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JP4161103B2 - 小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーター及びその遺伝子、及びその機能特定を可能にした融合タンパク質作製によるトランスポーターの機能解析法 - Google Patents

小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーター及びその遺伝子、及びその機能特定を可能にした融合タンパク質作製によるトランスポーターの機能解析法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、小型中性アミノ酸及びその類似物質のナトリウム非依存的な輸送に関与するタンパク質、その融合タンパク質、及びそれらのタンパク質をコードする遺伝子に関する。また、本発明は、小型中性アミノ酸及びその類似物質のナトリウム非依存的な輸送に関与するタンパク質、その融合タンパク質、それらの特異抗体、又はそれらの機能促進物質若しくは機能抑制物質を用いて、該タンパク質が有する小型中性アミノ酸及びその類似物質を輸送する能力を変調させることにより、細胞増殖を制御し、薬物や毒物や外来性の異物の体内動態を変更させる方法、及びこれらの物質を含有してなる小型中性アミノ酸及びその類似物質の輸送能力制御剤に関する。
さらに、本発明は、外来性遺伝子発現系において細胞膜へ移行しないため機能の同定できないトランスポータータンパク質について、細胞膜移行を推進するタンパク質との融合タンパク質を作製することにより、細胞膜へ移行させ、トランスポーターの機能の解析を行う方法などに関する。
背景技術
細胞は、栄養としてアミノ酸を常時取り込むことを必要するが、この機能は細胞膜に存在する膜タンパク質であるアミノ酸トランスポーターによって担われている。また、アミノ酸トランスポーターは、多細胞生物においては各組織の中で特定の部位に配置され、各組織の特異機能の発現に重要な役割を果たしている。
輸送系ascは、アラニン、セリン、システインを中心とする小型の中性アミノ酸を輸送するアミノ酸輸送系であり、もともとは赤血球膜において記載された。その後、培養細胞においてもその存在が確認されている[Christensen、Physiol.Rev.、第70巻、43頁、1990年]。輸送系ascは、ナトリウム非依存的な、すなわちその機能にナトリウムイオンを必要としないトランスポーターである。その輸送基質選択性や輸送特性は、細胞や動物種により多少の差異があることが知られていた。
輸送系ascは、アラニン、セリン、システインなどの輸送基質に対して高親和性を示すが、これと類似の輸送系として、同様にアラニン、セリン、システインなどの小型中性アミノ酸を輸送基質とするが、輸送基質に対し低親和性の示す輸送系Cがある[Young et al.、Biochem.J.、第154巻、43頁、1976年;Young et al.、Biochem.J.、第162巻、33頁、1977年]。輸送系Cは、輸送系ascの亜系と考えられている。輸送系Cを遺伝的に欠損したヒツジが見い出され、その赤血球においてはグルタチオン含量が低下していることが示され、グルタチオン生成における細胞膜を介するシステイン取り込みの重要性が立証されている[Young et al.、Nature、第254巻、156頁、1975年]。
しかし、従来の方法では、アミノ酸輸送系ascを介するアミノ酸及びその類似物質の輸送の詳細や、生体内での機能的役割を解析することは困難であり、アミノ酸輸送系ascの機能を担う中性アミノ酸トランスポーターの遺伝子を単離して詳細な機能解析を可能とすることが望まれていた。
また、小型中性アミノ酸トランスポーターとしては、ASCT1およびASCT2がクローニングされている[Kanai、Curr.Opin.Cell Biol、第9巻、565頁、1997年]。しかし、これらは、ナトリウム依存的なトランスポーターであり、ナトリウム非依存的なアミノ酸輸送系ascとは根本的に異なっている。また、グリシントランスポーターとプロリントランスポーターがクローニングされているが、それぞれナトリウム依存的にグリシン及びプロリンのみを輸送し、輸送系ascとは異なる[Amara and Kuhar、Annu.Rev.Neurosci.、第16巻、73頁、1993年]。
トランスポーター自体ではないが、アミノ酸トランスポーターの活性化因子であると考えられている膜貫通構造を一回しか持たない二型膜糖タンパク質であるrBAT及び4F2hcのcDNAがクローニングされており、それらをアフリカツメガエル卵母細胞に発現させると中性アミノ酸とともに塩基性アミノ酸の取り込みを活性化することが知られている[Palacin、J.Exp.Biol.、第196巻、123頁、1994年]。
中性アミノ酸を選択的に輸送するトランスポーターとして、輸送系Lに相当する中性アミノ酸トランスポーター LAT1[Kanai et al.,J.Biol.Chem.,第273巻、23629−23632頁、1998年]、及びLAT2[Segawa et al.,J.Biol.Chem.,第274巻、19745−19751頁、1999年]がクローニングされた。また、LAT1及びLAT2は、1回膜貫通型タンパク質である補助因子4F2hcと共存することによってのみ機能することが示された。両者はNaに依存せず、LAT1はロイシン、イソロイシン、バリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、ヒスチジンなど大型の中性アミノ酸を輸送する交換輸送活性を示し、LAT2は、大型の中性アミノ酸に加えグリシン、アラニン、セリン、システイン、スレオニンなどの小型の中性アミノ酸も輸送とする広い基質選択性を有する。しかし、これらもアミノ酸輸送系ascとは基質選択性が異なっている。
中性アミノ酸トランスポーターLAT1及びLAT2の類似蛋白質として、中性アミノ酸及び塩基性アミノ酸を輸送する輸送系yLの機能を有するyLAT1とyLAT2がクローニングされた[Torrents et al.,J.Biol.Chem.,第273巻、32437−32445頁、1998年]。また、yLAT1、yLAT2共に補助因子4F2hcと共存することによってのみ機能することが示された。yLAT1とyLAT2は、中性アミノ酸としてはグルタミン、ロイシン、イソロイシンを主に輸送し、アミノ酸輸送系ascとは基質選択性が異なっている。
機能発現に補助因子4F2hcを要求するトランスポーターとして、中性アミノ酸トランスポーターLAT1及びLAT2の類似蛋白質であるxCTがクローニングされた[Sato et al.,J.Biol.Chem.274:11455−11458,1999]。xCTはシスチンとグルタミン酸を輸送し、アミノ酸輸送系ascとは基質選択性が異なっている。
また、4F2hcと類似構造を持つ他の補助因子rBATを機能発現に要求するトランスポーターとして、中性アミノ酸トランスポーターLAT1及びLAT2の類似蛋白質であるBAT1がクローニングされた[Chairoungdua et al.,J.Biol.Chem.274:28845−28848,1999]。BAT1は、シスチン、中性アミノ酸及び塩基性アミノ酸を輸送し、アミノ酸輸送系ascとは基質選択性が異なっている。
以上のように、4F2hc及びrBATと連結することによって機能するトランスポーターの分子的実体が明かにされ、二型糖タンパク質と分子複合体を形成することによって輸送機能を発揮する一群のトランスポーターが存在することが明かにされた。
さらに、機能発現に補助因子4F2hcを要求するトランスポーターとして、中性アミノ酸トランスポーターLAT1及びLAT2の類似蛋白質であるAsc−1がクローニングされた[Fukasawa et al.,J.Biol.Chem.275:9690−9698,2000]。Asc−1は、アラニン、セリン、システイン、スレオニン、グリシン等を選択的に輸送し、アミノ酸輸送系ascの基質選択性を示し、輸送系ascの第一のアイソフォームであることが明らかにされた。
Asc−1は、L−アミノ酸の他、アラニン、セリン、システイン、スレオニンのD−体及びα−アミノイソ酪酸(α−aminoisobutyric acid)、β−アラニンも輸送する点で、赤血球膜で記述された古典的な輸送系ascと異なった性質を示す。従って、Asc−1以外に古典的な輸送系ascに相当するトランスポーターが存在すると考えられていた。
トランスポーターと他のタンパク質との融合タンパク質の作製は、b0.+ATとその細胞膜移行のための1回膜貫通型補助因子rBATとの間で試みられている[Pfeiffer et al.,Mol.Biol.Cell 10:4135−4147,1999]。しかし、これはb0.+ATとrBATという本来の組み合わせに従って作製された融合タンパク質であり、補助因子が不明なため細胞膜への機能発現が不能なトランスポータータンパク質を強制的に細胞膜に発現させ、その機能を同定する目的で行われたものではない。
発明の開示
