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JP4132548B2 - 平版印刷版原版 - Google Patents

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JP4132548B2 JP2000055772A JP2000055772A JP4132548B2 JP 4132548 B2 JP4132548 B2 JP 4132548B2 JP 2000055772 A JP2000055772 A JP 2000055772A JP 2000055772 A JP2000055772 A JP 2000055772A JP 4132548 B2 JP4132548 B2 JP 4132548B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は赤外線レーザで書き込み可能な平版印刷版原版に関し、詳しくは、高感度なネガ型の記録層を有する平版印刷版原版に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年におけるレーザーの発展は目ざましく、特に、近赤外線から赤外線領域に発光領域を持つ個体レーザーや半導体レーザーでは、高出力・小型化が進んでいる。したがって、コンピュータ等のディジタルデータから直接製版する際の露光光源として、これらのレーザーは非常に有用である。
前述の赤外線領域に発光領域を持つ赤外線レーザーを露光光源として使用する、赤外線レーザ用ネガ型平版印刷版材料は、赤外線吸収剤と、光又は熱によりラジカルを発生する重合開始剤と、重合性化合物とを含む感光層を有する平版印刷版材料である。
【0003】
通常、このようなネガ型の画像記録材料は、光又は熱により発生したラジカルを開始剤として重合反応を生起させ、露光部の記録層を硬化させて画像部を形成する記録方式を利用している。このようなネガ型の画像形成材料は、赤外線レーザ照射のエネルギーにより記録層の可溶化を起こさせるポジ型に比較して画像形成性が低く、重合による硬化反応を促進させて強固な画像部を形成するため、現像工程前に加熱処理を行うのが一般的である。
このような光又は熱による重合系の記録層を有する印刷版としては、特開平8−108621号公報に記載されるような光重合性或いは熱重合性組成物を感光層として用いる技術が知られている。しかしながら、このような画像記録材料を用いて平版印刷版を作成する際には、同公報にも記載のように、プレヒートや画像安定のための後加熱処理を行わなければ高感度で安定した画像が得られないという問題があった。これは、記録用の赤外線レーザによるエネルギーが全て重合開始剤の分解に用いられず、その分解効率が低いことに起因するものと考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は赤外線レーザで記録可能であり、高感度なネガ型の画像記録層を有する平版印刷版原版を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意検討の結果、ネガ型画像記録材料の残留溶剤について着目し、記録層中に残留溶剤が多く存在すると、赤外線レーザによる熱エネルギーが溶剤の気化に使用され、重合開始剤の分解効率が低下するとの知見を得、この残留溶剤の量を制御することにより感度の向上が達成できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の平版印刷版原版は、ヒートモード対応の平版印刷版原版であって、陽極酸化処理後に、さらに親水化処理された支持体上に、I)赤外線吸収剤、II)オニウム塩型重合開始剤(アジニウム化合物を除く)、 III 重合性の不飽和基を有する化合物、およびIV)水不溶で且つアルカリ水溶液に可溶性のバインダーを、溶剤に溶解或いは分散させた感光層塗布液を、塗布、乾燥して得られ、赤外線レーザーで記録可能な感光層を設けてなり、該感光層中の残留溶剤が感光層の重量の5%以下であることを特徴とする。
【0006】
なお、本発明において「ヒートモード対応」とは、ヒートモード露光による記録が可能であることを意味する。本発明におけるヒートモード露光の定義について詳述する。Hans−Joachim Timpe,IS&Ts NIP 15:1999 International Conference on Digital Printing Technologies.P.209に記載されているように、感光体材料において光吸収物質(例えば色素)を光励起させ、化学的或いは物理的変化を経て、画像を形成するその光吸収物質の光励起から化学的或いは物理的変化までのプロセスには大きく分けて二つのモードが存在することが知られている。1つは光励起された光吸収物質が感光材料中の他の反応物質と何らかの光化学的相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動)をすることで失活し、その結果として活性化した反応物質が上述の画像形成に必要な化学的或いは物理変化を引き起こすいわゆるフォトンモードであり、もう1つは光励起された光吸収物質が熱を発生し失活し、その熱を利用して反応物質が上述の画像形成に必要な化学的或いは物理変化を引き起こすいわゆるヒートモードである。その他、物質が局所的に集まった光のエネルギーにより爆発的に飛び散るアブレーションや1分子が多数の光子を一度に吸収する多光子吸収など特殊なモードもあるがここでは省略する。
【0007】
上述の各モードを利用した露光プロセスをフォントモード露光及びヒートモード露光と呼ぶ。フォントモード露光とヒートモード露光の技術的な違いは目的とする反応のエネルギー量に対し露光する数個の光子のエネルギー量を加算して使用できるかどうかである。例えばn個の光子を用いて、ある反応を起こすことを考える。フォントモード露光では光化学的相互作用を利用しているため、量子のエネルギー及び運動量保存則の要請により1光子のエネルギーを足し併せて使用することができない。つまり、何らかの反応を起こすためには「1光子のエネルギー量≧反応のエネルギー量」の関係が必要である。一方、ヒートモード露光では光励起後に熱を発生し、光エネルギーを熱に変換し利用するためエネルギー量の足し併せが可能となる。そのため、「n個の光子のエネルギー量≧反応のエネルギー量」の関係があれが十分となる。但し、このエネルギー量加算には熱拡散による制約を受ける。即ち、今注目している露光部分(反応点)から熱拡散により熱が逃げるまでに次の光励起−失活過程が起こり熱が発生すれば、熱は確実に蓄積加算し、その部分の温度上昇につながる。しかし、次の熱の発生が遅い場合には熱が逃げて蓄積されない。つまり、ヒートモード露光では同じ全露光エネルギー量であっても高エネルギー量の光を短い時間照射した場合と低エネルギー量の光を長い時間照射した場合とでは結果が異なり、短時間の方が熱の蓄積に有利になる。
無論、フォントモード露光では後続反応種の拡散の影響で似た様な現象が起こる場合もあるが基本的には、このようなことは起こらない。
【0008】
即ち、感光材料の特性として見た場合、フォントモードでは露光パワー密度(w/cm2)(=単位時間当たりのエネルギー密度)に対し感光材料の固有感度(画像形成に必要な反応のためのエネルギー量)は一定となるが、ヒートモードでは露光パワー密度に対し感光材料の固有感度が上昇することになる。従って、実際に画像記録材料として実用上、必要な生産性を維持できる程度の露光時間を固定すると、各モードを比較した場合、フォントモード露光では通常は約0.1mJ/cm2程度の高感度化が達成できるもののどんな少ない露光量でも反応が起こるため、未露光部での低露光カブリの問題が生じ易い。これに対し、ヒートモード露光ではある一定以上の露光量でないと反応が起こらず、また感光材料の熱安定性との関係から通常は50mJ/cm2程度が必要となるが、低露光カブリの問題が回避される。
