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JP4120873B2 - 接合方法及び接合前処理方法 - Google Patents

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JP4120873B2 JP2003365089A JP2003365089A JP4120873B2 JP 4120873 B2 JP4120873 B2 JP 4120873B2 JP 2003365089 A JP2003365089 A JP 2003365089A JP 2003365089 A JP2003365089 A JP 2003365089A JP 4120873 B2 JP4120873 B2 JP 4120873B2
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Description

本発明は、接合方法及び接合前処理方法に関し、より詳しくは、金属や金属化合物からなる金属系材料の基材表面に他の部材を接合する方法、並びにそのための前処理方法に関する。
従来、金属や金属化合物からなる金属系材料の基材表面に樹脂等の異種材料を接合する場合の前処理方法としては、金属系材料の基材をトリアジンチオール類の電着溶液に接触せしめ、基材に通電して表面処理する方法が知られており、例えば特開平2−298284号公報にこのような接合前処理方法が記載されている。
しかしながら、このような従来の接合前処理方法においては、通電操作を伴ったり、電着後に洗浄する必要があるといった点で操作が煩雑であり、また、処理ムラが樹脂材料との組み合わせに大きく依存するため、使用できる材料の組み合わせが非常に限定されるという問題があった。
特開平2−298284号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、金属や金属化合物からなる種々の金属系材料の基材表面に、樹脂等の異種材料からなる種々の部材を高い結合強度をもって接合することが可能である接合方法、並びにそのための接合前処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、接合の前処理として、金属系材料からなる基材の表面に波長50nm〜100nmの真空紫外光を照射しつつ炭素原子を含む飛散粒子を付着させることにより上記目的が達成可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の接合方法は、
金属系材料からなる基材の表面に波長50nm〜100nmの真空紫外光を照射しつつ樹脂材料または炭素材料からなるターゲットにレーザー光を照射して発生させた炭素原子を含む飛散粒子を付着させる接合前処理工程と、
前記飛散粒子が付着した前記基材の表面上に樹脂部材を接合せしめる接合工程と、
を含むことを特徴とする接合方法である。
また、本発明の接合前処理方法は、金属系材料からなる基材の表面に波長50nm〜100nmの真空紫外光を照射しつつ樹脂材料または炭素材料からなるターゲットにレーザー光を照射して発生させた炭素原子を含む飛散粒子を付着させることを特徴とする接合前処理方法である。
前記本発明の接合方法並びに接合前処理方法においては、前記真空紫外光及び前記飛散粒子が、樹脂材料または炭素材料からなるターゲットに、パルス幅が100ピコ秒〜100ナノ秒でかつ照射強度が10W/cm〜1012W/cmであるパルスレーザー光を照射して発生せしめたものであることが好ましい。
また、前記本発明の接合方法並びに接合前処理方法においては、前記基材の表面に付着した前記飛散粒子により炭素原子含有材料からなる膜が形成されることが好ましい。
なお、上記本発明の方法によって金属系材料からなる基材上に十分な結合強度をもって樹脂等の異種材料からなる他の部材が接合されるようになる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、炭素原子含有材料からなるターゲットにパルス幅100ピコ秒〜100ナノ秒でかつ照射強度が10W/cm〜1012W/cmであるパルスレーザー光が照射されると、ターゲット表面に高温のプラズマが形成され、そのプラズマから波長50nm〜100nmの真空紫外光が発生する。一方、上記レーザー光が照射されたターゲット表面からはターゲットを構成する材料に応じて炭素原子を含む分子が高いエネルギーをもって飛散するほか、上記プラズマ内部もしくはプラズマにより加熱されたターゲット表面では、ターゲットを構成する分子が分解することにより形成された原子又は低分子の状態の粒子やそれらが結合して形成されたクラスタが高いエネルギーをもって飛散する。