本発明の目的は、ナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸を輸送し、赤血球膜で記述された古典的な輸送系ascの機能を示すトランスポーターの遺伝子及びその遺伝子がコードするポリペプチドであるナトリウム非依存性小型中性アミノ酸トランスポーターを提供することにある。加えて、このトランスポーターとの融合タンパク質を作製することにより、外来性遺伝子発現系において細胞膜へ移行しないためにその機能を同定することができないトランスポータータンパク質の機能解析を行う方法を提供することにある。
その他の目的については、以下の記載より明らかである。
発明を実施するための最良の形態
本発明者らは、LAT1のcDNAの翻訳領域の塩基配列を用いてEST(expressed sequence tag)データベースを検索し、LAT1と類似の塩基配列を同定した。それに相当するcDNAクローンの塩基配列を決定し、それが新規タンパク質をコードすることを明らかにした。さらに、この遺伝子の翻訳産物と4F2hcあるいはrBATとの融合タンパク質を作製し、アフリカツメガエルの卵母細胞の細胞膜に発現させた。これにより、この遺伝子の翻訳産物の機能は、中性アミノ酸輸送系ascに相当し、すでに知られているAsc−1とは異なり、かつて赤血球膜で記述された古典的輸送系ascに相当するものであることを明らかにし、本発明を完成するにいたった。
すなわち、本発明は、以下の(A)及び(B)から選択されるタンパク質である。
(A)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
(B)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸及びその類似物質を輸送する能力を有するタンパク質。
また、本発明は、以下の(a)及び(b)から選択されるDNAからなる遺伝子である。
(a)配列番号2で示される塩基配列からなるDNA。
(b)配列番号2で示される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸及びその類似物質を輸送する能力を有するタンパク質をコードするDNA。
また、本発明は、外来性遺伝子発現系において細胞膜へ移行しないため機能の同定できないトランスポータータンパク質について、配列番号3で示されたアミノ酸配列を有するタンパク質(4F2hc)又は配列番号5で示されたアミノ酸配列を有するタンパク質(rBAT)との融合タンパク質を作製することにより、細胞膜へ移行させ、トランスポーターの機能解析を行う方法である。
本発明のナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸及びその類似物質を輸送する能力を有する新規タンパク質、すなわちアミノ酸トランスポーターAsc−2(asc−type amino acid transporter 2)は、4F2hcあるいはrBATとの融合タンパク質を作製することにより、細胞膜に発現し、グリシン、L−アラニン、L−セリン、L−システイン、L−スレオニンなどの小型中性アミノ酸を高親和性に輸送する(取り込む)能力を有する。さらに、L−メチオニオン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−バリン、L−フェニルアラニン、L−チロシン、L−ヒスチジン、D−セリン、D−アラニンを低親和性に輸送する。
また、本発明の小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーターAsc−2は、生体内においては腎臓、胎盤、骨格筋に主に発現している。さらに、脾臓及肺に弱い発現が認められる。
後記する配列表の配列番号1は、マウス由来の小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーター(マウスAsc−2)のアミノ酸配列を表し、配列番号2はその遺伝子の全長cDNA塩基配列(約1.8kbp)及びその翻訳領域にコードされたタンパク質のアミノ酸配列(465アミノ酸)を表わす。
配列番号1に示されるアミノ酸配列又は配列番号2に示される塩基配列について、既知DNAデータベース(GenBankおよびEMBL)及びプロテインデータベース(NBRF及びSWISS−PROT)に含まれるすべての配列に対してホモロジー検索を行った結果、一致するものはなく、この配列は新規なものであると考えられる。
本発明のタンパク質としては、配列番号1で示されたアミノ酸配列を有するもののほか、例えば配列番号1で示されたアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸の欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質が挙げられる。アミノ酸の欠失、置換もしくは付加は、中性アミノ酸輸送活性が失われない程度であればよく、通常1〜約93個、好ましくは1〜約47個である。このようなタンパク質は、配列番号1で示されたアミノ酸配列と通常、1〜80%、好ましくは1〜90%のアミノ酸配列のホモロジーを有する。
また、本発明の遺伝子としては、配列番号2で示された塩基配列を有するもののほか、配列番号2で示された塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るDNAを含むものが挙げられる。このようにハイブリダイズし得るDNAは、そのDNAにコードされるタンパク質が中性アミノ酸を輸送する能力を有するものであればよい。このようなDNAは配列番号1で示された塩基配列と通常、70%以上、好ましくは80%以上の塩基配列のホモロジーを有する。このようなDNAとしては、自然界で発見される変異型遺伝子、人為的に改変した変異型遺伝子、異種生物由来の相同遺伝子等が含まれる。
本発明において、ストリンジェントな条件下でのハイブリダイゼーションは、通常、ハイブリダイゼーションを、5xSSC又はこれと同等の塩濃度のハイブリダイゼーション溶液中、37−42℃の温度条件下、約12時間行い、5xSSC又はこれと同等の塩濃度の溶液などで必要に応じて予備洗浄を行った後、1xSSC又はこれと同等の塩濃度の溶液中で洗浄を行うことにより実施できる。
本発明の小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーター遺伝子は、適当な哺乳動物の組織や細胞を遺伝子源として用いてスクリーニングを行うことにより単離取得できる。哺乳動物としては、イヌ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、サル、ブタ、ウサギ、ラット及びマウスなどの非ヒト動物のほか、ヒトが挙げられる。
遺伝子のスクリーニング及び単離は、ホモロジークローニング法などにより好適に実施できる。
例えば、マウスあるいはヒト腎を遺伝子源として用い、これからmRNA(ポリ(A)RNA)を調製する。これからcDNAライブラリーを構築し、EST(expressed sequence tag)データベースの検索によって得られるLAT1類似配列(例えば、GenBanskTM/EBI/DDBJ accession No.AI875555)に相当するプローブを用いてcDNAライブラリーをスクリーニングすることによってAsc−2遺伝子のcDNAを含むクローンを得ることができる。
得られたcDNAについては、常法により塩基配列を決定し、翻訳領域を解析して、これにコードされるタンパク質、すなわち、Asc−2のアミノ酸配列を決定することができる。
得られたcDNAが、小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーター、すなわちはcDNAにコードされた遺伝子産物が小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーターであることは、例えば次のようにして検証することができる。すなわち、得られたAsc−2遺伝子のcDNAをもとにして、Asc−2と4F2hcあるいはrBATとの融合タンパク質をコードするcDNAを作製し、これから調整した、これに相補的なRNA(cRNA)(キャプ化されたもの)を卵母細胞内に導入して発現させ、中性アミノ酸を細胞内へ輸送する(取り込む)能力を、適当な中性アミノ酸を基質とする通常の取り込み試験(Kanai and Hediger、Nature、第360巻、467−471貢、1992年)により、細胞内への基質の取り込みを測定することにより確認できる。
得られたAsc−2遺伝子のcDNAから調整した、これに相補的なRNA(cRNA)を用いて、インビトロ翻訳法[Hedigerら、Biochim.Biophys.Acta、第1064巻、360頁、1991年]により、asc−1タンパク質を合成し、電気泳動によりタンパク質のサイズ、糖付加の有無等を検討することができる。
4F2hcの遺伝子のcDNAはすでに報告されている[Fukasawa et al.,J.Biol.Chem.275:9690−9698,2000]ので、この配列情報から、PCR法などを用いて、容易に4F2hcの遺伝子を得ることが可能である。
