JP4151139B2 - 発進クラッチ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリープ走行を可能とする発進クラッチ手段を備えた車両における発進クラッチ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
トルクコンバータを有する一般的な自動変速機を搭載した車両では、トルクコンバータのトルク比等によって決まるクリープ力と走行抵抗が釣り合う車速でクリープ走行が可能となっている。また、無段変速機を搭載した車両では、エンジンと駆動輪との間に発進クラッチを備え、発進クラッチの係合状態を調整することで、クリープ走行を可能としているものもある。この場合、発進クラッチの係合状態の調整は、トルクコンバータを有する一般的な自動変速機を搭載した車両と同様なクリープトルクが得られるように制御されている。
【0003】
このような車両では、クリープ力と走行抵抗が釣り合う車速でクリープ走行が可能となっているが、傾斜路等では車速が変化してしまう。そこで、発進クラッチを備えた車両では、傾斜センサを用いて車体の傾斜を検出し、傾斜センサの出力と車速センサとの出力に基づいて発進クラッチが発生するクリープトルクを調整することが考えられている(特開平1-275937号公報等参照)。車体の傾斜に応じてクリープトルクを調整制御することで、路面の傾斜状況に拘らず車速を略一定に保つことが可能になり、上り坂で車両が後退したり下り坂で車両が高速度で前進することがなくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の発進クラッチが発生するクリープトルクを調整する技術では、道路勾配に対応することはできても、車両の乗員数や荷の積載量の変動に対応してクリープトルクを変動させることはできない。このため、車両の乗員数や荷の積載量が変動すると、同じ傾斜路等でも車速が変化してしまう問題があった。
【0005】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、路面傾斜状況や車両の状況変動に拘らず安定したクリープ走行を可能にした発進クラッチ制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明では、エンジンと駆動輪との間に設けられ係合状態が調整される発進クラッチ手段と、車両の速度を検出する車速検出手段と、発進クラッチ手段の実係合状態を推定もしくは検出する実係合状態検出手段と、クリープ走行中における車速及び実係合状態から車両の走行抵抗を、例えば、演算やマップ検索により求める走行抵抗導出手段と、走行抵抗に基づいて、発進クラッチ手段の目標係合状態を設定する設定手段と、目標係合状態になるよう発進クラッチ手段の係合状態を制御する制御手段と、車両の発進時に目標係合状態が達成されるまでの立ち上がり時間を、走行抵抗が大きいほど短くするように、制御手段の作動を補正する発進制御手段とを備えている。これにより、路面の傾斜状態や車両の状況変動による走行抵抗の変化に拘らず安定したクリープ走行が可能になると共にスムーズな発進が可能になる。
【0007】
好ましい態様として、更に、過去の走行速度及び走行状況を学習して目標車速を設定し、目標車速に基づいて発進クラッチ手段の係合状態を制御することで、渋滞走行等の連続低速走行時に頻繁なアクセル操作をなくしてクリープ走行が可能になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の一実施形態例に係る発進クラッチ制御装置を備えた車両の概略構成、図2乃至図4には制御手段のブロック構成を示してある。図に示した車両は電気モータとエンジンとを併用して駆動力を得るハイブリッド車を例に挙げて説明してあるが、発進クラッチ手段を備えた車両であれば、ハイブリッド車以外の車両であっても本発明を適用することができる。
【0009】
図1に示すように、エンジン1の出力軸2は、クラッチ3及び前後進切換用のダブルピニオン型の遊星歯車機構4を介して無段変速機(CVT) 5の入力側に連結されている。また、CVT 5の入力側にはエンジン始動モータ兼用の電気モータ/発電機(M/G)6が連結されている。CVT 5の出力側は発進クラッチ7を介してデフ8に連結され、駆動力が駆動輪9に伝達される。尚、図中の符号で41は、遊星歯車機構4のリングギヤを停止させるためのブレーキである。
