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JP4142259B2 - Rake受信装置およびその方法 - Google Patents

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JP4142259B2
JP4142259B2 JP2001010730A JP2001010730A JP4142259B2 JP 4142259 B2 JP4142259 B2 JP 4142259B2 JP 2001010730 A JP2001010730 A JP 2001010730A JP 2001010730 A JP2001010730 A JP 2001010730A JP 4142259 B2 JP4142259 B2 JP 4142259B2
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昌彦 清水
秀和 佐藤
功一 黒岩
純一 杉本
幸二 松山
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スペクトラム拡散通信におけるRAKE受信装置および方法に係わり、特に、RAKE合成において使用すべき有効パスを判定する装置および方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年、移動通信が急速に普及してきており、そのための様々な技術が研究・開発されている。
【0003】
移動通信では、当業者の間ではよく知られているように、移動機の速度および搬送波周波数に依存して信号の位相および振幅がランダムに変化し、また、フェージングが発生する。このため、移動通信では、各通信装置の位置が固定されている通信と比較すると、無線信号を安定的に受信することが困難である。
【0004】
移動通信において上述のような周波数選択性フェージングの影響を軽減する方法としては、スペクトラム拡散通信方式が有効である。スペクトラム拡散通信では、伝送すべき信号が広帯域の信号に拡散された後に無線網に送出されるので、ある特定の周波数域において受信電界強度が低下しても、他の周波数域から信号を再生できるようになっている。なお、スペクトラム拡散通信方式としては、直接拡散方式および周波数ホッピング方式等が知られている。
【0005】
ところで、無線通信では、受信機は、送信機から送出される信号波を直接的に受信するだけでなく、高層ビルや山などからの反射波も受信する。ここで、これらの反射波の伝搬時間は、その経路に依存する。このため、受信機は、通常、複数の遅延波を受信することになる。なお、このような通信環境は、しばしば「マルチパスフェージング環境」と呼ばれている。そして、マルチパスフェージング環境下では、直接拡散方式が採用されているものとすると、各遅延波は、拡散符号に対して干渉波として作用するので、受信特性の劣化を招く。
【0006】
マルチパスフェージングによる受信特性の劣化を回避する技術としては、RAKE受信が知られている。RAKE受信は、受信特性の改善のために上述の遅延波を積極的に利用する技術である。具体的には、RAKE受信では、複数の遅延波がそれぞれ逆拡散され、それら複数の逆拡散処理の結果が適切に加算されることにより、複数の遅延波に対応する復調信号が合成される。そして、その合成された信号から伝送データが再生される。
【0007】
図16は、既存のRAKE受信回路の構成図である。ここでは、3フィンガ構成であるものとする。また、Iチャネル信号およびQチャネル信号は、受信信号を互いに直交する成分に分解することによって得られる信号である。
【0008】
受信信号(Iチャネル信号およびQチャネル信号)は、パスサーチ部および復調/RAKE合成部に与えられる。パスサーチ部では、まず、マッチドフィルタ501により受信信号と拡散符号との相関を表す相関値が検出される。なお、この相関値は、チップ周期よりも短い間隔で次々と検出される。したがって、マッチドフィルタ501から出力される相関値は、時々刻々と変化する。ピーク検出回路503は、相関値のピーク(相関値が極大となるタイミングおよびその値)を検出する。ソート回路504は、例えば拡散符号の周期ごとに、ピーク検出回路503により検出された複数のピークから、相関値の大きい3つのピークを選択する。そして、タイミング生成回路505は、ソート回路504により検出された3つのピークのタイミングを表すパスタイミング情報、及びそれら3つのピークのタイミングの時間差を表す遅延量情報を生成し、それらを変調/RAKE合成部に与える。なお、パスサーチ部は、相関値のピークタイミングの検出精度を高めるために、周期的に現れるピークの相関値を平均化する積分回路502を備える。
【0009】
逆拡散回路511、復調回路512、遅延回路513は、フィンガ毎に設けられる。逆拡散回路511は、タイミング生成回路505から与えられるパスタイミング情報に従って拡散符号を生成し、それを用いて受信信号を逆拡散する。復調回路512は、逆拡散処理により得られたIチャネルおよびQチャネルのシンボルデータを復調する。遅延回路513は、タイミング生成回路505から与えられる遅延量情報に従って復調回路512の出力を遅延させる。加算回路514は、遅延回路513の出力を合成する。そして、この合成された信号から伝送データが再生される。
【0010】
このように、既存のRAKE受信回路では、複数の相関値ピークが検出され、それら複数の相関値ピークのタイミングを利用して、異なるパスを介して受信した信号が合成される。そして、この合成信号からデータが再生される。従って、マルチパスフェージング環境下においても、受信特性の劣化が回避される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、マルチパス環境下における各パスの遅延時間の差は、通信環境に依存する。例えば、図17(a) に示すように、信号波が山などにより反射される郊外エリアでは、各パスの遅延時間の差は比較的大きいと思われる。この場合、受信信号と拡散符号との相関を表す相関値のピークは、図18(a) に示すように、各パス(パス1〜3)に対応して検出される。
【0012】
一方、図17(b) に示すように、信号波が近くの高層ビルなどにより反射される都市部エリアでは、各パスの遅延時間の差は小さくなるものと思われる。この場合、複数のパスに対応する相関値ピークのタイミングは互いに近接する。図18(b) に示す例では、パス1およびパス2に対応する相関値ピークのタイミングが互いに近接している。しかし、複数の相関値ピークが時間的に互いに近接していると、ピーク検出回路503は、実際には複数の相関値ピーク(パス1およびパス2に対応する相関値ピーク)が存在するにもかかわらず、1つの相関値ピークしか検出できない。そして、相関値ピークを正しく検出できないと、フィンガ毎に得られる信号を合成することによって得られる合成信号の特性(S/N比など)が低下してしまう。なお、上述のような状況においては、たとえば、DLL(Delay Locked Loop )等を用いても、各パスを正確に補足することは困難である。
【0013】
このように、相関値ピークの発生タイミングを利用してRAKE合成を行う方法では、各パスの遅延時間の差が小さい通信環境においては、受信特性が改善されないことがある。
【0014】