後記する配列表の配列番号3は、マウス由来の4F2hcのアミノ酸配列(526アミノ酸)を表し、配列番号4はその遺伝子の全長cDNA塩基配列(約1.8kbp)及びその翻訳領域にコードされたタンパク質のアミノ酸配列を表わす。
rBATの遺伝子のcDNAもすでに報告されている[Segawa,H.,et al.,Biochem.J.328:657−664,2000]ので、この配列情報から、PCR法などを用いて、容易にrBATの遺伝子を得ることが可能である。
後記する配列表の配列番号5は、マウス由来のrBATのアミノ酸配列(685アミノ酸)を表し、配列番号6はその遺伝子の全長cDNA塩基配列(約2.3kbp)及びその翻訳領域にコードされたタンパク質のアミノ酸配列を表わす。
Asc−2と4F2hcあるいはrBATとの融合タンパク質をコードするcDNAは、Asc−2遺伝子のcDNA、4F2hc遺伝子のcDNA、あるいはrBAT遺伝子のcDNAをもとにして、PCR法などを用いて、容易に作製できる。
また、発現細胞について、同様の取り込み実験を応用して、Asc−2の特性、例えば、Asc−2がアミノ酸の交換輸送型と促通拡散型の混在した輸送を行っているという特性や、Asc−2の基質選択性、pH依存性などを調べることができる。
得られたAsc−2遺伝子のcDNAを用いて、異なる遺伝子源で作製された適当なcDNAライブラリー又はゲノミックDNAライブラリーをスクリーニングすることにより、異なる組織、異なる生物由来の相同遺伝子や染色体遺伝子等を単離することができる。
また、開示された本発明の遺伝子の塩基配列(配列番号2に示された塩基配列、もしくはその一部)の情報に基づいて設計された合成プライマーを用い、通常のPCR(Polymerase Chain Reaction)法によりcDNAライブラリー又はゲノミックDNAライブラリーから遺伝子を単離することができる。
cDNAライブラリー又はゲノミックDNAライブラリー等のDNAライブラリーは、例えば、サムブルックらの「分子クローニング」(「Molecular cloning」[Sambrook,J.,Fritsh,E.F.及びManitis,T.著、Cold Spring Harbor Pressより1989に発刊])に記載の方法により調整することができる。あるいは、市販のライブラリーがある場合はこれを用いてもよい。
本発明の小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーター及びその遺伝子(Asc−2)は、例えば、それをコードするcDNAを用い、遺伝子組換え技術により生産することができる。例えば、Asc−2をコードするDNA(cDNA等)を適当な発現ベクターに組み込み、得られた組換えDNAを適当な宿主細胞に導入することができる。ポリペプチド生産するための発現系(宿主−ベクター系)としては、例えば、細菌、酵母、昆虫細胞及び哺乳類細胞の発現系等が挙げられる。このうち、機能タンパクを得るためには、昆虫細胞及び哺乳類細胞を用いることが好ましい。
また、本発明の小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーターと4F2hcあるいはrBATとの融合タンパク質及びその遺伝子(Asc−2−4F2hcあるいはAsc−2−rBAT)は、例えば、それをコードするcDNAを用い、遺伝子組換え技術により生産することができる。例えば、Asc−2−4F2hcあるいはAsc−2−rBATをコードするDNA(cDNA等)を適当な発現ベクターに組み込み、得られた組換えDNAを適当な宿主細胞に導入することができる。ポリペプチド生産するための発現系(宿主−ベクター系)としては、例えば、細菌、酵母、昆虫細胞及び哺乳類細胞の発現系等が挙げられる。このうち、機能タンパクを得るためには、昆虫細胞及び哺乳類細胞を用いることが好ましい。
例えば、ポリペプチドを哺乳類細胞で発現させる場合には、本発明の小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーターAsc−2、あるいはAsc−2と4F2hcあるいはrBATとの融合タンパク質をコードするDNAを、適当な発現ベクター(例えば、アデノウイルス系ベクター、レトロウイルス系ベクター、パピローマウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、SV40系ベクター、各種のプラスミド等)中の適当なプロモーター(例えば、サイトメガロウイルスプロモーター、SV40 プロモーター、LTRプロモーター、エロンゲーション1a プロモーター等)の下流に挿入して発現ベクターを構築する。次に、得られた発現ベクターで適当な動物細胞を形質転換し、形質転換体を適当な培地で培養することによって、目的とするポリペプチドが生産される。宿主とする哺乳動物細胞としては、サルCOS−7細胞、チャイニーズハムスターCHO細胞、又はヒトHeLa細胞などの細胞株などが挙げられる。
したがって、本発明は、前記した本発明の遺伝子もしくは該遺伝子の中のタンパク質をコードする遺伝子を含むベクター、好ましくは発現ベクター、及び当該ベクターを用いて形質転換された宿主細胞(形質転換体)を提供する。
小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーターAsc−2をコードするDNAとしては、例えば、配列番号1で示される塩基配列を有するcDNAを用いることができるほか、前記のcDNA配列に限定されることなく、アミノ酸配列に対応するDNAを設計し、ポリペプチドをコードするDNAとして用いることもできる。この場合、ひとつのアミノ酸をコードするコドンは各々1〜6種類知られており、用いるコドンの選択は任意で良いが、例えば発現に利用する宿主のコドン使用頻度を考慮して、より発現効率の高い配列を設計することができる。設計した塩基配列を持つDNAは、DNAの化学合成、前記cDNAの断片化と結合、塩基配列の一部改変等によって取得できる。人為的な塩基配列の一部改変、変異導入は、所望の改変をコードする合成オリゴヌクレオチドからなるプライマーを利用して部位特異的変異導入法(site specific mutagenesis)[Mark,D.F.et al.、Proceedings of National Academy of Sciences、第81巻、第5662頁(1984年)]等によって実施できる。
小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーターAsc−2と4F2hcあるいはrBATとの融合タンパク質及(Asc−2−4F2hcあるいはAsc−2−rBAT)をコードするDNAは、例えば、配列番号2で示される塩基配列及び配列番号4で示される塩基配列あるいは配列番号6で示される塩基配列を有するcDNAを用いて作製することができるほか、前記のcDNA配列に限定されることなく、アミノ酸配列に対応するDNAを設計し、ポリペプチドをコードするDNAとして用いることもできる。この場合、ひとつのアミノ酸をコードするコドンは各々1〜6種類知られており、用いるコドンの選択は任意で良いが、例えば発現に利用する宿主のコドン使用頻度を考慮して、より発現効率の高い配列を設計することができる。設計した塩基配列を持つDNAは、DNAの化学合成、前記cDNAの断片化と結合、塩基配列の一部改変等によって取得できる。人為的な塩基配列の一部改変、変異導入は、所望の改変をコードする合成オリゴヌクレオチドからなるプライマーを利用して部位特異的変異導入法(site specific mutagenesis)[Mark,D.F.et al.、Proceedings of National Academy of Sciences、第81巻、第5662頁(1984年)]等によって実施できる。
したがって、本発明は、配列番号2で示される塩基配列の中の連続する14塩基以上、好ましくは20塩基以上の部分配列もしくはその相補的な配列を含むヌクレオチドを提供するものである。
本発明のヌクレオチドは、ナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸及びその類似物質を輸送する能力を有するタンパク質をコードする遺伝子を検出するためのプローブとして使用することができ、また、当該タンパク質をコードする遺伝子やそれと相同性の高いタンパク質をコードする遺伝子などを入手する際のプライマーとして使用することができ、さらに、そのアンチセンス鎖などによりナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸及びその類似物質を輸送する能力を有するタンパク質をコードする遺伝子の発現を変調させるために使用することもできる。
本発明の小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーター又はこれと免疫学的同等性を有するポリペプチドを用いて、その抗体を取得することができる。抗体は、小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーターの検出や精製などに利用できる。抗体は、本発明の小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーター、その断片、またはその部分配列を有する合成ペプチドなどを抗原として用いて製造できる。ポリクロナール抗体は、宿主動物(例えば、ラットやウサギ等)に抗原を接種し、免疫血清を回収する、通常の方法により製造することができ、モノクロナール抗体は、通常のハイブリドーマ法などの技術により製造できる。
