JP4134574B2 - 感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板の製造方法として、銅張り積層板におけるスルーホールをレジストで保護し、エッチング、レジストはく離を経て、電気回路形成を行う、テンテイング法が知られている。
【0003】
かかる製造方法で用いられるレジストとしては、感光性樹脂組成物や、感光性樹脂組成物をフィルム上に積層してなる感光性エレメントが一般的である。また、未硬化部の現像は、アルカリ性水溶液を用いるアルカリ現像型が主流となっている。したがって、使用する感光性樹脂組成物及び感光性エレメントは、現像液や水洗のスプレー圧によって破れないテンテイング性、すなわちテント信頼性を有することが要求される。更に、近年のプリント配線板の高密度化に伴い、パターン形成された感光性樹脂組成物は、銅基板との接触面積が小さくなるため、現像、エッチング又はめっき処理工程で優れた密着性が要求され、解像度及び耐薬品性も必要とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、既存の感光性樹脂組成物や感光性エレメントは、テント信頼性が充分でないという問題があった。また、プリント配線板の製造に用いられる銅張り積層板等の回路形成用基板に対する密着性が不足しているとの問題もあった。
【0005】
本発明は、係る従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、プリント配線板の製造等に用いられる感光性樹脂組成物であって、回路形成用基板上のスルーホールを覆う被覆部分(テント部分)を形成させて硬化させた場合に、硬化後のテント部分の強度(テント強度)が充分に高く、更に、硬化後の回路形成用基板との密着性にも優れた感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、かかる感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、1のシクロアルキレン基と、1種又は2種以上のポリオキシアルキレン(炭素数は2〜6)骨格と、2の(メタ)アクリロイル基を備えた化合物を必須成分として含有する感光性樹脂組成物により、上記目的が達成可能であることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明の感光性樹脂組成物は、(A)バインダーポリマーと、(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、を含有する感光性樹脂組成物であって、(B)成分として、下記一般式(I)で表される化合物及び/又は下記一般式(II)で表される化合物を含むことを特徴とするものである。
【化4】
【化5】
[式中、R1及びR11は各々独立にシクロアルキレン基又は置換シクロアルキレン基を示し、R2、R3、R12及びR13は各々独立に水素原子又はメチル基を示し、A、B及びXは各々独立に炭素数2〜6のアルキレン基を示し、n、m及びlは各々独立に1〜30の整数を示す。]
【0008】
本発明の感光性樹脂組成物は上記構成を有するために、それを用いて基板上のスルーホールを覆う被覆部分(テント部分)を形成させて硬化させた場合における、硬化後のテント部分の強度(テント強度)が充分に高くなるとともに、基板との硬化後の密着性にも優れるようになる。
【0009】
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)成分として更にビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましく、また、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物が、下記一般式(III)で表される化合物を含むことが好ましい。
【化6】
[式中、R21及びR22は各々独立に水素原子又はメチル基を示し、Y及びZは各々独立に炭素数2〜6のアルキレン基を示し、p及びqはp+q=4〜40となるように選ばれる正の整数を示す。]
【0010】
上記構成を有することにより、本発明の感光性樹脂組成物はテント強度及び密着性が優れるのみならず、解像度、はく離性及び耐薬品性にも優れるようになる。
【0011】
本発明の感光性樹脂組成物における(A)成分は、カルボキシル基を有するバインダーポリマーであることが好ましい。係る構成により、テント強度及び密着性に加えて、アルカリ現像性も向上する。
【0012】
本発明の感光性樹脂組成物は、(C)成分として、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含むことが好ましい。係る構成により、本発明の感光性樹脂組成物はテント強度及び密着性が優れるのみならず、光感度及び解像度にも優れるようになる。
【0013】
本発明は、また、(1)支持体と、該支持体上に形成された上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備えることを特徴とする感光性エレメント、(2)回路形成用基板上に、当該感光性エレメントにおける前記感光性樹脂組成物層を積層し、該感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成せしめ、次いで、該露光部以外の部分を除去することを特徴とするレジストパターンの形成方法、並びに(3)当該レジストパターンの形成方法により、レジストパターンの形成された回路形成用基板をエッチング又はめっきすることを特徴とするプリント配線板の製造方法、を提供するものである。
【0014】
上記感光性エレメントは、本発明の感光性樹脂組成物からなる層を備えたものであるため、テント強度及び密着性の優れた被膜を基板上に容易に形成することができるようになる。したがって、上記レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法は、作業性及び生産性が優れたものとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。
