JP4147038B2 - 味質改善された羅漢果配糖体およびその製造方法 - Google Patents
味質改善された羅漢果配糖体およびその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、羅漢果配糖体に1個以上のグルコース残基が結合している高度グリコシル化化合物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、消費者の低甘味嗜好の高まり、エネルギーの摂り過ぎ(特に、ショ糖の摂り過ぎ)による健康面への懸念に対する認識などの要因により、「砂糖控えめ」、「砂糖無添加」などを表記した食品が数多く上市されるようになってきた。
【0003】
実際、わが国の食糧事情は「飽食の時代」を反映し、エネルギーの過剰摂取が日常化している。高エネルギーの摂取および脂質エネルギー比率の増加は、生活習慣病の発生の原因になることが明確にされている。
【0004】
したがって、エネルギー摂取を制限されている人(例えば、肥満症患者および糖尿病患者)、ダイエットを要求される人などは、自らが疾病に罹るのを予防するため、自らの疾病を改善するため、または健康管理をするために、ショ糖および脂質の摂りすぎを抑えて、生活スタイルを改善して健康的な生活を取り戻すことが重要であるといわれている。
【0005】
これらのことからショ糖に代わる甘味料、なかでもショ糖と比較してエネルギーを実質的に抑制し得る高甘味度甘味料の開発が要求されてきた。
【0006】
以下、本明細書中では、このように、ショ糖よりも実質的にエネルギーが低い甘味料組成物をエネルギー抑制甘味料という。ここで「エネルギー」とは、人間がある物質を一定量(例えば、100グラム)飲食した場合に体内に吸収されかつ代謝により生体内に放出される熱量をいう。
【0007】
しかし、エネルギー抑制甘味料には様々な問題がある。最も大きな問題は甘味質の問題である。人間はショ糖の甘味質に極めて慣れ親しんでいるため、ショ糖と少しでも異なる甘味質を有する甘味料には違和感を感じやすいからである。以下に従来の各種の高甘味度甘味料について具体的に説明する。
【0008】
高甘味度甘味料は、ショ糖の数百倍もの甘味強度を有する。高甘味度甘味料は、一般的に人工甘味料(合成甘味料ともいう)と天然甘味料とに分類することができる。人工の高甘味度甘味料としては、サッカリン、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウムなどを挙げることができる。
【0009】
サッカリンは古くから使用されている人工甘味料である。しかし、発癌性の疑いが持たれているので、現在、国内では使用対象品目が制限され、使用基準量にも制限が設けられている。
【0010】
アスパルテームは、1981年米国FDAによって認可された人工甘味料であるが、認可を受けるまで、神経伝達系統に障害を生じる点に対して、激しい論争がなされてきた。さらに、アスパルテームは、加熱分解されるので、安定性に対する欠点も指摘されている。
【0011】
スクラロース、アセスルファムカリウムなどの人工の高甘味度甘味料は、現時点において、安全性に対して議論の対象にはなっていないが、甘味質が十分とはいえない。たとえば、スクラロースの甘味発現時間は著しく長く、いつまでも甘味質が後引きすることが知られている。対照的に、アセスルファムカリウムの口腔内での甘味発現時間はきわめて短いために、甘味剤として単独で利用できない。またアセスルファムカリウムには苦みを有するという大きな欠点もある。
【0012】
このように、人工の高甘味度甘味料には、甘味質がショ糖と比べて不十分であるだけでなく、絶えず安全性に対する評価をめぐる議論がつきまとう。
【0013】
一方、天然の高甘味度甘味料としては、甘草抽出物、ステビア抽出物、羅漢果抽出物などがある。これらの天然甘味料は植物由来であり、人体に対して安全性が高い。
【0014】
甘草は豆科に属する多年生植物であり、その甘味成分であるグリチルリチンは甘草の根茎中に含有されている。しかし、その甘味質はショ糖を代表とする糖類の甘味質とは異なり、甘味がいつまでも残留し、多量に使用すると苦みを感じたり、頬の両壁に収斂味を感じることがある。
【0015】
ステビアはキク科の多年生植物であり、その甘味成分はステビオサイド、レバウディオサイドなどである。ステビアの甘味成分のなかでもステビオサイドは、強い苦みおよび渋味を有し、その甘味は著しい後引きがある。
【0016】
天然の高甘味度甘味料のなかでも特に羅漢果エキスは、羅漢果の乾燥果実から得られ、強い甘味質を有する薬用の甘味料として知られている。羅漢果は、中国桂林周辺の特産品の一つであるウリ科の多年生薬用植物である。羅漢果エキスは、もともと古代より中国での甘味料および民間薬として広く利用されている。羅漢果エキスの薬効としては、のどの荒れの改善、痛みの緩和、咳止め、去痰などが知られている。羅漢果エキスは、甘味と同時に人に対して有益な効果が期待できることから、菓子類、飲料類、シロップなどの甘味成分として用いることが提案されてきた(特開昭53−9352号公報および特開昭53−9359号公報)。具体的には、例えば、飲料用に、羅漢果エキスをペースト状にまで濃縮した羅漢果ペーストエキスを希釈して利用することが行われている。これは、羅漢果エキスを濃縮せずに用いる場合には羅漢果エキスの貯蔵運搬にコストがかかるため、および羅漢果エキスに微生物が発生し易く、羅漢果エキスの品質が低下し易いためである。
【0017】
しかし、羅漢果エキスは以下の欠点を有している。つまり、黒砂糖などの焦げ味に似た羅漢果特有の焦げ味、独特の匂い、苦み、甘みの残留性などがあるため、飲食の際に非常に不快感を伴う。さらに、羅漢果エキスの添加により飲食物が黄褐色に呈色するために食品への利用には適さない場合が多い。
【0018】
このように、天然の高甘味度甘味料は安全性が高いが、反面、ショ糖の代替品として単独で用いられる甘味料としては甘味質が不十分である。
【0019】
一方、羅漢果エキスの味質改善については、羅漢果エキス中に含有される甘味成分だけを分画、精製および粉末乾燥させた羅漢果配糖体とエリスリトールとを含有するシロップは、従来の羅漢果エキスの有する独特の焦味、匂い、苦み、甘さの残留性が弱く、良好な甘味質を呈することから、低カロリーシロップとして好適であることが記載されている(特開平11−46701号公報;特許第3110005号)。
【0020】
さらに、羅漢果配糖体の甘味成分としてモグロサイドV、モグロサイドIV、11−オキソ−モグロサイドVおよびシアメノサイドIの合計含有量が33重量%以上である組成物の甘味質は、ショ糖の甘味質に近くなるとの報告もある(特開2001−211854号公報)。
【0021】
しかし、これらの甘味料は、高純度の羅漢果配糖体といえども、ショ糖の甘味質と比較した場合、「苦み、後引き、しつこさ、くせ、渋味およびすっきり感」のいずれかの項目においてショ糖と同等ではなく、ショ糖の代替品として用いられる甘味料として不十分である。そのため、これらの甘味料の消費規模および利用用途をさらに拡大させるためには、これらの甘味料の甘味質の改善および改良が望まれていた。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ショ糖よりもエネルギーを実質的に抑制し得る高甘味度甘味料であって、ショ糖にきわめて近い甘味質を有し、安全性が高く、かつ従来の甘味料と比較して生理的および物理的特性に遜色のない高甘味度甘味料を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、羅漢果配糖体にさらに糖残基を付加させることによって、従来の羅漢果配糖体より、「苦み、後引き、しつこさ、くせ、渋味およびすっきり感」の味質項目において改善され、いずれの評価に対しても、ショ糖にきわめて近い甘味質を有し、さらに一般の甘味料と比較して生理的特性および物理的特性について遜色のない新規な高甘味度甘味料が得られることを見出し、これに基づいて本発明を完成した。
【0024】
さらに、本発明者らは、シクロデキストリン合成酵素(EC 2.4.1.19;シクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼまたはシクロマルトデキストリン・グルカノトランスフェラーゼとも呼ばれる;以下、「CGTase」と略す)を反応に用いることにより、羅漢果配糖体に1個以上のグルコース残基がα結合している、高度グリコシル化化合物(本明細書中では、「グリコシル化羅漢果配糖体」ともいう)が、非常に効率的でかつ安価に製造できることを見い出した。
【0025】
本発明の高度グリコシル化化合物は、羅漢果配糖体に1個以上のグルコース残基がα結合している。
【0026】
1つの実施形態では、上記グルコース残基の数は、1〜45個であり得る。
【0027】
1つの実施形態では、上記グルコース残基の数は、1〜15個であり得る。
【0028】
1つの実施形態では、上記高度グリコシル化化合物は、以下からなる群より選択され得る:
【0029】
【化10】
【0030】
【化11】
【0031】
【化12】
【0032】
【化13】
【0033】
【化14】
【0034】
【化15】
【0035】
【化16】
【0036】
【化17】
【0037】
【化18】
1つの実施形態では、上記高度グリコシル化化合物において、モグロサイドVに1個以上のグルコース残基がα結合していてもよい。
【0038】
本発明の食品用組成物は、上記の高度グリコシル化化合物を含有する。
【0039】
本発明の甘味料は、上記の高度グリコシル化化合物を含有する。
【0040】
本発明の医薬品用組成物は、上記の高度グリコシル化化合物を含有する。
【0041】
本発明の医薬部外品用組成物は、上記の高度グリコシル化化合物を含有する。
【0042】
本発明の化粧品用組成物は、上記の高度グリコシル化化合物を含有する。
【0043】
本発明の高度グリコシル化化合物の製造方法は、羅漢果配糖体を、α−グルカンおよび糖転移酵素と接触させて、高度グリコシル化化合物を得る工程を包含する。
【0044】
1つの実施形態では、上記糖転移酵素は、シクロデキストリン合成酵素であり得る。
【0045】
1つの実施形態では、上記羅漢果配糖体は、モグロサイドVであり得る。
【0046】
本発明の高度グリコシル化化合物は、上記の方法によって得られる。
【0047】
本発明の、羅漢果配糖体に1〜4個のグルコース残基がα結合している高度グリコシル化化合物の製造方法は、羅漢果配糖体を、α−グルカンおよび糖転移酵素と接触させて、羅漢果配糖体に5個以上のグルコース残基がα結合している高度グリコシル化化合物を得る工程、および該羅漢果配糖体に5個以上のグルコース残基がα結合している高度グリコシル化化合物に糖質分解酵素を接触させて、羅漢果配糖体に1〜4個のグルコース残基がα結合している高度グリコシル化化合物を得る工程を包含する。
【0048】
1つの実施形態では、上記糖質分解酵素は、グルコアミラーゼ、β−アミラーゼおよびα−アミラーゼからなる群より選択され得る。
【0049】
1つの実施形態では、上記羅漢果配糖体は、モグロサイドVであり得る。
【0050】
本発明の、1〜4個のグルコース残基がα結合した高度グリコシル化化合物は、上記の方法によって得られる。
【0051】
本発明の、羅漢果配糖体を含む甘味料の味質改善方法は、該甘味料を、α−グルカンおよび糖転移酵素と接触させる工程を包含する。
【0052】
本発明の味質の改善された甘味料は、上記の方法によって得られる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0054】
<高度グリコシル化化合物>
本発明の高度グリコシル化化合物は一般に、羅漢果配糖体に1個以上のグルコース残基がα結合している。
【0055】
本明細書中で「高度グリコシル化化合物」とは、以下の化学構造1の構造を有する化合物をいう:
(化学構造1)
【0056】
【化19】
ここで、R1は、−Glc−Glc−(Glc)nであって、nが1個以上の整数であるか、または
R2は、−Glc−Glc−(Glc)mであって、mが1個以上の整数であるか、または
R2は、
【0057】