本発明の課題は、いかなる通信環境においても良好な受信特性が得られるRAKE受信方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のRAKE受信装置は、複数のパスを介して受信した信号を逆拡散して合成する装置であって、受信信号を逆拡散することにより相関電力を生成する生成手段と、上記生成された相関電力の中から、拡散符号の周期の期間中で最大相関電力〜第N番目に大きい相関電力が現れるN個のタイミングを検出する検出手段と、上記検出されたN個のタイミングを相関電力の大きい順番にソートするソート手段と、通信環境に基づいて決まるマスク範囲を設定する設定手段と、上記ソートされたN個のタイミングの中からタイミングの時間差および上記マスク範囲に基づいてn個(1<n<N)の有効パスを決定する決定手段と、決定されたn個の有効パスを合成する合成手段と、を有する。
【0016】
マルチパス環境下において、各パスを介して受信した信号に起因する相関電力は、時間的に所定の範囲に広がって現れる。このため、互いに近接する有効パスを合成すると、同一のノイズが重なり合い、受信特性が劣化することがある。したがって、各パスに対応する相関電力が離散的に分布している場合は、互いに近接する信号を合成するべきではない。一方、互いに遅延時間の差が小さい複数のパスが存在する場合は、それらのパスを合成することによって受信特性を改善するためには、互いに近接する信号を合成する必要がある。
【0017】
したがって、本発明のRAKE受信装置においては、通信環境に基づいてマスク範囲を決定し、そのマスク範囲を利用してRAKE合成に使用すべき有効パスの間隔を制限する。これにより、通信環境を考慮して受信特性が向上するような有効パスを適切に選択することができる。すなわち、いかなる通信環境においても良好な受信特性が得られる。
【0018】
上記マスク範囲は、予測される通信環境に応じて固定的に設定されるようにしてもよいし、通信状態に応じて動的に変更させるようにしてもよい。マスク範囲を動的に変更する場合は、例えば、相関電力のプロファイルに基づいて行う。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態のRAKE受信方法が使用される無線通信装置の構成図である。ここでは、直接拡散方式のスペクトラム拡散通信によりデータが伝送されるシステムを前提とする。
【0020】
エンコーダ1は、送信データを符号化する。ここで、「符号」は、特に限定されるものではないが、例えば、誤り訂正符号化、音声符号化、画像符号化などを想定する。マッピング回路2は、エンコーダ1の出力を変調し、さらにその変調により得られたデータを拡散する。ここで、「変調」は、例えば、QPSKである。なお、QPSKでは、データは、位相平面上の対応する信号点に配置されて伝送される。このとき、この信号点は、位相平面のI成分およびQ成分により表される。また、「拡散」は、変調データ(QPSKにおいては、I成分データおよびQ成分データ)に対して拡散符号を乗積する処理である。
【0021】
マッピング回路2の出力は、波形整形フィルタ3を通過した後、D/A変換器4に与えられる。D/A変換器4は、マッピング回路2の出力(拡散されたI成分データおよびQ成分データ)をアナログ信号に変換する。直交変調回路5は、互いに直交する1組のアナログ信号を合成する。周波数変換回路6は、直交変調回路5から出力されるIF帯域の信号をRF帯域の信号に変換する。そして、周波数変換回路6の出力は、アンテナ11を利用して無線網に送出される。
【0022】
一方、他の無線通信装置から伝送されてくる無線信号は、アンテナ11により受信される。そして、アンテナ11により受信された信号は、周波数変換回路21に与えられる。尚、この無線通信装置から送出される信号および他の無線通信装置から伝送されてくる信号は、デュプレクサ12により適切に分離される。
【0023】
周波数変換回路21は、RF帯域の受信信号をIF帯域の信号に変換する。直交検波回路22は、周波数変換回路21の出力を互いに直交する1組のアナログ信号に変換する。この1組のアナログ信号は、拡散されたI成分データおよびQ成分データに相当する。A/D変換器23は、直交検波回路22の出力をデジタルデータに変換し、その変換結果をパスサーチ回路24および復調/RAKE合成回路25に与える。
【0024】
パスサーチ回路24は、A/D変換器23の出力に基づいて、RAKE合成において使用すべき所定数の有効パスを検出する。この実施例では、3本の有効パスが検出されるものとする。復調/RAKE合成回路25は、パスサーチ回路24により検出された各有効パスについて、それぞれ受信信号を逆拡散し、さらにその逆拡散処理の結果を復調する。なお、逆拡散処理および復調処理は、それぞれ、マッピング回路2において実行される拡散処理および変調処理に対応する。そして、上記有効パス毎に得られた復調後の信号は、各パスの遅延時間が考慮されて合成される。なお、パスサーチ回路24および復調/RAKE合成回路25の構成および動作については、後で詳しく説明する。
【0025】
デコーダ26は、復調/RAKE合成回路25の出力からデータを再生する。なお、デコーダ26の動作は、エンコーダ1の動作に対応する。
上記構成の無線通信装置において、本実施形態のRAKE受信方法は、パスサーチ回路24および復調/RAKE合成回路25において実施される。
【0026】
図2は、パスサーチ回路24および復調/RAKE合成回路25の構成図である。ここでは、RAKEは、3フィンガであるものとする。すなわち、3本の有効パスの信号が抽出され、それらの信号が合成される構成を前提とする。なお、本実施形態のパスサーチ回路24および復調/RAKE合成回路25は、図16に示した既存の回路をベースにしている。ただし、本実施形態のパスサーチ回路24は、既存の回路に設けられているピーク検出回路503およびソート回路504の代わりに、ソート回路31および有効パス判定回路32を備える。
【0027】
受信信号(Iチャネル信号およびQチャネル信号)は、パスサーチ回路24および復調/RAKE合成回路25に与えられる。この受信信号は、図1に示すA/D変換器23の出力である。なお、A/D変換器23は、4倍オーバーサンプリングモードで動作するものとする。すなわち、A/D変換器23は、チップ周期の4分の1の間隔で入力アナログ信号をサンプリングし、その都度そのアナログ信号をデジタルデータに変換して出力する。ここで、「チップ周期」とは、拡散符号を構成する各チップに対して割り当てられている時間をいう。また、A/D変換器23によるサンプリング周期(即ち、チップ周期の4分の1の時間)のことを、「サンプリング時間」と呼ぶことにする。
【0028】
パスサーチ回路24では、まず、マッチドフィルタ501により受信信号と拡散符号との相関が検出される。マッチドフィルタ501は、所定段数のシフトレジスタを備え、A/D変換器23から出力されるデジタル信号を順番に格納していく。そして、そのシフトレジスタに新たな信号が与えられる毎に、すなわちサンプリング時間毎に、そのシフトレジスタに格納されている信号と拡散符号とを乗算することにより、受信信号と拡散符号との相関を表す相関値を生成する。このように、マッチドフィルタ501は、受信信号と拡散符号との相関を表す相関値をサンプリング時間毎に出力する。
【0029】
尚、この実施例では、変調方式としてQPSKが採用されているものとする。この場合、マッチドフィルタ501では、Iチャネル信号およびQチャネル信号のそれぞれについて相関値が検出される。そして、それら1組の相関値の二乗和を算出することにより、相関電力(または、受信電力)が検出される。
【0030】
図3は、マッチドフィルタ501のブロック図である。シフトレジスタ41aおよび41bは、それぞれIチャネル信号およびQチャネル信号を格納する。乗算回路42aおよび42bは、それぞれシフトレジスタ41aおよび41bに格納されている信号と拡散符号とを乗算することにより、相関値を算出する。そして、電力検出回路43は、乗算回路42aおよび42bにより生成される各相関値の二乗和を計算することにより、相関電力を求める。なお、電力検出回路43の出力は、「電力情報」としてソート回路31に与えられる。