【0016】
(感光性樹脂組成物)
本発明の感光性樹脂組成物に含まれる(A)バインダーポリマー(以下「(A)成分」ともいう。)としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性の見地からは、アクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
(A)成分は、重合性単量体を重合(ラジカル重合等)させることにより製造することができる。重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン等の重合可能なスチレン誘導体、アクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0018】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、これらの構造異性体等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】
(A)成分は、アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を含有するポリマーであることが好ましく、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体を重合(ラジカル重合等)させることにより製造することができる。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、アクリル酸又はメタクリル酸が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。すなわち、(A)成分は、(メタ)アクリル酸を単量体単位として含むポリマーであることが好適であり、可とう性の見地からは、スチレン及び/又はスチレン誘導体を重合性単量体として含有させることが好ましい。なお、本発明において、スチレン誘導体とはスチレンにおける水素原子が置換基(アルキル基等の有機基やハロゲン原子等)で置換されたものをいう。
【0020】
密着性及び剥離特性を共に良好にするためには、重合性単量体の全重量を基準とするスチレン及び/又はスチレン誘導体の含有比率を3〜30重量%とすることが好ましく、4〜28重量%とすることがより好ましく、5〜27重量%とすることが特に好ましい。含有量が3重量%未満では密着性が劣る傾向があり、30重量%を超えると剥離片が大きくなり、剥離時間が長くなる傾向がある。
【0021】
(A)成分の酸価は、50〜250mgKOH/gであることが好ましく、60〜150mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が50mgKOH/g未満では現像時間が長くなる傾向があり、250mgKOH/gを超えると光硬化した感光性樹脂組成物の耐現像液性が低下する傾向がある。また、現像工程として溶剤現像を行う場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体を少量に調製することが好ましい。
【0022】
(A)成分の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算)は、20,000〜300,000であることが好ましく、25,000〜150,000であることがより好ましい。この重量平均分子量が、20,000未満では耐現像液性が低下する傾向があり、300,000を越えると現像時間が長くなる傾向がある。なお、必要に応じて(A)成分は感光性基を有していてもよい。
【0023】
(A)成分は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。2種類以上を組み合わせて使用する方法としては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマーを組み合わせる方法、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマーを組み合わせる方法、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーを組み合わせる方法などが挙げられる。また、特開平11−327137号公報記載のマルチモード分子量分布を有するポリマーを使用することもできる。
【0024】
次に、本発明の感光性樹脂組成物に含まれる(B)エチレン性不飽和基を少なくとも1つ含有する光重合性不飽和化合物(以下「(B)成分」ともいう。)について説明する。
【0025】
(B)成分は、上記一般式(I)で表される化合物(以下、「化合物I」という。)及び/又は一般式(II)で表される化合物(以下、「化合物II」という。)を必須成分として含有している。化合物I及び化合物IIにおいて、A、B及びXは各々独立に2〜6のアルキレン基であるが、少なくともエチレン基を含有することが好ましく、エチレン基又はプロピレン基であることがより好ましい。また、R2及びR3、R12及びR13はそれぞれ同一の基であることが好ましく、いずれもメチル基であることがより好ましい。
【0026】
化合物I及び化合物II中、m、n及びlは各々独立に1〜30の整数である。化合物Iにおけるm及びnは、合計(m+n)で4〜30であることが好ましく、化合物IIにおけるlは4〜30であることが好ましい。そして、m+n又はlは、8〜20であることがより好ましく、10〜15であることが特に好ましい。m+n又はlが4未満では、硬化物の柔軟性が不充分となる傾向があり、30を超えると架橋密度が低下し、密着性および解像度が低下する傾向がある。
【0027】
化合物I及び化合物IIにおける、R1及びR11は各々独立にシクロアルキレン基又は置換シクロアルキレン基であるが、シクロアルキレン基の炭素数は3〜8が好ましく6がより好ましい。すなわち、シクロアルキレン基はシクロヘキシレン基(−C6H10−)が好ましく、シクロヘキシレン基としては1,4−シクロヘキシレン基がより好ましい。置換シクロアルキレン基は上記好適なシクロアルキレン基に置換基を有したものであることが好ましい。