そして、事実上ヒートモード露光では感光材料の版面での露光パワー密度が5000w/cm2以上が必要であり、好ましくは10000w/cm2以上が必要となる。但し、ここでは詳しく述べなかったが5.0×105/cm2以上の高パワー密度レーザーを利用するとアブレーションが起こり、光源を汚す等の問題から好ましくない。
【0009】
本発明によれば、感光層中の残留溶剤を所定量に抑制したため、赤外線レーザーの露光により、赤外線吸収剤が光を熱に変換し、その熱により酸発生剤、ラジカル発生剤などの重合開始剤が分解して開始種を発生させる際に、この熱が溶剤の気化に用いられることなく、効率よく重合開始剤の分解に用いられ、感度が向上するものと考えられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の平版印刷版原版の感光層は、I)赤外線吸収剤、II)オニウム塩型重合開始剤(アジニウム化合物を除く)、III)重合性の不飽和基を有する化合物、IV)水不溶で且つアルカリ水溶液に可溶性のバインダーを含有するが、感光層を形成する場合、これらの成分を溶媒に溶解或いは分散させて得られた感光層塗布液を支持体上に塗布し、乾燥させるものであるが、層形成後の感光層の残留溶剤が感光層全重量の5%以下とすることを要する。
残留溶剤の感光層中における含有量は4%以下であることが好ましく、更に好ましくは3%以下である。
通常、前記先行技術に記載されるような赤外線レーザ書き込み可能なネガ型の感光層では、残留溶剤が7%〜12%程度であるが、本発明では、例えば、感光層塗布液を調整する際に用いる溶媒として低沸点溶剤を用いる方法、或いは、感光層塗布後の乾燥条件を制御する方法などにより、残留溶剤を前記の範囲とするものである。
本発明の平版印刷版原版の感光層は、I)赤外線吸収剤、II)オニウム塩型重合開始剤(アジニウム化合物を除く)、III)重合性の不飽和基を有する化合物、IV)水不溶で且つアルカリ水溶液に可溶性のバインダー及びその他の任意成分を適当な塗布溶剤に溶解又は分散させて調製した感光層塗布液を、親水化処理された支持体上に塗布、乾燥して得られる。
【0011】
本発明の感光層塗布液に使用される溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、
【0012】
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N―ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ―ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤は、単独あるいは混合して使用することができる。
【0013】
これらのなかでも、感光層中の残留溶剤を少なくするという観点から、溶剤の沸点が140℃以下のものが好ましく、更に好ましくは130℃以下のものである。なお、2種以上の溶剤を混合して用いる際にも、それぞれの溶剤の沸点が140℃以下であるもの同志の組み合わせを選択することが好ましい。
このような低沸点溶剤としては、メタノール(沸点:65.0℃)、エタノール(沸点:78.5℃)、1−メトキシ−2−プロパノール(沸点:118℃)、メチルエチルケトン(沸点:80℃)、アセトニトリル(沸点:81.6℃)、テトラヒドロフラン(沸点:66.0℃)、2−メトキシエタノール(沸点:124.6℃)、1−プロパノール(沸点:97.2℃)、2−プロパノール(沸点:82.2℃)、3−ペンタノン(沸点:86℃)等が挙げられ、いずれも本発明に好適に用いられる。さらに、赤外線吸収剤等の色素、開始剤の溶解性の観点からアルコール系の溶剤を少なくとも1種含有することが好ましい。
感光層塗布液中の固形分の濃度は、2〜50重量%が適当である。
【0014】
感光層塗布液を支持体上に塗布する方法には特に制限はなく、従来公知の方法を適宜選択して実施することができる。例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン塗布等が可能である。
前記感光層の塗布量は、主に、感光層の感度、現像性、露光膜の強度・耐刷性に影響しうるもので、用途に応じ適宜選択することが望ましい。被覆量が少なすぎる場合には、耐刷性が十分でなくなる。一方多すぎる場合には、感度が下がり、露光に時間がかかる上、現像処理にもより長い時間を要するため好ましくない。本発明の主要な目的である走査露光用平版印刷版としては、その被覆量は乾燥後の重量で0.5〜5.0g/cm2の範囲で適用され、好ましくは0.5〜3.0g/cm2であり、さらに好ましくは0.6〜2.0g/cm2の範囲である。
【0015】
感光層塗布後の乾燥温度は80℃以上200℃未満であることが好ましく、好ましくは85℃以上180℃未満であり、更に好ましくは90℃以上160℃未満である。また、乾燥時間は20秒以上、5分未満、好ましくは25秒以上4分未満である。更に好ましくは、30秒以上3分未満である。
塗布温度が80℃未満であったり、乾燥時間が20秒未満であると、残留溶剤が大量に残ってしまい感度が低下する恐れがある。また塗布温度が200℃以上であったり、乾燥時間が5分以上であると感光層中の組成物が変化してしまい感度低下を引き起こしてしまう。
さらに好ましい態様としては、塗布後の乾燥工程を2回以上行うことである。即ち、1回目の乾燥工程における乾燥条件としては、90℃以上140℃以下の温度条件で10秒以上120秒以下であることが好ましく、さらにこの1回目の乾燥工程の後、さらに乾燥工程に付するものであるが、2回目以降の好ましい乾燥条件としては、50℃以上100℃以下の温度条件で、30秒以上、又は、30mmHg以下の減圧乾燥を行う態様が挙げられる。
【0016】
感光層塗布液の成分や調製に用いた溶剤の種類に係わらず、この乾燥工程において十分に残留溶剤を除去することで本発明の範囲とすることができる。このとき、乾燥温度は、使用する熱重合開始剤や重合性の不飽和基を有する化合物の不安定化をまねかない温度を上限とするため、あまり高く設定することは好ましくなく、溶剤量の調整には、乾燥時間を調整して充分な乾燥を行う手段をとることが好ましい。
このように乾燥工程における条件の制御により、塗布液の調製に溶剤の沸点が比較的高いものを用いた場合であっても、残留溶剤を所定の範囲とすることができる。乾燥工程における温度条件は、ヒーターを用いる場合、その温度、非接触型のヒーターと感光層との距離を調整すること、温風乾燥の場合には、温風の温度、風量を調整することで制御できる。また、乾燥時間は、乾燥炉の場合、炉内に滞留する時間、搬送しながらの連続乾燥の場合には、搬送速度を調整することで制御できる。
残留溶剤の含有量は、感光層塗布液の塗布、乾燥後の塗布量と、減圧下で加熱減圧乾燥し、完全に溶剤を除去した後の塗布量を測定することで検知できる。
【0017】
以下に、感光層の他の成分について説明する。感光層を構成する組成物は、I)赤外線吸収剤、II)オニウム塩型重合開始剤(アジニウム化合物を除く)、III)重合性の不飽和基を有する化合物、及び、 IV 水不溶性且つアルカリ水溶液可溶性のバインダーを含有する熱(光)重合性組成物である。
本発明に用いることのできる熱重合性組成物としては、例えば、特開平8−108621号、特開平9−34110号、特開平7−306528号の各公報に記載されるような感光、感熱性画像記録層を構成する組成物が挙げられる。
【0018】
I)赤外線吸収剤
本発明において、感光層に含まれる赤外線吸収剤は、赤外線レーザの照射により熱を発生する光熱変換機能を有する物質である。本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760nmから1200nmに吸収極大を有する染料又は顔料であることが好ましい。
【0019】
染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
【0020】
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0021】
また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。
【0022】
