが好ましい。
【0038】
これにより、各々の減衰率の組合せのもとで合成された信号の電力のうちの最大値が取得され、当該最大値が取得された際に減衰率が他の子装置に比して低くされた一つの子装置が特定される。そして、移動機が当該子装置から受信した信号の電力が一番大きく、当該子装置が移動機に一番近接していることがわかるので、当該子装置の位置を移動機の位置とすることにより、移動機の位置が好適に推定される。
【0039】
また、上記子装置に接続され、上記子装置から送信される信号を中継して上記移動機に対して無線送信する孫装置を有し、上記移動機位置取得手段は、上記最大値対応子装置特定手段が特定した子装置と、当該子装置に接続された孫装置と、の平均位置を取得し当該平均位置を上記移動機の位置として取得しても良い。
【0040】
これにより、孫装置を有する移動通信システムにおける移動機の位置をさらに精度良く取得できる。
【0041】
また、上記変化される各々の減衰率の組合せのもとでの上記電力に関する情報の変化が、上記領域内における移動機の位置と対応づけて予め記憶された位置別電力変化記憶手段を備え、上記移動機位置推定手段は、上記電力取得手段によって取得された上記電力に関する情報の変化と、上記位置別電力変化記憶手段に記憶された電力に関する情報の変化とを比較して、上記移動機の上記領域内での位置を推定することが好ましい。
【0042】
予め移動機の位置毎に、上記減衰率の組合せの変化に起因する、合成してなる信号の電力の変化をデータベースとして記憶しておき、位置の不明な移動機について取得された電力の変化をこのデータベースと比較することにより、移動機の位置が容易に推定される。
【0043】
また、上記減衰手段は、上記親装置が分配する信号をハードウェア的に減衰させることが好ましい。
【0044】
これにより、本発明の移動通信システムにおける信号の減衰が好適に行われる。
【0045】
また、上記減衰手段は、上記親装置が分配する信号をソフトウェア的に減衰させてもよい。
【0046】
これにより、本発明の移動通信システムにおける信号の減衰が好適に行われる。
【0047】
本発明の移動機は、基地局からの信号を受信して複数に分配する親装置と、所定の領域内で離間配置され上記親装置で分配された信号を各々受信して無線送信する複数の子装置と、上記親装置で分配された信号を上記子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰させ、減衰された信号を当該子装置に各々送信する減衰手段と、上記減衰率の組合せを所定の規則に基づいて変化させる減衰率変化手段と、を備える移動通信システムにおける上記子装置から無線送信される信号を受信すると共に上記子装置に対して信号を無線送信する移動機であって、上記変化される各々の減衰率の組合せのもとで、上記複数の子装置から受信した各々の信号を合成し、当該合成してなる信号の電力に関する情報を測定する電力測定手段と、当該合成してなる信号の電力に関する情報を上記子装置に無線送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0048】
本発明の移動機によれば、変化される各々の減衰率の組合せのもとで、移動機にて受信した各々の信号を合成してなる信号の電力に関する情報が測定され無線送信されるので、上記発明が好適に実施される。
【0049】
本発明の移動機の位置推定方法は、所定の領域内で離間配置され移動機からの信号を各々無線受信する複数の子装置と、上記複数の子装置が各々受信した信号を合成し基地局に送信する親装置と、を備える移動通信システムにおける移動機の位置推定方法において、上記子装置からの信号を、上記子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰させ、減衰された信号を合成させる減衰ステップと、上記減衰率の組合せを所定の規則に基づいて変化させる減衰率変化ステップと、上記変化される各々の減衰率の組合せのもとで、上記合成された信号の電力に関する情報を測定する電力測定ステップと、上記減衰率の組合せを変化させたときの上記電力に関する情報の変化に基づいて上記移動機の位置を推定する移動機位置推定ステップと、を含むことを特徴とする。
【0050】
本発明の移動機の位置推定方法によれば、子装置が移動機から各々受信した信号が、子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰された後に親装置で合成されると共に、この減衰率の組合せが所定の規則に基づいて変化される。そして、減衰率の組合せを変化させたときの、合成された信号の電力に関する情報の変化に基づいて、各々の子装置が移動機から受信した信号の電力の大きさに関する情報が得られる。このとき、各々の子装置が移動機から受信する信号の電力は、当該子装置が移動機に近いほど大きくなるので、この電力の大きさに関する情報に基づいて、移動機から各々の子装置までの距離が推定され、移動機の位置が推定される。
【0051】
ここで、上記減衰率変化ステップは、上記所定の規則として、上記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に係る信号に対する減衰率が、他の子装置に係る信号に対する減衰率よりも高くなるように上記減衰率の組合せを変化させることが好ましい。
【0052】
これにより、減衰率の組合せの変化毎に、複数の子装置から順に選ばれる1つの子装置が受信した信号のみが、他の子装置の信号に比して減衰されて合成される。このようにして各々合成された信号の電力の大きさは、当該減衰時に各々選択された子装置が受信した信号の電力が、他の子装置が受信した信号の電力に比して大きいほど、すなわち、当該子装置が移動機に近いほど相対的に小さくなるので、合成された信号の電力に関する情報を互いに比較することにより各々の子装置で受信された電力の大小関係が容易に得られる。
【0053】
また、上記移動機位置推定ステップは、上記各々の減衰率の組合せのもとでの上記電力の最小値を取得すると共に、上記最小値が得られた際に上記減衰率変化ステップで選択された1つの子装置を特定する最小値対応子装置特定ステップと、上記特定された子装置の位置を上記移動機の位置として取得する移動機位置取得ステップと、を含むことが好ましい。
【0054】
これにより、各々の減衰率の組合せのもとで合成された信号の電力のうちの最小値が取得され、当該最小値が取得された際に減衰率が他の子装置に比して高くされた一つの子装置が特定され、当該子装置が受信した信号の電力が一番大きいことがわかる。そして、当該子装置が移動機に一番近接しているので、当該子装置の位置を移動機の位置とすることにより、移動機の位置が好適に推定される。
【0055】
また、上記子装置に接続され、上記移動機からの信号を無線受信すると共に当該信号を当該子装置を介して上記親装置に送信する孫装置を有し、上記移動機位置取得ステップは、上記最小値対応子装置特定ステップにより特定された子装置と、当該子装置に接続された孫装置と、の平均位置を取得し当該平均位置を上記移動機の位置として取得してもよい。
【0056】
これにより、孫装置を有する移動通信システムにおける移動機の位置をさらに精度良く取得できる。
【0057】
また、上記減衰率変化ステップは、上記所定の規則として、上記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に係る信号に対する減衰率が、他の子装置に係る信号に対する減衰率よりも低くなるように上記減衰率の組合せを変化させてもよい。
【0058】
これにより、減衰率の組合せの変化毎に、複数の子装置から順に選ばれる1つの子装置が受信した信号のみが、他の子装置の信号に比して減衰されずに合成される。このようにして各々合成された信号の電力の大きさは、当該減衰時に各々選択された子装置が受信した信号の電力が、他の子装置が受信した信号の電力に比して大きいほど、すなわち、当該子装置が移動機に近いほど相対的に大きくなるので、合成された信号の電力に関する情報を互いに比較することにより各々の子装置で受信された電力の大小関係が容易に得られる。
【0059】
ここで、上記移動機位置推定ステップは、上記各々の減衰率の組合せのもとでの上記電力の最大値を取得すると共に、上記最大値が得られた際に上記減衰率変化ステップで選択された1つの子装置を特定する最大値対応子装置特定ステップと、上記特定された子装置の位置を上記移動機の位置として取得する移動機位置取得ステップと、を含むことが好ましい。
【0060】
これにより、各々の減衰率の組合せのもとで合成された信号の電力のうちの最大値が取得され、当該最大値が取得された際に減衰率が他の子装置に比して低くされた一つの子装置が特定され、当該子装置が受信した信号の電力が一番大きいことがわかる。そして、当該子装置が移動機に一番近接しているので、当該子装置の位置を移動機の位置とすることにより、移動機の位置が好適に推定される。
【0061】
また、上記子装置に接続され、上記移動機からの信号を無線受信すると共に当該信号を当該子装置を介して上記親装置に送信する孫装置を有し、上記移動機位置取得ステップは、上記最大値対応子装置特定ステップにより特定された子装置と、当該子装置に接続された孫装置と、の平均位置を取得し当該平均位置を上記移動機の位置として取得してもよい。
【0062】
これにより、孫装置を有する移動通信システムにおける移動機の位置をさらに精度良く取得できる。
【0063】
また、上記変化される各々の減衰率の組合せのもとでの上記電力に関する情報の変化が、上記領域内における移動機の位置と対応づけて予め記憶された位置別電力変化記憶ステップを含み、上記移動機位置推定ステップは、上記電力測定ステップによって測定された上記電力に関する情報の変化と、上記位置別電力変化記憶ステップによって記憶された電力に関する情報の変化と、を比較して、上記移動機の上記領域内での位置を推定することが好ましい。
【0064】
予め移動機の位置毎に、上記減衰率の組合せの変化に起因する、合成された信号の電力の変化をデータベースとして記憶しておき、位置の不明な移動機について測定された電力の変化をこのデータベースと比較することにより、移動機の位置が容易に推定される。
【0065】
また、上記減衰ステップは、上記子装置が受信した信号をハードウェア的に減衰させることが好ましい。
【0066】
これにより、本発明の移動機の位置推定方法における信号の減衰が好適に行われる。
【0067】
また、上記減衰ステップは、上記子装置が受信した信号をソフトウェア的に減衰させてもよい。
【0068】
これによっても、本発明の移動機の位置推定方法における信号の減衰が好適に行われる。
【0069】
本発明の移動機の位置推定方法は、基地局からの信号を受信して複数に分配する親装置と、所定の領域内で離間配置され上記親装置で分配された信号を各々受信して移動機に対して無線送信すると共に上記移動機からの信号を無線受信する複数の子装置と、を備える移動通信システムの移動機の位置推定方法において、上記親装置で分配された信号を、上記子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰させ、減衰された信号を当該子装置に各々送信する減衰ステップと、上記減衰率の組合せを所定の規則に基づいて変化させる減衰率変化ステップと、上記移動機から送信される、上記変化される各々の減衰率の組合せのもとでの、上記移動機が上記複数の子装置から受信する各々の信号を合成してなる信号の電力に関する情報を取得する電力取得ステップと、上記減衰率の組合せを変化させたときの上記電力に関する情報の変化に基づいて上記移動機の位置を推定する移動機位置推定ステップと、を含むことを特徴とする。
【0070】
本発明の移動機の位置推定方法によれば、親装置から分配された信号が子装置毎に設定される減衰率の組合せで個別に減衰された後に当該子装置に各々送信され移動機に送信されると共に、この減衰率の組合せが変化される。また、移動機において、これらの減衰された信号を合成してなる信号の電力に関する情報が、各々の減衰率の組合せについて測定・送信され、この移動機から送信される電力に関する情報が電力取得ステップにより取得される。そして、減衰率の組合せを変化させたときの、合成してなる信号の電力に関する情報の変化に基づいて、移動機が各々の子装置から受信した信号の電力の大きさに関する情報が得られる。ここで、移動機が各々の子装置から受信する信号の電力は、移動機との距離が近い子装置からの信号ほど大きくなるので、この電力の大きさに関する情報に基づいて、移動機から子装置までの距離が推定され、移動機の位置が推定される。
【0071】
ここで、上記減衰率変化ステップは、上記所定の規則として、上記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に送信する信号に対する減衰率が、他の子装置に送信する信号に対する減衰率よりも高くなるように上記減衰率の組合せを変化させることが好ましい。
【0072】
