JP4127731B2 - 内視鏡装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータにより挿入部先端部に設けたズームレンズ等を移動する内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、内視鏡は医療用分野及び工業用分野で広く用いられるようになった。
例えば、特開平9−322566号公報の内視鏡装置では、対物光学系の一部をズームレンズにて構成し、そのズームレンズを圧電アクチュエータにより移動される被移動体に連結した構造にして、ズームレンズを移動させることにより観察画像の倍率を変化させるものが開示されている。
このような構成の内視鏡装置では1本の内視鏡により、変倍することによってルーチン検査と精査観察ができるため、便利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述した圧電アクチュエータを用いて内視鏡のズームレンズを構成する対物光学系等の被駆動体を駆動する場合、内視鏡の先端に搭載されるアクチュエータは、個々の性能のバラツキがあるため、制御装置の設定を同一としても、複数の内視鏡を使用するとズーム速度、拡大倍率などのズーム性能にバラツキが出る可能性があった。従って、複数の内視鏡を使用する度に、ズーム性能が最適となる様、制御装置の設定を調整する必要があり、作業が煩雑であった。
【0004】
なお、特願平9−160201号では、内視鏡と制御装置を接続した時、内視鏡内に、駆動波形設定信号発生手段を設け、アクチュエータの駆動周波数や駆動電圧を最適に設定するようにしているが、駆動電圧を小さく変更することは簡単にできても大きくすることは駆動電圧をハードウエア的に大きくしなければならず、ハードウェア上での大きな変更が必要になってしまい、より簡単にバラツキの調整を行うことができる構成が望ましい。また、駆動周波数や駆動電圧のみでは、十分にアクチュエータの駆動速度のバラツキを調整することはできない。
【0005】
(発明の目的)
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、個々の内視鏡に搭載されたアクチュエータによりズームレンズ等の被駆動体を駆動する操作を行った場合の駆動特性のバラツキを容易に小さくないしは解消できる内視鏡装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の内視鏡装置は、
アクチュエータにより所定方向に進退駆動される被駆動体を有する内視鏡と、着脱自在に前記内視鏡に接続され前記アクチュエータを駆動制御する制御装置を備えた内視鏡装置において、
前記内視鏡内に設けられ、前記アクチュエータにより前記被駆動体を前記所定の方向へ駆動する際の第1の駆動特性に応じて設定された第1の設定情報を記憶すると共に、前記アクチュエータにより前記被駆動体を前記所定の方向とは反対の方向に駆動する際の第2の駆動特性に応じて設定された、前記第1の設定情報とは異なる第2の設定情報を記憶する設定手段と、
前記第1及び第2の設定情報を、前記設定手段から前記制御装置へ伝達する伝達手段と、
前記制御装置内に設けられ、前記伝達手段を介して伝達された前記第1及び第2の設定情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記第1及び第2の設定情報に基づいて、前記アクチュエータの駆動波形の出現状態を設定する駆動制御手段と、
前記駆動制御手段からの出力信号に基づいて前記アクチュエータを駆動するための駆動波形を発生する駆動手段と
を有することを特徴と
内視鏡個々に搭載されたアクチュエータ等にバラツキがある場合にも、そのバラツキを駆動波形の出現状態の変更(具体的には駆動パルス比率等の変更)により簡単に解消できるようにしている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図12は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は本発明の第1の実施の形態の内視鏡装置の外観を示し、図2は第1の実施の形態の内視鏡装置の全体構成を示し、図3は内視鏡の先端部に設けた光学系及びそれを駆動するアクチュエータを示し、図4はアクチュエータの外形を示し、図5はアクチュエータの内部構造を示し、図6は駆動波形を示し、図7はズーム制御装置の正面図を示し、図8はズーム制御装置内の概略の構成を示し、図9は駆動パルス比率を示し、図10はディップスイッチの外形及び各スイッチに割り当てられた機能等を示し、図11は受信回路の具体的な回路構成を示し、図12は変形例における駆動パルス比率を示す。
【0008】
図1及び図2に示す本発明の第1の実施の形態の内視鏡装置1はズーム(拡大から広角まで任意の倍率に調整できる)機能を備えたズーム式電子内視鏡(以下、単に内視鏡と略記)2と、この内視鏡2のライトガイドに照明光を供給する光源装置3と、撮像手段に対する信号処理を行うカメラコントロールユニッット(CCUと略記)4と、CCU4から出力される映像信号を表示するカラーモニタ5と、拡大/広角制御(単にズーム制御とも言う)を行うズーム制御装置6と、このズーム制御装置6に接続されたフットスイッチ7とを有する。
【0009】
内視鏡2は患者の体内等に挿入される細長の挿入部8と、この挿入部8の基端に設けられた操作部9と、この操作部9から一端が延出されたユニバーサルコード11とを有し、このユニバーサルコード11の他端に設けたコネクタ12(図1参照)は光源装置3に着脱自在で接続される。
【0010】
図1に示すように挿入部8は撮像手段が内蔵された硬質の先端部13と、この先端部13の後端に設けられ湾曲自在の湾曲部14と、この湾曲部14の後端に設けられた可撓性を有する可撓管部15とからなり、操作部9に設けた湾曲操作ノブ16を操作することにより、湾曲部14を湾曲させることができる。
【0011】
また、図1に示すようにコネクタ12にはビデオケーブル17の一端のコネクタ18が接続され、このビデオケーブル17の他端のコネクタ19はCCU4に着脱自在で接続される。
【0012】
このコネクタ12にはズームケーブル20の一端も接続され、このズームケーブル20の他端のズームコネクタ21は接続コネクタ22を介して接続ケーブル23の一端と接続され、この接続ケーブル23の他端のコネクタ24はズーム制御装置6に着脱自在で接続される。
【0013】
なお、このズームコネクタ21はズームコネクタ用防水キャップ25を取り付けることにより防水構造にして洗滌などを行うことが可能である。また、ズームケーブル20は、接続コネクタ22とズームコネクタ21とがない、接続ケーブル23を兼ねる一体型としても良い。このときは、コネクタ24がズームコネクタ21に置き換えられる。また、このズームケーブル20は、コネクタ12と着脱自在に接続できるコネクタを有していても良い。
【0014】
このズーム制御装置6にはリモートスイッチとしてのフットスイッチ7に一端が接続された接続コード26の他端に設けたフットスイッチコネクタ27が着脱自在で接続される。このフットスイッチ7は拡大操作用フットスイッチ7aと、広角操作用フットスイッチ7bとが設けてある。
【0015】
このフットスイッチ7は足で踏んで操作し易いように斜面部分に拡大操作用フットスイッチ7aと、広角操作用フットスイッチ7bを設けている。例えば、フットスイッチ7の底面に傾斜板をネジ等で取り付けたり、接着剤等で一体的に取り付けたりしている。
【0016】
図2に示すように内視鏡2内にはライトガイドファイバ31が挿通され、コネクタ12を光源装置3に接続することにより、光源装置3内のランプ32からの照明光がライトガイドファイバ31の一端の入射端に入射され、この照明光は伝送されて挿入部8の先端部13に固定された他端からさらに照明レンズ33を経て出射され、患部等の被写体を照明する。
【0017】
