JP4145783B2 - 気泡含有粘弾性組成物、及び感圧性接着テープまたはシート - Google Patents
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Description
本発明の他の目的は、感圧性接着剤層や基材が充分な量の気泡を安定的に含有しており、気泡の合一が起こり難い感圧性接着テープまたはシートにおける感圧性接着剤層や基材を形成するための気泡含有粘弾性組成物、及び該気泡含有粘弾性組成物が用いられた感圧性接着テープまたはシートを提供することにある。
本発明の気泡含有粘弾性組成物は、気泡を含有し、且つフッ素系界面活性剤として、重量平均分子量が20000以上のフッ素系ポリマーを含有するフッ素系界面活性剤が用いられている。フッ素系界面活性剤として、重量平均分子量が20000以上のフッ素系ポリマーを含有するものが用いられているので、気泡含有粘弾性組成物中には、充分な量の気泡が安定して混合されている。これは、フッ素系界面活性剤を構成するフッ素系ポリマーの重量平均分子量が、20000以上と大きいために、生じた気泡の膜強度が強くなり、そのため、混合可能な気泡量が多くなり、また、気泡の安定性が高まり、気泡の合一化が進み難くなっているためであると推察される。
フッ素系界面活性剤としては、重量平均分子量が20000以上のフッ素系ポリマーを含有するフッ素系界面活性剤が用いられている。フッ素系界面活性剤を構成するフッ素系ポリマーの重量平均分子量としては、20000以上であれば特に制限されないが、例えば、20000〜100000(好ましくは22000〜80000、さらに好ましくは24000〜60000)の範囲から選択することができる。フッ素系界面活性剤のフッ素系ポリマーの重量平均分子量が20000未満であると、気泡の混合性や、混合された気泡の安定性が低下し、混合することが可能な気泡の量が低下し、また、たとえ混合されても、気泡を混合してから、気泡含有粘弾性組成物により形成された気泡を含有する感圧性接着剤層(「気泡含有感圧性接着剤層」と称する場合がある)や気泡を含有する基材(「気泡含有基材」と称する場合がある)を形成するまでの間に、気泡の合一が進み易く、その結果、気泡含有感圧性接着剤層や気泡含有基材中の気泡量が減少し、また気泡含有感圧性接着剤層や気泡含有基材を貫通するような気泡(孔)が形成されるようになる。
気泡含有粘弾性組成物におけるベースポリマーとしては、特に制限されない。気泡含有粘弾性組成物が気泡を含有する感圧性接着剤組成物(気泡含有感圧性接着剤組成物)である場合、例えば、公知の感圧性接着剤(粘着剤)(例えば、アクリル系感圧性接着剤、ゴム系感圧性接着剤、ビニルアルキルエーテル系感圧性接着剤、シリコーン系感圧性接着剤、ポリエステル系感圧性接着剤、ポリアミド系感圧性接着剤、ウレタン系感圧性接着剤、フッ素系感圧性接着剤、エポキシ系感圧性接着剤など)におけるベースポリマー(粘着性成分)から適宜選択して用いることができる。すなわち、本発明の気泡含有粘弾性組成物が用いられた気泡含有感圧性接着剤組成物は、アクリル系感圧性接着剤、ゴム系感圧性接着剤、ビニルアルキルエーテル系感圧性接着剤、シリコーン系感圧性接着剤、ポリエステル系感圧性接着剤、ポリアミド系感圧性接着剤、ウレタン系感圧性接着剤、フッ素系感圧性接着剤、エポキシ系感圧性接着剤などの公知の感圧性接着剤が用いられた組成物であってもよい。
本発明では、前記ベースポリマーとしてのアクリル系ポリマーの調製に際して(すなわち、気泡含有感圧性接着剤層や気泡含有基材等の気泡含有粘弾性組成物による層(「気泡含有粘弾性層と称する場合がある)の形成に際して)、熱重合開始剤や光重合開始剤(光開始剤)などの重合開始剤を用いた熱や活性エネルギー光線による硬化反応を利用することができる。すなわち、気泡含有粘弾性組成物には、熱重合開始剤や光重合開始剤などの重合開始剤が含まれていてもよい。従って、気泡含有粘弾性組成物は、熱や、エネルギー光線により硬化が可能である。このように、重合開始剤(熱重合開始剤や光重合開始剤など)が含まれていると、熱や活性エネルギー光線により硬化が可能となり、そのため、気泡が混合された状態で硬化させて気泡含有粘弾性層(気泡含有感圧性接着剤層や気泡含有基材など)を形成させることにより、気泡が安定して含有された構造を有する気泡含有粘弾性層を容易に形成することができる。