これにより、減衰率の組合せの変化毎に、複数の子装置に分配される信号の内から順に選ばれる、1つの子装置に対する信号のみが他の子装置に対する信号に比して減衰されて移動機で合成される。このようにして各々合成された信号の電力の大きさは、当該減衰時に各々選択された子装置が移動機に近いほど相対的に小さくなるので、合成された信号の電力に関する情報を互いに比較することにより、移動機から子装置までの距離が容易に推定される。
【0073】
また、上記移動機位置推定ステップは、上記各々の減衰率の組合せのもとでの上記電力の最小値を取得すると共に、上記最小値が得られた際に上記減衰率変化ステップで選択された1つの子装置を特定する最小値対応子装置特定ステップと、上記特定された子装置の位置を上記移動機の位置として取得する移動機位置取得ステップと、を含むことが好ましい。
【0074】
これにより、各々の減衰率の組合せのもとで合成された信号の電力のうちの最小値が取得され、当該最小値が取得された際に減衰率が他の子装置に比して高くされた一つの子装置が特定され、移動機が当該子装置から受信した信号の電力が一番大きいことがわかる。そして、当該子装置が移動機に一番近接しているので、当該子装置の位置を移動機の位置とすることにより、移動機の位置が好適に推定される。
【0075】
また、上記子装置に接続され、上記子装置から送信される信号を中継して上記移動機に対して無線送信する孫装置を有し、上記移動機位置取得ステップは、上記最大値対応子装置特定ステップが特定した子装置と、当該子装置に接続された孫装置と、の平均位置を取得し当該平均位置を上記移動機の位置として取得しても良い。
【0076】
これにより、孫装置を有する移動通信システムにおける移動機の位置をさらに精度良く取得できる。
【0077】
また、上記減衰率変化ステップは、上記所定の規則として、上記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に送信する信号に対する減衰率が、他の子装置に送信する信号に対する減衰率よりも低くなるように上記減衰率の組合せを変化させてもよい。
【0078】
これにより、減衰率の組合せの変化毎に、複数の子装置に分配される信号の内から順に選ばれる、1つの子装置に対する信号のみが他の子装置に対する信号に比して減衰が小さくなる。このようにして各々合成された信号の電力の大きさは、当該減衰時に各々選択された子装置が移動機に近いほど相対的に大きくなるので、合成された信号の電力に関する情報を互いに比較することにより、移動機から子装置までの距離が容易に推定される。
【0079】
ここで、上記移動機位置推定ステップは、上記各々の減衰率の組合せのもとでの上記電力の最大値を取得すると共に、上記最大値が得られた際に上記減衰率変化ステップで選択された1つの子装置を特定する最大値対応子装置特定ステップと、上記特定された子装置の位置を上記移動機の位置として取得する移動機位置取得ステップと、を含むことが好ましい。
【0080】
これにより、各々の減衰率の組合せのもとで合成された信号の電力のうちの最大値が取得され、当該最大値が取得された際に減衰率が他の子装置に比して低くされた一つの子装置が特定され、移動機が当該子装置から受信した信号の電力が一番大きいことがわかる。そして、当該子装置が移動機に一番近接しているので、当該子装置の位置を移動機の位置とすることにより、移動機の位置が好適に推定される。
【0081】
また、上記子装置に接続され、上記子装置から送信される信号を中継して上記移動機に対して無線送信する孫装置を有し、上記移動機位置取得ステップは、上記最大値対応子装置特定ステップが特定した子装置と、当該子装置に接続された孫装置と、の平均位置を取得し当該平均位置を上記移動機の位置として取得しても良い。
【0082】
これにより、孫装置を有する移動通信システムにおける移動機の位置をさらに精度良く取得できる。
【0083】
また、上記変化される各々の減衰率の組合せのもとでの上記電力に関する情報の変化が、上記領域内における移動機の位置と対応づけて予め記憶された位置別電力変化記憶ステップを含み、上記移動機位置推定ステップは、上記電力取得ステップによって取得された電力に関する情報の変化と、上記位置別電力変化記憶ステップによって記憶された電力に関する情報の変化とを比較して、上記移動機の上記領域内での位置を推定することが好ましい。
【0084】
予め移動機の位置毎に、上記減衰率の組合せの変化に起因する、合成してなる信号の電力の変化をデータベースとして記憶しておき、位置の不明な移動機について取得された電力の変化をこのデータベースと比較することにより、移動機の位置が容易に推定される。
【0085】
また、上記減衰ステップは、上記親装置が分配する信号をハードウェア的に減衰させることが好ましい。
【0086】
これにより、本発明の移動機の位置推定方法における信号の減衰が好適に行われる。
【0087】
また、上記減衰ステップは、上記親装置が分配する信号をソフトウェア的に減衰させてもよい。
【0088】
これにより、本発明の移動機の位置推定方法における信号の減衰が好適に行われる。
【0089】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0090】
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態に係る移動通信システム110の概略構成図を示す。本実施形態に係る移動通信システム110は、所定の領域内で離間配置され移動機10との間で無線信号の送受信を行う3つの子装置12,14,16と、これらの子装置12,14,16が各々接続されると共に基地局20が接続され、子装置12,14,16からの信号を合成して基地局20に送信すると共に基地局20からの信号を分配して子装置12,14,16に送信する親装置18と、を備えている。
【0091】
図2に、本実施形態の移動通信システム110の基地局20及び親装置18の構成を示す。親装置18は、子装置12,14,16から送信される各々の信号を受けて合成し、基地局20に送信する信号合成部22を有している。
【0092】
また、親装置18は、子装置12,14,16からの信号を子装置12,14,16毎に設定される減衰率の組合せで各々独立に減衰し、減衰された信号を信号合成部22に合成させる減衰手段24を有すると共に、この減衰手段24の減衰率の組合せをあらかじめ決められたパターンに従って所定の時間毎に変化させる減衰率変化手段26を備えている。
【0093】
ここで、変化する減衰率の組合せをD(i)={D1(i),D2(i),…,DN(i)}と表す。ここで、iは上記所定の時間毎に増加する整数であって1〜Mの値をとり、D(i)はiに対応して変化する複数の異なった減衰率の組合せを意味する。また、Nは子装置の数、Dj(i)はj番目の子装置からの信号の減衰率である。
【0094】
減衰率変化手段26は、所定の時間ごとにiの増加により減衰率の組合せを変化させ、減衰手段24は減衰率変化手段26によって決められた減衰率の組合せD(i)に従って子装置12,14,16からの信号を各々減衰させ、信号合成部22に対して、このようにして独立に減衰された信号を合成させる。
【0095】
なお、減衰手段24として、子装置12,14,16が受信した電波を各々可変減衰する可変減衰器等を採用し、信号をハードウエア的に減衰しても良いし、子装置12,14,16が受信した電波を各々復調した上で、コンピュータによってソフトウエア的に減衰させても良い。
【0096】
基地局20は、各々の減衰率の組合せのもとで、信号合成部22で合成された信号の電力を測定する受信電力測定手段(電力測定手段)28を備えている。ここで、変化する減衰率の組合せD(i)で減衰された信号を各々合成してなる信号をR(i)、この信号R(i)の電力をP(i)と表す。
【0097】
また、基地局20は、親装置18の減衰率変化手段26の減衰率の組合せD(i)を記憶する減衰率変化記憶手段31と、受信電力測定手段28によって測定された電力P(i)と減衰率変化記憶手段31に記憶された減衰率変化手段26の減衰率の組合せD(i)とを比較する比較手段30と、比較手段30で得られた比較結果から移動機10に最も近接している子装置12,14,16の位置を特定する近接子装置位置特定手段32と、を有し、これらが移動機位置推定手段を構成している。
【0098】
次に、本実施形態に係る移動通信システム110の処理の手順を各々の装置毎に説明し、あわせて本発明の実施形態に係る移動機の位置推定方法を説明する。まず、図3を参照して、親装置18の処理フローを示す。親装置18は、まず、複数の子装置12,14,16から、当該子装置12,14,16が位置推定の対象となる移動機10から各々受信した信号を受信する(S2)。次に、親装置18は、子装置12,14,16からの各々の信号に対する減衰率の組合せD(i)を最初(i=1)の組合せD(1)に決定する(S4)。
【0099】
減衰率の組合せが決定された後、親装置18の減衰手段24は複数の子装置12,14,16からの信号を、決定された減衰率の組合せD(i)で各々減衰し(S6)、信号合成部22は減衰処理された各々の信号を合成し(S8)、合成された信号R(i)を基地局20へ送信する(S10)。
【0100】
つぎに、減衰率の組合せD(i)が、最後の組合せD(M)でなければ(S12)、減衰率を次の組合せ(次の組合せであるD(i+1))とし(S14)、S6へ戻って次の減衰を行う。一方、減衰率の組合せが、最後の組合せD(M)であれば(S12)処理を終了する。
【0101】
つぎに、本実施形態に係る移動通信システム110の基地局20の処理フローを図4を参照して示す。まず、基地局20は、各々の減衰率の組合せD(i)のもとで、親装置18から送信される合成された信号R(i)の電力P(i)を測定する(S20)。
【0102】
つぎに、基地局20では、この電力P(i)と、減衰率変化記憶手段31に記憶された減衰率の組合せD(i)とを比較する(S22)。この比較結果により、各々の子装置12,14,16が移動機10から受信した信号の電力の大きさに関する情報が得られる。各々の子装置12,14,16が移動機10から受信する信号の電力は、当該子装置が移動機10に近いほど大きいので、この電力の大きさに関する情報に基づいて、移動機10から各々の子装置までの距離を推定し、移動機10に最も近接する子装置12,14,16の位置を特定して、移動機10の位置をこの子装置の位置と推定する(S24)。
【0103】
このように、本実施形態の移動通信システム110によれば、子装置12,14,16が移動機10から各々受信した信号が、子装置12,14,16毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰された後に親装置18で合成されると共に、この減衰率の組合せが所定の規則に基づいて変化される。そして、減衰率の組合せを変化させたときの、合成された信号の電力に関する情報の変化に基づいて、各々の子装置12,14,16が移動機10から受信した信号の電力の大きさに関する情報が得られる。このとき、各々の子装置が移動機10から受信する信号の電力は、当該子装置が移動機10に近いほど大きくなるので、この電力の大きさに関する情報に基づいて、移動機10から各々の子装置12,14,16までの距離を推定することができ、移動機10の位置が推定される。
【0104】
なお、移動機10に最近接する子装置の位置を移動機10の位置とすることに限らず、例えば、移動機10に一番近い子装置の位置と、移動機10に2番目に近い子装置との位置とを、子装置から移動機10への距離に応じて重みをつけて平均して、移動機10の位置を推定等しても良い。
【0105】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る移動通信システム120について図5を参照して説明する。本実施形態の移動通信システム120が第1実施形態の移動通信システム110と違う点は、親装置18が減衰率変化手段26に変えてパターン1減衰率変化手段40を備えている点である。このパターン1減衰率変化手段40は、予め決められた順番で複数の子装置12,14,16からの信号の内一つを選択し、この選択された信号のみが他の信号に比較して大きく減衰されるように、各々の子装置12,14,16に係る減衰率の組合せD(i)を変化させる。
【0106】
図6に、パターン1減衰率変化手段40による減衰率の組合せD(i)の例を示す。本実施形態のように3つの子装置12,14,16を備える場合、例えば、最初(i=1)の組合せをD(1)={1,0,0}、2番目(i=2)の組合せをD(2)={0,1,0}、3番目(i=3)の組合せをD(3)={0,0,1}とすることができる。なお、子装置がN個ある場合は、例えば、最初の組合せをD(1)={1,0,…,0}、i番目の組合せをD(i)={0,…,0,1,0,…,0}、最後(i=M=N)の組合せをD(N)={0,…,0,1}とすればよく、減衰率の組合せの数Mは子装置の数Nと等しくなる。
【0107】