【化20】
であってh+kが1個以上の整数であり、
R3aは−OHであってR3bは−Hであるか、または
R3aとR3bとが一緒になって=Oであり、そして
Glcはグルコース残基を示す。
【0058】
なお、ここで、O原子とR1との間の結合、O原子とR2との間の結合、R1の1個目のグルコース残基と2個目のグルコース残基との間の結合、ならびにR2に分岐がある場合のR2中の1個目のグルコース残基と分岐したグルコース残基との間の結合はβ結合である。その他のグルコース残基間の結合はα結合である。本明細書中で特に言及しない場合も、これらの結合の関係は保たれる。
【0059】
本明細書中で「羅漢果配糖体」とは、羅漢果に含まれる任意の配糖体をいい、モグロサイドV、モグロサイドIV、11−オキソ−モグロサイドV、シアメノサイドIなどの高甘味度を有する配糖体を包含する。好ましくは、モグロサイドVである。一般的には、モグロサイドVを主成分とし、モグロサイドIV、シアメノサイドIおよび11−オキソ−モグロサイドVが少量混合された混合物が容易に入手でき、本発明に利用可能である。
【0060】
羅漢果配糖体には、羅漢果配糖体化合物以外の、羅漢果由来の成分(例えば、アグリコンおよび水)が混合されていても、本発明の化合物の製造には差し支えない。本明細書において「配糖体」との用語は配糖体の混合物をも包含する。羅漢果配糖体は、羅漢果果実の甘味の主な原因である。羅漢果配糖体は、羅漢果果実中に数種類含まれるが、その中でも主に含有量が多いのは、以下の化学構造2に示す構造を有する4種の配糖体である(竹本、在原、中島、奥平、薬学雑誌103:1151−1154(1983);竹本、在原、中島、奥平、薬学雑誌103:1155−1166(1983);K.Matsumoto,R.Kasai,K.OhtaniおよびO.Tanaka,Chem.Pharm.Bull.,38:2030−2032(1990);ならびにR.Kasai,R.−L.Nie,K.Nashi,G.−D.TaoおよびO.Tanaka,Agric.Biol.Chem.,53:3347−3349(1987))。
【0061】
例えば、モグロサイドVでは、下記の化学構造2で示される骨格に対してR1に2個およびR2に3個の合計5個のグルコース残基が結合した構造を有するか、これにさらに1個以上のグルコース残基が結合した化合物、すなわち、R1およびR2に合計6個以上のグルコースが結合した化合物を高度グリコシル化化合物という。
【0062】
(化学構造2)
【0063】
【化21】
通常の羅漢果から得られる羅漢果配糖体混合物のうち、最も含有量が多いのは、モグロサイドVと呼ばれる配糖体であり、その甘味強度は、ショ糖の約300倍である。モグロサイドV以外の羅漢果配糖体も、高い甘味強度を有する。
【0064】
羅漢果配糖体に結合した糖残基は、羅漢果配糖体に結合し得る任意の糖残基である。このような糖残基の例としては、グルコシル基、フルクトシル基、ガラクトシル基、マンノシル基、キシロシル基、アラビノシル基、N−アセチルグルコサミニル基、N−アセチルガラクトサミニル基、グルコサミニル基、ガラクトサミニル基、グルクロニル基、ガラクツロニル基、ラムノシル基などが挙げられる。糖残基は好ましくは、グルコシル基である。
【0065】
羅漢果配糖体と糖残基との間の結合は、α結合であってもβ結合であってもよいが、好ましくはα結合であり、より好ましくはα−1,4結合である。
【0066】
糖残基は、上記の化学構造1のR1のβ−D−グルコピラノシル末端またはR2のβ−D−グルコピラノシル末端で羅漢果配糖体に結合している。複数の糖残基が結合している場合、これらの糖残基はR1またはR2のいずれか一方にのみ結合していてもよいし、R1およびR2の両方に分かれて結合していてもよい。R2に2つのβ−D−グルコピラノシル末端がある場合、それらの一方に結合していてもよく、両方に結合していてもよい。
【0067】
羅漢果配糖体に結合している糖残基の数は、R1およびR2に結合した糖残基の合計として、任意の数であり得るが、代表的には1〜45個であり、好ましくは1〜20個であり、より好ましくは1〜15個であり、より好ましくは1〜12個であり、さらにより好ましくは1〜4個である。代表的には、R1およびR2のそれぞれの位置で結合する糖残基の数はそれぞれ、1〜15個であり、好ましくは1〜5個であり、より好ましくは1〜4個である。R2に2つのβ−D−グルコピラノシル末端がある場合は、第1のβ−D−グルコピラノシル末端に結合する数として好ましくは1〜15個、より好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜4個であり、第2のβ−D−グルコピラノシル末端に結合する数としては好ましくは1〜15個、より好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜4個である。羅漢果配糖体に結合した糖残基の数が多すぎると、得られる高度グリコシル化化合物の甘味強度がやや低下する傾向がある。羅漢果配糖体に結合した糖残基の数が1〜4個の範囲にある場合、実質的にほぼ羅漢果配糖体と同程度の甘味強度が得られ、かつ羅漢果配糖体よりも甘味質が向上するので、非常に好ましい。
【0068】
本発明の、羅漢果配糖体に1個以上のグルコース残基がα結合している高度グリコシル化化合物は一般的に、以下の「化学構造3」によって表される。
【0069】
(化学構造3)
【0070】
【化22】
これらの高度グリコシル化化合物のうち、羅漢果配糖体に1〜4個のグルコース残基がα結合している高度グリコシル化化合物(本明細書では、以下、「部分分解グリコシル化羅漢果配糖体」ともいう)は一般的に、以下の「化学構造4」によって表される。
【0071】
(化学構造4)
【0072】
【化23】
本発明の高度グリコシル化化合物は好ましくは、上記の化合物番号1〜34からなる群より選択される構造を有する。
【0073】
本発明の高度グリコシル化化合物の中の羅漢果配糖体部分は、任意の羅漢果配糖体に由来し得るが、好ましくは、モグロサイドVに由来する。
【0074】
本発明の高度グリコシル化化合物は、1種類の化合物のみからなる純粋なものであってもよいし、複数種の高度グリコシル化化合物の混合物であってもよい。
【0075】
<高度グリコシル化化合物の原料>
本発明の高度グリコシル化化合物の原料としては、羅漢果配糖体、糖供与体基質、糖転移酵素および糖質分解酵素が挙げられる。
【0076】
羅漢果配糖体は、純粋な羅漢果配糖体化合物または羅漢果配糖体混合物として提供されてもよいし、羅漢果配糖体化合物以外の物質を含む、それほど純粋でない羅漢果配糖体含有組成物として提供されてもよい。羅漢果配糖体は、1種類の羅漢果配糖体化合物(例えば、モグロサイドV)のみからなってもよいし、複数種の羅漢果配糖体化合物の混合物(例えば、モグロサイドV、モグロサイドIV、シアメノサイドI、11−オキソ−モグロサイドVの混合物)であってもよい。
【0077】
羅漢果配糖体含有組成物は、羅漢果配糖体を含有するのであれば、いかなる純度のものでも用い得るが、代表的には、複数種の羅漢果配糖体の合計とし、羅漢果配糖体含有組成物の重量を基準にして、羅漢果配糖体を約5重量%以上、好ましくは約10重量%以上、より好ましくは約15重量%以上、より好ましくは約20重量%以上、より好ましくは約30重量%以上、より好ましくは約40重量%以上、より好ましくは約50重量%以上含有する。羅漢果配糖体の含有量が少なすぎると、得られる本発明の高度グリコシル化化合物の量が少なすぎる場合がある。羅漢果配糖体は純品であってもよいが、純品を用いるとコストが高くなりすぎる場合がある。
【0078】
羅漢果配糖体含有組成物の例としては、羅漢果の粗エキス、部分精製物、各配糖体成分の精製物などが挙げられる。羅漢果配糖体は、一般には黄色〜黄褐色粉末の形状である。粗エキス中に含まれている果糖は本発明で用いられる糖転移酵素の受容体基質とはなり得ないので、羅漢果配糖体含有組成物中に高濃度で含有されていても全く問題ない。羅漢果配糖体含有組成物は、市販のものを利用してもよいし、製造してもよい。羅漢果配糖体含有組成物は、当業者に公知の抽出方法および分離方法を用いて製造され得る。
【0079】
羅漢果配糖体は、例えば、羅漢果の果実を洗浄し、粉砕した後、水で抽出して得られた抽出液について濾過、カラム吸収、カラム分離、回収、濃縮、乾燥などの工程を行なうことにより製造される。羅漢果配糖体は、日本国内で市販品として入手可能である。羅漢果配糖体含有組成物は、例えば、以下の方法により製造され得る。羅漢果の果実をメタノール抽出してメタノールエキスを得る。メタノールエキスを水と混合し、n−ヘキサンで脱脂する。脱脂後のメタノールエキスをカラムクロマトグラフィーにかけて水100%、80%メタノール、100%メタノール、およびアセトンで順次溶出し、粗配糖体画分である80%メタノール画分を得る。得られた粗配糖体画分をメタノールに溶解した後、シリカゲルと混合し、乾燥し、次いでこのシリカゲルをクロロホルム−メタノールの混合溶媒で溶出することにより、配糖体画分を得る。得られた配糖体画分を羅漢果配糖体含有組成物として用いてもよいし、さらに精製してもよい。さらに精製する場合、例えば、得られた配糖体画分を液体クロマトグラフィーにかけることにより、さらに高純度の配糖体画分が入手され得る。
【0080】
羅漢果配糖体含有組成物は、得られる高度グリコシル化化合物を含む混合物に対して好ましくない味、臭いなどを与える物質を実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」とは、得られる高度グリコシル化化合物を含む混合物を官能試験した場合に好ましくない味、臭いなどが感じられない量であることをいう。
【0081】
羅漢果配糖体とグルカンおよび糖転移酵素とを接触させる反応系において、例えば、モグロサイドVを30%程度含有する羅漢果精製物を用いる場合、その濃度範囲は、代表的に1〜70%(w/v)(この場合、モグロサイドVは、0.3〜21% w/vとなる)、好ましくは5〜40%(w/v)(この場合、モグロサイドVは、1.5〜12%(w/v)となる)である。反応系における羅漢果配糖体化合物の合計重量は、代表的に0.01〜50%(w/w)、好ましくは0.05〜40%(w/w)、より好ましくは0.2〜20%(w/w)である。これらの濃度範囲は、使用する羅漢果配糖体含有組成物中の羅漢果配糖体の含有量により、実験的に決定されるべきであり、これらに限定されない。高濃度の羅漢果配糖体(すなわち、糖受容体基質)を含む羅漢果配糖体含有組成物を使用する場合には、糖供与体基質の濃度、酵素濃度、反応時間および反応温度を適宜上昇させることが好ましい。
【0082】
本明細書中で「糖供与体基質」とは、他の分子に糖残基を与えることができる物質をいう。糖供与体基質の例としては、グリカン(すなわち、多糖またはオリゴ糖)および配糖体が挙げられる。本明細書中で「グリカン」とは、2以上の単糖が脱水縮合して生じた化合物をいう。通常、2〜9個の単糖が脱水縮合して生じた化合物は、オリゴ糖と呼ばれ、10個以上の単糖が脱水縮合して生じた化合物は、多糖と呼ばれる。グリカンは、単純多糖であってもよいし、複合多糖であってもよい。単純多糖とは、構成単位となる単糖が一種類の多糖をいう。複合多糖とは、構成単位となる単糖が2種類以上の多糖をいう。グリカンの例としては、グルカン、ガラクタン、マンナン、キシラン、アラビナン、キチンおよびキトサンが挙げられる。
【0083】
本明細書中で「グルカン」とは、D−グルコースから構成される多糖をいう。グルカンは、グルコース残基のアノマー炭素原子の配置により、α−グルカンとβ−グルカンとに分けられる。グルカンは、好ましくは、α−グルカンである。α−グルカンの例としては、デンプン、アミロース、アミロペクチン、デキストリン、シクロデキストリン、グリコーゲン、デキストラン、プルラン、ニゲラン、イソリゲナンおよびそれらの含有物が挙げられる。デンプンの例としては、可溶性デンプン、馬鈴薯デンプン、コーンスターチ、タピオカデンプンなどが挙げられる。糖供与体基質として、マルトース、マルトトリオース等のマルトオリゴ糖類またはそれらの混合物、低分子量のデキストリン等を使用することも可能であるが、その場合は、生成物中の還元糖量が、デンプンなどの高分子量のグルカンを用いる場合よりも高くなる。高分子量のグルカンを使用する場合は、グリコシル化羅漢果配糖体の収量を低下させないため、グルコース、マルトース等のCGTaseの良好な受容体基質となり得る還元糖を含まないことが好ましい。デンプンなど水に溶解しにくい多糖を含む基質の溶液を調製する場合は、糖転移酵素を添加する前に煮沸などにより、デンプンを十分糊化させることが好ましい。