本発明の気泡含有粘弾性組成物には、さらに、中空微小球状体が含まれていてもよい。中空微小球状体を用いることにより、例えば、気泡含有感圧性接着剤組成物におけるせん断接着力を高めることができ、また、加工性を向上させることができる。中空微小球状体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明の気泡含有粘弾性組成物には、前記成分(重量平均分子量が20000以上のフッ素系ポリマーを含有するフッ素系界面活性剤、ベースポリマー、中空微小球状体、重合開始剤など)の他に、気泡含有粘弾性組成物の用途に応じて、適宜な添加剤が含まれていてもよい。例えば、気泡含有粘弾性組成物が気泡含有感圧性接着剤層である場合、気泡含有感圧性接着剤層を形成するための感圧性接着剤の種類等に応じて、架橋剤(例えば、ポリイソシアネート系架橋剤、シリコーン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤など)、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂などからなる常温で固体、半固体あるいは液状のもの)、可塑剤、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、着色剤(顔料や染料など)、重量平均分子量が20000以上のフッ素系ポリマーを含有するフッ素系界面活性剤以外の界面活性剤などの適宜な添加剤を含んでいてもよい。例えば、光重合開始剤を用いて気泡含有粘弾性層を形成する場合、該気泡含有粘弾性層を着色させるために、光重合反応を阻害しない程度の顔料(着色顔料)を使用することができる。気泡含有粘弾性層の着色として、黒色が望まれる場合は、例えば、カーボンブラックを用いることができる。着色顔料としてのカーボンブラックの使用量としては、着色度合いや、光重合反応を阻害しない観点から、例えば、気泡含有粘弾性組成物中のベースポリマーを形成するための全モノマー成分[特に、(メタ)アクリル酸エステルを単量体主成分とするアクリル系ポリマーを形成するための全モノマー成分]100重量部に対して0.15重量部以下(例えば、0.001〜0.15重量部)、好ましくは0.02〜0.1重量部の範囲から選択することが望ましい。
本発明の感圧性接着テープまたはシートは、前記気泡含有粘弾性組成物により形成された気泡含有感圧性接着剤層及び/又は気泡含有基材を有している。このような感圧性接着テープまたはシートとしては、両面が接着面(粘着面)となっている両面感圧性接着テープまたはシートの形態を有していてもよく、片面のみが接着面となっている感圧性接着テープまたはシートの形態を有していてもよい。具体的には、感圧性接着テープまたはシートとしては、気泡含有粘弾性組成物により形成された気泡含有粘弾性層が気泡含有感圧性接着剤層である場合、例えば、図1(a)又は(b)で示されるように、(1)基材の少なくとも一方の面に気泡含有感圧性接着剤層が形成され且つ基材の両面側に粘着面が形成された構成の気泡含有感圧性接着剤層を有する基材付き両面感圧性接着テープまたはシート(気泡含有感圧性接着剤層を有する基材付き両面粘着テープまたはシート)、図1(c)で示されるように、(2)基材の一方の面に気泡含有感圧性接着剤層が形成された構成の気泡含有感圧性接着剤層を有する基材付き感圧性接着テープまたはシート(気泡含有感圧性接着剤層を有する基材付き片面粘着テープまたはシート)、図1(d)で示されるように、(3)気泡含有感圧性接着剤層のみから形成された構成の気泡含有感圧性接着剤層を有する基材レス両面感圧性接着テープまたはシート(気泡含有感圧性接着剤層を有する基材レス両面粘着テープまたはシート)などが挙げられる。
気泡含有粘弾性層の発泡倍率(%)=(1−B/A)×100 (1)
前記式(1)において、Aは気泡が混合されていない粘弾性組成物を硬化させて得られる気泡を含有していない粘弾性層(気泡非含有感圧性接着剤層、気泡非含有基材)の比重であり、Bは気泡が混合されている気泡含有粘弾性組成物を硬化させて得られる気泡含有粘弾性層(気泡含有感圧性接着剤層、気泡含有基材)の比重である。なお、AおよびBに係る各粘弾性組成物は、気泡の有無以外の点については、同様の組成を有している。
