JP4168839B2 - 金属ベルト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無端状の金属製リングと組合わされて無段変速機用の金属ベルトを構成する多数の駒状の金属ベルトエレメントを備える金属ベルトに関し、特に、金属ベルトエレメントのフランク部に複数の突条および溝を備える金属ベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からプーリディスクとの接触部の潤滑油の排出性を向上させるため、複数の突条および溝をベルトエレメントのフランク部に設けることが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
これは、フランク部に設ける複数の突条の輪郭を、初期の輪郭高さ(h)より30%から70%下の輪郭高さ(h)に位置するレベルまで輪郭が摩耗した後に、プーリディスクの接触表面と有効に接触する表面積が、フランク部の寸法の40から60%の範囲になるようにその輪郭を形成するものである。この輪郭は、シヌソイドの輪郭を使用することが好ましく、一方では、初期摩耗が迅速かつ容易に進行するよう突条の輪郭が最初は最小の接触面を有するので、輪郭の多少の摩耗は望ましく、他方で、支持面として作用する突条表面積割合が約50%である少なくとも準平衡状態に、比較的急速に到達する点でも望ましいとしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−125313号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、突条の初期の輪郭高さ(h)より30%から70%下の輪郭高さ(h)に位置するレベルまで輪郭が摩耗した後に、ベルトディスクの接触表面と有効に接触する表面積が、フランク部の寸法の40から60%の範囲になるようにその突条の輪郭を形成するものであるため、上記初期摩耗後は許容トルクが向上するものの、ベルトエレメントを金属ベルトに組付けて無段変速機を組立てた初期状態では、突条の先端部のみがプーリディスクに接触するのみで両者の間に充分な接触面積を確保できないことから大きい摩擦力が得られず、初期状態から許容トルクを向上させることができない不具合があった。
【0006】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、初期状態から安定して大きい摩擦力を得て許容トルクを向上できる金属ベルトを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一対のテーパ状のフランク部を有するエレメントを環状に多数連ねて備える金属ベルトであり、円錐形状の挟圧面を互いに対向させて配設する一対のプーリディスクからなる複数のプーリの挟圧面にフランク部を接触させて巻き掛けられ、複数のプーリ間で動力を伝達する金属ベルトにおいて、前記エレメントのフランク部に、小さな突条および溝を交互に多数形成して滑らかに連なる波状の微小凹凸を設けるとともに、その突条の先端を平坦状に形成し、その負荷曲線がフランク部の全面積の10%の負荷面が突条の頂部から1.2μmの深さの間に存在し、全面積の40%の負荷面が突条の頂部から4.8μmの深さの間に存在する、即ち、突条の山頂点からの距離をY(μm)とし、負荷面の全面積に対する比率をXとすると、Y=−8.3333X3+20.833X2+3.3333X+0.6667の負荷曲線を下限とし、Y=3.3333X3−2.3333X2+0.6667X−0.0267の負荷曲線を上限とする範囲に存在するよう構成し、前記突条の先端を平坦状となるように形成するエレメントは、フランク部に小さな突条および溝を交互に多数形成して滑らかに連なる波状の微小凹凸を設けて先端を平坦状としないエレメント同士の間に混在させて配設され、環状に多数連ねて金属ベルトを構成する複数のエレメントの内の3割以上に用いられることを特徴とする。
【0008】
【発明の効果】