【0010】
上述したハイブリッド車においては、クラッチ3のオン・オフ及びエンジン1の駆動制御により、M/G 6のみでCVT 5の入力側に駆動力を伝達して駆動輪9を駆動したり、必要に応じてエンジン1を駆動してM/G 6とエンジン1を併用してCVT 5の入力側に駆動力を伝達して駆動輪9を駆動する種々の運転モードを有している。即ち、クラッチ3をオフ、ブレーキ41をオフさせた状態でM/G 6をモータ作動させればモータ単独走行モードとなり、減速時はM/G 6を発電機作動させることで回生制動モードとなる。また、クラッチ3をオン、ブレーキ41をオフさせた状態では遊星歯車機構4はエンジン1の出力軸と一体回転することになり、M/G 6を空転させればエンジン単独走行モード、M/G 6をモータ作動させればエンジン・モータ併用の走行モード、M/G 6を発電作動させればエンジン・発電機併用の走行モードとなる。尚、エンジン1の始動は、この状態でM/G 6のモータ出力をエンジン1の出力軸に伝達することにより行われる。また、クラッチ3をオフ、ブレーキ41をオンさせた状態では、エンジン1の出力軸に対して遊星歯車機構4のキャリアが逆転してエンジン出力による後進が可能となる。
【0011】
発進クラッチ7の係合状態の調整により、エンジン1及びM/G 6側の駆動力が所定のトルクで駆動輪9側に伝達され、クリープ走行が可能となる。即ち、発進クラッチ手段としての発進クラッチ7は、制御手段としての容量制御装置10の指令により発進クラッチ容量(係合状態)が調整され、発進クラッチ容量の調整によりクリープ走行を可能としている。
【0012】
容量制御装置10には車速検出手段としての車速センサ11の信号が入力されるようになっており、容量制御装置10では、発進クラッチ7の実発進クラッチ容量(実係合状態)が推定もしくは検出されると共に(実係合状態検出手段)、クリープ走行中における車速及び実発進クラッチ容量から車両の走行抵抗が導出され、走行抵抗に応じて発進クラッチ7の目標クラッチ容量(目標係合状態)が設定される。
【0013】
そして、容量制御装置10では、過去の走行速度及び走行状況を学習して目標クラッチ容量に反映させると共に、発進時の発進クラッチ7の係合をスムーズに行なう要素を目標クラッチ容量に反映させ、最終的に目標発進クラッチ容量を発進クラッチ7側に出力する。また、目標発進クラッチ容量は、油圧系の遅れ等の一次遅れ要素が加味されて発進クラッチ7の実発進クラッチ容量として推定される。尚、実発進クラッチ容量は、図示しない発進クラッチ係合油圧検出手段(油圧センサ)により発進クラッチ容量を検出し、検出した値を用いて算出またはマップ検索により導出することも可能である。
【0014】
図2乃至図4に基づいて容量制御装置10を説明して発進クラッチ7の制御状況の流れを説明する。
【0015】
図2に示すように、容量制御装置10は実係合状態検出手段としての実クラッチ容量算出手段21を備え、実クラッチ容量算出手段21では発進クラッチ7の実発進クラッチ容量(実係合状態)が推定される(詳細は後述する)。尚、初期状態では、実クラッチ容量算出手段21には予め設定された初期値が与えられている。実クラッチ容量算出手段21で推定された実発進クラッチ容量は走行抵抗導出手段22に入力されると共に、走行抵抗導出手段22には車速センサ11からの車速情報が入力される。
【0016】
走行抵抗導出手段22では、実発進クラッチ容量及び車速に基づいて走行抵抗に対応する指標をマップ検索(もしくは演算)により導出し、車両の走行抵抗を求める。求められた走行抵抗は目標クラッチ容量設定手段23に入力され、発進クラッチ7の目標クラッチ容量が求められる(詳細は後述する)。
【0017】
また、容量制御装置10には、過去の走行速度及び走行状況を学習して目標クラッチ容量に対して加味するゲインを設定する車速学習手段24が備えられている(詳細は後述する)。更に、容量制御装置10には、発進時の発進クラッチ7の係合をスムーズに行なうために目標クラッチ容量に対して加味するゲインを設定する発進制御手段25が備えられ(詳細は後述する)、発進制御手段25には走行抵抗導出手段22で求められた車両の走行抵抗が入力される。
【0018】
車速学習手段24で設定されたゲインが乗算部31で目標クラッチ容量に対して乗じられ、更に、発進制御手段25で設定されたゲインが乗算部32で乗じられ、最終的に発進クラッチ7側に出力される目標発進クラッチ容量が算出されて設定される。設定された目標発進クラッチ容量が発進クラッチ7側に出力され、発進クラッチ7の実容量が目標発進クラッチ容量となるように制御され、発進クラッチ7の係合状態、即ち、クリープトルクが調整される。