【0031】
タイミングカウンタ44は、サンプリング時間毎に生成されるクロックによりカウントアップされる。そして、このタイミングカウンタ44のカウント値は、「タイミング情報」としてソート回路31に与えられる。
【0032】
このように、マッチドフィルタ501は、サンプリング時間毎に、電力情報およびタイミング情報を生成する。なお、タイミング情報は、必ずしもマッチドフィルタ501において生成される必要はなく、ソート回路31において生成されるようにしてもよい。
【0033】
ソート回路31は、電力情報およびタイミング情報を一定期間モニタする。そして、その期間の中で、相関電力の大きいタイミングを所定数検出する。たとえば、図4に示す例では、最大電力の得られるタイミングとして「6」、第2位電力の得られるタイミングとして「7」、第3位電力の得られるタイミングとして「5」が得られている。なお、上記一定期間は、たとえば、拡散符号の周期である。また、図4では相関電力が模式的に表されているが、タイミング情報および電力情報は、例えば図5に示すように、メモリ上に設けられるテーブル等に格納される。そして、このテーブルを検索することにより、相関電力の大きいタイミングが所定数抽出される。
【0034】
さらに、ソート回路31は、検出したタイミング情報を、相関電力の大きい順番にソートして出力する。このとき、各タイミング情報に対応する電力情報もいっしょに出力される。このように、ソート回路31は、相関電力の大きい順番にタイミング情報および電力情報をソートして出力する。
【0035】
なお、この実施例では、RAKEが3フィンガ構成であることを考慮し、ソート回路31は、15セットのタイミング情報および電力情報を検出するものとする。すなわち、インパルス応答によりその前後の3サンプリング時間まで電力が現れるものと仮定すると、各パスについて相関電力を7サンプリング時間モニタする必要がある。この結果、3本の有効パスのそれぞれについて7サンプリング時間ずつ相関電力をモニタするものとすると、21セットのタイミング情報および電力情報が検出されることになる。ただし、3本の有効パスのうち、相関電力が最小のパスについては、そのピークのみを検出すれば十分と考えられる。従って、第1位および第2位のパスのために7セットのタイミング情報および電力情報を検出し、第3位のパスのために1セットのタイミング情報および電力情報を検出することにする。これにより、15セットのタイミング情報および電力情報が検出される。
【0036】
有効パス判定回路32は、ソート回路31により検出された15セットのタイミング情報および電力情報に基づいて、RAKE合成において使用すべき3本の有効パスを決定し、それらの有効パスに対応する有効パス情報を出力する。ここで、有効パス情報は、例えば、上述のタイミング情報を用いて表される。なお、有効パス判定回路32の構成および動作については、後で詳しく説明する。
【0037】
タイミング生成回路505は、有効パス判定回路32により決定された3本の有効パスのタイミングを表すパスタイミング情報、及びそれら3本の有効パスの遅延量の差を表す遅延量情報を変調/RAKE合成回路25に与える。
【0038】
なお、パスサーチ回路24は、タイミング検出の精度を高めるために、相関値または相関電力を平均化する積分回路502を備える。
復調/RAKE合成回路25は、基本的に、既存の回路を流用することができる。すなわち、逆拡散回路511、復調回路512、遅延回路513は、有効パス毎に設けられる。逆拡散回路511は、タイミング生成回路505から与えられるパスタイミング情報に従って拡散符号を生成し、それを用いて受信信号を逆拡散する。復調回路512は、逆拡散処理により得られたIチャネルおよびQチャネルのシンボルデータを復調する。遅延回路513は、タイミング生成回路505から与えられる遅延量情報に従って復調回路512の出力を遅延させる。加算回路514は、遅延回路513の出力を合成する。そして、この合成された信号から伝送データが再生される。
【0039】
上記構成のパスサーチ回路24および復調/RAKE合成回路25において、本発明の1つの特徴は、有効パスを決定する方法である。以下、有効パス判定回路32において所定数の有効パスを決定する方法の概念を説明する。
【0040】
RAKE合成においては、基本的に、相関電力の大きいパスを介して受信する信号を合成することが望ましい。従って、3フィンガ構成のRAKE受信回路においては、相関電力が大きくなるタイミングを3カ所検出し、それら検出された各タイミングで受信信号を逆拡散して合成すれば、良好な受信特性が得られるはずである。
【0041】
しかし、実際は、相関電力の大きさのみに基づいて有効パスを決定すると、以下の問題が生じる。たとえば、図4に示す例では、最大、2番目、3番目に大きい相関電力が得られるタイミングとして「時刻6」「時刻7」「時刻5」が検出される。ところが、ロールオフフィルタの特性を考慮すると、時刻2〜時刻10の期間に現れる相関電力は、時刻6における信号に起因しているものと考えられる。すなわち、時刻5、時刻6、時刻7において現れる相関電力は、特定のパスを介して伝送される信号に起因しているものと考えられる。したがって、もし、時刻5、時刻6、時刻7において受信信号を逆拡散することにより得られる信号を合成すると、特定のパスにおいて生じるノイズが重ね合わされることになるので、RAKE合成によりかえってS/N比が悪化してしまうおそれがある。尚、ロールオフフィルタは、符号間干渉を避けるためのフィルタであって、図6に示すように、1チップ周期時間だけ離れたときにインパルス応答がゼロになるように設計されているものとする。また、このロールオフフィルタは、例えば、周波数変換回路21と直交検波回路22の間に設けられる。
【0042】
この問題に対処するためには、大きな相関電力が現れるタイミングの近傍において有効パスの検出を行わないようにすればよい。例えば、図4に示す例では、時刻6において大きな相関電力が現れているので、時刻6の前後の所定期間において有効パスの検出を行わないようにする。ここで、上述のロールオフフィルタを使うものとすると、あるパスを介して受信した信号に起因する相関電力は、その信号から1チップ周期時間(即ち、4サンプリング時間)離れたタイミングではほとんど存在しなくなる。したがって、この場合、上記所定期間としては、例えば、「3サンプリング時間」が設定される。そして、この構成を導入すれば、特定のパスにおいて生じるノイズが重ね合わされることがなくなるので、S/N比の劣化が回避される。
【0043】
ところで、各パスの遅延時間(信号伝搬時間)は、通信環境に依存する。そして、各パスの遅延時間どうしの差が小さい環境下では、図7に示すように、パス1〜パス4を介して受信する信号に起因する相関電力は、互いに重なりあう。この場合、ソート回路31は、図7において実線で描かれている合成電力の大きいタイミングを順番に検出する。この例では、最大〜5番目に大きい相関電力が、時刻6、時刻7、時刻8、時刻9、時刻aにおいて検出される。そして、最大相関電力が現れるタイミング(すなわち、時刻6)から3サンプリング時間以内では有効パスを検出しないものとすると、時刻7、時刻8、時刻9は有効パスタイミングと判断されることはなく、時刻aが第2番目の有効パスタイミングと判断される。
【0044】
このケースでは、特定のノイズの重合せを回避することによる効果が期待されるが、互いに隣接するパスを介して受信した信号を適切に合成することによる効果を享受できない。そして、各パスの遅延時間どうしの差が小さい環境下では、通常、前者の効果によるメリットよりも後者の効果が得られないことによるデメリットの方が大きくなる。従って、このような通信環境下では、大きな相関電力が現れるタイミングの近傍においても有効パスを検出すべきである。