したがって、本発明は、前記した本発明タンパク質に対する抗体、好ましくは当該タンパク質に対する特異抗体を提供するものである。
本発明のタンパク質は、ナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸及びその類似物質を輸送する能力を有するものであり、この能力は種々の物質の存在下に強い影響を受ける。この能力を阻害する物質や、促進する物質をスクリーニングすることにより、本発明のタンパク質の物質の輸送の能力を制御することができる。
したがって、本発明は、前記した本発明のタンパク質を用いて、該タンパク質の有するナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸及びその類似物質を輸送する能力に対する被検物質の基質としての作用を検出する方法を提供する。
また、本発明のタンパク質により輸送されるアミノ酸類は、細胞の増殖や成長、生命維持に不可欠の物質であり、これらの物質の細胞内への取り込みを制御することにより、細胞の増殖や成長などを制御することができる。したがって、本発明は、前記した本発明のタンパク質、その特異抗体、又はその機能促進物質若しくは機能抑制物質を用いて、該タンパク質が有する小型中性アミノ酸及びその類似物質を輸送する能力を変調させることにより、細胞増殖を制御する方法を提供するものである。
本発明の小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーターAsc−2と4F2hcあるいはrBATとの融合タンパク質の遺伝子およびその発現細胞は、Asc−2が存在する細胞膜や、Asc−2が存在すると予想される部位での物質透過効率についての、インビトロでの試験に使用できる。また、小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーターAsc−2と4F2hcあるいはrBATとの融合タンパク質の遺伝子およびその発現細胞は、Asc−2が存在する細胞膜や、Asc−2が存在すると予想される部位を効率良く透過する化合物の開発に使用できる。さらに、小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーターAsc−2と4F2hcあるいはrBATとの融合タンパク質の遺伝子およびその発現細胞は、Asc−2が存在する細胞膜や、Asc−2が存在すると予想される部位での薬物間相互作用のインビトロでの試験に使用できる。
したがって、本発明は、前記した本発明のタンパク質、その特異抗体、又はその機能促進物質若しくは機能抑制物質を用いて、該タンパク質が有する中性アミノ酸及びその類似物質を輸送する能力を変調させることにより、該タンパク質によって輸送される薬物、毒物又は外来性異物の体内動態を変更する方法を提供する。
このように、本発明のタンパク質はナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸及びその類似物質を輸送する能力を有するものであり、この能力は細胞に存在するタンパク質の数によるだけでなく、各種の物質の存在下で抑制(機能抑制物質などのの存在下で)することもでき、また促進(機能促進物質などのの存在下で)させることもできることから、本発明は、前記した本発明のタンパク質、その特異抗体、又はその機能促進物質若しくは機能抑制物質を含有してなる、該タンパク質が有する小型中性アミノ酸及びその類似物質の輸送能力制御剤を提供するものである。
本発明の輸送能力制御剤は、細胞の増殖や成長などを制御できることから細胞増殖制御剤や、また薬物、毒物又は外来性異物の体内動態を変調、制御することができることから薬物、毒物又は外来性異物の体内動態制御剤として使用することができる。
本発明の小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーターAsc−2を抑制することにより、Asc−2を発現する細胞膜や、Asc−2が存在すると予想される部位の特定の化合物の透過を制限することができる。また、本発明の小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーターAsc−2と4F2hcあるいはrBATとの融合タンパク質の遺伝子およびその発現細胞は、Asc−2により輸送される化合物の、細胞膜通過や、Asc−2が存在すると予想される部位の透過を制限する薬物(Asc−2の特異的なインヒビター等)の開発に使用できる。
したがって、本発明は、外来性遺伝子発現系において細胞膜へ移行しないために機能を同定することができないタンパク質について、当該タンパク質を細胞膜移行を推進するタンパク質との融合タンパク質にして細胞膜へ移行させることからなるトランスポータータンパク質の機能を解析する方法を提供するものである。本発明の細胞膜移行を推進するタンパク質としては、配列番号3若しくは5で示されたアミノ酸配列を有するタンパク質、又はこれらのタンパク質の1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質が好ましい。また、外来性遺伝子発現系において細胞膜へ移行しないために機能を同定することができないタンパク質としては、トランスポーターが好ましいがこれに限定されるものではない。
また、本発明は、配列番号3若しくは5で示されたアミノ酸配列を有するタンパク質が、タンパク質の細胞膜移行推進作用を有することを見いだしたものであり、したがって、本発明は、配列番号3若しくは5で示されたアミノ酸配列を有するタンパク質、又はこれらのタンパク質の1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質を含有してなる、タンパク質の細胞膜移行推進剤を提供するものである。本発明の細胞膜へ移行されるタンパク質としては、外来性遺伝子発現系において細胞膜へ移行しないために機能を同定することができないトランスポータータンパク質が好ましい。
実施例
以下、実施例をもって本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を制限するものではない。
なお、下記実施例において、各操作は特に明示がない限り、サムブルックら「分子クローニング」(「Molecular cloning」[Sambrook,J.,Fritsh,E.F.及びManitis,T.著、Cold Spring Harbor Pressより1989に発刊])に記載の方法により行うか、または、市販の試薬やキットを用いる場合には市販品の指示書に従って使用した。
実施例1
(1)小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーターのマウスcDNAの同定
ラットLAT1[Kanai,et al.,J.Biol.Chem.273:23629−23632,1998]の翻訳領域の塩基配列を用いたEST(expressed sequence tag)データベースの検索によって得られた、ラットLAT1と類似のマウス由来の塩基配列GenBanskTM/EBI/DDBJ accession No.AI875555に相当するcDNAクローンをIMAGE(Integrated and Molecular Analysis of Genomes and their Expression)より購入し(IMAGE clone I.D.:1972372)、塩基配列決定のための合成プライマーを用いてダイターミネーターサイクルシーケンシング法(Applied Biosystems社)により、cDNAの全長の塩基配列を決定した。また、cDNAの塩基配列を常法により解析して、cDNAの翻訳領域とそこにコードされるタンパク質のアミノ酸配列を決定した。
このアミノ酸配列を後記配列表の配列番号1に、塩基配列を配列番号2にそれぞれ示した。
Asc−2は、中性アミノ酸輸送系Lに相当するラットトランスポーターLAT1と34%、LAT2と33%のアミノ酸配列の相同性を有していた。また、Asc−2は、中性および塩基性アミノ酸輸送系yLに相当するラットトランスポーターyLAT1と34%、ヒトトランスポーターyLAT2と32%の相同性を有していた。さらに、Asc−2は、シスチン及び酸性アミノ酸輸送系xCに相当するマウストランスポーターxCTと34%、シスチン及び中性及び塩基性アミノ酸輸送系b0.+に相当するラットトランスポーターBAT1と35%のアミノ酸配列の相同性を有していた。さらに、Asc−2は、塩基性アミノ酸輸送系yに相当するマウス及びヒトトランスポーターCAT1〜4と28〜29%の相同性を有していた。
Asc−2とマウスAsc−1、ラットLAT1、ラットyLAT1、ヒトyLAT2、マウスxCT及びラットBAT1のアミノ酸配列の比較を第1図に示した。
