JP4170784B2 - 蒸気弁および蒸気弁の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気タービンの主蒸気管や再熱蒸気管の高温高圧蒸気の流量制御に適用可能な蒸気弁および蒸気弁の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1960年代後半に、蒸気圧力24.1MPa、蒸気温度538/566℃の一段再熱の蒸気条件がわが国の事業用火力タービンの標準的なものとして確立されてからは、最近に至るまで事業用火力タービンの画期的な進展はみられなかった。しかし、オイルショック以来、省エネルギー化が強力に推進され、また、その後の地球温暖化問題に対する急速な関心の高まりから火力発電プラントの高効率化が押し進められている。
【0003】
火力発電プラントにおいて熱効率を上げるためには、蒸気タービンに流入する蒸気の高温化および高圧化が最も有効な手段であり、現在、蒸気圧力35MPa、蒸気温度650℃以上の蒸気条件の採用が検討されている。
【0004】
図26は、従来の蒸気弁200の断面図を示す。この蒸気弁200は、弁本体201に上蓋202をボルト203にて固定して構成される圧力容器部204と、弁棒205が取り付けられた主弁206、弁棒205を摺動可能に支持する案内片207、蒸気中の異物を捕捉するストレーナ208および弁本体201に固着した弁座209から構成される蒸気通路部210とから構成されている。
【0005】
弁棒205は、ブランケット211を介してボルト212により弁本体201に固定されたアクチュエータ(図示しない)によって、上下方向に作動させられる。また、案内片207は、ボルト213によりブランケット211に固定されている。
【0006】
蒸気は、蒸気弁200の蒸気流入孔214から流入し、主弁206と弁座209の間に形成される流路を通過して、蒸気流出孔215から流出する。
【0007】
従来の蒸気弁200の弁本体201の材料として、クロム、モリブデンを添加することにより高温強度を増し、さらにこれらの添加物による材料表面の不安定現象を抑えるためにバナジウムを添加したクロム−モリブデン−バナジウム鋳鋼材が広く使用されていた。また、従来の弁本体201は、図19に示すように、複雑な形状を有しているので、鋳造による製造が最適の方法とされていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特公平7−54089号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の弁本体は、複雑な形状であるために、構造上各部分の肉厚が不均一となり、蒸気タービンの起動時などにおいて、厚肉部の内外面の間の温度差による多大な熱応力が発生するという問題があった。
【0010】
また、火力発電プラントにおける熱効率の向上のため、蒸気弁に作用する蒸気圧力や蒸気温度を上昇させようとすると、さらに大きな熱応力が発生するという問題があった。
【0011】
さらに、現在の火力発電プラントにおいて使用されている各種材料の使用限界温度は600℃程度であるが、火力発電プラントにおける熱効率の向上のため、近い将来さらに、蒸気の高温化および高圧化が進められるのは明らかである。そこで、蒸気の高温化および高圧化に対応することができる蒸気弁の開発が求められている。
【0012】
そこで本発明は、高温化および高圧化された蒸気条件においても、熱応力を緩和することができ、蒸気弁の信頼性を維持することができる蒸気弁および蒸気弁の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の蒸気弁は、蒸気の流入孔が穿設され、球状の弁室を有する第1の弁本体と、前記流入孔の周囲に形成された第1の補強部と、前記流入孔に連通するように前記第1の弁本体に溶着された蒸気流入部と、前記第1の弁本体と連通し、蒸気の流出孔が穿設され、球状の弁室を有する第2の弁本体と、前記流出孔の周囲に形成された第2の補強部と、前記流出孔に連通するように前記第2の弁本体に溶着された蒸気流出部とを具備し、前記第1の弁本体および前記第2の弁本体の内外面、並びに前記第1の補強部および前記第2の補強部が機械加工によって形成され、かつ前記第1の弁本体、前記第2の弁本体、前記第1の補強部および前記第2の補強部が一体的に形成されたことを特徴とする。
【0014】
この蒸気弁によれば、第1の弁本体および第2の弁本体の形状を球状とし、補強部を設けることで、弁本体全体の肉厚を薄く構成することができ、重量を軽減、製作コストの削減を図ることができる。
【0015】
また、第1の弁本体および第2の弁本体の形状を球状とすることで、発生する熱応力そのものの絶対値を低く抑えることができる。さらに、球状で構成される第1の弁本体および第2の弁本体は、機械加工で製作されるため、壁部の肉厚を均一かつ薄肉化することができるので、蒸気タービン起動時等の熱応力を緩和することができる。これによって、蒸気弁の信頼性を向上させることができる。また、高温化および高圧化された蒸気条件においても、熱応力を緩和することができ、蒸気弁の信頼性を維持することができる。
【0016】
また、本発明の蒸気弁は、蒸気の流入孔が穿設され、球状の弁室を有する弁本体と、