【0045】
本実施形態のRAKE受信方法においては、上述の問題を踏まえ、RAKE受信において利用すべき有効パスを検出する際の基準が、通信環境に応じて変更される。以下、有効パスを検出する方法の実施例を説明する。
第1の実施例
図8は、第1の実施例における有効パス判定回路の構成図である。この有効パス判定回路32は、予め設定されたマスク幅を利用してRAKE合成において使用すべき3本の有効パスを決定する。
【0046】
フリップフロップ回路51(1) 〜51(15)は、ソート回路31により選択された15セットのタイミング情報を格納する。ここで、相関電力が最大となったタイミングを表すタイミング情報がフリップフロップ回路51(1) に格納され、以下、相関電力が2番目〜15番目に大きいタイミングを表す各タイミング情報がそれぞれフリップフロップ回路51(2) 〜51(15)に格納される。
【0047】
マスク回路52および53は、予め決められたマスク幅が設定されている。ここで、マスク幅は、例えば、この無線通信装置が使用される通信環境に基づいて決められる。具体的には、遅延時間の差が小さいパスが存在しやすい環境(都市部エリアなど)では、小さいマスク幅が設定され、遅延時間の差が大きいパスが存在しやすい環境(郊外エリアなど)では、大きなマスク幅が設定される。一例としては、都市部エリアにおいて「2サンプリング時間」を設定し、郊外エリアにおいて「3サンプリング時間」を設定する。
【0048】
マスク回路52は、フリップフロップ回路51(1) に格納されているタイミング情報に対して所定のマスク範囲を設定し、フリップフロップ回路51(2) に格納されているタイミング情報がそのマスク範囲内に位置するか否かを調べる。このとき、フリップフロップ回路51(2) に格納されているタイミング情報がそのマスク範囲内に位置するのであれば、マスク回路52はパルス信号を出力する。このパルス信号は、フリップフロップ回路51(2) に与えられると共に、OR回路55を介してフリップフロップ回路51(3) 〜51(15)与えられる。そして、このパルス信号により、フリップフロップ回路51(3) 〜51(15)に格納されているタイミング情報がそれぞれその前段のフリップフロップ回路にシフトされることになる。一方、フリップフロップ回路51(2) に格納されているタイミング情報がそのマスク範囲の外に位置する場合は、マスク回路52はパルス信号を出力しない。
【0049】
マスク回路53の動作は、基本的にマスク回路52と同じである。ただし、マスク回路53は、選択回路54によって選択されたタイミング情報に対して所定のマスク範囲を設定し、フリップフロップ回路51(3) に格納されているタイミング情報がそのマスク範囲内に位置するか否かを調べる。ここで、選択回路54は、不図示の選択情報に従って、フリップフロップ回路51(1) またはフリップフロップ回路51(2) の出力を選択する。また、マスク回路53の出力は、OR回路55を介してフリップフロップ回路51(3) 〜51(15)与えられるが、フリップフロップ回路51(2) には与えられない。
【0050】
次に、上記構成の有効パス判定回路32の動作を説明する。有効パス判定回路32は、以下に示す手順で3本の有効パスを決定する。
まず、相関電力が最大であったタイミング(最大タイミング)は、有効パスタイミングと判断される。すなわち、フリップフロップ回路51(1) に格納されているタイミング情報が「有効タイミング情報1」として出力される。
【0051】
続いて、2番目に大きな相関電力が得られたタイミング(第2位タイミング)が有効パスタイミングであるか否か判断される。この場合、最大タイミングに対してマスク範囲が設定され、第2位タイミングがそのマスク範囲内に位置するか否かが判断される。この判断は、マスク回路52により実行される。そして、第2位タイミングが上記マスク範囲の外に位置する場合は、その第2位タイミングが有効パスタイミングと判断される。即ち、フリップフロップ回路51(2) に格納されているタイミング情報が「有効タイミング情報2」として出力される。
【0052】
一方、第2位タイミングが上記マスク範囲内に位置する場合は、マスク回路52はパルス信号を生成する。これにより、フリップフロップ回路51(3) 〜51(15)に格納されているタイミング情報がそれぞれその前段のフリップフロップ回路にシフトされ、フリップフロップ回路51(2) に第3位タイミングが格納される。このとき、第2位タイミングを表すタイミング情報は廃棄される。そして、第3位タイミングが有効パスタイミングであるか否か判断される。すなわち、第3位タイミングが上記マスク範囲内に位置するか否かが判断される。
【0053】
このとき、第3位タイミングが上記マスク範囲の外に位置すれば、その第3位タイミングが有効パスタイミングと判断され、「有効タイミング情報2」として出力される。一方、第3位タイミングが上記マスク範囲内に位置する場合は、有効パスが検出されるまで上述の処理を繰り返す。これにより、2番目の有効パスが決定される。
【0054】
3番目の有効パスを決定する方法は、基本的に、2番目の有効パスを決定する方法と同じである。ただし、3番目の有効パスを決定する際には、先に決定した2本の有効パスの各タイミングに対してそれぞれマスク範囲が設定される。すなわち、選択回路54がフリップフロップ回路51(1) の出力を選択したときは、1番目の有効パスのタイミングに対してマスク範囲が設定され、フリップフロップ回路51(3) に格納されているタイミング情報により表されるタイミングがそのマスク範囲内に位置するか否かが調べられる。また、選択回路54がフリップフロップ回路51(2) の出力を選択したときは、2番目の有効パスのタイミングに対してマスク範囲が設定され、フリップフロップ回路51(3) に格納されているタイミング情報により表されるタイミングがそのマスク範囲内に位置するか否かが調べられる。そして、フリップフロップ回路51(3) に格納されているタイミング情報により表されるタイミングが、双方のマスク範囲の外に位置した場合に、そのタイミングが有効パスのタイミングと判断され、「有効パス情報3」として出力される。
【0055】
図9は、マスク回路の構成図である。加算機61は、タイミング情報T1 に対してマスク幅Mを加算し、減算機62は、タイミング情報T1 からマスク幅Mを減算する。ここで、タイミング情報T1 は、マスク回路52においてはフリップフロップ回路51(1) の出力であり、マスク回路53においては選択回路54の出力である。比較回路63は、加算機61の出力とタイミング情報T2 とを比較し、加算機61の出力の方が大きかったときに「H」を出力する。一方、比較回路64は、減算機62の出力とタイミング情報T2 とを比較し、減算機62の出力の方が小さかったときに「H」を出力する。ここで、タイミング情報T2 は、マスク回路52においてはフリップフロップ回路51(2) の出力であり、マスク回路53においてはフリップフロップ51(3) の出力である。そして、AND回路65は、比較回路63および64の出力の論理積を算出する。
【0056】
上記回路により、タイミング情報T1 に対してマスク範囲が設定され、タイミング情報T2 がそのマスク範囲内に位置するか否かが判断される。
次に、図4および図7を参照しながら具体例を示す。なお、図4および図7において、相関電力を表すグラフに付されている「1」〜「15」の符号は、相関電力の大きさの順番を表す。すなわち、「1」は最大タイミングを表し、以下、「2」〜「15」は、第2位タイミング〜第15位タイミングを表す。