また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
【0023】
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。さらに、シアニン色素が好ましく、特に下記一般式(I)で示されるシアニン色素が最も好ましい。
【0024】
【化1】
Figure 0004132548
【0025】
一般式(I)中、X1は、ハロゲン原子、またはX2−L1を示す。ここで、X2は酸素原子または、硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。感光層塗布液の保存安定性から、R1およびR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、さらに、R1とR2とは互いに結合し、5員環または6員環を形成していることが特に好ましい。
【0026】
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環およびナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、硫黄原子または炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7およびR8は、それぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子または炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Z1-は、対アニオンを示す。ただし、R1〜R8のいずれかにスルホ基が置換されている場合は、Z1-は必要ない。好ましいZ1-は、感光層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。
【0027】
本発明において、好適に用いることのできる一般式(I)で示されるシアニン色素の具体例としては、特願平11−310623号明細書の段落番号[0017]〜[0019]に記載されたものを挙げることができる。
【0028】
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
【0029】
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
【0030】
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0031】
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満のときは分散物の画像感光層塗布液中での安定性の点で好ましくなく、また、10μmを越えると画像感光層の均一性の点で好ましくない。
【0032】
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0033】
これらの赤外線吸収剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよいが、ネガ型画像形成材料を作成した際に、感光層の波長760nm〜1200nmの範囲における吸収極大での光学濃度が、0.1〜3.0の間にあることが好ましい。この範囲をはずれた場合、感度が低くなる傾向がある。光学濃度は前記赤外線吸収剤の添加量と記録層の厚みとにより決定されるため、所定の光学濃度は両者の条件を制御することにより得られる。記録層の光学濃度は常法により測定することができる。測定方法としては、例えば、透明、或いは白色の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの記録層を形成し、透過型の光学濃度計で測定する方法、アルミニウム等の反射性の支持体上に記録層を形成し、反射濃度を測定する方法等が挙げられる。
【0034】
II)重合開始剤
重合開始剤は、前記I)赤外線吸収剤と組み合わせて用い、赤外線レーザを照射した際に赤外線吸収剤が発生した熱エネルギーによりラジカルを発生し、III)重合性の不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進させる化合物を指す。なお、本発明において、重合開始剤とは、前記熱エネルギーにより分解し、ラジカルなどの重合開始成分を生成するもののみならず、赤外線レーザの光エネルギーそのものにより開始剤として機能するもの、或いは、熱及び光の双方のエネルギーにより重合開始剤として機能するものを包含する。具体的には、オニウム塩型重合開始剤が高感度であり、本発明に使用できる。
本発明において重合開始剤として好適に用い得るオニウム塩について説明する。好ましいオニウム塩としては、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩が挙げられる。本発明において、これらのオニウム塩は酸発生剤ではなく、ラジカル重合の開始剤として機能する。本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記一般式(III)〜(V)で表されるオニウム塩である。
【0035】
【化2】
Figure 0004132548
【0036】
式(III)中、Ar11とAr12は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下のアリール基を示す。このアリール基が置換基を有する場合の好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、または炭素原子数12個以下のアリールオキシ基が挙げられる。Z11-はハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンからなる群より選択される対イオンを表し、好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。
【0037】
式(IV)中、Ar21は、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下のアリール基を示す。好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、炭素原子数12個以下のアリールオキシ基、炭素原子数12個以下のアルキルアミノ基、炭素原子数12個以下のジアルキルアミノ基、炭素原子数12個以下のアリールアミノ基または、炭素原子数12個以下のジアリールアミノ基が挙げられる。Z21-はZ11-と同義の対イオンを表す。
【0038】
式(V)中、R31、R32及びR33は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、または炭素原子数12個以下のアリールオキシ基が挙げられる。Z31-はZ11-と同義の対イオンを表す。
【0039】
本発明において、ラジカル発生剤として好適に用いることのできるオニウム塩の具体例としては、特願平11−310623号明細書の段落番号[0030]〜[0033]に記載されたものを挙げることができる。
【0040】
また、特開平9−34110号公報の段落番号[0012]〜[0050]に記載の一般式(I)〜(IV)で表されるオニウム塩、特開平8−108621公報の段落番号[0016]に記載の熱重合開始剤などの公知の重合開始剤も好ましく用いられる。
本発明において熱重合開始剤として用いられるラジカル発生剤は、極大吸収波長が400nm以下であることが好ましく、さらに360nm以下であることが好ましい。このように吸収波長を紫外線領域にすることにより、画像形成材料の取り扱いを白灯下で実施することができる。
【0041】
III)重合性の不飽和基を有する化合物
