[go: up one dir, main page]

JP4139766B2 - 排出物処理システムの改造方法 - Google Patents

排出物処理システムの改造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4139766B2
JP4139766B2 JP2003410764A JP2003410764A JP4139766B2 JP 4139766 B2 JP4139766 B2 JP 4139766B2 JP 2003410764 A JP2003410764 A JP 2003410764A JP 2003410764 A JP2003410764 A JP 2003410764A JP 4139766 B2 JP4139766 B2 JP 4139766B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wastewater
container
treatment
septic tank
soil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003410764A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005169214A (ja
Inventor
勝義 石崎
悠平 稲森
元之 水落
朋聡 板山
徳雄 岩見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
National Institute of Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Agency
National Institute of Japan Science and Technology Agency
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Agency, National Institute of Japan Science and Technology Agency filed Critical Japan Science and Technology Agency
Priority to JP2003410764A priority Critical patent/JP4139766B2/ja
Publication of JP2005169214A publication Critical patent/JP2005169214A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4139766B2 publication Critical patent/JP4139766B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Treatment Of Biological Wastes In General (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)

Description

本発明は、排出物処理システム、排出物処理方法、及び排出物処理システムの改造方法に関する。
現在、河川、湖沼、貯水池、内湾等の公共用水域の富栄養化が進み、アオコや赤潮等の発生等が深刻な問題となっている。この富栄養化を抑制するためには、公共用水域の汚濁負荷の50−70%近くを占めている生活排水の高度処理が欠かせない。ここで、生活排水とは、し尿と、し尿以外の台所排水や風呂排水等の生活雑排水と、を合わせたものである。
ところで、現在日本国内には700万基以上の単独処理浄化槽が設置されていると言われている。この単独処理浄化槽は、生活排水の内し尿のみを浄化処理するものである。したがって、単独処理浄化槽が設置された家庭等からは生活雑排水が公共用水域に垂れ流しとなっており、また、し尿を処理する単独処理浄化槽からも多くの汚濁負荷が流出している。このため、このような単独処理浄化槽による排出物処理システムを、生活排水の高度処理が可能な新しい排出物処理システムに転換することが急務となっている。
そして、このような単独処理浄化槽に代わる排出物処理システムとして、し尿と生活雑排水とを併せて処理する合併処理浄化槽を用いたシステムが知られている。
しかしながら、単独処理浄化槽を合併処理浄化槽に変換等するためのコストは非常に高く、また、合併処理浄化槽からの処理済み水のBOD、窒素、りん等の濃度も十分に低減されるわけではない。
また、単独処理浄化槽や合併処理浄化槽による処理方法は、再資源化可能なし尿等のバイオマスを水洗により希釈することを前提とした方法であり、水資源を多量に消費し、また、処理水量及び処理負荷が増えることにより排水処理コストも増大する。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、し尿及び生活雑排水を、低コストで、かつ、環境への負荷が十分に少なくなるように処理できる排出物処理システム、排出物処理方法及びこの排出物処理システムの実現のための排出物処理システムの改造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る排出物処理システムは、し尿及び生活雑排水を処理する排出物処理システムであって、し尿を多孔質材と混合して攪拌するし尿処理装置と、生活雑排水を土壌と接触させる生活雑排水処理装置と、を備え、生活雑排水処理装置は、土壌の層を内部に有し生活雑排水が前記土壌の層の上部に供給される容器と、容器から処理済み水を排出させることにより、土壌の層の上部が常時空気に暴露し、かつ、土壌の層の下部が常時前記生活雑排水に浸漬されるように容器内の水位を調節する手段と、を有する。
また、本発明に係る排出物処理方法は、し尿及び生活雑排水を処理する排出物処理方法であって、し尿を多孔質材と混合して攪拌するし尿処理工程と、生活雑排水を土壌と接触させる生活雑排水処理工程と、を備え、生活雑排水処理工程は、容器内に形成された土壌の層の上部に生活雑排水を供給するステップと、容器から処理済み水を排出させることにより、土壌の層の上部が常時空気に暴露し、かつ、土壌の層の下部が常時前記生活雑排水に浸漬されるように容器内の水位を調節するステップと、を有する。
