JP4127104B2 - 光重合開始剤、新規化合物および光硬化性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術野】
本発明は、光重合開始剤、新規化合物および光重合開始剤が挙げられる光硬化性組成物に関する。更に具体的には、厚膜用UV硬化性塗料に有用な光重合開始剤及び光硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光重合開始剤は光硬化性樹脂組成物(例えば光硬化性塗料または光硬化性印刷用インク)の技術分野において、硬化速度を飛躍的に向上できる点から重要性を増している。例えば光重合開始剤はラジカル重合性のモノマーやオリゴマーと混合して得られる塗料は、金属、紙、プラスチックおよび木材等の基板に広く適用されている。
かかる光重合開始剤の技術分野においては、UV光や可視光に対して高光感度であることが要求されており、これまで種々のタイプの開始剤が検討されている。また、光重合開始剤の固有の技術的問題として着色の問題があり、塗料用途において黄色みがかった塗膜となる、という問題がある。
このような問題を解決するため、例えば、米国特許公報第6020528号には、アルキルフェニルビスアシルホスフィンオキサイド、又は、該化合物とベンゾフェノンとの混合物が開示されている。かかる光重合開始剤は、とりわけ薄膜塗料用途において優れた硬化性を発現する。
【0003】
しかし、前記光重合開始剤は、その芳香族構造に起因する自己吸光性のため厚膜用塗料に適さないという問題を有する。
【0004】
また、前記アルキルフェニルビスアシルホスフィンオキサイドは、ベンゾフェノンなどの従来型の光重合開始剤と比べ着色の問題を改善できるものの、その改善効果は充分なものではなかった。
【0005】
【特許文献1】
米国特許公報第6020528号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、光重合開始剤、及びそれを含有する光硬化性組成物において、光感度を飛躍的に改善して厚膜塗膜への適用を可能とし、尚かつ、着色の問題を改善することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、光重合開始剤を構成する化合物において特定のβ−ジケトン構造を有することにより光感度が飛躍的に向上すると共に、着色の殆どない光重合開始剤となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、下記構造式(1)
【化8】
【0009】
(ここで、R3及びR4は、それぞれ炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、
R1及びR2はそれぞれ、
1) 電子吸引基、
2) 炭素原子数1〜8のアルキル基、または、
3) 2つのカルボニル基に対してβ位、γ位またはδ位の位置に電子吸引基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基、から成る群から選択され、かつ、2つの置換基が共に前記アルキル基2)である場合には前記アルキル基2)は、メチル基又はエチル基である。)
で表される化学構造を有しており、かつ、分子量が1000以下の化合物であって、尚かつ、上記構造式(1)中に示される下記構造部分(2)
【0010】
【化9】
を該化合物中に質量基準で17%〜54%の割合で含有する化合物を主たる成分とすることを特徴とする光重合開始剤に関する。
【0011】
また、本発明は、下記構造式(3)
【0012】
【化10】
【0013】
(ここで、R3は、それぞれ炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、
R5は、1価乃至5価の脂肪族炭化水素基又はアルキレンオキシ基含有脂肪族炭化水素基を示し、nは1〜5の自然数を表し、かつ、
R1及びR2はそれぞれ、
1) 電子吸引基、
2) 炭素原子数1〜8のアルキル基、または、
3) 2つのカルボニル基に対してβ位、γ位またはδ位の位置に電子吸引基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基、から成る群から選択され、かつ、2つの置換基が共に前記アルキル基2)である場合には前記アルキル基2)は、メチル基又はエチル基である。)
で表される化学構造を有しており、かつ、分子量が1000以下の化合物であって、尚かつ、上記構造式(1)中に示される下記構造部分(2)
【0014】
【化11】
【0015】
を該化合物中に質量基準で17%〜47%の割合で含有する
化合物を主たる成分とすることを特徴とする光重合開始剤に関する。
【0016】
更に、本発明は下記構造式(6)
【化12】
【0017】
(R6は、炭素原子数1〜8のアルキル基、C1−4アルキルカルボニル基、シアノ基、C1−4アルキルカルボニルメチル基、C1−4アルキルカルボニルエチル基、C1−4アルコキシカルボニルエチル基、カルボキシル基又はシアノ基で置換された炭素原子数1〜8のアルキル基、
R7、R8、R9及びR10は、それぞれ独立的に水素原子又はメチル基を表す。但し、R9及びR10は、の少なくとも一方は水素原子である。
また、R11は炭素原子数2〜12の2価〜4価の脂肪族炭化水素基を、
R12はメチル基、又は炭素原子数1〜18のアルコキシ基を表す。
nは2〜4の自然数を、mは0〜15の整数を表す。)
で表されることを特徴とする新規化合物に関する。
【0018】
更には、前記光重合開始剤、及びラジカル重合性エチレン系不飽和基含有化合物を必須成分とすることを特徴とする光硬化性組成物に関する。
【0019】
【発明の実施の態様】
前記構造式(1)及び前記構造式(3)におけるR3、又は前記構造式(1)におけるR4は、前記したとおり炭素原子数1〜8のアルキル基である。ここで炭素原子数1〜8のアルキル基は、線状構造であっても分岐構造であってもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基が挙げられる。これらの中でも特にメチル基が光感度に優れる点から好ましい。
【0020】
前記構造式(3)におけるR5は、1価乃至5価の脂肪族炭化水素基又はアルキレンオキシ基含有脂肪族炭化水素基であり、該1価乃至5価の脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル、n−オクチルおよび多官能脂肪族系炭化水素基(例えばエチレン、プロピレン、トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトール残基)等の線状構造又は分岐構造のアルキル基が挙げられる。
【0021】
また、R5における1価乃至5価のアルキレンオキシ基含有脂肪族炭化水素基としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、t-ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、エチレン・グリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトールと、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドとの反応によって得られる、単管能性又は多官能性のアルキルオキシエチル基、アルキルオキシプロピル基、アルキル−ポリオキシエチレン基、アルキル−ポリオキシプロピレン基が挙げられる。
【0022】
次に、構造式(1)又は構造式(2)におけるR1及びR2は、前記した通り、
1) 電子吸引基、
2) 炭素原子数1〜8のアルキル基、または、
3) 2つのカルボニル基に対してβ位、γ位またはδ位の位置に電子吸引基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基、から成る群から選択され、かつ、2つの置換基が共に前記アルキル基2)である場合には前記アルキル基2)は、メチル基又はエチル基である。
【0023】
ここで、電子吸引基1)としては、アセチル基、エステルにおけるケトン基、エーテル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホン酸基、スルホニル基またはフォスフェート基が挙げられる。
【0024】
次に、前記炭素原子数1〜8のアルキル基2)は、上記したR3又はR4の場合と同じ構造のものが挙げられる。
前記2つのカルボニル基に対してβ位、γ位またはδ位の位置に電子吸引基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基は、以下の構造のものが挙げられる。
[β位置換アルキル基]
【0025】
【化13】
【0026】
[γ位位置換アルキル基]
【化14】
【0027】
[β位およびγ位に電子吸引基を有するアルキル基]
【化15】
【0028】
[δ位置換アルキル基]
【0029】
【化16】
【0030】
尚、ここで、γ位置換アルキル基No.12は、アルキレン基、ポリオキシアルキレン基、多官能アルコール残基等を軽油してもう一つのβ-ジカルボニル構造に結合していてもよい。