【0084】
β−グルカンの例としては、セルロースが挙げられる。
【0085】
本明細書中で「配糖体」とは、糖と糖以外の物質が脱水縮合して生じた化合物をいう。配糖体の例としては、フェニルα−グルコシド、パラニトロフェニル、β−ガラクトシドなどが挙げられる。
【0086】
糖供与体基質は、羅漢果配糖体と糖供与体基質および転移酵素とを接触させる際に、この反応系において、0.1〜50%(w/v)、好ましくは1〜30%(w/v)の濃度範囲になるように使用されることが好ましいが、これらに限定されない。本発明の製造方法で用いられる反応系においては、糖供与体基質濃度を受容体基質濃度の約1/2〜1/4とすれば、グリコシル化羅漢果配糖体の十分高い合成率(反応に用いた受容体基質を100%としたとき、約80〜90%)を達成することができる。高濃度の糖供与体基質を用いた場合、反応初期には鎖長の長い糖残基が糖受容体基質へ転移され、時間の経過に従って、不均化反応によって鎖長の短い糖残基が糖受容体基質へ転移されるようになるので、反応を初期で停止すれば、グルコース残基の重合度が大きいグリコシル化物が多い生成物を得ることができる。さらに反応時間の経過とともに、グルコース残基の重合度の小さいグリコシル化物の割合が徐々に増加する。ただし、これらの場合も、適切な酵素濃度、反応温度など他の条件に依存することは言うまでもなく、予備的な実験を行って決定することが望ましい。
【0087】
本明細書中では、「糖転移酵素」とは、糖供与体基質から糖受容体基質へと糖残基を転移させる能力を有する酵素をいう。従来公知の任意の糖転移酵素が本発明に使用可能である。糖転移酵素の例としては、シクロデキストリン合成酵素(CGTase)、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−フルクトシダーゼ、α−グルコシダーゼ、α−マンノシダーゼ、β−マンノシダーゼ、α−アミラーゼ、α−プルラナーゼ、デキストリンデキストラナーゼ、D酵素、アミロマルターゼ、デキストラナーゼ、ホスホリラーゼ、スクロースホスホリラーゼ、マルトースホスホリラーゼ、トレハロースホスホリラーゼ、α−グルコシルトランスフェラーゼ、アミロスクラーゼ、デキストランスクラーゼ、レバンスクラーゼ、イヌリナーゼ、レバンフルクトトランスフェラーゼ、ガラクタナーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、マンナナーゼ、キシラナーゼ、アラビナーゼ、セルラーゼ、α−キシロシダーゼ、β−キシロシダーゼ、α−アラビノシダーゼ、シクロデキストラン合成酵素、リゾチーム、アガラーゼ、ラミナリナーゼ、リケナーゼ、β−グルクロニダーゼ、α−グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、キトサナーゼ、キチナーゼ、N−アセチルヘキソサミニダーゼ、ラムノシダーゼおよびα−フコシダーゼが挙げられる。
【0088】
糖転移酵素としては、CGTaseがより好ましい。CGTaseは、羅漢果配糖体のグリコシル化を非常に高い効率で触媒することができるからである。反応条件に依存するが、CGTaseは、反応に用いた羅漢果配糖体のうちの90%以上をグリコシル化し得る。この効率の高さは、CGTaseが、糖転移反応と競合する加水分解反応をほとんど触媒しないことに起因する。通常の加水分解酵素を用いると、加水分解および転移の両方がある一定の割合で起こる。CGTaseでは、加水分解は、反応に用いた羅漢果配糖体のうちの5%以内にしかおきない。羅漢果配糖体は、CGTaseを用いた本発明の方法において極めて良好な受容体基質であり得る。
【0089】
CGTaseとしては、市販の任意のCGTaseを用いてもよいし、CGTaseを微生物菌体、微生物培養物(例えば、培養上清)などから精製して用いてもよい。市販されるCGTaseの例としては、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由来のCGTase(林原生物化学研究所社製)、テルモアナエロバクター属またはテルモアナエロビウム属(Thermoanaerobacter sp.、Thermoanaerobium sp.)由来のCGTase(ノボ・ノルディスク・インダストリィ社製「CGTase ACN0002」、特願平2−500247、B.E.NormanおよびS.T.Jφrensen,DenpunKagaku,1992;39:101−108、本明細書中、以下では、「テルモアナエロバクター属」由来のCGTaseという)、バシラス・サーキュランス(Bacillus circulans)由来のCGTase(林原生物化学研究所社)、バシラス・マセランス(Bacillus macerans)由来のCGTase(天野エンザイム社製「コンチザイム」)、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium sp.)由来のCGTase(天野エンザイム社製)等が挙げられる。CGTaseは、複数のメーカーが工業的に製造、販売している酵素であるので、比較的安価かつ大量に入手すること、および起源が異なる酵素の中から適宜選択することが可能である。
【0090】
α−ガラクトシダーゼとしては、市販の任意のα−ガラクトシダーゼを用いてもよいし、α−ガラクトシダーゼを微生物菌体、微生物培養物(例えば、培養上清)などから精製して用いてもよい。市販されるα−ガラクトシダーゼの例としては、モルティエラ ビナセア(Mortiella vinacea)由来のα−ガラクトシダーゼ(シグマ社製)、アーモンド由来の由来のα−ガラクトシダーゼ(シグマ社製)、アスペルギラス ニガー(Aspergillus niger)由来のα−ガラクトシダーゼ(天野エンザイム社製)などが挙げられる。α−ガラクトシダーゼは、メリビオース、ラフィノースなどを糖供与体基質とする。
【0091】
β−ガラクトシダーゼとしては、市販の任意のβ−ガラクトシダーゼを用いてもよいし、β−ガラクトシダーゼを微生物菌体、微生物培養物(例えば、培養上清)などから精製して用いてもよい。市販されるβ−ガラクトシダーゼの例としては、大腸菌(Escherichia coli)由来のβ−ガラクトシダーゼ(シグマ社製)、アスペルギラス オリゼ(Aspergillus oryzae(黄麹菌))由来のβ−ガラクトシダーゼ(ヤクルト本社製)、ペニシリウム マルチカラー(Penicillium multicolor)由来のβ−ガラクトシダーゼ(ケイアイ化成社製)、バシラス・サーキュランス(Bacillus circulans)由来のβ−ガラクトシダーゼ(大和化成社製)が挙げられる。β−ガラクトシダーゼは、乳糖、ガラクトオリゴ糖、ガラクトシド配糖体を糖供与体基質とする。
【0092】
β−フルクトシダーゼとしては、市販の任意のβ−フルクトシダーゼを用いてもよいし、β−フルクトシダーゼを微生物菌体、微生物培養物(例えば、培養上清)などから精製して用いてもよい。市販されるβ−フルクトシダーゼの例としては、アルスロバクター(Arthrobacter)属由来のβ−フルクトシダーゼ(BICO(塩水港製糖)社製)、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae、パン酵母、ビール酵母)由来のβ−フルクトシダーゼ(シグマ社製)、アスペルギラス ニガー(Aspergillus niger、黒麹菌)由来のβ−フルクトシダーゼ(日高、平山;「化学と生物」、23、600(1985))が挙げられる。β−フルクトシダーゼは、ショ糖、フラクトオリゴ糖などを糖供与体基質とする。
【0093】
α−グルコシダーゼとしては、市販の任意のα−グルコシダーゼを用いてもよいし、α−グルコシダーゼを微生物菌体、微生物培養物(例えば、培養上清)などから精製して用いてもよい。市販されるα−グルコシダーゼの例としては、アスペルギラス ニガー(Aspergillus niger)由来のα−グルコシダーゼ(天野エンザイム社製)、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由来のα−グルコシダーゼ(シグマ社製)、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のα−グルコシダーゼ(シグマ社製)が挙げられる。α−グルコシダーゼは、マルトース、デキストリンなどを糖供与体基質とする。
【0094】
α−マンノシダーゼとしては、市販の任意のα−マンノシダーゼを用いてもよいし、天然のα−マンノシダーゼを微生物菌体、微生物培養物(例えば、培養上清)などから精製して用いてもよい。市販されるα−マンノシダーゼの例としては、タチナタマメ由来のα−マンノシダーゼ(シグマ社製)が挙げられる。α−マンノシダーゼは、マンノシド配糖体、マンノオリゴ糖などを糖供与体基質とする。
【0095】
糖転移酵素は、糖転移反応に悪影響を及ぼすような他の酵素活性を含まない限り、任意の純度のものを使用し得る。糖転移酵素は、その糖転移活性を発揮し得る限り、単なる含有物、固定化酵素などのいかなる形態のものでも使用できる。
【0096】
糖転移酵素の量は、羅漢果配糖体への糖転移反応を触媒し得る量であれば、任意の量であり得る。適切な量は、当業者によって適切に決定され得る。好ましくは基質1gあたり0.01〜10000単位であり、より好ましくは0.1〜5000単位である。例えば、糖転移反応に使用するCGTaseが、バシラス・ステアロサーモフィラスまたはテルモアナエロバクター属由来のCGTaseである場合は、1gのデンプン当たり0.1〜2000単位が好ましい。
【0097】
糖転移酵素の量が多いほど、糖転移反応に要する反応時間を短縮できる。バシラス・マセランス由来のCGTaseを使用する場合は、バシラス・ステアロサーモフィラスまたはテルモアナエロバクター属由来のCGTaseよりも低温(50℃)で反応を行っても他の起源のCGTaseとほぼ同等の収率でグリコシル化羅漢果配糖体を得ることができる。
【0098】
1つの実施形態において、羅漢果配糖体に5個以上のグルコース残基が結合した高度グリコシル化化合物を一旦製造したのち、糖質分解酵素を作用させて羅漢果配糖体に1〜4個のグルコース残基が結合した高度グリコシル化化合物を製造する。
【0099】
<羅漢果配糖体に1〜4個のグルコース残基が結合した高度グリコシル化化合物>
部分分解グリコシル化羅漢果配糖体の製造には、任意の糖質分解酵素が使用可能である。このような糖質分解酵素としては、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、マルトトリオース生成アミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、マルトペンタオース生成アミラーゼ、マルトヘキサオース生成アミラーゼ、イソアミラーゼおよびプルラナーゼが挙げられるが、羅漢果配糖体に結合したグリコシル糖鎖を短くする作用を有しさえすれば、これらに限定されない。
【0100】
α−アミラーゼは、グリコシル基の糖鎖内部をランダムに加水分解するアミラーゼである。α−アミラーゼとしては、市販の任意のα−アミラーゼを用いてもよいし、α−アミラーゼを微生物菌体、微生物培養物(例えば、培養上清)などから精製して用いてもよい。市販されるα−アミラーゼの例としては、バシラススブチリス(Bacillus subtilis)由来のα−アミラーゼ、アスペルギラス オリゼー(Aspergillus oryzae)由来のα−アミラーゼ(大和化成社製およびノボノルディスクインダストリー社製)などが挙げられる。
【0101】
特に、デンプンの液化力の強いアミラーゼよりも、糖化力の強いα−アミラーゼの方が、部分分解グリコシル羅漢果配糖体の製造には好都合である。
