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JP4141703B2 - 可変構造アクチュエータ - Google Patents

可変構造アクチュエータ Download PDF

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JP4141703B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、構造物に分布系の固体アクチュエータを組み込み、形状の最適化や振動および騒音を低減するといった、いわゆる知的構造システムに係り、とくに、構造的工夫によって、固体アクチュエータの変位量(歪量)不足を補う変位拡大機能を有した可変構造アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、構造物に分布系のセンサやアクチュエータを組み込み、外乱などによって生じる構造物の振動や変形量を検出し、その検出した情報を用いて構造物の振動や形状を制御すると言った、いわゆる知的構造システムの研究開発が活発に行われている。
【0003】
センサ開発では、とくに、細径の光ファイバセンサを構造物に埋め込むことによって、クラックの検知や損傷位置の同定などを可能にするヘルスモニタリング技術の進歩は目覚ましいものがある。また、任意の形状に切って構造物に貼り付けることができる安価なフィルムセンサを使い、薄板の振動分布をモニタリングする技術も開発されている。
【0004】
このような知的構造システムにおけるセンサ技術は、人工衛星や航空機、高速車両、高層建築物などの構造健全性を評価する観点から、或いは、構造物の振動や形状を制御すると言った観点から極めて重要であり、実用化が待たれるところである。
【0005】
一方、知的構造システムにおけるアクチュエータ開発では、構造物に組み込まれたセンサとアクチュエータによって、形状の最適化や振動および騒音を低減するシステムを実現するためには、高性能な固体アクチュエータ材料・素子と最適な制御システム技術の開発が必要である。アクチュエータ材料・素子の研究は線材化・薄膜化・傾斜機能化などの材料プロセス開発によって、高性能化が着実に進められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、知的構造システムで構造物の変形制御を行うには、アクチュエータの変位量(歪量)が不十分である場合が多い。知的構造システムの研究では、アクチュエータ材料・素子として、形状記憶合金や圧電素子を利用した研究例が多い。従来、アクチュエータはシート化・線材化した素子を構造物に貼り付けて使用する場合がほとんどであり、構造物の変形量はアクチュエータの変位量(歪量)を超えることができなかった。
【0007】
振動や音響パワー制御などは比較的小さな変位量で制御できるが、例えば航空機における翼キャンバの形状変形やロボットアクチュエータの動作などを制御する場合には、とくに変位量(歪量)が不十分であり、要求を満たすアクチュエータ材料・素子の早期開発が強く待たれるところである。しかし、アクチュエータの材料・素子の開発には長い時間を要し、短時間での飛躍的な性能改善は望めない。
【0008】
一般に、圧電素子の変位量は、歪に換算すると、僅かに0.08%程度に過ぎないものであり、形状記憶合金ワイヤの動作歪は、一般的に2〜3%程度(実用操作歪)である。形状記憶合金ワイヤは圧電素子に比べて大きな動作歪を持っているが、満足できる値ではなく、より大きな動作歪が望まれている。
【0009】
アクチュエータの変位量(歪量)不足を補う方法としては、従来からテコを用いた変位拡大機構が良く知られている。代表的な従来例を図10に示す。図10に示す従来例(精密位置決め技術、株式会社工業調査会発行、p45記載)は、基台に配設されたアクチュエータと数段の変位拡大機構から構成されており、変位拡大機構の段数に応じて大きな変位量を得ることができる。反面、発生力が段数に応じて減少することや、多段機構では構造剛性の低下が問題となる。
【0010】