また、本発明に係る排出物処理システムの改造方法は、水洗トイレで発生したし尿を含む排水を単独処理浄化槽で処理して排出する一方、生活雑排水を浄化槽で処理することなく排出する排出物処理システムの改造方法であって、生活雑排水を単独処理浄化槽内に導く供給ラインを設ける供給ライン設置工程と、単独処理浄化槽内に土壌を投入する単独処理浄化槽改造工程と、水洗トイレを、し尿を多孔質材と混合して攪拌するし尿処理装置と交換する水洗トイレ交換工程と、を備える。
これらの発明によれば、し尿処理装置やし尿処理工程において、し尿が多孔質材と混合して攪拌されることによりし尿の脱水乾燥や微生物によるし尿の発酵・分解が起こり、し尿を腐植化、堆肥化することができる。このため、このようにして得られた堆肥を緑農地等に散布することができ、し尿に由来する炭素、窒素、炭素、りん等の成分を土壌中に固形物としてリサイクルすることができる。言い換えると、し尿由来の有機物、窒素、リン等がほとんど排水中に排出されない。
また、生活雑排水処理装置や生活雑排水処理方法において、生活雑排水を土壌と接触させることにより、生活雑排水から懸濁物質、有機物、りん、窒素等を十分に除去することができる。このとき、合併処理浄化槽を用いた場合と異なり、し尿を生活雑排水と混合しないので、生活雑排水を処理する生活雑排水処理装置の処理負荷がそれほど大きくならない。したがって、生活雑排水処理装置を小型化することができ、生活雑排水処理装置の設置のイニシャルコストが十分に低くなるのに加えて、処理済み水に含まれて排出される有機物、窒素、リン等の量を、単独処理浄化槽を用いた場合の排水や、合併処理浄化槽を用いた場合の排水に比べて十分低くすることができる。
特に、し尿のみを処理する既設の単独処理浄化槽を、し尿及び生活雑排水を処理する合併処理浄化槽に交換する場合には、処理すべき水量及び負荷が増えるので合併処理浄化槽の容積を単独処理浄化槽の容積よりも大型化することが不可避となる。したがって、コストが非常に高くなり、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への交換が進みにくい一つの原因となっている。
しかしながら、本発明において、生活雑排水処理装置ではし尿を処理しないので、生活雑排水処理装置の容積は、既設置の単独処理浄化槽の容積と同等またはそれ以下で十分な場合が多い。したがって、本発明の改造方法のように、既設の単独処理浄化槽を改造、すなわち、既設の単独処理浄化槽内に土壌を投入し、この土壌に対して生活雑排水を供給して生活雑排水処理装置とすることにより、既設の単独処理浄化槽よりも大きな槽を新設せずに本発明の排出物処理システムを実現できる。したがって、単独処理浄化槽による排出物処理システムから、し尿及び生活雑排水の両方を高度処理する排出物処理システムへの転換が極めて低コストで可能となる。
ここで、生活雑排水処理装置は土壌の層を有し、土壌の層に対して生活雑排水を土壌の層の厚み方向と交差する方向に流通させることが好ましい。
また、生活雑排水処理工程において、土壌の層に対して生活雑排水を土壌の層の厚み方向と交差する方向に流通させることが好ましい。
また、単独処理浄化槽改造工程では、単独処理浄化槽内に土壌の層を形成し、土壌の層に対して供給ラインからの生活雑排水が土壌の層の厚み方向と交差する方向に流通するように、生活雑排水の流路を構成することが好ましい。
これらによれば、曝気の必要性がなくなる程度まで土壌の層を薄くしつつ十分効率よく土壌と生活雑排水とを接触できる。
また、生活雑排水処理装置は土壌の層を上下方向に複数段有し、最上段の土壌の層から順に、生活雑排水を各土壌の層に対して土壌の層の厚み方向と交差する方向に流通させることが好ましい。
また、生活雑排水処理工程において、上下方向に複数段配置された土壌の層に対し、最上段の土壌の層から順に、生活雑排水を各土壌の層に対して土壌の層の厚み方向と交差する方向に流通させることが好ましい。
また、単独処理浄化槽改造工程では、土壌の層を上下方向に複数段形成し、最上段の土壌の層から順に、供給ラインからの生活雑排水が各土壌の層に対して土壌の層の厚み方向と交差する方向に流通するように生活雑排水の流路を構成することが好ましい。
これらによれば、生活雑排水が各土壌の層内を順番に流れて十分に長い距離土壌と接触する。したがって、コンパクトかつ十分な処理能力を有する処理装置が実現される。
このとき、生活雑排水処理装置や、生活雑排水処理工程において、土壌の層の底面は、生活雑排水の流通方向に沿って下る傾斜面とされることが好ましい。
また、単独処理浄化槽改造工程では、土壌の層の底面を、生活雑排水の流通方向に沿って下る傾斜面とすることが好ましい。
これらによって、各土壌の層における排水性が高まるため生活雑排水が流れやすくなり、目詰まりしにくくなる。
また、生活雑排水処理装置は、土壌の層が形成された容器を有し、容器内に生活雑排水を供給して土壌の層を所定時間生活雑排水で浸漬した後、容器内から生活雑排水を排出させるものであっても良い。
また、生活雑排水処理工程において、土壌の層が形成された容器内に生活雑排水を供給し土壌の層を所定時間生活雑排水で浸漬した後、容器内から生活雑排水を排出してもよい。
また、単独処理浄化槽改造工程では、単独処理浄化槽内に土壌の層を形成し、土壌の層を供給ラインからの生活雑排水で浸漬でき、かつ、浸漬した生活雑排水を単独処理浄化槽から排出可能に、生活雑排水の流路を構成しても良い。
これらによれば、容器や改造後の単独処理浄化槽内の土壌に生活雑排水が浸漬することにより生活雑排水中の汚濁負荷が減少する。そして、その後処理済みの生活雑排水を排出すると、土壌が空気に暴露する。したがって、この操作を繰り返すことにより、曝気装置等を用いることなく、簡単な構造及び操作で生活雑排水の処理が好適に行える。
また、生活雑排水処理装置、生活雑排水処理工程、及び単独処理浄化槽改造工程において、土壌として、焼赤玉土、鹿沼土、ゼオライト、軽石、黒ボク土等の団粒土壌を用いると、土壌中を生活雑排水が流通し易いため、目詰まりをより起こしにくくなって、メンテナンスコストを削減できる。