【0031】
構造式(1)又は構造式(3)において前記R1またはR2は任意に選択することができるが、R1またはR2の何れもが、炭素原子数1〜8のアルキル基2)である場合には、光照射によるラジカル生成を可能とするためメチル基またはエチル基から選択される。このらの官能基のなかでも、特に構造式(1)又は構造式(2)で表される化合物の製造が容易であり、また、光感度に優れる点からNo.4、No.5、又はNo.12が好ましい。
【0032】
本発明においては、前記構造式(1)又は構造式(3)で表される化合物は、1000以下の分子量を有することを特徴としている。かかる分子量範囲において添加系の光重合開始剤として有用であり、特にラジカル重合性モノマー、ラジカル重合性オリゴマー或いはラジカル重合性ポリマーとの相溶性にも優れたものとなる。また、このような低分子量とすることにより硬化塗膜の表面硬度や耐溶剤性も飛躍的に優れたものとなる。これらの諸性能が顕著なものとなる点からなかでも分子量700以下であることが好ましい。
【0033】
また、上記構造式(1)又は構造式(3)で表される化合物は、該構造式中に具体的に示されている下記構造部分(2)
【0034】
【化17】
【0035】
を該化合物中に構造式(1)の場合、質量基準で17%〜54%、構造式(3)の場合、質量基準で17%〜47%の割合で含有するものである。この条件を具備することにより本発明の光重合開始剤は光感度に極めて優れたものとなる。
【0036】
ここで、前記構造式(1)で表される化合物としては、具体的には、3,3−ジメチル−2,4−ペンタンジオン、3,3−ジエチル−2,4−ペンタンジオン、3−アセチル−3−メチル−4−オキソ−ペンタン酸エチル、4−アセチル−4−メチル−−5−オキソ−ヘキサン酸エチル、4−アセチル−4−メチル−−5−オキソ−ヘキサン酸ブチル、4−アセチル−4−メチル−−5−オキソ−ヘキサン酸ヘキシル、4−アセチル−4−メチル−−5−オキソ−ヘキサン酸オクチル、4−アセチル−4−メチル−−5−オキソ−ヘキサン酸シクロペンタジエニルエステル、4−アセチル−4−メチル−−5−オキソ−ヘキサン酸(2-ヒドロキシエチル)エステル、4−アセチル−4−メチル−−5−オキソ−ヘキサン酸イソボルニルエステル、5−アセチル−5−メチル−6−オキソ−ヘプタン酸エチル、下記構造式で表される1,1−ジアセチル−1,3−プロパンジカルボン酸ジエチルエステル
【0037】
【化18】
【0038】
下記構造式で表される2,2−ジアセチル−1−4−ブタンジカルボン酸ジエチルエステル
【化19】
【0039】
3,3−ジアセチル−1,−5−ペンタンジカルボン酸ジエチルエステル、5,−5−ジアセチルノナン−2,8−ジオン、3,3−ジアセチル−1,−5−ペンタンジカルボン酸、3,3−ジアセチル−1,−5−ビス(メチルスルフォニル)ペンタン、4−4−ジアセチル−7−オキソ−オクタン酸エチルエステル、下記構造式で表される3,3−ジアセチル−4−(エトキシカルボニル)−1,−5−ペンタンジカルボン酸ジエチル
【0040】
【化20】
【0041】
下記構造式で表される3−{4−アセチル−4−[2−(エトオキシカルボニル)エチル]−−5−オキソヘキサノイルオキシ}−2,2−ジメチルプロピル−エチル−3,3−ジアセチル−1,−5−ペンタンジカルボン酸エステルの如くβ−ジカルボニル基を2つ有する化合物、
【0042】
【化21】
【0043】
下記構造式で表される2,2−ビス({4−アセチル−4−[2−(エトオキシカルボニル)エチル]−−5−オキソヘキサノイルオキシ}メチル)ブチル−エチル−3,3−ジアセチル−1,−5−ヘプタンジカルボン酸エステルの如くβ−ジカルボニル基を3つ有する化合物、
【0044】
【化22】
が挙げられる。
【0045】
一方、前記構造式(3)で表される化合物は、具体的には、1−アセチル−1−エチル−1,3−プロパンジカルボン酸ジエチルエステル、
ジエチルが2−アセチル−2−(エトキシカルボニル)−1,3−プロパンジカルボン酸ジメチルエステル、1−アセチル−1−(エトオキシカルボニル)-1−4−ブタンジカルボン酸ジメチルエステル、3−アセチル−3−(メトオキシカルボニル)−1,−5−ヘプタンジカルボン酸ジメチルエステル、3−(メトキシカルボニル)−3−(1−オキソプロピル)−1,−5−ヘプタンジカルボン酸ジメチルエステル、3−(エトキシカルボニル)−3−(2−メチル−1-オキソプロピル)−1,−5−ヘプタンジカルボン酸ジメチルエステル、
3−(エトキシカルボニル)−3−(1−オキソブチル)−1,−5−ヘプタンジカルボン酸ジメチルエステル、3−アセチル−3−(メトキシカルボニル)−1,6−ヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル、3−アセチル−3−(tert−ブトキシカルボニル)−1,−5−ペンタンジカルボン酸ジメチルエステル、下記構造式で表される3−アセチル−3−[(3−{2,2−ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]−3−オキソブタノイルオキシ}−2,2−ジメチルプロピル)オキシカルボニル]−1,−5−ペンタンジカルボン酸ジメチル、
【0046】
【化23】
が挙げられる。
【0047】
これらのなかでも前記構造式(1)で表される化合物がとりわけ光感度に優れる点から好ましい。更に、β−ジカルボニル構造のα位の炭素原子に同一構造の置換基を有していることが同様に好ましい。尚、製造が容易である点からγ位置換基No.4,No.5,No.12が特に好ましい。
【0048】
次に本発明の新規化合物は、下記構造式(6)を有するものである。
本発明は下記構造式(6)
【0049】
【化24】
【0050】
R6は、炭素原子数1〜8のアルキル基、アルキル基部分の炭素原子数が1〜4のアルキルカルボニル基、シアノ基、アルキル基部分の炭素原子数が1〜4のアルキルカルボニルメチル基、アルキル基部分の炭素原子数が1〜4のアルキルカルボニルエチル基、アルコキシ基部分の炭素原子数が1〜4のアルコキシカルボニルメチル基、アルコキシ基部分の炭素原子数が1〜4のアルコキシカルボニルエチル基、又はカルボキシル基若しくはシアノ基で置換された炭素原子数1〜8のアルキル基である。
【0051】
ここで、前記炭素原子数1〜8のアルキル基は、R3又はR4と同義である。
前記アルキル基部分の炭素原子数が1〜4のアルキルカルボニル基は、アセチル基、エチルケトン基、プロピルケトン基又はブチルケトン基が挙げられる。
前記アルキル基部分の炭素原子数が1〜4のアルキルカルボニルメチル基は、2−オキソ−プロピル基、2−オキソ−ブチル基、2−オキソ−ペンチル基又は2−オキソ−ヘキシル基が挙げられる。
【0052】
前記アルキル基部分の炭素原子数が1〜4のアルキルカルボニルエチル基は、3−オキソ−ブチル基、3−オキソ−ペンチル基、3−オキソ−ヘキシル基、又は3−オキソ−ヘプチル基が挙げられる。
【0053】
前記アルコキシ基部分の炭素原子数が1〜4のアルコキシカルボニルメチル基は、エトオキシカルボニルメチル基、エトオキシカルボニルメチル基、プロポキシカルボニルメチル基、又はブトキシカルボニルメチル基が挙げられる。
前記アルコキシ基部分の炭素原子数が1〜4のアルコキシカルボニルエチル基は、エトオキシカルボニルエチル基、エトオキシカルボニルエチル基、プロポキシカルボニルエチル基、又はブトキシカルボニルエチル基が挙げられる。
前記カルボキシル基又はシアノ基で置換された炭素原子数1〜8のアルキル基とは、カルボキシル基又はシアノ基含有のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、又はn-オクチル基が挙げられる。
【0054】
R7、R8、R9及びR10は、それぞれ独立的に水素原子又はメチル基を表す。但し、R9及びR10は、の少なくとも一方は水素原子である。
【0055】
また、R11は炭素原子数2〜12の2価〜4価の脂肪族炭化水素基を表す。かかる脂肪族炭化水素基はエチレン、プロピレン、トリメチロールプロパン残基、又はペンタエリスリトール残基が挙げられる。
ここで、nは2〜4の整数であり、また、mは0〜15の整数である。
さらに、R12はメチル基、または、炭素原子数1〜18のアルコキシ基を表す。
【0056】
ここで、炭素原子数1〜18のアルコキシ基とは、線状又は分岐状のアルコシキ基であり、例えばメトオキシ基、エトオキシ基、プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシル-オキシ基、シクロヘキシル−オキシ基、n-ヘプチル-オキシ基、n-オクチル-オキシ基、デシル-オキシ基、ウンデシル-オキシ基、ラウリル−オキシ基、トリデシル−オキシ基、ミリスチル−オキシ基、ペンタデシル−オキシ基、セチル−オキシ基、ヘプタデシル-オキシ基、又はステアリル−オキシ基が挙げられる。
これらの新規化合物の中でも特に相溶性や硬化物硬度の点から分子量1000以下のものが好ましい。さらに該新規化合物は、R12がメチル基の場合は、質量基準で17〜54%の範囲、R12が炭素原子数1〜18のアルコキシ基の場合は、質量基準で17〜47%の範囲で前記構造部分(2)を含有していることが光感度の点から好ましい。