図2及び図3に示すように、内視鏡2の先端部13には、ズーム光学系としての対物光学系34と、この対物光学系34の結像位置付近には対物光学系34を通した観察像を撮像する撮像素子、好ましくは固体撮像素子、詳しくは電荷結合素子(CCDと略記)35が内蔵されている。
【0018】
対物光学系34には、その光軸方向に移動可能なズームレンズ38が設けられ、このズームレンズ38の移動により広角/拡大可能(拡大率の調整が可能)となっている。なお、図3では対物光学系34の各レンズは半断面で示している。
また、先端部13内には被駆動体としてのズームレンズ38を駆動するアクチュエータ39が設けられ、ズームレンズ38と連結されている。ズームレンズ38は、このアクチュエータ39の駆動によって光軸方向に移動するようになっている。
【0019】
図4及び図5に示すように、アクチュエータ39は、いわゆるインパクト型の圧電アクチュエータ(急速変形アクチュエータ)であり、円筒状のパイプ41と、このパイプ41の内部を軸方向に移動可能に設けられた移動体42と、パイプ41の側部に設けられた切り欠き部43に係合して配置され、移動体42をパイプ41内面にその軸と垂直方向に押しつける摩擦力発生機構としての摩擦板44とを有している。摩擦板44は、三角の山状に折り曲げられた弾性変形可能な板状部材により構成され、移動体42はこの摩擦板44に圧接して移動する。
【0020】
移動体42の先端部の側部には嵌合孔45が設けられ、この嵌合孔45にズームレンズ38に取り付けられる出力軸が嵌合して固定されるようになっている。パイプ41の先端側には、移動体42の先端部を保持するために、パイプを半分に切り欠いた形状のガイド66が設けられている。
【0021】
移動体42は、パイプ41内面に対してその外面が当接し摺動する摺動パイプ67と、摺動パイプ67の両開口部に設けられた上蓋68及び下蓋69と、摺動パイプ67内部に配設され、下蓋69にその一端を強固に固着された圧電素子60とを有して構成される。圧電素子60には、圧電素子60に駆動電力を供給するリード線61が接続され、このリード線61は内視鏡2のコネクタ12まで延設されており、図1のように内視鏡2を接続したときにズーム制御装置6と電気的に接続されるようになっている。
【0022】
なお、圧電素子60は例えばチタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、磁器等のセラミックスの圧電部材を積層してそれらに電極を設けて形成されている。
そして、摩擦板44の圧接による摩擦力より小さな力で移動体42を移動させようとする力が作用した場合には移動体42の移動は抑制され、この摩擦力より大きな力で移動体42を移動させる力が作用した場合には移動体42は摩擦力に打ち勝って移動する。本実施の形態ではこの摩擦力より大きい力を発生させるために急峻に変化する波形を持つ駆動信号をアクチュエータ39に印加するインパクト型圧電アクチュエータを採用している。
【0023】
図1に示すようにズーム制御装置6内の駆動回路51は図6に示す波形の駆動信号を発生し、圧電素子60は駆動信号の印加により、図2で光軸と平行な方向に機械的に伸び或いは収縮をする。
【0024】
より具体的には、駆動回路51は図6(A)に示すように正弦波を全波整流したような波形の駆動信号(第1の駆動信号とも言う)と、図6(B)に示すように、第1の駆動信号を反転したような波形の駆動信号(第2の駆動信号とも言う)とを出力する。なお、図6で横軸は時間、縦軸は駆動信号の電圧を示し、各駆動信号は例えば90Vの振幅を有する。
【0025】
これらの波形は圧電素子60を時間的にゆっくり伸び或いは縮ませる波形部分と、急峻に伸び或いは縮ませる波形部分とがある。
【0026】
例えば、第1の駆動信号が圧電素子60に印加された場合には電圧の時間微分波形が不連続で反転する(この場合、圧電素子60が縮む方向から急に伸びる方向に変化する)部分において、移動体42は図3で右側に例えば駆動信号1周期あたり数ミクロン程度移動する。
【0027】
この移動体42の移動によりアクチュエータ39も図3で右側に移動され、このアクチュエータ39の移動と共に、ズームレンズ38も左側に移動して、この場合には対物光学系34は移動前より拡大となるレンズ状態になる。
【0028】
一方、第2の駆動信号が圧電素子60に印加された場合にはアクチュエータ39は図3で左側に移動され、このアクチュエータ39の移動と共に、ズームレンズ38も右側に移動して、この場合には対物光学系34は移動前より広角となるレンズ状態になる。
【0029】
なお、対物光学系34を構成するズームレンズ38は一般のいわゆるズームレンズ(変倍してもフォーカス点が変わらない)と異なり、変倍するとフォーカス点が変化する(変倍レンズである)。また、変倍した場合に、広角側では例えば被写界深度が5〜100mmで、拡大側では被写界深度が2〜5mmに変化する。
【0030】
本実施の形態では基本的には図6(A)或いは(B)の駆動信号における1周期分で微小距離を移動させ、この駆動信号の1周期を単位としてその駆動信号数を制御することにより所定の距離等を移動させるようにしているので、駆動信号の代わりに駆動パルスとか、駆動信号数を駆動パルス数等で略記する。
【0031】
図2に示すように上記CCD35で撮像された撮像信号はプリアンプ36で増幅された後、CCU4内のビデオ信号処理回路37に入力され、標準的な映像信号が生成され、この映像信号はモニタケーブルを介してカラーモニタ5に入力され、モニタ画面には被写体の画像が表示される。
【0032】
また、操作部9には湾曲ノブ16の近傍にアクチュエータ操作用のズームスイッチ40が設けてある。
【0033】
そして、ズームスイッチ40或いはフットスイッチ7を操作した場合の操作信号はズーム制御装置6内に設けられた入出力インタフェース(以下、I/Oと略記)59を介して制御回路52に入力される。
【0034】
つまり、ズームスイッチ40及びフットスイッチ7はズーム制御装置6にケーブル等で接続されて離間した位置に設けられたリモートスイッチを形成している。
【0035】
上記ズームスイッチ40は、拡大側(Tele側以下、T方向)スイッチ40Tと、広角側(Wide方向以下、W方向)スイッチ40Wで構成されている。
例えば前側にズームスイッチ40を傾けるとT方向スイッチ40TがONし、後側に傾けるとW方向スイッチ40WがONする。
【0036】
図2に示すように上記ズーム制御装置6には、さらに制御回路52に接続された駆動波形及びプログラムを記憶したROM53、システム設定用の情報を記憶したシステム設定用RAM54、そのフロントパネル48に設けたモードスイッチ49、50等を備えている。
【0037】
図2ではその概略の構成を示し、より具体的な構成は図8で後述する。上記制御回路52は、CPU55(図8参照)を搭載して構成されており、図2に示すROM53に格納されたプログラムに従い、上記ズームスイッチ40や、フロントパネル48に設けたステップモードスイッチ49及びスピードモードスイッチ50等の入力に応じて、上記駆動回路51に対してアクチュエータ39の駆動波形、駆動電力等の出力や、レベルインジケータの表示等を指示する。
【0038】
図7に示すようにズーム制御装置6の正面には電源スイッチ46とコネクタ24が着脱自在で接続されるコネクタ受け47とが設けられ、これらの上方側にモードの設定等を行うフロントパネル48が設けてある。
【0039】
このフロントパネル48には、リモートスイッチを1回押した場合にアクチュエータ39(或いはズームレンズ38)を所定量づつステップ移動させるステップモードで動作させる設定を行うステップモードスイッチ49と、リモートスイッチを押した場合に押した時間だけ連続的に移動させるスピードモードスイッチ(或いは連続移動モードスイッチ)50とが設けてある。
【0040】
また、ステップモード及びスピードモードにおいて、その移動量或いは移動速度を複数段階に設定するスイッチ49a〜49e、50a〜50eが設けてある。これらのスイッチ49a〜49e、50a〜50eは選択するスイッチ機能の他に選択されたことを示すインジケータ機能とを備えている。
