JP4120976B2 - アルカリ乾電池およびその正極合剤の圧着方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアルカリ乾電池に関し、さらにその正極合剤の圧着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルカリ乾電池は例えば図2に示すように、正極容器1の中に正極合剤2が挿入され、その内側にセパレータ3を介してゲル状亜鉛負極4が装填され、ゲル状亜鉛負極4の中に負極集電体5が上端部を突出するように挿着された構造を有している。6はがスケット、7は封口台座、8は負極端子である。
【0003】
近年、アルカリ乾電池では、性能向上のために電池内容積を大きくして作用物質をできるだけ多く充填する方法が採られている。その一つとして、正極容器の板厚を薄くして電池内容積を拡大する方法がある。例えば、従来のアルカリマンガン電池では、正極容器板厚(胴部)はそのサイズにより0.25〜0.40mmが主として用いられてきたが、近年は0.20mmの厚さからさらにそれ以下に移ろうとしている。
【0004】
しかしながら、正極容器の板厚を薄くすれば、容器強度は低下し、容器の変形やそれに伴う接触抵抗の増大などが生ずる。これを図3および図4により説明する。
【0005】
一般に正極合剤と正極容器の接触は、内部抵抗を抑えるために十分密着していることが要求される。そのために、正極合剤成形体は正極容器の中に挿入された後、容器の中で再加圧されるか、正極合剤成形体の外径を容器内径よりもやや大きくして圧入するなどの方法が採られている。ところが、再加圧する方法では、図3に示すように容器胴部に円筒帯状のしわ、いわゆる“ずくみ”1aが複数発生する。このずくみにより外観形状が悪くなるばかりでなく、正極合剤と正極容器との密着が不充分となって、内部抵抗が上昇する。封口時にはさらにこのずくみが拡大されてこの状態が助長される。
【0006】
このずくみは次のような過程で生ずる。合剤を正極容器内で再加圧する工程では、図4に示すように、正極合剤の内径の中にコアーロッド11があらかじめ挿入されており、合剤2の上面をパンチ12で加圧して合剤2を容器1に圧着する。このとき合剤2は矢印で示すように下方に移動し、合剤の移動する力に耐えられなくなった正極容器胴部も矢印方向に移動する。これが容器底部1cまで達すると行き場を失い、胴部ずくみ1aが発生する。
このような問題があるので、正極容器の板厚は0.200mm以下にするのは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題に対処してなされたもので、アルカリ乾電池において、その性能を向上させるために正極容器の板厚を薄くして電池内容積を大きくしようとした場合、正極容器の板厚を0.2mm以下の薄さにしても、従来のようにずくみが発生しないで正極容器と正極合剤との密着性を良好に保つことができるようにすることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、正極容器に正極合剤を挿入した後、パンチを該正極合剤の上面まで降ろし、次に正極合剤の上面をパンチで押さえながら正極合剤の内径よりやや大きい径のコアーロッドを合剤内径に圧入することによって、正極合剤を径方向の力で正極容器に圧着することを特徴とするアルカリ乾電池の正極合剤の圧着方法に関する。また、上記方法に関し、コアーロッドの径は、前記正極合剤の内径より約0.2mm大きいことを特徴とする。さらに、上記方法で正極合剤を圧着して製造したアルカリ乾電池に関わり、正極容器の板厚が0.2mm以下であることを特徴とする。
【0009】
本発明では上記したように正極合剤の上面をパンチで押さえているので、正極合剤がコアーロッドにより加圧された時、合剤上面が上昇に向かうがこれをパンチが阻止し、正極合剤はパンチに押さえ込まれながら径方向に移動し、正極容器に圧着される。このように圧着された結果、正極容器との密着性がよく、合剤の密度も高くなる。従来のように、下方に力が働かないので、容器にずくみが生じない。
【0010】
本発明の方法で製造したアルカリ乾電池は、正極合剤が正極容器に十分に圧着されており、しかも容器にずくみ等が生じていないので、正極容器と正極合剤との接触抵抗の上昇を防止することができる。また、ずくみの発生がないので、正極容器の板厚を、従来不可能であった0.2mm以下の薄さにすることができ、作用物質を増量して電池性能を高めることができる。
【0011】