気泡含有粘弾性組成物により形成された気泡含有粘弾性層(気泡含有感圧性接着剤層や気泡含有基材)は、前述のように、気泡含有粘弾性組成物を用いて、公知の感圧性接着剤層や気泡含有基材の形成方法を利用して形成することができる。例えば、気泡含有粘弾性組成物を、所定の面上に塗布し、必要に応じて乾燥や硬化等を行うことにより、気泡含有感圧性接着剤層や気泡含有基材等の気泡含有粘弾性層を形成することができる。なお、気泡含有粘弾性層の形成に際しては、前述のように、加熱や活性エネルギー光線の照射により、硬化させることが好ましい。すなわち、熱重合開始剤や光重合開始剤などの重合開始剤を含有する気泡含有粘弾性組成物を用い、該気泡含有粘弾性組成物を、所定の面上に塗布した後、加熱や、活性エネルギー光線の照射を行って、気泡を安定的に保持した状態で硬化させることにより、気泡含有感圧性接着剤層や気泡含有基材等の気泡含有粘弾性層を好適に形成することができる。
気泡含有感圧性接着剤層を有する感圧性接着テープまたはシートにおいて、基材が気泡非含有基材である場合、基材としては、例えば、紙などの紙系基材;布、不織布、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体(特に、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など)等の適宜な薄葉体を用いることができる。基材としては、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材を好適に用いることができる。このようなプラスチックのフィルムやシートにおける素材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);酢酸ビニル系樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などが挙げられる。これらの素材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
なお、気泡含有感圧性接着剤層及び/又は気泡含有基材を有する感圧性接着テープまたはシートにおいて、感圧性接着剤層として気泡非含有感圧性接着剤層を有する場合(例えば、気泡含有感圧性接着剤層を有する感圧性接着テープまたはシートが基材付き両面粘着テープまたはシートであり、基材の一方の面に気泡含有感圧性接着剤層が形成され、且つ基材の他方の面に気泡非含有感圧性接着剤層が形成されている場合)、前記気泡非含有感圧性接着剤層は、公知の感圧性接着剤(例えば、アクリル系感圧性接着剤、ゴム系感圧性接着剤、ビニルアルキルエーテル系感圧性接着剤、シリコーン系感圧性接着剤、ポリエステル系感圧性接着剤、ポリアミド系感圧性接着剤、ウレタン系感圧性接着剤、フッ素系感圧性接着剤、エポキシ系感圧性接着剤など)を用いて、公知の感圧性接着剤層の形成方法を利用して形成することができる。また、気泡非含有感圧性接着剤層の厚みは、特に制限されず、目的や使用方法などに応じて適宜選択することができる。
本発明では、気泡含有感圧性接着剤層や気泡非含有感圧性接着剤層等の感圧性接着剤層の接着面(粘着面)を保護するために、セパレータ(剥離ライナー)が用いられていてもよい。すなわち、セパレータは必ずしも設けられていなくてもよい。なお、セパレータは、該セパレータにより保護されている接着面を利用する際に(すなわち、セパレータにより保護されている感圧性接着剤層に被着体を貼着する際に)剥がされる。
モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート:90重量部、およびアクリル酸:10重量部が混合されたモノマー混合物に、光重合開始剤として、商品名「イルガキュアー651」(チバ・スペシャリティー・ケミカル社製):0.05重量部、および商品名「イルガキュアー184」(チバ・スペシャリティー・ケミカル社製):0.05重量部を配合して混合した後、粘度(BH粘度計、No.5ローター、10rpm、測定温度:30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線(UV)を照射して、一部が重合した組成物(シロップ)を作製した。その後、界面活性剤として、商品名「ユニダインTG−656」(ダイキン工業株式会社製;フッ素系界面活性剤;フッ素系ポリマーの重量平均分子量:45,900)を、固形分換算で、全モノマー成分(2−エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸)100重量部に対して0.5重量部添加し、混合して感圧性接着剤前駆体(「感圧性接着剤前駆体A」と称する場合がある)を作製した。