【0041】
例えばスピードモードからステップモードに切り換えるためにステップモードスイッチ49を押すと、例えば初期設定状態のままでは(レベルが)3のスイッチ49cの選択状態のステップモードに設定され、このスイッチ49c部分が(内部のLED等のインジケータによる)点灯で術者に分かるようにしている。
【0042】
ステップモードではリモートスイッチを1回押した場合にある時間T1内に駆動信号が出力される信号数をスイッチ49a〜49eで5段階に設定できる。
【0043】
例えば図7で(レベルが)1のスイッチ49aはこの信号数が最も少なく、(レベルが)5のスイッチ49eではこの信号数が最も多くなるように順次段階的に設定されている。そして、(レベルが)3のスイッチ49cでは中間の信号数であり、通常はこの設定で十分に移動操作を行うことができる値に設定されている。
【0044】
また、長期の使用により、アクチュエータ39の特性が低下しても、その場合には(レベルが)4のスイッチ49d或いは(レベルが)5のスイッチ49eに設定することにより、(特性が低下していない)通常の使用状態と同等な操作性が得られるようにしている。
【0045】
また、スピードモードでも類似の機能を設けている。このスピードモードではリモートスイッチを押した場合にある単位の時間Tb内に駆動信号が出力される時間Taをスイッチ50a〜50eで5段階に設定できる。
例えば図7で(レベルが)1のスイッチ50aは駆動信号が出力される時間Taが最も短く、(レベルが)5のスイッチ50eではこの時間Taが最も長くなるように順次段階的に設定されている。
【0046】
そして、(レベルが)3のスイッチ50cでは中間の時間Taであり、通常はこの設定で十分に移動操作を行うことができる値に設定される。例えば、このスイッチ50cの状態で、リモートスイッチを押した場合には最広角端から最拡大端まで、或いは最拡大端から最広角端までの移動を1秒で移動できるようにしている。
【0047】
また、長期の使用により、アクチュエータ39の特性が低下しても、その場合には(レベルが)4のスイッチ50d或いは(レベルが)5のスイッチ50eに設定することにより、(特性が低下していない)通常の使用状態と同等な操作性が得られるようにしている。
【0048】
また、本実施の形態では図2に示すように各内視鏡2毎にその内視鏡2に内蔵されたアクチュエータ39の特性に対応して望ましい特性に設定する情報を持つ例えばディプスイッチ63が設けてある。
【0049】
そして、内視鏡2をズーム制御装置6に接続した場合には、このディプスイッチ63の情報が図2のI/Oポート59を介して制御回路52(或いは制御回路52を構成するCPU55)に入力される。なお、より具体的には図11に示すようにディプスイッチ63の設定情報は受信回路62を介して、I/Oポート59からCPU55に伝達される。
【0050】
図8に示すズーム制御装置6ではフットスイッチ7、ズームスイッチ40及びフロントパネル48のモードスイッチ49等を操作した場合には、それぞれの信号はI/Oポート59を介して(図2の制御回路52を構成する)CPU55に入力される。
【0051】
このCPU55にはモード選択情報等を格納したり、CPU55がプログラムに従って処理する作業エリアに使用されるRAM54が接続されている。
また、本実施の形態では、ディプスイッチ63からその設定情報もI/Oポート59を介してCPU55に入力される。
【0052】
そして、CPU55はリモートスイッチが操作された場合にはディプスイッチ63の設定情報を参照して、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGAと略記)56に対してROM53に予め書き込んである駆動データを読み出す制御信号を送り、FPGA56はこの制御信号によりROM53に対応するアドレス信号を印加して、駆動波形データを読み出す。
【0053】
この駆動波形データはD/Aコンバータ57によりアナログ値に変換され、さらに駆動回路51を構成する増幅回路58をで増幅されて、駆動信号となり、アクチュエータ39に印加される。
【0054】
このアクチュエータ39に印加される駆動信号は、図6(A)或いは図6(B)の波形のものであるが、図9(A)或いは図9(B)に示すような駆動パルス比率で印加される。
【0055】
ここで、駆動パルス比率とは、駆動パルスが実際に出力されている通電部分の時間Taと、該通電部分及び通電休止部分とを含めた時間Tbに対する比Ta/Tbで定義される。換言すると、実際に出力される駆動波形の出現率で定義されるとも言える。
【0056】
例えば、図9(A)に示すように、T側へアクチュエータ39を駆動する駆動パルスの場合、通電部分の時間Ta、該通電部分と通電休止部分とを合わせた時間をTbとすると、駆動パルス比率はTa/Tb(パーセント表示の場合には100を乗じる)で計算され、アクチュエータ39の駆動時には、該通電部分と通電休止部分とが周期Tbで繰り返される。
【0057】
同様に、図9(B)に示すように、W側へアクチュエータ39を駆動する駆動パルスの場合も、通電部分の時間Ta′、該通電部分と通電休止部分とを合わせた時間をTb′とすると、駆動パルス比率は、Ta′/Tb′(パーセント表示の場合には100を乗じる)で計算され、アクチュエータ39の駆動時には、該通電部分と通電休止部分とが周期Tb′で繰り返される。なお、本実施の形態では通電部分の時間と、通電休止部分の時間は各々駆動パルスの基本周期Tc或いはTc′の整数倍に設定される。
【0058】
この場合の駆動パルス比率を変えると、当然アクチュエータ39による移動速度が変化する。本実施の形態では、各内視鏡2に内蔵されているアクチュエータ39のバラツキを揃えるために、各内視鏡2にアクチュエータ39のバラツキを揃えるための設定情報を持ったディップスイッチ63を設けて、このディップスイッチ63の設定情報を読み出してそのアクチュエータ39を駆動する際に、そのアクチュエータ39に対応する駆動パルス比率等の駆動信号で駆動するようにしている。
【0059】
このディプスイッチ63のより詳細な形状を図10(A)に示し、図10(B)にその設定情報の詳細を示し、図10(C)に設定情報の具体的な仕様を示す。
【0060】
図10(A)に示すようにディプスイッチ63は例えば7個のスイッチSW1〜SW7で構成され、各スイッチSWI(I=1〜7)のON/OFFにより、図10(B)に示すような機能が割り当てられている。
【0061】
例えば、スイッチSW1はW→T駆動周波数設定の機能が割り当てられている。より具体的には図10(C)に示すようにスイッチSW1がOFFであるとW→T駆動周波数が19.5kHzに設定され、スイッチSW1がONであるとW→T駆動周波数が13.0kHzに設定されることになる。
【0062】
ここで、W→TはT方向に移動する場合を意味し、T→WはW方向に移動する場合を意味する。
【0063】
また、スイッチSW2及びSW3はW→T駆動パルス比率設定の機能が割り当てられている。より具体的には図10(C)に示すようにスイッチSW2及びSW3が共にOFFであると、W→T駆動パルス比率は40%、スイッチSW2がOFF、SW3がONであると、W→T駆動パルス比率は60%、スイッチSW2がON、SW3がOFFであると、W→T駆動パルス比率は80%、スイッチSW2及びSW3が共にONであると、W→T駆動パルス比率は100%になるように設定される。
【0064】
スイッチSW4はT→W駆動周波数設定の機能が割り当てられている。また、スイッチSW5及びSW6はT→W駆動パルス比率設定の機能が割り当てられている。さらにスイッチSW7はスコープ接続検知の機能が割り当てられており、CPU55はこのスイッチSW7のONによりスコープ接続検知した場合に、スイッチSW1〜SW6による設定情報を参照して駆動パルス周波数、駆動パルス比率の設定を行うようにしている。
【0065】
図11はディップスイッチ63の設定情報を受信する受信回路62の構成を示す。