本発明は、上述のような従来の状況に鑑みてなされたもので、その目的とするところは構造的工夫によって、アクチュエータの変位量(歪量)不足を補うように構成された、アクチュエータと構造が一体的に分散配設してなる可変構造アクチュエータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明は、両端部が互に接近離反する方向へ変位可能かつ前記両端部の中間位置が前記両端部を結ぶ直線に対して接近離反する方向へ変位可能な対向した可動片の前記両端部を接続した態様の閉空間を備えたセル内に、伸長方向又は縮小方向或はその両方向に能動的に変形可能な固体アクチュエータを配置し、この固体アクチュエータの両端側を前記可動片の両端部位置又は両端部位置付近に連結した構成であり、前記可動片は弾性によって元の状態へ復帰自在な薄板から構成してあり、前記固体アクチュエータは、フィルム状又は薄膜状あるいは線状に加工した圧電材料又は形状記憶合金あるいは磁歪材料からなるものである。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の可変構造アクチュエータにおいて、動作方向が前記固体アクチュエータの動作方向に対して交差する方向である第2の固体アクチュエータを前記セル内に配置し、この第2の固体アクチュエータの両端側を前記対向した可動片にそれぞれ連結した構成である。
【0013】
請求項3に係る発明は、両端部が互に接近離反する方向へ変位可能かつ前記両端部の中間位置が前記両端部を結ぶ直線に対して接近離反する方向へ変位可能な対向した可動片の前記両端部を接続した態様の閉空間を備えた複数のセルを備え、前記複数のセルを線的に又は面的に接続した態様の伸縮可能な構造物を設け、この構造物における所望のセル内に、伸長方向又は縮小方向或はその両方向に能動的に変形可能な固体アクチュエータを配置し、この固体アクチュエータの両端側を前記可動片の両端部位置又は両端部位置付近に連結した構成であり、前記可動片は弾性によって元の状態へ復帰自在な薄板から構成してあり、前記固体アクチュエータは、フィルム状又は薄膜状あるいは線状に加工した圧電材料又は形状記憶合金あるいは磁歪材料からなるものである。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の可変構造アクチュエータにおいて、動作方向が前記固体アクチュエータの動作方向に対して交差する方向である第2の固体アクチュエータを所望のセル内に配置し、この第2の固体アクチュエータの両端側を前記対向した可動片にそれぞれ連結した構成である。
【0015】
請求項5に係る発明は、両端部が互に接近離反する方向へ変位可能かつ前記両端部の中間位置が前記両端部を結ぶ直線に対して接近離反する方向へ変位可能な対向した可動片の前記両端部を接続した態様の閉空間を備えた複数のセルを互に接続して筒状に配置した構造物を設け、この構造物における所望のセル内に、伸長方向又は縮小方向或はその両方向に能動的に変形可能な固体アクチュエータを配置し、この固体アクチュエータの両端側を前記可動片の両端部位置または両端部位置付近に連結した構成であり、前記可動片は弾性によって元の状態へ復帰自在な薄板から構成してあり、前記固体アクチュエータは、フィルム状又は薄膜状あるいは線状に加工した圧電材料又は形状記憶合金あるいは磁歪材料からなるものである。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の可変構造アクチュエータにおいて、前記固体アクチュエータの動作変位量に比較して前記可動片の中央部付近の変位が拡大又は縮小されるように、前記固体アクチュエータと前記可動片は所定の角度でもって連結してあるものである。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の可変構造アクチュエータにおいて、前記セルは線対称な形状である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の実施の形態に係る可変構造アクチュエータ1の基本的構成を示す説明図で、図1(a)は内部セルの部分拡大説明図、図1(b)はアクチュエータの動作変位に対するセルの変形の様子を示した説明図である。
【0021】
可変構造アクチュエータ1は、基本的には、両端部A,Bが互に接近離反する方向へ変位可能かつ前記両端部A,Bの中間位置C,Dが前記両端部A,Bを結ぶ直線に対して接近離反する方向へ変位可能な一対の対向した可動片2,3の両端部A,Bを接続した態様の閉空間4を備えたセル21の前記閉空間4内に、伸長方向又は縮小方向或はその両方向に能動的に変化可能な固体アクチュエータ6を配置し、この固体アクチュエータ6の両端側を前記可動片2又は3の両端部A,Bの位置又は両端部A,Bの位置付近に連結した構成である。