【0019】
一方、最終的に設定された目標発進クラッチ容量は一次遅れ加味手段26に入力され、一次遅れ加味手段26では油圧系の遅れ等の一次遅れ要素を目標発進クラッチ容量に加味して実クラッチ容量算出手段21に入力する。実クラッチ容量算出手段21は、一次遅れ要素を加味した目標発進クラッチ容量と、前述の初期値とに基づいて実発進クラッチ容量を推定する。
【0020】
図3に基づいて目標クラッチ容量設定手段23を説明する。
【0021】
目標クラッチ容量設定手段23は、車両の走行抵抗に基づいて目標クラッチ容量を求める手段である。
【0022】
図に示すように、目標クラッチ容量設定手段23には前進算出部33及び後進算出部34が備えられ、前進算出部33及び後進算出部34には走行抵抗導出手段22で求められた車両の走行抵抗が入力される。前進算出部33及び後進算出部34では、走行抵抗に応じて前進用の目標クラッチ容量及び後進用の目標クラッチ容量がマップ検索により求められる。
【0023】
前進算出部33及び後進算出部34は図示しないシフトレバーのシフト位置等に連動してスイッチングされる前後進スイッチ35を介して乗算部31につなげられ、前後進スイッチ35により選択された前進算出部33もしくは後進算出部34側の目標クラッチ容量が乗算部31に送られる。尚、図示例は、前後進スイッチ35がオンの状態で前進算出部33が乗算部31につなげられた状態を示してある。
【0024】
上述したように、目標クラッチ容量設定手段23では、走行抵抗導出手段22で求められた車両の走行抵抗に応じて、前進時後進時のそれぞれで発進クラッチ7の目標クラッチ容量が求められる。
【0025】
従って、車両の走行抵抗に応じて発進クラッチ7の目標クラッチ容量を求めるので、走行抵抗の変化に応じて発進クラッチ7のクラッチ容量が加減されるようになる。このため、走行抵抗に拘らず安定したクリープ走行が可能となり、上り坂で車両が後退したり下り坂で車両が高速度で前進することがなくなると共に、乗員数、積載量の変動等による走行抵抗の変化に対しても、安定したクリープ走行が可能となる。
【0026】
図4に基づいて車速学習手段24を説明する。
【0027】
車速学習手段24は、過去の走行速度及び走行状況を学習して低速車での走行が連続した場合に渋滞走行と判断し、低速走行時の平均車速から目標クリープ速度となる標準車速を算出し、標準車速に応じて目標クラッチ容量を加減することで発進クラッチ7の容量を加減するものである。車速学習手段24により、渋滞走行には目標クリープ速度でクリープ走行できるようになり、頻繁なアクセル操作が不要となる。
【0028】
図に示すように、車速学習手段24には目標車速算出部36が備えられ、目標車速算出部36には第1平均車速が入力される。第1平均車速は、過去N回(例えば30回)のn秒間(例えば1秒間)の車速の平均であり、目標車速算出部36では、第1平均車速に基づいて目標車速TSP がマップ検索により求められる。
【0029】
また、車速学習手段24には低速比率算出部37が備えられ、低速比率算出部37には第2平均車速及び所定車速走行時間比率が入力される。第2平均車速は、過去T分(例えば3分)の車速の平均であり、所定車速走行時間比率は、所定車速(例えば10km/h)以上の走行時間比率である。低速比率算出部37では、第2平均車速及び所定車速走行時間比率に基づいて低速走行SWのオン・オフが決定される。即ち、第2平均車速が低く所定車速走行時間比率が低い場合に低速走行SWがオンにされ、低車速での走行が連続していると判断される。
【0030】
目標車速算出部36で求められた目標車速TSP 及び低速比率算出部37で決定された低速走行SWのオン・オフ信号は、標準車速設定部38に入力される。また、標準車速設定部38には図示しないシフトレバーのシフト位置の情報が入力される。標準車速設定部38では、シフトレバーのシフト位置及び低速走行SWのオン・オフ状況に基づいて目標クリープ速度の基準となる標準車速VLが求められる。
【0031】