【0102】
β−アミラーゼは、グリコシル基の非還元末端側よりマルトース単位で加水分解するアミラーゼである。β−アミラーゼとしては、市販の任意のβ−アミラーゼを用いてもよいし、β−アミラーゼを微生物菌体、微生物培養物(例えば、培養上清)などから精製して用いてもよい。市販されるβ−アミラーゼの例としては、オオムギ由来のβ−アミラーゼ、コムギ由来のβ−アミラーゼ、ダイズ由来のβ−アミラーゼ(天野エンザイム社製およびナガセケムテック社製)、サツマイモ由来のβ−アミラーゼ(シグマ社製)が挙げられる。
【0103】
グルコアミラーゼは、グリコシル基の非還元末端側よりグルコース単位で加水分解するアミラーゼである。グルコアミラーゼとしては、市販の任意のグルコアミラーゼを用いてもよいし、グルコアミラーゼを微生物菌体、微生物培養物(例えば、培養上清)などから精製して用いてもよい。市販されるグルコアミラーゼの例としては、リゾパス ニベウス(Rhizopus niveus)由来のグルコアミラーゼ(生化学工業社製)、アスペルギラス ニガー(Aspergillus niger)由来のグルコアミラーゼ(阪急バイオインダストリー社製)が挙げられる。
【0104】
<他の成分>
溶媒としては任意の溶媒が使用できる。例えば、水が使用できる。
【0105】
糖転移反応および部分分解反応の間の反応液のpHは、それぞれの反応を触媒する酵素が作用し得るpH範囲であれば任意に設定し得るが、代表的にはpH3〜11であり、好ましくは5〜7の範囲である。反応液のpHは、反応に使用する酵素の至適pHを考慮して適切に調整され得る。反応液のpHの調整方法は、当業者に周知である。
【0106】
緩衝液は必ずしも必要ないが、必要に応じて任意の緩衝液を使用してもよい。例えば、上記pH範囲の10〜500mM酢酸緩衝液およびリン酸緩衝液を使用することができる。
【0107】
反応系に5〜10%(v/v)程度のメタノール、エタノール、イソプロパノール等の水溶性の有機溶媒を含んでいても、高度グリコシル化化合物の収率にほとんど影響はないが、非常に弱い受容体基質となるため、存在しないことが望ましい。カルシウム、マグネシウム2等の金属塩の添加は特に必要としない。
【0108】
<高度グリコシル化化合物の製造方法>
本発明の化合物を製造する方法においては、他に特定されない限り、当該分野で公知である、配糖体の抽出および分画方法、ならびに甘味料の調製方法などが採用され得る。これらの手法は、市販のカラムなどを使用して行い得る。
【0109】
本発明の高度グリコシル化化合物は、羅漢果配糖体を、グルカンなどの糖供与体基質および糖転移酵素と接触させて、高度グリコシル化化合物を得る工程を包含する方法によって製造される。代表的には、本発明の高度グリコシル化化合物は、羅漢果配糖体を、α−グルカンなどの糖供与体基質および糖転移酵素と接触させて、高度グリコシル化化合物を得る工程を包含する方法によって製造される。
【0110】
本発明の方法では、まず、羅漢果配糖体、グルカンなどの糖供与体基質および糖転移酵素を混合する。これらの混合の順序は任意の順序で行われる。すなわち、まず羅漢果配糖体との糖供与体基質とを混合した後、これに糖転移酵素を添加して混合してもよいし、まず羅漢果配糖体と糖転移酵素とを混合した後、これに糖供与体基質を添加して混合してもよいし、まず糖転移酵素と糖供与体基質とを混合した後、これに羅漢果配糖体を添加して混合してもよいし、羅漢果配糖体、糖供与体基質および糖転移酵素をいっぺんに混合してもよい。糖転移酵素としてCGTase以外の酵素を用い、糖転移酵素と糖供与体基質とを混合した後に羅漢果配糖体を添加する場合、糖転移酵素と糖供与体基質との混合から、羅漢果配糖体の添加までの時間はなるべく短いことが好ましい。混合は、羅漢果配糖体、糖供与体基質および糖転移酵素が実質的に均一に混同されるのであれば、どのような方法を用いて行ってもよいし、また、混合時間も適切に選択され得る。
【0111】
このようにして混合されることにより、羅漢果配糖体と糖供与体基質および糖転移酵素とが接触し得る。接触の間、この混合物は、糖転移反応に適切な温度に保たれることが好ましい。反応温度は代表的には10〜100℃、好ましく40〜90℃である。用いる糖転移酵素に適切な反応温度は、当業者に公知であり、当業者は適切に選択し得る。例えば、バチラス・ステアロサーモフィラスまたはテルモアナエロバクター属由来のCGTaseは耐熱性が高いので、バチラス・ステアロサーモフィラス由来のCGTaseは80℃の反応において数日間、テルモアナエロバクター属由来のCGTaseは90℃の反応において数日間使用することができる。一方、バシラス・マセランス由来のCGTaseは、それほど耐熱性が高くないので、反応温度50℃以下で使用することが好ましい。
【0112】
羅漢果配糖体と、糖供与体基質および糖転移酵素とを接触させる時間は、使用する糖転移酵素を考慮して当業者によって適切に選択され得る。接触させる時間は代表的には、5分間〜10日、好ましくは30分間〜5日間、より好ましくは1時間〜3日間である。
【0113】
羅漢果配糖体と、糖供与体基質および糖転移酵素とを接触させることによって、羅漢果配糖体にグリコシル残基が転移されて、羅漢果配糖体に1個以上のグルコース残基が結合している高度グリコシル化化合物が形成される。高度グリコシル化化合物を含有する反応系は、そのまま目的の用途に使用されてもよいし、その後のさらなる糖転移反応を防ぐために糖転移酵素を失活させる処理が施されてもよいし、この反応系から高度グリコシル化化合物が部分的または完全に精製されてもよい。
【0114】
例えば、羅漢果配糖体の中で最も含有量が多いモグロサイドVとデンプンおよびCGTaseとを接触させた場合を例示すると、CGTaseの作用によって上記化学構造1の各R1、R2の複数のグルコース残基に対して新たに結合するグルコース残基の数(すなわち、重合度)は、通常はそれぞれ1〜15であり、1〜5のものが比較的多い。ただしこれらの比率は、反応条件によって変化するため、限定されない。CGTaseを用いることにより、モグロサイドVのグルコース残基と新たに結合したグルコース残基との間の結合のアノマー型はα型に限定される。CGTaseの作用によって得られた、新たに結合したグルコース残基の重合度が2以上の場合の、グルコース残基間の結合様式は通常、α−1,4結合のみであるが、α−1,6結合(すなわち、分岐構造)が形成されてもよい。
【0115】
羅漢果配糖体に5個以上のグルコース残基がα結合している高度グリコシル化化合物は、羅漢果配糖体に1〜4個のグルコース残基がα結合している高度グリコシル化化合物(すなわち、部分分解グリコシル化羅漢果配糖体)を得るために、糖質分解酵素と接触され得る。
【0116】
グリコシル化羅漢果配糖体は、例えば、水溶液中などで糖質分解酵素と混合されることにより、糖質分解酵素と接触し得る。グルコシル化羅漢果配糖体を含む反応液は、そのまま糖質分解酵素と混合されてもよいが、糖転移酵素を除去または失活させる処理を施した後に糖質分解酵素と混合されることが好ましい。糖転移酵素を失活させる処理の例としては、加熱、pH変化、エタノールのような有機溶媒の添加などが挙げられる。加熱の例としては、15分間の煮沸が挙げられる。通常の糖転移酵素は、15分間の煮沸でほぼ失活する。有機溶媒を添加して糖転移酵素を失活させた後に、グリコシル化羅漢果配糖体を糖質分解酵素で処理する場合、糖質分解酵素を添加する前に有機溶媒を留去することが好ましい。失活させるための処理を施さずに、グリコシル化羅漢果配糖体を糖質分解酵素と接触させた場合、糖質分解酵素の分解反応によって生成するグルコース、オリゴ糖などが糖転移反応の糖受容体基質となり、一旦生成したグリコシル化羅漢果配糖体が糖供与体基質として働いて羅漢果配糖体に戻り得るので、部分分解グリコシル化羅漢果配糖体の収率が低下することが起こり得る。
【0117】
グリコシル化羅漢果配糖体と糖質分解酵素とを接触させる間、この混合物は、糖質分解酵素によるグリコシル残基の加水分解に適切な温度に保たれ得る。適切な温度範囲は代表的には、30〜80℃である。
【0118】
グリコシル化羅漢果配糖体と糖質分解酵素とを接触させる間の混合物のpHは、糖転移反応を行ったpH5〜7程度の範囲であれば、pHの再度の調整は必要なく、そのまま継続して部分分解反応を行うことができる。
【0119】
グリコシル化羅漢果配糖体と糖質分解酵素とを接触させる時間は、加水分解反応に用いる糖質分解酵素の性質および所望の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体の組成を考慮して、または当該分野で公知の方法を用いて反応の進行程度を測定して、当業者によって適切に決定され得る。部分分解グリコシル化羅漢果配糖体の生成程度は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて測定(定量、分析など)され得る。
【0120】
このようにして部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が得られるが、部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を含有する混合物は、そのまま目的の用途に用いられてもよいし、糖質分解酵素を失活させる処理が施されてもよいし、部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を部分的または完全に精製してもよい。糖質分解酵素を失活させる処理の例としては、煮沸が挙げられる。
【0121】
<高度グリコシル化化合物の単離、分析および同定方法>
本発明の高度グリコシル化化合物は、当該分野で公知の方法によって分析され得る。このような分析方法の例としては、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、TLC、シリカゲルクロマトグラフィーなどが挙げられる。
【0122】
HPLCに使用され得るカラムとしては、アミド系カラムが挙げられる。アミド系カラムの例としては、アサヒパックNH2P−50(ショーデックス社製)、アミド80(東ソー社製)等が挙げられる。これらのカラムを使用する場合には、分析対象とする試料溶液に対して、同容量のアセトニトリルまたはエタノール等を添加し、予め未反応の高分子量グルカン等を沈殿として除去しておくことが好ましい。
【0123】
HPLCに使用され得る溶離液として、アセトニトリル水溶液が挙げられ、代表的には55〜85%(v/v)アセトニトリル水溶液が適切である。高度グリコシル化化合物は、羅漢果配糖体に結合しているグルコース残基の重合度が高くなるほど、カラムへの保持時間は長くなる。
【0124】
HPLCに使用され得る他のカラムとしては、逆相系カラムが挙げられる。逆相系カラムは、沈澱処理を必要としないので、アミド系カラムを用いる場合よりも分析操作が簡便である。逆相系カラムの例としては、YMC−Pack ODS−AQ(YMC社製)、Shim−pack CLC−ODS(島津製作所社製)が挙げられる。逆相系カラムを用いる場合、羅漢果配糖体にα結合したグルコース残基の数が多い高度グリコシル化化合物ほど、カラムへの保持時間が短くなり、受容体基質である羅漢果配糖体は高度グリコシル化化合物よりも保持時間が長くなる傾向が認められる。
【0125】
薄層クロマトグラフィーを用いて反応液を分析する場合、例えば以下のようにして定性的に分析を行い得る。薄層板(キーゼルゲル60、メルク社製)に反応液の一部をスポットし、酢酸エチル:酢酸:水(3:1:1、v/v)を展開溶媒として、上昇法で展開する。展開を開始してから適切な時間(代表的には、5分間〜1時間、より好ましくは15分間〜30分間)が経過してから、薄層板を展開溶媒から取り出し、風乾させる。高度グリコシル化羅漢果配糖体を検出するためには、風乾後の薄層板に50%硫酸/メタノール溶液を噴霧して、120℃で加熱する。これにより、薄層板のうちの配糖体を含有する部分が茶褐色に変化する。グリコシル化羅漢果配糖体は、羅漢果配糖体に結合したグルコース残基の数が多いほど展開移動度が小さくなる。
【0126】