したがって、本発明では、金属ベルトのエレメントのフランク部に、小さな突条および溝を交互に多数形成して滑らかに連なる波状の微小凹凸を設けるとともに、その突条の先端を平坦状となるように形成したため、プーリディスクとの接触面積が初期状態から充分に確保されてプーリディスクとの接触安定性が向上し、摩擦力が向上する。また、接触面圧が低下するため、摩耗が低減できる。さらに、潤滑油の排出性は、排出可能な溝が充分残っているため、潤滑油の排出性は悪化しない。これらのことから、摩擦力が向上することで、許容トルクの向上と、摩耗低減による耐久性の向上とを両立させることが可能となる。
さらに、前記突条の先端を平坦状となるように形成するエレメントは、フランク部に小さな突条および溝を交互に多数形成して滑らかに連なる波状の微小凹凸を設けて先端を平坦状としないエレメント同士の間に混在させて配設され、環状に多数連ねて金属ベルトを構成する複数のエレメントの内の3割以上に用いられることにより、全てのエレメントを高精度にする必要が無くなり、加工のコスト低減が可能となる。そして、伝達トルクは突条の先端を平坦状となるように形成したエレメントで受け持ち、前記先端を平坦状としないエレメントの摩耗の進行に連れて、伝達トルクが徐々に増加する使い方が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の金属ベルトを一実施形態に基づいて説明する。
【0010】
図1は本発明を適用する金属ベルトを用いたベルト式無段変速機の駆動メカニズムを示す説明図、図2は本発明を適用した金属ベルトの断面図およびエレメントの側面図、図3はエレメントのフランク部の拡大図を夫々示す。ここでは、先ず、図1に基づいて、金属ベルトの使用形態をベルト式無段変速機図により説明し、次いで、図2により対象とする金属ベルトについて説明し、その後に、図3によりエレメントのフランク部の形状について説明する。
【0011】
図1において、金属ベルト1は多数のエレメント2と各エレメント2を整列させて保持する無端状のリング3とにより構成されている。ベルト式無段変速機は、軸方向相対位置が可変となった一対の対向する円錐状の傾斜面6、7により円周にV字状溝6A、7Aを備える駆動側プーリ4および従動側プーリ5の各V字状溝6A、7Aに巻回して構成される。駆動側プーリ4のトルクは金属ベルト1の構成要素である各エレメント2,2同士の圧縮力を介して従動側プーリ5に伝達され、各エレメント2、2は前記V字状溝6A、7Aに係合し且つベルト本体として機能する無端状のリング3の張力によって拘束される。
【0012】
図2に示すように、多数のエレメント2は、プーリ4、5のV字状溝6A、7Aへの接触面となるよう傾斜した左右一対のフランク部10を備えるボディ部11と、ボディ部11に隣接させて一対のリング受容溝12を形成するようボディ部11に幅狭のネック部13を介して連結したヘッド部14とを備える。前記リング受容溝12はボディ部11のサドル面15、ネック部13およびヘッド部14に形成されたイヤー部16とにより三方を囲んで形成している。前記リング受容溝12には、薄板状のリング素片3Aを幾重にも積層してなるベルト本体としての金属製のリング3が嵌め合わされ、これにより数百個のエレメント2,2…が相互につながれて金属ベルト1として機能する。なお、各エレメント2,2…は、ボディ部11がリング3の内周側となり、ヘッド部14がリング3の外周側となる。
【0013】
前記ボディ部11は、図2(B)に示すように、ロッキングエッジ17より図中下方において斜めの傾斜面18により切取っており、ボディ部11がプーリ4、5のV字状溝6A、7Aへフランク部10により接触して共に回動する時に、ボディ部11同士がプーリ4、5内周側において互に干渉しないようにしている。その場合においても、ボディ部11同士はロッキングエッジ17を介して互に接触していることが望ましい。
【0014】
前記ボディ部11の左右のフランク部10の基準幅寸法W、基準幅寸法WとなっているポイントGのサドル面15からの高さ寸法S、および、フランク面10の傾斜θは、エレメント2がリング3によりサドル面15で支持された状態で、そのフランク面10をプーリ4、5のV字状溝6A、7Aに係合する際に、フランク面10とプーリ4、5との間での伝達トルクを左右する重要な要素であり、高精度に製作する必要がある。
【0015】