【0028】
置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、フェナシル基、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、アリル基、水酸基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のN−アルキルカルバモイル基又は複素環を含む基、これらの置換基で置換されたアリール基等が挙げられる。上記置換基は、縮合環を形成していてもよい。また、これらの置換基中の水素原子がハロゲン原子等の上記置換基などに置換されていてもよい。また、置換基の数がそれぞれ2以上の場合、2以上の置換基は各々同一でも相違していてもよい。
【0029】
また、化合物I及び化合物II中のシクロヘキサン環中の炭素が他の原子に置換されていてもよい。例えば、炭素原子を置換する原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
【0030】
化合物Iとしては、例えば、Aがイソプロピレン基、Bがエチレン基、m=3、n=5の化合物、Aがイソプロピレン基、Bがエチレン基、m=5、n=5の化合物、Aがイソプロピレン基、Bがエチレン基、m=5、n=3の化合物が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0031】
化合物IIとしては、例えば、Xがエチレン基、l=2の化合物(日立化成工業(株)製、サンプル名:CHDM−4EO−DM)、Xがエチレン基、l=4の化合物(日立化成工業(株)製、サンプル名:CHDM−8EO−DM)、Xがイソプロピレン基、l=5の化合物が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0032】
(B)成分は、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。ここで、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物とはビスフェノールA残基(例えば、−O−C6H4−C(CH3)2−C6H4−O−)と(メタ)アクリル酸残基(例えば、(メタ)アクリロイル基)とを有する化合物をいう。
【0033】
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、上記一般式(III)で表される化合物(以下、「化合物III」という。)が好ましい。化合物IIIにおける、R21及びR22は同一の基であることが好ましく、いずれもメチル基であることがより好ましい。
【0034】
化合物IIIにおける、Y及びZは各々独立に炭素数2〜6のアルキレン基を示し、エチレン基又はプロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることが好ましい。そして、p及びqはp+q=4〜40となるように選ばれる正の整数であるが、p+qは6〜34であることが好ましく、8〜30であることがより好ましく、8〜28であることが更に好ましく、8〜20であることが更に好ましく、8〜16であることが特に好ましく、8〜12であることが極めて好ましい。p+qが4未満では、(A)成分との相溶性が低下し、回路形成用基板に感光性エレメントをラミネートした際にはがれやすくなる傾向があり、p+qが40を超えると親水性が増加し、現像時にレジスト像がはがれやすく、半田めっき等に対する耐めっき性も低下する傾向がある。
【0035】
本発明においては、化合物IIIに代えて又は化合物IIIと共に、化合物IIIにおける芳香環に置換基を有する化合物を使用することができる。係る置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、フェナシル基、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、アリル基、水酸基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のN−アルキルカルバモイル基又は複素環を含む基、これらの置換基で置換されたアリール基等が挙げられる。上記置換基は、縮合環を形成していてもよい。また、これらの置換基中の水素原子がハロゲン原子等の上記置換基などに置換されていてもよい。また、置換基の数がそれぞれ2以上の場合、2以上の置換基は各々同一でも相違していてもよい。
【0036】
化合物IIIとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
【0037】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)は、BPE−1300(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0038】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0039】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0040】
(B)成分は、化合物I、化合物II及び化合物III以外の、光重合性化合物を含有していてもよい。係る光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、EO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、分子内に1つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物を併用することが好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0041】