ここで、団粒とは、粘土,砂,シルト,及び有機物などを構成要素とする高次の土壌粒子集合体のことをいう。団粒の構造を備えた土壌は孔隙に富んでおり、透水性や通気性が高い。
また、し尿処理装置、し尿処理工程、及び水洗トイレ交換工程において、多孔質材として、おがくず、椰子殻、籾殻等の主として有機物により形成された有機多孔質材を用いることが好ましい。
この場合、このような多孔質材自身も堆肥化されるので、し尿処理装置の残渣を堆肥として緑農地等に散布するのに好適となる。なかでも、多孔質材として、し尿の発酵分解用の担体としての能力が極めて高いおがくずを用いることが好ましい。
また、し尿処理装置やし尿処理工程では、生ごみを投入してもよく、この生ごみも多孔質材との混合攪拌により、発酵・分解が起こり、生ごみの腐植化、堆肥化が行える。
本発明によれば、し尿及び生活雑排水を、低コストで、かつ、環境への負荷を十分に少なくして処理できる。
以下、図面を参照しながら本発明のトイレ装置について、その好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(第一実施形態)
本発明に係る排出物処理システムの第一の実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
本実施形態の排出物処理システム100は、図1に示すように、人1が生活する家屋2で発生した、し尿16及び生活雑排水18を処理するものであり、し尿16を処理して堆肥化するトイレ装置(し尿処理装置)20と、生活雑排水18を処理する生活雑排水処理装置50と、を備えている。
ここで、生活雑排水18とは、生活排水のうち、し尿16を除くもののことである。
トイレ装置20は、トイレ4内に設置されている。トイレ装置20は、糞11や尿12を合わせたし尿16とおがくず30aとを混合・攪拌することにより堆肥19を生成する。生成した堆肥19は、適宜、家庭菜園3等に散布される。
一方、生活雑排水処理装置50は、家屋2の近くの地中に埋設されており、風呂場5の浴槽5aからの排水13や台所6のシンク6aからの排水14を合わせた生活雑排水18を、ライン8を通して受け入れて土壌層101,102,103,104と接触させて処理し、処理済み液をライン9を通して排水溝90に排出する。
続いて、図2を参照して、トイレ装置20について説明する。
トイレ装置20は、便器4a、便器4aと連通する容器24、容器24内に設けられたスクリュー26、スクリュー26を回転させるモータ28、おがくず等の多孔質材30aが蓄えられている多孔質材用容器30、容器24内のガスを吸引するファン32、及びトイレ装置20を制御する制御装置36を主として備えている。このトイレ装置20は、バイオトイレとも言われ、し尿を処理する際に水を加えない非水洗式のトイレである。
便器4aは、人が排泄する糞11や尿12を受けて、下方に接続された容器24に供給する。
容器24は、便器4aから供給された糞11や尿12を受け入れる、プラスチック製や金属製の容器である。容器24内には、容器24外に設けられたモータ28によって水平軸周りに回転するスクリュー26が設けられており、容器24内の内容物24bが攪拌される。
また、容器24には、開閉可能なフタ24aが設置されており、必要に応じて容器24の内部の点検や内部からの堆肥19等の取出が可能となっている。
多孔質材用容器30には、多孔質材30aが蓄えられている。ここで、多孔質材30aは、多孔質の材料であれば特に限定されず、おがくず、籾殻、やし殻等の有機多孔質材、活性炭やゼオライト等の無機多孔質材を利用できる。特に、処理後の堆肥を緑農地に散布することを考えると、腐食化、堆肥化の可能な有機多孔質材が好ましく、特に、し尿の分解効率の高いおがくずを用いることがより好ましい。
この多孔質材用容器30は、粉体供給バルブ34を介して容器24に接続されており、所定量の多孔質材30aを容器24内に供給可能である。
ファン32は、容器24内の空気を一定量吸引し外部に排出する物であり、このファン32からの排気は、図1の家屋2の外に排出されるようになっている。
制御装置36は、いわゆるCPUを備えるコンピュータである。この制御装置36には、ファン32、多孔質材30a用の粉体供給バルブ34及びモータ28が接続されており、例えば、定期的に、あるいは、トイレの使用時等に、これらファン32、粉体供給バルブ34及びモータ28の駆動を制御し、臭気の排出、多孔質材30aの容器24内への供給及び容器24の内容物24bの攪拌を行う。
ここで、容器24の内容物24bとは、糞11や尿12に加えて、多孔質材用容器30から供給される多孔質材30aを含むものである。
続いて、図3を参照して生活雑排水処理装置50について説明する。
本実施形態に係る生活雑排水処理装置50は、いわゆる傾斜土槽式といわれるものである。この生活雑排水処理装置50は、直方体状の容器52を備えている。容器52内には、垂直に配置されると共に下端が容器52の底面から所定距離離間された板状の分離壁53が設けられている。
この分離壁53は、容器52内を、分離壁53よりも図示左側の土壌層部55aと、分離壁53よりも図示右側の排出ライン部55bとに区画している。
土壌層部55aは、水平に延びる複数の分離板61〜64によって上下方向に複数の領域71〜74に区画されている。ここで、分離板を上から61,62,63,64とし、分離板61より上を領域71、分離板61と分離板62との間を領域72、分離板62と分離板63との間を領域73、分離板63と分離板64との間を領域74とする。各領域71〜74の高さはほぼ同等とされている。
分離板61〜64には、それぞれ、各領域71〜74に存在する水を直下の領域に向けて排出させるための貫通孔である排水口81,82,83,84がそれぞれ形成されている。ここで、排水口81〜84は、分離板61〜64の一端又は他端に互い違いに設けられている。具体的には、排水口81,83は、それぞれ分離板61,63の一端側(図示右端側)に設けられている一方、排水口82,84は、分離板62,64の他端側(図示左端側)に形成されている。ここで、排水口81〜84の具体的形状としては、例えばスリットやメッシュ、多孔板等が挙げられる。