前記流入孔の周囲に形成された補強部と、前記流入孔に連通するように前記弁本体に溶着された蒸気流入部と、前記弁本体の外形を形成する際の機械加工の中心軸に沿って形成された蒸気流出部とを具備し、前記弁本体の内外面、前記補強部および前記蒸気流出部が機械加工によって形成され、かつ一体的に形成されたことを特徴とする。
【0017】
この蒸気弁によれば、弁本体の形状を簡素化し、弁本体自体の全長を短くすることができ、重量を軽減、製作コストの削減を図ることができる。
【0018】
また、蒸気出口管は、機械加工によって弁本体と一体化して製作されるため、弁本体では、熱応力が集中しやすい蒸気出口管の構造溶接部が存在しない。これによって、弁本体における熱応力の集中を回避することができるので、蒸気弁としての品質を格段に向上させることができる。
【0019】
本発明の蒸気弁の製造方法は、蒸気弁の弁本体を形成する弁本体製造過程と、前記弁本体製造過程において形成された弁本体に蒸気流入部および蒸気流出部を形成する蒸気流入出部製造過程とを備えた蒸気弁の製造方法であって、前記弁本体製造過程が、第1の軸を機械加工の中心軸として、素材を機械加工により、前記第1の軸を回転軸とした回転体形状である、2つの球体が連結した形状に切削する外形形成工程と、前記外形形成工程によって外周が機械加工により切削された前記素材に、前記第1の軸を中心軸として貫通孔を機械加工により形成する貫通孔形成工程と、前記第1の軸と直交し、前記外形形成工程で形成された前記2つの球体のうち一方の球体の中心を通る第2の軸を中心軸として、該一方の球体に第1の凹部を機械加工により切削する第1の凹部形成工程と、前記第1の凹部形成工程によって形成された凹部を有する前記一方の球体の内部を、前記第2の軸を中心軸として機械加工により切削し、ほぼ球状の空間を形成し、かつ、前記第1の凹部の開口部の周囲に補強部を形成する第1の空間形成工程と、前記第1の軸と直交し、前記外形形成工程で形成された前記2つの球体のうち他方の球体の中心を通る第3の軸を中心軸として、該他方の球体に第2の凹部を機械加工により切削する第2の凹部形成工程と、前記第2の凹部形成工程によって形成された凹部を有する前記他方の球体の内部を、前記第3の軸を中心軸として機械加工により切削し、ほぼ球状の空間を形成し、かつ、前記第2の凹部の開口部の周囲に補強部を形成する第2の空間形成工程とを備え、前記蒸気流入出部製造過程が、前記第1の凹部形成工程によって形成された開口部に連通するように前記一方の球体に蒸気流入部を溶着する蒸気流入部溶着工程と、前記第2の凹部形成工程によって形成された開口部に連通するように前記他方の球体に蒸気流出部を溶着する蒸気流出部溶着工程とを備えることを特徴とする。
【0020】
この蒸気弁の製造方法によれば、蒸気弁の外周面の機械加工の中心軸と内周面の機械加工の中心軸とを別個に設定し、蒸気弁の外周面および内周面を別個に切削することで、第1および第2の凹部の開口部の周囲に補強部を形成することができる。
【0021】
また、蒸気弁を形成する弁室の形状を球状とし、補強部を設けることで、弁本体全体の肉厚を薄く構成することができ、重量の軽減、製作コストの削減を図ることができる。
【0022】
また、蒸気弁を形成する弁室を球状とすることで、発生する熱応力そのものの絶対値を低く抑えることができる。さらに、弁本体は、機械加工で製作されるため、壁部の肉厚を均一かつ薄肉化することができるので、蒸気タービン起動時等の熱応力を緩和することができる。これによって、蒸気弁の信頼性を向上させることができる。また、高温化および高圧化された蒸気条件においても、熱応力を緩和することができ、蒸気弁の信頼性を維持することができる。
【0023】
また、本発明の蒸気弁の製造方法は、蒸気弁の弁本体を形成する弁本体製造過程と、前記弁本体製造過程において形成された弁本体に蒸気流入部を形成する蒸気流入部製造過程とを備えた蒸気弁の製造方法であって、前記弁本体形成過程が、第1の軸を機械加工の中心軸として、素材を機械加工により、前記第1の軸を回転軸とした回転体形状である球体形状に切削する外形形成工程と、前記外形形成工程によって、外周が機械加工により切削された前記素材に、前記第1の軸を中心軸として貫通孔を機械加工により形成する貫通孔形成工程と、前記第1の軸と直交し、前記外形形成工程で形成された前記球体の中心を通る第2の軸を中心軸として、前記球体に凹部を機械加工により切削する凹部形成工程と、前記凹部形成工程によって形成された凹部を有する前記球体の内部を、前記第2の軸を中心軸として機械加工により切削し、ほぼ球状の空間を形成し、かつ、前記凹部の開口部の周囲に補強部を形成する空間形成工程とを備え、前記蒸気流入部製造過程が、前記凹部形成工程によって形成された開口部に連通するように前記球体に蒸気流入部を溶着する蒸気流入部溶着工程を備えることを特徴とする。
【0024】
この蒸気弁の製造方法によれば、蒸気弁の弁本体の形状を簡素化し、弁本体自体の全長を短くすることができ、重量の軽減、製作コストの削減を図ることができる。
【0025】