【0057】
図4に示す例は、郊外エリアで使用される無線通信装置における相関電力を表している。また、マスク回路52、53に「マスク幅=3」が設定されているものとする。
【0058】
まず、最大タイミングが1番目の有効パスのタイミングと判定される。すなわち、「時刻6」が1番目の有効パスのタイミングと判定される。そして、「時刻6」に対してマスク範囲が設定される。ここで、マスク幅は「3」である。したがって、「時刻3」〜「時刻9」がマスク範囲となる。
【0059】
次に、第2位タイミングである「時刻7」が上記マスク範囲に位置するか否かが調べられる。ここでは、「時刻7」は上記マスク範囲内に位置している。同様に、第3位タイミングである「時刻6」も上記マスク範囲内に位置している。しかし、第4位タイミングである「時刻k」は、上記マスク範囲の外に位置している。したがって、「時刻k」が2番目の有効パスのタイミングと判定される。そして、「時刻k」に対してマスク範囲が設定される。これにより、「時刻h」〜「時刻n」もマスク範囲となる。
【0060】
この後、2番目の有効パスを検出したときと同じ手順で3番目の有効パスを検出する。この場合、第5位タイミングおよび第6位タイミングは、1番目の有効パスに対応するマスク範囲の中に位置する。また、第7位タイミングおよび第8位タイミングは、2番目の有効パスに対応するマスク範囲の中に位置する。しかし、第9位タイミングである「時刻u」は、上記2つのマスク範囲の外に位置している。従って、「時刻u」が3番目の有効パスのタイミングと判定される。
【0061】
この結果、有効パス情報1〜3として、「時刻6」「時刻k」「時刻u」が出力される。
図7に示す例は、都市部エリアで使用される無線通信装置における相関電力を表している。また、マスク回路52、53に「マスク幅=2」が設定されているものとする。
【0062】
まず、最大タイミングである「時刻6」が1番目の有効パスのタイミングと判定される。そして、「時刻6」に対してマスク範囲が設定される。ただし、この例では、マスク幅は「2」である。したがって、「時刻4」〜「時刻8」がマスク範囲となる。
【0063】
続いて、2番目の有効パスを探す。この例では、第2位タイミングおよび第3位タイミングが上記マスク範囲内に位置している。よって、第4位タイミングである「時刻a」が2番目の有効パスのタイミングと判定される。そして、「時刻a」に対してマスク範囲が設定される。これにより、「時刻8」〜「時刻c」もマスク範囲となる。
【0064】
この後、3番目の有効パスを探す。この例では、第5位タイミングおよび第6位タイミングが2番目の有効パスに対応するマスク範囲の中に位置している。よって、第7位タイミングである「時刻d」が3番目の有効パスのタイミングと判定される。
【0065】
この結果、有効パス情報1〜3として、「時刻6」「時刻a」「時刻d」が出力される。
このように、第1の実施例では、予め決められたマスク幅に従ってマスク範囲が設定され、そのマスク範囲を利用して有効パスが決定される。これに対して、以下に示す実施例では、通信環境(または、通信状態)に応じてマスク範囲が動的に決定される。
第2の実施例
第2の実施例では、通信環境(または、通信状態)に応じてマスク範囲が決定される。そして、この通信環境は、相関電力のプロファイルに基づいて認識される。すなわち、マスク幅は、相関電力のプロファイルに基づいて動的に決定される。
【0066】
例えば、各パスの遅延時間の差が大きい環境では、図4に示すように、各パスに対応する相関電力は離散的に分布する。そして、ロールオフフィルタ等が設けられている場合は、相関電力は、ピークタイミングから3サンプリング時間程度離れると、十分に小さくなる。したがって、相関電力のピークと比較して、そのピークタイミングから3サンプリング時間離れたタイミングにおける相関電力が十分に小さかったときは、各パスの遅延時間の差が大きい環境下に当該無線通信装置が置かれているとみなすことができる。この場合、互いに近接するタイミングの信号を合成すると、同じノイズの重ね合せにより受信特性が劣化するので、マスク範囲を広くする必要がある。
【0067】
一方、各パスの遅延時間の差が小さい環境では、図7に示すように、複数のパスに対応する相関電力が重なり合うので、合成された相関電力は緩やかに変化する。このため、相関電力は、ピークタイミングから3サンプリング時間程度離れても、比較的大きいままである。したがって、相関電力のピークと比較して、そのピークタイミングから3サンプリング時間離れたタイミングにおける相関電力が比較的大きいときは、各パスの遅延時間の差が小さい環境下に当該無線通信装置が置かれているとみなすことができる。この場合、互いに近接するタイミングの信号を合成すると、異なるパスの信号が合成されることにより受信特性が改善されるので、マスク範囲をある程度狭くした方が有利である。
【0068】
第2の実施例の有効パス判定回路は、上述の特性を利用する。以下、第2の実施例の有効パス判定回路の構成および動作を説明する。
図10は、第2の実施例における有効パス判定回路の構成図である。この有効パス判定回路32は、通信環境応じて動的に変化するマスク幅を利用してRAKE合成において使用すべき3本の有効パスを決定する。
【0069】
図10において、フリップフロップ51、マスク回路52および53、選択回路54、OR回路55は、図8に示した第1の実施例と同じである。ただし、マスク回路52および53に与えられるマスク幅情報は、動的に生成される。
【0070】
フリップフロップ回路71(1) 〜71(15)は、ソート回路31により選択された15セットの電力情報を格納する。ここで、最大相関電力を表す電力情報がフリップフロップ回路71(1) に格納され、以下、2番目〜15番目に大きい相関電力を表す各電力情報がそれぞれフリップフロップ回路71(2) 〜71(15)に格納される。なお、フリップフロップ回路71(2) 〜71(15)に格納されている情報は、フリップフロップ回路51(2) 〜51(15)に格納されている情報がシフトされるときに、いっしょにシフトされる。
【0071】
検出回路72は、フリップフロップ51(1) に格納されているタイミング情報により表されるタイミングから3サンプリング時間離れたタイミング、およびフリップフロップ51(2) に格納されているタイミング情報により表されるタイミングから3サンプリング時間離れたタイミングを検出する。そして、対応するタイミングが検出されたときは、それを選択回路73に通知する。
【0072】
選択回路73は、検出回路72から通知を受け取ると、フリップフロップ71(1) に格納されている電力情報を選択して出力すると共に、その通知に対応する電力情報を選択して出力する。例えば、フリップフロップ51(1) に格納されているタイミング情報により表されるタイミングとフリップフロップ51(15)に格納されているタイミング情報により表されるタイミングとが互いに3サンプリング時間離れている場合は、検出回路72から選択回路73に対して「15」が通知され、選択回路73は、フリップフロップ71(1) およびフリップフロップ71(15)に格納されている電力情報を選択して出力する。なお、選択回路73は、検出回路72からの通知を受け取らなかったときは、例えば、フリップフロップ71(1) に格納されている電力情報および「ゼロ」を出力する。
【0073】
パワー比較回路74は、選択回路73から出力される電力情報により表される電力の比を算出する。そして、この比率に基づいてマスク幅を決定する。具体的には、この比率が予め決められている閾値よりも大きければ大きなマスク幅(例えば、「3」)が使用され、この比率がその閾値よりも小さければ小さなマスク幅(例えば、「2」)が使用される。なお、選択回路73から「ゼロ」が出力された場合は、大きなマスク幅(例えば、「3」)が使用される。