各分離板61〜64の表面は排水口81〜84に向かって下る傾斜面61a,62a,63a,64aとされている。
各分離板61〜64の各傾斜面61a〜64a上には、上方に向かって突出し、傾斜面61a,62a,63a,64aの傾斜の方向と直交する水平方向(図3の紙面と垂直な方向)に延在する遮水板56が、傾斜方向に離間して3つそれぞれ設けられている。
そして、各領域71〜74内において分離板61〜64上、すなわち、傾斜面61a〜64a及び排水口81〜84上には、土壌が堆積されて土壌層101、102,103,104を形成している。
この土壌層101〜104における土壌は特に限定されないが、団粒土壌を用いることが好ましく、例えば、焼赤玉土、鹿沼土、ゼオライト、軽石、黒ボク土等の団粒土壌をろ材として用いることができる。これらのような団粒土壌を用いると、土壌中を生活雑排水が流通し易いため、目詰まりを起こしにくくなって、メンテナンスコストを削減できる。団粒土壌の粒径は、例えば、1〜10mmである。また、このような土壌にはミミズ等、土壌中の有機物等を捕食する動物類が生息していることが好ましく、これによって、更に目詰まりを防止できる。
一方、容器52の底部には、容器52の底部に溜る処理済水76をくみ上げるためのポンプ68と、このポンプ68の駆動を制御する水位センサ69が設けられている。水位センサ69は、容器52内の水位が、最下の分離板64より下である所定の水位を上回った場合にポンプ68を駆動する。ポンプ68は、ライン9を介して処理済み水を排水溝90にくみあげる。
生活雑排水18を受け入れるライン8は、容器52の天井の内の図示左側、すなわち、分離板61の他端側と面する位置に開口されている。以上で本実施形態に係る排出物処理システム1000の構成の説明を終了する。
ここで、このような排出物処理システム1000は、あらたに新設することもできるが、図4に示すような既設の単独処理浄化槽を有する排出物処理システム1000を改造することによって、さらに低コストに上述の排出物処理システム100を得ることができる。
ここで、この既設の排出物処理システム1000は、トイレ4の水洗便器1004からの水洗水を含むし尿16を、ライン1020を介して単独処理浄化槽1050が受け入れ、単独処理浄化槽1050からの処理済み水はライン1007を介して排水溝90に放流される。このような単独処理浄化槽1050は、通常、上流側から順に、嫌気ろ床1052、好気ろ床1054、沈殿部1056を有している。また、生活雑排水18は、浄化槽を通ることなく排水溝90からそのまま放流される。
このような排出物処理システム1000を改造する場合には、この単独処理浄化槽105の容器をそのまま上述の生活雑排水処理装置50の容器52として利用する。具体的には、単独処理浄化槽1050中の仕切壁等の内部構造体を取り除いた上で、この単独処理浄化槽105内に分離壁53、分離板61〜64、土壌層101〜104等を形成すればよい。
続いて、このような排出物処理システム100の作用について説明する。
人1が家屋2内で生活すると、トイレ4ではし尿16が、風呂場5や台所6では生活雑排水18が発生する。
そして、し尿16は、便器4aからトイレ装置20の容器24内に入る。ここで、容器24内には、多孔質材用容器30から粉体供給バルブ34を介して、あらかじめ、あるいは、使用中等に適宜、多孔質材30aが投入される。そして、スクリュー26が作動することにより、容器24内でし尿16と多孔質材30aとが攪拌・混合される。
これによって、し尿16の水分が適切に多孔質材30aに吸収されると共に、さらに、この多孔質材30aが担体となって好気性の菌が効率よく増殖する。従って、し尿16が発酵・分解し、においの少ないかつ減容、減重量された状態の腐植質の有機物となる。
ここで、容器24内において、し尿16やその発酵・分解物は、水分の少ない状態に所定期間おかれ、かつ、発酵時には60℃程度やそれ以上にまで昇温されるため減菌された状態となる。また、し尿16から発生するアンモニア等の臭気ガスも多孔質材30aによってかなりの部分が吸着されると共に、ファン32によって外部に排出されるので不快なにおいはほとんどない。なお、ファン32によって容器24内の水分が水蒸気として排出されるため、し尿の脱水はより効率よく進む。
また、多孔質材30aとしておがくず等の有機多孔質材を用いた場合には、有機多孔質材自身も分解・発酵により腐植化・堆肥化がなされることとなる。そして、このようにして容器52内に蓄積した堆肥は、適宜排出されて、好適な有機肥料として、家庭菜園3等に散布できる。このような堆肥からは、有機物、窒素、リン等は溶解しにくい。
一方、生活雑排水18は、ライン8を介して生活雑排水処理装置50に供給される。ライン8から供給された生活雑排水18は、まず、領域71における土壌層101内を図示矢印方向に、すなわち、土壌層101の厚み方向と交差する方向に流下しつつ土壌と接触し、その後排水口81から領域72に落下して領域72の土壌層102を図示矢印方向に流下し、続いて、同様にして、排水口82、土壌層103、排水口83、土壌層104、排水口84を介して容器52の底部に到達して貯留される。
このとき、生活雑排水18は、各土壌層101〜104中を流れる際に、土壌中の微生物による有機物の分解、硝化、脱窒、リンの吸着、懸濁物質のろ過作用を受けることにより浄化され、低BOD、低窒素、低リン、低SSの処理済み水76となる。このような処理済み水76が、容器52の底部に所定量溜ると、ポンプ68によってくみ上げられて排水溝90に排出される。
ここで、土壌層101〜104に対して、生活雑排水18を層の厚みに対して交差する方向に流通させて接触させているので、曝気の必要性がなくなる程度まで土壌層101〜104の厚みを薄くしても十分効率よく土壌と生活雑排水18とを接触できる。曝気することなく土壌の大部分を好気性雰囲気に保つためには、土壌層101の厚みを、例えば、10mm〜100mmとすることが好ましい。