界面活性剤として、商品名「エフトップEF−352」(株式会社ジェムコ製;フッ素系界面活性剤;フッ素系ポリマーの重量平均分子量:26,600)を、固形分換算で、全モノマー成分(2−エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸)100重量部に対して0.5重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして感圧性接着剤前駆体(「感圧性接着剤前駆体B」と称する場合がある)を作製した。
モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート:90重量部、およびアクリル酸:10重量部が混合されたモノマー混合物に、光重合開始剤として、商品名「イルガキュアー651」(チバ・スペシャリティー・ケミカル社製):0.05重量部、および商品名「イルガキュアー184」(チバ・スペシャリティー・ケミカル社製):0.05重量部を配合して混合した後、粘度(BH粘度計、No.5ローター、10rpm、測定温度:30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線(UV)を照射して、一部が重合した組成物(シロップ)を作製した。その後、界面活性剤として、商品名「ユニダインTG−656」(ダイキン工業株式会社製;フッ素系界面活性剤;フッ素系ポリマーの重量平均分子量:45,900)を、固形分換算で、全モノマー成分(2−エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸)100重量部に対して0.5重量部添加し、混合して界面活性剤を含有するシロップ(「界面活性剤含有シロップ」と称する場合がある)を調製した後、さらに、この界面活性剤含有シロップに、中空ガラスバルーンとして商品名「セルスターZ−27」(東海工業株式会社製;比重:0.27g/cm3)を、界面活性剤含有シロップの全体積に対して35容積%の割合で添加して、感圧性接着剤前駆体(「感圧性接着剤前駆体C」と称する場合がある)を作製した。なお、該感圧性接着剤前駆体Cにおける中空ガラスバルーンの体積は、該感圧性接着剤前駆体Cの全体積に対して約26容積%となっている。
界面活性剤として、商品名「エフトップEF−352」(株式会社ジェムコ製;フッ素系界面活性剤;フッ素系ポリマーの重量平均分子量:26,600)を、固形分換算で、全モノマー成分(2−エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸)100重量部に対して0.5重量部用いたこと以外は、実施例3と同様にして感圧性接着剤前駆体(「感圧性接着剤前駆体D」と称する場合がある)を作製した。
モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート:90重量部、およびアクリル酸:10重量部が混合されたモノマー混合物に、光重合開始剤として、商品名「イルガキュアー651」(チバ・スペシャリティー・ケミカル社製):0.05重量部、および商品名「イルガキュアー184」(チバ・スペシャリティー・ケミカル社製):0.05重量部を配合して混合した後、粘度(BH粘度計、No.5ローター、10rpm、測定温度:30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線(UV)を照射して、一部が重合した組成物(シロップ;「シロップE」と称する場合がある)を作製した。