また、蒸気出口管は、機械加工によって弁本体と一体化して製作されるため、弁本体では、熱応力の集中しやすい蒸気出口管の構造溶接部が存在しない。これによって、弁本体における熱応力の集中を回避することができるので、蒸気弁としての品質を格段に向上させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態の蒸気弁1の概要を図1を参照して説明する。図1は、第1の実施の形態の蒸気弁1の断面図を示す。図2は、蒸気弁1の弁本体2の断面図を示す。
【0028】
第1の実施の形態の蒸気弁1は、弁本体2、上蓋3、主弁4、弁棒5、案内片6、弁座7、ストレーナ8、ブラケット9で主に構成されている。
【0029】
弁本体2は、蒸気流入側弁本体2aと蒸気流出側弁本体2bとから構成される。蒸気流入側弁本体2aの上部の開口部には、上蓋3がボルト10にて固定されている。また、蒸気流入側弁本体2aと蒸気流出側弁本体2bとの連通部には、弁座7が固着され、その弁座7と上蓋3との間に蒸気中の異物を捕捉するストレーナ8が設置されている。
【0030】
主弁4に取り付けられた弁棒5は、案内片6に摺動可能に支持され、ブラケット9を介してボルト10により蒸気流出側弁本体2bに固定されたアクチュエータ(図示しない)によって、上下方向に作動させられる。
【0031】
蒸気は、蒸気流入側弁本体2aに開口された蒸気流入孔11から流入し、主弁4と弁座7の間に形成される流路を通過して、蒸気流出側弁本体2bに開口された蒸気流出孔12から流出する。また、蒸気流入孔11には蒸気流入管13が、蒸気流出孔12には蒸気流出管14が接続されている。
【0032】
さらに、蒸気流入側弁本体2aの内壁の蒸気流入孔11の周囲には、補強のために補強余肉部15が設けられている。また、蒸気流入側弁本体2aの内壁と同様に、蒸気流出側弁本体2bの内壁の蒸気流出孔12の周囲には、補強のために補強余肉部15が施されている。ここで、補強余肉部15とは、例えば、蒸気流入側弁本体2a側で示すと、蒸気流入側弁本体2aに蒸気流入孔11を設けるために蒸気流入側弁本体2aから取り除かれた体積に相当する蒸気流入側弁本体2aの構成部材を所定の範囲に補った部分をいう。なお、補強余肉部15の算出方法などについては、後述する。
【0033】
なお、補強余肉部15は、蒸気流入側弁本体2aや蒸気流出側弁本体2bの内壁に形成されることに限らず、蒸気流入側弁本体2aおよび蒸気流出側弁本体2bの外壁に形成されてもよい。
【0034】
本発明においては、主に蒸気弁1の弁本体2の構成および製造方法を特徴としているので、以下には、主に弁本体2について図2を参照して説明する。
【0035】
弁本体2の素材は、例えば、大型鋼塊の製造性に優れ高温強度に優れたコバルト基合金鋼などで構成され、鍛造によって形成される。ここで用いられるコバルト基合金鋼は、例えば、コバルトを重量割合で50%以上含むものなどである。
【0036】
鍛造部材は、内在欠陥がなく、鋳造部材に比べ鋳造係数等の設計時に考慮すべき許容応力上の余裕を取る必要がないため、薄肉の弁本体2を形成することができる。弁本体2を薄肉で形成することで、熱応力の発生を緩和することができる。しかし、鍛造にて製作したとしても、造形寸法によってはその効果を十分に得ることが困難な場合があるため、本発明の弁本体2は、各部分の肉厚を精度よく仕上げるために、弁本体2の内外面ともに機械加工で製作された。
【0037】
図2に示した弁本体2は、上述したように、蒸気流入側弁本体2aと蒸気流出側弁本体2bから構成され、弁本体2は、1つの素材から機械加工によって形成される。また、弁本体2は、内外面の全面を機械加工できるように形状の簡素化が図られている。さらに、より蒸気タービン起動時などの熱応力を緩和するために、極力薄肉とするための手段として、弁本体2の最大熱応力が発生する部分に球面体形状を採用し、発生する熱応力そのものの絶対値を低く抑える構造にしている。
【0038】
また、蒸気流入側弁本体2aには、蒸気流入孔11が開口され、蒸気流出側弁本体2bには、蒸気流出孔12が開口されている。弁本体2は、圧力容器でもあり、圧力容器とした場合、弁本体2の胴部に蒸気流入孔11および蒸気流出孔12の貫通穴が開口されているため、強度上不十分となる。そこで、弁本体2では、第一種圧力容器構造規格に基づいて、補強余肉部15が設けられている。
【0039】
ここで、補強余肉部15は、弁本体2の胴部に開口された蒸気流入孔11および蒸気流出孔12により、これらの付近の構造上の強度が低下するのを避けるための補強部として、蒸気流入孔11および蒸気流出孔12の開口部付近に形成される。この補強余肉部15の最小断面積(A)は、次の式によって求めることができる。
【0040】
A = F×tr×d … 式(1)
ここで、dは腐食代を除いた穴の最大径、trは穴のない弁本体2の胴部の計算上必要な厚さ、Fは係数であり、ここでは1とする。
【0041】
図3に、式(1)に基づいて算出した最小断面積で、補強を行った弁本体20と、弁本体20の開口部22に接続された配管21の断面図の一例を示す。補強余肉部である斜線部Bの合計の面積が、式(1)で算出された斜線部Aの面積と等しくなっている。
【0042】
このように、最小断面積で蒸気流入孔11および蒸気流出孔12の開口部付近を補強することで、弁本体2の全体の肉厚を薄くすることができ、製品としてバランスが取れた形状となり、蒸気弁1の総重量および製作コストをともに最小限に抑えることができる。
【0043】
(弁本体2の製作方法)