前記フランク面10には、多数の突条20が設けられ、突条20同士の間は溝21に形成され、この突条20および溝21は、図3に示すように、交互に配置される。各突条20の先端は、共通面Aにより面粗度1μmの平坦な接触面22に形成され、この接触面22がプーリディスク6、7に接触するよう構成している。突条20間の溝21は突条20の接触面22がプーリディスク6、7に接触する際に接触部分から押出された潤滑油の排出溝を構成する。突条20の溝21の底部よりの高さは、30〜40μm程度であり、突条20同士のピッチは、0.2mm程度に構成している。
【0016】
前記平坦な接触面22は突条20の頂点に形成されるが、突条20に沿って一様な深さで形成しても、部分的に深さを変えてもよく、例えば、突条20を横方向から見て波形に形成してもよく、全ての突条20の接触面22が全体的に平坦であればよい。また、接触面22は平坦状に形成されるものであるが、突条20に沿うその中央部が盛り上がっていてもよい。
【0017】
これら突条20および溝21は、エレメント2をプレス加工で打ち抜いて形成する場合には、プレス型のフランク部10を形成する型面にピッチが0.2mm、深さが30〜40μmの凹凸を形成し、精密プレス(ファインプレス)により打ち抜きすることにより形成することができる。また、機械加工、例えば、突条20および溝21と同様の形状を持つ切削工具により切削加工することによっても形成することができる。
【0018】
そして、前者のプレス打ち抜きされたエレメント2の突条20は、図3の点線を含む形状となっているので、この突条20に対して面加工を追加して接触面22を形成する。面加工としては、機械加工、プレスによる押し付け加工、砥石による研削加工等が可能であり、いずれの面加工においても面粗度が1μm程度となるよう形成する。この場合も、上記した通り完全な平面でなくてもよい。後者の機械加工されたエレメント2の突条20は、まだ接触面22を形成していない場合には、プレス打ち抜きエレメントと同様に面加工を施す必要があるが、切削工具に接触面22を形成する平面部を設けておくことにより、新たに面加工を施す必要のないようにしても良い。
【0019】
このように形成されたエレメント2のフランク面10は、図5に示す負荷曲線を備えている。負荷曲線とは、DIN4776特殊負荷曲線パラメータ等に用いられるものであり、図4に示すように、表面に形成されてなる表面突起を中心線に平行してある高さ位置でスライスした時の各表面突起の断面積の総和を示すものである。図4の左側に示した粗さ曲線を持つような表面突起をある高さ位置aでスライスしたとき、そのスライス面の表面積を合わせた面積の割合が負荷曲線(ベアリングカーブ、アボット曲線ともいう)として図4の右側に示される。この負荷曲線は、縦軸をある基準線からの高さYとし、横軸をX(ある高さにおける各表面突起の断面積の総和)/(基準線における全表面突起の断面積の総和)×100なる値とするものである。よって、負荷曲線50%値は、基準線における断面積の50%にあたる断面積を有する高さを示している。なお、粗さ曲線をある基準線で分けたとき、この粗さ曲線と基準線に囲まれる部分の面積が基準線の上下で等しくなるように定めた基準線を中心線とする。
【0020】
図5において、フランク面10の負荷曲線は、全面積の10%の負荷面が突条20の頂部(頂部が平坦である場合)と頂部から約1.2μmとの間に存在し、全面積の40%の負荷面が突条20の頂部(頂部が平坦である場合)と頂部から約4.8μmとの間に存在するよう調整する。この負荷曲線は、具体的には、Y=3.3333X3−2.3333X2+0.6667X−0.0267を上限とし、Y=−8.3333X3+20.833X2+3.3333X+0.6667を下限とする範囲に存在させる。ただし、加工面粗度が1μmであるため、この面粗度分だけ上記負荷曲線は増減される。負荷曲線は、突条20の頂部に形成する接触面22が小さい場合には、限りなく上記した下限範囲に近接し、突条20の頂部に形成する接触面22が大きくなっていくに連れて負荷曲線の小さい%側から上記した上限範囲に近接してゆく特性を備える。
【0021】