界面活性剤として、商品名「サーフロンKH−20」(セイミケミカル株式会社製;フッ素系界面活性剤;フッ素系ポリマーの重量平均分子量:1,500)を、固形分換算で、全モノマー成分(2−エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸)100重量部に対して0.5重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして感圧性接着剤前駆体(「感圧性接着剤前駆体F」と称する場合がある)を作製した。
界面活性剤として、商品名「メガファックF−477」(大日本インキ化学工業株式会社製;フッ素系界面活性剤;フッ素系ポリマーの重量平均分子量:13,000)を、固形分換算で、全モノマー成分(2−エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸)100重量部に対して0.5重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして感圧性接着剤前駆体(「感圧性接着剤前駆体G」と称する場合がある)を作製した。
モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート:90重量部、およびアクリル酸:10重量部が混合されたモノマー混合物に、光重合開始剤として、商品名「イルガキュアー651」(チバ・スペシャリティー・ケミカル社製):0.05重量部、および商品名「イルガキュアー184」(チバ・スペシャリティー・ケミカル社製):0.05重量部を配合して混合した後、粘度(BH粘度計、No.5ローター、10rpm、測定温度:30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線(UV)を照射して、一部が重合した組成物(シロップ)を作製した。その後、このシロップに、中空ガラスバルーンとして商品名「セルスターZ−27」(東海工業株式会社製;比重:0.27g/cm3)を、シロップの全体積に対して35容積%の割合で添加して、感圧性接着剤前駆体(「感圧性接着剤前駆体H」と称する場合がある)を作製した。なお、該感圧性接着剤前駆体Hにおける中空ガラスバルーンの体積は、該感圧性接着剤前駆体Hの全体積に対して約26容積%となっている。
界面活性剤として、商品名「サーフロンKH−20」(セイミケミカル株式会社製;フッ素系界面活性剤;フッ素系ポリマーの重量平均分子量:1,500)を、固形分換算で、全モノマー成分(2−エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸)100重量部に対して0.5重量部用いたこと以外は、実施例3と同様にして感圧性接着剤前駆体(「感圧性接着剤前駆体I」と称する場合がある)を作製した。
界面活性剤として、商品名「メガファックF−477」(大日本インキ化学工業株式会社製;フッ素系界面活性剤;フッ素系ポリマーの重量平均分子量:13,000)を、固形分換算で、全モノマー成分(2−エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸)100重量部に対して0.5重量部用いたこと以外は、実施例3と同様にして感圧性接着剤前駆体(「感圧性接着剤前駆体J」と称する場合がある)を作製した。
実施例および比較例で得られた感圧性接着シートについて、以下の測定方法又は評価方法により、発泡倍率、気泡安定性、耐反発性、段差吸収性を評価した。また、実施例1〜4および比較例2、3、5、6で得られた感圧性接着シートにおいて、用いられたフッ素系界面活性剤中のフッ素系ポリマーの重要平均分子量を、下記の分子量測定方法により測定した。測定結果及び評価結果は表1に示した。
実施例及び比較例により得られた各感圧性接着シートについて、気泡を混合させなかったこと以外は同様にして調製した場合の感圧性接着剤を用いて感圧性接着シートを作製し、この感圧性接着シートにおける感圧性接着剤層の比重をAとし、気泡を混合させて調製した場合の感圧性接着剤を用いて感圧性接着シート(実施例及び比較例により得られた各感圧性接着シート)における感圧性接着剤層の比重をBとして、次の式「感圧性接着シートの発泡倍率(%)=(1−B/A)×100」により、感圧性接着シートの発泡倍率(%)を求めた。
実施例および比較例で得られた各感圧性接着シートについての気泡の安定性を、次の方法により評価した。
反発力に対する感圧性接着剤層の保持特性の指標となる口開き試験を行った。具体的には、10mm×50mmの寸法の感圧性接着剤層を介して、アルミニウム板からなる二枚の被着体に5kgの荷重で押圧して、サンドイッチ状のサンプルを作製した後、該サンプルの一端を、図3で示されるように、強制的に1.5mm量押し開いて、所定時間後(2時間後、6時間後)の剥がれの有無を確認して、耐反発性を評価した。
透明なアクリル製の板に、幅20mm、間隔20mmで所定の高さの200μm段差を設ける。次いで、幅20mmに切断した感圧性接着シートの感圧性接着剤層を、前記アクリル製の板の段差に垂直になるよう5kgローラーを用いて片道圧着にて貼り合せる。貼り合わせた直後に裏面側から目視で観察して、段差の凹部にどのくらいの面積で感圧性接着剤層が密着しているかを読み取り、段差吸収性を評価した。
フッ素系界面活性剤を、5.0(g/l)テトラヒドロフラン溶液(THF溶液)になるように調整して、一晩(12時間)静置した。これらの溶液を、0.45μmメンブランフィルターでろ過し、ろ液について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、重量平均分子量の測定を行った。なお、GPCの測定条件は、以下の通りである。なお、重量平均分子量はポリスチレン換算により算出した。また、得られた各々のチャートについて、高分子量側から面積比率で90%のところまでの部分の重量平均分子量を求めた。
(GPCの測定条件)
分析装置:トーソー(TOSOH)社製の「HLC−8120GPC」
カラム:トーソー(TOSOH)社製の「TSKgelSuperHM−H/H4000/H3000/H2000」
カラムサイズ:6.0mmI.D.×150mm
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.6ml/min
検出器:RI
カラム温度:40℃
注入量:20μl
標準サンプル:ポリスチレン
11 気泡含有感圧性接着剤層を有する感圧性接着テープまたはシート
12 気泡含有感圧性接着剤層を有する感圧性接着テープまたはシート
13 気泡含有感圧性接着剤層を有する感圧性接着テープまたはシート
14 気泡含有基材を有する感圧性接着テープまたはシート
15 気泡含有基材を有する感圧性接着テープまたはシート
2 気泡含有感圧性接着剤層
3 基材(気泡非含有基材)
4 感圧性接着剤層(気泡非含有感圧性接着剤層)
5 気泡含有基材
6 感圧接着剤層
7a 感圧性接着剤層
7b 上面側の被着体(アルミニウム板)
7c 下面側の被着体(アルミニウム板)
7d スペーサー
7e ネジ穴
7f ネジ
Claims (10)
- ベースポリマー、気泡を含有し且つフッ素系界面活性剤を含有する粘弾性組成物であって、前記フッ素系界面活性剤が、重量平均分子量が20000以上のフッ素系ポリマーを含有するフッ素系界面活性剤であることを特徴とする気泡含有粘弾性組成物。
- フッ素系界面活性剤の割合が、気泡含有粘弾性組成物中のベースポリマー100重量部に対して0.01〜2重量部(固形分)である請求項1記載の気泡含有粘弾性組成物。
- ベースポリマーとして、(メタ)アクリル酸エステルを単量体主成分とするアクリル系ポリマーを含有している請求項1又は2記載の気泡含有粘弾性組成物。
- さらに、中空微小球状体を含有している請求項1〜3の何れかの項に記載の気泡含有粘弾性組成物。
- 中空微小球状体が、中空ガラスバルーンである請求項4記載の気泡含有粘弾性組成物。
- 活性エネルギー光線により硬化が可能である請求項1〜5の何れかの項に記載の気泡含有粘弾性組成物。
- 感圧性接着剤層として利用される請求項1〜6の何れかの項に記載の気泡含有粘弾性組成物。
- 基材として利用される請求項1〜6の何れかの項に記載の気泡含有粘弾性組成物。
- 感圧性接着剤層を有している感圧性接着テープまたはシートであって、感圧性接着剤層が、請求項7記載の気泡含有粘弾性組成物により形成されていることを特徴とする感圧性接着テープまたはシート。
- 基材の少なくとも一方の面に感圧性接着剤層を有している感圧性接着テープまたはシートであって、基材が、請求項8記載の気泡含有粘弾性組成物により形成されていることを特徴とする感圧性接着テープまたはシート。
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