本発明の高度グリコシル化化合物(グリコシル化羅漢果配糖体および部分分解グリコシル化羅漢果配糖体)は、当業者に周知の精製方法を用いて精製され得る。本発明の高度グリコシル化化合物に対して逆相系カラム(例えば、ODS)を用いた吸着クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーなどを行うことによよって、少量混在するグルコース、オリゴ糖などを除去して本発明の高度グリコシル化化合物の純度を高めることができる。
【0127】
例えば、ODSクロマトグラフィーでは、ODSカラムを水で平衡化しておく。試料中のグルコースおよび短鎖のオリゴ糖はODSカラムに吸着されず、非吸着画分および水洗浄画分に回収される。グリコシル化羅漢果配糖体は、溶離液中のエタノール濃度またはメタノール濃度を段階的または直線的に上昇させることにより溶出され得る。その際、羅漢果配糖体に結合したグルコース残基の数が多いグリコシル化羅漢果配糖体から順番に溶出する。
【0128】
溶離液中のエタノール濃度は、最も高濃度のときには、90%(v/v)を超えないことが好ましく、20〜50%(v/v)程度であることが適切である。
【0129】
使用され得るゲルろ過担体としては、セファデックスG−15またはセファデックスG−25(ファルマシア社製)、ビオゲルP−2(バイオラド社製)等が挙げられる。
【0130】
ゲル濾過クロマトグラフィーの際の溶離液としては、蒸留水、5%エタノールなどが使用され得る。
【0131】
<グリコシル化羅漢果配糖体または部分分解グリコシル化羅漢果配糖体の工業レベル製造>
工業的レベルでのグリコシル化羅漢果配糖体および部分分解グリコシル化羅漢果配糖体の製造工程の例を図1に示す。以下、この例について説明する。
【0132】
受容体基質には、羅漢果の粗エキス、部分精製物、各配糖体成分の精製物など、いかなる純度の混合物であっても使用することができる。また粗エキス中に含まれている果糖は糖転移酵素(例えば、CGTase)の受容体基質となり得ないので、高濃度で受容体基質中に含有されていても全く問題ない。
【0133】
生産量に応じた容量の温度制御反応釜に、羅漢果エキス、デンプン、CGTaseを投入し、水で全容とする。使用するCGTaseに応じた最適反応温度(例えば、40℃〜90℃)および最適反応時間(例えば、6〜48時間)反応させた後、用いたCGTaseの耐熱性に応じて70℃〜100℃にて15分間の加熱することにより、糖転移酵素活性を失活させる。必要に応じて糖質分解酵素を投入し、使用する糖質分解酵素に最適な反応温度(例えば、30℃〜80℃)で反応させ、羅漢果配糖体に1〜4個のグルコース残基が結合した部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得ることもできる。
【0134】
次に、高度グリコシル化羅漢果配糖体または羅漢果配糖体に1〜4個のグルコース残基が結合した部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を分離および精製するために、上記で得られた反応生成物をODS逆相系樹脂を充填したカラムに最適流量で流し込む。このカラムを水洗後、最適アルコール濃度の水溶液でグリコシル化羅漢果配糖体または部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を溶出する。
【0135】
濃縮工程では、得られた溶出液量に応じた容量のアルコール回収用減圧濃縮装置を上記の溶出液に対して用いて、アルコールの回収に必要な最適真空度および濃縮温度条件でアルコールを回収し、溶出液を濃縮する。回収したアルコールはリサイクルして用いる。
【0136】
粉末化工程については、濃縮された溶出液の量に応じた水分蒸発量を有するスプレードライヤーに上記の濃縮された溶出液を供して、グリコシル化羅漢果配糖体または部分分解グリコシル化羅漢果配糖体の粉体乾燥物を得る。
【0137】
単離したグリコシル化羅漢果配糖体および部分分解グリコシル化羅漢果配糖体の化学構造は、マススペクトルで確認することができる。マススペクトルによって確認された、モグロサイドVの化学構造を以下の化学構造4に示す。なおグルコース間の結合様式は、CGTaseの特異性からα−1,4結合のみであり、単離した各重合度の生成物をNMR等で詳細に解析するまでもない。
【0138】
(化学構造4)
【0139】
【化24】
本発明の方法では、糖転移酵素が加水分解反応をほとんど触媒しないため、羅漢果配糖体に結合した糖の重合度が異なる生成物の割合は反応経過とともに変化するが、グリコシル化羅漢果配糖体の全体の収率は反応時間が経過してもほとんど減少しない。したがって、厳密な反応条件のコントロール、反応中の生成物の頻繁なモニタリングなどは不要である。
【0140】
好ましくは、デンプンが糖供与体基質に用いられる。この場合、高いグリコシル化効率とも相まって、グリコシル化羅漢果配糖体の製造価格を低減させることができる。
【0141】
<高度グリコシル化化合物の用途>
羅漢果配糖体を含有する甘味料を、α−グルカンおよび糖転移酵素と接触させることにより、この甘味料中に含まれる羅漢果配糖体は高度グリコシル化化合物に変換される。高度グリコシル化化合物は、羅漢果配糖体よりもショ糖に近い、良好な甘味質を有するので、これにより、この甘味料は、味質が改善される。
【0142】
本発明の高度グリコシル化化合物は、食品用組成物、甘味料、医薬品用組成物、医薬部外品用組成物、化粧品用組成物として使用され得る。
【0143】
本発明の食品用組成物は、高度グリコシル化化合物を含有する。本明細書において「食品組成物」とは、食用に供され得る任意のものをいう。食品組成物の例としては、加熱料理;清涼飲料、機能性飲料、ゼリー飲料などの飲料類;洋菓子類、和菓子類などの菓子類;ヨーグルトなどの乳製品;調味料;健康食品;特別用途食品(特定保健用食品)が挙げられる。本発明の食品組成物における高度グリコシル化化合物の含有量は、食品組成物の形態および用途によって異なり、当業者によって適宜選択され得る。例えば、一般的な清涼飲料、機能性飲料、ゼリー飲料などの飲料類の場合は、飲料全体における高度グリコシル化化合物の含有量は、代表的には約0.001〜約2.0重量%、好ましくは約0.005〜約1.0重量%、さらに好ましくは約0.01〜約0.5重量%の割合である。
【0144】
本発明の食品組成物は、当業者に公知の方法を用いて製造され得る。当業者は、食品組成物の形態および種類に応じて適切な製造方法を選択し得る。ここで、高度グリコシル化化合物は任意の方法で食品組成物に配合され得る。
【0145】
本発明の食品組成物に含有される高度グリコシル化化合物は、一般的なショ糖に代わる甘味料として、加熱料理、洋菓子類、和菓子類、飲料類、乳製品、調味料などの食品用途、健康食品用途、特別用途食品(特定保健用食品)などにも広く利用され得る。本発明の高度グリコシル化化合物は、加熱に対して安定であり、褐変および着色を生じず、酸性の食品中でも安定であることから、上記用途に特に有用である。
【0146】
本発明の甘味料は、高度グリコシル化化合物を含有するエネルギー抑制甘味料である。本明細書中で「甘味料」とは、食品に甘味をつけるために用いられる組成物をいう。本発明の甘味料は、低エネルギー甘味料であってもよいし、ゼロエネルギー甘味料であってもよい。あるいは、本発明の甘味料は、甘味料の単位重量あたりのエネルギーはショ糖とほぼ同等であっても、甘味強度がショ糖よりも著しく高いために、甘味料の使用量がきわめて少量ですみ、絶対使用量を減らすことができる甘味料であってもよい。栄養改善法によれば、栄養成分が少ないことを強調する表示の基準として、「低」、「軽」、「ひかえめ」、「低減」、「カット」、「オフ」などのエネルギー表示は、甘味料100gあたりのエネルギーが40kcal以下(ただし飲用に供する食品は20kcal以下)と定められている。「無」、「ゼロ」、「ノン」などのエネルギー表示は、甘味料100gあたりのエネルギーが5kcal以下とされている。好ましい実施態様では、本発明の甘味料は、100gあたりのエネルギーが「ゼロ」または「低」を強調して表示できる甘味料であり得る。
【0147】
本発明の甘味料は、液体(すなわち、シロップ状)、半固体または固体(例えば、粉末状、顆粒状、結晶状、六角形の形態など)の形態であり得る。当業者は、甘味料物の用途に応じて、甘味料の形態を適宜選択し得る。
【0148】
本発明の甘味料における高度グリコシル化化合物の含有量は、製品の形態および用途によって異なり、当業者によって適宜選択され得る。例えば、卓上用の固体の高甘味度甘味料として用いる場合、本発明の甘味料は高度グリコシル化化合物単独からなり得る。すなわち、高度グリコシル化化合物の含有量は100重量%であり得る。一般的な卓上用の粉末または顆粒状低エネルギー甘味料および低エネルギーシロップ類などとして用いる場合は、甘味料全体における高度グリコシル化化合物の含有量は、代表的には約0.001〜約5重量%、好ましくは約0.005〜約2重量%、さらに好ましくは約0.01〜約0.5重量%である。
【0149】
本発明の甘味料は、その形態に適切な、当業者に公知の方法を用いて製造される。例えば、固体状の甘味料の場合、代表的には、高度グリコシル化化合物、ならびに必要に応じて他の成分を混合することにより製造される。固体状の甘味料は、必要に応じて賦形され得る。液体状の甘味料の場合、代表的には、高度グリコシル化化合物、ならびに必要に応じて他の成分と必要量の水とを混合して溶解させることにより製造される。当業者は、目的とする甘味料組成物の形態および用途に応じて適切な製造方法を選択し得る。
【0150】
本発明の医薬品用組成物は、高度グリコシル化化合物を含有する。本明細書において「医薬品用組成物」とは、医用に供され得る任意のものをいう。医薬品用組成物の例としては、経口投与される製剤;舌下に適用する製剤(例えば、舌下錠);歯科外用剤および口中用剤(例えば、含嗽剤)が挙げられる。本発明の医薬品用組成物における高度グリコシル化化合物の含有量は、医薬品用組成物の形態および用途によって異なり、当業者によって適宜選択され得る。例えば、一般的な経口投与される製剤の場合は、製剤全体における高度グリコシル化化合物の含有量は、代表的には約0.001〜約5重量%、好ましくは約0.05〜約2重量%、さらに好ましくは約0.01〜約0.5重量%の割合である。
【0151】
本発明の医薬品用組成物は、当業者に公知の方法を用いて製造され得る。当業者は、医薬品用組成物の形態および種類に応じて適切な製造方法を選択し得る。ここで、高度グリコシル化化合物は任意の方法で医薬品用組成物に配合され得る。
【0152】
本発明の医薬部外品用組成物は、高度グリコシル化化合物を含有する。本明細書において「医薬部外品用組成物」とは、医薬部外品用に供され得る任意のものをいう。医薬部外品用組成物の例としては、口中清涼剤(例えば、のど清涼剤、健胃清涼剤);薬用化粧品;薬用歯磨き類が挙げられる。医薬部外品用組成物の例としては、ビタミンC剤、ビタミンE剤、ビタミンEC剤、ビタミン含有保健剤、カルシウム剤であってもよい。本明細書中では、医薬部外品用組成物は、医薬部外品として使用される組成物、または新指定医薬部外品として使用される組成物の両方を含む。本発明の医薬品用組成物における高度グリコシル化化合物の含有量は、医薬品用組成物の形態および用途によって異なり、当業者によって適宜選択され得る。例えば、一般的なのど清涼剤の場合は、のど清涼剤全体における高度グリコシル化化合物の含有量は、代表的には約0.001〜約5重量%、好ましくは約0.05〜約2重量%、さらに好ましくは約0.01〜約0.5重量%の割合である。
【0153】
本発明の医薬品用組成物は、当業者に公知の方法を用いて製造され得る。当業者は、医薬品用組成物の形態および種類に応じて適切な製造方法を選択し得る。ここで、高度グリコシル化化合物は任意の方法で医薬品用組成物に配合され得る。
【0154】