ここで、減衰率Dj(i)=1とは、j番目の子装置からの信号を他に比べて無視できる電力になるように減衰させることを意味し、減衰率Dj(i)=0とは、j番目の子装置からの信号を減衰させないことを意味する。すなわち、この例の減衰率の組合せD(i)では、複数の子装置から順に選択される1つの子装置からの信号のみを大きく減衰する一方、他の子装置からの信号を減衰しない様に設定されている。なお、選択された信号の減衰率を1とし、選択外の信号の減衰率を0としているが、これに限られず、選択された信号の減衰率が選択外の信号の減衰率よりも大きくなればよい。
【0108】
そして、減衰率の組合せD(i)のiの増加に対応する所定時間をTiとすると、受信電力測定手段28は、このTi毎に、変化する減衰率の組合せD(i)のもとでの電力P(i)の測定値を得る。ここで、子装置12,14,16をそれぞれj=1、2、3と対応付け、上述の減衰率の組合せD(i)を採用すると、区間T1では子装置12で受信された信号のみが他に比べ無視できる電力となるように選択的に減衰され、子装置14,16で受信された信号の電力が支配的となって信号合成部22で合成される。また、区間T2では子装置14で受信された信号のみが他に比べ無視できる電力となるように選択的に減衰され、子装置12,16で受信された信号の電力が支配的となって合成され、さらに、区間T3では子装置16で受信された信号のみが他に比べ無視できる電力となるように選択的に減衰され、子装置12,14で受信された信号の電力が支配的となって合成される。このため、これらの合成信号を比較することにより、各々の子装置が移動機10から受信した信号の電力の大小関係が容易に把握される。
【0109】
次に、上述の減衰率の組合せD(i)を採用した場合の本実施形態の移動通信システム120における親装置18の処理フローを、図7を参照して説明する。親装置18は、まず、第1実施形態と同様に位置推定の対象となる移動機10からの信号を複数の子装置12,14,16から各々受信する(S2)。つづいて、親装置18は、減衰率の組合せD(i)を、まず、j=1番目の子装置からの信号のみを選択的に減衰する組合せD(1)に決定する(S60)。
【0110】
減衰率の組合せが決定された後、第1実施形態と同様に、親装置18は複数の子装置12,14,16からの信号を決定された減衰率の組合せD(i)でそれぞれ独立に減衰し(S6)、それらの信号を合成し(S8)、合成された信号を基地局20へ送信する(S10)。
【0111】
そして、減衰率の組合せが最後の組合せD(M)でなければ(S12)、減衰率の組合せD(i)を次の子装置(j番目の次の子装置であるj+1番目の子装置)のみを選択的に減衰する減衰率の組合せD(i+1)に決定し(S62)、S6へ戻る。一方、減衰率の組合せが、最後の減衰率の組合せD(M)であれば(S12)終了とする。そして、基地局20では、第1実施形態と同様に移動機10と子装置12,14,16との距離を推定し移動機10の位置の推定を行う。
【0112】
このように、本実施形態においては、減衰率の組合せの変化毎に、複数の子装置12,14,16から順に選ばれる1つの子装置が受信した信号のみが、他の子装置の信号に比して十分に減衰されて合成される。このようにして各々合成された信号の電力の大きさは、当該減衰時に各々選択された子装置が受信した信号の電力が、他の子装置が受信した信号の電力に比して大きいほど、すなわち、当該子装置が移動機10に近いほど相対的に小さくなるので、合成された信号の電力に関する情報を互いに比較することにより各々の子装置で受信された電力の大小関係が容易に得られる。
【0113】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の構成について図8を参照して説明する。本実施形態の移動通信システム130が第2実施形態の移動通信システム120と違う点は、基地局20が、減衰率変化記憶手段31、比較手段30及び近接子装置位置特定手段32に代えて、受信電力測定手段28が測定した電力P(i)に基づいてこの電力P(i)の最小値を特定してこの最小値に対応する時点(i)を取得する受信電力最小時点特定手段44と、親装置18のパターン1減衰率変化手段40における減衰パターンD(i)を記憶するパターン1減衰率変化記憶手段42と、パターン1減衰率変化記憶手段42に記憶された減衰率の組合せD(i)に基づいて受信電力最小時点特定手段44で取得された時点(i)において親装置18で選択されていた信号に対応する子装置を特定するパターン1子装置特定手段46と、特定された子装置の設置位置を移動機10の位置として取得する移動機推定位置算出手段(移動機位置取得手段)48と、を備えている点である。なお、受信電力最小時点特定手段44とパターン1子装置特定手段46とが最小値対応子装置特定手段を構成している。
【0114】
本実施形態の移動通信システム130における基地局20の処理フローを図9に示す。まず、基地局20は、第2実施形態と同様にして親装置18から送信された、各々の減衰率の組合せD(i)に対応する信号R(i)を受信して、その電力P(i)を測定する(S20)。
【0115】
次に、基地局20は、電力P(i)に基づいて電力P(i)の最小値を特定してこの最小値に対応する時点(i)を取得し(S69)、パターン1減衰率変化記憶手段42に記憶された減衰率の組合せD(i)と、最小になる時点(i)とを比較して、受信電力が最も小さい時点iにおいて親装置18において選択的に減衰されていた信号に対応する子装置を特定する(S70)。
【0116】
そして、移動機推定位置算出手段48は、特定された子装置の設置位置を移動機10の推定位置と特定する(S74)。
【0117】
ここで、図10に、本実施形態において基地局20の受信電力測定手段28が測定する電力P(i)の例を示す。ここでは、第2実施形態の図6の減衰率の組合せD(i)を採用した場合を示している。この減衰率の組合せD(i)を採用することにより、上述のように区間T1で測定される電力P(1)は子装置14,16で受信された信号の合成信号の電力となり、区間T2で測定される電力P(2)は子装置12,16で受信された信号の合成信号の電力となり、区間T3で測定される電力P(3)は子装置12,14で受信された信号の合成信号の電力となる。
【0118】
そして、電力P(1)、P(2)、P(3)の中で最も小さいのは電力P(3)であり最小になる時点はi=3となる。そして、このi=3のときに選択的に減衰された信号に対応する子装置は子装置16であり、子装置16が受信した信号の電力が一番大きいことがわかるので、移動機10は他の子装置と比べて子装置16に最も近く位置すると推定できる。
【0119】
このように、第3実施形態の移動通信システム130によれば、各々の減衰率の組合せのもとで合成された信号の電力のうちの最小値が取得され、当該最小値が取得された際に減衰率が他の子装置に比して高くされた一つの子装置が特定される。そして、当該子装置が移動機10から受信した信号の電力が他に比して一番大きく、当該子装置が移動機10に一番近接していることがわかるので、当該子装置の位置を移動機10の位置とすることにより、移動機の位置が好適に推定される。
【0120】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態の構成について図11を参照して説明する。本実施形態の移動通信システム140が第3実施形態の移動通信システム130と違う点は、子装置12,14に対して、移動機10と無線通信すると共に移動機10からの信号を子装置12又は子装置14を介して親装置18へ送信する孫装置12A、14Aが各々接続されている点である。
【0121】
本実施形態の移動通信システム140における基地局20の処理フローを図12に示す。孫装置12Aが受信した信号と子装置12が受信した信号を合成した信号、孫装置14Aが受信した信号と子装置14が受信した信号を合成した信号及び子装置16が受信した信号は、各々第3実施形態と同様に親装置18で所定の減衰率の組合せD(i)で減衰されたのちに合成されて信号R(i)とされ、基地局20において、その信号R(i)の電力P(i)が測定され(S20)、電力P(i)の最小値の時点iが取得され(S69)、最小値の時点iにおいて親装置18において選択的に減衰されていた信号に対応する子装置が特定される(S70)。そして、特定された子装置に孫装置が接続されていない場合は(S72)、特定された子装置の設置位置を移動機10の推定位置と特定する(S74)。
【0122】
一方、特定された子装置に孫装置が接続されている場合(S72)、特定された子装置及び接続される孫装置全ての平均設置位置を移動機10の推定位置と特定する(S76)。例えば、子装置12が最近接とされた場合、子装置12の設置位置を(X12,Y12)、子装置12に接続される孫装置12Aの設置位置を(X12A,Y12A)とすると、移動機の推定位置を((X12+X12A)/2,(Y12+Y12A)/2)と算出する。
【0123】
このように、本実施形態の移動通信システム140によれば、孫装置12A,14Aを有する移動通信システム140において、移動機10の位置がより好適に推定できる。
【0124】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態の移動通信システム150について図13を参照して説明する。本実施形態の移動通信システム150が第2実施形態の移動通信システム120と異なる点は、パターン1減衰率変化手段40に代えて、予め決められた順番で複数の子装置12,14,16からの信号の内一つを選択し、この選択された信号に係る減衰率が他の信号に係る減衰率よりも低くなるように、各々の子装置12,14,16に係る減衰率の組合せを変化させるパターン2減衰率変化手段50を備えている点である。
【0125】
図14に、本実施形態のパターン2減衰率変化手段50の減衰率の組合せD(i)の例を示す。子装置が3つの本実施形態の減衰率の組合せD(i)として、例えば、最初(i=1)の組合せをD(1)={0,1,1}、2番目(i=2)の組合せをD(2)={1,0,1}、3番目(i=3)の組合せをD(3))={1,1,0}とすることができる。また、子装置がN個ある場合、例えば、最初の組合せをD(1)={0,1,…,1}、i番目の組合せをD(i)={1,…,1,0,1,…,1}、最後(i=M=N)の組合せをD(N)={1,…,1,0}とすることができる。なお、減衰率の組合せの数Mは子装置の数Nと等しくなる。また、選択された信号の減衰率を0とし、選択外の信号の減衰率を1としているが、これに限られず、選択された信号の減衰率が選択外の信号の減衰率よりも小さくなればよい。
【0126】
図14の減衰率の組合せD(i)によれば、区間T1では子装置14,16で受信された信号が子装置12で受信された信号に比べて無視できる電力となるように減衰され、子装置12で受信された信号の電力が支配的となって合成される。同様に、区間T2では子装置12,16で受信された信号が子装置14で受信された信号に比べて無視できる電力となるように減衰されて子装置14で受信された信号の電力が支配的となって合成され、区間T3では子装置12,14で受信された信号が子装置16で受信された信号に比べて無視できる電力となるように減衰され、子装置16で受信された信号の電力が支配的となって合成される。このため、これらの合成信号を比較することにより、各々の子装置12,14,16が移動機10から受信した信号の電力の大小関係が容易に把握される。
【0127】
図15に、上述の減衰率の組合せD(i)を採用した場合の本実施形態に係る移動通信システム150の親装置18の処理フローを示す。親装置18は、まず、第2実施形態と同様に、位置推定の対象となる移動機10からの信号を複数の子装置12,14,16から各々受信する(S2)。つづいて、親装置18のパターン2減衰率変化手段50は、子装置からの信号の減衰率の組合せD(i)を、まず、j=1番目の子装置からの信号のみ選択的に減衰しない組合せに決定する(S80)。
【0128】
減衰率が決定された後、親装置18は複数の子装置12,14,16からの信号を決定された減衰率の組合せD(i)でそれぞれ独立に減衰し(S6)、それらの信号を合成し(S8)、合成された信号R(i)を基地局へ送信する(S10)。そして、減衰率の組合せが、最後の組合せでなければ(S12)、減衰率の組合せD(i)を次の子装置(j番目の次の子装置であるj+1番目の子装置)のみ選択的に減衰しない組合せに決定し(S82)、S6へ戻る。一方、減衰率の組合せが、最後の組合せであれば(S12)終了する。そして、基地局20では、第2実施形態と同様に移動機10の位置の推定を行う。
【0129】
このように、本実施形態の移動通信システム150によれば、減衰率の組合せの変化毎に、複数の子装置12,14,16から順に選ばれる1つの子装置が受信した信号のみが、他の子装置の信号に比してほとんど減衰されないで合成される。このようにして各々合成された信号の電力の大きさは、当該減衰時に各々選択された子装置が受信した信号の電力が、他の子装置が受信した信号の電力に比して大きいほど、すなわち、当該子装置が移動機10に近いほど相対的に大きくなるので、合成された信号の電力に関する情報を互いに比較することにより各々の子装置12,14,16で受信された電力の大小関係が容易に得られる。