そして、このような飛散粒子に飛散中又は基材に付着する時に真空紫外光が照射されると、かかる真空紫外光は炭素(炭素原子)に対する吸収率が高いので、炭素原子を含む飛散粒子は活性化される。そのため、このように活性化され高いエネルギーをもっている飛散粒子が金属系材料からなる基材上に到達すると基材上に強固に付着し、また既に基材上に付着している飛散粒子も活性化されてその付着力が向上し、更にこのような飛散粒子により形成される膜(炭素原子含有材料からなる膜)と基材表面との間で非常に強い結合力が達成されることとなる。したがって、本発明の方法により前処理された基材上に樹脂等の異種材料からなる他の部材を接合すると、このように基材表面に強固に付着した飛散粒子、更には基材表面に強く結合した炭素原子含有材料からなる膜を介して両者が接合されるため、かかる基材と他の部材とが十分な結合強度をもって接合されるようになると本発明者らは推察する。
ここでいう波長50nm〜100nmの真空紫外光とは、50nm〜100nmの波長領域における少なくとも一部の波長を有する真空紫外光のことをいうが、以下の条件のうちの少なくとも一つの条件を満たしていることが好ましい。
(i)50nm〜100nmの波長領域に少なくとも一つの光強度のピークを有すること、
(ii)50nm〜100nmの波長領域の光の全エネルギーが100nm〜150nmの波長領域の光の全エネルギーより高いこと、
(iii)50nm〜100nmの波長領域の光の全エネルギーが50nm以下の波長領域の光の全エネルギーより高いこと
(iv)50nm〜100nmの波長領域の光のエネルギー密度が基材上で0.1μJ/cm〜10mJ/cm(より好ましくは1μJ/cm〜100μJ/cm)であること。なお、基材上における前記エネルギー密度が0.1μJ/cmより低くなると処理に要する時間が過度に長くなってしまう傾向にあり、他方、10mJ/cmより高くなると基材が分解されてしまう傾向にある。
さらに、前記本発明の接合方法並びに接合前処理方法においては、容器内での減圧状態下、及び/又は、容器内若しくは容器外のいずれかでの水素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス及びアルゴンガスからなる群から選択される少なくとも一種のガスを含有するシールドガス雰囲気下において前記基材の表面に前記飛散粒子を付着せしめることが好ましい。このように内部が減圧状態となっている容器を用いると、真空紫外光が空気中の酸素等の真空紫外光吸収物質に吸収されることなく飛散粒子及び基材表面に照射され、飛散中又は基材上の飛散粒子がより効率良く活性化される傾向にある。また、シールドガス雰囲気下で処理をすると、減圧状態とせずとも真空紫外光が真空紫外光吸収物質に吸収されることなく飛散粒子及び基材表面に照射され、飛散中又は基材上の飛散粒子がより効率良く活性化される傾向にある。さらに、後者の場合、前者の場合に比べて真空ポンプや耐圧容器を用いる必要がなくなるため、装置の簡便性および低コストという点でより好ましい傾向にある。
本発明の接合前処理方法によれば、基材表面に強固に付着した飛散粒子、更には基材表面に強く結合した炭素原子含有材料からなる膜を有する基材が得られるようになる。そして、本発明の接合方法によれば、このように基材表面に強固に付着した飛散粒子、更には基材表面に強く結合した炭素原子含有材料からなる膜を介して金属系材料の基材と樹脂等の異種材料からなる部材とが接合されるため、両者の間に十分な結合強度を達成することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。先ず、本発明の接合前処理方法について説明する。
図1は、本発明の接合前処理方法を実施するのに好適な接合前処理装置の一実施形態の基本構成を示す模式図であり、図1に示す接合前処理装置はいわゆるレーザーアブレーション装置1として構成されている。すなわち、図1に示すレーザーアブレーション装置1は、レーザー光源2と、レーザー光源2から発せられたレーザー光Lが導入される処理容器3とを備えており、処理容器3の内部にはレーザー光Lが照射されるターゲット4と、表面に飛散粒子aにより形成される膜5が形成されるべき基材6とが配置されている。