本発明の化粧品用組成物は、高度グリコシル化化合物を含有する。本明細書において「化粧品用組成物」とは、化粧用に供され得る任意のものをいう。化粧品用組成物の例としては、口紅および歯磨き類が挙げられる。本発明の化粧品用組成物における高度グリコシル化化合物の含有量は、化粧品用組成物の形態および用途によって異なり、当業者によって適宜選択され得る。例えば、一般的な歯磨き類の場合は、歯磨き全体における高度グリコシル化化合物の含有量は、代表的には約0.005〜約5重量%、好ましくは約0.005〜約2重量%、さらに好ましくは約0.01〜約0.5重量%の割合である。
【0155】
本発明の化粧品用組成物は、当業者に公知の方法を用いて製造され得る。当業者は、化粧品用組成物の形態および種類に応じて適切な製造方法を選択し得る。ここで、高度グリコシル化化合物は任意の方法で化粧品用組成物に配合され得る。
【0156】
本発明で用いられる糖転移酵素および糖質分解酵素は、シクロデキストリン、カップリングシュガー(グリコシルスクロース)などのような、食品(例えば、甘味料)、医薬品、化粧品などの素材および添加物の工業的な製造に利用されてきた実績があるため、安全性の点でも問題はない。
【0157】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されない。
【0158】
<実施例1:各種CGTaseを用いたときの、モグロサイドVへの糖転移率>
各種CGTaseによるモグロサイドVへの糖転移率を調べるために、以下の実験を行った。まず、50mM酢酸緩衝液(pH6.0)中に20%(w/v)の羅漢果配糖体含有組成物(羅漢果配糖体としてモグロサイドVを約30%(w/v)含むもの;中国桂林思特技術公司より入手)および10%(w/v)の可溶性デンプン(関東化学社製)を含む羅漢果配糖体溶液(0.95ml)に対して、バシラス・ステアロサーモフィラス由来のCGTase(実施例1−1)、テルモアナエロバクター属由来のCGTase(実施例1−2)、バシラス・サーキュランス由来のCGTase(実施例1−3)またはバシラス・マセランス由来のCGTase(実施例1−4)(各20単位)を加えて混合し、60℃で24時間および48時間反応させた。ブランクとして、CGTaseを添加せずに同じ操作を行った。
【0159】
24時間または48時間の反応後、反応液を100℃で15分間煮沸してCGTaseを失活させた。煮沸後の反応液を、ODSカラムを装着したHPLCで分析した。ブランクの反応液中のモグロサイドVの量(MogV(bla))を100%とし、糖転移反応後の反応液中のモグロサイドVの量(MogV(react))の減少率を糖転移率とみなした。すなわち、
【0160】
【数1】
結果を表1に示す。
【0161】
【表1】
いずれのCGTaseを用いた場合も、モグロサイドVへの糖転移が観察された。糖転移率は、バシラス・ステアロサーモフィラス由来のCGTase、テルモアナエロバクター属由来のCGTaseおよびバシラス・サーキュランス由来のCGTaseを用いた場合に非常に高い糖転移率が示され、これら3種類の酵素では、24時間の反応でも糖転移率は80%以上と高かった(表1−▲2▼、表1−▲1▼および表1−▲4▼)。そのため、これらの酵素は、本発明の製造方法に好適に使用され得る。
【0162】
一方、バシラス・マセランス由来のCGTaseを用いた場合、20単位で添加して60℃で反応させた場合、糖転移率は50%以下であり、それほど高くなかったので、酵素量を100単位に増やし、反応温度を50℃として上記と同様に実験を行った(実施例1−5)ところ、24時間後の合成率は80%に増大した(表1−▲5▼)。
【0163】
これらのことから、いずれの微生物菌体、微生物培養物(例えば、培養上清)など由来のCGTaseを用いた場合でも、酵素量および反応温度を適切に設定することにより、グリコシル化羅漢果配糖体の製造に好適に使用され得ることがわかった。
【0164】
<実施例2:モグロサイドVへの糖転移に及ぼす酵素添加量および反応温度の影響>
モグロサイドVへの糖転移に及ぼす酵素添加量および反応温度の影響を調べるために、以下の実験を行った。まず、50mM酢酸緩衝液(pH6.0)中に20%(w/v)の羅漢果配糖体含有組成物(羅漢果配糖体としてモグロサイドVを約30%(w/v)含むもの;中国桂林思特技術公司より入手)および10%(w/v)の可溶性デンプン(関東化学社製)を含む羅漢果配糖体溶液(0.95ml)に対して、CGTase酵素(テルモアナエロバクター属由来、Novo Nordisk社製)を、0.67単位/gデンプン(試料A)、1.33単位/gデンプン(試料B)、3.33単位/gデンプン(試料C)、6.67単位/gデンプン(試料D)、13.33単位/gデンプン(試料E)、33.33単位/gデンプン(試料F)または66.67単位/gデンプン(試料G)のいずれかの濃度で添加して混合し、反応温度60℃および80℃で、反応時間24時間および48時間反応させた。ブランクとして、CGTaseを添加せずに同じ操作を行った。
【0165】
24時間または48時間の反応後、反応液を100℃で15分間煮沸してCGTaseを失活させた。煮沸後の反応液を、ODSカラムを装着したHPLCで分析し、糖転移に及ぼす酵素量および反応温度の影響を判断した。実施例1と同様に、ブランクの反応液中のモグロサイドVの量(MogV(bla))を100%とし、糖転移反応後の反応液中のモグロサイドVの量(MogV(react))の減少率を糖転移率とみなした。
【0166】
CGTaseの種々の添加量、反応温度および反応時間での糖転移率を以下の表2に示す。
【0167】
【表2】
表2からわかるように、添加酵素量の増加(試料A→試料G)に伴い、羅漢果配糖体の主成分(モグロサイドV(Mogroside V))の糖転移率は増加した。反応温度を60℃から80℃に上昇させることによっても、糖転移率は増大した。また、反応時間が24時間から48時間へと長くなることによっても、糖転移率は増大した。したがって、モグロサイドVへの糖転移率は、添加酵素量、反応温度および反応時間を適宜設定することによって、増大させることができる。それゆえ、当業者は、高度グリコシル化化合物を合成するために都合のよい条件を適宜設定し得る。
【0168】
<実施例3:糖転移率に及ぼす糖供与体基質濃度の影響>
シクロデキストリン合成酵素(CGTase、テルモアナエロバクター属(Thermoanaerobacter sp.)由来)によるモグロサイドVへの糖転移率に及ぼす糖供与体基質(デンプン)の濃度の影響を調べた。
【0169】
まず、各試験管に20%(w/v)の羅漢果配糖体含有組成物(中国桂林思特技術公司から入手)と各種濃度の可溶性デンプン溶液とを等量で混合して、10%(w/v)羅漢果配糖体含有組成物と、0.5%(w/v)、1.0%(w/v)、2.5%(w/v)、5.0%(w/v)、7.5%(w/v)または9.6%(w/v)の可溶性デンプンとを含む反応基質液を調製した。この反応液に10単位のCGTaseを添加して混合した後、60℃で20時間および44時間反応させた。
【0170】
24時間または44時間の反応後、反応液を100℃で15分間煮沸してCGTaseを失活させた。煮沸後の反応液を、ODSカラムを装着したHPLCで分析し、糖転移に及ぼすデンプンの量の影響を判断した。実施例1と同様に、ブランクの反応液中のモグロサイドVの量(MogV(bla))を100%とし、糖転移反応後の反応液中のモグロサイドVの量(MogV(react))の減少率を糖転移率とみなした。羅漢果配糖体の主成分(Mogroside V)の面積値により糖転移率を測定した。
【0171】
結果を表3に示す。
【0172】
【表3】
表3から、CGTaseによるモグロサイドVへの糖転移率に及ぼす糖供与体基質(デンプン)の濃度の影響がわかる。HPLCにおいて、いずれのデンプン濃度でも羅漢果配糖体の主成分(Mogroside V)の減少が見られ、糖転移が確認された。特にデンプン濃度2.5%以上の場合、20時間後の糖転移率(%)は、75%以上と高かった。さらにデンプン濃度2.5%以上の場合、44時間後では、糖転移率(%)は、78〜93%と非常に高かった。以上の結果から、比較的低いデンプン濃度を用いた場合でも、反応20時間以内で高い収率で糖転移物が生成する、きわめて生産性に優れた反応であることが示唆された。
【0173】
<実施例4:部分分解グリコシル化物の合成および分析>
高度グリコシル化化合物のβ−アミラーゼ処理による部分分解グリコシル化物の合成および分析を以下の通りに行った。
【0174】
まず、50mM酢酸緩衝液(pH6.0)中に30%(w/v)の羅漢果配糖体含有組成物(中国桂林思特技術公司より入手)および15%(w/v)の可溶性デンプン(関東化学社製)を含む羅漢果配糖体水溶液(50ml)に対して、CGTase酵素(バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由来、林原生物化学研究所製)を1,400単位添加して混合し、反応温度60℃で18時間反応させ、高度グリコシル化化合物を合成した。18時間の反応後、反応液を100℃で15分間煮沸してCGTaseを失活させ、99.5%エタノール(ナカライ社製)を2倍量加えてグルカン混合物を沈澱させた。この沈澱物を遠心分離によって除去して上清を得た。この上清をエバポレーターにかけてエタノールを除去した。
【0175】
この溶液にβ−アミラーゼ(大豆由来、阪急バイオインダストリー社製)を加えて混合し、40℃で16時間反応させて、合成されたグリコシル化羅漢果配糖体から、付加した糖残基を部分分解した。16時間の反応後、反応液をHPLCにかけてクロマトグラムを得た。
【0176】
得られたクロマトグラムを図2に示す。図2では、横軸はピークの高さを示し、縦軸はリテンションタイムを示す。ピークの近傍の数字は、ピークの出現したリテンションタイムを示す。各ピークに含まれる成分の分子量をLCマスによって測定し、グルコース残基の結合数を決定した。
【0177】
リテンションタイム4.5分付近に羅漢果配糖体の主成分(Mogroside V)のピークが確認された。それ以降、6分付近に、モグロサイドVにグルコースが1残基結合したグリコシル化物のピークが、8分付近に、モグロサイドVにグルコースが2残基結合したグリコシル化物のピークが、11分付近に、モグロサイドVにグルコースが3残基結合したグリコシル化物のピークが、そして15分付近に、モグロサイドVにグルコースが4残基結合したグリコシル化物のピークが、それぞれ確認された。
【0178】
図2から、部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が生成し、糖付加数によりHPLC分離されていることが明らかである。
【0179】
<実施例5:甘味強度の測定>
(1)グリコシル化羅漢果配糖体の合成
羅漢果配糖体(羅漢果配糖体としてモグロサイドVを約30%(w/v)含む羅漢果配糖体含有組成物;中国桂林思特技術公司より入手)15gおよびデンプン(溶性、1級、関東化学社製)7.5gを、50mM酢酸緩衝液(pH6.0)で50mLに調製し、CGTase酵素(商品名;THERMOPHILICCGTase、起源;Bacillus stearothermophoilus、1,400単位/g)1mLを加え、60℃で18時間反応させて、グリコシル化羅漢果配糖体を合成した。次いで、この反応液を熱処理してCGTaseを失活させた後、10,000rpmにて、20分間遠心分離を行い、上清液をODSカラム(Organo、φ30mm×450mm)にチャージし、脱イオン水を用いて500mLを溶出して不純物を除去した後、水(0v/v%エタノール)から60v/v%エタノールへの直線濃度勾配のエタノール/水を用いて3Lの溶出液を得て、この溶出液を凍結乾燥して、粉体のグリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0180】
(2)部分分解グリコシル化羅漢果配糖体の合成