【0130】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態の移動通信システム160の構成を図16を参照して説明する。本実施形態の移動通信システム160が第5実施形態の移動通信システム150と違う点は、基地局20が、減衰率変化記憶手段31、比較手段30及び近接子装置位置特定手段32に代えて、受信電力測定手段28が測定した電力P(i)に基づいてこの電力P(i)の最大値を特定しこの最大値に対応する時点(i)を取得する受信電力最大時点特定手段54と、親装置18のパターン2減衰率変化手段50における減衰率の組合せD(i)を記憶するパターン2減衰率変化記憶手段52と、パターン2減衰率変化記憶手段52で記憶された減衰率の時間的な変化D(i)に基づいて受信電力最大時点特定手段54で特定された時点(i)において親装置18で選択されていた信号に対応する子装置を特定するパターン2子装置特定手段56と、特定された子装置の設置位置を移動機10の位置として取得する移動機推定位置算出手段48と、を備えている点である。なお、受信電力最大時点特定手段54とパターン2子装置特定手段56とが最大値対応子装置特定手段を構成している。
【0131】
図17に、本実施形態の基地局20の処理フローを示す。まず、基地局20は、第5実施形態と同様にして親装置18から送信された、各々の減衰率の組合せD(i)に対応する信号R(i)を受信して、その電力P(i)を測定する(S20)。
【0132】
次に、基地局20は、電力P(i)に基づいて電力P(i)の最大値を特定してこの最大値に対応する時点(i)を取得し(S89)、パターン2減衰率変化記憶手段52に記憶された減衰率の組合せD(i)とこの最大になる時点(i)とを比較し、受信電力が最も大きい時点において親装置18で選択されていた信号に係る子装置を特定し(S90)、特定された子装置の設置位置を移動機10の推定位置と特定する(S74)。
【0133】
図18に、本実施形態において受信電力測定手段28で測定される電力P(i)の時間的な変化の例を示す。ここでは、第5実施形態の図14で示される減衰率の組合せD(i)を採用した場合を示している。
【0134】
このような減衰率の組合せD(i)を採用することにより、区間T1で測定される電力P(1)は子装置12で受信された信号の電力となり、区間T2で測定される電力P(2)は子装置14で受信された信号の電力となり、区間T3で測定される電力P(3)は子装置16で受信された信号の電力となることがわかる。電力P(1)、P(2)、P(3)の中で最も大きいのは電力P(3)であり、この時点はi=3となる。そして、このi=3のときに親装置で選択された信号に対応する子装置は子装置16であり、子装置16が受信した電力が一番大きいので、移動機10が他の子装置と比べて子装置16に最も近くに位置すると推定できる。
【0135】
このように、本実施形態の移動通信システム160によれば、各々の減衰率の組合せのもとで合成された信号の電力のうちの最大値が取得され、当該最大値が取得された際に減衰率が他の子装置に比して低くされた一つの子装置が特定される。そして、当該子装置が移動機10から受信した信号の電力が他に比して一番大きく、当該子装置が移動機10に一番近接していることがわかるので、当該子装置の位置を移動機10の位置とすることにより、移動機10の位置が好適に推定される。
【0136】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態の構成について図19を参照して説明する。本実施形態の移動通信システム170が第6実施形態の移動通信システム160と違う点は、子装置12,14に対して、移動機10と無線通信すると共に移動機10からの信号を子装置12又は子装置14を介して親装置18へ送信する孫装置12A、14Aが各々接続されている点である。
【0137】
基地局20の処理フローを図20に示す。孫装置12Aが受信した信号と子装置12が受信した信号を合成した信号、孫装置14Aが受信した信号と子装置14が受信した信号を合成した信号及び子装置16が受信した信号は、各々第6実施形態と同様に親装置18で所定の減衰率の組合せD(i)で減衰されたのちに合成されて信号R(i)とされ、基地局20において、電力P(i)が測定され(S20)、電力P(i)の最大値の時点iが取得され(S89)、最大値の時点iにおいて親装置18において選択的に減衰されなかった信号に対応する子装置が特定される(S90)。そして、特定された子装置に孫装置が接続されていない場合は(S72)、特定された子装置の設置位置を移動機の推定位置と特定する(S74)。
【0138】
一方、特定された子装置に孫装置が接続されている場合(S72)、特定された子装置及び接続される孫装置全ての平均設置位置を移動機の推定位置と特定する(S76)。例えば、子装置12が最近接とされた場合、子装置12の設置位置を(X12,Y12)、子装置12に接続される孫装置12Aの設置位置を(X12A,Y12A)とすると、移動機の推定位置を((X12+X12A)/2,(Y12+Y12A)/2)と算出する。
【0139】
本実施形態の移動通信システム170によれば、孫装置12A,14Aを有する移動通信システム170において、移動機10の位置がより好適に推定できる。
【0140】
(第8実施形態)
図21に、第8実施形態に係る移動通信システム180の構成を示す。本実施形態の移動通信システム180が第1実施形態の移動通信システム110と異なる点は、基地局20が、減衰率変化記憶手段31、比較手段30及び近接子装置位置特定手段32に代えて、減衰率の組合せの変化に伴う合成された信号の電力の変化がサービスを提供する領域内の移動機10の位置と対応づけて予め記憶された受信電力変化記憶手段(位置別電力変化記憶手段)34と、受信電力測定手段28によって測定された電力の変化と受信電力変化記憶手段34に記憶された電力の変化データと比較する対データ比較手段36と、この比較結果に基づいて移動機10の位置を推定する位置計算手段38と、を備えている点である。なお、対データ比較手段36と、位置計算手段38とが、移動機位置推定手段を構成している。
【0141】
本実施形態の移動通信システム180では、予め、サービス提供領域内で複数の地点に移動機10を位置させ、当該位置毎に基地局20で取得される、減衰率の組合せD(i)に対応する電力P(i)をこの移動機10の位置と対応づけて記憶する。ここで、k番目の地点に存在する移動機10から得られる合成された信号の電力P(i)を、Pk(i)、k=1、2、…、Kとする。Kは地点の数である。
【0142】
具体的には、図22に示すように、親装置18は、まず、k=1番目の地点に存在する移動機10を測定対象とし(S40)、測定対象となる移動機10からの信号を複数の子装置12,14,16から受信する(S42)。つづいて、減衰率変化手段26は、子装置12,14,16からの信号それぞれの減衰率をあらかじめ定められた減衰率の組合せD(i)の中で最初(i=1)の組合せに決定し(S4)、親装置18の減衰手段24は複数の子装置12,14,16からの信号を決定された減衰率の組合せD(i)でそれぞれ独立に減衰し(S6)、それらの信号を合成し(S8)、合成された信号R(i)を基地局20へ送信する(S10)。そして、減衰率の組合せD(i)が、最後の組合せD(M)でなければ(S12)、減衰率の組合せD(i)を次の減衰パターン(i番目の次の組合せであるi+1番目)として(S14)、S6へ戻る。一方、減衰率の組合せD(i)が、最後の減衰率の組合せD(M)であれば(S12)、終了して基地局20での処理へ移る(結合子a1)。
【0143】
基地局20では、図23に示すように、親装置18から送信される各々の減衰率の組合せD(i)に対応する合成された信号R(i)の電力Pk(i)を測定し(S20)、k番目の地点における電力Pk(i)と当該k番目の地点の位置とを対応付けて記憶し(S50)、親装置の処理へ移る(結合子a2)。なお、このとき、減衰率変化手段26で用いられた減衰率の組合せD(i)も対応して記憶される。
【0144】
親装置18では、図22に示すように、K個の地点全てで測定を実施したか否か判断し(S44)、実施していない場合、次の地点に存在する移動機10を測定対象として(S46)、S42へ戻る。一方、K個の地点全てで測定を実施した場合(S44)は処理を終了する。
【0145】
図24に、本実施形態の移動通信システム180の基地局20の処理フローを示す。第1実施形態と同様にして親装置18で所定の減衰率の組合せD(i)で減衰された後合成された信号R(i)を受信した基地局20は、まず、受信電力測定手段28で電力P(i)を測定し(S20)、対データ比較手段36が、受信電力測定手段28で測定された電力P(i)と受信電力変化記憶手段34に予め記憶された移動機10の各位置kに対応する電力Pk(i)とを比較し(S30)、比較結果から移動機10の位置を推定する(S32)。ここでは、例えば、次の(1)式に示すような評価関数を用いて、最も小さなδkを与えるk番目の地点、すなわち、受信電力変化記憶手段34に記憶された電力Pk(i)のうち、測定された電力P(i)との2乗誤差が最も小さいものに対応する位置を、移動機10の推定位置とすることが好ましい。
【数1】
このように、本実施形態の移動通信システム180によれば、予め移動機10の位置毎に、上記減衰率の組合せの変化に起因する、合成された信号の電力の変化をデータベースとして記憶しておき、位置の不明な移動機10について取得された電力の変化をこのデータベースと比較することにより、移動機10の位置が容易に推定される。
【0146】
(第9実施形態)
次に、第9実施形態に係る移動通信システム210について図25を参照して説明する。本実施形態の移動通信システム210が、第1実施形態の移動通信システム110と違う点は、基地局20に設置され基地局20からの信号を親装置18に送信する送信手段102と、親装置18に設置されこの送信手段102からの信号を分配して子装置12,14,16へ各々送信して子装置12,14,16に対してこの信号を移動機10に無線送信させる信号分配部100と、を備え、基地局20側から移動機10への通信を可能とする公知の構成を備えている点である。
【0147】
そして、特に、本実施形態の移動通信システム210が第1実施形態の移動通信システム110と異なる点は、まず、減衰手段24が、信号合成部22に送信される信号に代えて、親装置18の信号分配部100で分配されて子装置12,14,16に送信される信号を所定の減衰率の組合せD(i)で減衰する点である。また、第二の点は、移動機10が、減衰手段24によって減衰され、複数の子装置12,14,16を経由して送られた基地局20からの各々の信号を合成すると共にこの合成された信号R(i)の電力P(i)を測定する受信電力測定手段(電力測定手段)28と、この電力P(i)を子装置12,14,16に送出する送信手段111と、を備えると共に、基地局20が、移動機10から送信されるこの電力P(i)を子装置12,14,16、信号合成部22を介して取得する受信手段(電力取得手段)112を備えている点である。
【0148】
図26に、本実施形態に係る移動通信システム210における親装置18の処理フローを示す。親装置18は、まず、位置推定の対象となる移動機10への信号を基地局20の送信手段102から受信する(S100)。つづいて、親装置18は、受信した信号を複数の子装置12,14,16へ送出するために信号分配部100で分配する(S102)。
【0149】
次に、減衰率変化手段26は、複数の子装置12,14,16へ分配送信される信号に対する減衰率の組合せをあらかじめ定められた減衰率の組合せD(i)の中で最初の組合せD(1)に決定し(S104)、減衰手段24は複数の子装置12,14,16へ分配送信される信号を決定された減衰率の組合せD(i)でそれぞれ独立に減衰し(S106)、子装置12,14,16に対して減衰された信号を送信して各々の子装置12、14、16から移動機10に対して無線送信させる(S108)。
【0150】
そして、減衰率の組合せD(i)が、最後の減衰率の組合せD(M)でなければ(S12)、減衰率の組合せD(i)を次の減衰率の組合せD(i+1)として(S110)、S106へ戻る。一方、減衰率の組合せD(i)が、最後の減衰率の組合せD(M)であれば(S12)処理を終了する。
【0151】
図27に、本実施形態の移動通信システム210における移動機10の処理フローを示す。移動機10では、変化される減衰率の組合せD(i)で各々減衰されて複数の子装置12,14,16を介して送られてくる基地局20からの信号を合成して信号R(i)とし、この信号R(i)の電力P(i)を測定する(S120)。そして、移動機10は、その電力P(i)を子装置12,14,16及び信号合成部22を介して基地局20の受信手段112に送信する(S122)。
【0152】