【0057】
更に前記構造式(6)のうちm=0のものが前記構造部分(2)の含有率を高めながら低分子量化を図ることができる点から好ましい。
【0058】
該新規化合物の具体例としては、例えば下記構造式で表される3−{4−アセチル−4−[2−(エトオキシカルボニル)エチル]−5−オキソヘキサノイルオキシ}−2,2−ジメチルプロピル−エチル−3,3−ジアセチル−1,−5−ペンタンジカルボン酸エステルの如くβ−ジカルボニル基を2つ有する化合物、
【0059】
【化25】
【0060】
下記構造式で表される2,2−ビス({4−アセチル−4−[2−(エトオキシカルボニル)エチル]−−5−オキソヘキサノイルオキシ}メチル)ブチル−エチル−3,3−ジアセチル−1,−5−ヘプタンジカルボン酸エステルの如くβ−ジカルボニル基を3つ有する化合物、
【0061】
【化26】
【0062】
下記構造式で表される3−{(4S)−4−(エトオキシカルボニル)−4−[2-(エトオキシカルボニル)エチル]−5−オキソヘキサノイルオキシエチル(4S)−3−アセチル−3−(エトオキシカルボニル)ヘプタン−1,5−ペンタンジカルボン酸エステル、
【0063】
【化27】
【0064】
2,2−ビス({4-(メトキシオキシカルボニル)−4−[(メトキシカルボニル)メチル]−5−オキソヘキサノイルオキシ}メチル)ブチル−メチル−2−アセチル−2−(メトキシカルボニル)−1,4−ブタンジカルボン酸エステル、
【0065】
【化28】
が挙げられる。
【0066】
これらの化合物は、従来公知のアルキル化反応やマイケル付加反応などの有機合成方法によって製造することができる。
アルキル化反応は、活性水素原子を分子内に有するβ−ジケトン化合物やβ−ケトエステル化合物とハロゲン化アルキル化合物とを炭酸カリウムのような塩基触媒の存在下に行うことができる。
一方、マイケル付加反応は、活性水素原子を分子内に有するβ−ジケトン化合物やβ−ケトエステル化合物と、電気吸引基を有するエチレン性不飽和基を有する化合物とを、塩基触媒の存在下に行うことができる。
【0067】
本発明の光重合開始剤を構成する化合物、特に前記新規化合物の製造においては特にマイケル付加反応が適している。
ここで、電気吸引基を有するエチレン性不飽和基を有する化合物(以下、この化合物を「活性ビニル化合物」と略記する。)は、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリルが挙げられる。
【0068】
更に、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸エチルシクロペンタジエニルエステル、アクリル酸イソボルニルエステル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル、プロピレングリコールモノ・アクリル酸エステル、アクリル酸2−カルボキシエチルエステル、アクリロニトリル、ビニルメチルケトンおよびアクリルアミドが挙げられる。
【0069】
更に、一分子中少なくとも二つのβ−ジケトン構造を有する化合物を製造する場合、好ましい活性ビニル化合物は、1,2−エタンジオールジアクリレート、1,2−プロパンジオールジアクリレート、1−4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールのエトキシレート化物のジアクリレート、ネオペンチルグリコールのプロポキシレート化物のジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンのエトキシレート化物のトリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロポキシレート化物のトリアクリレート、グリセリンのプロポキシレート化物のトリアクリレート、トリス(2-acryloylオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールのエトキシレート化物のトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラアクリレートのエトキシレート化物のペンタエリスリトール、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレートが挙げられる。
【0070】
一方、活性水素原子を分子内に有するβ−ジケトン化合物やβ−ケトエステル化合物とは、1,3位にカルボニル基を有しておりα位の炭素原子に1つ又は2つの活性水素原子を有する化合物である。
【0071】
かかる活性水素原子を分子内に有するβ−ジケトン化合物やβ−ケトエステル化合物は、具体的には、ペンタン−2,4−ジオン、ヘキサン−2,4−ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、1−メトオキシ−ペンタン−2,4−ジオン、プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸ブチル、ブチリル酢酸メチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸tert−ブチルエステル、アセト酢酸2−メトキシエチルエステル、アセト酢酸2−エチルヘキシルエステル、アセト酢酸ラウリルエステル、2-アセトアセトキシエチルアクリレート、2−アセトアセトキシエチルメタクリレートおよびアセト酢酸ベンジルエステルが挙げられる。
【0072】
更に、一分子中少なくとも二つのβ−ジケトン構造を有する化合物を製造する場合、好ましいβ−ケトエステル化合物は、グリコールジアセト酢酸エステル、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールジアセト酢酸エステル、シクロヘキサンジメタノールジアセト酢酸エステル、トリメチロールプロパントリアセト酢酸エステル、グリセリントリアセト酢酸エステル、ペンタエリスリトールトリアセト酢酸エステル、ペンタエリスリトールテトラアセト酢酸エステル、ジトリメチロールプロパンテトラアセト酢酸エステルおよびジペンタエリスリトールヘキサアセト酢酸エステルが挙げられる。
【0073】
更に、該β−ケトエステル化合物は、アルコシキアルコールのβ−ケトエステル化物も好適である。かかる化合物は、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、t-ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトールと、エチレンオキサイドとを反応させて、モノ−又はポリ−オキシアルキレン構造を分子構造内に有する化合物である。
【0074】
前記活性ビニル化合物とβ−ジケトン化合物又はβ−ケトエステル化合物とのマイケル付加反応は、強塩基化合物やアンモニウムハライドのような触媒によって加速させることができる。ここで使用される触媒の量としては、反応混合物中0.1〜5.0質量%となる範囲であり、なかでも0.4〜2.0質量%の範囲が好ましい。反応温度は25〜150℃の範囲で選択でき、とくに前記マイケル付加反応においてα位において2置換体が容易に製造できる点から50〜110℃であることが好ましい。また、反応中は開放系にて空気存在下で行うことができる。
【0075】
このマイケル付加反応においては、重合抑制剤を使用することにより、活性ビニル化合物の重合に起因するゲル化を回避することができる。重合禁止剤の使用量は、反応混合物中0.01〜0.5質量%であることが好ましい。かかる重合禁止剤は、例えば、4−メトキシフェノール、フェノチアジンおよびヒドロチノンが挙げられる。
【0076】
このような方法によって製造された目的物は固形又は液体として得られる。故に、再結晶や減圧蒸留等の定法により生成し、目的とする化合物を得ることができる。
【0077】
このようにして得られた化合物は、単一構造の化合物として得られ、その純度は極めて高いものとなる。但し、前記した多官能の活性ビニル化合物や多官能のβ−ケトエステル化合物を原料に用いた場合には、その生成物は種々の化学構造を含む混合物として得られる。
【0078】
このようにして得られる本発明の光重合開始剤は、ラジカル重合性のモノマー、オリゴマー、又はポリマー用として極めて有用である。
【0079】
本発明の光硬化性組成物は、
(i)前記光重合開始剤、及び
(ii)ラジカル重合性エチレン系不飽和基含有化合物
を必須の成分とするものである。
【0080】
ここで、光重合開始剤(i)の量は組成物中1〜15質量%、なかでも2〜10質量%であることが好ましい。
【0081】
また、前記ラジカル重合性エチレン系不飽和基含有化合物(ii)は、分子内に前記ラジカル重合性エチレン基を活性化するヘテロ原子を有することが好ましい。
【0082】