レーザー光源2は、パルス幅が100ピコ秒〜100ナノ秒のパルスレーザー光を照射することができるレーザー光発生装置であればよく、特に制限されないが、例えばYAGレーザー装置、エキシマレーザー装置によって構成され、中でもYAGレーザー装置によって構成されることが好ましい。そして、レーザー光源2は、処理容器3の内部に配置されているターゲット4に向かってレーザー光Lを照射する位置に配置されている。また、図示はしていないが、レーザー光Lをターゲット4に照射した際にターゲット4の表面から炭素原子を含む飛散粒子aおよび真空紫外光Lが効率的に発生するように、レーザー光Lの光路の途中にレンズ、鏡等を適宜配置してレーザー光のエネルギー密度や照射角度を調整してもよい。特に、集光レンズ(図示せず)を処理容器3の内部または外部に配置して、ターゲット4に照射されるパルスレーザー光Lの照射強度が10W/cm〜1012W/cmとなるようにすることが好ましく、10W/cm〜1011W/cmとなるようにすることがより好ましく、10W/cm〜1010W/cmとなるようにすることが特に好ましい。
処理容器3は、少なくともターゲット4と基材6とを内部に収容するための容器(例えばステンレス鋼製の容器)であり、レーザー光Lを容器3内に配置されたターゲット4の表面に導入するための窓7(例えば石英製の窓)を備えている。また、処理容器3には真空ポンプ(図示せず)が接続されており、容器3の内部を所定圧力の減圧状態に維持することが可能となっている。このように内部が減圧状態となる容器3を用いると、真空紫外光Lが空気中の酸素等の真空紫外光吸収物質に吸収されることなく飛散粒子a及び基材6表面に照射され、飛散中又は基材上の飛散粒子aがより効率良く活性化される。なお、容器3の内部を減圧状態に維持する際の圧力としては、1Torr以下の圧力が好ましく、1×10−3Torr以下の圧力がより好ましい。また、酸素分圧及び/又は窒素分圧が1Torr以下の圧力となるようにすることが好ましい。
ターゲット4は、前述のレーザー光Lの照射により炭素原子を含む飛散粒子を発生する材料からなるものであればよく、各種の樹脂材料、炭素材料等の炭素原子含有材料からなるものを用いることができ、中でも樹脂材料からなるものが好ましい。このような樹脂材料としては、オレフィン系樹脂{ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−ブテン−ジエン共重合体、ポリメチルペンテン等}、ブチルゴム、ポリエステル、ポリカーボーネート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルケトン、ポリフタルアミド、ポリエーテルニトリル、ポリベンズイミダゾール、ポリカルボジイミド、アクリル樹脂{ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等}、アクリルゴム、フッ素樹脂{ポリ4フッ素化エチレン等}、フッ素ゴム、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、ポリシラン、シリコーン樹脂(ポリシロキサン等)、シリコーンゴム、ウレタン樹脂、スチレン樹脂{ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−水添ブタジエン共重合体等}、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の重合体(単独重合体又は共重合体)が挙げられ、中でも安価で入手し易く、また後述するレーザー光吸収助剤の添加が比較的容易である点からポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリブチレンテレフタレートが好適である。また、炭素材料としては、各種の無定形炭素、グラファイト等が挙げられる。なお、ターゲット4の形状等は特に制限されず、板状、ロッド状等に成形された前記ターゲット材料からなるバルク材や、前記ターゲット材料からなる薄膜をテープ上に積層したテープ状ターゲット等を用いることができる。
さらに、ターゲット4を構成する材料中に、レーザー光の吸収をより高めるためのレーザー光吸収助剤が添加されていてもよく、そのようなレーザー光吸収助剤としては、カーボンブラック、炭素粉末等が好適に用いられる。また、このようなレーザー光吸収助剤を添加する場合、その添加量はターゲット4を構成する材料中0.1〜5重量%程度であることが好ましい。かかる添加量が上記下限未満ではレーザー光吸収助剤の添加効果が十分に発揮されない傾向にあり、他方、上記上限を超えると添加剤による強度低下や品質低下の原因となる傾向にある。