さらに、このような土壌層101〜104が上下に多段に形成されているので、生活雑排水18が各土壌層101〜104内を順番に流れて十分に長い距離土壌と接触する。したがって、コンパクトかつ十分な処理能力を有する生活雑排水処理装置50が実現されている。
また、各土壌層101〜104の底面が傾斜面61a〜64aとされているので、生活雑排水18の流れがスムーズとされて、目詰まりが生じにくい。また、分離板61〜64は、それぞれ遮水板56を有するので、生活雑排水18の偏流防止が図られると共に、土壌層101〜104の底部に嫌気性領域ができて脱窒微生物による窒素の低減を確実に行うことができている。
このように、本実施形態に係る排出物処理システム100によれば、まず、トイレ装置20において、し尿16を多孔質材30aと混合して攪拌することによりし尿16を堆肥化している。このため、このようにして得られた堆肥を緑農地等に散布することができる。したがって、し尿由来の窒素やリン等をほとんど水域に放出することなく、し尿由来の有機物、窒素、りん等を土壌中に固体状のままでリサイクルすることができる。これによって、従来廃棄物として扱われさらに水で薄められて処理され水域を汚染する主要な原因であったし尿を資源化することができるという画期的な効果が奏される。ここで、トイレ装置20には、生ゴミを投入してもよく、この場合でも同様にして堆肥が生成される。このようにして、し尿や生ゴミを堆肥化することにより、し尿や生ゴミの堆積は1/5程度にまで減容化される。さらに、水洗しないので、水の節約もでき、例えば、水洗トイレを用いた場合に比べてトータルで家庭の水の使用量を約1/3節約することができ、水資源の枯渇問題を解決可能となる。
また、生活雑排水処理装置50によって、生活雑排水18を土壌と接触させているので、生活雑排水18から懸濁物質、有機物、りん、窒素等を十分に除去することができる。したがって、単独処理浄化槽を備えた場合に比べて極めて環境への負荷を小さくできる。
また、本実施形態では、合併処理浄化槽を用いる場合と異なり、上述のようにし尿16を生活雑排水18と混合せず別々に処理している。したがって、生活雑排水18を処理する生活雑排水処理装置50の処理負荷が合併処理浄化槽ほど大きくならない。これにより、生活雑排水処理装置50の容積を合併処理浄化槽に比べて十分に小型化することができ、合併処理浄化槽を導入するのに比してイニシャルコストが十分に低くなる。また、処理済み水に含まれて排出される有機物や窒素、リンの総量も、合併処理浄化槽を用いた場合に比べても十分に低減される。具体的には、合併処理浄化槽を設置した場合に比べて、例えば、T−N及びT−Pの排出量をそれぞれ1/4以下に削減することができる。
また、し尿のみを処理する単独処理浄化槽1050から、本実施形態に係る排出物処理システム100に変更する場合、生活雑排水処理装置50の容積は、既設の単独処理浄化槽1050の容量で十分である。したがって、単独処理浄化槽1050(例えば5人用で通常0.85m)から合併処理浄化槽(5人用で通常2.5m)に切り替える時のように、あらたに地中等に槽を新設する必要なく、既存の単独処理浄化槽1050内を改造するのみで、本実施形態に係る生活雑排水処理装置50とすることができる。したがって、単独処理浄化槽1050からの切り替えのコストは、合併処理浄化槽に切り替える際に比べて極めて低くなる。
詳しくは、平成12年において浄化槽は878万基あるが、そのうち723万基が単独処理浄化槽(82%)である。そして、特に人口密度の低い地域では、単独処理浄化槽の新設が禁止されたため、合併処理浄化槽の設置が求められている。しかし、合併処理浄化槽の設置には一基あたり例えば80−100万円を要し、国等からの補助があっても50万円程度の出費が必要である。また、処理後の水質も、窒素、リン等が多く、富栄養化を抑制する効果がほとんどない。さらに、汚泥の回収処理のために年間4〜5万円程度の経費を要すると共に、汚泥の処理場が必要となる。
しかしながら、本実施形態においては、し尿をトイレ装置20で水を加えず乾式に処理するので、生活雑排水処理装置50の容積は既設置の単独処理浄化槽1050の容積で十分であり、単独処理浄化槽による排出物処理システムから、本実施形態のような高度処理をおこなう排出物処理システム100への転換が極めて低コストでできる。具体的には、量産が進めば、単独処理浄化槽による排出物処理システムから合併処理浄化槽による排出物処理システムに転換するのに比べて概ね1/2のコスト、例えば、一システムあたり50万円程度で本排出物処理システム100への転換が可能となり、従来の半額程度になる。したがって、国等の補助があるとすると個人負担はさらに低額となり、普及を急速に進めることが出来る。また、この生活雑排水処理装置50によれば汚泥の発生も少ない。
以上をまとめると、本実施形態では、生活に由来するし尿や生ゴミが直接養分として大地に還元され、廃棄物でなく資源として用いられることとなり、し尿や生ごみの処理コストが低くなる。一方、生活雑排水は低コストかつ高度に処理されて公共水域に流入する。したがって、河川、湖沼、内海、内湾、貯水池等の水域や地下水域等の公共用水域の再生・保全をしつつ、し尿や生ゴミ等の再資源化をすることができ、環境低負荷・資源循環型社会の構築の上で欠かせないパラダイムシフト技術となる。
なお、このような排出物処理システム100は、例えば、次のような地域に設けるとより効果的となる。例えば、(1)水環境の改善が強く求められている地域、(2)水道用水の枯渇が懸念されている地域、(3)有機農業の推進が求められている地域である。
まず、水環境の改善が強く求められている地域では、河川、湖沼、貯水池、内湾、等の水環境を改善することが可能であり、とくに、水道水源となっている貯水池上流域の水質改善により、飲料水の水質改善効果が計れる。また、下水道や集落排水事業の伸展などで水道用水の使用が増加して渇水のリスクが増加しているような地域では、水道水の節約により渇水の恐れを低減することが可能となる。さらに、有機農業の推進が求められている地域では、自家用菜園において有機農業を実践しておいしい野菜/果実の収穫を体験させることで農家の有機農業への参加を推進させることが可能となる。
(第二実施形態)