本発明に使用される重合性の不飽和基を有する化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、好ましくは、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつものを包含する。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類があげられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。
【0042】
また、イソシアナト基や、エポキシ基、等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基、等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用する事も可能である。
【0043】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー卜、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビト一ルペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
【0044】
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p―(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0045】
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
【0046】
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
【0047】
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
【0048】
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
【0049】
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものをあげる事ができる。
【0050】
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(2)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0051】
【化3】
Figure 0004132548
【0052】
一般式(2)中、RおよびR’はHあるいはCH3を示す。
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
【0053】
さらに、特開昭63−277653,特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた感光性組成物を得ることができる。
【0054】
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等もあげることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
【0055】
これらの、付加重合性化合物について、どの様な構造を用いるか、単独で使用するか併用するか、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて、任意に設定できる。例えば次のような観点から選択される。感光スピードの点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものが良く、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感光性と、強度を両方を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物や、疎水性の高い化合物は感光スピードや、膜強度に優れる反面、現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましく無い場合がある。
【0056】
また、感光性組成物中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうる事がある。また、平版印刷版用原版とする場合、後述の支持体、オーバーコート層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。感光性組成物中の付加重合性化合物の配合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多すぎる場合には、好ましくない相分離が生じたり、感光性組成物の粘着性による製造工程上の問題(例えば、感材成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、平版印刷版用原版とした場合、現像液からの析出が生じる等の問題を生じうる。これらの観点から、好ましい配合比は、多くの場合、組成物全成分に対して5〜80重量%、好ましくは25〜75重量%である。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
【0057】
IV)水不溶性且つアルカリ水溶液可溶性のバインダー
本発明の平版印刷版原版においては、感光層にさらにバインダーポリマーを使用することが好ましい。バインダーとしては線状有機高分子重合体を含有させることが好ましい。このような「線状有機高分子重合体」としては、どれを使用しても構わない。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とする水あるいは弱アルカリ水可溶性または膨潤性である線状有機高分子重合体が選択される。線状有機高分子重合体は、組成物の皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
【0058】
特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体および〔アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体は、膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
【0059】
また、特公平7−12004号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特願平10−116232号等に記載される、酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。
また、特開平11−171907記載のアミド基を有するバインダーは優れた現像性と膜強度をあわせもち、好適である。
【0060】
さらにこの他に水溶性線状有機高分子として、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)―プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。これらの線状有機高分子重合体は全組成物中に任意な量を混和させることができる。しかし90重量%を超える場合には形成される画像強度等の点で好ましい結果を与えない。好ましくは30〜85重量%である。また光重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と線状有機高分子重合体は、重量比で1/9〜7/3の範囲とするのが好ましい。
【0061】
本発明のバインダーポリマーは実質的に水に不溶でアルカリ水溶液に可溶なものが用いられる。このため、現像液として、環境上好ましくない有機溶剤を用いないかもしくは非常に少ない使用量に制限できる。このようなバインダーポリマーの酸価(ポリマー1gあたりの酸含率を化学等量数で表したもの)と分子量は画像強度と現像性の観点から適宜選択される。好ましい酸価は、0.4〜3.0meq/gであり好ましい分子量は3000から50万の範囲で、より好ましくは、酸価が0.6〜2.0分子量が1万から30万の範囲である。
【0062】
(V)その他の成分