SOSUIアルゴリズム[Hirokawa,T.et al.、Bioinformatics、第14巻、第378頁(1998年)]により、Asc−2のアミノ酸配列を解析した結果、第1図に示したように、12個の膜貫通領域(membrane−spanning domain)が予想された。第3の親水性ループに、LAT1、LAT2、Asc−2、yLAT1、yLAT2、xCT及びBAT1との間に保存されたシステイン残基があった。このシステイン残基を介して、Asc−2は、未知の補助因子とジスルフィド結合を介して連結することが予想された。また、第6の親水性ループにcAMP依存性のリン酸化部位と考えられる部位があった。
(2)インビトロ翻訳による、Asc−2タンパク質の解析
インビトロ翻訳法[Hedigerら、Biochim.Biophys.Acta、第1064巻、360頁、1991年]により、Asc−2cRNA及びマウス4F2hcのcRNAからAsc−2及び4F2hcタンパク質を合成し、電気泳動を行った。
その結果を第2図に図面に代わる写真で示す。この結果、55kDaのバンドが得られ、糖付加酵素群を含むイヌ膵臓ミクロゾーム画分の存在下でも糖付加を受けず、糖付加部位を持たないタンパク質であることが示された(第2図参照)。これに対して、糖付加反応の対照として行ったマウス4F2hcのcRNAのインビトロ翻訳では、65kDaのバンドが得られ、イヌ膵臓ミクロゾーム画分の存在下で80kDaのバンドが出現した。このバンドは、糖鎖分解酵素エンドグリコキダーゼH(endoglycosidase H)により、65kDaに復帰した。
(3)マウスの種々の組織におけるAsc−2遺伝子の発現(ノーザンブロッティングによる解析)
Asc−2遺伝子の第135−735塩基対に相当するcDNA断片をPCRで増幅し、32P−dCTPでラベルしてプローブとして用いて、マウスの種々の組織から抽出したRNAに対してノーザンブロッティングを以下のようにして行った。3μgのポリ(A)RNAを1%アガロース/ホルムアルデヒドゲルで電気泳動したのち、ニトロセルロースフィルターにトランスファーした。このフィルターを42℃で、32P−dCTPでラベルしたAsc−2のcDNA断片を含んだハイブリダイゼーション液で1晩ハイブリダイゼーションを行った。フィルターを、65℃にて、0.1%SDSを含む0.1xSSCで洗浄した。
ノーザンブロッティングの結果を第3図に図面に代わる写真で示す。この結果、腎において1.7kb付近にバンドが検出された。さらに、さらに、腎と胎盤に4.0kb付近のバンドが検出された。加えて、7.5kb付近の薄いバンドが、肺と脾臓検出された。また、骨格筋には、0.5kbと1.0kb付近の短いバンドが検出された。
さらに、Asc−2が赤血球に発現するかどうかを検討する目的で、ハラらの方法[Hara,H.and Ogawa,M.:Am J.Hematol.1:453−458,1976]に従い、雄ICRマウスに1−アセチル−2−フェニルヒドラジン(1−acetyl−2−phenylhydraszine)(60mg/kg体重)を第0日、1日及び3日に投与し溶血性貧血を起こさせることによって、脾造血を起こさせ、第6日に脾臓を回収した。この脾臓から抽出した3μgのポリ(A)RNAを、無処置雄ICRマウス由来の脾臓のポリ(A)RNA(3μg)とともに1%アガロース/ホルムアルデヒドゲルで電気泳動したのち、ニトロセルロースフィルターにトランスファーした。このフィルターを42℃で、32P−dCTPでラベルしたAsc−2のcDNA断片を含んだハイブリダイゼーション液で1晩ハイブリダイゼーションを行った。フィルターを、65℃にて、0.1%SDSを含む0.1xSSCで洗浄した。同時に、32P−dCTPでラベルしたマウスAsc−1のcDNA断片をプローブとしたノーザンハイブリダイゼーションを行った。
このノーザンブロッティングの結果を第4図に図面に代わる写真で示す。この結果、無処置マウス脾臓、1−アセチル−2−フェニルヒドラジン(1−acetyl−2−phenylhydraszine)処理マウス脾臓ともに、7.5kb付近にバンドが検出された。1−アセチル−2−フェニルヒドラジン(1−acetyl−2−phenylhydraszine)処理マウスでは、無処置マウスに比して、発現が3.2±0.6(平均±標準誤差、n=3)倍高かった。従って、Asc−2は、赤血球に発現することが示唆された。これに対して、Asc−1は、脳のみの発現が見られ、無処置マウス、1−アセチル−2−フェニルヒドラジン(1−acetyl−2−phenylhydraszine)処理マウスともに、脾臓には発現が検出されなかった。
(4)マウス赤血球及びマウス腎におけるAsc−2蛋白の発現
マウスAsc−2の455−465に相当する合成オリゴペプチド[SPSEDPEEQKNC](C−末端のシステン残基はKLH(keyhole limpet hemocyanine)とのコンジュゲーションのために導入)に対する特異抗体をアルトマン(Altman)らの方法に準じて作製した[Altman et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.第81巻、2176−2180頁、1984年]。
マウス赤血球及び腎の膜画分をトレンス(Thorens)らの方法[Thorens et al.Cell第55巻、281−290頁、1988]に従って調整した。タンパク試料は、5%の2−メルカプトエタノール存在下(還元条件下)あるいは非存在下(非還元条件下)で100℃で5分間処理後、SDS−ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、Hybond−P PVDVトランスファー膜にブロッティングし、抗Asc−2アフィニティー精製抗体(1:5,000)で処理した。
結果を第5図に図面に代わる写真で示す。マウス赤血球では、抗Asc−2抗体によって第5図に示すように、非還元条件下において80kDa、200kDa、250kDa付近にバンドが検出された。マウス腎では、90kDa付近にバンドが検出された。還元条件下では、赤血球、腎ともに、60kDa付近にバンドにが検出された。これらの結果より、Asc−2は、何らかのタンパク質とジスルフィド結合により連結していることが示唆される。さらに、赤血球と腎では、異なったタンパク質がAsc−2と連結していることが示唆される。
実施例2.小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーターAsc−2と4F2hcあるいはrBATとの融合タンパク質の作製とその機能の解析
(1)小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーターAsc−2と4F2hcあるいはrBATとの融合タンパク質の作製
Asc−2とrBATの融合タンパク質(Asc−2−rBAT)を作製するために、合成オリゴDNAプライマー5’−GCGCGAATTCAAGCTTGAACACCCTGTTTGACAGGG−3’(Asc−2のcDNAの第17−36塩基対に相当する配列に、HindIIIとEcoRI切断部位に相当する配列と5’−側にGCGCを加えたもの)及び5’−GCGCGAATTCACTAGTATTTTTCTGTTCTTCTGGAT−3’(Asc−2のcDNAの第1491−1510塩基対に相当する配列に、SpeIとEcoRI切断部位に相当する配列と5’−側にGCGCを加えたもの)を用いて、Asc−2のcDNAを鋳型として、PCRを行った。得られたPCR産物は、HindIIIとEcoRIで切断し、哺乳類細胞発現ベクターpcDNA3.1(+)(Invitrogen社)のHindIII及びEcoRI部位にライゲーションした。さらに、合成オリゴDNAプライマー5’−GCGCATCGATAGCCAGGACACCGAAGTGGA−3’(配列番号6で示されるマウスrBATの翻訳開始コドンATGの直後より20塩基対に相当する配列に、EcoRI切断部位に相当する配列と5’−側にGCGCを加えたもの)及び5’−GCGCGCGGCCGCCATATTTAAATGCTTTAGTA−3’(配列番号6で示されるマウスrBATの2240−2259塩基対に相当する配列に、NotI切断部位に相当する配列と5’−側にGCGCを加えたもの)を用いて、rBATのcDNAを鋳型として、PCRを行った。得られたPCR産物は、EcoRIとNotIで切断し、上記Asc−2のPCR産物を組み込んだ哺乳類細胞発現ベクターpcDNA3.1(+)のEcoRI及びNotI部位へライゲーションすることにより、Asc−2と4F2hcの融合タンパク質をコードするcDNAを得た(第6図参照)。
(2)卵母細胞を用いた14C−セリンの取り込みの結果を第7図に示す。14C−セリンの取り込みは、Asc−2のみを発現させた卵母細胞及びAsc−2と4F2hcを共発現させた卵母細胞では、対照として水を注入した卵母細胞と同レベルであったが、Asc−2−rBATあるいはAsc−2−4F2hcを発現させた卵母細胞では大きなセリンの取り込みを示した。