ディップスイッチ63の各スイッチSWIの一端はズームケーブル20を介して、受信回路62を構成する抵抗R1の一端に接続され、この抵抗R1の他端はフォトカプラ71を構成するLED72を介して電源端(具体的には+5V)に接続されている。各スイッチSWIの他端はグランドに接続されている。
【0066】
LED72との対でフォトカプラ71を構成するフォトトランジスタ73のコレクタは抵抗R2を介して電源端に接続され、フォトトランジスタ73のエミッタはグランドに接続され、前記コレクタは受信回路62の出力端となってI/Oポート59に接続される。
【0067】
また、ディップスイッチ63の各スイッチSWIがズームケーブル20を介して接続される抵抗R1の一端はリミッタ回路74を構成する2つのダイオードD1、D2を介して電源端とグランドにそれぞれ接続されている。なお、図11ではスイッチSW1に接続されている部分のみを示しているが、他のスイッチSW2〜7に対する回路構成も同じであるので、省略している。
【0068】
そして、例えばスイッチSW1がOFFであると、LED72には電流が流れないので発光せず、フォトトランジスタ73はOFFとなり、そのコレクタの電位は電源端レベルとなってI/Oポート59を介してCPU55に伝達され、CPU55はOFFであると判断する。
【0069】
また、スイッチSW1がONであると、LED72には電流が流れて発光し、フォトトランジスタ73はONとなり、そのコレクタの電位はほぼグランドレベルとなってI/Oポート59を介してCPU55に伝達され、CPU55はONであると判断する。
【0070】
そして、CPU55は例えばRAM54に格納されている各モード時での駆動パルス周波数、駆動パルス比率をディップスイッチ63の設定情報に従って設定することにより、内視鏡2に搭載されたアクチュエータ39による移動特性等にバラツキがある場合でも、そのアクチュエータ39の特性に応じてその駆動パルス周波数、駆動パルス比率を設定することにより、アクチュエータ39による移動特性等を揃える、つまりバラツキを解消するようにしている。
【0071】
このように構成された第1の実施の形態によれば、内視鏡2に搭載されたアクチュエータ39にバラツキがある場合でも、ズームケーブル20等を介してそのコネクタ24をズーム制御装置6に接続することによって、その内視鏡2に設けたディップスイッチ63によるアクチュエータ39に適した駆動パルス周波数、駆動パルス比率等の設定情報が受信回路62等を経てズーム制御装置6内のCPU55に送られ、CPU55はその設定情報によりそのアクチュエータ39を駆動する際の駆動条件を設定する。
【0072】
例えば、内視鏡2に搭載されたアクチュエータ39によりスピードモードで操作した場合のズームレンズ38の移動速度が標準の値のものより大きい場合には、予め標準の値のものよりも駆動パルス比率を小さくしてスピードモードで操作した場合のズームレンズ38の移動速度が標準の値のものとあまり変わらないようになるようにディップスイッチ63により情報を設定しておき、その内視鏡2を使用する際にそのディップスイッチ63により設定された情報に従ってCPU55は標準の値のものよりも駆動パルス比率(より広義には駆動波形の出現状態)を小さくする。
【0073】
このため、内視鏡2に搭載されたアクチュエータ39にバラツキがある場合でも、実際に操作した場合の操作特性上では、殆どバラツキがないような操作感で操作できる。
【0074】
この場合、ROM53から読み出す駆動波形データをソフトウェア的に変更することで、簡単に駆動パルス比率を変更できるので、駆動電圧を変更する場合よりも簡単かつ低コストでバラツキを解消できる。
【0075】
なお、第1の実施の形態ではディップスイッチ63のスイッチSW2,3及びSW5,6により駆動パルス比率を図9に示すように設定したが、図12に示す変形例のように設定しても良い。
【0076】
つまり、T方向に駆動する場合には図12(A)に示すように、Paの通電パルス数とその後のPbの休止パルス数とを基本周期とした駆動信号をアクチュエータ39に出力するようにしても良い。
【0077】
この場合、ディップスイッチ63の設定により、例えば休止パルス数Pbを一定にして、通電パルス数Paの方を可変として調整したり、逆に通電パルス数Paの方を一定として休止パルス数Pbを可変として調整したりしても良い。また、両方を可変として調整しても良い。
この場合における駆動パルス比率はPa/(Pa+Pb)となる(パーセント設定の場合には100を乗じる)。
【0078】
また、W方向に駆動する場合には、図12(B)に示すように、Pa′の通電パルス数とその後のPb′の休止パルス数とを基本周期とした駆動信号をアクチュエータ39に出力するようにしても良い。
【0079】
この場合、ディップスイッチ63の設定により、例えば休止パルス数Pb′を一定にして、通電パルス数Pa′の方を可変として調整したり、逆に通電パルス数Pa′の方を一定として休止パルス数Pb′を可変として調整したりしても良い。また、両方を可変として調整しても良い。
この場合における駆動パルス比率はPa′/(Pa′+Pb′)となる(パーセント設定の場合には100を乗じる)。
【0080】
図9の基本周期Tb、Tb′や、図12の基本周期Pa+Pb、Pa′+Pb′は、アクチュエータ39が駆動、停止を繰り返していることが肉眼では確認できず、連続的な動きとして認識される程度の短い時間(パルス数)に設定されることが望ましい。
【0081】
なお、第1の実施の形態では、その内視鏡2に搭載されたアクチュエータ39を駆動した場合にバラツキを解消できるような駆動情報をディップスイッチ63に持たせたが、その代わりにROMを採用してそのROMに同様の情報を記憶させても良い。
【0082】
また、内視鏡2毎に或いはその内視鏡に搭載されたアクチュエータ毎にIDコード等のID情報に相当する内視鏡識別子(ID情報識別コード)を少なくとも内視鏡2側に設け、その内視鏡識別子(ID情報識別コード)の読取手段をズーム制御装置6等に設け、かつズーム制御装置6には各ID情報識別コードに対応してバラツキを解消する駆動情報を予めROM等に格納しておき、読取手段で読み取ったID情報識別コードに対応する駆動情報を読み出すようにして、その駆動情報に対応する(駆動パルス比率等の出現状態)の駆動波形の駆動信号でアクチュエータを駆動することにより、バラツキを小さくないしは解消する駆動特性に設定するようにしても良い。
【0083】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態を図13を参照して説明する。本実施の形態におけるズーム制御装置6の機能的な構成を図13に示す。本実施の形態は、第1の実施の形態において、リモートスイッチが操作された場合に、アクチュエータ39に駆動信号を印加し、その際アクチュエータ39に流れる電流から解放状態及び短絡状態が発生したか否かをモニタし、これら解放状態及び短絡状態を検出した場合には、アクチュエータ39を駆動するのを停止するようにしたものである。以下、構成及びその動作を具体的に説明する。
【0084】
電源投入された後、ズームスイッチ40等のリモートスイッチが操作されると、CPU55等で構成される信号発生指令手段81からの信号発生指令がFPGA56に出力され、このFPGA56はROM53から(駆動)波形データを読み出す。この場合、ここでは省略したディップスイッチ63による情報によって実際に接続使用される内視鏡に搭載されたアクチュエータ39を所定の駆動特性に殆ど一致するような駆動条件となる波形データがROM53から読み出される。
【0085】
この波形データはD/Aコンバータ57でアナログ信号に変換された後、増幅回路58で増幅されてアクチュエータ39に駆動信号として印加される。
アクチュエータ39に流れる駆動信号の電流値は電流検出回路82で検出され、さらにA/Dコンバータ83でデジタル信号に変換された後、FPGA84に入力され、積分が行われる。この積分された電流面積はCPU55等による判別回路85でしきい値設定回路86のしきい値と比較される。