本発明の感光性組成物には、さらにその用途、製造方法等に適したその他の成分を適宜添加することができる。以下、好ましい添加剤に関し例示する。
(V−1)共増感剤
ある種の添加剤(以後、共増感剤という)を用いることで、感度をさらに向上させる事ができる。これらの作用機構は、明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。即ち、熱重合開始剤により開始される光反応、と、それに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、カチオン)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これらは、大きくは、(a)還元されて活性ラジカルを生成しうるもの、(b)酸化されて活性ラジカルを生成しうるもの、(c)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、もしくは連鎖移動剤として作用するもの、に分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては、通説がない場合も多い。
【0063】
(a)還元されて活性ラジカルを生成する化合物
炭素−ハロゲン結合結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類等が好適に使用できる。
窒素−窒素結合を有する化合物:還元的に窒素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的にはヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使用される。
酸素一酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。
オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。
フエロセン、鉄アレーン錯体類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。
【0064】
(b)酸化されて活性ラジカルを生成する化合物
アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等があげられる。
含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成しうる。また、S−S結合を有する化合物もS−S解裂による増感が知られる。
【0065】
α−置換メチルカルボニル化合物:酸化により、カルボニル−α炭素間の結合解裂により、活性ラジカルを生成しうる。また、カルボニルをオキシムエーテルに変換したものも同様の作用を示す。具体的には、2−アルキル−1−[4−(アルキルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロノン−1類、並びに、これらと、ヒドロキシアミン類とを反応したのち、N−OHをエーテル化したオキシムエーテル類をあげる事ができる。
スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。具体的は、アリールスルフィン駿ナトリウム等をあげる事ができる。
【0066】
(c)ラジカルと反応し高活性ラジカルに変換、もしくは連鎖移動剤として作用する化合物:例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンする事によりラジカルを生成しうる。具体的には、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類等があげられる。
【0067】
これらの共増感剤のより具体的な例は、例えば、特開平9−236913号公報中に、感度向上を目的とした添加剤として、多く記載されており、それらを本発明においても適用することができる。以下にその一部を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0068】
【化4】
Figure 0004132548
【0069】
これらの共増感剤に関しても、先の増感色素と同様に、さらに特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素や界面活性剤、付加重合性不飽和化合物その他のパートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基の導入、密着性を向上させる置換基の導入、ポリマー化などの方法が利用できる。
【0070】
これらの共増感剤は、単独でまたは2種以上併用して用いることができる。使用量はエチレン性不飽和二重結合を有する化合物100重量部に対し0.05〜100重量部、好ましくは1〜80重量部、さらに好ましくは3〜50重量部の範囲が適当である。
【0071】
(V−2)重合禁止剤
また、本発明においては以上の基本成分の他に感光性組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t―ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t―ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約0.01重量%〜約5重量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、平版印刷版用原版とする場合、支持体等への塗布後の乾燥の過程でその感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5重量%〜約10重量%が好ましい。
【0072】
(V−3)着色剤等
さらに、本発明の感光性組成物を平版印刷版用原版に用いる場合、その感光層の着色を目的として染料もしくは顔料を添加してもよい。これにより、印刷版としての、製版後の視認性や、画像濃度測定機適性といったいわゆる検版性を向上させる事ができる。着色剤としては、多くの染料は光重合系感光層の感度の低下を生じるので、着色剤としては、特に顔料の使用が好ましい。具体例としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。染料および顔料の添加量は全組成物の約0.5重量%〜約5重量%が好ましい。
【0073】
(V−4)その他の添加剤
さらに、本発明の感光性組成物を平版印刷版用原版に用いる場合、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、その他可塑剤、感光層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
【0074】
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計重量に対し10重量%以下添加することができる。
【0075】
また、後述する膜強度(耐刷性)向上を目的とした、現像後の加熱・露光の効果を強化するための、UV開始剤や、熟架橋剤等の添加もできる。
その他、感光層と支持体との密着性向上や、未露光感光層の現像除去性を高めるための添加剤、中間層を設ける事を可能である。例えば、ジアゾニウム構造を有する化合物や、ホスホン化合物、等、基板と比較的強い相互作用を有する化合物の添加や下塗りにより、密着性が向上し、耐刷性を高める事が可能であり、一方ポリアクリル酸や、ポリスルホン酸のような親水性ポリマーの添加や下塗りにより、非画像部の現像性が向上し、汚れ性の向上が可能となる。
【0076】
(保護層)
本発明の平版印刷版原版は、通常、露光を大気中で行うため、光重合性組成物の層の上に、さらに、保護層を設ける事が好ましい。保護層は、感光層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素や塩基性物質等の低分子化合物の感光層への混入を防止し、大気中での露光を可能とする。従って、この様な保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、さらに、露光に用いる光の透過性が良好で、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できる事が望ましい。