続いて、第二実施形態に係る排出物処理装置について図5を参照して説明する。本実施形態の排出物処理装置において、第一実施形態と異なる点は、生活雑排水処理装置150のみであるので、以下この生活雑排水処理装置150についてのみ説明する。
本実施形態の生活雑排水処理装置150が、第一実施形態に係る生活雑排水処理装置50と異なる主な点は、容器52に隣接するバッファタンク12を設けた点と、バッファタンク12中にさらに間欠定量ポンプ115を設けた点である。
バッファタンク12は、ライン8を介して送られてくる生活雑排水18を一時的に貯留しておく容器である。
一方、間欠定量ポンプ115は、バッファタンク12内の生活雑排水18を間欠的にかつ定量的に容器52内の領域71に対して供給する。
この間欠定量ポンプ115は、容器117と、この容器117の上面に開口しブロワ119からのエアを三方コック121を介して容器117内に供給するエアノズル123と、容器117の底面に開口し外部から容器117内への生活雑排水18の供給のみを許可する逆止弁125と、容器117内の下部に開口し、容器107と容器52の領域71内を連通する連通管127を備えている。なお、間欠定量ポンプ115は一例であり、本実施形態の以外の構造の物でも良い。
このような生活雑排水処理装置150においては、まず、ライン8を介して生活雑排水18がバッファタンク152に貯留する。あらかじめ、三方コック121は、容器117と大気とを連通しているので、逆止弁125を介してバッファタンク152内の生活雑排水18が容器117内に充填される。つづいて、所定時間毎に、三方コック121を切り替えて、ブロワ119とエアノズル123とを連通すると、容器117内にエアが供給され、容器117内の生活雑排水18aが押し出されて連通管127を介して領域71に移送される。このとき、バッファタンク152内の生活雑排水18が逆止弁125から外部に出ることはない。続いて、所定時間経過後に三方コック121を切り替えて、大気と容器117とを連通すると、再び逆止弁125から容器117内に生活雑排水18が流入する。
このようにして、三方コック121の切り替えによるエアの供給・遮断を定期的にタイマー等により行うことにより、間欠的かつ定量的に生活雑排水18を領域71に供給できる。これによれば、生活雑排水処理装置150は、バッファタンク152を有しているので、家屋2において、風呂場5の浴槽5aからの排水が流れ込む場合等、一度に大量の生活雑排水18が流入する場合にでも、各土壌層101〜104の処理負荷を一定に保ことができ、効率の良い処理が可能となっている。
(第三実施形態)
続いて、第三実施形態に係る排出物処理装置について図6を参照して説明する。本実施形態の排出物処理装置が第一実施形態と異なる点は、生活雑排水処理装置250のみであるので、以下この生活雑排水処理装置250についてのみ説明する。
本実施形態の生活雑排水処理装置250は、容器252と、この容器252内の底面252a寄りに水平に設けられ容器252内を上下に区画する透水性の分散板254と、ライン8を介して供給される生活雑排水18を容器252の底面252aと分散板254との間に供給する供給パイプ256、さらに、容器252内における底面252aと分散板254との間の水を外部に排出する排出ノズル258と、排出ノズル258に接続されたバルブ262と、容器252の分散板254上に形成された土壌層260を備えている。バルブ262を介して排出される処理済み水は、ポンプ270等を利用して排水溝90へ移送される。
このような生活雑排水処理装置250においては、予めバルブ262を閉じておいてから供給パイプ256によって容器252内に生活雑排水18を供給し、土壌層260を所定の時間浸漬し、その間に土壌中の微生物でBOD、窒素の除去を行い、また、土壌中にリンを吸着させる。所定時間経過後、バルブ262を開放して、処理済み水を排出して、土壌層260を空気に暴露させる。このような土壌を用いた生活雑排水処理装置250でも、生活雑排水18の処理が好適に行える。なお、浸漬回数の好適な条件としては、例えば、1日6回程度であり、浸漬時間の好適な条件は4〜8時間程度が好ましい。
(第四実施形態)
続いて、第四実施形態に係る排出物処理装置について図7及び図8を参照して説明する。本実施形態の排出物処理装置が第三実施形態と異なる点は、生活雑排水処理装置350のみであるので、以下この生活雑排水処理装置350についてのみ説明する。
本実施形態の生活雑排水処理装置350は、バッファタンク152、及び第三実施形態と同様の容器252を有している。容器252内の底面252a寄りには、容器252内を上下に区画するべく水平に設けられた透水性の分散板254が設けられている。また容器252には、容器252内における底面252aと分散板254との間の水を外部に排出する排出ノズル258が設けられ、排出ノズル258には、バルブ262及びこのバルブ262を介して処理済み水を排水溝90へ移送するポンプ270がそれぞれ接続されている。また、容器252の分散板254上には、土壌層260が形成されている。
そして、土壌層260の上部260aにおける表面に近い部分にはトレンチ装置302が設けられている。トレンチ装置302は水平方向に延びる樋状のトレンチ304を有している。トレンチ304内には、トレンチ304にそって延びるトレンチパイプ306が設けられている。トレンチパイプ306には、トレンチパイプ306内から生活雑排水を外部に排出するための貫通孔308が、トレンチパイプ306の長さ方向に多数並んで形成されている(図8参照)。トレンチ304内には、トレンチパイプ306を覆うように砂利310が充填されている。
一方、図7に示すように、バッファタンク152内には、ライン8を介して生活雑排水が供給される。また、バッファタンク152内には、バッファタンク152内の生活雑排水18を間欠的にかつ定量的に容器252内のトレンチパイプ306に対して供給する間欠定量ポンプ115が設けられている。
この間欠定量ポンプ115は、容器117と、この容器117の上面に開口しブロワ119からのエアを三方コック121を介して容器117内に供給するエアノズル123と、容器117の底面に開口し外部から容器117内への生活雑排水18の供給のみを許可する逆止弁125と、容器117内の下部に開口し、容器107と容器252のトレンチパイプ306とを連通する連通管127と、を備えている。なお、間欠定量ポンプ115は一例であり、本実施形態の以外の構造の物でも良い。