図6は、フランク部10のプーリディスク6、7との接触部よりの潤滑油排出性(A)、プーリディスク6、7との接触面積(B)、および、プーリディスク6、7との摩擦力(C)を夫々示すものであり、比較例1は突条20の頂部が平坦でない尖ったフランク部10を備えるエレメント2を示し、比較例2は突条20が全く存在しない完全な平坦面のフランク部10を備えるエレメント2を示す。
【0022】
比較例1では、プーリディスク6、7とエレメント2間にある潤滑油の排出性は向上する(図6(A)参照)が、プーリディスク6、7との接触面積が十分に確保出来ない(図6(B)参照)ことにより、それら相乗効果で決まるプーリディスク6、7との摩擦力が小さくなる(図6(C)参照)。その時の許容伝達トルクは、図7に示すように、高くするのに限界があり、山頂上部がR形状となっているため、接触面圧が高いことにより、フランク部10が摩耗し、図8に示すように、耐久性が必要以上に確保しにくい等の不具合を発生する。また、山頂上部がR形状であるため、溝形状を量産成形する上で、プレス加工が前提となり、フランク面の角度バラツキ(θ)、サドル面からの高さバラツキ(S)が大きくなり、品質安定性にかけるという不具合も生ずる。
【0023】
比較例2では、プーリディスク6、7との接触面積が増える(図6(B)参照)ことで、接触面圧が低くなり、フランク部10の摩耗が減少して耐久性が向上する特徴があり、しかも、機械加工等が可能となり、フランク面の角度バラツキ(θ)、サドル面からの高さバラツキ(S)が小さくなり、品質安定性が向上するという特徴がある反面、接触面積が大きくなることで、プーリディスク6、7との接触が安定的になるが、プーリディスク6、7との間の潤滑油の排出性が悪化し(図6(A)参照)、結果として、プーリディスク6、7との摩擦係数が小さい(図6(C)参照)ままとなる不具合を備える。
【0024】
本発明のフランク部10においては、プーリディスク6、7との接触面積は比較例2より小さい(図6(B)参照)ものの、比較例1より飛躍的に拡大されるため、プーリディスク6、7との接触安定性が向上し、摩擦力が向上する(図6(C)参照)。また、接触面圧が低下するため、摩耗が低減できる。さらに、潤滑油の排出性は、比較例1より若干劣るものの、排出可能な溝21が充分残っているため、潤滑油の排出性は悪化しない(図6(A)参照)。これらのことから、比較例1,2より摩擦力が向上(図6(C)参照)することで、図7に示すように、許容トルクの向上と、摩耗低減による耐久性の向上(図8参照)とを両立させることが可能となる。
【0025】
上記した構成のフランク部10を備えたエレメント2は、金属ベルト1として、リング3に組付けるにあたって、全数のエレメント2を対象にすることが望ましいが、一個づつ飛ばして配設したり、二個づつ飛ばして配設しても良い。図9は金属ベルト1に配列した全エレメント2枚数に対する本発明エレメント2の枚数の比率を横軸とし、縦軸に得られた伝達トルク、即ち、摩擦力を示す実験結果である。この結果から見ると、少なくとも30%以上の比率で本発明エレメント2を混在させることにより充分な伝達トルクを得ることができる。このようにすると、全エレメント2を高精度に加工する必要がなくなり、エレメント2の加工コストが低減できる。未加工のエレメント2としては、比較例1のエレメント2を選択すると、伝達トルクは本発明エレメント2で受け持ち、比較例1のエレメント2の摩耗の進行に連れて、伝達トルクが徐々に増加する使い方が可能となる。
【0026】
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
【0027】
(ア)金属ベルト1のエレメント2のフランク部10に、小さな突条20および溝21を交互に多数形成して滑らかに連なる波状の微小凹凸を設けるとともに、その突条20の先端を平坦状となるように形成したため、プーリディスク6、7との接触面積が充分に確保されてプーリディスク6、7との接触安定性が向上し、摩擦力が向上する。また、接触面圧が低下するため、摩耗が低減できる。さらに、潤滑油の排出性は、排出可能な溝21が充分残っているため、潤滑油の排出性は悪化しない。これらのことから、摩擦力が向上することで、許容トルクの向上と、摩耗低減による耐久性の向上とを両立させることが可能となる。
【0028】