かかるラジカル重合性エチレン系不飽和基含有化合物(ii)は、先ず、モノマーとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、アクリルアミド、アクロレイン、酢酸ビニル、ビニル・プロピオン酸エステル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、塩化ビニルおよび塩化ビニリデン等が挙げられる。これらのモノマーを使用するときは、該モノマーに前記光重合開始剤(i)を、必要により加熱や攪拌によって溶解させて本発明の光硬化性組成物を調整することができる。
【0083】
更に、ラジカル重合性エチレン系不飽和基含有化合物(ii)のうち多官能型のものとしては、1,2−エタンジオールジアクリレート、1,2−プロパンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ヘキサン-1,6−ジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールのエチレンオキシド付加物のジアクリレート、ネオペンチルグリコールのプロピレンオキシド付加物のジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物のジグリシジルエーテルのジアクリレート、ポリエチレンオキシドグリコールのジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキシド付加物のトリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド付加物のトリアクリレート、グリセリンのプロピレンオキシド付加物のトリアクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシ)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールのエチレンオキシド付加物のトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールのエチレンオキシド付加物のテトラアクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレートが挙げられる。
【0084】
また、オリゴマー又はポリマーとしては、アクリロイル基含有の重合体を好ましく用いることができ、エポキシ樹脂とアクリル酸との反応生成物であるエポキシアクレートや、ポリエステルポリオールと、アクリル酸又はアクリル酸エステルとの反応生成物であるポリエステルアクリレート、イソシアネートプレポリマーと2−ヒドロキシエチルアクレートとの反応生成物であるポリ尿素アクリレート、アクリロイル基含有大豆油、アクリロイル基含有シリコンオイル等が挙げられる。
【0085】
また、本発明の効果を損なわない範囲で従来の光重合開始剤を併用してもよい。かかる従来の光重合開始剤は、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ジアルキルアセトフェノン、ヒドロキシアルキルアセトフェノン、アミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキサイド、イソプロピルチオキサントンおよび3−ケトクマリン)が挙げられる。
【0086】
本発明の光硬化性組成物は、更にトリブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、および1,6−ヘキサンジオールジアクリレートとエタノールアミンとの反応で得られるアクリレートアミンのような所謂アクセラレータを併用してもよい。
【0087】
また、本発明においては酸素による重合阻害を防止するためワックス状物質を併用してもよい。該ワックス状物質は、塗料中の相溶性の点から塗膜表面に移行し、大気中の酸素を遮断する薄い層を形成する。また、同様に酸素による重合阻害を抑制する点からアリル基エーテルを加えることもできる。
【0088】
さらに、本発明の光硬化性組成物は、二酸化珪素、セメント、タルク、レベリング剤、高分子電解質のようなぬれ性付与剤、ポリシロキサン共重合体のような脱ガス剤、流動改質剤、界面活性剤、つや消し剤、およびフタル酸塩のような可塑剤等の公知の添加剤を併用することができる。
本発明の光硬化性組成物は、前記した各成分を均一に混合することにより得ることができる。また、UV光等の高エネルギー線や可視光などのエネルギー線を照射することによって硬化させることができる。エネルギー線源としては、日光や、市販の高圧、中圧、定圧ガスランプ、キセノンランプ、又はタングステン・ランプを使用することができる。
【0089】
エネルギー線の波長としては200〜500nm、なかでも250〜350nmの範囲であることが好ましい。光照射する際の露光時間は、使われる光重合開始剤の量およびタイプによって適宜選択され、瞬時に露光させてもよいし、数分に亘って露光させてもよい。
【0090】
以上詳述した本発明の光硬化性組成物は、塗料、印刷用インクおよび成形された品物として有用である。特に前記した通り、塗料として厚膜塗膜であっても優れた光感度を発現するという極めて顕著な効果を奏するものであり、厚膜塗装用塗料として極めて有用である。具体的には、発明の組成物は膜厚1000μm以下の範囲で塗膜を形成することができる。塗膜の形成方法は例えば本発明の組成物を紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、アルミニウム、鉄鋼、木等の基材に塗布し、UV光を照射することによって硬化塗膜を形成することができる。従って、本発明の組成物は特に耐久材用、または缶塗塗料用として極めて有用である。
【0091】
【実施例】
実施例1 3,3−ジメチル−−2,4−ペンタンジオン
【0092】
【化29】
【0093】
2,4−ペンタンジオン50g、ヨードメタン178g、炭酸カリウム120gおよびアセトン340mlを混合し、18時間還流させながら加熱した。
次いで冷却した後、石油系エーテルを加え、固形分を濾過により分離した後、300mlの石油系エーテルの1対1の混合物で洗った。
残った3−メチル−2,4−ペンタンジオンは、エチル・アクリル酸エチルと反応させることにより除去した。
得られた粗生成物を蒸留して3,3−ジメチル−2,4−ペンタンジオンの23gを得た。
生成物の性状:沸騰点:63℃/20mbar 純度 >99%、無色
活性C3O2構造部の含有量は、54%であった。
【0094】
実施例2 3,3−ジエチル−2,4−ペンタンジオン の合成
【化30】
【0095】
2,4−ペンタンジオン25g、ブロモエタン98.3g、炭酸カリウム80gおよびアセトン175mlを混合し、39.5時間還流させながら加熱した。
固形分を濾過により除去した後、石油系エーテルおよびアセトンで洗浄した。
液層には、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エン2.0gを加え、そして、この混合物を2日間還流した。
追加の1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エンの11.6gを加えた後7時間後、アクリル酸エチルの25gを加え、室温で混合した。
【0096】
その塩基は酢酸で中和され、炭酸カリウム水溶液で洗浄し、ジエチルエーテルで抽出した。そのエーテル層を乾燥し、分別蒸留により目的物9gを得た。
生成物の性状:沸点190℃/1000mbar、純度75%、無色
活性C3O2構造部の含有率:44%
【0097】
実施例3 3−アセチル-3−メチル4-オキソ-ペンタン酸エチルエステル
【0098】
【化31】
【0099】
水酸化カリウムの28gを水28mlに溶解した水溶液を2,4−ペンタンジオン50g、ジオキサン115mlとの混合物に0℃〜10℃の温度条件下に加えた。20分間攪拌した後、ブロモアセト酢酸エチルエステルを滴下により加え、その混合物を更に19時間攪拌した。有機層を分離した後、これを水及びジエチルエーテルで線上した。該有機層を乾燥させ、ついで分別蒸留により3−アセチル−4−オキソ-ペンタン酸エチルエステルを得た。
【0100】
3−アセチル−4−オキソ-ペンタン酸エチルエステルの48.3g、ヨードメタンの41g、炭酸カリウム34gおよびアセトン90mlを混合し、9時間還流させた。
冷却後、100ml石油系エーテルは加え、固形分を濾過により単離し、アセトンおよび石油系エーテルで洗浄した。
分別蒸留により、3−アセチル-3−メチル4-オキソ-ペンタン酸エチルエステルの33.4gを得た。
生成物の性状:沸点69℃/0.02mbar、純度97%、無色
活性C3O2構造部の含有率:34%
【0101】
実施例4 4−アセチル−4−メチル−5−オキソ-ヘキサン酸エチルエステル
【0102】
【化32】
【0103】
2,4−ペンタンジオン51g、ヨードメタン89g、炭酸塩66gおよびアセトン170mlを7時間還流させた。その混合物を冷却後、石油系エーテル200mlを加えた。
濾過によって固体を得た後、これをアセトンおよび石油系エーテルで洗浄し、3−メチル−2,4−ペンタンジオンを分別蒸留にて得た。
3−メチル−2,4−ペンタンジオン30gおよび1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エン0.4gを混合し、そして、39.3gのアクリル酸エチルを氷で冷却して温度を制御しながら滴下した。