【0086】
そして、しきい値の範囲内の場合には、信号発生指令回路81の動作を継続させ、しきい値の範囲から逸脱した場合には停止させる。
このしきい値は例えば図14(A)に示すように設定されている。
【0087】
つまり、短絡(ショート)を検出するための第1のしきい値Sshと解放(或いは断線)を検出するための第2のしきい値Sopとに設定されている。第1のしきい値Sshは実際に短絡した場合に流れる電流の面積Sshortの場合より少し小さい値であり、かつ正常な状態でアクチュエータ39に流れる電流の面積Snorの場合より大きな値である。
【0088】
一方、第2のしきい値Sopは0(或いは解放の場合の値Sopen)より少し大きな値で、かつ正常な状態でアクチュエータ39に流れる電流の面積Snorの場合より小さな値である。
【0089】
なお、正常な状態でアクチュエータ39に流れる電流波形を図14(B)に示し、図14(C)は短絡している状態で駆動信号が印加された状態における電流波形を示し、FPGA84ではそれぞれ縦線によるハッチングで示した電流面積Snor,Sshを判別回路85に出力する。なお、電流検出回路82は一方の極性(例えば正極性)の電流を出力する。
【0090】
図15はズームスイッチ40がONされた場合における図13による動作説明用のフローチャートを示す。
図15に示すようにズームスイッチ40がONされると、その操作信号がステップS1のI/Oポート59に入力され、さらにこのI/Oポート59を経てCPU55に入力され、このCPU55はステップS2に示すように信号発生指令の処理を行う。
【0091】
つまり、この信号発生指令をFPGA56に送り、このFPGA56はステップS3のROM53へアドレス指定の処理を行う。そして、このROM53から読み出された波形データはA/Dコンバータ57を経てさらに増幅回路58で増幅されてアクチュエータ39に出力される。つまり、ステップS4の駆動パルス通電の処理が開始する。
【0092】
すると、ステップS5に示すように、アクチュエータ39に流れる駆動信号に対し、電流検出・積分計算の処理が行われて面積Sが算出され、次のステップS6で算出された面積Sがしきい値から逸脱しているか否かの判断が行われる。つまり、この面積Sが解放であることを検出するしきい値Sopより小さいか又は短絡であることを検出するしきい値Sshより大きいかの判断が行われる。
【0093】
そして、算出された面積Sがしきい値から逸脱しない、つまり2つのしきい値の範囲内の場合にはステップS2に戻り、同様の動作を繰り返し、算出された面積Sがしきい値より逸脱すると判断した場合には、ステップS7に示すようにCPU55は信号停止指令をFPGA56に出力する。そして、FPGA56はROM53から波形データの読み出しを行うのを停止し、ステップS8に示すようにアクチュエータ39への通電が停止することになる。
【0094】
本実施の形態によれば、リモートスイッチが操作された場合に、アクチュエータ39に駆動信号を印加して、その際に解放状態及び短絡状態が発生した場合には速やかにアクチュエータ39を駆動するのを停止するので、短絡により過大な電流が流れて電気部品等を損傷したり、特性を劣化させたり、寿命を低下させたり、断線等が発生するのを速やかに防止できる。
【0095】
また、断線により解放状態となった場合には、そのまま駆動電力を印加した状態を続けると、断線した部分が導電部分に触れて不具合が発生する可能性があるが、このような不具合を速やかに防止できる。その他は第1の実施の形態と同様の効果を有する。
【0096】
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態を図16を参照して説明する。本実施の形態はそのズーム制御装置6が図13に示すものにおいて、しきい値設定回路86で設定されているしきい値がアクチュエータ39が発熱状態であるかを判別するためのしきい値Sthに設定されており、その他は同様の構成である。
【0097】
そして、リモートスイッチが操作されている状態において、その状態でのアクチュエータ39に流れる電流を監視し、その面積Sがしきい値Sthを越えたか否かを判断して、このしきい値Sthを越えた場合には、ズームレンズ38を広角端に設定して、通電を一旦停止して発熱状態を抑制するようにしたものである。
【0098】
この場合の発熱状態を検出するしきい値Sthは図14(A)で示すように通常の使用状態での電流面積Snorより少し大きな値であり、この値Snorは短絡を検出するしきい値Sshよりは小さい。
【0099】
本実施の形態における例えばズームスイッチ40をONした場合に行う処理内容を図16を参照して説明する。ズームスイッチ40をONした場合にはその操作信号はステップS11のI/Oポート59を経てCPU55に入力される。
【0100】
ステップS12に示すようにCPU55はその操作信号がT方向或いはW方向のいずれの方向への指示であるかの判断を行う。
【0101】
W方向である場合には、CPU55はステップS13aのW信号発生指令の処理を行い、FPGA56はその指令に従ってステップS14aのROM53へアドレス指定を行い、ROM53から読み出された駆動波形データはD/Aコンバータ57でアナログ値に変換され、増幅されて駆動信号となりアクチュエータ39に印加される。つまり、ステップS15aの駆動パルス通電の処理が行われる。
【0102】
そして、ステップ16aの電流検出回路82等によりアクチュエータ39に流れる電流の検出、積分計算が行われて面積Sが算出され、この面積Sはステップ17aでしきい値Sthと比較される。つまり、(CPU55による)判別回路85でS>Sthか否かの判断が行われ、これに該当しない場合にはステップS13aに戻り、逆にS>Sthに該当する場合にはステップS20以降の処理を行う。
【0103】
一方、ステップS12の判断でT方向であると判断された場合にはCPU55はステップS13bのT信号発生指令の処理を行い、FPGA56はその指令に従ってステップS14bのROM53へアドレス指定を行い、ROM53から読み出された駆動波形データはD/Aコンバータ57でアナログ値に変換され、増幅されて駆動信号となりアクチュエータ39に印加される。つまり、ステップS15bの駆動パルス通電の処理が行われる。
【0104】
そして、ステップ16bの電流検出回路82等によりアクチュエータ39に流れる電流の検出、積分計算が行われて面積Sが算出され、この面積Sはステップ17aでしきい値Sthと比較される。つまり、(CPU55による)判別回路85でS>Sthか否かの判断が行われ、これに該当しない場合にはステップS13bに戻り、逆にS>Sthに該当する場合にはステップS18bのT信号停止指令の処理を行い、その後ステップS19bの通電停止の処理を行ってステップS20以降の処理を行う。
【0105】
ステップS20ではCPU55は最拡大端から最広角端に移動するのに要する駆動パルス数P5に例えばαを加算した値の(P5+α)パルスでW信号発生指令を出し、FPGA56はその指令に従ってステップS21のROM53へアドレス指定を行い、ROM53から読み出された駆動波形データはD/Aコンバータ57でアナログ値に変換され、増幅されて駆動信号となりアクチュエータ39に印加される。つまり、ズテップS22の駆動パルス通電の処理が行われる。
【0106】
これによって、ズームレンズ38は最広角端に移動されてその位置に設定される。
そして、ステップ23でW信号停止指令の処理を行い、その後ステップS24の通電停止の処理を行う。
【0107】
本実施の形態によれば、例えば使用者が通常の使用頻度でのリモートスイッチのON/OFFよりもはるかに激しい使用頻度でリモートスイッチを使用したような場合には、摩擦板44及び摺動パイプ67等での発熱が大きくなり、耐久性が低下したり、熱変形或いは熱損傷して駆動特性が劣化したり、寿命を低下させたりする等の可能性が発生する。
【0108】