羅漢果配糖体(羅漢果配糖体としてモグロサイドVを約30%(w/v)含む羅漢果配糖体含有組成物;中国桂林思特技術公司より入手)15gおよびデンプン(溶性、1級、関東化学社製)7.5gを50mM酢酸緩衝液(pH6.0)で50mLに調製し、CGTase酵素(商品名;THERMOPHILIC CGTase、起源;Bacillus stearothermophoilus、1,400単位/g)1mLを加え、60℃で18時間反応させて、グリコシル化羅漢果配糖体を合成した。次いで、この反応液を熱処理してCGTase酵素を失活させた後、エタノール(試薬特級、Nakarai社製)100mLを加え、デンプンを沈澱させ、10,000rpmにて、20分間遠心分離を行った。上清液を回収し、エバポレーターにかけてエタノールを除去し、全量が40mLになるまで濃縮した。この濃縮した溶液40mLに分解酵素(商品名:β−アミラーゼ#1500S、ナガセケムテックス株式会社製、15,000AUN/g)20mgを加え、40℃で16時間反応させて、部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を合成した。この反応液を熱処理して分解酵素を失活させた後、この反応液をODSカラム(Organo、φ30mm×450mm)にチャージし、脱イオン水を用いて1.5Lを溶出して不純物を除去した後、水(0v/v%エタノール)から60v/v%エタノールへの直線濃度勾配のエタノール/水を用いて3Lの溶出液を得て、この溶出液を凍結乾燥して、粉体の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0181】
(3)グリコシル化羅漢果配糖体および部分分解グリコシル化羅漢果配糖体の甘味強度の測定
それぞれ、上記(1)および(2)で得たグリコシル化羅漢果配糖体および部分分解グリコシル化羅漢果配糖体の甘味強度を以下の方法で測定した。健常被験者12名(男性6名、女性6名、平均年齢31.2歳)を用い、10%のショ糖水溶液を対象として、グリコシル化羅漢果配糖体または部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を試飲して甘味強度の相対評価を行い、ショ糖の甘味強度を1とした場合の各サンプルの甘味強度を求めた。
【0182】
その結果、10%ショ糖水溶液と同等の甘味強度を得るために必要なグリコシル化羅漢果配糖体水溶液の濃度は0.141重量%であり、部分分解グリコシル化羅漢果配糖体水溶液の濃度は0.056重量%であった。したがって、グリコシル化羅漢果配糖体の甘味強度はショ糖の約70倍、部分分解グリコシル化羅漢果配糖体はショ糖の約180倍の甘味強度を有することが分かった。
【0183】
<比較例1:羅漢果配糖体の甘味強度の測定>
実施例5と同様に、羅漢果配糖体(羅漢果配糖体としてモグロサイドVを約30%(w/v)含む羅漢果配糖体含有組成物;中国桂林思特技術公司より入手)の甘味強度を測定した。その結果、10%ショ糖水溶液と同等の甘味強度を得るために必要な羅漢果配糖体水溶液の濃度は0.047重量%であった。したがって、羅漢果配糖体はショ糖の約210倍の甘味強度を有する。
【0184】
【表4】
<実施例6および比較例2>
以下に示す方法により、各種甘味料水溶液を調製した。
【0185】
<実施例6:グリコシル化羅漢果配糖体および部分分解グリコシル化羅漢果配糖体水溶液の調製>
容量50mLのガラス製ビーカーに、上記実施例5の(1)および(2)で得たグリコシル化羅漢果配糖体および部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、それぞれ0.1重量%となるように調製して、グリコシル化羅漢果配糖体水溶液および部分分解グリコシル化羅漢果配糖体水溶液を得た。
【0186】
<比較例2:羅漢果配糖体水溶液の調製>
実施例6と同様に、羅漢果配糖体水溶液を0.1重量%となるように調製した。
【0187】
<実験例1:甘味料水溶液の評価>
健常被験者10名(男性5名、女性5名、平均年齢31.4歳)によって、実施例2および比較例2で得られた甘味料水溶液について6要素の味覚に対して官能試験を実施した。ショ糖水溶液を基準溶液として、各種甘味料水溶液(グリコシル化羅漢果配糖体水溶液または部分分解グリコシル化羅漢果配糖体水溶液または羅漢果配糖体水溶液)を試飲し、「▲1▼苦み、▲2▼後引き、▲3▼しつこさ、▲4▼くせ、▲5▼渋味、▲6▼すっきり感」のそれぞれについて7段階の点数(0点〜6点)で評価した。評価点数は、「ショ糖溶液よりもきわめて優れている」を0点、「ショ糖溶液よりもかなり優れている」を2点、「ショ糖溶液よりもやや優れている」を2点、「ショ糖溶液と同等である」を3点、「ショ糖溶液よりもやや劣っている」を4点、「ショ糖溶液よりもかなり劣っている」を5点、「ショ糖溶液よりもきわめて劣っている」を6点とした。したがって、ショ糖の甘味質の評価点数は全ての要素において3.0となる。
【0188】
さらに、各要素別に得られた評価点数を基にしてレーダーチャートを作成した。すなわち、評価した6要素の味覚を6本の軸で表し、10人の被験者の評価点数の平均値をこの軸上にそれぞれプロットし、このプロットを直線で結んで6角形を描いた。また、6要素のいずれもプロットした点が内側に来るほど甘味質が優れており、逆に外側に来るほど甘味質は劣っていることを意味する。
【0189】
各サンプルの各被験者による評価点数と、それらの平均値を以下の表とグラフに示した。
【0190】
【表5】
上記の表および図4から明らかなように、比較例2の羅漢果配糖体水溶液では、ほとんどの要素において評価点数は4.0以上となっているが、グリコシル化羅漢果配糖体水溶液の評価点数は全ての要素において約4.0を示し、羅漢果配糖体と比較して、優れた甘味質を示すことが分かった。また、部分分解グリコシル化羅漢果配糖体水溶液の評価点数は全ての要素において3.1〜3.5とショ糖に類似した評価が得られ、部分分解グリコシル化羅漢果配糖体はグリコシル化羅漢果配糖体より、さらに優れた甘味質を示すことが分かった。
【0191】
<実施例7>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号1の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0192】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0193】
<実施例8>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号2の以下の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0194】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0195】
<実施例9>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号3の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0196】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0197】
<実施例10>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号4の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0198】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0199】
<実施例11>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号5の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0200】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0201】
<実施例12>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号6の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0202】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0203】
<実施例13>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号7の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0204】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0205】
<実施例14>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号8の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0206】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0207】
<実施例15>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号9の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0208】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0209】
<実施例16>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号10の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0210】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0211】
<実施例17>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号11の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0212】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0213】
<実施例18>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号12の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0214】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0215】
<実施例19>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号13の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0216】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0217】
<実施例20>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号14の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0218】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0219】
<実施例21>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号15の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0220】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0221】
<実施例22>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号16の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0222】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0223】