16時間攪拌を続け、その塩基を中和し、50mlジエチルエーテルを加え、該混合物を炭酸ナトリウム水溶液と水で洗浄した。
有機層から分別蒸留により、4−アセチル−4−メチル−5−オキソ-ヘキサン酸エチルエステル33.4gを得た。
生成物の性状:沸点95℃/0.02mbar、純度98%、無色
活性C3O2構造部の含有率:32%
【0104】
実施例5 5−アセチル−5−メチル−6-オキソ-ヘプタン酸エチルエステル
【0105】
【化33】
【0106】
アセト酢酸ナトリウムの10gと、炭酸カリウム20gを50mlアセトンに混合し還流させながら加熱した。次いで、ブロモ酢酸エチル15gを15分かけて滴下した。数日間還流させた後、濾過によって固体を得、これをアセトンおよび石油系エーテルで洗浄し、5−アセチル-6-オキソ-ヘプタン酸エチルの6.4gを得た。
5−アセチル-6-オキソ-ヘプタン酸エチル5.5g、炭酸カリウム5.7g、ヨードメタン15gおよびアセトン15mlを混合し、18時間還流させた。次いで、冷却後、石油系エーテルを加え、固形分を濾過してアセトンおよび石油系エーテルで洗った。分別蒸留及び再蒸留により5−アセチル−5−メチル−6-オキソ-ヘプタン酸エチルエステル5.11gを得た。
生成物の性状:沸点151℃/20mbar、純度82%、無色
活性C3O2構造部の含有率:30%
【0107】
実施例6 1−アセチル−1−エチル−1,3−プロパンジカルボン酸ジエチルエステル
【0108】
【化34】
【0109】
アセト酢酸エチル10g及び1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エン0.1gを混合し、次いで、室温にてアクリル酸エチル8gを25分かけて加えた。
この混合物を23時間攪拌し、ついで中和し、ジエチルエーテル20mlへ注がれて、炭酸カリウム水溶液および水で洗浄した。有機層を分別蒸留して、1−アセチル−1−エチル−1,3−プロパンジカルボン酸ジエチルエステル7.5gを得た。
生成物の性状:沸点145℃/20mbar、純度>99%、無色
活性C3O2構造部の含有率:27%
【0110】
実施例7 1,1−ジアセチル−1,3−プロパンジカルボン酸ジエチルエステルの合成
【0111】
【化35】
【0112】
アセト酢酸エチルのナトリウム塩5g、および30mlのトルエンを混合した。混ぜ合わせられた。次いで、酢酸塩化物5gを室温で20分かけて滴下した。次いでその混合物は室温でさらに1時間、次いで、85℃で3時間攪拌した。
濾過により固形分を除去し、ジエチルエーテルで洗浄した。分別蒸留により、2−アセチル-3−オキソ-ブチレートを得た。
2−アセチル-3−オキソ-ブチレート2.0gに対して5回に分けて1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エンを滴下した。次いでアクリル酸エチル2.7gを10分で滴下し、室温で30時間攪拌した。反応終了後、酢酸2mlを加えて中和を行い、炭酸ナトリウム水溶液及び水で洗浄した。分別蒸留により、1,1−ジアセチル−1,3−プロパンジカルボン酸ジエチルエステルの1.5gを得た。
生成物の性状:純度70%、無色
活性C3O2構造部の含有率:25%
【0113】
実施例8 1−アセチル−1−(エトオキシカルボニル)−1,3−プロパンジカルボン酸ジエチルエステルの合成
【0114】
【化36】
【0115】
2−カルボキシエチル−1,3−プロパンジカルボン酸ジエチル60gを、100mlトルエンと10.44g、ナトリウム水素化物10.44gとの混合物に徐々に滴下した。発熱が終了しときに、エチルクロロホルメート28gを滴下した。最大転化率に到達したときpH7となるように塩酸を加えた。塩を濾過で除去した後、残渣液を減圧下で処理して、1−アセチル−1−(エトオキシカルボニル)−1,3−プロパンジカルボン酸ジエチルエステルを得た。
生成物の性状:純度85%、無色
活性C3O2構造部の含有率:23%
【0116】
実施例9 2,2−ジアセチル−1,4−ブタンジカルボン酸ジエチルエステルの合成
【0117】
【化37】
【0118】
実施例15と同様にして3−アセチル−4−オキソ−ペンタン酸エチルを合成し、次いで、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エン0.3gを混合した。そして、アクリル酸エチル30gを30分以内で滴下した。24時間攪拌した後、塩基を酢酸で中和した、80mlのジエチルエーテルを加え、混合物を炭酸ナトリウム水溶液60ml及び水150mlで洗浄した。乾燥した有機層を分別蒸留して、2,2−ジアセチル−1,4−ブタンジカルボン酸ジエチルエステル46.2gを得た。
生成物の性状:沸点:150℃/0.03mbar、純度>99%、無色
活性C3O2構造部の含有率2,4%
【0119】
実施例10 2−アセチル-2−(エトオキシカルボニル)−1,3−プロパンジカルボン酸ジメチルエステル
【0120】
【化38】
【0121】
tert−ブトキシカリウムの86gをアセト酢酸が攪拌する150mlに溶解し、アセト酢酸エチル100gを滴下して攪拌し、次いでクロロ酢酸メチル83gを滴下した。
発熱が終わった後、tert−ブトキシカリウムの5g及びクロロ酢酸メチル5gを交互に反応が終了するまで加えた。固形分を濾過により除去し、酢酸エチルで線上した。分別蒸留により2−アセチル-2−(エトオキシカルボニル)−1,3−プロパンジカルボン酸ジメチルエステル30gを得た。
生成物の性状:純度91%、無色
活性C3O2構造部の含有率:25%
【0122】
実施例11 2−アセチル−2−(エトオキシカルボニル)−1,4−ブタンジカルボン酸ジメチルエステルの合成
【0123】
【化39】
【0124】
アクリル酸メチル15gを2−アセチル−1,4−ブタンジカルボン酸ジメチル30g及び1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エン0.5gから成る混合物へ適下し、75℃で4時間攪拌した。
【0125】
反応終了後、冷却後酢酸で中和し、混合物を炭酸ナトリウム水溶液及び水で洗浄した後、蒸留により2−アセチル−2−(エトオキシカルボニル)−1,4−ブタンジカルボン酸ジメチルエステル(無色、純度95%)を得た。
【0126】
活性C3O2構造部の含有率:25%
【0127】
実施例12 3,3−ジアセチル−1,5−ペンタンジカルボン酸ジエチルエステル
【0128】
【化40】
2,4−ペンタンジオン20ml、アクリル酸メチル40mlおよび1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エン1.5gを混合した。
この混合物を80℃で3時間、空気存在下に攪拌した。次いで蒸留により目的物を得た(沸点155℃/0.01mbar)。この目的物は菱形結晶であり純度は99.4%(ガスクロマトグラフィー)であった。また、軟化点は64℃、無色であった。
活性C3O2構造部の含有率:23%
【0129】
実施例13 3−アセチル−3−(メトキシカルボニル)−1,5−ペンタンジカルボン酸ジメチルエステル
【0130】
【化41】
アセト酢酸メチル50g、アクリル酸メチル100gおよび1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エン1.5gを混合した。この混合物を80℃で3時間、空気存在下に攪拌し、蒸留により過剰のアクリル酸メチルを除去し、微黄色の液状粗生成物(純度91%)を得た。蒸留により最終的に無色の3,3−ジアセチル−1,5−ペンタンジカルボン酸ジエチルエステルを得た。
生成物の性状:沸点:145℃/0.01mbar、純度>99%、無色
活性C3O2構造部の含有率2,4%
【0131】
実施例14 3,3−ジ−(1-オキソプロピル)−1,5−ペンタンジカルボン酸ジメチルの合成
【0132】
【化42】
【0133】
アクリル酸メチル40g(0.465モル)を、徐々に3,5−ヘプタンジオン21.9g(0.171モル)および DBU 0.2gに滴下した。アクリル酸メチルの3分の2を添加した後、温度は40℃になった。攪拌を3時間続けた後、0.5DBUを追加し更に還流させた。還流を6時間行った後、過剰のアクリル酸メチルを溜去し、目的物である3,3−ジ−(1-オキソプロピル)−1,5−ペンタンジカルボン酸ジメチルを得た。
生成物の性状:沸点:175℃/0.02mbar、純度>44%、無色
活性C3O2構造部の含有率:23%
【0134】
実施例15 3−(メトキシカルボニル)−3−(1−オキソプロビル)−1,5−ペンタンジカルボン酸ジメチルの合成
【0135】
【化43】
【0136】
3−オキソ-ペンタン酸メチル39.9(0.31モル)、DBU1.9g(0.012mol)を室温で混合した。次いで、アクリル酸メチル66.4g(0.77モル)を除々に滴下した。発熱による昇温が認められなくなった後、60℃で2時間反応混合物を攪拌した。次いでシクロヘキサンを加え、そして、希塩酸、そして、引き続いて蒸留水で水層が中性になるまで洗浄を行った。