さらに過度に発熱させると、移動ができないで故障させてしまう可能性が発生し、この場合にはズームレンズ38が広角側に設定されていないと、周囲の視野が確保できないので、内視鏡検査を中断して、内視鏡を引き抜く作業を行うことになるが、本実施の形態によれば、最広角端に移動設定するのでそのような作業を容易に行うことができる。また、発熱によって、耐久性が低下したり、駆動特性が劣化する等の不具合が発生する可能性を未然に防止できる。その他は第1の実施の形態と同様の効果を有する。
【0109】
なお、上記しきい値Sthの他にさらに低い発熱注意用のしきい値を設定し、この場合には図16と同様にステップ23まで行い、その後に、CPU55はタイマを起動して、アクチュエータ39の発熱が例えば通常のレベルまで低下すると予測される比較的短い時間を計測し、この時間の後にリモートスイッチによる操作信号を受け付けるようにして内視鏡検査を再開できるようにしても良い。
【0110】
なお、リモートスイッチが操作されてアクチュエータ39に駆動信号を印加した場合に、第2及び第3の実施の形態の動作を行うようにしても良い。この場合には第2及び第3の実施の形態の効果を有する。
【0111】
(第4の実施の形態)
次に本発明の第4の実施の形態を図17等を参照して以下に説明する。図17はズームレンズ38を移動する場合の駆動パルス数と設定される倍率との関係をWide端及びTele端も含めて示したものであり、例えばパルス数がP1、P2、P3、P4、P5でそれぞれ倍率20、40、60、80、100に設定される。
【0112】
本実施の形態では、メイン電源を投入した場合に、ステップモードでは図18に示すような動作を行うようにしたものである。
つまり、メイン電源を投入した場合に、自動的にWide端に設定する動作を行った後、ステップモードでT方向スイッチ40Tを押す操作した場合には、レベル1が選択されている場合には、パルス数P1を出し、20倍に設定する。
【0113】
この20倍の状態で、さらにT方向スイッチ40Tを押す操作した場合には、さらにパルス数P1を出し(この場合には20+α倍になる)、W方向スイッチ40Wを押す操作をした場合にはWide端に復帰させる。
【0114】
つまり、ステップモードのレベル1が選択されている場合には、T方向スイッチ40Tを押す度にパルス数P1を出力し、逆にW方向スイッチ40Wが押された場合にはWide端に復帰させる。
【0115】
レベル2が選択された場合にはT方向スイッチ40Tを押す度にパルス数P2にしたものである。他のレベルもほぼ同様に、レベル3が選択された場合にはT方向スイッチ40Tを押す度にパルス数P3が、レベル4が選択された場合にはT方向スイッチ40Tを押す度にパルス数P4が、レベル5が選択された場合にはT方向スイッチ40Tを押す度にパルス数P5+αが出力されるようにしたものである。逆にW方向スイッチ40Wが押された場合にはWide端に復帰させる。
【0116】
図19は第4の実施の形態の第1変形例におけるステップモードでの動作例を示す。
第4の実施の形態では所定のパルス数づつで移動させるものであったが、この第1変形例では所定の倍率になるように移動するものである。
【0117】
つまり、メイン電源を投入してWide端に設定した状態において、ステップモードのレベル1が選択された状態では、T方向スイッチ40Tが押される度に20倍づつ倍率が増加した位置に設定し、W方向スイッチ40Wが押されと、Wide端に復帰させる。
【0118】
例えばWide端の状態において、T方向スイッチ40Tが押されると、20倍に設定するP1パルスが出力されて20倍の位置に設定され、さらにT方向スイッチ40Tが押されると、40倍に設定する(P2−P1)パルスが出力されて40倍の位置に設定され、さらにT方向スイッチ40Tが押されると、60倍に設定する(P3−P2)パルスが出力されて60倍の位置に設定され、さらにT方向スイッチ40Tが押されると、80倍に設定する(P4−P3)パルスが出力されて80倍の位置に設定され、さらにT方向スイッチ40Tが押されると、100倍に設定する(P5−P4パルスが出力されて100倍の位置(つまりTele端)に設定される。そして、任意の倍率の状態でW方向スイッチ40Wが押されると、(P5+α)パルスが出力されてWide端に復帰する。
【0119】
レベル2が選択された状態で、T方向スイッチ40Tが押された場合には最初に40倍の位置に設定されるP2パルスが出力され、その後の動作はレベル1と同様である。
【0120】
他のレベルも同様に、レベル3、4、5が選択された状態で、T方向スイッチ40Tが押された場合には最初に60倍、80倍、100倍の位置にそれぞれ設定されるP3、P4、P5パルスがそれぞれ出力され、その後の動作はレベル1と同様である。
【0121】
また、 図20は第4の実施の形態の第2変形例におけるステップモードでの動作例を示す。
第1変形例ではT方向スイッチ40Tが押される度に20倍づつ倍率が増加した位置に設定され、W方向スイッチ40Wが押されと、Wide端に復帰させるようにしたが、この第2変形例では、レベル5を除いてWide端の状態で2回まではT方向スイッチ40Tが押される度に20倍づつ倍率が増加した位置に設定されるが、それ以上は倍率が増加しないで、最大の倍率に設定された状態でW方向スイッチ40Wが押されると、最初のT方向スイッチ40で設定される倍率の位置に設定され、さらにW方向スイッチ40Wが押されるとWide端に復帰するものである。
【0122】
つまり、メイン電源を投入してWide端に設定した状態において、ステップモードのレベル1が選択された状態でT方向スイッチ40Tを押すとP1パルスが出力されて20倍の位置に設定され、さらにT方向スイッチ40Tを押すと(P2ーP1)パルスが出力されて40倍の位置に設定され、それ以上はT方向スイッチ40Tを押しても倍率は変化しないで、W方向スイッチ40Wを押すと(P2−P1)パルスが出力されて20倍の位置に設定され、さらにW方向スイッチ40Wを押すと(P1+α)パルスが出力されて確実にWide端に設定される。
【0123】
また、例えばレベル2ではWide端の状態において、T方向スイッチ40Tを押すとP2パルスが出力されて40倍の位置に設定され、さらにT方向スイッチ40Tを押すと(P3ーP2)パルスが出力されて60倍の位置に設定され、それ以上はT方向スイッチ40Tを押しても倍率は変化しないで、W方向スイッチ40Wを押すと(P3−P2)パルスが出力されて40倍の位置に設定され、さらにW方向スイッチ40Wを押すと(P2+α)パルスが出力されて確実にWide端に設定される。
【0124】
また、レベル5ではWide端の状態において、T方向スイッチ40Tを押すと(P5+α)パルスが出力されて100倍(つまりTele端)の位置に確実に設定され、それ以上はT方向スイッチ40Tを押しても倍率は変化しないで、W方向スイッチ40Wを押すと(P5+α)パルスが出力されて確実にWide端に設定される。
【0125】
(第5の実施の形態)
次に本発明の第5の実施の形態を図21を参照して説明する。本実施の形態は、第1〜4の実施の形態で説明した内容を、内視鏡の視野変換機構に応用したものである。内視鏡先端に搭載された、視野変換機構の構成が、第1〜4の実施の形態と異なる。
【0126】
図21は内視鏡2の先端部13の構成を示している。先端部13を構成する先端部本体91には、対物光学系34が先端部本体91の軸方向(図21では左右方向)に配置され、その結像位置にCCD35が配置されている。
【0127】
この対物光学系34の光路の前方位置に設けられた切り欠き部にはミラー92が収納され、このミラー92は一端が回転自在に支持され、この一端よりも他端寄りの位置に設けた図示しない長孔にアクチュエータ39の出力軸39aに設けたピンが係入され回動可能に連結されている。
【0128】
この出力軸39aの基端付近の先端部本体91に設けた凹部にはアクチュエータ39が取り付けられている。このアクチュエータ39は第1の実施の形態で説明したのと同様に、ズーム制御装置6に接続される。