基材6は、その表面に後述する接合工程において他の部材が接合されるべき金属系材料からなる基材であり、各種の金属又は金属化合物からなるものが挙げられるが、具体的には得られる製品の用途等によって適宜決定される。このような金属材料としては、各種の遷移元素金属、典型元素金属、半金属(メタロイド)、又はそれらの合金を用いることができ、例えば、Cu、Al、Ti、Si、Cr、Pt、Au、Ag、Zr、Mg、Ni、Fe、Co、Zn、Sn、W、Be、それらを主成分とする合金等が挙げられ、中でも鉄、鋼が好ましい。なお、ここでいう金属材料は、例えば、シリコン、ゲルマニウム、炭化珪素、砒化ガリウム、InP、ZnTe等の半導体であってもよい。また、金属化合物材料としては、各種の遷移元素金属、典型元素金属又は半金属の酸化物、窒化物、炭化物等が挙げられ、中でもアルミ−シリコン化合物(Al−Si)が好ましい。なお、ここでいう金属化合物材料は複数の金属元素を含有していてもよく、更に非金属元素を含んでいてもよい。さらに、基材6は、このような金属系材料と他の材料との複合材料からなるものであってもよい。
このような金属系材料からなる基材6の形状や厚さは特に制限されず、得られる製品の用途等によってフィルム状、板状、各種形状の成形体等が適宜選択される。また、基材6の表面に形成されるべき飛散粒子により形成される膜(炭素原子含有材料からなる膜)5の厚さは特に制限されず、後述する接合工程において他の部材と基材との結合強度が最適となるように適宜決定されるが、一般的には1nm〜1mm程度が好ましく、10nm〜0.5mm程度がより好ましく、10nm〜0.01mm程度が特に好ましい。なお、基材6の表面に形成される炭素原子含有材料からなる膜は、一旦飛散粒子aとなった分子等により再構成されたものであるためターゲット4に用いた炭素原子含有材料と同じ組成になるとは限らないが、いずれにせよ飛散粒子aと基剤6の表面、並びに飛散粒子a同士の間に強い結合が形成されるため基材6の表面と炭素原子含有材料からなる膜5との間にも強い結合が形成される。また、炭素原子含有材料からなる膜5は必ずしも均一な被膜である必要はなく、部分的な膜であっても、断続的な膜であってもよい。
上述の基材6とターゲット4との位置的関係は特に限定されず、基材6の表面にターゲット4の表面から発生した真空紫外光Lが確実に照射されかつ飛散粒子aが効率良く付着するようにターゲット4に対して基材6が適宜配置され、図1においてはターゲット4の法線に対する角度Θが45°となる位置に基材6が配置されている。また、ターゲット4にはターゲット駆動装置(例えばターゲット回転台、図示せず)が接続され、レーザー光Lの照射位置にターゲットの新鮮な面(レーザー光未照射面)が順次繰り出されるようになっている。さらに、基材6にも基材駆動装置(例えば基材回転台、図示せず)が接続され、基材6の表面により均一に飛散粒子aが付着するようになっていてもよい。
以上、本発明の接合前処理方法を実施するのに好適な接合前処理装置の一実施形態について説明したが、本発明に好適な装置は上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、例えば、上記実施形態では処理容器3が真空ポンプ(図示せず)に接続されているが、水素ガス、ヘリウムガス、ネオンガスおよびアルゴンガスからなる群から選択される少なくとも一種のシールドガスを導入するためのガスボンベ(図示せず)に接続されていてもよく、その場合は容器3の内部を所定のシールドガス雰囲気に維持することが可能となる。このように内部がシールドガス雰囲気となっている容器3を用いると、容器3内を減圧状態とせずとも真空紫外光Lが真空紫外光吸収物質に吸収されることなく飛散粒子a及び基材6表面に照射され、飛散中又は基材上の飛散粒子aがより効率良く活性化される。また、処理容器3に真空ポンプ(図示せず)およびガスボンベ(図示せず)の双方を接続し、容器3の内部を所定のシールドガス雰囲気にすると共に所定の圧力条件に維持することが好適である。このような条件としては、例えばヘリウムガス雰囲気で大気圧以下の圧力が好ましく、500Torr以下の圧力がより好ましい。また、酸素分圧及び/又は窒素分圧が1Torr以下の圧力となるようにすることが好ましい。
また、上記実施形態ではレーザー光源2が処理容器3の外部に配置されているが、処理容器3の内部に配置されていてもよく、その場合はレーザー光Lを容器3内に導入するための窓7は不要となる。
更に、上記実施形態ではターゲット4の法線に対する角度Θが45°となる位置に基材6が配置されているが、このような位置関係に特に限定されるものではなく、ターゲット4の法線に対する角度Θが10°〜60°程度の範囲となる位置に基材6が配置されていてもよい。