rBATあるいは4F2hcが、Asc−2の直接の補助因子とはならないことを、COS−7細胞を用いて検討した。Asc−2のcDNA、rBATのcDNAあるいは4F2hcのcDNAを含むプラスミドDNA(各1μg)を、ミゾグチら[Mizoguchi et al.:Kidney Int.59:1821−1833,2001]の方法に従って、リポフェクタミン2000試薬(LIPOFECTAMINE 2000 Reagent(life Technologies))を用いてCOS−7細胞に導入した。導入後、細胞は24穴プレートで2日間培養し、14C−セリン(10μM)の取り込みを測定した。取り込み測定は、ミゾグチら[Mizoguchi et al.:Kidney Int.59:1821−1833,2001]の方法に従い、培養液を取り除き、14C−セリンを含むデュルベッコのPBS(Dulbecco’s PBS(Gibco社製))を添加することにより開始し、それを取り除き氷冷デュルベッコのPBS(Dulbecco’s PBS)により洗浄することにより終了した。洗浄後、0.1N NaOHで溶解し、液体シンチレーションカウンターにより放射活性を測定した。
その結果を第8図に示す。セリンの取り込みは、Asc−2のみを発現させた卵母細胞、Asc−2とrBATを共発現させた卵母細胞及びAsc−2と4F2hcを共発現させた卵母細胞では、対照として水を注入した卵母細胞と同レベルであり、rBATあるいは4F2hcが、Asc−2の直接の補助因子とはならないことが確認された。
(3)小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーターAsc−2と4F2hcの融合タンパク質(Asc−2−4F2hc)の卵母細胞細胞膜への発現の蛍光免疫法による同定
卵母細胞にAsc−2を発現させた場合は機能しないが、Asc−2と4F2hcの融合タンパク質(Asc−2−4F2hc)は機能活性を示したが、これは、Asc−2は細胞膜へ輸送されないが、Asc−2−4F2hcは細胞膜に輸送されるためであるかどうかを、蛍光免疫法によって検討した。
Asc−2遺伝子cRNA25ngあるいはAsc−2と4F2hcとの融合タンパク質(Asc−2−4F2hc)遺伝子cRNA25ngを卵母細胞に注入することによって発現させ3日間培養後、卵母細胞を4%パラホルムアルデヒド−リン酸緩衝液で固定し、常法に従いパラフィン切片(3μm)を作製した。脱パラフィン後、切片を0.1%のトュウィーン(Tween)20を含む0.05Mトリス緩衝生食液中で、5%ヤギ血清でブロッキングし、アフィニティー精製した抗Asc−2抗体、あるいはアフィニティー精製した抗4F2hc抗体[Fukasawa et al.,J.Biol.Chem.275:9690−9698,2000]で処理した。その後、切片は、Cy3−標識ヤギ抗ウサギIgG(Jacson ImmunoResearch Laboratories)で処理し、0.1%のトュウィーン(Tween)20を含む0.05Mトリス緩衝生食液で洗浄後、オリンパスフルオビュー(Olympus Fluoview(FV 500))共焦点レーザー顕微鏡(オリンパス)を用いて観察した。グリーンハネレ(Green Henere)レーザーにより543nmで励起し、BA560IFフィルターを用いてCy3からの蛍光を検出した。
その結果を第9図に図面に代わる写真で示す。Asc−2を発現させた卵母細胞では、抗Asc−2抗体で検出されるAsc−2タンパク質は細胞膜には存在せず、細胞質内に留まっている(第9図d参照)が、Asc−2と4F2hcの融合タンパク質(Asc−2−4F2hc)を発現させた卵母細胞では、抗4F2hc抗体(第9図e参照)、抗Asc−2抗体(第9図f参照)ともに細胞膜に発現したAsc−2−4F2hc融合タンパク質を検出した。対照として水を注入した卵母細胞では、抗4F2hc抗体(第9図a参照)あるいは抗Asc−2抗体(第9図b参照)による特異的な発色は見られなかった。従って、卵母細胞にAsc−2を発現させた場合は機能せず、Asc−2と4F2hcの融合タンパク質(Asc−2−4F2hc)が機能活性を示したことは、Asc−2は単独では細胞膜へ輸送されないが、4F2hcとの融合タンパク質(Asc−2−4F2hc)は細胞膜に輸送されるためであることが確認された。
(4)Asc−2の輸送活性の塩依存性
Asc−2と4F2hcあるいはrBATとの融合タンパク質(Asc−2−4F2hcあるいはAsc−2−rBAT)遺伝子cRNAを注入した卵母細胞によるセリン取り込み実験において培地に添加する塩の影響を調べた。
セリンの取り込み実験は、Asc−2と4F2hcあるいはrBATとの融合タンパク質(Asc−2−4F2hcあるいはAsc−2−rBAT)遺伝子cRNAを注入した卵母細胞を用い、前記実施例2(2)記載の方法に準じて実施した。但し、取り込み用溶液は、ナトリウムイオンの影響をみる場合は、ナトリウムフリー取り込み溶液(Na−free uptake solution)にかえて、標準取り込み溶液(uptake solution)(100mM塩化コリンを100mM塩化ナトリウムに変えたもの)を用いた。塩素イオンの影響をみる場合は、標準取り込み溶液(uptake solution)にかえて、グルコン酸取り込み溶液(100mM塩化ナトリウムを100mMグルコン酸ナトリウムに変えたもの)を用いた。
その結果を第10図に示す。細胞外のコリンをナトリウムに変えても、細胞外の塩素イオンをグルコン酸イオンに変えても、セリン取り込みに何ら影響を与えなかった。このことから、Asc−2はナトリウムイオン及び塩素イオンに非依存的に働くトランスポーターであることが示された。
(5)Asc−2のミカエリス−メンテン動力学試験
小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーターAsc−2のミカエリス−メンテン動力学試験を行った。基質セリンの濃度の違いによるセリン取り込み率の変化を調べることにより、Asc−2のミカエリス−メンテン動力学試験を行った。
セリンの取り込み実験は、Asc−2と4F2hcあるいはrBATとの融合タンパク質(Asc−2−4F2hcあるいはAsc−2−rBAT)遺伝子cRNAを注入した卵母細胞を用い、前記実施例2(2)記載の方法に準じて実施した。その結果を第11図に示す。Asc−2−rBATのセリン輸送のKm値は2.88±0.37μM(平均±標準誤差、n=3)であった。Asc−2−4F2hcのセリン輸送のKm値は2.10μMであった。
セリン以外のAsc−2の基質となるアミノ酸においても同様にミカエリス−メンテン動力学試験を行い、Km値とVmax値を算出し、次の表1に示した。
Figure 0004161103
表1中の各々のVmax値は、アラニンのとVmax値を1.00とした場合の比率で示した。個々の値は、平均±標準誤差(n=3)を示す。
(6)Asc−2を介するアミノ酸の放出試験
Asc−2とrBATの融合タンパク質(Asc−2−rBAT)遺伝子cRNAを共に注入した卵母細胞において、前負荷した14C−セリンのAsc−2を介する放出を調べた。
Asc−2とrBATの融合タンパク質(Asc−2−rBAT)遺伝子cRNAを注入した卵母細胞に100nlの600μM14C−セリン(〜10nCi)を注入し、氷冷のセリンを含まないナトリウムフリー取り込み溶液(Na−free uptake solution)で洗浄した後、室温(18℃−22℃)のセリン(100μM)添加あるいは未添加のナトリウムフリー取り込み溶液(Na−free uptake solution)に移し、細胞外に放出される14C−セリンの量を測定した。
その結果を第12図に示す。Asc−2−rBATにおいては、細胞外にセリンを添加しない場合においても14C−セリンの有意な放出が観察され、その放出は細胞外にセリンを添加することによってさらに増加した(第12図参照)。従って、Asc−2は交換輸送と促通拡散型輸送が混在するトランスポーターであることがわかった。
Asc−2と4F2hcの融合タンパク質(Asc−2−4F2hc)遺伝子cRNAを共に注入した卵母細胞においても、Asc−2−rBATの場合と同様にして、前負荷した14C−セリンのAsc−2を介する放出を調べた。
その結果、Asc−2−4F2hcにおいても、Asc−2−rBATの場合と同様に、細胞外にセリンを添加しない場合においても14C−セリンの有意な放出が観察され、その放出は細胞外にセリンを添加することによってさらに増加した。
(7)Asc−2の基質選択性(アミノ酸及びその類似物質添加による阻害実験)
Asc−2とrBATの融合タンパク質(Asc−2−rBAT)遺伝子cRNAを注入した卵母細胞によるセリンの取り込み実験において、系への各種アミノ酸及びその類似物質添加の影響を調べた。
セリンの取り込み実験は、Asc−2とrBATの融合タンパク質(Asc−2−rBAT)遺伝子cRNAを注入した卵母細胞を用い、前記実施例2(2)記載の方法に準じて実施した。但し、ナトリウムフリー取り込み溶液(Na−free uptake solution)を用い、500μMの各種化合物(非標識)の存在下及び非存在下で、14C−セリン(5μM)の取り込みを測定した。
その結果を第13図に示す。各種の中性L−アミノ酸で、cis−阻害効果が観察された。特に、グリシン、アラニン、セリン、スレオニン、システインはAsc−2−rBATを介した14C−セリンの取り込みを強く阻害した。
酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、輸送系L特異的抑制薬2−アミノ−2−ノルボルナンカルボン酸(2−amino−2−norbornane−carboxylic acid)(BCH)、γ−アミノイソブチル酸、及びα−アミノメチルイソブチル酸は、Asc−2−rBATを介した14C−セリンの取り込みに影響を与えなかった(第13図参照)。
Asc−2と4F2hcの融合タンパク質(Asc−2−4F2hc)遺伝子cRNAを共に注入した卵母細胞においても、Asc−2−rBATの場合と同様にして、卵母細胞によるセリンの取り込み実験において、系への各種アミノ酸及びその類似物質添加の影響を調べた。
その結果、Asc−2−4F2hcにおいても、Asc−2−rBATの場合と同様な結果が得られ、Asc−2と4F2hcあるいはrBATとの融合タンパク質(Asc−2−4F2hcあるいはAsc−2−rBAT)においては、4F2hcあるいはrBATの部分は基質結合部位の特性には影響せず、融合タンパク質で得られた基質選択性に関する情報は、Asc−2そのものも輸送特性を反映することが示された。
(8)Asc−2の基質選択性(各種アミノ酸及びその類似物質を基質とする取り込み試験)
各種アミノ酸及びその類似物質を基質として、Asc−2とrBATの融合タンパク質(Asc−2−rBAT)遺伝子cRNAを注入した卵母細胞による取り込みを調べた。
各種アミノ酸及びその類似物質の取り込み実験は、Asc−2とrBATの融合タンパク質(Asc−2−rBAT)遺伝子cRNAを注入した卵母細胞を用い、前記実施例2(2)記載の方法に準じて実施した。但し、基質としては、14C−セリンに変えて、放射能ラベルされた各種の化合物を用いた。
その結果を第14図に示す。グリシン(14C化合物)、L−アラニン(14C化合物)、L−セリン(14C化合物)、L−スレオニン(14C化合物)(以上第14図参照)を基質とした場合に、卵母細胞への大きな取り込みが認められた。
実施例3 マウス腎におけるAsc−2蛋白の免疫組織化学的解析
常法に従い、マウスの腎パラフィン切片をアフィニティー精製した抗Asc−2抗体(1:100)で処理後、ジアミノベンチジンで発色した。また、染色の特異性を検討する目的で、200μg/mlの抗原ペプチドの存在下で抗AGT1抗血清(1:100)で処理する実験も行った。
その結果、第15図aに示すように、マウス腎では、髄質外層から髄質内層にかけての集合管に強い染色が見られた。この染色は、抗原ペプチドの存在下で抗Asc−2抗血清を作用させた場合には検出されず、染色の特異性が示された(第15図b)。さらに強拡大で観察することにより、皮質部集合管(第15図c)及び髄質外層集合管(第15図d)、髄質内層集合管(第15図e及びf)の管腔側膜及び基底側膜にAsc−2タンパク質が存在することが明らかになった。
産業上の利用可能性
本発明の小型中性アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性トランスポーター及びその遺伝子は、当該トランスポーターの発現箇所での小型中性アミノ酸の及び外来性異物も含めたアミノ酸類似化合物の輸送のインビトロでの検討や、それを基にしたそれら化合物の体内動態のインビトロでの予測を可能とする。さらに、当該トランスポーターの発現箇所を効率良く透過する薬物の開発に有用と考えられる。また、当該トランスポーターの有する小型中性アミノ酸及びその類似物質を輸送する能力を変調させることにより、細胞増殖を制御する方法の開発に利用できる。本発明の融合タンパク質作製によるトランスポーターの機能解析法は、細胞膜膜移行に必要な補助因子が不明なため、細胞膜に発現させられないために機能を特定できないトランスポーターの機能解析を可能とする手法であり、機能が未同定の多くのトランスポーターの機能の特定に有用な方法である。
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
第1図は、マウスAsc−2とマウスAsc−1、ラットLAT1、ラットyLAT1、マウスxCT及びラットBAT1のアミノ酸配列の比較を示す図である。予想される膜貫通部位の12カ所を付線で示した。保存されているシスチン残基を*で、予想されるcAMP依存性のリン酸化部位を#で示した。
第2図は、Asc−2(図左)及びマウス4F2hc(図右)のインビトロ翻訳の結果を示す図面に代わる写真である。Asc−2(図左)のインビトロ翻訳では、55kDaのバンドが得られ、イヌ膵臓ミクロゾーム画分(Microsomes)の存在下で糖付加を受けず、糖鎖分解酵素エンドグリコシダーゼH(EndoH)によってバンドのサイズは変化しなかった。これに対して、4F2hc(図右)のインビトロ翻訳では、65kDaのバンドが得られ、イヌ膵臓ミクロゾーム画分の存在下で80kDaのバンドが出現した。このバンドは、糖鎖消化酵素エンドグリコシダーゼHにより、65kDaに復帰した。
第3図は、マウスの各臓器組織におけるAsc−2遺伝子mRNAの発現をノーザンブロッティングにより解析した結果を示す図面に代わる写真である。図の左から、脳、肺、心臓、肝臓、脾臓、骨格筋、腎臓、小腸、結腸、睾丸、及び胎盤をそれぞれ示す。左側の数値は分子量マーカーの位置を示す。
第4図は、マウス脳、正常マウス脾臓、及び溶血性貧血マウス脾臓における、Asc−2遺伝子mRNAの発現(第4図a)とAsc−1遺伝子mRNAの発現(第4図b)をノーザンブロッティングにより解析した結果を示す図面に代わる写真である。Asc−2遺伝子mRNAの発現は、正常マウス脾臓に比較して溶血性貧血を起こさせたマウスの脾臓(anemic spleen)に強く発現し、脳には見られなかった(第4図a)。これに対して、Asc−1遺伝子mRNAの発現は、脳のみに見られ、正常マウス脾臓、溶血性貧血マウス脾臓ともに検出されなかった(第4図b)。
第5図は、マウス赤血球膜標本(第5図a)及び、マウス腎膜標本(第5図b)における抗Asc−2抗体によるウェスタンブロット解析の結果を示す図面に代わる写真である。両者とも非還元条件下(−)及び還元条件下(+)で行った。
第6図は、Asc−2とrBAT又は4F2hcを連結させて作製した融合タンパク質の構造を模式的に示したものである。筒状の部分は膜貫通領域を示す。Asc−2−rBAT融合タンパク質及びAsc−2−4F2hc融合タンパク質の連結部分のアミノ酸配列及び遺伝子塩基配列を第6図の下段に示した。
第7図は、Asc−2遺伝子cRNA、Asc−2遺伝子cRNA及びマウス4F2hc遺伝子cRNA、Asc−2−rBAT融合タンパク質遺伝子cRNA、並びにAsc−2−4F2hc融合タンパク質遺伝子cRNAを注入した卵母細胞によるセリン取り込み実験の結果を示す。左端の水(water)は対照として水を注入した場合を示し、縦軸はセリンの取り込み量(pmol/卵母細胞/分)を示す。
第8図は、Asc−2遺伝子、Asc−2遺伝子及びマウスrBAT遺伝子、並びにAsc−2遺伝子及びマウス4F2hc遺伝子を導入したCOS−7細胞によるセリン取り込み実験の結果を示す。左端は対照試験(mock)の結果を示し、縦軸はセリンの取り込み量(pmol/細胞/分)を示す。
第9図は、Asc−2と4F2hcの融合タンパク質(Asc−2−4F2hc)の卵母細胞細胞膜への発現の蛍光免疫法による結果を示す図面に代わる写真である。対照として水を注入した卵母細胞(第9図a及びb)、Asc−2遺伝子cRNAを注入して発現させた卵母細胞(第9図c及びd)、Asc−2と4F2hcの融合タンパク質(Asc−2−4F2hc)遺伝子cRNAを注入して発現させた卵母細胞(第9図e及びf)において、抗4F2hc抗体(a、c、及びe)、あるいは抗Asc−2抗体(b、d及びf)を用いた。蛍光の検出された部分を矢印で示す。検出されたAsc−2タンパク質は細胞膜には存在せず、細胞質内に留まっている(第9図d参照)が、Asc−2と4F2hcの融合タンパク質(Asc−2−4F2hc)を発現させた卵母細胞では、抗4F2hc抗体(第9図e参照)、抗Asc−2抗体(第9図f参照)ともに細胞膜に発現したAsc−2−4F2hc融合タンパク質を検出した。
第10図は、Asc−2とrBATの融合タンパク質(Asc−2−rBAT)遺伝子cRNAを注入した卵母細胞によるセリン取り込み実験において添加する塩の影響を調べた結果を示すものである。左から塩化ナトリウム、塩化コリン、グルコン酸ナトリウムをそれぞれ示す。縦軸はセリンの取り込み量(pmol/卵母細胞/分)を示す。
第11図は、Asc−2とrBATの融合タンパク質(Asc−2−rBAT)遺伝子cRNAを注入した卵母細胞によるセリン取り込み実験において基質セリンの濃度の影響を調べた結果を示すものである。横軸はセリンの濃度(μM)を示し、縦軸はセリンの取り込み量(pmol/卵母細胞/分)を示す。
第12図は、Asc−2とrBATの融合タンパク質(Asc−2−rBAT)遺伝子cRNAを注入した卵母細胞よる14C−セリンの放出を、細胞外に非標識セリン(100μM)の存在下(+)、あるいは非存在下(−)で調べた結果を示す図。縦軸は、放出された放射活性を卵母細胞に注入した放射活性に対する%で示す。黒塗りのカラムは、対照としてcRNAの代わりに水を注入した卵母細胞、斜線を施したカラムは、Asc−2−rBAT遺伝子cRNAを注入した卵母細胞。*又は**は有意差があったことを示す。