【0077】
このような、保護層に関する工夫が従来よりなされており、米国特許第3、458、311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。保護層に使用できる材料としては例えば、比較的、結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いる事がよく、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸などのような水溶性ポリマーが知られていが、これらのうち、ポリビニルアルコールを主成分として用いる事が、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与える。保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、およびアセタールで置換されていても良い。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても良い。
【0078】
ポリビニルアルコールの具体例としては71〜100%加水分解され、分子量が300から2400の範囲のものをあげる事ができる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA一CS、PVA―CST、PVA一HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等があげられる。
【0079】
保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用)、塗布量等は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。一般には使用するPVAの加水分解率が高い程(保護層中の未置換ビニルアルコール単位含率が高い程)、膜厚が厚い程酸素遮断性が高くなり、感度の点で有利である。しかしながら、極端に酸素遮断性を高めると、製造時・生保存時に不要な重合反応が生じたり、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じる。また、画像部との密着性や、耐傷性も版の取り扱い上極めて重要である。即ち、水溶性ポリマーからなる親水性の層を新油性の重合層に積層すると、接着力不足による膜剥離が発生しやすく、剥離部分が酸素の重合阻害により膜硬化不良などの欠陥を引き起こす。
【0080】
これに対し、これら2層間の接着性を改すべく種々の提案がなされている。たとえば米国特許第292、501号、米国特許第44、563号には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジヨンまたは水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体などを20〜60重量%混合し、重合層の上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。本発明における保護層に対しては、これらの公知の技術をいずれも適用する事ができる。このような保護層の塗布方法については、例えば米国特許第3,458,311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。
【0081】
さらに、保護層に他の機能を付与する事もできる。例えば、露光に使う波長の光の透過性に優れ、かつ画像形成に寄与しない波長の光を効率良く吸収しうる、着色剤(水溶性染料等)の添加により、感度低下を起こすことなく、セーフライト適性をさらに高める事ができる。
【0082】
(支持体)
本発明の平版印刷版原版に使用される支持体としては、寸度的に安定な板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)等が挙げられる。これらは、樹脂フィルムや金属板などの単一成分のシートであっても、2以上の材料の積層体であってもよく、例えば、上記のごとき金属がラミネート、若しくは蒸着された紙やプラスチックフィルム、異種のプラスチックフィルム同志の積層シート等が含まれる。
【0083】
前記支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネート若しくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。
前記アルミニウム板の厚みは、およそ0.1〜0.6mm程度、好ましくは0.15〜0.4mm、特に好ましくは0.2〜0.3mmである。
【0084】
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
この様に粗面化されたアルミニウム板は、所望により、アルカリエッチング処理、中和処理をする。その後に、表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施す。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸或いはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
【0085】
陽極酸化の処理条件は、用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。
陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2 以上が好適であるが、より好ましくは2.0〜6.0g/m2 の範囲である。陽極酸化被膜が1.0g/m2 未満であると耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
尚、このような陽極酸化処理は平板印刷版の支持体の印刷に用いる面に施されるが、電気力線の裏回りにより、裏面にも0.01〜3g/m2 の陽極酸化被膜が形成されるのが一般的である。
【0086】
支持体表面の親水化処理は、上記陽極酸化処理の後に施されるものであり、従来より知られている処理法が用いられる。このような親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、第3,280,734号及び第3,902,734号公報に開示されているようなアルカリ金属珪酸塩(例えば、珪酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体が珪酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか、又は電解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウム及び米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号公報に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が用いられる。
これらの中で、本発明において特に好ましい親水化処理は珪酸塩処理である。珪酸塩処理について、以下に説明する。
【0087】