【0022】
より詳細には、前記閉空間4は、本実施の形態においては、複数(本実施形態においては4枚)の弾性構造薄板(可動部材)21a,21b,21c及び21dを適宜に組合せることによって周囲を閉じられた(上下は開いている)平行四辺形状(4角形状)の空間である。そして、弾性構造薄板21a,21dの組合せによって一方の可動片2を構成し、弾性構造薄板21b,21cの組合せによって他方の可動片3を構成している。
【0023】
上記一対の可動片2,3は対称的な構成であり、上記可動片2,3の両端部A,Bは、薄板(可動部材)21a,21bの接続部と薄板(可動部材)21c,21dの接続部が相当するものである。そして、前記一対の可動片2,3の中央間部にはヒンジ部C,Dが設けてある。
【0024】
上記ヒンジ部Cは、前記薄板21a,21dの接続部が相当し、ヒンジ部Dは前記薄板21b,21cの接続部が相当する。このヒンジ部C,Dは、屈曲し易い構造であることが望ましく、例えば薄肉構造とすることや、例えばゴム等の弾性部材を介在した構成など適宜のヒンジ構造を採用することができるものである。
【0025】
なお、前記説明においては各薄板21a,21b,21c及び21dはそれぞれ別体ものを組合せて可動片2,3を形成する旨説明したが、それぞれの薄板21a,21b,21c,21dが4角形のセル21の各辺を構成するように予め一体に成形し、両端部A,B及びヒンジ部C,Dを屈曲可能なヒンジ構成としても良いものである。また、複数のセル21を線状に及び/又は面状に組合せ可能なように、セル21を構成する各辺部材(すなわち各薄板21a〜21d)や各角部(すなわち端部A,B,ヒンジ部C,D)等に、例えば凹凸等の連結部を設けることも可能である。
【0026】
以上のごとき説明より理解されるように、前記セル21における両端部A,Bを接近するように変位すると、中間位置のヒンジ部C,Dが互に離反するように変位し、前記両端部A,Bを離反するように変位すると、ヒンジ部C,Dが互に接近するように変位する。この際、4角形状を呈するセル21の両端部A,Bの内角を鋭角に、そして、中間部であるヒンジ部C,Dの内角を鈍角に構成することにより、両端部A,Bの接近離反する方向への変位量に比較して、前記ヒンジ部C,Dが接近離反する方向の変位量をより大きくすることができるものである。そこで、前記セル21の両端部A,Bを接近又は離反する方向へ変位せしめるために、前記セル21の閉空間4内に固体アクチュエータ6を配置し、この固体アクチュエータ6の両端側を前記両端部A,B又は両端部A,B付近に連結してなるものである。
【0027】
前記固体アクチュエータ6は、例えばフィルム状又は薄膜状あるいは線状に加工した圧電材料又は形状記憶合金あるいは磁歪材料等よりなるものであって、本実施の形態においては帯状の形状記憶合金を採用し、通電加熱したときに縮小する構成として例示してある。
【0028】
したがって、固体アクチュエータ6を動作して、前記両端部A,Bを接近するように変位すると、各薄板21a,21b,21c,21dがヒンジ部C,Dで屈曲するように弾性変形され、図1(b)に示すように、ヒンジ部C,Dは互に離反する方向へ大きく変位するものである。そして、元の状態への復帰は、各薄板21a,21b,21c及び21dの弾性によって行われるものである。
【0029】
この際、セル21の復帰動作をより確実に行うためには、前記固体アクチュエータ6の動作方向に対して交差する方向に動作する、すなわち前記ヒンジ部C,Dを接近する方向へ変位せしめる動作を行う固体アクチュエータ7を設けることが望ましい。この場合、図2に示すように、固体アクチュエータ6と固体アクチュエータ7とを交差して設け、かつ固体アクチュエータ7の両端部を前記ヒンジ部C,D又はヒンジ部C,D付近に連結する構成とすれば良いものである。
【0030】
上記構成においては、一方の固体アクチュエータ6を縮小する方向に動作した場合、他方の固体アクチュエータ7は各薄板21a〜21dを介して伸長動作されるものであり、逆に他方の固体アクチュエータ7を縮小する方向に動作したときには、一方の固体アクチュエータ6は伸長動作されるものである。すなわち、一方の固体アクチュエータ6と他方の固体アクチュエータ7は常に動作方向が逆になるものである。
【0031】