また、CCD35もアンプ36を通してCCU4に接続される。
【0129】
そして、ズームスイッチ40或いはフットスイッチ7からなるリモートスイッチを操作することにより、制御回路52(を構成するCPU55)を介して駆動回路51からアクチュエータ39に駆動信号を印加して、出力軸39aを図21の矢印Aで示す方向に移動して、この移動によりミラー92を一端を回動中心として矢印bで示すように回動させ、視野方向を変更或いは視野変換を行うことができるようにしている。
【0130】
例えば、図21の光線93の方向からくる光はミラー92で反射され、対物光学系34の光軸を通りCCD35に入射される。つまり、この状態では光線93の方向が視野方向となり、リモートスイッチを操作してミラー92の傾き角を変更した場合には視野方向が変化する。
【0131】
本実施の形態は以下の効果を有する。
いろいろなモードを設けて在るので、視野の変換を行うのに、内視鏡操作者の好みや、症例の違い等に対応でき、操作性が向上している。本実施の形態による視野変換の操作性の向上は、第1〜4の実施の形態で説明した効果を、視野変換の操作性という観点で読み変えることで、意味的に同じである(同じ構成の制御装置を使用している為)。
【0132】
なお、上述の説明では被駆動体としてのズームレンズ38をその移動範囲における最広角端となる一方の位置或いは中間位置に移動する手段を備えたものを説明したが、他方の最拡大端に移動設定する手段を設けるようにしても良い。
【0133】
なお、対物レンズ系34に設けたズームレンズ38としては、移動してフォーカス状態(合焦状態)に設定するフォーカス光学系でも良く、この場合にはズームレンズ(正確には変倍レンズ)38の代わりにフォーカスレンズを用いれば良い。
【0134】
また、対物レンズ系34は、変倍した場合にも、フォーカス距離が変動しないズーム光学系でも良く、この場合にはズームレンズ(正確には変倍レンズ)38の代わりにズームレンズを用いれば良い。
【0135】
また、対物レンズ系34に回動自在のミラーを設け、このミラーの回動角度をアクチュエータ39で駆動することにより、観察視野の方向を変更(変換)するようにしても良い。
【0136】
また、アクチュエータ39により駆動される被駆動体として、対物レンズ系34の代わりに鉗子起上台とし、この鉗子起上台を駆動して、鉗子起上台の起上角度を可変できるようにしても良い。
なお、上述した各実施の形態等を部分的等で組み合わせて構成される実施の形態等も本発明に属する。
【0137】
[付記]
1.アクチュエータにより駆動される被駆動体を有する内視鏡と、着脱自在に前記内視鏡に接続され前記アクチュエータを駆動制御する制御装置を備えた内視鏡装置において、
前記内視鏡内に設けられ、前記内視鏡内の情報を設定する設定手段と、
前記設定手段の出力信号を前記制御装置へ伝達する伝達手段と、
前記制御装置内に前記設定手段の出力信号を受信する受信手段と、
前記受信手段の受信信号に基づいて、前記アクチュエータの駆動波形の出現状態を設定する駆動制御手段と、
前記駆動制御手段からの出力信号に基づいて駆動波形を発生する駆動手段とを有することを特徴とする内視鏡装置。
【0138】
1−0.付記1において、前記内視鏡内の情報は、前記アクチュエータに関するものである。
1−0−1.付記1−1において、前記内視鏡内の情報は、前記アクチュエータの駆動速度に関するものである。
【0139】
1−1.前記駆動制御手段は、単位時間あたりの前記駆動波形の出現率の大小を設定する。
【0140】
1−2.前記駆動制御手段は、前記駆動波形の休止時間の大小を設定する。
【0141】
1−3.付記1において、前記設定手段は、ディップスイッチである。
1−4.付記1において、前記設定手段は、ROMである。
1−5.付記1において、前記駆動手段は、波形発生回路と増幅回路からなる。
1−6.付記1において、前記被駆動体はズームレンズである。
【0142】
1−7.付記1において、前記被駆動体はフォーカスレンズである。
1−8.付記1において、前記被駆動体は変倍レンズである。
1−9.付記1において、前記被駆動体は処置具起上台である。
1−10.付記1において、前記被駆動体は視野方向変換手段である。
【0143】
1′.アクチュエータにより駆動される被駆動体を有する内視鏡と、着脱自在に前記内視鏡が接続され前記アクチュエータを駆動制御する制御装置とを備えた内視鏡装置において、
アクチュエータを搭載した内視鏡個々ないしは前記アクチュエータ個々に対応した識別情報の発生手段と、
前記制御装置に接続される内視鏡における前記識別情報の読取手段と、
前記読取手段で読み取った識別情報により、前記内視鏡に搭載されたアクチュエータを駆動する駆動波形の出現状態を設定する駆動制御手段と、
とを設けたことを特徴とする内視鏡装置。
【0144】
2.アクチュエータにより駆動される被駆動体を有する内視鏡と、着脱自在に前記内視鏡に接続され前記アクチュエータ駆動制御する制御装置を備えた内視鏡装置において、
前記制御装置内に、前記アクチュエータに流れる電流を検出する電流検出手段と、
短絡及び解放状態を検出するための2つ以上のしきい値に設定したしきい値設定手段と、
前記しきい値レベルと前記電流検出手段で検出された電流量レベルとの大小を比較・判定する比較判定手段と、
前記比較判定手段の判定結果に基づいて、前記アクチュエータの駆動波形を設定する駆動制御手段と、
前記駆動制御手段からの出力信号に基づいて駆動波形を発生する駆動手段と、
を有することを特徴とする内視鏡装置。
【0145】
2−1.付記2において、前記2つ以上のしきい値における1つは、前記アクチュエータへの通電線断線時に前記電流検出手段で検出される電流量レベルよりも若干大きく設定され、前記駆動制御手段は、前記電流検出手段で検出される電流量レベルが、前記しきい値より小さい時、アクチュエータへの通電を遮断する。
2−1−1.付記2−1において、前記通電を遮断する手段は、前記増幅回路への電源供給を遮断する。
【0146】
2−2.付記2において、前記2つ以上のしきい値における1つは、前記アクチュエータへの通電線短絡時に前記電流検出手段で検出される電流量レベルよりも若干小さく設定され、前記駆動制御手段は、前記電流検出手段で検出される電流量レベルが、前記しきい値より大きい時、直ちにアクチュエータへの通電を遮断する。
2−2−1.付記2−2において、前記通電を遮断する手段は、前記増幅回路への電源供給を遮断する。
【0147】
2−3.付記2において、前記しきい値は、前記アクチュエータへの通電が正常に行われている時に前記電流検出手段で検出される電流量レベルよりも若干大きく設定され、前記駆動制御手段は、前記比較手段において、前記検出出力値がしきい値を越えた場合、駆動波形の発生を一旦停止させ、直ちに前記アクチュエータを所定の位置に移動させる駆動波形を発生させるよう通常制御する。
【0148】
2−3−1.付記2−3において、前記所定の位置は、前記アクチュエータの移動範囲の一端である。
2−3−1−1.付記2−3において、前記一端は、広角端である。
2−4.付記2において、前記駆動手段は、波形発生回路と増幅回路からなる。
2−5.付記2において、前記被駆動体はズームレンズである。
【0149】
2−6.付記2において、前記被駆動体はフォーカスレンズである。
2−7.付記2において、前記被駆動体は変倍レンズである。
2−8.付記2において、前記被駆動体は処置具起上台である。
2−9.付記2において、前記被駆動体は視野方向変換手段である。
【0150】
2′.アクチュエータにより駆動される被駆動体を有する内視鏡と、着脱自在に前記内視鏡に接続され前記アクチュエータ駆動制御する制御装置を備えた内視鏡装置において、
前記制御装置内に、前記アクチュエータに流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記アクチュエータへの通電が正常に行われている時に前記電流検出手段で検出される電流量レベルよりも若干大きいしきい値に設定したしきい値設定手段と、