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0042】
次に、(C)成分である光重合開始剤(以下「(C)成分」ともいう。)について説明する。(C)成分としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)等のN,N′−テトラアルキル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などが挙げられる。なお、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対象な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、密着性及び感度の見地からは、(C)成分としては2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を必須成分として含むことがより好ましい。上記例示した(C)成分は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0043】
本発明においては、(C)成分の配合量が、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して0.1〜20重量部(好ましくは、0.2〜10重量部)であり、(A)成分と(B)成分の合計100重量部における(A)成分の配合量が40〜80重量部(好ましくは、45〜70重量部)であることが好ましい。なお、(A)成分と(B)成分の合計100重量部における(B)成分の配合量は(A)の配合量を除いた量であるから、好適な配合量は20〜60重量部(好ましくは、30〜55重量部)となる。(A)、(B)及び(C)成分の含有量が上記範囲である場合は、感光性樹脂組成物は優れたテント強度及び密着性が発揮するのみならず、高い光感度及び解像度を示すようになる。
【0044】
(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対する(C)成分の配合量が0.1重量部未満では光感度が不充分となる傾向があり、20重量部を超えると露光の際に組成物の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不充分となる傾向がある。また、(A)成分と(B)成分の合計100重量部における(A)成分の配合量が40重量部未満では光硬化物が脆くなり易く、感光性エレメントとして用いた場合に、塗膜性が劣る傾向があり、80重量部を超えると光感度が不充分となる傾向がある。
【0045】
感光性樹脂組成物には、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物(オキセタン化合物等)、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して各々0.01〜20重量部程度含有することができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0046】
上述した本発明の感光性樹脂組成物は、金属面、例えば、銅、銅系合金、ニッケル、クロム、鉄、ステンレス等の鉄系合金、好ましくは銅、銅系合金、鉄系合金の表面上に、液状レジストとして塗布して乾燥後、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いるか、以下に述べる感光性エレメントの形態で用いることが好ましい。
【0047】
(感光性エレメント)
本発明の感光性エレメントは、支持体と、該支持体上に形成された上記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備えるものであり、感光性樹脂組成物層上には、該感光性樹脂組成物層を被覆する保護フィルムを更に備えていてもよい。
【0048】
感光性樹脂組成物層は、本発明の感光性樹脂組成物を上述した溶剤(又は混合溶剤)に溶解して固形分30〜60重量%程度の溶液とした後に、かかる溶液を支持体上に塗布して形成することが好ましい。感光性樹脂組成物層の厚さは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましい。この厚さが1μm未満では工業的に塗工困難となる傾向があり、100μmを超えると接着力、解像度が低下する傾向がある。
【0049】
感光エレメントにおける支持体は、厚さが5〜25μmであることが好ましい。厚さが5μm未満では現像前の支持体はく離の際に、支持体が破れやすくなる傾向があり、25μmを超えると解像度が低下する傾向がある。支持体は、またポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムからなることが好ましい。
【0050】
感光エレメントに使用される保護フィルムは、厚さが1〜100μmであることが好ましい。厚さが1μm未満ではラミネートの際、保護フィルムが破れやすくなる傾向があり、100μmを超えると廉価性に劣る傾向がある。保護フィルムは、感光性樹脂組成物層との接着力が、感光性樹脂組成物層と支持体との接着力よりも小さいものであることが好ましく、低フィッシュアイのフィルムが好ましい。
【0051】
本発明の感光性エレメントは、例えば、シート状、又は保護フィルムを介在させた上で巻芯にロール状に巻きとって保管することができる。そしてロール状に巻き取った感光性エレメントの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法として、透湿性の低いブラックシートに包んで包装することが好ましい。
【0052】
(レジストパターンの形成方法)
本発明のレジストパターンの形成方法は、回路形成用基板上に、上記感光性エレメントにおける感光性樹脂組成物層を積層し、該感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成せしめ、次いで、該露光部以外の部分を除去するものである。なお、回路形成用基板とは、絶縁層と絶縁層上に形成された導体層(銅、銅系合金、ニッケル、クロム、鉄、ステンレス等の鉄系合金、好ましくは銅、銅系合金、鉄系合金からなる)とを備えた基板をいう。