上述の如き処理を施したアルミニウム板の陽極酸化皮膜を、アルカリ金属珪酸塩が0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%であり、25℃でのpHが10〜13である水溶液に、例えば15〜80℃で0.5〜120秒浸漬する。アルカリ金属珪酸塩水溶液のpHが10より低いと液はゲル化し13.0より高いと酸化皮膜が溶解されてしまう。本発明に用いられるアルカリ金属珪酸塩としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウムなどが使用される。アルカリ金属珪酸塩水溶液のpHを高くするために使用される水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがある。なお、上記の処理液にアルカリ土類金属塩もしくは第IVB族金属塩を配合してもよい。アルカリ土類金属塩としては、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウムのような硝酸塩や、硫酸塩、塩酸塩、燐酸塩、酢酸塩、蓚酸塩、ホウ酸塩などの水溶性の塩が挙げられる。第IVB族金属塩として、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、蓚酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムなどを挙げることができる。アルカリ土類金属塩もしくは、第IVB族金属塩は単独又は2以上組み合わせて使用することができる。これらの金属塩の好ましい範囲は0.01〜10重量%であり、更に好ましい範囲は0.05〜5.0重量%である。
珪酸塩処理により、アルミニウム板表面上の親水性が一層改善されるため、印刷の際、インクが非画像部に付着しにくくなり、汚れ性能が向上する。
【0088】
支持体の裏面には、必要に応じてバックコートが設けられる。かかるバックコートとしては、特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物および特開平6−35174号公報記載の有機または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。
これらの被覆層のうち、Si(OCH3 4 、Si(OC2 5 4 、Si(OC3 7 4 、Si(OC4 9 4 などの珪素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから与られる金属酸化物の被覆層が耐現像性に優れており特に好ましい。
【0089】
(露光)
以上のようにして、本発明の平版印刷版原版を作成することができる。この平版印刷版原版は、波長760nmから1200nmの赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザにより画像露光される。画像形成のための走査露光は公知の装置を用いて行うことができる。露光装置としては、インナードラム方式、アウタードラム方式、フラットヘッド方式などの装置を選択して用いることができる。
本発明においては、レーザ照射後すぐに現像処理を行っても良いが、レーザ露光工程と現像工程の間に加熱処理を行うことが好ましい。加熱処理の条件は、80℃〜150℃の範囲内で10秒〜5分間行うことが好ましい。この加熱処理により、レーザ照射時、記録に必要なレーザエネルギーを減少させることができる。
【0090】
(現像)
本発明の感光性組成物を用いた感光材料を画像形成材料として使用する際には、通常、画像露光したのち、現像液で感光層の未露光部を除去し、画像を得る。これらの光重合性組成物を平版印刷版の作成に使用する際の好ましい現像液としては、特公昭57−7427号に記載されているような現像液が挙げられ、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア水などのような無機アルカリ剤やモノエタノールアミンまたはジエタノールアミンなどのような有機アルカリ剤の水溶液が適当である。このようなアルカリ溶液の濃度が0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%になるように添加される。
【0091】
また、このようなアルカリ性水溶液には、必要に応じて界面活性剤やベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ブトキシエタノールのような有機溶剤を少量含むことができる。例えば、米国特許第3375171号および同第3615480号に記載されているものを挙げることができる。
さらに、特開昭50−26601号、同58−54341号、特公昭56−39464号、同56−42860号の各公報に記載されている現像液も優れている。
また、本発明の感光層に用いる組成物として、水溶性の高いものを使用することで、中性の水や弱アルカリ水に可溶とすることもできるが、この様な構成の平版印刷版原版は印刷機上に装填後、機上で露光−現像し、そのまま印刷を行なうこともできる。
【0092】
以上のようにして得られた平版印刷版は所望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供することができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版としたい場合にはバーニング処理が施される。
平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布などが適用される。また、塗布した後でスクィージ、あるいは、スクィージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。
【0093】
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従来より行なわれている処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。
この様な処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0094】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0095】
(実施例1〜3、比較例1、2)
[基板の作製]
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050)をトリクロロエチレンで洗浄して脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミストン−水懸濁液を用いその表面を砂目立てし、よく水で洗浄した。この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い水洗後、さらに2%NHO3に20秒間浸漬して水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。次にこの板を7%H2SO4を電解液として電流密度15A/dm2で3g/m2の直流陽極酸化被膜を設けた。その後、70℃の珪酸ソーダ2.5%水溶液に1分間浸漬後、水洗乾燥した。次にこのアルミニウム板に下記の組成の下塗り液を塗布し、80℃で30秒間乾燥して基板を作製した。下塗り液の乾燥後の被覆量は20mg/m2であった。
【0096】
(下塗り液)
・4−ジアゾジフェニルアミン及びフェノキシ酢酸とホルム
アルデヒドの縮合物のジブチルナフタレンスルホン酸 0.1g
・メタノール 100g
上述のようにして作製した基板上に、以下の感光層塗布液を塗布量が1.5g/m2となるように塗布し、120℃で1分乾燥した。
【0097】
(感光層塗布液)
・ペタエリスリトールテトラアクリレート 1.5g
・アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 2.0g
(重合モル比:83/17、Mw:100,000)
・赤外線吸収剤DX−1(下記構造) 0.1g
・重合開始剤SX−1(下記構造) 0.2g
・フッ素系ノニオン界面活性剤(メガファックF−177、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.02g
・ビクトリアピュアブルー 0.04g
・溶剤(下記表1に示す) 27g
【0098】
【化5】
Figure 0004132548
【0099】
【表1】
Figure 0004132548
【0100】
[残留溶剤及び感度の測定]