<実施例23>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号17の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0224】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0225】
<実施例24>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号18の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0226】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0227】
<実施例25>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号19の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0228】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0229】
<実施例26>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号20の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0230】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0231】
<実施例27>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号21の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0232】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0233】
<実施例28>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号22の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0234】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0235】
<実施例29>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号23の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0236】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0237】
<実施例30>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号24の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0238】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0239】
<実施例31>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号25の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0240】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0241】
<実施例32>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号26の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0242】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0243】
<実施例33>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号27の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0244】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0245】
<実施例34>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号28の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0246】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0247】
<実施例35>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号29の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0248】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0249】
<実施例36>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号30の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0250】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0251】
<実施例37>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号31の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0252】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0253】
<実施例38>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号32の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0254】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0255】
<実施例39>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号33の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0256】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0257】
<実施例40>
実施例4と同様にして多量の部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。HPLCを行った後、NMRおよびMASSスペクトルで構造を確認し、化合物番号34の構造を有する部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を得た。
【0258】
この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体を、実施例6と同様の方法で甘味質について評価した。その結果、この部分分解グリコシル化羅漢果配糖体が、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された優れた甘味質を有することがわかった。
【0259】
【発明の効果】
本発明により、デンプンなどの糖供与体基質にシクロデキストリン合成酵素などの糖転移酵素を作用させて、糖転移反応によりグリコシル化羅漢果配糖体を非常に効率よくかつ安価に製造する方法およびそれを糖質分解酵素などにより部分分解した部分分解グリコシル化羅漢果配糖体の製造が提供される。
【0260】
本発明により、苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感の味質項目において改善され、やわらかで低刺激性の味質となる羅漢果配糖体の味質の大幅な改善方法および当該新規グリコシル化羅漢果配糖体類が提供される。
【0261】
本発明により得られる配糖体あるいはそれを含有する糖質は、食品、医薬品、化粧品等への高甘味度甘味料として利用できる。本発明のグリコシル化羅漢果配糖体は、羅漢果配糖体の味質と比較して特に苦味、後引き、しつこさ、くせ、渋みおよびすっきり感が大幅に改善された。
【0262】
本発明の高度グリコシル化化合物は、卓上甘味剤、飲料、菓子類、調味料などの食品、医薬品、化粧品などへの添加剤として利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、グリコシル化羅漢果配糖体および部分分解グリコシル化羅漢果配糖体の工業的製造方法の概略図である。
【図2】図2は、CGTaseおよびβ−アミラーゼ酵素処理後の羅漢果配糖体溶液の高速液体クロマトグラムである。
【図3】図3は、ショ糖の甘味強度を1としたときの、グリコシル化羅漢果配糖体および部分分解グリコシル化羅漢果配糖体の甘味強度を示すグラフである。
【図4】図4は、実施例6および比較例2の結果を示すレーダーチャートである。
Claims (18)
- 羅漢果配糖体に1〜4個のグルコース残基がα結合している、高度グリコシル化化合物。
- モグロサイドVに1〜4個のグルコース残基がα結合している、請求項1に記載の高度グリコシル化化合物。
- 請求項1に記載の高度グリコシル化化合物を含有する、食品用組成物。
- 請求項1に記載の高度グリコシル化化合物を含有する、甘味料。
- 請求項1に記載の高度グリコシル化化合物を含有する、医薬品用組成物。
- 請求項1に記載の高度グリコシル化化合物を含有する、医薬部外品用組成物。
- 請求項1に記載の高度グリコシル化化合物を含有する、化粧品用組成物。
- 高度グリコシル化化合物の製造方法であって、該方法は、羅漢果配糖体を、α−グルカンおよび糖転移酵素と接触させて、高度グリコシル化化合物を得る工程;および該高度グリコシル化化合物と糖質分解酵素を接触させて、請求項1に記載の高度グリコシル化化合物を得る工程を包含する、方法。
- 前記糖転移酵素が、シクロデキストリン合成酵素である、請求項9に記載の方法。
- 前記羅漢果配糖体が、モグロサイドVである、請求項9に記載の方法。
- 請求項9に記載の方法によって得られる、高度グリコシル化化合物。
- 羅漢果配糖体に1〜4個のグルコース残基がα結合している高度グリコシル化化合物の製造方法であって、該方法は、
羅漢果配糖体を、α−グルカンおよび糖転移酵素と接触させて、羅漢果配糖体に5個以上のグルコース残基がα結合している高度グリコシル化化合物を得る工程、および
該羅漢果配糖体に5個以上のグルコース残基がα結合している高度グリコシル化化合物に糖質分解酵素を接触させて、羅漢果配糖体に1〜4個のグルコース残基がα結合している高度グリコシル化化合物を得る工程
を包含する、方法。 - 前記糖質分解酵素が、グルコアミラーゼ、β−アミラーゼおよびα−アミラーゼからなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
- 前記羅漢果配糖体が、モグロサイドVである、請求項13に記載の方法。
- 請求項13に記載の方法によって得られる、1〜4個のグルコース残基がα結合した高度グリコシル化化合物。
- 羅漢果配糖体を含む甘味料の味質改善方法であって、該甘味料を、α−グルカンおよび糖転移酵素と接触させる工程;および該接触工程後の甘味料に糖質分解酵素を接触させる工程を包含する、方法。
- 請求項17に記載の方法によって得られた、味質の改善された甘味料。
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