(イ)フランク部10は、その負荷曲線がフランク部の全面積の10%の負荷面が突条の頂部から1.2μmの深さの間に存在し、全面積の40%の負荷面が突条の頂部から4.8μmの深さの間に存在する、即ち、突条の山頂点からの距離をY(μm)とし、負荷面の全面積に対する比率をXとすると、Y=−8.3333X 3 +20.833X 2 +3.3333X+0.6667の負荷曲線を下限とし、Y=3.3333X 3 −2.3333X 2 +0.6667X−0.0267の負荷曲線を上限とする範囲に存在するよう構成した。このため、プーリディスク6、7との接触で発生する摩擦力が大きくなり、許容トルクが向上し、プーリディスク6、7との局部接触面圧が低下して突条20の摩耗耐久性が向上した。しかも、フランク部10に機械加工等を追加するため、フランク面10の角度バラツキ(θ)、サドル面15からの高さバラツキ(S)が抑えられ、品質が向上した。
【0029】
(ウ)突条20の先端を平坦状となるように形成したエレメント2は、金属ベルト1を構成する複数のエレメント2の内の3割以上のエレメント2に用い、残余のエレメントはフランク部に小さな突条および溝を多数形成して微小凹凸を設け、先端が平坦状に加工されていないエレメントを使用するため、全てのエレメント2を高精度にする必要が無くなり、加工のコスト低減が可能となる。
【0030】
なお、上記実施形態において、金属ベルト1として、リング受容溝12をエレメント2の左右に備えるものについて説明したが、図示はしないが、リング受容溝12をエレメント2の中央部に備えるエレメント2のフランク部10に適用するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する金属ベルトを用いたベルト式無段変速機の駆動メカニズムを示す説明図。
【図2】本発明を適用した金属ベルトの断面図(A)およびエレメントの側面図(B)。
【図3】本発明を適用したエレメントのフランク部の部分拡大図。
【図4】表面の負荷曲線の説明図。
【図5】本発明を適用したフランク面の負荷曲線を示すグラフ。
【図6】本発明と比較例1、2とを対比して示す油排出特性(A)、接触面積(B)、摩擦力(C)の特性のグラフ。
【図7】本発明と比較例1、2とを対比して示すトルク特性のグラフ。
【図8】本発明と比較例1とを対比して示す耐久終了後の溝深さを示すグラフ。
【図9】本発明エレメントの全エレメントに対する比率と得られる摩擦力を示したグラフ。
【符号の説明】
1 金属ベルト
2 エレメント
3 リング
4、5 プーリ
6、7 傾斜面(プーリディスク)
10 フランク部(フランク面)
11 ボディ部
12 リング受容溝
15 サドル面
20 突条
21 溝
22 接触面
Claims (1)
- 一対のテーパ状のフランク部を有するエレメントを環状に多数連ねて備える金属ベルトであり、円錐形状の挟圧面を互いに対向させて配設する一対のプーリディスクからなる複数のプーリの挟圧面にフランク部を接触させて巻き掛けられ、複数のプーリ間で動力を伝達する金属ベルトにおいて、
前記エレメントのフランク部に、小さな突条および溝を交互に多数形成して滑らかに連なる波状の微小凹凸を設けるとともに、その突条の先端を平坦状に形成し、その負荷曲線がフランク部の全面積の10%の負荷面が突条の頂部から1.2μmの深さの間に存在し、全面積の40%の負荷面が突条の頂部から4.8μmの深さの間に存在する、即ち、突条の山頂点からの距離をY(μm)とし、負荷面の全面積に対する比率をXとすると、Y=−8.3333X3+20.833X2+3.3333X+0.6667の負荷曲線を下限とし、Y=3.3333X3−2.3333X2+0.6667X−0.0267の負荷曲線を上限とする範囲に存在するよう構成し、
前記突条の先端を平坦状となるように形成するエレメントは、フランク部に小さな突条および溝を交互に多数形成して滑らかに連なる波状の微小凹凸を設けて先端を平坦状としないエレメント同士の間に混在させて配設され、環状に多数連ねて金属ベルトを構成する複数のエレメントの内の3割以上に用いられることを特徴とする金属ベルト。
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