図3は、前記構成のセル21を複数列、複数行に配置した構成の可変構造アクチュエータ20を示すものである。上述のごとき可変構造アクチュエータ20は、図1(a)に概念的に示すように、複数の帯状の弾性構造薄板21a,21b,21c,21dを井桁状に組合せ、この組合せによって形成された複数の4角形状のセル21の対角を結ぶように複数の固体アクチュエータ22(22a,22b,22c)を組合せることによって得られるものである。
【0032】
図3より理解されるように、前記可変構造アクチュエータ20は、平行4辺形状のセル21を四方に連続し平面的な広がりをもって一体的に配設した構成であって、本実施形態においては平行4辺形状のセル21を横方向に5段、縦方向に10段備えたマトリックス構造体を形成している。固体アクチュエータ22bは弾性構造薄板21aと21bの交点Aおよび弾性構造薄板21cと21dの交点Bを直線で結ぶ位置でセル21と一体的に結合され、同様に、固体アクチュエータ22aおよび22cは弾性構造薄板21aと21dの交点Cおよび弾性構造薄板21bと21cの交点Dが、それぞれ隣接するセル21の弾性構造薄板の交点と一体的にかつ連続的に結合されて、可変構造アクチュエータ20を形成している。
【0033】
ここで、例えば、弾性構造薄板21aと21bおよび21cと21dのそれぞれ2辺が成す角度(両端部A,Bの内角)を30度、および、弾性構造薄板21aと21dおよび21bと21cのそれぞれ2辺が成す角度(ヒンジ部C,Dの内角)を150度に設定し、かつ各交点間の寸法を図1に示すとおり(λ1,γ1)とすると、固体アクチュエータ22bを通電加熱して得られる収縮変位(歪:(γ1−γ2)/γ1)に対して、それと垂直な方向における可変構造アクチュエータ20の出力変位(歪:(λ2−λ1)/λ1)は約2倍に拡大することができる。
【0034】
すなわち、固体アクチュエータの変位による両端部A,Bの変位量に比較して、中間位置C,Dの変位量を大きく拡大することができるものである。よって、同方向にセル21を複数備えることにより、さらに変位量を複数倍することができ、大きな変位を得ることができるものである。
【0035】
図4は本発明の基本原理に基づく第2の可変構造アクチュエータ30の構成を説明するための図である。基本的な構成配置は図3に示す可変構造アクチュエータ20と同じであるが、構造体系を形づくるセル31が平行4辺形状でなく6角形状となっている点で異なっている。この複数の6角形状のセル31を縦方向及び横方向に備えたマトリックス構造体と、シート状に加工された複数の帯状の形状記憶合金のごとき固体アクチュエータ32を一体的に組合せることによって、前記可変構造アクチュエータ30が構成されている。
【0036】
6角形状のセル31を用いた可変構造アクチュエータ30は、4角形状のセル21を用いた可変構造アクチュエータ20に比べ、構造体としての強度、剛性を高めることができる。
【0037】
既に理解されるように、セルの形状は4角形に限ることなく6角形状に形成可能であり、その他の多角形状に形成することができるものであり、さらには例えば対向する可動片が円弧状等の湾曲した曲線を呈する形状とすることも可能である。要は、閉空間に両端部に相当する構成部分及び上記両端部の接近離反する方向への変位に対応して、交差する方向に変位する部分を備えた構成であれば良いものである。
【0038】
ところで、前記説明においては、同一形状のセルを縦、横に配置する場合について説明したが、形状の異なる複数のセルを任意に組合せた構成とすることも可能である。
【0039】
図5は前記可変構造アクチュエータ20の製作方法の1例を説明するための図である。
【0040】
図3に示した前記可変構造アクチュエータ20を製造する方法としては、平行4辺形状のセル内に固体アクチュエータを個別に配置することも可能であるが、図5に示す方法を採用することが望ましい。すなわち、帯状の固体アクチュエータ22aと、弾性構造薄板21aおよび21dを屈曲して交互に備えることにより前記可動片2を形成し、この可動片2を連続して備えた構成のセル薄板部材23aと、次の帯状の固体アクチュエータ22bと、弾性構造薄板21bおよび21cを屈曲して交互に備えることにより前記可動片3を形成し、この可動片3を連続して備えた構成のセル薄板部材23bと、さらに次の帯状の固体アクチュエータ22cとが個々に製作された後、公知の固着手段を用いて固体アクチュエータ22a、セル薄板部材23a、固体アクチュエータ22b、セル薄板部材23b、固体アクチュエータ22cの順に重ねたサンドイッチ構造にて一体的に構成するものである。さらに、必要に応じてサンドイッチする部品点数を増やし、目的に沿った大きさに製作される。