【0053】
積層方法としては、感光性エレメントが保護フィルムを有している場合には、当該フィルムを除去後、感光性樹脂組成物層を加熱しながら回路形成用基板に圧着することにより積層する方法などが挙げられ、密着性及び追従性の見地から減圧下で積層することが好ましい。積層される表面は、通常、回路形成用基板の導体層の面であるが、かかる面以外の面であってもよい。感光性樹脂組成物層の加熱温度は70〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm2程度)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。また、感光性樹脂組成物層を上記のように70〜130℃に加熱すれば、予め回路形成用基板を予熱処理することは必要ではないが、積層性をさらに向上させるためには、回路形成用基板の予熱処理を行うこともできる。
【0054】
このようにして積層が完了した後、感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成せしめる。露光部を形成せしめる方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射する方法が挙げられる。この際、感光性樹脂組成物層上に存在する支持体が活性光線に対して透明の場合には、支持体を通して活性光線を照射することができ、支持体が活性光線に対して不透明の場合には、支持体を除去した後に感光性樹脂組成物層に活性光線を照射する。
【0055】
活性光線の光源としては、例えば、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものが用いられる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。
【0056】
次いで、露光後、感光性樹脂組成物層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去した後、ウエット現像、ドライ現像等で露光部以外の部分を除去して現像し、レジストパターンを形成させる。ウエット現像の場合は、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤系現像液等の感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。
【0057】
現像液としては、アルカリ性水溶液等の安全かつ安定であり、操作性が良好なものが用いられる。アルカリ性水溶液としては、0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましい。また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
【0058】
本発明においては、必要に応じて、上述した現像方法の2種以上を併用してもよい。現像の方式には、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等があり、高圧スプレー方式が解像度向上のためには最も適している。
【0059】
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10mJ/cm2程度の露光を行うことによりレジストパターンをさらに硬化して用いてもよい。
【0060】
以上により、レジストパターンが形成されるが、本発明のレジストパターンの形成方法においては、上述した本発明の感光性エレメントを用いるために、狭小のパターン形成も良好に行うことが可能になる。
【0061】
(プリント配線板の製造方法)
本発明のプリント配線板の製造方法は、上記本発明のレジストパターンの形成方法により、レジストパターンの形成された回路形成用基板をエッチング又はめっきするものである。
【0062】
回路形成用基板のエッチング及びめっきは、形成されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の導体層等に対して行われる。エッチングに用いられるエッチング液としては、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液が挙げられ、これらの中では、エッチファクタが良好な点から塩化第二鉄溶液を用いることが好ましい。また、めっきを行う場合のメッキ方法としては、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき、ハイスローはんだめっき等のはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケルめっき等のニッケルめっき、ハード金めっき、ソフト金めっき等の金めっきなどが挙げられる。なお、本発明においては、硫酸銅めっき等で形成された銅パターンの保護のために、はんだめっきを更に行ってもよい。
【0063】
エッチング又はめっき終了後、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられ、浸漬方式及びスプレー方式を単独で使用してもよいし、併用してもよい。
【0064】
以上によりプリント配線板が得られるが、本発明のプリント配線板の製造方法においては、上述した本発明の感光性エレメントを用いるために、パターン間隔を狭小にした場合であっても密着性が高い。また、テント強度が高いために現像液や水洗のスプレー圧によって、テント部分が破れ難い。
【0065】
上記本発明のプリント配線板の製造方法は、単層のプリント配線板の製造のみならず、多層プリント配線板の製造にも適用可能である。また、本発明のプリント配線板の製造方法は上記効果を奏することから、得られるプリント配線板は、高密度化が要求される分野において好適に用いることができる。
【0066】
【実施例】