前記しきい値レベルと前記電流検出手段で検出された電流量レベルとの大小を比較・判定する比較判定手段と、
前記比較判定手段の判定結果に基づいて、前記アクチュエータの駆動波形を設定する駆動制御手段と、
前記駆動制御手段からの出力信号に基づいて駆動波形を発生する駆動手段と、
を有することを特徴とする内視鏡装置。
【0151】
2′.アクチュエータにより駆動される被駆動体を有する内視鏡と、着脱自在に前記内視鏡に接続され前記アクチュエータ駆動制御する制御装置を備えた内視鏡装置において、
前記制御装置内に、前記アクチュエータに流れる電流を検出する電流検出手段と、
短絡、解放及び発熱状態における少なくとも2つ以上のしきい値に設定したしきい値設定手段と、
前記しきい値レベルと前記電流検出手段で検出された電流量レベルとの大小を比較・判定する比較判定手段と、
前記比較判定手段の判定結果に基づいて、前記アクチュエータの駆動波形を設定する駆動制御手段と、
前記駆動制御手段からの出力信号に基づいて駆動波形を発生する駆動手段と、
を有することを特徴とする内視鏡装置。
【0152】
2″−1.前記駆動制御手段は、前記比較判定手段において、前記検出出力値がしきい値を越えた場合、駆動波形の発生を一旦停止させ、直ちに前記アクチュエータを所定の位置に移動させる駆動波形を発生させるよう通常制御する。
【0153】
(付記2、2′、2″に対する従来技術の問題点)
従来技術として、内視鏡内に設けられたディップスイッチ等によって、内視鏡と制御装置の接続を検知するものがあるが、この場合、内視鏡内、あるいは制御装置内のアクチュエータ通電線が断線し、アクチュエータが駆動不能になったことを検知できず、アクチュエータ通電線に駆動電力が供給されている状態で、通電線の導電部が意図せず制御装置内、あるいは内視鏡内部の金属部に接触することによる不具合が生じる恐れがある。
【0154】
過度にズーム操作を煩雑に繰り返すことにより、アクチュエータが発熱して特性が寿命を低下させたり、特性を劣化させる可能性がある。また、発熱ししすぎて故障した場合、例えば拡大端で画像が動かなくなった場合、体腔内の全体視野が確保できないため、内視鏡検査を中断する際、内視鏡を抜去することが難しかった。
【0155】
(付記2、2′、2″の目的)
寿命の低下等を防止でき、内視鏡検査の中断操作が容易に行える内視鏡装置の提供。
【0156】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、アクチュエータにより駆動される被駆動体を有する内視鏡と、着脱自在に前記内視鏡に接続され前記アクチュエータを駆動制御する制御装置を備えた内視鏡装置において、
前記内視鏡内に設けられ、前記内視鏡内の情報を設定する設定手段と、
前記設定手段の出力信号を前記制御装置へ伝達する伝達手段と、
前記制御装置内に前記設定手段の出力信号を受信する受信手段と、
前記受信手段の受信信号に基づいて、前記アクチュエータの駆動波形の出現状態を設定する駆動制御手段と、
前記駆動制御手段からの出力信号に基づいて駆動波形を発生する駆動手段と、
を設けているので、アクチュエータの駆動特性にバラツキがある場合でも、前記情報に基づいて前記アクチュエータの駆動波形の出現状態を設定することにより、バラツキを小さくないしは解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の内視鏡装置の外観を示す斜視図。
【図2】内視鏡装置の全体構成を示すブロック図。
【図3】内視鏡の先端部に設けた対物光学系及びズームレンズを駆動するアクチュエータを示す図。
【図4】アクチュエータの外形を示す斜視図。
【図5】アクチュエータの内部構造を示す断面図。
【図6】駆動波形を示す図。
【図7】ズーム制御装置の正面図。
【図8】ズーム制御装置内の駆動系の概略の構成を示す図。
【図9】駆動パルス比率を示す説明図。
【図10】ディップスイッチの外形及び各スイッチに割り当てられた機能等を示す図。
【図11】受信回路の具体的な回路図。
【図12】変形例における駆動パルス比率を示す図。
【図13】本発明の第2の実施の形態におけるズーム制御装置の機能的な構成図。
【図14】しきい値の関係及び検出される電流波形を示す図。
【図15】第2の実施の形態における動作内容を示すフローチャート図。
【図16】本発明の第3の実施の形態における動作内容を示すフローチャート図。
【図17】ズームレンズを移動する場合の駆動パルス数と設定される倍率との関係を示す図。
【図18】本発明の第4の実施の形態におけるステップモードでの動作例を示す図。
【図19】第4の実施の形態の第1変形例におけるステップモードでの動作例を示す図。
【図20】第4の実施の形態の第2変形例におけるステップモードでの動作例を示す図。
【図21】本発明の第5の実施の形態における内視鏡の先端部の視野変換機構部分を示す図。
【符号の説明】
1…内視鏡装置
2…内視鏡
3…光源装置
4…ビデオプロセッサ
5…カラーモニタ
6…ズーム制御装置
7…フットスイッチ
8…挿入部
9…操作部
13…先端部
34…対物光学系
35…CCD
38…ズームレンズ
39…アクチュエータ
40…ズームスイッチ
49…ステップモードスイッチ
50…スピードモードスイッチ
51…駆動回路
52…制御回路
53…ROM
54…RAM
55…CPU
56…FPGA
57…D/Aコンバータ
59…I/O
62…受信回路
63…ディップスイッチ
Claims (6)
- アクチュエータにより所定方向に進退駆動される被駆動体を有する内視鏡と、着脱自在に前記内視鏡に接続され前記アクチュエータを駆動制御する制御装置を備えた内視鏡装置において、
前記内視鏡内に設けられ、前記アクチュエータにより前記被駆動体を前記所定の方向へ駆動する際の第1の駆動特性に応じて設定された第1の設定情報を記憶すると共に、前記アクチュエータにより前記被駆動体を前記所定の方向とは反対の方向に駆動する際の第2の駆動特性に応じて設定された、前記第1の設定情報とは異なる第2の設定情報を記憶する設定手段と、
前記第1及び第2の設定情報を、前記設定手段から前記制御装置へ伝達する伝達手段と、
前記制御装置内に設けられ、前記伝達手段を介して伝達された前記第1及び第2の設定情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記第1及び第2の設定情報に基づいて、前記アクチュエータの駆動波形の出現状態を設定する駆動制御手段と、
前記駆動制御手段からの出力信号に基づいて前記アクチュエータを駆動するための駆動波形を発生する駆動手段と
を有することを特徴とする内視鏡装置。 - 前記アクチュエータは、前記内視鏡に内蔵あるいは搭載されている
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。 - 前記被駆動体は対物光学系レンズであって、
前記アクチュエータは、前記対物光学系レンズの光軸方向に前記対物光学系レンズを進退駆動する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡装置。 - 前記第1及び第2の設定情報は、前記アクチュエータの駆動速度を設定するための情報である
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の内視鏡装置。 - 前記駆動制御手段は、単位時間あたりの前記駆動波形の出現率の大小を設定する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の内視鏡装置。 - 前記第1及び第2の設定情報は、前記アクチュエータを内蔵した前記内視鏡個々ないしは前記アクチュエータ個々に対応した識別情報である
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の内視鏡装置。
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