このような生活雑排水処理装置350によれば、予めバルブ262を閉じておいてから間欠定量ポンプ115によってバッファタンク152からトレンチ装置302内に間欠的かつ定量的に生活雑排水18を供給する。供給された生活雑排水18は、トレンチ装置302から溢流して土壌層260の上部260aを流下して土壌層260の下部260bを浸漬する。生活雑排水が流下する土壌層260の上部260aは比較的好気的雰囲気であるので生活雑排水中の有機物の分解や硝化が行われる一方、生活雑排水に浸漬される土壌層260の下部260bは比較的嫌気雰囲気となるので硝化された窒素成分の脱窒が行われる。また、リンは、土壌層260のいずれの場所でも吸着される。
そして、例えば、一定時間毎にバルブ262を開放し、ポンプ270により処理済み水を排出することにより、土壌層260の上部260aが常時空気に暴露し、かつ、土壌層260の下部260bが常時生活雑排水に浸漬されるようにする。バルブ262やポンプ270は、タイマーにより間欠定量ポンプ115の移送量に応じた時間間隔で定期的に駆動される構成とすればよい。また、容器252内に水位センサ(不図示)を設け、この水位センサの検出信号等によりバルブ262やポンプ270を駆動してもよい。ここで、容器252内の水面の位置が、概ね、土壌層260の深さの下から1/3程度となるように、バルブ262やポンプ270の駆動タイミングを制御することが好ましい。このような生活雑排水処理装置350でも、生活雑排水18の処理が好適に行える。
ここで、従来の5人用の単独処理浄化槽(1m)を改造して本実施形態の生活雑排水処理装置350にする場合には、例えば、バッファタンクの容量を0.4m、土壌が充填される容器252の大きさを0.4mとすることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず様々な変形態様が可能である。
例えば、上記実施形態では、生活雑排水処理装置50,150,250,350は地中に埋設されているが、生活雑排水18をポンプ等により供給可能であれば生活雑排水処理装置50,150,250,350は地上に設置されていても構わない。
また、生活雑排水処理装置も上述の物に限られず、他の方法により生活雑排水18と土壌とを接触させる方法でもよい。
また、上記実施形態では、糞と尿とを混合して処理するトイレ装置20を採用しているが、糞と尿とを分離する便器を有して糞と尿とを別々に回収し、糞と尿とを分離した状態でそれぞれ分解・発酵等の処理をさせるいわゆる糞尿分離型のトイレ装置を利用しても良い。この場合は、糞による堆肥と、尿による肥料とを分離して得ることができるので、高度な再資源化ができる。また、においの発生も少ない。
また、生活雑排水処理装置50,150,250,350に対して、風呂場5やトイレ4以外の例えば、洗面所等からの排水を供給しても良いことは言うまでもない。
一方、事情により生活雑排水処理装置50等の容積が十分でない場合には、例えば、大量の排水を短時間の内に供給する風呂場5の浴槽5aからの排水13を、台所6のシンク6aからの排水14に比較して汚染負荷が少ないとして、排水溝90等に直接放流しても本発明の効果を奏することはできる。
ここで、単独処理浄化槽を備えた排出物処理システム、合併処理浄化槽を備えた排出物処理システム及び上記実施形態のようなトイレ装置20及び生活雑排水処理装置50を有する排出物処理システム100のそれぞれについて、水域に与える環境負荷の大きさについて評価を行った。
一般家庭は、通常大人一人当たり、一日にし尿(水洗水を含む)を50L、生活雑排水を200L排出する。この50Lのし尿は、BODを13g、T−Nを8g、T−Pを0.7g程度含み、BOD濃度は260mg/L、T−N濃度は160mg/L、T−P濃度は14mg/L程度である。また、200Lの生活雑排水は、BODを27g、T−Nを2g、T−Pを0.3g程度含み、BOD濃度は135mg/L、T−N濃度は10mg/L、T−P濃度は1.5mg/L程度である。
以下では、各システムについて、大人一人一日分のし尿を処理した後の水域に対する環境負荷を示す。
まず、単独処理浄化槽を備えた排出物処理システムは、単独処理浄化槽から、BODを4.5g、T−Nを6g、T−Pを0.5g程度を水域に排出し(BOD濃度90mg/L、T−N濃度120mg/L、T−P濃度10mg/L)、さらに生活雑排水としてBOD27g、T−N2g、T−P0.3g程度を水域に排出する。したがって、水域への環境負荷は、BOD31.5g、T−N8g、T−P0.8g程度となる。
また、合併処理浄化槽を備えた排出物処理システムは、BOD5g、T−N6g、T−P0.7g程度(BOD濃度20mg/L、T−N30mg/L、T−P3.5mg/L程度)を水域に排出する。
一方、本実施形態のトイレ装置20及び生活雑排水処理装置50を備える排出物処理システム100は、し尿の処理においては水を使わないためにトイレ装置20からの水域へのBOD,T−N,T−Pの排出量はいずれもほぼ0となる。一方、生活雑排水処理装置50からは、BOD2g、T−N1g,T−P0.1g程度(BOD濃度10mg/L、T−N5mg/L、T−P0.5mg/L程度)を水域へ排出する。
したがって、単独処理浄化槽を備える排出物処理システムから本実施形態に係る排出物処理システムに転換すると、例えば、BOD94%、T−N88%、T−P88%の削減がなされる。
また、合併処理浄化槽を備える排出物処理システムから本実施形態に係る排出物処理システムに転換しても、例えば、BOD60%、T−N83%、T−P86%の削減が可能である。
第一実施形態に係る排出物処理システムを示す概略構成図である。 図1中のトイレ装置を示す概略断面図である。 図1中の生活雑排水処理装置の概略断面図である。 単独処理浄化槽を有する改造前の排出物処理システムを示す概略構成図である。 第二実施形態に係る排出処理システムにおける生活雑排水処理装置の概略断面図である。 第三実施形態に係る排出処理システムにおける生活雑排水処理装置の概略断面図である。 第四実施形態に係る排出処理システムにおける生活雑排水処理装置の概略断面図である。 図8のVIII−VIII矢視図である。