有機層は硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を除去し、減圧蒸留によって目的物である3−(メトキシカルボニル)−3−(1−オキソプロビル)−1,5−ペンタンジカルボン酸ジメチルを得た(収率64%)。
生成物の性状:沸点:130℃/0.02mbar、無色
活性C3O2構造部の含有率:23%
【0137】
実施例16 3−(エトオキシカルボニル)−3−(2−メチル−1−オキソプロピル)-1,5−ペンタンジカルボン酸ジメチルエステル
【0138】
【化44】
【0139】
4−メチル3−オキソ-ペンタン酸エチルの12g(0.08モル)及びDBU0.5g(0.003モル)を3つ口フラスコに仕込み、室温でアクリル酸メチル16g(0.18モル)を除々に滴下した。発熱による昇温が認められなくなった後、60℃で2時間攪拌した。反応混合物はシクロヘキサンに注ぎ、希塩酸、次いで蒸留水で水層が中性になるまで線上した。有機層は硫酸ナトリウムを通じて乾燥し、溶媒を除去して減圧蒸留で目的とする3−(エトオキシカルボニル)−3−(2−メチル−1−オキソプロピル)-1,5−ペンタンジカルボン酸ジメチルエステルを得た(収率:56%)。
生成物の性状:沸点:145℃/0.02mbar、無色
活性C3O2構造部の含有率:21%
【0140】
実施例17 3−(エトオキシカルボニル)−3−(1-オキソブチル)-1,5−ペンタンジカルボン酸ジメチルエステルの合成
【化45】
【0141】
3−オキソ−ヘキサン酸エチルの41.2g(0.26モル)及びDBU1.9g(0.012モル)を3つ口フラスコに仕込み、室温でアクリル酸メチル56.3g(0.65モル)を除々に滴下した。発熱による昇温が認められなくなった後、60℃で2時間攪拌した。反応混合物はシクロヘキサンに注ぎ、希塩酸、次いで蒸留水で水層が中性になるまで線上した。有機層は硫酸ナトリウムを通じて乾燥し、溶媒を除去して減圧蒸留で目的とする3−(エトオキシカルボニル)−3−(1-オキソブチル)-1,5−ペンタンジカルボン酸ジメチルエステルの50gを得た(収率58%)。
生成物の性状:沸点:149℃/0.007mbar、無色
活性C3O2構造部の含有率:21%
【0142】
実施例18 3,3−ジアセチル-1,−5−ジシアノペンタンの合成
【0143】
【化46】
【0144】
KOH0.25g及びメタノール2.5mlを2,4−ペンタンジオン15.0gに溶解させ、アクリロニトリル35.0gを系内の温度が40℃を越えないように滴下した。反応中に沈殿する目的物を濾過により除去し少量のアセトンについては洗い、乾燥させた。
生成物の性状:融点:185〜186℃、純度>98%、無色
活性C3O2構造部の含有率:33%
【0145】
実施例19 5,5−ジアセチルノナン−2,8−ジオン
【化47】
2,4−ペンタンジオン15.0gとテトラメチルグアニジン0.35gとの混合物を2−ブタノンに系内の温度が40℃を越えないように滴下した。
次いで過剰の2−ブタノンを減圧蒸留(200mbar)で除去して目的とする5,5−ジアセチルノナン−2,8−ジオンを得た。
生成物の性状:融点:185〜186℃、純度96%、無色
活性C3O2構造部の含有率:28%
【0146】
実施例20 3,3−ジアセチル-1,5−ペンタンジカルボン酸ジ−tert−ブチルエステルの合成
【0147】
【化48】
【0148】
tert−ブチル基アクリル酸ブチル282gを、2,4−ペンタンジオン100gおよび三つのg 1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エンの混合物へ滴下し、5時間攪拌した。
メタノールの少量を40℃の温度条件で加えた。室温において粗生成物が沈殿し、ついでメタノールを用いて再結晶により白色結晶の3,3−ジアセチル-1,5−ペンタンジカルボン酸ジ−tert−ブチルエステルを得た(収率54%)。
生成物の性状:純度100%、無色
活性C3O2構造部の含有率:20%
【0149】
実施例21 3,3−ジアセチル−1,5−ペンタンジカルボン酸
【化49】
【0150】
tert−ブタノールと水とを溶媒とし、また、11質量%塩酸の存在下、3,3−ジアセチル-1,5−ペンタンジカルボン酸ジ−tert−ブチルエステルを95℃5時間かけて加水分解した。溶媒は除去し、粗生成物は、アセトンと石油系エーテルの1:1混合物から再結晶し、3,3−ジアセチル-1,7-1,5−ペンタンジカルボン酸を収率69%で得た。
生成物の性状:融点176%、純度94%、無色
活性C3O2構造部の含有率:28%
【0151】
実施例22 3,3−ジアセチル-1,5−ビス(メチルスルフォニル)−ペンタン
【0152】
【化50】
【0153】
2,4−ペンタンジオンの6gおよび3滴のトリエチルアミンを混合し、メチルビニルスルホンの7gを室温で加えた。60℃で7時間攪拌した後、5滴の1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エンを加え、室温で12時間攪拌した。白い沈殿物が生じた後、25mlエタノールを加え、中和した。混合物は、200mlの水および氷へ注がれて、一晩冷蔵庫に保管した。溶媒を濾過により除去し、乾燥し、500mlエタノールから再結晶により、長針状の白色結晶の3,3−ジアセチル-1,5−ビス(メチルスルフォニル)−ペンタンが得られた。
生成物の性状:融点162%、純度>99%、無色
活性C3O2構造部の含有率:22%
【0154】
実施例23 4,4−ジアセチル−7−オキソ−オクタン酸エチルの合成
【化51】
【0155】
2,4−ペンタンジオン60gおよびトリエチルアミン0.1gを混合し、2−ブタノン28gを室温で滴下した。反応混合物は42時間攪拌し、原料成分は蒸留にて除去した。最蒸留により3−アセチル−2,6−ヘプタンジオン31.4gが得られた。次いで、3−アセチル−2,6−ヘプタンジオン10.2gに5滴の1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エンを混合し、そして、アクリル酸エチル9gを15分かけて滴下した。
16時間攪拌した後、塩基を酢酸で中和し、ジエチルエーテル30mlを加え、かかる溶液を炭酸ナトリウムで乾燥した。乾いた有機層の分別蒸留により、4,4−ジアセチル−7−オキソ−オクタン酸エチルの9.3gを得た。
生成物の性状:沸点136℃/0.02mbar、純度81%、無色
活性C3O2構造部の含有率:22%
【0156】
実施例24 3,3−ジアセチル−5−(エトオキシカルボニル)−1,5−ペンタンジカルボン酸ジエチルエステルの合成
【0157】
【化52】
【0158】
a)2,4−ペンタンジオン70gとトリオクチルホスフィン1.72gとの混合物にアクリル酸エチル45gを0〜5℃に冷やしながら40分間かけて滴下した。
65時間攪拌した後、酢酸2mlとジエチルエーテルの150mlを加え、炭酸ナトリウム水溶液及び水で洗浄した。有機層を乾燥した後、4−アセチル−5−オキソヘキサン酸エチルエステルを分別蒸留によって得た。
b)4−アセチル−5−オキソヘキサン酸エチルエステル25.7gと1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エン0.3gとを混合し、フマル酸ジエチルエステル35gを室温で、40分以内で加えた。更に24時間攪拌した後、倍の量の1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エンを加え、反応が終了するまで攪拌した。次いで、酢酸0.5g及びジエチルエーテル50mlを加え、炭酸ナトリウム水溶液及び水で洗浄した。乾燥した有機層の分別蒸留により、3,3−ジアセチル−5−(エトオキシカルボニル)−1,5−ペンタンジカルボン酸ジエチルエステルの25.6gを得た。
生成物の性状:沸点170℃/0.002mbar、純度93%、無色
活性C3O2構造部の含有率:18%
【0159】
実施例25 3−アセチル−3−(メトキシカルボニル)-1,6−ヘキサンジカルボン酸ジメチルエステルの合成
【0160】
【化53】
【0161】
ナトリウム0.3gを酢酸メチル160gに溶解し、アクリル酸メチル85gを30℃以下の温度条件下除々に滴下した。反応を1時間継続させ、ついでpHを7に調節した。生成した塩は濾過で除去し、原料も溜去して、2−アセチルペンタン酸−5−エチル−1−メチルエステルを得た。
1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エンの12.5gを2−アセチルペンタン酸−5−エチル−1−メチルエステルの50gに溶解させ、臭素化ブタン酸エチルエステルの48gを滴下した。温度が低下したとき、追加の1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エン2gを加えた。全ての成分が消費された後、生成塩は濾過により除去され、3−アセチル−3−(メトキシカルボニル)-1,6−ヘキサンジカルボン酸ジメチルエステルの44gが得られた(純度94%)。