即ち、低速走行SWがオン状態で且つシフトレバーのシフト位置がドライブレンジ(Dレンジ)の場合、標準車速VLは目標車速TSP (km/h)とされる。また、それ以外の場合、標準車速VLは予め設定されたS(km/h:例えば2km/h)とされる。標準車速VL(TSP もしくはS)は、ゲイン算出部39に入力される。また、ゲイン算出部39には車速センサ11からの車速情報が入力される。ゲイン算出部39では車速に応じたゲインがマップ化され、標準車速VLに対する実車速に応じて目標クラッチ容量を加減するためのゲインが求められる。
【0032】
つまり、図示例の場合、実車速が−2km/h以下の場合は最大のゲインが選択され、実車速が−2km/hを越え0km/h以下の場合は車速に応じ最大のゲインから基準のゲインまで徐々に小さくなるゲインが選択されてクリープ速度を高めるようにし、実車速が0km/hを越え標準車速VL以下の場合に基準のゲインが選択されてクリープ速度を保つようにし、実車速が標準車速VLを越える場合に徐々に小さくなるゲインが選択されてクリープ速度を低下させるようにする。
【0033】
ゲイン算出部39で求められたゲインは乗算部31に送られ、目標クラッチ容量設定手段23で求められた発進クラッチ7の目標クラッチ容量に対しゲイン算出部39で求められたゲインが乗算される。つまり、標準車速VLに応じて目標クラッチ容量を加減することで発進クラッチ7の容量が加減され、渋滞走行とみなされるような低車速での連続走行時には、目標クリープ速度でクリープ走行できるようになる。
【0034】
上述したように、車速学習手段24では、渋滞走行とみなされるような低車速での連続走行時には、目標クリープ速度でクリープ走行できるようになるので、頻繁なアクセル操作が不要となる。
【0035】
図2に基づいて発進制御手段25を説明する。
【0036】
発進制御手段25は、発進時の発進クラッチ7のクラッチ容量を徐々に立ち上げて係合をスムーズに行なうために、乗算部31から出力される目標クラッチ容量が出力されるまでの立ち上がり時間を制御するもので、該目標クラッチ容量を加減するためのゲインを設定する。
【0037】
図に示すように、発進制御手段25には加算時間設定部41が備えられ、加算時間設定部41には走行抵抗導出手段22で求められた走行抵抗が入力される。加算時間設定部41では、走行抵抗に応じた加算時間TC(ms)、つまり、走行抵抗が大きくなると短くなる加算時間TC(ms)がマップ検索により求められる。加算時間設定部41で求められた加算時間TC(ms)はゲイン算出部42に入力され、ゲイン算出部42にはブレーキペダルを放してからの経過時間が入力される。ゲイン算出部42には経過時間に応じたゲインがマップ化され、入力された経過時間及び加算時間TC(ms)に応じて目標クラッチ容量を加減するためのゲインがマップ検索される。
【0038】
即ち、ゲイン算出部42では、ブレーキペダルを放してからの経過時間に応じて経過時間がt(ms:例えば40ms) に至るまでは小さな変化率で徐々に大きくなるゲインが選択され、経過時間が(t+TC)(ms)に至るまでは大きな変化率で徐々に大きくなるゲインが選択され、経過時間が(t+TC)(ms)に至ると最大のゲイン(1.0) が選択される。加算時間TC(ms)は、走行抵抗が大きくなると短くなり大きな走行抵抗では0となるので、走行抵抗が大きい程、t(ms)から(t+TC)(ms)までの時間が短くなる。
【0039】
ゲイン算出部42で求められたゲインは乗算部32に送られ、乗算部31でゲインが乗算された後の目標クラッチ容量に対してゲインが乗算される。つまり、ブレーキペダルを放してからの経過時間及び走行抵抗に応じて目標クラッチ容量を加減することで発進クラッチ7の容量が加減され、発進時の発進クラッチ7のクラッチ容量の立ち上がり時間が走行抵抗に応じて制御され、係合がスムーズに行なわれる。
【0040】
つまり、走行抵抗に拘らずブレーキペダルを放してからの経過時間がt(ms)に至るまでは小さなゲインが目標クラッチ容量に乗算されてクラッチ容量が徐々に立ち上がる。走行抵抗が小さい場合、経過時間が(t+TC)(ms)に至るまでは徐々に上昇するゲインが乗算されてクラッチ容量が徐々に立ち上がり続け、経過時間が(t+TC)(ms)に至ると最大のゲインが乗算されたクラッチ容量で発進クラッチ7が係合される。一方、傾斜路走行や等、走行抵抗が大きい場合、経過時間が(t+TC)(ms)に至るまでの時間が短くなり、もしくは、t(ms)と(t+TC)(ms)が等しくなり、経過時間がt(ms)に至った直後、もしくは、t(ms)に至った瞬間に最大のゲインが乗算されたクラッチ容量で発進クラッチ7が係合される。