第13図は、Asc−2とrBATの融合タンパク質(Asc−2−rBAT)遺伝子cRNAを注入した卵母細胞によるセリン取り込み実験において、系への各種L−アミノ酸もしくはその類似化合物添加の影響を調べた結果を示す。第13図の(−)は無添加の場合を示し、AIBはα−アミノイソブチル酸を示し、MeAIBはα−メチルアミノイソブチル酸を示し、GABAはγ−アミノ酪酸を示し、BCHは2−アミノ−2−ノルボルナンカルボン酸を示す。縦軸は無添加(−)の場合を100%としたときの取り込み量の比を示す。
第14図は、Asc−2とrBATの融合タンパク質(Asc−2−rBAT)遺伝子cRNAを注入した卵母細胞による放射能標識アミノ酸の取り込みを調べた結果を示す。AIBはα−アミノイソブチル酸を示し、MeAIBはα−メチルアミノイソブチル酸を示す。縦軸はセリンの取り込み量(pmol/卵母細胞/分)を示す。
第15図は、マウスの腎における抗Asc−2抗体によるAsc−2の免疫組織化学的解析の結果を示した図面に代わる写真である。aは弱拡大像である。髄質外層から髄質内層にかけての集合管に強い染色が見られた。bは抗原ペプチドによる吸収実験の結果である。aで検出された染色は消失し、染色の特異性が示された。cは皮質部集合管の強拡大像である。集合管上皮細胞の染色が見られた。dは髄質外層集合管の強拡大像である。集合管上皮細胞の管腔側膜及び基底側膜の染色が見られた。e及びfは髄質内層集合管の強拡大像である。集合管上皮細胞の管腔側膜及び基底側膜の染色が見られた。第15図中のCは腎皮質、OMは腎髄質外層、IMは腎髄質内層をそれぞれ示している。

Claims (17)

  1. 以下の(A)及び(B)からなる群から選択されるタンパク質。
    (A)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
    (B)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、ナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸を輸送する能力を有するタンパク質。
  2. 以下の(C)及び(D)からなる群から選択されるタンパク質。
    (C)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質と配列番号3で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質の融合タンパク質。
    (D)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質と配列番号3で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質の融合タンパク質のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、ナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸を輸送する能力を有するタンパク質。
  3. 以下の(E)及び(F)からなる群から選択されるタンパク質。
    (E)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質と配列番号5で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質の融合タンパク質。
    (F)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質と配列番号5で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質の融合タンパク質のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、ナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸を輸送する能力を有するタンパク質。
  4. マウス由来である請求項1〜請求項3のいずれかに記載のタンパク質。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のタンパク質をコードする遺伝子。
  6. 以下の(a)及び(b)からなる群から選択されるDNAからなる遺伝子。
    (a)配列番号2で示される塩基配列からなるDNA。
    (b)配列番号2で示される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、ナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸を輸送する能力を有するタンパク質をコードするDNA。
  7. 以下の(c)及び(d)からなる群から選択されるDNAからなる遺伝子。
    (c)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質と配列番号3で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質の融合タンパク質をコードするDNA。
    (d)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質と配列番号3で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質の融合タンパク質のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、ナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸を輸送する能力を有するタンパク質をコードするDNA。
  8. 以下の(e)及び(f)からなる群から選択されるDNAからなる遺伝子。
    (e)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質と配列番号5で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質の融合タンパク質をコードするDNA。
    (f)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質と配列番号5で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質の融合タンパク質のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、ナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸を輸送する能力を有するタンパク質をコードするDNA。
  9. マウス由来である請求項5〜請求項8のいずれかに記載の遺伝子。
  10. 請求項5〜請求項9のいずれかの項に記載の遺伝子を含むベクター。
  11. 発現ベクターである請求項10記載のベクター。
  12. 請求項10又は請求項11に記載のベクターで形質転換された形質転換体。
  13. ナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸を輸送する能力を有するタンパク質をコードする遺伝子を検出するためのプローブとして使用するための、配列番号2で示される塩基配列の中の連続する14塩基以上の部分配列もしくはその相補的な配列を含むヌクレオチド。
  14. ナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸を輸送する能力を有するタンパク質をコードする遺伝子の発現を変調させるために使用するための、配列番号2で示される塩基配列の中の連続する14塩基以上の部分配列もしくはその相補的な配列を含むヌクレオチド。
  15. 請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載するタンパク質に対する抗体。
  16. 請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載するタンパク質を用いて、該タンパク質の有するナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸を輸送する能力に対する被検物質の基質としての作用を検出する方法。
  17. 請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載するタンパク質を用いて、該タンパク質の有するナトリウム非依存的に小型中性アミノ酸を輸送する能力を阻害又は促進する物質をスクリーニングする方法。
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