【0041】
図6は、図4に示した前記可変構造アクチュエータ30の製造方法の1例を示すものである。この可変構造アクチュエータ30についても、前記可変構造アクチュエータ20の製造方法と同様の方法を用い、複数の帯状の固体アクチュエータ32と、6角形状のセル31に対応する所定の台形状部分を交互に備えた波形の弾性構造薄板から構成されたセル薄板部材33とを交互に重ねたサンドイッチ構造にて一体的に構成されるものである。
【0042】
図7は本発明の基本的構成に基づく第三の可変構造アクチュエータ40の構成を説明するための図である。上述した可変構造アクチュエータ20および30は平面的な構成であったが、可変構造アクチュエータ40は中空状で、例えば中空6角柱形状のロッド構造となっており、中空6角柱形状の各面▲1▼〜▲6▼には可変構造アクチュエータ20に示した弾性構造薄板21a〜21d及び固体アクチュエータ22a〜22cを線状に形成し、全体的構成として筒状に構成した点が相異する。この構成においては、構造物の軸方向に伸縮するように出力変位を得ることができる。なお、同一機能を奏する構成部分には同一符号を付することとして重複した説明は省略する。
【0043】
図8は本発明の前記可変構造アクチュエータ40を翼の変形に応用した構成例を示す。翼内部の2個所に可変構造アクチュエータ40が交差するように内装され、このロッド状の可変構造アクチュエータ40の軸方向の変形によってキャンバの制御が行われる。なお、本図はProc.SPIE Vol.3985-11に記載された構成であるが、従来は形状記憶合金ワイヤを用いた構成であった。ここで、形状記憶合金ワイヤに替えて前記可変構造アクチュエータ40を用いることにより、より大きな翼の変形を達成できると共に剛性の向上を図ることができる。このことは、操舵力の増大に繋がり、航空機の運動性能向上が期待できる。
【0044】
図9はロッド状の前記可変構造アクチュエータ40をロボットのアームを揺動するためのアクチュエータに応用した構成例を示す。従来の一般的な構成は、駆動源として例えば、形状記憶合金ワイヤ50を用いている。ここで、形状記憶合金ワイヤに替えて前記可変構造アクチュエータ40を用いることにより、動作範囲の拡大が図られる。また、構造体としての剛性向上が期待できる。
【0045】
【発明の効果】
以上のごとき説明より理解されるように、本発明によれば、固体アクチュエータと構造が一体的に分散配設されており、かつ、構造物内部のセルが弾性変形することによってアクチュエータの変位量(歪量)不足を補うように変位拡大するので、従来のアクチュエータで変位量(歪量)が小さいと言った課題解決に寄与できる。さらに、固体アクチュエータと構造の一体化により、小型軽量で剛性の高い設計が可能であり、かつ各種機器への組込み性も良い。
【0046】
したがって、本発明に係る可変構造アクチュエータを、例えば、航空機の翼キャンバ制御やロボットのアクチュエータに適用すれば、翼キャンバ制御では大きな翼の変形によって操舵力は増大し、航空機の運動性能向上が期待できる。またロボットのアクチュエータでは構造体としての剛体低下を抑えながら動作範囲の拡大が期待できる。このことは、航空機の翼キャンバ制御やロボットのアクチュエータに革新的なアクチュエータ構造システムを提供し、装置の小型化や省エネに大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る可変構造アクチュエータの基本的な構成を説明するための説明図であり、(a)は内部セルの部分拡大図、(b)はアクチュエータの動作変位に対するセルの変形の様子を示した図である。
【図2】可変構造アクチュエータに交差する方向の固体アクチュエータを備えた説明図である。
【図3】可変構造アクチュエータの変形前全体図及び変形の様子を示した説明図である。
【図4】本発明の第二実施形態における可変構造アクチュエータの構成を説明するための図である。
【図5】本実施形態における可変構造アクチュエータの製作方法を説明するための図である。
【図6】第2の実施形態における可変構造アクチュエータの製作方法を説明するための図である。
【図7】本発明の第三実施形態における可変構造アクチュエータの構成を説明するための図である。