【0041】
上述したように、発進制御手段25では、乗算機32から出力される目標クラッチ容量が乗算器31の出力と一致するまでの時間(立ち上がり時間)が、走行抵抗が大きいほど短くなるように制御するので、走行抵抗が大きい時は良好な係合応答性が確保でき、傾斜路等での後退を防止し、走行抵抗が小さい時には立ち上がり時間が長くなって滑らかに係合されるので、走行抵抗に拘らず発進時における発進クラッチ7の係合がスムーズになる。
【0042】
上述した発進クラッチの制御装置は、走行抵抗導出手段22によりクリープ走行中における車速と発進クラッチ7の実係合状態とから車両の走行抵抗に対応する指標を導出し、この指標に応じて目標クラッチ容量設定手段23により発進クラッチ7の目標クラッチ容量を設定し、この目標クラッチ容量になるように発進クラッチ7の係合状態を調整するようにしている。このため、道路勾配に拘らず適切なクリープトルクを発生させることができると共に、車両の乗員数や積載量の変動にも対応した適切なクリープトルクを発生させることができ、安定したクリープ走行を実現することが可能となる。
【0043】
また、車速学習手段24により、渋滞走行とみなされるような低車速での連続走行時には、目標クリープ速度でクリープ走行できるようにしたので、頻繁なアクセル操作が不要となる。
【0044】
また、発進制御手段25により、発進時の発進クラッチ7のクラッチ容量の立ち上がり時間が走行抵抗に応じて制御されるように目標クラッチ容量を加減するようにしたので、発進時における発進クラッチ7の係合がスムーズになる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の発進クラッチの制御装置は、エンジンと駆動輪との間に設けられ係合状態が調整される発進クラッチ手段と、車両の速度を検出する車速検出手段と、発進クラッチ手段の実係合状態を推定もしくは検出する実係合状態検出手段と、クリープ走行中における車速及び実係合状態から車両の走行抵抗を求める走行抵抗導出手段と、走行抵抗に基づいて、発進クラッチ手段の目標係合状態を設定する設定手段と、目標係合状態になるよう発進クラッチ手段の係合状態を制御する制御手段と、車両の発進時に目標係合状態が達成されるまでの立ち上がり時間を、走行抵抗が大きいほど短くするように、制御手段の作動を補正する発進制御手段とを備えているので、路面の勾配や車両の乗員数、積載量の変動による走行抵抗の変化に拘らず安定したクリープ走行を実現することが可能となると共にスムーズな発進が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例に係る発進クラッチ制御装置を備えた車両の概略構造を表す構成図。
【図2】制御手段のブロック構成図。
【図3】制御手段のブロック構成図。
【図4】制御手段のブロック構成図。
【符号の説明】
1 エンジン
3 クラッチ
4 遊星歯車機構
5 無段変速機(CVT)
6 電気モータ/発電機(M/G)
7 発進クラッチ
9 駆動輪
10 容量制御装置
11 車速センサ
21 実クラッチ容量算出手段
22 走行抵抗導出手段
23 目標クラッチ容量設定手段
24 車速学習手段
25 発進制御装置
26 一次遅れ加味手段
Claims (1)
- エンジンと駆動輪との間に設けられ係合状態が調整される発進クラッチ手段と、
車両の速度を検出する車速検出手段と、
前記発進クラッチ手段の実係合状態を推定もしくは検出する実係合状態検出手段と、
クリープ走行中における前記車速及び前記実係合状態から前記車両の走行抵抗を求める走行抵抗導出手段と、
前記走行抵抗に基づいて、前記発進クラッチ手段の目標係合状態を設定する設定手段と、
前記目標係合状態になるよう前記発進クラッチ手段の係合状態を制御する制御手段と、
車両の発進時に前記目標係合状態が達成されるまでの立ち上がり時間を、前記走行抵抗が大きいほど短くするように、前記制御手段の作動を補正する発進制御手段とを備えたことを特徴とする発進クラッチ制御装置。
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- 1998-12-21 JP JP36336598A patent/JP4151139B2/ja not_active Expired - Lifetime
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