【0074】
マスク幅保持回路75及び76は、パワー比較回路74により決定されたマスク幅を保持する。なお、マスク幅保持回路75は、検出回路72においてフリップフロップ51(1) に格納されているタイミング情報に対応するタイミングがサーチされたときにパワー比較回路74により決定されたマスク幅を保持する。一方、マスク幅保持回路76は、検出回路72においてフリップフロップ51(2) に格納されているタイミング情報に対応するタイミングがサーチされたときにパワー比較回路74により決定されたマスク幅を保持する。
【0075】
選択回路77は、フリップフロップ51(1) に格納されているタイミング情報に対応するマスク範囲を設定する際には、マスク保持回路75に保持されているマスク幅を選択し、フリップフロップ51(2) に格納されているタイミング情報に対応するマスク範囲を設定する際には、マスク保持回路76に保持されているマスク幅を選択する。
【0076】
これにより、マスク回路52および53には、パワー比較回路74により決定されたマスク幅が与えられる。なお、マスク幅が与えられた後の動作は、基本的に、第1の実施例と同じである。
【0077】
図11は、検出回路72の構成図である。加算機81はタイミング情報T1 に「+3」を加算し、加算機82はタイミング情報T1 に「−3」を加算する。ここで、タイミング情報T1 は、フリップフロップ51(1) または51(2) に格納されているタイミング情報である。セレクタ83は、タイミング情報T2 〜T15を1つずつ順番に選択して出力する。ここで、タイミング情報T2 〜T15は、フリップフロップ51(2) 〜51(15)に格納されているタイミング情報である。一致検出回路84および85は、それぞれ加算機81および82の出力と一致するタイミング情報を検出する。なお、一致検出回路84および85は、例えば、排他的OR回路により構成されている。OR回路86は、一致検出回路84または85の少なくとも一方において一致が検出されたときに、その旨を表す信号を出力する。
【0078】
上記回路より、フリップフロップ回路51(1) または51(2) に格納されているタイミングから3サンプリング時間離れたタイミングが存在するか否かが検出される。
【0079】
次に、図4および図7を参照しながら、マスク幅を決定する手順の具体例を示す。
図4に示す例では、まず、最大タイミングである「時刻6」が1番目の有効パスのタイミングと判定される。この場合、検出回路72は、「時刻6」から3サンプリング時間離れたタイミングを表すタイミング情報がフリップフロップ回路51(2) 〜51(15)に格納されているか否かを調べる。この例では、第14位タイミングである「時刻9」および第15位タイミングである「時刻3」が検出される。そして、選択回路73は、フリップフロップ71(1) に格納されている電力情報を選択して出力すると共に、フリップフロップ71(14)および71(15)に格納されている電力情報を選択して出力する。ここでは、フリップフロップ71(14)に格納されている電力情報が先に選択されるものとする。
【0080】
続いて、パワー比較回路74は、選択回路73により選択された電力情報を比較する。即ち、時刻6における相関電力と時刻9における相関電力とが比較される。ここで、時刻9における相関電力は、時刻6における相関電力と比べて十分に小さい。よって、パワー比較回路74は、大きなマスク幅(マスク幅=3)を出力する。そして、このマスク幅は、マスク幅保持回路75により保持され、さらにマスク回路52に与えられる。
【0081】
マスク回路52にマスク幅が与えられた後の動作は、第1の実施例と同じである。したがって、図4に示す例においては、2番目の有効パスのタイミングとして「時刻k」が得られる。
【0082】
さらに、検出回路72は、「時刻k」から3サンプリング時間離れたタイミングを表すタイミング情報がフリップフロップ回路51(2) 〜51(15)に格納されているか否かを調べる。この例では、そのようなタイミング情報は格納されていない。よって、選択回路73は、時刻kにおける相関電力を表す電力情報を選択して出力すると共に、「ゼロ」を出力する。この場合、パワー比較回路74は、大きなマスク幅(マスク幅=3)を出力する。そして、このマスク幅を表す情報は、マスク幅保持回路76により保持され、更に必要に応じてマスク回路53に与えられる。
【0083】
マスク回路53にマスク幅が与えられた後の動作は、第1の実施例と同じである。したがって、図4に示す例においては、3番目の有効パスのタイミングとして「時刻u」が得られる。
【0084】
図7に示す例でも、まず、最大タイミングである「時刻6」が1番目の有効パスのタイミングと判定される。そして、検出回路72は、図4を参照しながら説明した手順と同様に、「時刻6」から3サンプリング時間離れたタイミングを表すタイミング情報を探す。この結果、この例では、第4位タイミングである「時刻9」が検出される。そして、選択回路73は、フリップフロップ71(1) に格納されている電力情報を選択して出力すると共に、フリップフロップ71(4) に格納されている電力情報を選択して出力する。
【0085】
続いて、パワー比較回路74は、選択回路73により選択された電力情報を比較する。即ち、時刻6における相関電力と時刻9における相関電力とが比較される。しかし、時刻9における相関電力は、時刻6における相関電力と比べて十分に小さいとはいえない。よって、パワー比較回路74は、小さなマスク幅(マスク幅=2)を出力する。そして、このマスク幅は、マスク幅保持回路75により保持され、さらにマスク回路52に与えられる。
【0086】
この後、上記マスク幅を利用して2番目の有効パスが決定される。そして、図4を参照しながら説明した手順と同様に、その2番目の有効パスに対応するマスク幅が決定され、さらに、それらのマスク幅を利用して3番目の有効パスが決定される。これらの手順についての説明は省略する。
【0087】
このように、第2の実施例では、通信環境(または、通信状態)に応じて動的に決定されるマスク範囲を利用して有効パスが決定される。
第3の実施例
第2の実施例では、上述したように、有効パスのタイミングにおける相関電力と、そのタイミングから3サンプリング時間離れたタイミングにおける相関電力とが比較され、その比較結果に基づいてマスク幅が決定される。具体的には、それらの電力の比が予め決められている閾値を越えるか否かに基づいてマスク幅が決定される。このとき、ある1本のパスを介して受信した信号の受信電力が十分に大きければ、ロールオフフィルタの特性にもよるが、上記電力比は、通常、10倍またはそれ以上の値が期待できる。
【0088】
しかし、受信信号のC/N比(Carrier/Noise Ratio )が低い状態では、受信電力に対するノイズの比率が高くなるので、上述の電力比は小さくなる。したがって、第3の実施例では、上記電力比が信号の受信レベルに応じて自動的に補正される。
【0089】
図12は、第3の実施例における有効パス判定回路の構成図である。第3の実施例の有効パス判定回路は、図10に示した第2の実施例の回路に乗算回路91を追加することにより実現される。
【0090】
乗算回路91は、パワー比較回路74において比較される相関電力の一方に、受信レベルに対応する係数を乗算する。具体的には、例えば、有効パスに対応する相関電力とその有効パスのタイミングから3サンプリング時間離れたタイミングにおける相関電力が比較される場合には、その有効パスの相関電力に係数が乗積される。
【0091】
なお、信号の受信レベルは、既存の技術により検出される。ただし、受信レベルは常に変動しているので、一定期間の平均を利用するようにしてもよい。
また、上述の例では、選択回路73の出力が補正されているが、パワー比較回路74において使用される閾値が信号の受信レベルに応じて動的に補正されるようにしてもよい。
第4の実施例
第4の実施例では、第2および第3の実施例と同様に、通信環境に応じてマスク範囲が動的に決定されるが、通信環境の認識方法が異なっている。以下、第4の実施例において通信環境を認識する方法の基本概念を簡単に説明する。
【0092】
無線通信装置は、通常、図6に示すような特性を持ったロールオフフィルタを備える。ここで、この実施例の回路は、4倍オーバーサンプリングモードで動作する。従って、ある1本のパスを介して受信した信号の相関電力は、図4に示すように、そのピークタイミングから4サンプリング時間離れたタイミングにおいて概ねゼロになるはずである。換言すれば、図7に示すように、相関電力のピークタイミングから4サンプリング時間に渡って連続的に大きな相関電力が得られるときは、複数のパスが互いに近接していると考えることができる。
【0093】
第4の実施例の有効パス判定回路は、上述の特性を利用する。以下、第2の実施例の構成および動作を説明する。
図13は、第4の実施例における有効パス判定回路の構成図である。第4の実施例の有効パス判定回路は、図8に示した回路に、マスク幅保持回路75及び76、選択回路77、連続検出回路101を設けることにより実現される。なお、マスク幅保持回路75、76、および選択回路77は、図10に示したものと同じである。
【0094】
連続検出回路101は、有効パスのタイミングを基準としてそこから4サンプリング時間の範囲内に連続して第2位〜第15位タイミングが存在するか否かを調べる。なお、第2位〜第15位タイミングに対応するタイミング情報は、フリップフロップ51(2) 〜51(15)に格納されている。そして、有効パスのタイミングから4サンプリング時間の範囲内に連続して第2位〜第15位タイミングが存在する場合は、遅延時間の差の小さいパスが隣接して存在しているものとみなし、小さなマスク幅(マスク幅=2)を出力する。一方、有効パスのタイミングから4サンプリング時間の範囲内に連続して第2位〜第15位タイミングが存在していないときは、遅延時間の差の小さいパスが存在しないものとみなし、大きなマスク幅(マスク幅=3)を出力する。
【0095】
図14は、連続検出回路101の構成図である。加算機111〜114は、それぞれタイミング情報T1 に「+1」「+2」「+3」「+4」を加算し、加算機115〜118は、それぞれタイミング情報T1 に「−1」「−2」「−3」「−4」を加算する。ここで、タイミング情報T1 は、有効パスに対応するタイミング情報であり、フリップフロップ51(1) 又は51(2) に格納されている。セレクタ119は、タイミング情報T2 〜T15を1つずつ順番に選択して出力する。ここで、タイミング情報T2 〜T15は、フリップフロップ51(2) 〜51(15)に格納されているタイミング情報である。一致検出回路121〜128は、例えば排他的OR回路により構成されており、それぞれ加算機111〜118の出力と一致するタイミング情報を検出する。AND回路131は、一致検出回路121〜124のすべてにおいて一致が検出されたときに「H」を出力し、AND回路132は、一致検出回路125〜128のすべてにおいて一致が検出されたときに「H」を出力する。そして、OR回路133は、AND回路131および132の出力の論理和を算出して出力する。
【0096】
上記回路より、最大タイミング〜第15位タイミングが4サンプリング時間連続して存在しているか否かが検出される。
次に、図4および図7を参照しながら、マスク幅を決定する手順の具体例を示す。
【0097】
図4に示す例では、まず、最大タイミングである「時刻6」が1番目の有効パスのタイミングと判定される。この場合、連続検出回路101は、フリップフロップ51(2) 〜51(15)に、「時刻7」「時刻8」「時刻9」「時刻a」がすべて格納されているか否か、および「時刻5」「時刻4」「時刻3」「時刻2」がすべて格納されているか否かを調べる。この例では、「時刻2」及び「時刻a」が登録されていない。したがって、連続検出回路101は、遅延時間の差の小さいパスが存在しないものとみなし、マスク幅として「3」を出力する。
【0098】
この後、上記マスク幅を利用して2番目の有効パスが決定され、さらに、2番目の有効パスに対応するマスク幅が決定された後、それらのマスク幅を利用して3番目の有効パスが決定されるが、説明は省略する。
【0099】
図7に示す例でも、図4を参照しながら説明した手順と同様に、連続検出回路101は、「時刻6」に対応するタイミング情報をサーチする。そして、この例では、「時刻7」「時刻8」「時刻9」「時刻a」がすべて格納されている。したがって、この場合、連続検出回路101は、遅延時間の差の小さいパスが存在するものとみなし、マスク幅として「2」を出力する。
第5の実施例
第4の実施例では、有効パスのタイミングを基準として一定期間に渡って連続して大きな相関電力が現れたときに、遅延時間の差の小さいパスが存在するものと判断されている。しかし、ロールオフフィルタの特性を考慮すると、有効パスのタイミングから一定時間離れた位置の相関電力の大きさに基づいて、遅延時間の差の小さいパスが存在するか否かを判断できる。具体的には、有効パスのタイミングから一定時間離れた位置に大きな相関電力が現れるときは、遅延時間の差の小さいパスが存在するものと判断し、大きな相関電力が現れないときは、遅延時間の差の小さいパスが存在しないものと判断する。そして、第5の実施例の有効パス判定回路は、この特性を利用する。
【0100】
図15は、第5の実施例における有効パス判定回路の構成図である。この有効パス判定回路は、図13に示した第4の実施例における連続検出回路101の代わりに、検出回路141を備える。
【0101】
検出回路141は、有効パスのタイミングを基準としてそこから4サンプリング時間離れた位置に第2位〜第15位タイミングが現れるか否かを調べる。ここで、第2位〜第15位タイミングに対応するタイミング情報は、フリップフロップ51(2) 〜51(15)に格納されている。そして、対応するタイミング情報が検出されたときは、遅延時間の差の小さいパスが隣接して存在しているものとみなし、小さなマスク幅(マスク幅=2)を出力する。一方、そのようなタイミング情報が検出されなかったときは、遅延時間の差の小さいパスが存在しないものとみなし、大きなマスク幅(マスク幅=3)を出力する。
【0102】
なお、検出回路141は、基本的に、図11に示した検出回路72と同じ構成である。ただし、検出回路141においては、加算機81および82に対してそれぞれ「+4」および「−4」が加算される。
【0103】
このように、本実施形態のRAKE受信装置では、通信環境に応じてマスク範囲が決定され、そのマスク範囲を利用して複数の有効パスが適切に選択される。なお、上述の実施例(上記第1〜第5の実施例)では、2種類のマスク範囲が使用されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、3種類以上のマスク範囲が使用される構成であってもよい。
【0104】
また、上述の実施例では、大きな相関電力が現れるタイミングを利用して有効パスを決定しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、受信信号と拡散符号との相関を表す相関値を利用してもよい。ここで、相関値とは、受信信号に拡散符号を乗積することにより得られるデータである。