次に、図4乃至11を参照して、弁本体2の製作方法の一例を説明する。なお、図4乃至11は、弁本体2の各製作工程における断面図を示している。また、ここでは、弁本体2は、例えば、NC複合立旋盤などの工作機器を用いて機械加工によって製作される。
【0044】
図4に示すように、例えば、円柱などの形状をした素材30のY−Y軸を機械加工の中心軸として、素材30を切削し、2つの球体が連結した形状の部分とその2つの球体のY−Y軸方向の両端に円筒部を有する弁本体2の外形を形成する(図5)。
【0045】
弁本体2の外形が形成された素材30の中央に、Y−Y軸に沿って貫通孔31を形成する(図6)。なお、貫通孔31の径は、ブラケット9によって閉じられる蒸気流出側弁本体2bの下部に形成された開口部の径とほぼ等しくしておくことが好ましい。
【0046】
さらに、蒸気流出側弁本体2bに設置される案内片6の固定部、蒸気流入側弁本体2aと蒸気流出側弁本体2bとの連通部に設置される弁座7の固定部および蒸気流出側弁本体2bに設置される上蓋3の固定部における径に対応する径で、貫通孔31をさらに切削する(図7)。
【0047】
続いて、素材30は、蒸気流入側弁本体2aの蒸気流入孔11を形成するために、Y−Y軸と直交し、蒸気流入側弁本体2aの中心を通るXA−XA軸を機械加工の中心軸として、XA−XA軸に沿って切削される。そして、その切削は、対向する側に蒸気流入側弁本体2aの壁部の厚さを残して停止され、その切削によって凹部が形成される(図8)。
【0048】
また、素材30は、蒸気流出側弁本体2bの蒸気流出孔12を形成するために、Y−Y軸と直交し、蒸気流出側弁本体2bの中心を通るXB−XB軸を機械加工の中心軸として、XB−XB軸に沿って切削される。そして、その切削は、対向する側に蒸気流出側弁本体2bの壁部の厚さを残して停止され、その切削によって凹部が形成される(図8)。
【0049】
次に、XA−XA軸を機械加工の中心軸として、素材30の内部が切削され、ほぼ球状の内壁が形成される(図9)。なお、図9に示すように、蒸気流入孔11側の内壁部においては、補強余肉部15を残して切削が行われる。
【0050】
続いて、XB−XB軸を機械加工の中心軸として、素材30の内部が切削され、ほぼ球状の内壁が形成される(図10)。なお、図10に示すように、蒸気流出孔12側の内壁部においては、補強余肉部15を残して切削が行われる。図10に示した工程で、蒸気流入側弁本体2aおよび蒸気流出側弁本体2bから構成される弁本体2が完成する。
【0051】
次に、蒸気流入側弁本体2aの蒸気流入孔11に連通するように、蒸気流入管13が溶接される。また、蒸気流出側弁本体2bの蒸気流出孔12に連通するように、蒸気流出管14が溶接される(図11)。
【0052】
第1の実施の形態の蒸気弁1によれば、蒸気弁1の外周面の機械加工の中心軸と内周面の機械加工の中心軸とを別個に設定し、蒸気弁1の外周面および内周面を別個に切削することで、内周面の蒸気流入孔11および蒸気流出孔12の付近に、計算上必要となる補強余肉部15を形成することができる。
【0053】
また、蒸気流入側弁本体2aおよび蒸気流出側弁本体2bの形状を球体とし、補強余肉部15を設けることで、弁本体2全体の肉厚を薄く構成することができ、重量を軽減、製作コストの削減を図ることができる。
【0054】
また、蒸気流入側弁本体2aおよび蒸気流出側弁本体2bの形状を球状とすることで、発生する応力そのものの絶対値を低く抑えることができる。
【0055】
さらに、球状で構成される蒸気流入側弁本体2aおよび蒸気流出側弁本体2bは、機械加工で製作されるため、壁部の肉厚を均一かつ薄肉化することができるので、蒸気タービン起動時等の熱応力を緩和することができる。これによって、蒸気弁の信頼性を向上させることができるとともに、経年的な保守点検を容易に行うことができる。また、高温化および高圧化された蒸気条件においても、熱応力を緩和することができ、蒸気弁の信頼性を維持することができる。
【0056】
第1の実施の形態の蒸気弁1の弁本体2における蒸気流入孔11は、図12に示すように、蒸気流入側弁本体40aと一体化された開先部41を有する短管部42によって構成されてもよい。また、XA−XA軸を機械加工の中心軸として、補強余肉部15および短管部42の開先部41が形成される。そして、短管部42の開先部41に蒸気流入管13が溶接される。
【0057】
また、図12には、蒸気流出側弁本体側について図示されていないが、蒸気流入側弁本体2aと同様に、蒸気流出孔12が形成される。
このように蒸気流入側弁本体2aと一体化された開先部41を有する短管部42によって蒸気流入孔11を構成することで、短管部42の開先部41と蒸気流入管13との溶接部の肉厚が平坦となり、非破壊検査を容易に行うことができる。
【0058】
また、図13に示すように、蒸気流入管13および蒸気流出管14を異径管で構成し、その異径管の径の大きい側を弁本体2に溶接するようにしてもよい。 この場合、蒸気流入孔11および蒸気流出孔12の孔径を、図2に示した弁本体2の蒸気流入孔11および蒸気流出孔12の孔径よりも大きく開口することができるので、XA−XA軸およびXB−XB軸を中心軸として行う機械加工が容易になり、生産性の向上を図ることができる。
【0059】