得られた平版印刷版原版を出力500mw,波長830nm、ビーム径17μm(1/e2)の半導体レーザを用いて主走査速度5m/秒にて露光した後、富士写真フイルム(株)製現像液DN3C(1:2で水希釈したもの)及びリンス液FR−3(1:7)を仕込んだ自動現像機(富士写真フイルム(株)製:PSプロセッサー900VR)を用いて現像し、以下の評価を行った。これらの際得られた画像の線幅とレーザ出力、光学系でのロス及び走査速度を基に、記録に必要なエネルギー量を算出して感度とした。結果を下記表2に示す。
また、平版印刷版原版の感光層塗布液の塗布、乾燥後の重量と、0.5mmHgで40℃、24時間減圧乾燥した後の重量を測定し、その減少量から、感光層中の残存溶剤の重量%を計算した。結果を下記表2に示す。
【0101】
【表2】
Figure 0004132548
【0102】
表2の結果から、同じ成分を含有する感光層においても、低沸点溶剤を用いて、残存溶剤を少量にすることにより感度が向上することがわかる。
【0103】
(実施例4〜6、比較例3)
前記実施例1と同様の基板上に、実施例1で用いた感光層塗布液に代えて、以下の感光層塗布液2を塗布量が1.5g/m2となるように塗布し、乾燥条件を120℃で表3に示す時間とした他は実施例1と同様にして平版印刷版原版を得た。
【0104】
(感光層塗布液2)
・グリセリンジメタクリレートヘキサメチレンジイソシアネート
プレポリマー 1.5g
・下記ジイソシアネートとジオールの縮合物である
ポリウレタン樹脂(83−17) 2.0g
(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート/ヘキサメチレンジイソシアネート/ポリプロピレングルコール(重合平均分子量 1,000 PPG1000)/2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニックアシッド共重合モル比(40/10/15/35))
・赤外線吸収剤DX−1 0.1g
・重合開始剤SX−2(下記構造) 0.2g
・フッ素系ノニオン界面活性剤(メガファックF−177、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.02g
・ビクトリアピュアブルー 0.04g
・ジメチルホルムアミド(沸点:153℃) 27g
【0105】
【化6】
Figure 0004132548
【0106】
得られた平版印刷版原版を実施例1におけるのと同様にして、感光層中の残留溶剤及び感度を測定した。結果を下記表3に併記する。
【0107】
【表3】
Figure 0004132548
【0108】
表3の結果から、同じ成分を含有する感光層において、溶剤の乾燥条件の制御により残存溶剤を少量にすることで、感度が向上することがわかる。
【0109】
(実施例7、8)
前記実施例1と同様の基板上に、実施例1で用いた感光層塗布液に代えて、以下の感光層塗布液3を塗布量が1.5g/m2となるように塗布し、その後、この感光層上にポリビニルアルコール(ケン化度 98モル%、重合度 550)の3重量%水溶液を乾燥後の塗布量が2g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥して保護層を設けた他は実施例1と同様にして平版印刷版原版を得た。
【0110】
(感光層塗布液3)
・バインダーポリマー(アリルアクリレート/メタクリル酸/N−
イソプロピルアミド共重合体(67/13/20)) 2.0g
・モノマー:重合性化合物(ペンタエリスリトール
テトラアクリレート) 1.0g
・赤外線吸収剤DX−1 0.1g
・重合開始剤SX−2 0.2g
・フッ素系ノニオン界面活性剤(メガファックF−177、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.02g
・ビクトリアピュアブルー 0.04g
・溶剤(下記表4に示す) 27g
【0111】
【表4】
Figure 0004132548
【0112】
得られた平版印刷版原版を実施例1におけるのと同様にして、感光層中の残留溶剤及び感度を測定した。結果を下記表5に示す。
【0113】
【表5】
Figure 0004132548
【0114】
表5の結果から、感光層上に保護層を設けた場合においても、保護層を設けなかった場合と同様に、低沸点溶剤を用いて、残存溶剤を少量にすることにより感度が向上することがわかる。
【0115】
(実施例9〜11)
前記実施例1〜3と同様に感光層を塗布、乾燥した平版印刷版原版を、さらに、80℃の温度条件で2分間加熱して平版印刷版原版を得て、それぞれ実施例9〜11とした。
得られた平版印刷版原版を実施例1におけるのと同様にして、感光層中の残留溶剤及び感度を測定した。結果を下記表6に示す。
【0116】
【表6】
Figure 0004132548
【0117】
表6の結果から、2回の乾燥工程を施した場合、乾燥工程を1回のみ行った実施例1〜3に比較して、残存溶剤をさらに少量にすることができ、感度もさらに向上することがわかる。
【0118】
(実施例12、13)
前記実施例7、8と同様に感光層を塗布、乾燥した平版印刷版原版を、さらに、80℃の温度条件で2分間加熱して平版印刷版原版を得て、それぞれ実施例12、13とした。
得られた平版印刷版原版を実施例1におけるのと同様にして、感光層中の残留溶剤及び感度を測定した。結果を下記表7に示す。
【0119】
【表7】
Figure 0004132548
【0120】
表7の結果から、2回の乾燥工程を施した場合、乾燥工程を1回のみ行った実施例7、8に比較して、残存溶剤をさらに少量にすることができ、感度もさらに向上することがわかる。
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、感光層の残留溶剤を調整することで、赤外線レーザで記録可能であり、高感度なネガ型の感光層を有する平版印刷版原版を提供することができる。

Claims (5)

  1. 陽極酸化処理後に、さらに親水化処理された支持体上に、I)赤外線吸収剤、II)オニウム塩型重合開始剤(アジニウム化合物を除く)、 III)重合性の不飽和基を有する化合物、及び IV )水不溶で且つアルカリ水溶液に可溶性のバインダーを、溶剤に溶解或いは分散させた感光層塗布液を、塗布、乾燥して得られ、赤外線レーザーで記録可能な感光層を設けてなり、該感光層中の残留溶剤が感光層の重量の5%以下であることを特徴とするヒートモード対応平版印刷版原版。
  2. 前記 II )オニウム塩型重合開始剤が、下記一般式( III )、( IV )、および(V)から選ばれた1種以上であることを特徴とする請求項1記載のヒートモード対応平版印刷版原版。
    Figure 0004132548
    一般式( III )〜(V)で、Ar 11 、Ar 12 、およびAr 21 は炭素数20個以下のアリール基、R 31 、R 32 、およびR 33 は炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。
    11− 、Z 21− 、およびZ 31− はハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンからなる群より選択される対イオンを表す。
  3. 前記 IV )水不溶で且つアルカリ水溶液に可溶性のバインダーが、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体である請求項1または請求項2に記載のヒートモード対応平版印刷版原版。
  4. 前記感光層の上に、さらに、保護層を設けた請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のヒートモード対応平版印刷版原版。
  5. 前記保護層がポリビニルアルコールを含む請求項4に記載のヒートモード対応平版印刷版原版。
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