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって制限されるものではない。
(実施例1〜3及び比較例1〜3)
【0067】
表1に示す材料を配合し、溶液を得た。
【表1】
【0068】
得られた溶液に、表2に示す(B)成分を溶解させて、感光性樹脂組成物の溶液を得た。なお、表2における数値の単位はグラム(g)である。
【表2】
【0069】
次いで、得られた感光性樹脂組成物の溶液を、支持体である16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名G2−16、帝人(株)製)上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥した後、保護フィルムであるポリエチレン(商品名:NF−15,タマポリ(株)製)で被覆し感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、25μmであった。
【0070】
一方、銅箔(厚み35μm)を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張り積層板(日立化成工業(株)製、商品名MCL−E−61)の銅表面を、#600相当のブラシを持つ研磨機(三啓(株)製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥し、得られた銅張り積層板を80℃に加温し、その銅表面上に前記感光性樹脂組成物層を、保護フィルムを剥がしながら110℃のヒートロールを用い1.5m/分の速度でラミネートした。
【0071】
露光は、高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク(株)製)EXM−1201を用いて、140mJ/cm2の照射により実施した。これは、ストーファー21段ステップタブレットの現像後残存ステップ段数が4.0となるエネルギー量に相当する。現像は、ポリエチレンテフタレートフィルムをはく離し、30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液を60秒間スプレーすることにより行った。
【0072】
上記方法により得られた、硬化後の感光性樹脂組成物層を備えた回路形成用基板を用いて、以下の方法によりクロスカット性(密着性)を評価し、更に、テント強度およびテント伸びを評価した。
【0073】
(クロスカット性)
上記方法により得られた、硬化後の感光性樹脂組成物層を備えた回路形成用基板における感光性樹脂組成物層に対して、クロスカット試験(JIS−K−5400)を行い密着性を評価した。なお、クロスカット試験とは、硬化後の感光性樹脂組成物層を備えた回路形成用基板の中央に、カッターガイドを用いて、直交する縦横11本ずつの平行線を1mmの間隔で引き、1cm2の中に100個の正方形ができるように碁盤目状の切り傷をつけ、傷の状態を評価する試験である。なお、切り傷は、カッターナイフの刃先を感光性樹脂組成物層に対して35〜45度の範囲で一定の角度に保ち、感光性樹脂組成物層を貫通して回路形成用基板に届くように、切り傷1本について0.5秒かけて等速に引いた。そして、以下表3に示す基準に基づいてクロスカット性を評価した。
【表3】
【0074】
(テント強度及びテント伸び)
直径6mmの穴を100個あけた、1.6mm厚の銅張り積層板の両面に、上記と同様にして感光性エレメントにおける感光性樹脂組成物層をラミネートし、上記と同様の条件で両面の露光及び現像を行った。そして、直径1.5mmの挿入径の円柱を用いてレオメーター(FUDOH社製)によりテント部分の感光性樹脂組成物層の破断強度と伸びを測定した。なお、テント強度が強く、伸びが大きいものほど機械強度に優れる。
【0075】
クロスカット性、テント強度及びテント伸びを以下の表4に示す。
【表4】
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プリント配線板の製造等に用いられる感光性樹脂組成物であって、回路形成用基板上のスルーホールを覆う被覆部分(テント部分)を形成させて硬化させた場合に、硬化後のテント部分の強度(テント強度)が充分に高く、更に、硬化後の回路形成用基板との密着性にも優れた感光性樹脂組成物を提供することが可能になる。また、かかる感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することが可能になる。
Claims (7)
- (A)バインダーポリマーと、(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、を含有する感光性樹脂組成物であって、
(B)成分として、下記一般式(I)で表される化合物及び/又は下記一般式(II)で表される化合物を含み、更にビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
- (A)成分は、カルボキシル基を有するバインダーポリマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- (C)成分として、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備えることを特徴とする感光性エレメント。
- 回路形成用基板上に、請求項5記載の感光性エレメントにおける前記感光性樹脂組成物層を積層し、該感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成せしめ、次いで、該露光部以外の部分を除去することを特徴とするレジストパターンの形成方法。
- 請求項6記載のレジストパターンの形成方法により、レジストパターンの形成された回路形成用基板をエッチング又はめっきすることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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