図28に、基地局20における処理フローを示す。基地局20では、第1実施形態と同様に、移動機10から送信された電力P(i)を受信し(S130)、電力P(i)と減衰率の組合せD(i)とを比較し(S132)、この比較結果から移動機10に最も近接している子装置の位置を特定する(S24)。
【0153】
このように、本実施形態の移動通信システム210においては、親装置18から分配された信号が子装置12,14,16毎に設定される減衰率の組合せで個別に減衰された後に当該子装置12,14,16に各々送信され移動機に送信されると共に、この減衰率の組合せが変化される。また、移動機10において、これらの減衰された各々の信号を合成してなる信号の電力に関する情報が、各々の減衰率の組合せについて取得・送信され、この移動機10から送信される電力に関する情報が受信手段112により取得される。そして、減衰率の組合せを変化させたときの、合成してなる信号の電力に関する情報の変化に基づいて、移動機10が各々の子装置12,14,16から受信した信号の電力の大きさに関する情報が得られる。ここで、移動機10が各々の子装置から受信する信号の電力は、移動機10との距離が近い子装置12,14,16からの信号ほど大きくなるので、この電力の大きさに関する情報に基づいて、移動機10から子装置12,14,16までの距離が推定され、移動機10の位置が推定される。
【0154】
(第10実施形態)
次に、第10実施形態の移動通信システム220の構成を図29に示す。本実施形態の移動通信システム220が第9実施形態の移動通信システム210と異なる点は、減衰率変化手段26に代えて、第2実施形態で採用したパターン1減衰率変化手段40を備えている点である。このパターン1減衰率変化手段40は、時間と共に予め決められた順番で複数の子装置12,14,16からの信号の内一つを選択し、この選択された信号のみが他の信号に比較して選択的に大きく減衰されるように、各々の子装置12,14,16に係る減衰率を変化させる。
【0155】
具体的には、例えば、3つの子装置12,14,16を有する本実施形態の減衰率の組合せD(i)としては、最初(i=1)の組合せをD(1)={1,0,0}、2番目(i=2)の組合せをD(2)={0,1,0}、3番目(i=3)の組合せをD(3)={0,0,1}とすることができる。同様に、N個の子装置がある移動通信システムの減衰率の組合せD(i)においては、D(1)={1,0,…,0}、D(i)={0,…,0,1,0,…,0}、最後(i=M=N)の組合せを、D(N)={0,…,0,1}とすることができる。なお、選択された子装置の減衰率を1とし、対象外の減衰率を0としているが、これに限られず、選択された子装置の減衰率が対象外の子装置の減衰率よりも十分大きくなればよい。
【0156】
本実施形態の移動通信システム220における親装置18の処理フローを図30に示す。親装置18は、まず、第9実施形態と同様に、位置推定の対象となる移動機10への信号を基地局20から受信し(S100)、移動機10への信号を複数の子装置12,14,16へ送出するために分配する(S102)。そして、パターン1減衰率変化手段40は、子装置12,14,16への分配信号それぞれの減衰率を、j=1番目の子装置への信号のみを他の信号に比して選択的に減衰する組合せに決定する(S160)。
【0157】
減衰率が決定された後、親装置18は複数の子装置12,14,16へ分配送信される信号を決定された減衰率の組合せD(i)でそれぞれ独立に減衰し(S106)、それらの信号をそれぞれの子装置12,14,16へ送信し、移動機10に対して各々送信させる(S108)。そして、減衰率の組合せが、最後の減衰率の組合せでなければ(S12)、減衰率の組合せを次の子装置(j番目の次の子装置であるj+1番目の子装置)への信号のみを他の信号に比して選択的に減衰する組合せに決定し(S162)、S106へ戻る。一方、減衰率の組合せが、最後の組合せであれば(S12)処理を終了する。
【0158】
そして、第9実施形態と同様に、移動機10は、減衰率の組合せD(i)で各々減衰されて送信された信号を合成しその電力P(i)を測定して基地局20の受信手段112に送信し、基地局20は、その電力P(i)を減衰率の組合せD(i)と比較して、この比較結果から移動機10に最も近接している子装置の位置を特定する。
【0159】
このように、本実施形態の移動通信システム220によれば、減衰率の組合せの変化毎に、複数の子装置12,14,16に分配される信号の内から順に選ばれる、1つの子装置に対する信号のみが他の子装置に対する信号に比して十分に減衰されて移動機10で合成される。このようにして各々合成された信号の電力の大きさは、当該減衰時に各々選択された子装置が移動機10に近いほど相対的に小さくなるので、合成された信号の電力に関する情報を互いに比較することにより、移動機10から子装置12,14,16までの距離が容易に推定される。
【0160】
(第11実施形態)
図31に、第11実施形態の移動通信システム230の構成を示す。本実施形態の移動通信システム230が第10実施形態と異なる点は、基地局20の減衰率変化記憶手段31、比較手段30及び近接子装置位置特定手段32に代えて、第3実施形態のパターン1減衰率変化記憶手段42、受信電力最小時点特定手段44、パターン1子装置特定手段46及び移動機推定位置算出手段48を備えている点である。
【0161】
図32に、本実施形態における基地局20の処理フローを示す。基地局20は、第10実施形態と同様にして移動機10から送信された、各々の減衰率の組合せD(i)に対応する信号R(i)の電力P(i)の測定値を受信する(S130)。次に、受信電力最小時点特定手段44は、電力P(i)に基づいて電力P(i)が最小になる時点(i)を取得し(S169)、パターン1子装置特定手段46は、パターン1減衰率変化記憶手段42に記憶された減衰率の組合せD(i)と、最小になる時点(i)とを比較して、受信電力が最も小さい時点において親装置18において選択された信号に係る子装置を特定する(S170)。そして、移動機推定位置算出手段48は、特定された子装置の設置位置を移動機の推定位置と特定する(S74)。
【0162】
ここで、図33に、本実施形態における電力P(i)の時間的な変化の例を示す。ここでは、第3実施形態で用いた図6の減衰率の組合せD(i)を用いている。この場合、区間T1で測定される電力P(1)は子装置14,16から受信した信号の合成信号の電力となり、区間T2で測定される電力P(2)は子装置12,16から受信した信号の合成信号の電力となり、区間T3で測定される電力P(3)は子装置12,14から受信した信号の合成信号の電力となることがわかる。電力P(1)、P(2)、P(3)の中で最も小さいのは電力P(3)である。そして、このときに親装置18から選択的に減衰された信号を受けた子装置は子装置16であり、移動機10は他の子装置と比べて子装置16に最も近く位置すると容易に推定できる。
【0163】
このように、本実施形態の移動通信システム230によれば、各々の減衰率の組合せのもとで合成された信号の電力のうちの最小値が取得され、当該最小値が取得された際に減衰率が他の子装置に比して高くされた一つの子装置が特定され、移動機10が当該子装置から受信した信号の電力が一番大きいことがわかる。そして、当該子装置が移動機10に一番近接しているので、当該子装置の位置を移動機10の位置とすることにより、移動機10の位置が好適に推定される。
【0164】
(第12実施形態)
次に、第12実施形態の移動通信システム240の構成について図34を参照して説明する。本実施形態の移動通信システム240が第11実施形態と違う点は、子装置12,14に対して、親装置18からの信号を子装置12又は子装置14を介して受信して移動機10に無線送信すると共に、移動機10からの信号を無線受信して子装置12又は子装置14を介して親装置18に送信する孫装置12A、14Aが各々接続されている点である。
【0165】
本実施形態の移動通信システム240における基地局20の処理フローを図35に示す。孫装置12Aと子装置12からの信号、孫装置14Aと子装置14からの信号及び子装置16からの信号は、各々第11実施形態と同様に移動機10で合成されて信号R(i)とされ、電力P(i)が測定され送信され、基地局20はこの電力P(i)を受信する(S130)。そして、P(i)の最小値の時点iを取得し(S169)、最小値の時点iにおいて親装置18で選択されていた信号に対応する子装置を特定した後(S170)、特定された子装置に孫装置が接続されていない場合は(S72)、特定された子装置の設置位置を移動機の推定位置と特定する(S74)。
【0166】
一方、特定された子装置に孫装置が接続されている場合(S72)、特定された子装置及び当該子装置に接続される孫装置全ての平均設置位置を移動機の推定位置と特定する(S76)。
【0167】
このように、本実施形態のような孫装置12A,14Aを有する移動通信システム240において、移動機10の位置がさらに好適に推定できる。
【0168】
(第13実施形態)
図36に、第13実施形態に係る移動通信システム250の構成を示す。本実施形態の移動通信システム250が第10実施形態の移動通信システム220と異なる点は、パターン1減衰率変化手段40に代えて、第5実施形態で採用したパターン2減衰率変化手段50を備えている点である。このパターン2減衰率変化手段50は、予め決められた順番で、信号分配部100から複数の子装置12,14,16に分配送信される信号の一つを選択し、この選択された信号に係る減衰率が他の信号に係る減衰率よりも選択的に低くなるように、各々の子装置12,14,16に係る減衰率の組合せを変化させる。
【0169】
具体的には、例えば、3つの子装置12,14,16を有する本実施形態の減衰率の組合せD(i)としては、最初(i=1)の組合せをD(1)={0,1,1}、2番目(i=2)の組合せをD(2)={1,0,1}、3番目(i=3)の組合せをD(3)={1,1,0}とすることができる。同様に、N個の子装置がある移動通信システムの減衰率の組合せD(i)としては、D(1)={0,1,…,1}、D(i)={1,…,1,0,1,…,1}、最後(i=M=N)の組合せを、D(N)={1,…,1,0}とすることができる。なお、選択された信号の減衰率を0とし、それ以外の信号の減衰率を1としているが、これに限られず、選択された信号の減衰率がそれ以外の信号の減衰率よりも低くなればよい。
【0170】
図37に、上記減衰率の組合せD(i)を採用した場合の本実施形態における親装置18の処理フローを示す。親装置18は、まず、第10実施形態と同様に、位置推定の対象となる移動機10への信号を基地局20から受信し(S100)、この信号を分配して複数の子装置12,14,16へ分配信号として送出する(S102)。そして、親装置18のパターン2減衰率変化手段50は、子装置12,14,16への信号それぞれの減衰率を、j=1番目の子装置への信号のみ選択的に減衰させないような組合せに決定する(S180)。
【0171】
減衰率が決定された後、親装置18は、決定された減衰率の組合せD(i)で分配信号をそれぞれ独立に減衰し(S106)、これらの信号をそれぞれ子装置12,14,16へ送信し(S108)、減衰率の組合せD(i)が、最後の組合せD(M)でなければ(S12)、組合せを次の子装置(j番目の次の子装置であるj+1番目の子装置)への信号を他の信号に比して選択的に減衰しない組合せD(i+1)に決定し(S182)、S106へ戻る。一方、減衰率の組合せが、最後の組合せD(M)であれば(S12)終了となる。
【0172】
そして、第10実施形態と同様に、移動機10は、減衰率の組合せD(i)で各々減衰されて送信された信号を合成しその電力P(i)を測定して基地局20の受信手段112に送信し、基地局20は、その電力P(i)を減衰率の組合せD(i)と比較して、この比較結果から移動機10に最も近接している子装置の位置を特定する。
【0173】
このように、本実施形態の移動通信システム250によれば、減衰率の組合せの変化毎に、複数の子装置に分配される信号の内から順に選ばれる、1つの子装置に対する信号のみが他の子装置に対する信号に比してほとんど減衰されない。このようにして各々合成された信号の電力の大きさは、当該減衰時に各々選択された子装置が移動機に近いほど相対的に大きくなるので、合成された信号の電力に関する情報を互いに比較することにより、移動機10から子装置12,14,16までの距離が容易に推定される。
【0174】
(第14実施形態)
図38に、第14実施形態の移動通信システム260の構成を示す。本実施形態の移動通信システム260が第13実施形態と違う点は、基地局20の減衰率変化記憶手段31、比較手段30及び近接子装置位置特定手段32に代えて、第6実施形態で採用した、受信電力最大時点特定手段54、パターン2減衰率変化記憶手段52、パターン2子装置特定手段56及び移動機推定位置算出手段48を備えている点である。
【0175】