符号の説明
20…トイレ装置(し尿処理装置)、50,150,250,350…生活雑排水処理装置、52…容器、61a,62a,63a,64a…傾斜面、16…し尿、18…生活雑排水、30a…多孔質材、101,102,103,104,260…土壌層(土壌)。

Claims (1)

  1. 水洗トイレで発生したし尿を含む排水を単独処理浄化槽で処理して排出する一方、生活雑排水を浄化槽で処理することなく排出する排出物処理システムの改造方法であって、
    前記生活雑排水を単独処理浄化槽内に導く供給ラインを設ける供給ライン設置工程と、 前記単独処理浄化槽内に土壌を投入する単独処理浄化槽改造工程と、
    前記水洗トイレを、前記し尿を多孔質材と混合して攪拌するし尿処理装置と交換する水洗トイレ交換工程と、
    を備える排出物処理システムの改造方法。
JP2003410764A 2003-12-09 2003-12-09 排出物処理システムの改造方法 Expired - Fee Related JP4139766B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003410764A JP4139766B2 (ja) 2003-12-09 2003-12-09 排出物処理システムの改造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003410764A JP4139766B2 (ja) 2003-12-09 2003-12-09 排出物処理システムの改造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005169214A JP2005169214A (ja) 2005-06-30
JP4139766B2 true JP4139766B2 (ja) 2008-08-27

Family

ID=34731764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003410764A Expired - Fee Related JP4139766B2 (ja) 2003-12-09 2003-12-09 排出物処理システムの改造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4139766B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7029868B2 (ja) * 2021-01-29 2022-03-04 株式会社エクセルシア ミミズコンポストの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005169214A (ja) 2005-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8137557B2 (en) Wastewater treatment method
US6652743B2 (en) System and method for removing pollutants from water
US5980739A (en) Wastewater treatment method and apparatus
Ridderstolpe Introduction to greywater management
US20070289922A1 (en) Modular wastewater treatment system
CN203768124U (zh) 一种用于微污染水处理的生态滤池
CN103951064A (zh) 一种用于微污染水处理的生态滤池
Quansah et al. Sludge wastewater management by conventional treatment process: case study-Bujumbura municipal sewage
Jha et al. Wastewater treatment technologies in Nepal
KR101000506B1 (ko) 분뇨, 오수 및 축산폐수 고도처리장치
KR100479957B1 (ko) 오·폐수처리장치
JP4368857B2 (ja) 排水処理システム及びトイレ装置
KR100762376B1 (ko) 친환경 오수처리시스템
JP4139766B2 (ja) 排出物処理システムの改造方法
EP1017638A1 (en) Waste water treatment system
RU134923U1 (ru) Система утилизации хозяйственно-бытовых стоков
KR100242561B1 (ko) 지렁이를 이용한 오수오니중의 유기물의 감량방법
KR0165947B1 (ko) 토양피복형 오수정화방법 및 그 장치
KR200220403Y1 (ko) 반송습지법을 이용한 오수처리장치
RU2260568C1 (ru) Очистная установка для сточных вод коттеджей
CN110563250A (zh) 一种农村水资源循环利用系统
JP2001310194A (ja) 浄化槽及びその運転方法
JP2003275756A (ja) スカム解消型汚水処理方法とその装置
KR200430175Y1 (ko) 친환경 오수처리시스템
JP2001340883A (ja) 排水処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080603

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080609

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees