JP4139452B2 - 定流量弁 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本願発明は、主として給湯器等の配水管経路に配置される定流量弁の改良に関するもである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の定流量弁としては、実公平7−51613号や特許第2529763号に記載のものが知られている。これらは、図4に示すように、流入口501と流出口502とを備えた弁箱503と、この弁箱503内に収められた可動体504とを備える。可動体504は、弁体505と、弁作動体506とを備える。弁箱503は、流入口501側に弁室601を有すると共に、流出口側に2次圧室602とを有する。そして、この弁室601と2次圧室602とは、縮径部603を介して連通されており、この縮径部603の上流側に、弁座507が形成されている。可動体504の内、弁体505は弁室601内に配位され、弁作動体506は2次圧室602内に配位されている。両者は結合されていないが、弁体505は、弁室601内に配位された第1バネ508によって、下流側に付勢されており、弁作動体506は2次圧室602内に配位された第2バネ509によって、上流側に付勢されており、両バネ508,509の付勢によって、弁体505及び弁作動体506は一体的に連動して摺動する。弁体505は、弁座507に接近離反して弁の開度を調整する弁部600を有し、また、弁作動体506は、その下流側の面に、受圧面605を有する。そして、流出口502には、水の温度によって伸縮する感熱エレメント604が配位され、この感熱エレメントの伸縮が、第2バネ509を介して、弁作動体506に伝えられるものである。
【0003】
作動に際しては、流入口501から流入した水が、矢印R1に示すように、弁室601から縮径部603を経て2次圧室602内に流入すると共に、矢印R2に示すように、開いた弁座507と弁部600との間から2次圧室602内に流入する。流量が増えて、弁室601内の圧力が2次圧室602内よりも相対的に高まると、弁作動体506及び弁体505が、下流側に移動して、弁の開きを小さくする。他方、流量が減少すると、逆に、弁室601内の圧力が2次圧室602内よりも相対的に低くなり、弁作動体506及び弁体505が、上流側に移動して、弁の開きを大きくする。これによって、流水の定流量化が図られるものである。
【0004】
また、水温が上昇すると、感熱エレメント604が伸長し、この感熱エレメントの伸長が、第2バネ509を介して、弁作動体506に伝えられ、流量が増大するものである。この作動が、ガス湯沸器に適用されることによって、供給される水の流量及び温度に係わらず、常に、一定の加熱温度の水を出すことができることとなる。
【0005】
ところが、この定流量弁は、縮径部603及び弁座507の下流側に2次圧室602が設けられているため、可動体504を、弁体505と弁作動体506とに2分割せざるを得ず、両者を一体に可動させるためにも、2つのバネ508,509が必要となる。即ち、弁座507に対しては、弁座507よりも大きな弁部600が上流側から当接し、他方、縮径部603及び弁座507よりも下流側の2次圧室602内には、その圧力を受けて作動するための充分な大きさの受圧面605を備えた弁作動体506を配位する必要がある。その結果、上流側には弁体600を、下流側には弁作動体506をと言うように、弁座を挟んで、それより大きな部材を、上流側と下流側とに配位せざるを得なくなる。このような弁体600及び弁作動体506を弁箱内に配位するには、両者を2分割して、上流側から弁体600を、下流側から弁作動体506を、夫々挿入する必要があり、挿入後、両者を一体に可動させるためにも、2つのバネ508,509が必要となる。
【0006】
また、弁体600及び弁作動体506は、夫々、弁箱503に接触して摺動するが、スムーズな弁の作動を実現するために、また、両者の結合を確実にするために、弁体600と弁作動体506との両者の各々が、直線移動するように正確に芯出される必要があり、弁箱503共々精度よく加工される必要がある。双方の内、一方がスムーズに直線移動しないと、弁全体の作動が不完全なものとなってしまう。
【0007】
さらに、上記の定流量弁は、水温との関係で、流量を変化させるために、感熱エレメント604を用い、これの伸縮が第2バネ509を介して、弁作動体506に伝えられるようにしているものであるが、感熱エレメント604と言う別個の部材を用いなければ、言い換えれば、水温との関係で流量を変化させないタイプの定流量弁と異なる構造にしなけれは、水温との関係で流量を変化させることができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、より確実な作動を実現することができ、さらに、バネ等の部品点数を少なくしても作動し得る定流量弁の提供を図らんとするものである。また、本願の第2の発明は、水温との関係で流量を変化させないタイプの定流量弁と同じ構造を維持したままで、水温との関係で流量を変化させることができるようにせんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで本願発明は、次の構成を特徴とする定流量弁を提供することにより、上記の課題を解決する。
本願の第1の発明は、流入口11と流出口12とを備えた筒状の弁箱1と、この弁箱1内に収められた弁体30と、弁体30を付勢する弾性体4とを備え、弁箱1は、その筒状の一端に上記の流入口11を備え、他端が閉鎖部103によって閉ざされたものであり、弁箱1内の流入口11側には、1次圧室aが設けられ、この1次圧室aの下流側に第1の2次圧室b1が設けられ、第1の2次圧室b1の下流側には弁座13が設けられ、この弁座13の下流側に流出口12に通じる流出路14が設けられ、この流出路14は、導通部15を介して、第2の2次圧室b2に通じており、この第2の2次圧室b2の端部に前記の閉鎖部103が設けられ、弁体30は、軸状部31と、この軸状部31の流入口11側に設けられた大径部32とを備え、この大径部32は、上流側の1次圧室aと下流側の2次圧室b1,b2とを区画する摺動可能な隔壁であり、弁体30の大径部32の外周面が、本体101の内周面に接触した状態で摺動可能となっており、この大径部32の上流側の面が1次圧用受圧面33とされ、下流側の面が2次圧用受圧面34とされたものであり、この大径部32には、1次圧室aと下流側の第1の2次圧室b2とを連通し、縮径部として機能する小孔35が設けられ、上記の軸状部31は、第1の2次圧室b1から導通部15内を通り、第2の2次圧室b2に達しており、この軸状部31の外周面は、本体101の導通部15内周面に接触した状態で、摺動可能となっており、この軸状部31内には、軸状部31の軸方向に連通路36が形成され、この連通路36は、一端が第1の2次圧室b1内に開口し、他端が第2の2次圧室b2内に開口し、この軸状部31には、弁箱1の弁座13と対応する位置に、弁部37が形成されており、弁体30の摺動によって、弁部37が弁座13に接近離反し、弁の開度が調整され、前記の弾性体4は、軸体3の軸状部31と弁箱1との間に配位されたものであり、弁箱1に調整ねじ5を設け、この調整ねじ5の前進後退によって、弾性体4の付勢力を調整可能にした定流量弁を提供するものである。
【0010】
前述の従来の定流量弁は、縮径部603及び弁座507の下流側に2次圧室602が設けられているため、弁座に対しては、弁座よりも大きな弁部600が上流側から当接し、他方、縮径部603及び弁座507よりも下流側の2次圧室602内には、その圧力を受けて作動するための充分な大きさの受圧面605を備えた弁作動体506を配位する必要があった。これに対して、本願発明の定流量弁にあっては、1次圧室aと2次圧室b1とを、縮径部35を介して連通し、この2次圧室b1の下流側に、弁座13を形成している。そのため、弁座13よりも大きな可動体3の弁部37と、1次圧室aに対する受圧面33と、2次圧室b1に対する受圧面34との3者を、全て、弁座よりも上流側に配位することができる。従って、従来のように、上流側には弁体600を、下流側には弁作動体506をと言うように、弁座を挟んで、それより大きな部材を、上流側と下流側とに配位する必要がない。よって、従来のように、弁体600及び弁作動体506を2分割して弁箱内に配位する必要がなく、弁部37と、1次圧室aに対する受圧面33と、2次圧室b1に対する受圧面34との3者を備えた可動体3を、上流側から、弁箱内に配位することができる。また、従来では、弁体600と弁作動体506を挿入した後、両者を一体に可動させるために、2つのバネ508,509が必要となったが、本願発明では、1つの弾性体4で可動し得るものである。勿論、組立の都合等によって、可動体を適宜2分割することも可能であるが、本願発明においては、可動体を複数に分割したものとしても、或いは、単一の部材から構成しても、何れの設計も可能であり、設計の自由度を増すことができたものである。
さらに、本願発明では、弁部37と、1次圧室aに対する受圧面33と、2次圧室b1に対する受圧面34との3者を備えた可動体3を、一体に形成することが可能となり、従来のような、結合の不完全性や芯出のずれを生ずる可能性が低くなり、可動体3のスムーズな動きが実現し易く、弁全体の作動をより完全なものとすることができる。
【0011】
さらに、本願の第2の発明は、上記の第1の発明に係る定流量弁において、可動体3を弁の開度を開く方向に付勢する弾性体4が、形状記憶合金等の温度変化によって伸縮するものであることを特徴とするものを提供する。これによって、感熱エレメント604と言う別個の部材を用いなくとも、言い換えれば、水温との関係で流量を変化させないタイプの定流量弁と同一の構造のまま、弾性体4の種類を変更するだけで、水温との関係で流量を変化させるタイプの定流量弁を提供できるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態を説明する。
図1は、本願発明の実施の形態に係る定流量弁の断面図であり、図2は同定流量弁の作動状態を示す断面図である。
【0013】
この実施の形態に係る定流量弁は、流入口11と流出口12とを備えた弁箱1と、この弁箱1内に収められた可動体3とを備える。
【0014】
弁箱1は、筒状をなす本体101と、この本体の一端に螺合して流入口11を形成する流入部102と、本体101の他端を閉じる閉鎖部103とから構成されているが、弁箱1の部品構成は、組付け上の利便性等を考慮して適宜変更し得る。この弁箱1の一端の流入口11と、閉鎖部103との間には、流出口12が設けられている。
【0015】
弁箱1の流入口11側には、1次圧室aが設けられ、この1次圧室aの下流側に第1の2次圧室b1が設けられている。第1の2次圧室b1の下流側には、弁座13が設けられ、この弁座13の下流側に、流出口12に通じる流出路14が設けられている。この流出路14のさらに他端側には、導通部15を介して、第2の2次圧室b2が設けられている。そして、この2次圧室b2の端部の外側に、前記の閉鎖部103が螺合している。
【0016】
可動体3は、弁体30と、この弁体30の端部に設けられたバネ受け部38とが一体として可動するものである。
まず、弁体30は、軸状部31と、この軸状部31の一端側(流入口11側)に設けられた大径部32とを備える。大径部32は、1次圧室aと第1の2次圧室b1との間に摺動可能に配位されており、軸状部31は、第1の2次圧室b1から導通部15内を通り、第2の2次圧室b2に達している。
【0017】
大径部32は、弁箱1の本体101の端部内に収められており、弁体30の大径部32の外周面が、本体101の内周面に接触した状態で、摺動可能となっている。この大径部32の上流側の面が1次圧用受圧面33となり、下流側の面が2次圧用受圧面34となる。即ち、この大径部32は、1次圧室aと2次圧室b1,b2とを区画する摺動可能な隔壁であり、この隔壁として機能する大径部32には、上流側の1次圧室aと下流側の第1の2次圧室b2とを連通する小孔35が、適宜数形成されている。この小孔35が、縮径部35として機能し、1次圧室aと2次圧室b1,b2との間の圧力差を生むこととなる。
【0018】
軸状部31は、その外周面が、本体101の導通部15内周面に接触した状態で、摺動可能となっている。このように、前述の大径部32の外周と軸状部31の外周の2箇所で、本体101に対して摺動可能に接触しているため、両者の摺動は安定して行われる。また、弁体30全体が、一つの部材によって構成されているため、旋盤やNC加工機で製造する場合でも、一体となった芯出しが容易に行われる。そして、この軸状部31には(言い換えれば弁体30の大径部32より下流側には)、第1の2次圧室b1と第2の2次圧室b2とを連通する連通路36が形成されている。この連通路36は、軸状部31内に軸方向に形成された通路で、一端が第1の2次圧室b1内に開口し、他端が第2の2次圧室b2内に開口している。
【0019】
さらにこの軸状部31には、弁箱1の弁座13と対応する位置に、弁部37が形成されており、弁体30の摺動によって、弁体37が弁座13に接近離反し、弁の開度が調整される。図1は弁の全開状態の図であり、図2は弁の全閉状態の図である。上記のように、連通路36は、一端が第1の2次圧室b1内に開口している。言い換えれば、この開口36aは弁座13より上流側に位置しているものであり、この開口36aから連通路36を介して連通する第2の2次圧室b2は、流体経路で言えば、第1の2次圧室b1と等価であり、第1の2次圧室b1と共に弁座13より上流側に位置することとなる。
【0020】
弁体30は、弾性体4によって、上流側に付勢されている。この実施の形態では、軸体3の軸状部31と弁箱1との間に弾性体4が配位されているが、大径部32と第1の2次圧室b1との間に弾性体を配位するようにしてもよい。この実施の形態をさらに詳しく説明すると、軸状部31の端部には、筒状のバネ受け部38が設けられ、他方、弁箱1の閉鎖部103の内面側には、バネ受け104が設けられている。そして、両者の間に、弾性体4として、コイルスプリング4が配位されている。このコイルスプリング4に、形状記憶合金製のバネを採用することもできる。この形状記憶合金製のバネの場合、温度の変化によって、その伸縮状態が変化し、高温になるに従って、バネが伸長した状態となるものを採用することが望ましい。この形状記憶合金製のバネを用いることによって、温度変化によって水量が変化することになるが、形状記憶合金製のバネを用いない場合には、温度変化によって水量が変化しないものになる。従って、同一の構造によって、弾性体を、温度変化によって長さや弾性が変化するものと、温度変化があっても長さや弾性が変化しないものとに変更するだけで、2つのタイプの定流量弁を提供し得るものである。
【0021】
軸状部31と筒状のバネ受け部38とを一体に形成し、また、弁箱1の閉鎖部103とバネ受け104とを一体に形成してもよいが、この実施の形態の方が加工や組付けが簡単にできる。バネ受け部38は、この例では、弁座13の内径よりも若干大きくしているが、必ずしも大きくする必要はなく、小さくした場合には、バネ受け部38と弁体30の双方を、筒状をなす本体101の流入口11側から挿入して組付けることができる。尚、バネ受け部38は、単に軸状部31の端部に嵌められているだけで、本体101に対して接触しておらず、弁体30ほど厳密な加工を行わずとも、弁体30の正確な作動の障害にはならない。
【0022】
さらに、この例では、弁箱1の閉鎖部103とバネ受け104とを別体にすると共に、閉鎖部103に螺合して、その内外を貫く調整ねじ5を設け、この調整ねじ5の前進後退によって、バネ受け104を弁体30に対して接近離反できるようにしている。これによって、弾性体4の付勢力を調整可能にしているものである。図3に、ねじ5を前進させた状態を示す。
【0023】
この軸状部31及びバネ受け部38は、第2の2次圧室b2の受圧面をも構成するものであり、この実施の形態では、弁体30の軸状部31の端面31aと、バネ受け部38の端面38aが、受圧面となっている。このように、第2の2次圧室b2を設けて、この第2の2次圧室b2内に位置する可動体の端面31a,38aを受圧面とすることによって、2次圧室b1,b2側の受圧面の面積が、1次圧室a側の受圧面の面積と略等しくなり、精度よく定流量弁として作動する点で有利であるが、コンパクト化を求めるのであれば、第2の2次圧室b2を設けずに実施してもよい。
【0024】
次に、この定流量弁の作動状態を説明する。まず、水等の流体の経路について説明すると、流入口11から流入した水は、1次圧室a内に入り、縮径部35を経て、第1の2次圧室b1内に入る。第1の2次圧室b1内に入った水は、2方向に分かれる。その一方の流路は、弁部37と弁座13との間から、流出路14を経て、流出口12から流出する流路である。他方の流路は、弁体30に設けられた連通路36の開口36aから、連通路36を通って、第2の2次圧室b2に入る流路である。この後者の流路は、弁外に流出する流路ではなく、第1の2次圧室b1と第2の2次圧室b2とをつなぐものに過ぎない。即ち、前述のように、連通路36の開口36aは弁座13より上流側の第1の2次圧室b1に開口しているものであり、流体経路で言えば、第1の2次圧室b1と等価となる。尚、弁体30の軸状部31の外周と、導通部15との間の接触部分の隙間を通って、第2の2次圧室b2から、流出路14、流出口12への水が流れる可能性は皆無とは言えないが、その流量は極僅かであり、弁の作動上無視し得る程度のものである。
【0025】
次に、流入する流体の流量(圧力)と、弁の開度の関係について説明すると、まず、弁の開度(即ち、弁体30の位置)は、弁体30を流入口11側から押す力(矢印x)と、弁体30を流入口11側へ押す力(矢印y)とのバランスによって、決定される。弁体30を流入口11側から押す力(矢印x)は、1次圧室aの圧力と1次圧室aに対する受圧面33の面積との積によって求められる。他方、弁体30を流入口11側へ押す力(矢印y)は、2次圧室b1,b2の圧力と2次圧室b1,b2に対する受圧面31a,38aの面積との積(この実施の形態では、2次圧室が第1と第2に分かれているため、より正確には、第1の2次圧室b1の圧力と第1の2次圧室b1に対する受圧面31aの面積の積と、第2の2次圧室b2の圧力と2次圧室b2に対する受圧面38aの面積と積との和)と、弾性体4の押圧力と、の和によって求められる。
【0026】
次に、流入する流体の流量(圧力)に変化があった場合について説明する。まず、流入口11から流入する水の流量が増大すると、1次圧室aの圧力が高まり、縮径部35を介して連通している2次圧室b1,b2の圧力との間に差圧が生じ、弁体30を流入口11側から押す力(矢印x)が大きくなり、弁体30は弁座13に接近し、弁部37と弁座13との間が狭くなる。このように、流入口11から流入する水の流量が増大するのに比例して、弁部37と弁座13との間が狭くなるため、流出口12からの流出量は、変化しない。
他方、流入口11から流入する水の流量が減少すると、1次圧室aの圧力が低下し、縮径部35を介して連通している2次圧室b1,b2の圧力との間に逆の差圧が生じ、弁体30を流入口11側へ押す力(矢印y)が大きくなり、弁体30は弁座13から離反し、弁部37と弁座13との間が広くなる。このように、流入口11から流入する水の流量が減少するのに比例して、弁部37と弁座13との間が広くなるため、流出口12からの流出量は、変化しない。
従って、流入する流体の流量(圧力)に変化が生じても、流出する流体の流量(圧力)は、常に一定に保たれるものである。
【0027】
この定流量弁は、例えば、ガス湯沸器の配管系に用いられる。より具体的には、この定流量弁は、ガス湯沸器における水道水の給水源とガス湯沸器のバーナーとの間に配位される。そして、給水源の圧力が変化しても、バーナーに送られる水の量を常に一定に保つことより、設定された温度条件の水(湯)を常に得ることができるようにしたものである。
【0028】
そしてこの場合、給水源からの水の温度が一定であると、設定された温度条件の水(湯)を常に得ることができるが、夏場と冬場と言うように、給水源からの水の温度が変化すると、バーナーで加熱された水(湯)の温度も変化する。そこで、前述のように、高温になるに従って、バネが伸長した状態となる形状記憶合金製のバネを用いることによって、夏場等で給水源からの水の温度が高い場合には、弁体30を流入口11側へ押す力(矢印y)を大きくして、弁の開度を大きくし、バーナーへ送る水を増大させて、設定された温度条件の水(湯)を得るようにすることができる。冬場では、その逆に、弁の開度を小さくし、バーナーへ送る水を増大させて、設定された温度条件の水(湯)を得るようにすることができるものである。
【0029】
以上の実施の形態の他、本願発明は種々変更して実施し得るものであり、例えば、縮径部35は、弁体30の大径部32に設けたが、これに代えて、或いは併用して、1次圧室aと第1の2次圧室b1とを結ぶ細い流路を、弁箱1に設けるようにしてもよい。また、第1の2次圧室b1と第2の2次圧室b2とを結ぶ連通路36を弁体30内に設けたが、これに代えて、或いは併用して、第1の2次圧室b1と第2の2次圧室b2とを結ぶ流路を、弁箱1に設けるようにしてもよい。弁体30は、弾性体4によって、弁を開く方向に付勢されているが、弁体30を、他の弾性体によって、弁の閉じる方向にも付勢させるようにしてもよい。また、流入口11を弁箱1の一端に設け、流出口12は弁箱1の側面に設けたが、弁箱1の他端に流出口12を設けるようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上、本願の第1の発明は、可動体を複数に分割したものとしても、或いは、単一の部材から構成しても、何れの設計も可能であり、また、同様に、弾性体を1つとしてもよく、2つ以上配位してもよく、可動体及び弾性体に関して、設計の自由度を増すことができたものである。しかも、可動体を、単一の部材から構成した場合には、従来のような、結合の不完全性や芯出のずれを生ずる可能性が低くなり、可動体のスムーズな動きが実現し易く、弁全体の作動をより完全なものとすることができるものである。
【0031】
さらに、本願の第2の発明は、水温との関係で流量を変化させないタイプの定流量弁と同一の構造のまま、弾性体の種類を変更するだけで、水温との関係で流量を変化させるタイプの定流量弁を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態に係る定流量弁の全開状態の断面図である。
【図2】同定流量弁の全閉状態を示す断面図である。
【図3】同定流量弁のねじ5を前進させた状態を示す断面図である。
【図4】従来の定流量弁の断面図である。
【符号の説明】
1 弁箱
3 可動体
4 弾性体
11 流入口
12 流出口
13 弁座
33 1次圧室に対する受圧面
34 2次圧室に対する受圧面
35 縮径部
37 弁部
a 1次圧室
b1 第1の2次圧室
b2 第2の2次圧室
Claims (2)
- 流入口(11)と流出口(12)とを備えた筒状の弁箱(1)と、この弁箱(1)内に収められた弁体(30)と、弁体(30)を付勢する弾性体(4)とを備え、
弁箱(1)は、その筒状の一端に上記の流入口(11)を備え、他端が閉鎖部(103)によって閉ざされたものであり、
弁箱(1)内の流入口(11)側には、1次圧室(a)が設けられ、この1次圧室(a)の下流側に第1の2次圧室(b1)が設けられ、
第1の2次圧室(b1)の下流側には弁座(13)が設けられ、
この弁座(13)の下流側に流出口(12)に通じる流出路(14)が設けられ、
この流出路(14)は、導通部(15)を介して、第2の2次圧室(b2)に通じており、この第2の2次圧室(b2)の端部に前記の閉鎖部(103)が設けられ、
弁体(30)は、軸状部(31)と、この軸状部(31)の流入口(11)側に設けられた大径部(32)とを備え、
この大径部(32)は、上流側の1次圧室(a)と下流側の2次圧室(b1),(b2)とを区画する摺動可能な隔壁であり、弁体(30)の大径部(32)の外周面が、本体(101)の内周面に接触した状態で摺動可能となっており、この大径部(32)の上流側の面が1次圧用受圧面(33)とされ、下流側の面が2次圧用受圧面(34)とされたものであり、
この大径部(32)には、1次圧室(a)と下流側の第1の2次圧室(b2)とを連通し、縮径部として機能する小孔(35)が設けられ、
上記の軸状部(31)は、第1の2次圧室(b1)から導通部(15)内を通り、第2の2次圧室(b2)に達しており、この軸状部(31)の外周面は、本体(101)の導通部(15)内周面に接触した状態で、摺動可能となっており、
この軸状部(31)内には、軸状部(31)の軸方向に連通路(36)が形成され、この連通路(36)は、一端が第1の2次圧室(b1)内に開口し、他端が第2の2次圧室(b2)内に開口し、
この軸状部(31)には、弁箱(1)の弁座(13)と対応する位置に、弁部(37)が形成されており、弁体(30)の摺動によって、弁部(37)が弁座(13)に接近離反し、弁の開度が調整され、
前記の弾性体(4)は、軸体(3)の軸状部(31)と弁箱(1)との間に配位されたものであり、弁箱(1)に調整ねじ(5)を設け、この調整ねじ(5)の前進後退によって、弾性体(4)の付勢力を調整可能にした定流量弁。 - 可動体(3)を弁の開度を開く方向に付勢する弾性体(4)が、形状記憶合金等の温度変化によって伸縮するものであることを特徴とする請求項1記載の定流量弁。
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