さらに、図2に示された弁本体2では、蒸気流入側弁本体2aの球状の内壁面および外壁面は、同一中心点に基づいて構成されているが、図14に示すように、それぞれの中心点を異にして構成されてもよい。
【0060】
図14に示された蒸気流入側弁本体2aでは、内壁面の中心点は、XA−XA軸上で、外壁面の中心点よりも蒸気流入孔11側に位置している。このように、内壁面の中心点を蒸気流入孔11側に所定の距離ずらすことで、ストレーナ(図示しない)の外周と蒸気流入側弁本体2aの内壁面との間の蒸気流路を均等に構成することができる。なお、蒸気流出側弁本体2bにおいても、蒸気流入側弁本体2aと同様に、球状の内壁面および外壁面の中心点を異にして構成することもできる。
【0061】
これまで示した実施の形態の弁本体では、補強余肉部15は、例えば、図2に示すように、XA−XA軸またはXB−XB軸に対して垂直方向に平面形状の内周面を有して形成されているが、この形状に限るものではない。例えば、図15に示すように、蒸気流入側弁本体2aの球状の内壁の半径を、蒸気流入孔11側に向けて徐々に減少させ、内壁の蒸気流入孔11側に補強余肉部15を形成することもできる。これと同様に、蒸気流出側弁本体2bの球状の内壁の半径を、蒸気流出孔12側に向けて徐々に減少させ、内壁の蒸気流出孔12側に補強余肉部15を形成することもできる。
【0062】
ここで使用した弁本体2の素材は、内在欠陥のない鍛造部材であるが、今後の精密な鋳造技術と新規材料開発の進歩にともない、前述の鍛造部材と同等品質の鋳造部材が得られるようになれば、鍛造部材に限らず、鋳造部材も弁本体2を形成する素材として用いることができる。この場合にも、前述した鍛造部材を用いて弁本体2を製作する場合と同様の効果を得ることができる。
【0063】
また、図4乃至11に弁本体2の製作方法の一例を説明したが、弁本体2の製作方法はこれに限られるものではなく、機械加工によって弁本体2の形状が製作されるものならばよい。
【0064】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態の蒸気弁の弁本体50の概要を図16および17を参照して説明する。図16は、第2の実施の形態の弁本体50の断面図を示す。図17は、蒸気流入管51の斜視図を示す。
【0065】
図16に示された弁本体50は、蒸気流入側弁本体50aと蒸気流出側弁本体50bから構成され、弁本体50は、1つの素材から機械加工によって形成される。また、弁本体50は、内外面の全面を機械加工できるように形状の簡素化が図られている。さらに、より蒸気タービン起動時などの熱応力を緩和するために、極力薄肉とするための手段として、弁本体50の最大熱応力が発生する部分に球面体形状を採用し、発生する熱応力そのものの絶対値を低く抑える構造にしている。
【0066】
また、蒸気流入側弁本体50aには、蒸気流入管51を溶接するための開先部52を有する開口部が、蒸気流入側弁本体50aの球状の内壁の中心点OaからXA−XA軸に対称に角度αに対応して形成される。角度αは、γ×2およびδ×2のうちいずれか小さい方の角度を最大角とし、角度αは、その最大角以下の角度で構成される。ここで、角度γは、上蓋3が固定される面54に対して垂直な蒸気流入側弁本体50aの円筒部の外壁55と蒸気流入側弁本体50aの球状の外壁とが交わる点Pと中心点Oaとを結んだ直線と、XA−XA軸とによって形成される角度である。また、角度δは、蒸気流入側弁本体50aと蒸気流出側弁本体50bとの外壁が交わる点Qと中心点Oaとを結んだ直線と、XA−XA軸とによって形成される角度である。
【0067】
また、蒸気流入側弁本体50aと同様に、蒸気流出側弁本体50bには、蒸気流出管53を溶接するための開先部52を有する開口部が、蒸気流出側弁本体50bの球状の内壁の中心点ObからXB−XB軸に対称に角度βに対応して形成される。角度βは、θ×2およびφ×2のうちいずれか小さい方の角度を最大角とし、角度βは、その最大角以下の角度で構成される。ここで、角度θは、ブラケット9が固定される面56に対して垂直な蒸気流出側弁本体50bの円筒部の外壁57と蒸気流出側弁本体50bの球状の外壁とが交わる点Rと中心点Obとを結んだ直線と、XB−XB軸とによって形成される角度である。また、角度φは、蒸気流入側弁本体50aと蒸気流出側弁本体50bとの外壁が交わる点Sと中心点Obとを結んだ直線と、XB−XB軸とによって形成される角度である。
【0068】
第2の実施の形態の弁本体50の蒸気流入側弁本体50aおよび蒸気流出側弁本体50bの開口部の径は、第1の実施の形態の弁本体2の蒸気流入側弁本体2aの蒸気流入孔11および蒸気流出側弁本体2bの蒸気流出孔12の径よりも十分に大きく形成することができるので、作業効率を向上することができる。また、蒸気流入側弁本体50aおよび蒸気流出側弁本体50bでは、開口部の径が十分に大きいので、補強余肉部58を弁本体50の任意な部分に形成することが容易になり、最適な弁本体50の補強を行うことができる。
【0069】
蒸気流入管51は、1つの素材から機械加工によって形成され、内外面の全面を機械加工できるように形状の簡素化が図られている。また、蒸気流入管51は、蒸気流入側弁本体50aの球状の壁部の一部を有して形成されている。
【0070】
蒸気流入側弁本体50aの開口部の開先部52の面と対向する蒸気流入管51のテーパ部51aは、XA−XA軸を中心軸としてほぼ角度αの角度を有している。また、テーパ部51aは、蒸気流入側弁本体50aの開口部と最適に溶接されるように開先部を有している。さらに、図16に示すように、蒸気流入管51は、補強余肉部58を一体化して機械加工によって形成されている。そして、蒸気流入管51は、蒸気流入側弁本体50aの開口部に溶接される。
【0071】
蒸気流出管53は、蒸気流入管51と同様に、1つの素材から機械加工によって形成され、内外面の全面を機械加工できるように形状の簡素化が図られている。また、蒸気流出管53は、蒸気流出側弁本体50bの球状の壁部の一部を有して形成されている。
【0072】
図16に示すように、蒸気流出側弁本体50bの開口部の開先部52の面と対向する蒸気流出管53のテーパ部53aは、XB−XB軸を中心軸としてほぼ角度βの角度を有している。また、テーパ部53aは、蒸気流出側弁本体50bの開口部と最適に溶接されるように開先部を有している。さらに、蒸気流出管53は、補強余肉部58を一体化して機械加工によって形成されている。そして、蒸気流出管53は、蒸気流出側弁本体50bの開口部に溶接される。
【0073】
弁本体50、蒸気流入管51および蒸気流出管53は、それぞれ別個に機械加工によって製作されるので、例えば、弁本体50を大型鋼塊の製造性に優れ高温強度に優れたコバルトを重量割合で50%以上含むコバルト基合金鋼で製作し、蒸気流入管51および蒸気流出管53を高温強度に優れたニッケルを重量割合で35%以上含むニッケル基合金鋼で製作することもできる。また、例えば、弁本体50を鋳造部材で製作し、蒸気流入管51および蒸気流出管53を鍛造部材で製作することもできる。
【0074】
なお、弁本体50は、基本的には第1の実施の形態で説明した弁本体2の製作工程と同様の工程で製作される。
【0075】
このように、構成部品の発生応力(要求強度)に応じて、材料または材料の製造方式を選択して材料を使用することで、最適な蒸気弁を製作することができる。
【0076】
第2の実施の形態の蒸気弁によれば、蒸気流入管51および蒸気流出管53は、弁本体50の球状の壁部を開口して溶接されるため、壁部の開口径を大きくとることができ、弁本体50の内部の機械加工が容易になり、生産性の向上を図ることができる。
【0077】
また、蒸気流入管51および蒸気流出管53は、弁本体50とは別個に、機械加工により補強余肉部58を一体化して形成されるので、補強余肉部58の形成が容易で、生産性の向上を図ることができる。さらに、補強余肉部58の形状を用途に合わせて任意に形成できるので、より的確な補強部を形成することができる。また、蒸気流入側弁本体50aおよび蒸気流出側弁本体50bの形状を球体とし、補強余肉部58を設けることで、弁本体50全体の肉厚を薄く構成することができ、重量を軽減、製作コストの削減を図ることができる。
【0078】
さらに、蒸気流入側弁本体50aの開口部、蒸気流出側弁本体50bの開口部、蒸気流入管51のテーパ部51aおよび蒸気流出管53のテーパ部53aに開先部を機械加工によって正確に形成することができるので、最適な溶接を行うことができ、溶接部の品質を向上させることができる。
【0079】
また、球状の蒸気流入側弁本体50aおよび蒸気流出側弁本体50bの壁部に開口し、球状部で蒸気流入管51および蒸気流出管53が構造溶接されるため、直接的に応力集中の発生する部位を回避することができる。これによって、蒸気流入管51および蒸気流出管53の溶接部の品質を格段に向上させることができる。
【0080】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態の蒸気弁60の概要を図18を参照して説明する。図18は、第3の実施の形態の蒸気弁60の断面図を示す。
【0081】
第3の実施の形態の蒸気弁60の弁本体61は、図1に示す第1の実施の形態の蒸気弁1の蒸気流入側弁本体2a側のみを用いた構成となっている。
【0082】
第3の実施の形態の蒸気弁60は、弁本体61、上蓋62、主弁63、弁棒64、弁座65、ストレーナ66で主に構成されている。
【0083】
機械加工によって製作された弁本体61には、蒸気流入孔68、上部開口部69および蒸気流出孔70が開口され、蒸気流入孔68には、蒸気流入管71が溶接されている。また、弁本体61の球状の内壁の蒸気流入孔68側には、補強余肉部72が設けられている。
【0084】
弁本体61の上部開口部69には、上蓋62がボルト67にて固定されている。また、蒸気弁60の中心軸であるY−Y軸に沿って、上蓋62に弁棒64の案内孔が開口されている。弁棒64の一端には主弁63が接続され、弁棒64のY−Y軸方向の移動によって、主弁63と弁座65との間に形成される蒸気流路の開閉を行う。弁棒64のY−Y軸方向の移動は、アクチュエータなど(図示しない)によって行われる。また、弁座65と上蓋62との間に蒸気中の異物を捕捉するストレーナ66が設置されている。
【0085】
蒸気は、弁本体61に開口された蒸気流入孔68から流入し、主弁63と弁座65の間に形成される蒸気流路を通過して、蒸気流出孔70から流出する。
【0086】
弁本体61および蒸気流入管71は、例えば、高温域で高強度であり小型鋼塊の製造が容易なニッケルを重量割合で35%以上含むニッケル基合金鋼などで形成されるが、これに限られるものではない。
【0087】
(弁本体61の製作方法)
次に、図19乃至25を参照して、弁本体61の製作方法の一例を説明する。なお、図19乃至25は、弁本体61の各製作工程における断面図を示している。また、ここでは、弁本体61は、例えば、NC複合立旋盤などの工作機器を用いて機械加工によって製作される。
【0088】
図19に示すように、例えば、円柱などの形状をした素材80のY−Y軸を機械加工の中心軸として、素材80を切削し、球体部とその球体部のY−Y軸方向の両端に円筒部を有する形状の弁本体61の外形を形成する(図20)。
【0089】
弁本体61の外形が形成された素材80の中央に、Y−Y軸に沿って貫通孔81を形成する(図21)。
【0090】
さらに、弁座65の固定部における径に対応する径で、貫通孔81をさらに切削する(図22)。
【0091】
続いて、素材80は、弁本体61の蒸気流入孔68を形成するために、Y−Y軸と直交し、弁本体61の中心を通るXA−XA軸を機械加工の中心軸として、XA−XA軸に沿って切削される。そして、その切削は、対向する側に弁本体61の壁部の厚さを残して停止され、その切削によって凹部が形成される(図23)。
【0092】
次に、弁本体61において、XA−XA軸を機械加工の中心軸として、弁本体61の内部が切削され、ほぼ球状の内壁が形成される(図24)。なお、図24に示すように、内壁の蒸気流入孔68側は、補強余肉部82を残して切削が行われる。図24に示した工程で、弁本体61が完成する。
【0093】
続いて、弁本体61の蒸気流入孔68に連通するように、蒸気流入管71が溶接される(図25)。
【0094】
第3の実施の形態の蒸気弁60によれば、弁本体61の形状を簡素化し、弁本体61自体の全長を短くすることができ、重量の軽減、製作コストの削減を図ることができる。
【0095】
また、蒸気出口管は、機械加工によって弁本体61と一体化して製作されるため、弁本体61では、熱応力の集中しやすい蒸気出口管の構造溶接部が存在しない。これによって、弁本体61における熱応力の集中を回避することができるので、蒸気弁60としての品質を格段に向上させることができる。
【0096】
さらに、弁本体61の形状を球体とし、補強余肉部82を設けることで、弁本体61全体の肉厚を薄く構成することができ、重量の軽減、製作コストの削減を図ることができる。
【0097】
なお、第2の実施の形態の蒸気弁の弁本体50においても、第3の実施の形態の蒸気弁の弁本体61のように、全長を短くした構成を採用することができる。
【0098】
【発明の効果】
本発明の蒸気弁および蒸気弁の製造方法によれば、高温化および高圧化された蒸気条件においても、熱応力を緩和することができ、蒸気弁の信頼性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の蒸気弁の断面図。
【図2】第1の実施の形態の蒸気弁の弁本体の断面図。
【図3】補強を行った弁本体と、弁本体の開口部に接続された配管の一例を示す断面図。
【図4】弁本体の製作工程を示す断面図。
【図5】弁本体の製作工程を示す断面図。
【図6】弁本体の製作工程を示す断面図。
【図7】弁本体の製作工程を示す断面図。
【図8】弁本体の製作工程を示す断面図。
【図9】弁本体の製作工程を示す断面図。
【図10】弁本体の製作工程を示す断面図。
【図11】弁本体の製作工程を示す断面図。
【図12】蒸気流入側弁本体の構成の一例を示す断面図。
【図13】弁本体の構成の一例を示す断面図。
【図14】弁本体の構成の一例を示す断面図。
【図15】弁本体の構成の一例を示す断面図。
【図16】第2の実施の形態の弁本体の断面図。
【図17】蒸気流入管の斜視図。
【図18】第3の実施の形態の蒸気弁の断面図。
【図19】弁本体の製作工程を示す断面図。
【図20】弁本体の製作工程を示す断面図。
【図21】弁本体の製作工程を示す断面図。
【図22】弁本体の製作工程を示す断面図。
【図23】弁本体の製作工程を示す断面図。
【図24】弁本体の製作工程を示す断面図。
【図25】弁本体の製作工程を示す断面図。
【図26】従来の蒸気弁の断面図。
【符号の説明】
1…蒸気弁
2…弁本体
2a…蒸気流入側弁本体
2b…蒸気流出側弁本体
3…上蓋
4…主弁
5…弁棒
6…案内片
7…弁座
8…ストレーナ
9…ブラケット
10…ボルト
11…蒸気流入孔
12…蒸気流出孔
13…蒸気流入管
14…蒸気流出管
15…補強余肉部
Claims (10)
- 蒸気の流入孔が穿設され、球状の弁室を有する第1の弁本体と、
前記流入孔の周囲に形成された第1の補強部と、
前記流入孔に連通するように前記第1の弁本体に溶着された蒸気流入部と、
前記第1の弁本体と連通し、蒸気の流出孔が穿設され、球状の弁室を有する第2の弁本体と、
前記流出孔の周囲に形成された第2の補強部と、
前記流出孔に連通するように前記第2の弁本体に溶着された蒸気流出部と
を具備し、
前記第1の弁本体および前記第2の弁本体の内外面、並びに前記第1の補強部および前記第2の補強部が機械加工によって形成され、かつ前記第1の弁本体、前記第2の弁本体、前記第1の補強部および前記第2の補強部が一体的に形成されたことを特徴とする蒸気弁。 - 前記第1の弁本体と前記第2の弁本体とが、同一素材から一体形成されたことを特徴とする請求項1記載の蒸気弁。
- 前記蒸気流入部が、前記第1の弁本体の球状の弁室を構成する壁部の一部を有して、該壁部の一部と一体化して構成され、
前記蒸気流出部が、前記第2の弁本体の球状の弁室を構成する壁部の一部を有して、該壁部の一部と一体化して構成されたことを特徴とする請求項1または2記載の蒸気弁。 - 前記第1の弁本体、前記第1の補強部、前記蒸気流入部、前記第2の弁本体、前記第2の補強部および前記蒸気流出部が、鍛鋼部材で形成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の蒸気弁。
- 前記第1の弁本体、前記第1の補強部、前記蒸気流入部、前記第2の弁本体、前記第2の補強部および前記蒸気流出部が、鋳鋼部材で形成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の蒸気弁。
- 前記第1の弁本体、前記第1の補強部、前記蒸気流入部、前記第2の弁本体、前記第2の補強部および前記蒸気流出部のうちいずれか少なくとも1つが鍛鋼部材で形成され、その残りが鋳鋼部材で形成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の蒸気弁。
- 前記第1の弁本体、前記第1の補強部、前記蒸気流入部、前記第2の弁本体、前記第2の補強部および前記蒸気流出部が、ニッケルを重量割合で35%以上含むニッケル基合金鋼およびコバルトを重量割合で50%以上含むコバルト基合金鋼のいずれか一方で形成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の蒸気弁。
- 蒸気の流入孔が穿設され、球状の弁室を有する弁本体と、
前記流入孔の周囲に形成された補強部と、
前記流入孔に連通するように前記弁本体に溶着された蒸気流入部と、
前記弁本体の外形を形成する際の機械加工の中心軸に沿って形成された蒸気流出部と
を具備し、
前記弁本体の内外面、前記補強部および前記蒸気流出部が機械加工によって形成され、かつ一体的に形成されたことを特徴とする蒸気弁。 - 蒸気弁の弁本体を形成する弁本体製造過程と、前記弁本体製造過程において形成された 弁本体に蒸気流入部および蒸気流出部を形成する蒸気流入出部製造過程とを備えた蒸気弁の製造方法であって、
前記弁本体製造過程が、
第1の軸を機械加工の中心軸として、素材を機械加工により、前記第1の軸を回転軸とした回転体形状である、2つの球体が連結した形状に切削する外形形成工程と、
前記外形形成工程によって外周が機械加工により切削された前記素材に、前記第1の軸を中心軸として貫通孔を機械加工により形成する貫通孔形成工程と、
前記第1の軸と直交し、前記外形形成工程で形成された前記2つの球体のうち一方の球体の中心を通る第2の軸を中心軸として、該一方の球体に第1の凹部を機械加工により切削する第1の凹部形成工程と、
前記第1の凹部形成工程によって形成された凹部を有する前記一方の球体の内部を、前記第2の軸を中心軸として機械加工により切削し、ほぼ球状の空間を形成し、かつ、前記第1の凹部の開口部の周囲に補強部を形成する第1の空間形成工程と、
前記第1の軸と直交し、前記外形形成工程で形成された前記2つの球体のうち他方の球体の中心を通る第3の軸を中心軸として、該他方の球体に第2の凹部を機械加工により切削する第2の凹部形成工程と、
前記第2の凹部形成工程によって形成された凹部を有する前記他方の球体の内部を、前記第3の軸を中心軸として機械加工により切削し、ほぼ球状の空間を形成し、かつ、前記第2の凹部の開口部の周囲に補強部を形成する第2の空間形成工程と
を備え、
前記蒸気流入出部製造過程が、
前記第1の凹部形成工程によって形成された開口部に連通するように前記一方の球体に蒸気流入部を溶着する蒸気流入部溶着工程と、
前記第2の凹部形成工程によって形成された開口部に連通するように前記他方の球体に蒸気流出部を溶着する蒸気流出部溶着工程と
を備えることを特徴とする蒸気弁の製造方法。 - 蒸気弁の弁本体を形成する弁本体製造過程と、前記弁本体製造過程において形成された弁本体に蒸気流入部を形成する蒸気流入部製造過程とを備えた蒸気弁の製造方法であって、
前記弁本体形成過程が、
第1の軸を機械加工の中心軸として、素材を機械加工により、前記第1の軸を回転軸とした回転体形状である球体形状に切削する外形形成工程と、
前記外形形成工程によって、外周が機械加工により切削された前記素材に、前記第1の軸を中心軸として貫通孔を機械加工により形成する貫通孔形成工程と、
前記第1の軸と直交し、前記外形形成工程で形成された前記球体の中心を通る第2の軸を中心軸として、前記球体に凹部を機械加工により切削する凹部形成工程と、
前記凹部形成工程によって形成された凹部を有する前記球体の内部を、前記第2の軸を中心軸として機械加工により切削し、ほぼ球状の空間を形成し、かつ、前記凹部の開口部の周囲に補強部を形成する空間形成工程と
を備え、
前記蒸気流入部製造過程が、
前記凹部形成工程によって形成された開口部に連通するように前記球体に蒸気流入部を溶着する蒸気流入部溶着工程を備えることを特徴とする蒸気弁の製造方法。
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