なお、コアーロッドの外径寸法は、正極合剤の内径寸法に対し、大きすぎると合剤が崩れて破損するし、小さいと合剤が拡大できずに圧着が不充分となるので、やや大きい寸法とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1(A)〜(D)は本発明の正極合剤の圧着方法を具体的に示す説明図である。図1において、1は冷間圧延鋼板よりなる正極容器、2は二酸化マンガンに黒鉛を導電剤として混合して成形した正極合剤、11はコアーロッド、12は上パンチである。図1の(A)は3分割円筒状に成形した正極合剤2を正極容器1に挿入した状態を示している。正極合剤外径は正極容器内径より少し小さくしてスムーズに挿入できるようにしてある。次に(B)で正極合剤内径(8.8mm)よりやや大きい径(9.0mm)のコアーロッドを圧入する。初めに上パンチ12が正極合剤上面まで降りてその位置で静止し、次にコアーロッドが正極合剤2の内径に圧入される。コアーロッドの先端はR加工されており、正極合剤を崩さないよう圧入しやすくなっている。次の(C)工程で、コアーロッドの圧入が終り、正極合剤2は外径方向に拡幅される。次に(D)工程に進む。(D)では、上パンチ12をその状態のままにしてコアーロッドを引上げ、その後上パンチを引き抜く。これで正極合剤の内径は9.0mmに拡大され、圧着加工が終了する。
【0013】
上記の正極容器および正極合剤を用いて、図2に示す単三型アルカリマンガン電池を製作した。図2において、3はセパレータ、4はアルカリ電解液にゲル化剤と共に粒状亜鉛を分散させた負極ゲル亜鉛、5は黄銅よりなる負極集電体、6はポリアミドよりなるガスケット、7は冷間圧延材よりなる封口台座、8は負極端子である。
【0014】
この単三型アルカリマンガン電池において、正極容器1の胴部板厚を、0.100mm、0.125 mm、0.150 mm、0.175 mm、0.200 mmとした5種類の電池について、従来の製造法により製造したそれぞれ同じ板厚の電池と、短絡電流を比較検査した。検査はそれぞれ10個について行い、その平均値を求めた。結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
表1に示されるように、板厚0.200 mmの場合は、本発明品と従来品とで短絡電流の差は小さいが、板厚が0.175 mm以下になると、本発明品と従来品とで差がひらき、本発明品の接触抵抗が低くて優れていることが分かる。板厚が0.100 mmになると電池容器としての強度が不足するので、好ましくないことが分かった。
【0017】
同様に、単四型アルカリマンガン電池で試験した短絡電流を表2に示す。数値はいずれも10個の平均値である。本発明品では0.175 mmから0.100 mmまで接触抵抗の低下が少なく、また、電池が小さくなるので、0.100 mmでも強度が保たれ良好であったが、従来品は板厚0.150 mm以下になると、短絡電流の低下が大きくなり、接触抵抗が大きくなることが明らかである。
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の圧着方法によれば、正極容器の板厚を薄くして0.20〜0.10mmとしても正極容器の変形が生ぜず、接触抵抗が低下しない。したがって本発明によれば、正極容器の板厚を薄くして電池容積を増加させ、電池性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(D)本発明の正極合剤の圧着方法を示す工程図。
【図2】単三型アルカリ電池の断面図。
【図3】従来の電池の正極容器にずくみが発生した正極容器の状態を示す図。
【図4】従来の電池におけるずくみ発生の原因を説明する図。
【符号の説明】
1…正極容器、1a…正極容器の胴部ずくみ、1b…正極容器胴部、1c…正極容器底部、2…正極合剤、3…セパレータ、4…負極ゲル亜鉛、5…負極集電体、6…ガスケット、7…封口台座、8…負極端子、11…コアーロッド、12…上パンチ。
Claims (3)
- 正極容器に正極合剤を挿入した後、パンチを該正極合剤の上面まで降ろし、次に正極合剤の上面をパンチで押さえながら正極合剤の内径よりやや大きい径のコアーロッドを合剤内径に圧入することによって、正極合剤を径方向の力で正極容器に圧着することを特徴とするアルカリ乾電池の正極合剤の圧着方法。
- 前記コアーロッドの径は、前記正極合剤の内径より約0.2mm大きいことを特徴とする請求項1記載のアルカリ乾電池の正極合剤の圧着方法。
- 請求項1記載の圧着方法により正極合剤を圧着して製造し、正極容器の板厚が0.2mm以下であるアルカリ乾電池。
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