【0105】
(付記1)複数のパスを介して受信した信号を逆拡散して合成するRAKE受信装置であって、
受信信号を逆拡散することにより相関電力を生成する生成手段と、
最大相関電力〜第N番目に大きい相関電力が現れるタイミングを検出する検出手段と、
通信環境に基づいて決まるマスク範囲を設定する設定手段と、
上記検出されたタイミングの時間差および上記マスク範囲に基づいて複数の有効パスを決定する決定手段と、
決定された複数の有効パスを合成する合成手段と、
を有するRAKE受信装置。
【0106】
(付記2)付記1に記載のRAKE受信装置であって、
上記決定手段は、上記最大相関電力が現れるタイミングに基づいて第1の有効パスのタイミングを決定し、決定した有効パスのタイミングを基準として上記マスク範囲を設定し、上記マスク範囲によりマスクされないタイミングであって上記第2番目〜第N番目に大きい相関電力の中の最も大きい相関電力が現れるタイミングに基づいて第2の有効パスを決定する。
【0107】
(付記3)付記1に記載のRAKE受信装置であって、
上記設定手段は、最大相関電力〜第N番目に大きい相関電力の中の所定の2つの相関電力の比率に基づいて上記マスク範囲を設定する。
【0108】
(付記4)付記3に記載のRAKE受信装置であって、
上記設定手段は、受信信号の受信レベルに基づいて相関電力の比率を補正し、その補正した比率に基づいて上記マスク範囲を設定する。
【0109】
(付記5)付記1に記載のRAKE受信装置であって、
上記設定手段は、上記検出手段により所定数連続するタイミングが検出されるか否かに基づいて上記マスク範囲を設定する。
【0110】
(付記6)付記1に記載のRAKE受信装置であって、
上記設定手段は、上記検出手段により互いに所定間隔離れたタイミングが検出されるか否かに基づいて上記マスク範囲を設定する。
【0111】
(付記7)付記1に記載のRAKE受信装置であって、
上記設定手段は、相関電力のプロファイルに基づいて上記マスク範囲を動的に変更する。
【0112】
(付記8)RAKE受信において使用すべき複数のパスを決定するパス判定装置であって、
受信信号を逆拡散することにより相関電力を生成する生成手段と、
最大相関電力〜第N番目に大きい相関電力が現れるタイミングを検出する検出手段と、
通信環境に基づいて決まるマスク範囲を設定する設定手段と、
上記検出されたタイミングの時間差および上記マスク範囲に基づいてRAKE合にしようすべき複数の有効パスを決定する決定手段と、
を有するパス判定装置。
【0113】
(付記9)複数のパスを介して受信した信号を逆拡散して合成するRAKE受信方法であって、
受信信号を逆拡散することにより相関電力を生成し、
最大相関電力〜第N番目に大きい相関電力が現れるタイミングを検出し、
通信環境に基づいて決まるマスク範囲を設定し、
上記検出されたタイミングの時間差および上記マスク範囲に基づいて複数の有効パスを決定し、
決定された複数の有効パスを合成するRAKE受信方法。
【0114】
(付記10)RAKE受信において使用すべき複数のパスを決定するパス判定方法であって、
受信信号を逆拡散することにより相関電力を生成し、
最大相関電力〜第N番目に大きい相関電力が現れるタイミングを検出し、
通信環境に基づいて決まるマスク範囲を設定し、
上記検出されたタイミングの時間差および上記マスク範囲に基づいてRAKE合にしようすべき複数の有効パスを決定するパス判定方法。
【0115】
【発明の効果】
本発明によれば、RAKE合成において使用すべき有効パスの判定基準が通信環境に応じて決定されるので、RAKE合成において得られる利得が常に良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のRAKE受信方法が使用される無線通信装置の構成図である。
【図2】パスサーチ回路および復調/RAKE合成回路の構成図である。
【図3】マッチドフィルタのブロック図である。
【図4】相関電力の大きいタイミングを検出する方法を説明する図である。
【図5】タイミング情報および電力情報を格納するテーブルの例である。
【図6】ロールオフフィルタの特性を示す図である。
【図7】各パスの遅延時間どうしの差が小さいときの相関電力の例である。
【図8】第1の実施例における有効パス判定回路の構成図である。
【図9】マスク回路の構成図である。
【図10】第2の実施例における有効パス判定回路の構成図である。
【図11】検出回路の構成図である。
【図12】第3の実施例における有効パス判定回路の構成図である。
【図13】第4の実施例における有効パス判定回路の構成図である。
【図14】連続検出回路の構成図である。
【図15】第5の実施例における有効パス判定回路の構成図である。
【図16】既存のRAKE受信回路の構成図である。
【図17】通信環境の例を示す図である。
【図18】図17に示す通信環境下における、受信信号と拡散符号との相関を表す図である。
【符号の説明】
24 パスサーチ回路
25 復調/RAKE合成回路
31 ソート回路
32 有効パス判定回路
52、53 マスク回路
72 検出回路
73 選択回路
74 パワー比較回路
91 乗算回路
101 連続検出回路
141 検出回路

Claims (6)

  1. 複数のパスを介して受信した信号を逆拡散して合成するRAKE受信装置であって、
    受信信号を逆拡散することにより相関電力を生成する生成手段と、
    上記生成された相関電力の中から、拡散符号の周期の期間中で最大相関電力〜第N番目に大きい相関電力が現れるN個のタイミングを検出する検出手段と、
    上記検出されたN個のタイミングを相関電力の大きい順番にソートするソート手段と、
    通信環境に基づいて決まるマスク範囲を設定する設定手段と、
    上記ソートされたN個のタイミングの中からタイミングの時間差および上記マスク範囲に基づいてn個(1<n<N)の有効パスを決定する決定手段と、
    決定されたn個の有効パスを合成する合成手段と、
    を有するRAKE受信装置。
  2. 請求項1に記載のRAKE受信装置であって、
    上記検出するタイミングの個数Nは、上記有効パスの個数nに基づいて決定するRAKE受信装置。
  3. 請求項1に記載のRAKE受信装置であって、
    上記設定手段は、上記ソートされたN個のタイミングの相関電力のうち、所定の2つの相関電力の比率に基づいて上記マスク範囲を設定するRAKE受信装置
  4. 請求項1に記載のRAKE受信装置であって、
    上記設定手段は、上記検出手段により所定数連続するタイミングが検出されるか否かに基づいて上記マスク範囲を設定するRAKE受信装置
  5. 請求項1に記載のRAKE受信装置であって、
    上記設定手段は、上記検出手段により互いに所定間隔離れたタイミングが検出されるか否かに基づいて上記マスク範囲を設定するRAKE受信装置
  6. 複数のパスを介して受信した信号を逆拡散して合成するRAKE受信方法であって、
    受信信号を逆拡散することにより相関電力を生成し、
    上記生成された相関電力の中から、拡散符号の周期の期間中で最大相関電力〜第N番目に大きい相関電力が現れるN個のタイミングを検出し、
    上記検出されたN個のタイミングを相関電力の大きい順番にソートし、
    通信環境に基づいて決まるマスク範囲を設定し、
    上記ソートされたN個のタイミングの中からタイミングの時間差および上記マスク範囲に基づいてn個(1<n<N)の有効パスを決定し、
    決定されたn個の有効パスを合成する
    RAKE受信方法。
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