図39に、本実施形態における基地局20の処理フローを示す。基地局20では、第13実施形態と同様にして移動機10で測定され送信された移動機10での受信信号の電力P(i)を受信し(S130)、電力P(i)に基づいて電力P(i)が最大になる時点(i)を取得し(S189)、電力P(i)と減衰率の組合せD(i)とを比較して、受信電力が最も大きい時点において親装置18からの信号が他の信号に比して選択的に減衰されなかった信号に係る子装置を特定した後(S190)、特定された子装置の設置位置を移動機の推定位置と特定する(S74)。
【0176】
図40に、本実施形態における電力P(i)の例を示す。ここでは、第13実施形態の減衰率の組合せD(i)を用いた場合の例を示す。このような減衰率の組合せにより、区間T1で測定される電力P(1)は子装置12から受信した信号の電力とされ、区間T2で測定される電力P(2)は子装置14から受信した信号の電力とされ、区間T3で測定される電力P(3)は子装置16から受信した信号の電力とされることがわかる。
【0177】
ここで、電力P(1)、P(2)、P(3)の中で最も大きいのは電力P(3)であり、このとき親装置18からの信号を減衰手段24によって減衰されないで受信した子装置は子装置16であり、移動機10は他の子装置と比べて子装置16に最も近く位置すると容易に推定できる。
【0178】
このように、本実施形態の移動通信システム260によれば、各々の減衰率の組合せのもとで合成された信号の電力のうちの最大値が取得され、当該最大値が取得された際に減衰率が他の子装置に比して低くされた一つの子装置が特定され、移動機10が当該子装置から受信した信号の電力が一番大きいことがわかる。そして、当該子装置が移動機10に一番近接しているので、当該子装置の位置を移動機10の位置とすることにより、移動機10の位置が好適に推定される。
【0179】
(第15実施形態)
次に、第15実施形態の移動通信システム270の構成について図41を参照して説明する。本実施形態の移動通信システム270が第14実施形態の移動通信システム260と違う点は、子装置12,14に対して、親装置18からの信号を子装置12又は子装置14を介して受信して移動機10に無線送信すると共に、移動機10からの信号を無線受信して子装置12又は子装置14を介して親装置18に送信する孫装置12A、14Aが各々接続されている点である。
【0180】
そして、本実施形態の移動通信システム270における基地局20の処理フローを図42に示す。孫装置12Aと子装置12からの信号、孫装置14Aと子装置14からの信号及び子装置16からの信号は、各々第14実施形態と同様に移動機10で合成されて信号R(i)とされ、電力P(i)が測定されて送信され、基地局20はこの電力P(i)を受信する(S130)。そして、P(i)の最大値の時点iを取得し(S189)、最大値の時点iにおいて親装置18で選択されていた信号に対応する子装置を特定した後(S190)、特定された子装置に孫装置が接続されていない場合は(S72)、特定された子装置の設置位置を移動機の推定位置と特定する(S74)。
【0181】
一方、特定された子装置に孫装置が接続されている場合(S72)、特定された子装置及び接続される孫装置全ての平均設置位置を移動機の推定位置と特定する(S76)。
【0182】
このように、本実施形態のように、孫装置12A,14Aを有する移動通信システム270において、移動機10の位置がより好適に推定できる。
【0183】
(第16実施形態)
図43に、第16実施形態の移動通信システム280の構成を示す。本実施形態の移動通信システム280が第9実施形態の移動通信システム210と異なる点は、基地局20が、減衰率変化記憶手段31、比較手段30及び近接子装置位置特定手段32に代えて、第8実施形態と同一の、予めサービスを提供する地域内の複数の地点に移動機10が存在する場合における電力の時間的な変化のデータが記憶された受信電力変化記憶手段34と、受信電力測定手段28によって測定された電力の変化を受信電力変化記憶手段34に記憶されたデータと比較する対データ比較手段36と、この比較結果に基づいて移動機10の位置を推定する位置計算手段38と、を備えている点である。なお、対データ比較手段36と、位置計算手段38とが、移動機位置推定手段を構成している。
【0184】
本実施形態の移動通信システム280では、予め、以下のようにして、サービス提供領域内で複数の地点に移動機10を位置させ、当該位置毎に基地局20で取得される電力P(i)の変化をこの移動機10の位置と対応づけて記憶する。ここで、k番目の地点に存在する移動機10から得られる各々の減衰率の組合せD(i)に対応する電力P(i)を、Pk(i)、k=1、2、…、Kとする。Kは地点の数である。
【0185】
図44に示すように、親装置18は、まず、k=1番目の地点に存在する移動機を測定対象とし(S40)、測定対象となる移動機10への信号を基地局20から受信し(S150)、測定対象となる移動機10への信号を複数の子装置12、14、16へ送出するために分配し(S152)、複数の子装置12、14、16へ分配送信される信号それぞれの減衰率をあらかじめ定められた減衰率の組合せD(i)の中で最初の組合せD(1)に決定する(S104)。
【0186】
減衰率が決定された後、親装置18は複数の子装置12,14,16へ分配送信される信号を決定された減衰率の組合せD(i)でそれぞれ独立に減衰し(S106)、それらの信号を各々子装置12,14,16へ送信する(S108)。そして、減衰率の組合せが、最後の組合せD(M)でなければ(S12)、減衰率を次の組合せD(i+1)として(S110)、S106へ戻る。一方、減衰率の組合せが、最後の組合せD(M)であれば(S12)、基地局20の処理へ移る(結合子a3)。
【0187】
移動機10では、図45に示すように、複数の子装置12,14,16を経由して送られてくる基地局20からの信号を合成して信号R(i)とし、この信号の電力P(i)を測定し(S120)、その電力P(i)を基地局20に送出する(S122)。基地局20では、図46に示すように、移動機10から送信された電力P(i)を受信し(S130)、k番目の地点における電力Pk(i)をk番目の地点の場所と対応付けて記憶する(S50)。なお、このとき、採用された減衰率の組合せD(i)も対応づけて記憶される。そして、親装置18の処理へ移る(結合子a5)。
【0188】
親装置18では、図44に示すように、K個の地点全てで測定を実施したか否か判断し(S44)、実施していない場合(S44)、次の地点に存在する移動機10を測定対象として(S46)、S150へ戻る。一方、K個の特定の地点全てで測定を実施した場合(S44)処理を終了する。
【0189】
次に、本実施形態の移動通信システム280において移動機10の位置を推定する動作について、図47の基地局20の処理フローを参照して説明する。基地局20では、同様にして移動機10から送られてくる電力P(i)を取得し(S130)、この電力P(i)と受信電力変化記憶手段34に予め記憶された移動機10の各位置kに対応する電力P(i)とを比較し(S140)、比較結果から移動機10の位置を推定する(S32)。ここで、例えば、上述の(1)式に示すような評価関数を用いて、最も小さなδkを与えるk番目の地点を移動機10の推定位置とすることが好ましい。
【0190】
このように、本実施形態の移動通信システム280によれば、予め移動機10の位置毎に、上記減衰率の組合せの変化に起因する、合成してなる信号の電力の変化をデータベースとして記憶しておき、位置の不明な移動機10について取得された電力の変化をこのデータベースと比較することにより、移動機の位置が容易に推定される。
【0191】
【発明の効果】
本発明の移動通信システムは、子装置が移動機から各々受信した信号を、子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰した後に親装置で合成させると共に、この減衰率の組合せを所定の規則に基づいて変化させる。そして、減衰率の組合せを変化させたときの、合成された信号の電力に関する情報の変化に基づいて、各々の子装置が移動機から受信した信号の電力の大きさに関する情報を得る。このとき、各々の子装置が移動機から受信する信号の電力は、当該子装置が移動機に近いほど大きくなるので、この電力の大きさに関する情報に基づいて、移動機から各々の子装置までの距離が推定され、移動機の位置が推定される。
【0192】
本発明の移動通信システムは、親装置から分配された信号を子装置毎に設定される減衰率の組合せで個別に減衰させた後に当該子装置に各々送信し移動機に送信させると共に、この減衰率の組合せを変化させる。また、移動機において、これらの減衰された信号を合成してなる信号の電力に関する情報が、各々の減衰率の組合せについて取得・送信され、この移動機から送信される電力に関する情報を電力取得手段により取得する。そして、減衰率の組合せを変化させたときの、合成してなる信号の電力に関する情報の変化に基づいて、移動機が各々の子装置から受信した信号の電力の大きさに関する情報が得られる。ここで、移動機が各々の子装置から受信する信号の電力は、移動機との距離が近い子装置からの信号ほど大きくなるので、この電力の大きさに関する情報に基づいて、移動機から子装置までの距離が推定され、移動機の位置が推定される。
【0193】
本発明の移動機は、各々の子装置からの信号を合成してなる信号の、電力に関する情報を無線送信するので、上記発明が好適に実施される。
【0194】
本発明の移動機の位置推定方法は、子装置が移動機から各々受信した信号を、子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰した後に親装置で合成させると共に、この減衰率の組合せを所定の規則に基づいて変化させる。そして、減衰率の組合せを変化させたときの、合成された信号の電力に関する情報の変化に基づいて、各々の子装置が移動機から受信した信号の電力の大きさに関する情報が得られる。このとき、各々の子装置が移動機から受信する信号の電力は、当該子装置が移動機に近いほど大きくなるので、この電力の大きさに関する情報に基づいて、移動機から各々の子装置までの距離が推定され、移動機の位置が推定される。
【0195】
本発明の移動機の位置推定方法は、親装置から分配された信号を子装置毎に設定される減衰率の組合せで個別に減衰させた後に当該子装置に各々送信して移動機に送信させると共に、この減衰率の組合せを変化させる。また、移動機において、これらの減衰された信号を合成してなる信号の電力に関する情報が、各々の減衰率の組合せについて取得・送信され、この移動機から送信される電力に関する情報を電力取得ステップにより取得する。そして、減衰率の組合せを変化させたときの、合成してなる信号の電力に関する情報の変化に基づいて、移動機が各々の子装置から受信した信号の電力の大きさに関する情報が得られる。ここで、移動機が各々の子装置から受信する信号の電力は、移動機との距離が近い子装置からの信号ほど大きくなるので、この電力の大きさに関する情報に基づいて、移動機から子装置までの距離が推定され、移動機の位置が推定される。
【0196】
そして、上述の発明においては、基地局回りに面的に広がって複数設置されている子装置の単位で移動機の存在位置を推定できるため、基地局の単位で移動機の位置を推定するのに比して精度良く移動機の位置推定をすることができる。また、減衰率の組合せの変化に起因する合成された信号の電力の変化を測定するので、複数の子装置と移動機との間の信号に子装置を識別する識別符号を付与する必要がなく、現状のようにこの複数の子装置と移動機との間で基地局識別符号のみが送受信される移動通信システムにも容易に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る移動通信システムの概略構成図である。
【図2】図1の移動通信システムの基地局と親装置の詳細を示す構成図である。
【図3】図1の移動通信システムの親装置の処理フローを示す図である。
【図4】図1の移動通信システムの基地局の処理フローを示す図である。
【図5】第2実施形態に係る移動通信システムの構成図である。
【図6】図5の移動通信システムのパターン1減衰率変化手段が設定する減衰率の組合せを示す図である。
【図7】図5の移動通信システムの親装置の処理フローを示す図である。
【図8】第3実施形態に係る移動通信システムの構成図である。
【図9】図8の移動通信システムの基地局の処理フローを示す図である。
【図10】図8の移動通信システムの受信電力測定手段が取得する受信電力の変化の例を示す図である。
【図11】第4実施形態に係る移動通信システムの構成図である。
【図12】図11の移動通信システムの基地局の処理フローを示す図である。
【図13】第5実施形態に係る移動通信システムの構成図である。
【図14】図13の移動通信システムのパターン2減衰率変化手段が設定する減衰率の組合せを示す図である。
【図15】図13の移動通信システムの親装置の処理フローを示す図である。
【図16】第6実施形態に係る移動通信システムの構成図である。
【図17】図16の移動通信システムの基地局の処理フローを示す図である。
【図18】図16の移動通信システムの受信電力測定手段が取得する受信電力の変化の例を示す図である。
【図19】第7実施形態に係る移動通信システムの構成図である。
【図20】図19の移動通信システムの基地局の処理フローを示す図である。
【図21】第8実施形態に係る移動通信システムの構成図である。
【図22】図21の移動通信システムにおいて、サービス提供領域内の所定の場所に位置する移動機からの信号の電力の時間変化を予め記憶する際の親装置の処理のフローを示す図である。
【図23】図21の移動通信システムにおいて、サービス提供領域内の所定の場所に位置する移動機からの信号の電力の時間変化を予め記憶する際の基地局の処理のフローを示す図である。
【図24】図21の移動通信システムにおいて、移動機の位置推定における基地局の処理フローを示す図である。
【図25】第9実施形態の移動通信システムの構成図である。
【図26】図25の移動通信システムの親装置の処理フローを示す図である。
【図27】図25の移動通信システムの移動機の処理フローを示す図である。
【図28】図25の移動通信システムの基地局の処理フローを示す図である。
【図29】第10実施形態の移動通信システムの構成図である。
【図30】図29の移動通信システムの親装置の処理フローを示す図である。
【図31】第11実施形態の移動通信システムの構成図である。
【図32】図31の移動通信システムの基地局の処理フローを示す図である。
【図33】図31の移動通信システムの受信電力測定手段が取得する受信電力の変化の例を示す図である。
【図34】第12実施形態の移動通信システムの構成図である。
【図35】図34の移動通信システムの基地局の処理フローを示す図である。
【図36】第13実施形態の移動通信システムの構成図である。
【図37】図36の移動通信システムの親装置の処理フローを示す図である。
【図38】第14実施形態の移動通信システムの構成図である。
【図39】図38の移動通信システムの基地局の処理フローを示す図である。
【図40】図38の移動通信システムの受信電力測定手段が取得する受信電力の変化の例を示す図である。
【図41】第15実施形態の移動通信システムの構成図である。
【図42】図41の移動通信システムの基地局の処理フローを示す図である。
【図43】第16実施形態の移動通信システムの構成図である。
【図44】図43の移動通信システムにおいて、サービス提供領域内の所定の場所に位置する移動機での信号の電力の時間変化を予め記憶する際の親装置の処理のフローを示す図である。
【図45】図43の移動通信システムにおいて、サービス提供領域内の所定の場所に位置する移動機での信号の電力の時間変化を予め記憶する際の移動機の処理のフローを示す図である。
【図46】図43の移動通信システムにおいて、サービス提供領域内の所定の場所に位置する移動機での信号の電力の時間変化を予め記憶する際の基地局の処理のフローを示す図である。
【図47】図43の移動通信システムにおいて、移動機の位置推定における基地局の処理フローを示す図である。
【符号の説明】
10…移動機、12,14,16…子装置、12A,14A…孫装置、18…親装置、20…基地局、24…減衰手段、26…減衰率変化手段、28…受信電力測定手段(電力測定手段)、34…受信電力変化記憶手段(位置別電力変化記憶手段)、40…パターン1減衰率変化手段(減衰率変化手段)、48…移動機推定位置算出手段(移動機位置取得手段)、50…パターン2減衰率変化手段(減衰率変化手段)、111…送信手段、112…受信手段(電力取得手段)、110,120,130,140,150,160,170,180,210,220,230,240,250,260,270,280…移動通信システム。
Claims (38)
- 所定の領域内で離間配置され移動機からの信号を各々無線受信する複数の子装置と、前記複数の子装置が各々受信した信号を合成し基地局に送信する親装置と、を備える移動通信システムにおいて、
前記子装置からの信号を、前記子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰させ、減衰された信号を合成させる減衰手段と、
前記減衰率の組合せを所定の規則に基づいて変化させる減衰率変化手段と、
前記変化される各々の減衰率の組合せのもとで、前記合成された信号の電力に関する情報を測定する電力測定手段と、
前記減衰率の組合せを変化させたときの前記電力に関する情報の変化に基づいて前記移動機の位置を推定する移動機位置推定手段と、
を備え、
前記減衰率変化手段は、前記所定の規則として、前記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に係る信号に対する減衰率が、他の子装置に係る信号に対する減衰率よりも高くなるように前記減衰率の組合せを変化させることを特徴とする移動通信システム。 - 前記移動機位置推定手段は、
前記各々の減衰率の組合せのもとでの前記電力の最小値を取得すると共に、前記最小値が得られた際に前記減衰率変化手段で選択された1つの子装置を特定する最小値対応子装置特定手段と、
前記特定された子装置の位置を前記移動機の位置として取得する移動機位置取得手段と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の移動通信システム。 - 前記子装置に接続され、前記移動機からの信号を無線受信すると共に当該信号を当該子装置を介して前記親装置に送信する孫装置を有し、
前記移動機位置取得手段は、前記最小値対応子装置特定手段により特定された子装置と、当該子装置に接続された孫装置と、の平均位置を取得し当該平均位置を前記移動機の位置として取得することを特徴とする、請求項2に記載の移動通信システム。 - 所定の領域内で離間配置され移動機からの信号を各々無線受信する複数の子装置と、前記複数の子装置が各々受信した信号を合成し基地局に送信する親装置と、を備える移動通信システムにおいて、
前記子装置からの信号を、前記子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰させ、減衰された信号を合成させる減衰手段と、
前記減衰率の組合せを所定の規則に基づいて変化させる減衰率変化手段と、
前記変化される各々の減衰率の組合せのもとで、前記合成された信号の電力に関する情報を測定する電力測定手段と、
前記減衰率の組合せを変化させたときの前記電力に関する情報の変化に基づいて前記移動機の位置を推定する移動機位置推定手段と、
を備え、
前記減衰率変化手段は、前記所定の規則として、前記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に係る信号に対する減衰率が、他の子装置に係る信号に対する減衰率よりも低くなるように前記減衰率の組合せを変化させること、を特徴とする移動通信システム。 - 前記移動機位置推定手段は、
前記各々の減衰率の組合せのもとでの前記電力の最大値を取得すると共に、前記最大値が得られた際に前記減衰率変化手段で選択された1つの子装置を特定する最大値対応子装置特定手段と、
前記特定された子装置の位置を前記移動機の位置として取得する移動機位置取得手段と、
を備えることを特徴とする、請求項4に記載の移動通信システム。 - 前記子装置に接続され、前記移動機からの信号を無線受信すると共に当該信号を当該子装置を介して前記親装置に送信する孫装置を有し、
前記移動機位置取得手段は、前記最大値対応子装置特定手段により特定された子装置と、当該子装置に接続された孫装置と、の平均位置を取得し当該平均位置を前記移動機の位置として取得することを特徴とする、請求項5に記載の移動通信システム。 - 前記変化される各々の減衰率の組合せのもとでの前記電力に関する情報の変化が、前記領域内における移動機の位置と対応づけて予め記憶された位置別電力変化記憶手段を備え、
前記移動機位置推定手段は、前記電力測定手段によって測定された前記電力に関する情報の変化と、前記位置別電力変化記憶手段に記憶された電力に関する情報の変化と、を比較して、前記移動機の前記領域内での位置を推定することを特徴とする、請求項1又は4に記載の移動通信システム。 - 前記減衰手段は、前記子装置が受信した信号をハードウェア的に減衰させることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の移動通信システム。
- 前記減衰手段は、前記子装置が受信した信号をソフトウェア的に減衰させることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の移動通信システム。
- 基地局からの信号を受信して複数に分配する親装置と、所定の領域内で離間配置され前記親装置で分配された信号を各々受信して移動機に対して無線送信すると共に前記移動機からの信号を無線受信する複数の子装置と、を備える移動通信システムにおいて、
前記親装置で分配された信号を、前記子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰させ、減衰された信号を当該子装置に各々送信する減衰手段と、
前記減衰率の組合せを所定の規則に基づいて変化させる減衰率変化手段と、
前記移動機から送信される、前記変化される各々の減衰率の組合せのもとでの、前記移動機が前記複数の子装置から受信する各々の信号を合成してなる信号の電力に関する情報を取得する電力取得手段と、
前記減衰率の組合せを変化させたときの前記電力に関する情報の変化に基づいて前記移動機の位置を推定する移動機位置推定手段と、
を備え、
前記減衰率変化手段は、前記所定の規則として、前記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に送信する信号に対する減衰率が、他の子装置に送信する信号に対する減衰率よりも高くなるように前記減衰率の組合せを変化させることを特徴とする移動通信システム。 - 前記移動機位置推定手段は、
前記各々の減衰率の組合せのもとでの前記電力の最小値を取得すると共に、前記最小値が得られた際に前記減衰率変化手段で選択された1つの子装置を特定する最小値対応子装置特定手段と、
前記特定された子装置の位置を前記移動機の位置として取得する移動機位置取得手段と、
を備えることを特徴とする、請求項10に記載の移動通信システム。 - 前記子装置に接続され、前記子装置から送信される信号を中継して前記移動機に対して無線送信する孫装置を有し、
前記移動機位置取得手段は、前記最小値対応子装置特定手段が特定した子装置と、当該子装置に接続された孫装置と、の平均位置を取得し当該平均位置を前記移動機の位置として取得することを特徴とする、請求項11に記載の移動通信システム。 - 基地局からの信号を受信して複数に分配する親装置と、所定の領域内で離間配置され前記親装置で分配された信号を各々受信して移動機に対して無線送信すると共に前記移動機からの信号を無線受信する複数の子装置と、を備える移動通信システムにおいて、
前記親装置で分配された信号を、前記子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰させ、減衰された信号を当該子装置に各々送信する減衰手段と、
前記減衰率の組合せを所定の規則に基づいて変化させる減衰率変化手段と、
前記移動機から送信される、前記変化される各々の減衰率の組合せのもとでの、前記移動機が前記複数の子装置から受信する各々の信号を合成してなる信号の電力に関する情報を取得する電力取得手段と、
前記減衰率の組合せを変化させたときの前記電力に関する情報の変化に基づいて前記移動機の位置を推定する移動機位置推定手段と、
を備え、
前記減衰率変化手段は、前記所定の規則として、前記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に送信する信号に対する減衰率が、他の子装置に送信する信号に対する減衰率よりも低くなるように前記減衰率の組合せを変化させることを特徴とする移動通信システム。 - 前記移動機位置推定手段は、
前記各々の減衰率の組合せのもとでの前記電力の最大値を取得すると共に、前記最大値が得られた際に前記減衰率変化手段で選択された1つの子装置を特定する最大値対応子装置特定手段と、
前記特定された子装置の位置を前記移動機の位置として取得する移動機位置取得手段と、
を備えることを特徴とする、請求項13に記載の移動通信システム。 - 前記子装置に接続され、前記子装置から送信される信号を中継して前記移動機に対して無線送信する孫装置を有し、
前記移動機位置取得手段は、前記最大値対応子装置特定手段が特定した子装置と、当該子装置に接続された孫装置と、の平均位置を取得し当該平均位置を前記移動機の位置として取得することを特徴とする、請求項14に記載の移動通信システム。 - 前記変化される各々の減衰率の組合せのもとでの前記電力に関する情報の変化が、前記領域内における移動機の位置と対応づけて予め記憶された位置別電力変化記憶手段を備え、