【図8】本発明の第三実施形態における可変構造アクチュエータの翼変形制御への応用例を示した図である。
【図9】本発明の第三実施形態における可変構造アクチュエータのロボットアクチュエータへの応用例を示した図である。
【図10】従来のテコを用いたレバー式変位拡大機構の構成説明図である。
【符号の説明】
1,20,30,40 可変構造アクチュエータ
21,31 セル
21a,21b,21c,21d 弾性構造薄板(可動部材)
22,22a,22b,22c,32 固体アクチュエータ(形状記憶合金)
23a,23b,33 セル薄板部材

Claims (7)

  1. 両端部が互に接近離反する方向へ変位可能かつ前記両端部の中間位置が前記両端部を結ぶ直線に対して接近離反する方向へ変位可能な対向した可動片の前記両端部を接続した態様の閉空間を備えたセル内に、伸長方向又は縮小方向或はその両方向に能動的に変形可能な固体アクチュエータを配置し、この固体アクチュエータの両端側を前記可動片の両端部位置又は両端部位置付近に連結した構成であり、前記可動片は弾性によって元の状態へ復帰自在な薄板から構成してあり、前記固体アクチュエータは、フィルム状又は薄膜状あるいは線状に加工した圧電材料又は形状記憶合金あるいは磁歪材料からなることを特徴とする可変構造アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の可変構造アクチュエータにおいて、動作方向が前記固体アクチュエータの動作方向に対して交差する方向である第2の固体アクチュエータを前記セル内に配置し、この第2の固体アクチュエータの両端側を前記対向した可動片にそれぞれ連結したことを特徴とする可変構造アクチュエータ。
  3. 両端部が互に接近離反する方向へ変位可能かつ前記両端部の中間位置が前記両端部を結ぶ直線に対して接近離反する方向へ変位可能な対向した可動片の前記両端部を接続した態様の閉空間を備えた複数のセルを備え、前記複数のセルを線的に又は面的に接続した態様の伸縮可能な構造物を設け、この構造物における所望のセル内に、伸長方向又は縮小方向或はその両方向に能動的に変形可能な固体アクチュエータを配置し、この固体アクチュエータの両端側を前記可動片の両端部位置又は両端部位置付近に連結した構成であり、前記可動片は弾性によって元の状態へ復帰自在な薄板から構成してあり、前記固体アクチュエータは、フィルム状又は薄膜状あるいは線状に加工した圧電材料又は形状記憶合金あるいは磁歪材料からなることを特徴とする可変構造アクチュエータ。
  4. 請求項3に記載の可変構造アクチュエータにおいて、動作方向が前記固体アクチュエータの動作方向に対して交差する方向である第2の固体アクチュエータを所望のセル内に配置し、この第2の固体アクチュエータの両端側を前記対向した可動片にそれぞれ連結したことを特徴とする可変構造アクチュエータ。
  5. 両端部が互に接近離反する方向へ変位可能かつ前記両端部の中間位置が前記両端部を結ぶ直線に対して接近離反する方向へ変位可能な対向した可動片の前記両端部を接続した態様の閉空間を備えた複数のセルを互に接続して筒状に配置した構造物を設け、この構造物における所望のセル内に、伸長方向又は縮小方向或はその両方向に能動的に変形可能な固体アクチュエータを配置し、この固体アクチュエータの両端側を前記可動片の両端部位置または両端部位置付近に連結した構成であり、前記可動片は弾性によって元の状態へ復帰自在な薄板から構成してあり、前記固体アクチュエータは、フィルム状又は薄膜状あるいは線状に加工した圧電材料又は形状記憶合金あるいは磁歪材料からなることを特徴とする可変構造アクチュエータ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の可変構造アクチュエータにおいて、前記固体アクチュエータの動作変位量に比較して前記可動片の中央部付近の変位が拡大又は縮小されるように、前記固体アクチュエータと前記可動片は所定の角度でもって連結してあることを特徴とする可変構造アクチュエータ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の可変構造アクチュエータにおいて、前記セルは線対称な形状であることを特徴とする可変構造アクチュエータ。
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