活性C3O2構造部の含有率:21%
【0162】
実施例26 3−アセチル−3−(tert-ブトキシカルボニル)−1,5−ペンタンジカルボン酸ジメチルエステル
【0163】
【化54】
【0164】
1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エン0.5gおよびアセト酢酸のtert−ブチルエステルの40gを室温で攪拌した。アクリル酸メチル60gを滴下した。反応は発熱反応であり80℃に保持し乍ら2時間攪拌した。塩基性触媒は希塩酸で洗浄して除去した。次いで有機層を塩圧蒸留して、無色の3−アセチル−3−(tert-ブトキシカルボニル)−1,5−ペンタンジカルボン酸ジメチルエステルを得た(収率56%、沸点149℃/0.025mbar)。
活性C3O2構造部の含有率:21%
【0165】
実施例27 1,1,1−トリアセチルエタンの合成
【0166】
【化55】
【0167】
アセチルアセトンおよびヨウ化メチルを炭酸カリウムの存在下に「organic synthese, Coll. Vol. V, 785」に従って反応させ3−メチル−2,4−ペンタンジオンを合成した。
次いで、3−メチル−2,4−ペンタンジオンの57gを水素化ナトリウム12gで処理した。この反応の間、温度は30〜40℃に保持した。次いで、ジエチルエーテル200mlを加え、更に、アセチル塩化物の39.25gを滴下した。この混合物は3時間、エーテルを沸騰させながら行い、次いで水酸化カリウムで洗浄した。
ジエチルエーテルは、減圧蒸留によって除去し、残渣の粗生成物は僅かに黄色みがかった液状物が得られた(純度90%)。
活性C3O2構造部の含有率:44%
【0168】
実施例28 4,4−ジアセチル−5−オキソ−ヘキサン酸メチルエステルの合成
【0169】
【化56】
【0170】
アセチルアセトンとアクリル酸メチルのマイケル付加反応により金属ナトリウムの存在下に反応させて4−アセチル−5−オキソヘキサン酸メチルエステルの粗生成物を得た。次いで、該粗生成物を減圧蒸留によって精製し、約99%の純度のものを得た。
4−アセチル−5−オキソヘキサン酸メチルエステルの92.5gは金属ナトリウム11.5gと200mlのジエチルエーテルの存在下に反応させた。
ナトリウムを溶解させた後、アセチルクロライドの39.25gを滴下し沸騰させながら6時間反応させた。次いで、反応混合物を濾過、水酸化カルシウム及び水で水洗し、続いて溶媒を蒸留で除去した。最終蒸留物は若干黄色みがかった純度90%の液状物であった。
活性C3O2構造部の含有率:30%
【0171】
実施例29 3−{4−アセチル−4−[2−(エトオキシカルボニル)エチル]−5−オキソヘキサノイルオキシ}−2,2−ジメチルプロピル−エチル−3,3−ジアセチル−1,5−ペンタンジカルボン酸エステルの合成
【0172】
【化57】
【0173】
4−アセチル−5−オキソヘキサン酸エチルエステルの5.0gおよび5滴の1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エンを混合した。そして、ジアクリレートな2.6g ネオペンチルグリコールのジアクリレート2.6gを滴下した。反応混合物は3時間攪拌し、高粘性の無色オイル状物を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーは690g/molに主ピークが現れた。NMRとIRで構造の確認を行った。
活性C3O2構造部の含有率:22%
【0174】
実施例30 2,2−ビス({4−アセチル−4−[2−(エトオキシカルボニル)エチル]−5−オキソヘキサノイルオキシ}メチル)ブチル−エチル−3,3−ジアセチル−1,5−ヘプタンジカルボン酸エステルの如くβ−ジカルボニル基を3つ有する化合物の合成、
【0175】
【化58】
【0176】
4−アセチル-−5−オキソ-ヘキサン酸エチルエステル5.0gと5滴の1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エンを混合し、そして2,4gのトリメチロールプロパントリアクリレートを滴下した。反応混合を3時間攪拌し、高粘性の無色オイル状物を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーは690g/molに主ピークが現れた。NMRとIRで構造の確認を行った。
活性C3O2構造部の含有率:23%
【0177】
実施例31 3−アセチル−3−[(3−{2,2−ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]−3−オキソブタノイルオキシ}−2,2−ジメチルプロピル)オキシカルボニル]−1,−5−ペンタンジカルボン酸ジメチルの合成
【0178】
【化59】
【0179】
ネオペンチルグリコールとアセト酢酸エチルとのエステル交換反応によってネオペンチルグリコールのジアセトアセテートの粗生成物を得た。かかる粗生成物をショートパス蒸留(100℃/0.001mbar)により純度>98%の無色のネオペンチルグリコールジアセトアセテートを得た。
このジアセトアセテートの40gと1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エンの0.4gとを混合し、室温で攪拌し乍ら100gのアクリル酸メチルを滴下した。
最初の発熱反応が終了した後、混合物を80℃で3時間攪拌した。
次いで、過剰のアクリル酸メチルを減圧蒸留で溜去し、僅かに黄色みがかった目的物88gを得た。NMRとIRで構造の確認を行った。
活性C3O2構造部の含有率:22%
【0180】
実施例32 ペンタエリスリトールテトラアセトアセテートとアクリル酸エチルに基づく光重合開始剤の合成
【0181】
【化60】
【0182】
アセト酢酸エチルとエチルを有するペンタエリスリトールとのエステル交換反応によって得られるテトラアセテートに、アクリル酸エチル100gと10%メタノール含有KOH2gを加え、80℃で3時間攪拌を行った。続いて塩基触媒を酢酸で中和し、得られた粗生成物は高粘性のオイル状物であった。分子量Mw=860であった(GPC)。
活性C3O2構造部の含有率:21%
【0183】
実施例33 3−{(4S)−4−(エトオキシカルボニル)−4−[2-(エトオキシカルボニル)エチル]−5−オキソヘキサノイルオキシエチル(4S)−3−アセチル−3−(エトオキシカルボニル)ヘプタン−1,5−ペンタンジカルボン酸エステルの合成
(NPGDAおよびアセチルジエチルグルタレートに基づく光重合開始剤)
【0184】
【化61】
【0185】
アセチルグルタル酸ジエチルエステルの46g及び1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エンの0.5gを室温で攪拌し、そして、ネオペンチルグリコールジアクリレートの21.2gを除々に滴下した。
最初の発熱反応が終了したのち、反応混合物を80℃で3時間攪拌した。
生成物は、わずかに黄色がかった粘性液体であり、収量は66.5gであった。核磁気共鳴スペクトルおよび赤外線のスペクトルにより、構造を確認した。
活性C3O2構造部の含有率:20%
【0186】
実施例34 2,2−ビス({4-(メトキシオキシカルボニル)−4−[(メトキシカルボニル)メチル]−5−オキソヘキサノイルオキシ}メチル)ブチル−メチル−2−アセチル−2−(メトキシカルボニル)−1,4−ブタンジカルボン酸エステルの合成
(TMPTAおよびアセチルジメチルスクシネートに基づく光重合開始剤)
【0187】
【化62】
【0188】
アセチルスクシン酸のジメチルエステルの56.4gおよび1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エンの0.5gを室温で攪拌した。そして、トリメチロールプロパントリアクリレートの30gを除々に滴下した。
最初の発熱反応が終了したのち、反応混合物を80℃で3時間攪拌した。生成物は、わずかに黄色がかった粘性液体であり、収量は86gであった。核磁気共鳴スペクトルおよび赤外線のスペクトルにより、構造を確認した。
活性C3O2構造部の含有率:24%
【0189】
比較例1
【化63】
【0190】
2,4−ペンタンジオン0.10モル、モルトリプロピレングリコールの0.195モル、及びテトラメチルグアニジン0.45gを混合し、空気を吹き込みながら攪拌した。
反応開始後、反応温度は90℃に達した。次いで80℃まで冷却し、この温度を保持しながら更に1時間攪拌した。冷却後、生成物は粘度12000mPa(25℃)、平均分子量Mw=2000であった。
活性C3O2構造部の含有率:9.86%
【0191】
比較例2
【化64】
【0192】
トリメチロールプロパントリアクリレート50gと、トリプロピレングリコール50gと、アセト酢酸エチル15gを混合し50℃まで加熱した後、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセ−7−エン(DBU)の1.5gを加えた。混合物に空気を吹き込みながら攪拌し、発熱が開始した後、系内の温度は110℃となった。次いで、系内の温度を80℃まで冷却し、80℃で1時間攪拌した。