前記移動機位置推定手段は、前記電力取得手段によって取得された前記電力に関する情報の変化と、前記位置別電力変化記憶手段に記憶された電力に関する情報の変化とを比較して、前記移動機の前記領域内での位置を推定することを特徴とする、請求項10又は13に記載の移動通信システム。 - 前記減衰手段は、前記親装置が分配する信号をハードウェア的に減衰させることを特徴とする、請求項10〜16の何れか一項に記載の移動通信システム。
- 前記減衰手段は、前記親装置が分配する信号をソフトウェア的に減衰させることを特徴とする、請求項10〜16の何れか一項に記載の移動通信システム。
- 基地局からの信号を受信して複数に分配する親装置と、所定の領域内で離間配置され前記親装置で分配された信号を各々受信して無線送信する複数の子装置と、前記親装置で分配された信号を前記子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰させ、減衰された信号を当該子装置に各々送信する減衰手段と、前記減衰率の組合せを所定の規則に基づいて変化させる減衰率変化手段と、を備える移動通信システムにおける前記子装置から信号を無線受信すると共に前記子装置に対して信号を無線送信する移動機であって、
前記減衰率変化手段は、前記所定の規則として、前記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に送信する信号に対する減衰率が、他の子装置に送信する信号に対する減衰率よりも高くなるように前記減衰率の組合せを変化され、
前記変化される各々の減衰率の組合せのもとで、前記複数の子装置から受信した各々の信号を合成し、当該合成してなる信号の電力に関する情報を測定する電力測定手段と、
当該合成してなる信号の電力に関する情報を前記子装置に無線送信する送信手段と、を備えることを特徴とする移動機。 - 基地局からの信号を受信して複数に分配する親装置と、所定の領域内で離間配置され前記親装置で分配された信号を各々受信して無線送信する複数の子装置と、前記親装置で分配された信号を前記子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰させ、減衰された信号を当該子装置に各々送信する減衰手段と、前記減衰率の組合せを所定の規則に基づいて変化させる減衰率変化手段と、を備える移動通信システムにおける前記子装置から信号を無線受信すると共に前記子装置に対して信号を無線送信する移動機であって、
前記減衰率変化手段は、前記所定の規則として、前記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に送信する信号に対する減衰率が、他の子装置に送信する信号に対する減衰率よりも低くなるように前記減衰率の組合せを変化され、
前記変化される各々の減衰率の組合せのもとで、前記複数の子装置から受信した各々の信号を合成し、当該合成してなる信号の電力に関する情報を測定する電力測定手段と、
当該合成してなる信号の電力に関する情報を前記子装置に無線送信する送信手段と、を備えることを特徴とする移動機。 - 所定の領域内で離間配置され移動機からの信号を各々無線受信する複数の子装置と、前記複数の子装置が各々受信した信号を合成し基地局に送信する親装置と、を備える移動通信システムにおける移動機の位置推定方法において、
前記子装置からの信号を、前記子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰させ、減衰された信号を合成させる減衰ステップと、
前記減衰率の組合せを所定の規則に基づいて変化させる減衰率変化ステップと、
前記変化される各々の減衰率の組合せのもとで、前記合成された信号の電力に関する情報を測定する電力測定ステップと、
前記減衰率の組合せを変化させたときの前記電力に関する情報の変化に基づいて前記移動機の位置を推定する移動機位置推定ステップと、
を含み、
前記減衰率変化ステップは、前記所定の規則として、前記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に係る信号に対する減衰率が、他の子装置に係る信号に対する減衰率よりも高くなるように前記減衰率の組合せを変化させることを特徴とする移動機の位置推定方法。 - 前記移動機位置推定ステップは、
前記各々の減衰率の組合せのもとでの前記電力の最小値を取得すると共に、前記最小値が得られた際に前記減衰率変化ステップで選択された1つの子装置を特定する最小値対応子装置特定ステップと、
前記特定された子装置の位置を前記移動機の位置として取得する移動機位置取得ステップと、
を含むことを特徴とする、請求項21に記載の移動機の位置推定方法。 - 前記子装置に接続され、前記移動機からの信号を無線受信すると共に当該信号を当該子装置を介して前記親装置に送信する孫装置を有し、
前記移動機位置取得ステップは、前記最小値対応子装置特定ステップにより特定された子装置と、当該子装置に接続された孫装置と、の平均位置を取得し当該平均位置を前記移動機の位置として取得することを特徴とする、請求項22に記載の移動機の位置推定方法。 - 所定の領域内で離間配置され移動機からの信号を各々無線受信する複数の子装置と、前記複数の子装置が各々受信した信号を合成し基地局に送信する親装置と、を備える移動通信システムにおける移動機の位置推定方法において、
前記子装置からの信号を、前記子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰させ、減衰された信号を合成させる減衰ステップと、
前記減衰率の組合せを所定の規則に基づいて変化させる減衰率変化ステップと、
前記変化される各々の減衰率の組合せのもとで、前記合成された信号の電力に関する情報を測定する電力測定ステップと、
前記減衰率の組合せを変化させたときの前記電力に関する情報の変化に基づいて前記移動機の位置を推定する移動機位置推定ステップと、
を含み、
前記減衰率変化ステップは、前記所定の規則として、前記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に係る信号に対する減衰率が、他の子装置に係る信号に対する減衰率よりも低くなるように前記減衰率の組合せを変化させることを特徴とする移動機の位置推定方法。 - 前記移動機位置推定ステップは、
前記各々の減衰率の組合せのもとでの前記電力の最大値を取得すると共に、前記最大値が得られた際に前記減衰率変化ステップで選択された1つの子装置を特定する最大値対応子装置特定ステップと、
前記特定された子装置の位置を前記移動機の位置として取得する移動機位置取得ステップと、
を含むことを特徴とする、請求項24に記載の移動機の位置推定方法。 - 前記子装置に接続され、前記移動機からの信号を無線受信すると共に当該信号を当該子装置を介して前記親装置に送信する孫装置を有し、
前記移動機位置取得ステップは、前記最大値対応子装置特定ステップにより特定された子装置と、当該子装置に接続された孫装置と、の平均位置を取得し当該平均位置を前記移動機の位置として取得することを特徴とする、請求項25に記載の移動機の位置推定方法。 - 前記変化される各々の減衰率の組合せのもとでの前記電力に関する情報の変化が、前記領域内における移動機の位置と対応づけて予め記憶された位置別電力変化記憶ステップを含み、
前記移動機位置推定ステップは、前記電力測定ステップによって測定された前記電力に関する情報の変化と、前記位置別電力変化記憶ステップによって記憶された電力に関する情報の変化と、を比較して、前記移動機の前記領域内での位置を推定することを特徴とする、請求項21又は24に記載の移動機の位置推定方法。 - 前記減衰ステップは、前記子装置が受信した信号をハードウェア的に減衰させることを特徴とする、請求項21〜27の何れか一項に記載の移動機の位置推定方法。
- 前記減衰ステップは、前記子装置が受信した信号をソフトウェア的に減衰させることを特徴とする、請求項21〜27の何れか一項に記載の移動機の位置推定方法。
- 基地局からの信号を受信して複数に分配する親装置と、所定の領域内で離間配置され前記親装置で分配された信号を各々受信して移動機に対して無線送信すると共に前記移動機からの信号を無線受信する複数の子装置と、を備える移動通信システムにおける移動機の位置推定方法において、
前記親装置で分配された信号を、前記子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰させ、減衰された信号を当該子装置に各々送信する減衰ステップと、
前記減衰率の組合せを所定の規則に基づいて変化させる減衰率変化ステップと、
前記移動機から送信される、前記変化される各々の減衰率の組合せのもとでの、前記移動機が前記複数の子装置から受信する各々の信号を合成してなる信号の電力に関する情報を取得する電力取得ステップと、
前記減衰率の組合せを変化させたときの前記電力に関する情報の変化に基づいて前記移動機の位置を推定する移動機位置推定ステップと、
を含み、
前記減衰率変化ステップは、前記所定の規則として、前記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に送信する信号に対する減衰率が、他の子装置に送信する信号に対する減衰率よりも高くなるように前記減衰率の組合せを変化させる移動機の位置推定方法。 - 前記移動機位置推定ステップは、
前記各々の減衰率の組合せのもとでの前記電力の最小値を取得すると共に、前記最小値が得られた際に前記減衰率変化ステップで選択された1つの子装置を特定する最小値対応子装置特定ステップと、
前記特定された子装置の位置を前記移動機の位置として取得する移動機位置取得ステップと、
を含むことを特徴とする、請求項30に記載の移動機の位置推定方法。 - 前記子装置に接続され、前記子装置から送信される信号を中継して前記移動機に対して無線送信する孫装置を有し、
前記移動機位置取得ステップは、前記最小値対応子装置特定ステップが特定した子装置と、当該子装置に接続された孫装置と、の平均位置を取得し当該平均位置を前記移動機の位置として取得することを特徴とする、請求項31に記載の移動機の位置推定方法。 - 基地局からの信号を受信して複数に分配する親装置と、所定の領域内で離間配置され前記親装置で分配された信号を各々受信して移動機に対して無線送信すると共に前記移動機からの信号を無線受信する複数の子装置と、を備える移動通信システムにおける移動機の位置推定方法において、
前記親装置で分配された信号を、前記子装置毎に設定される減衰率の組合せで各々減衰させ、減衰された信号を当該子装置に各々送信する減衰ステップと、
前記減衰率の組合せを所定の規則に基づいて変化させる減衰率変化ステップと、
前記移動機から送信される、前記変化される各々の減衰率の組合せのもとでの、前記移動機が前記複数の子装置から受信する各々の信号を合成してなる信号の電力に関する情報を取得する電力取得ステップと、
前記減衰率の組合せを変化させたときの前記電力に関する情報の変化に基づいて前記移動機の位置を推定する移動機位置推定ステップと、
を含み、
前記減衰率変化ステップは、前記所定の規則として、前記複数の子装置から順に選択する1つの子装置に送信する信号に対する減衰率が、他の子装置に送信する信号に対する減衰率よりも低くなるように前記減衰率の組合せを変化させる移動機の位置推定方法。 - 前記移動機位置推定ステップは、
前記各々の減衰率の組合せのもとでの前記電力の最大値を取得すると共に、前記最大値が得られた際に前記減衰率変化ステップで選択された1つの子装置を特定する最大値対応子装置特定ステップと、
前記特定された子装置の位置を前記移動機の位置として取得する移動機位置取得ステップと、
を含むことを特徴とする、請求項33に記載の移動機の位置推定方法。 - 前記子装置に接続され、前記子装置から送信される信号を中継して前記移動機に対して無線送信する孫装置を有し、
前記移動機位置取得ステップは、前記最大値対応子装置特定ステップが特定した子装置と、当該子装置に接続された孫装置と、の平均位置を取得し当該平均位置を前記移動機の位置として取得することを特徴とする、請求項34に記載の移動機の位置推定方法。 - 前記変化される各々の減衰率の組合せのもとでの前記電力に関する情報の変化が、前記領域内における移動機の位置と対応づけて予め記憶された位置別電力変化記憶ステップを有し、
前記移動機位置推定ステップは、前記電力取得ステップによって取得された前記電力に関する情報の変化と、前記位置別電力変化記憶ステップによって記憶された電力に関する情報の変化とを比較して、前記移動機の前記領域内での位置を推定することを特徴とする、請求項30又は33に記載の移動機の位置推定方法。 - 前記減衰ステップは、前記親装置が分配する信号をハードウェア的に減衰させることを特徴とする、請求項30〜36の何れか一項に記載の移動機の位置推定方法。
- 前記減衰ステップは、前記親装置が分配する信号をソフトウェア的に減衰させることを特徴とする、請求項30〜36の何れか一項に記載の移動機の位置推定方法。
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