冷却後、生成物は粘度18000mPa(25℃)、平均分子量Mw=6000であった。
活性C3O2構造部の含有率:6.73%
【0193】
(硬化塗膜の評価)
下記表に上記各実施例で得られた光重合開始剤を含む光硬化性組成物からなる塗料の硬化物の特性を示す。
各光硬化性組成物は下記の表に従った組成からなる。また、これらの組成物はアルミニウムに薄膜状に塗布し、UV照射によって硬化させたものである。
硬化塗膜の物性は、鉛筆硬度及び耐溶剤性(MEKによるラビングテスト)により行った。
【0194】
【表1】
【0195】
1F300H−ランプ (Sum UV-A-B-C)による光量(EITによるラジオメーターで測定)。
2コットンシートにMEKを湿らせて、所謂ダブルラビングにより評価した。目視による損傷が生じない範囲のラビング回数を示した。
3目視にて最初に損傷が確認できる回数。
4トリプロピレングリコールジアクリレート40質量%、 30% トリメチロールプロパントリアクリレート30質量%、及びビスフェノールAジグリシジルエーテル30質量%からなるUVオーバープリントワニス
5UCB社製「Ebecryl 120」
6UCB社製「Ebecryl 835」
7DIC社製「Epiclon 1050」とアクリル酸との反応生成物
8組成物が25℃で固形の為、110℃にて硬化させた。
9以下の各成分からなるアクリレート混合物
ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)30質量%、
DIC社製「Epiclon 1050」とアクリル酸との反応生成物45%、
トリメチロールプロパントリアクリレート25質量%
【0196】
(光活性試験)
前記実施例1〜34の光重合開始剤について光活性試験を行った。
トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)の30質量%、 トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)25質量%、UCB社製「Ebecryl 150」45質量%からなるアクリレート混合物を調整した。
【0197】
これに前記各光重合開始剤を5質量%となるように配合して光硬化性組成物を調整した。これをアルミニウム基材上に50μmの厚さで塗布した。
UV照射は、Hバルブ(300W/インチ)を使用したフュージョンF300H−ランプで、UV−A用には照射量0.087J/cm2、UV−B用には0.058J/cm2、UV−C用には0.035J/cm2でおこなった。ベルトスピードは16m/分に調整された。
【0198】
耐溶剤性試験は、コットンシートにMEKを湿らせて、所謂ダブルラビングにより評価した。目視による損傷が生じない範囲のラビング回数を示した。
【0199】
【表2】
【0200】
【表3】
【0201】
【表4】
【0202】
a)ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)29質量%、「Ebecryl 150」42質量%、およびTMPTA24質量%から成るアクレート粗混合物を用いた。
b)光重合開始剤4質量%、脱イオン水20質量%、及びCognis社製「Photomer 3165」の溶液として評価した。
c)ジメチルスルホキシドの10質量%を光重合開始剤を溶解させるために組成物に加えた。
比較として前記各組成物において光重合開始剤なしで同じ厚み塗膜を形成したが、UV照射によって、全く硬化することがなかった。該塗膜はコットンシートにより容易にふき取ることができた。
【0203】
[光重合開始剤と分子量との関係]
以下の条件で塗膜を形成、硬化させて光重合開始剤の分子量の影響について評価した。
基板 :アルミニウム
フィルム厚さ:50μm(未硬化時)
光照射1 :0.5J/cm2
バルブ :フュージョンF300Hバルブ
アクレート成分:
ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA) 30質量%
ポリエステルアクリレート「Ebecryl 150」 45質量%
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA) 25質量%
【0204】
評価方法:上記アクレート成分を混合してアクリレート混合物を調整し、次いで、各光重合開始剤を該アクリレート混合物に溶解させる。これをアルミニウム基板上に50μm(未硬化状態)で塗布し、フュージョンF300HバルブでUV光を照射した。照射量は0.5J/cm2であった。得られた硬化塗膜の外観、耐溶剤性、硬度について評価した。
【0205】
【表5】
【0206】
1EIT社製ラジオメーター「UVICURE」で測定される、塗膜表面におけるUVバルブのエネルギー
2PIタイプ: A = 5,5−ジアセチルノナン−2,8−ジオン
(実施例19の光重合開始剤)
B = 3,3−ジアセチル−1,5−ペンタンジカルボン酸ジエチルエステル
(実施例12の光重合開始剤)
C = 米国特許公報第5,945,487(第9欄、第45行)記載の
光硬化性樹脂
3塗料粘度は、ICIコーンと、シェアレート5000 D-1のプレートビスコスメーターで測定した。
4耐溶剤性は、MEKを含浸させたウッドパルプ布での繰り返しのラビングテストにより行った。硬化塗膜表面において目視にて損傷が認められない回数を評価した。
(従来の光重合開始剤との比較)
【0207】
【表6】
【0208】
本発明の光重合開始剤は分子吸光係数が低いため、厚膜用塗料用途に極めて適する。以下の実験例にてかかる事実を具体的に示す。
ジプロピレングリコールジアクリレート35質量%、および5,5−ジアセチルノナン−2,8−ジオン(実施例19で得られた光重合開始剤)からなる光硬化性組成物を調整し、これを1cm×1cm×1cmの寸法の内容積を有するコンテナを該組成物で満たした。これをフュージョン F300Hバルブを用いて0.25J/cm2の光強度でUV照射した。硬化プロセスの後、コンテナーの内容物は、上層の厚膜層と下層の未硬化液とを含んでいた。当該厚膜層の厚さをマイクロメーター・スクリューで測定したところ、800μmであった。
【0209】
【発明の効果】
本発明によれば、光重合開始剤、及びそれを含有する光硬化性組成物において、光感度が飛躍的に改善され、厚膜塗膜への適用を可能となる。尚かつ、着色の問題も飛躍的に改善される。
Claims (8)
- 下記構造式(1)
R1及びR2はそれぞれ、
1)アセチル基、エステルにおけるケトン基、カルボニル基、シアノ基、スルホン酸基、スルホニル基またはフォスフェート基からなる群から選ばれる電子吸引基、
2)炭素原子数1〜8のアルキル基、または、
3)2つのカルボニル基に対してβ位、γ位またはδ位の位置にエステル基、ケトン基、スルホニル基、水酸基、フッ素原子、シアノ基、またはカルボキシル基からなる群から選ばれる電子吸引基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基、から成る群から選択され、かつ、2つの置換基が共に前記アルキル基2)である場合には前記アルキル基2)は、メチル基又はエチル基である。)
で表される化学構造を有しており、かつ、分子量が1000以下の化合物であって、尚かつ、上記構造式(1)中に示される下記構造部分(2)
化合物を必須成分とすることを特徴とする光重合開始剤。 - 下記構造式(3)
R1及びR2はそれぞれ、
1)アセチル基、エステルにおけるケトン基、カルボニル基、シアノ基、スルホン酸基、スルホニル基またはフォスフェート基からなる群から選ばれる電子吸引基、
2)炭素原子数1〜8のアルキル基、または、
3)2つのカルボニル基に対してβ位、γ位またはδ位の位置にエステル基、ケトン基、スルホニル基、水酸基、フッ素原子、シアノ基、またはカルボキシル基からなる群から選ばれる電子吸引基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基、から成る群から選択され、かつ、2つの置換基が共に前記アルキル基2)である場合には前記アルキル基2)は、メチル基又はエチル基である。)
で表される化学構造を有しており、かつ、分子量が1000以下の化合物であって、尚かつ、上記構造式(1)中に示される下記構造部分(2)
化合物を必須成分とすることを特徴とする光重合開始剤。 - 前記構造式(1)においてR1及びR2が同一である請求項1記載の光重合開始剤。
- 前記構造式(3)においてR1及びR2が同一である請求項2記載の光重合開始剤。
- 下記構造式(6)
- (i)請求項1〜6の何れか1つに記載の光重合開始剤、及び(ii)ラジカル重合性エチレン系不飽和基含有化合物を必須成分とすることを特徴とする光硬化性組成物。
以上
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EP02007306.0 | 2002-04-03 | ||
EP02007306 | 2002-04-03 |
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