また、ターゲット4としてレーザー光Lを透過可能なものを用い、ターゲット4をレーザー光源2と基材6との間に配置せしめ、ターゲット4の裏面(透明フィルム側)から表面(ターゲット材料側)に透過したレーザー光Lによってターゲット4の表面(ターゲット材料側)から真空紫外光Lおよび飛散粒子aが発生し、それらが基材6の表面に供給されるようにしてもよい。このような構成にすると、比較的大型の基材に対する接合前処理がより容易になる傾向にある。また、このような構成に用いるターゲットとしては、レーザー光に対して透明なフィルム(例えばPET、PEフィルム)上に前述のターゲット材料の薄膜を積層したテープ状ターゲットが好ましい。
次に、本発明の接合前処理方法の好適な一実施形態について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の接合前処理方法においては、前述のターゲット4にパルス幅100ピコ秒〜100ナノ秒のパルスレーザー光Lがレーザー光源2から照射される。すると、ターゲット4の表面に高温のプラズマPが形成され、そのプラズマPから波長50nm〜100nmの真空紫外光Lが発生する。また、それと同時に、レーザー光Lが照射されたターゲット4の表面からはターゲットを構成する材料に応じて炭素原子を含む分子が高いエネルギーをもって飛散するほか、プラズマP内部もしくはプラズマPにより加熱されたターゲット4の表面からは、ターゲットを構成する分子が分解することにより形成された原子又は低分子の状態の粒子やそれらが結合して形成されたクラスタが高いエネルギーをもって飛散する。なお、パルスレーザー光Lのパルス幅が100ピコ秒未満では短時間にレーザーのエネルギーが集中してターゲットに照射されるため波長50nm未満の光が発生するようになり、他方、100ナノ秒を超えるとレーザーのエネルギーが時間的に十分集中して照射されないため発生する光の波長が100nmを超えてしまう。また、発生する光Lの波長が50nm未満の場合並びに100nm超の場合はいずれも、炭素(炭素原子)に対する光Lの吸収率が低くなり、飛散中又は基板上の飛散粒子aが十分に活性化されず、後述する接合工程において形成される他の部材と基材との結合強度が不十分となる。さらに、ターゲット4に照射されるパルスレーザー光Lの照射強度が10W/cm〜1012W/cmであることが好ましい。パルスレーザー光Lの照射強度が10W/cm未満では波長50nm〜100nmの真空紫外光Lが十分に発生しない傾向にあり、他方、1012W/cmを超えるとターゲットに照射されたときに発生する電磁波の主たる波長域が50nm以下の波長域になるため、波長50nm〜100nmの真空紫外光Lの光量が減少してしまう傾向にある。
そして、このようにパルスレーザー光Lの照射によりターゲット4の表面から発生した各種飛散粒子(アブレータ)aは、真空紫外光Lと共に金属系材料からなる基材6の表面に供給される。そして、このような飛散粒子aに飛散中又は基材6に付着する時に真空紫外光Lが照射されると、かかる真空紫外光Lは炭素(炭素原子)に対する吸収率が高いので、炭素原子を含む飛散粒子aは十分に活性化される。そのため、このように活性化され高いエネルギーをもっている飛散粒子aが金属系材料からなる基材6上に到達すると基材6上に強固に付着し、また既に基材6上に付着している飛散粒子aも活性化されてその付着力が向上し、更にこのような飛散粒子aにより形成される膜(炭素原子含有材料からなる膜)5と基材6表面との間で非常に強い結合力が達成される。
なお、上述の本発明の接合前処理方法においては、基材6の表面に飛散粒子aを付着させる際に基材を高温に加熱する必要はなく、基材温度は特に制限されないが、一般的には室温〜50℃程度であればよい。また、基材6に飛散粒子aを付着させるのに要する時間(レーザー光照射時間)も特に制限されず、後述する接合工程において形成される他の部材と基材との結合強度が最適となるように適宜決定されるが、一般的には0.1秒〜20分程度が好ましく、1秒〜5分程度がより好ましい。
次に、本発明の接合方法について説明する。本発明の接合方法は、前述の接合前処理工程と、その工程において飛散粒子が付着した前記基材の表面上に他の部材を接合せしめる接合工程とを含むものである。
ここで使用される他の部材は特に制限されず、得られる製品の用途等によって樹脂部材、金属部材、織布又は不織布部材等が適宜用いられ、その形状もフィルム状、板状、各種形状の成形体等が得られる製品の用途等に応じて適宜選択される。
また、他の部材を前記基材の表面上に接合する具体的な方法も特に制限されず、例えば熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のようなそれ自体が溶融時等に接着性を有する材料からなる部材を用いる場合は、そのような部材を直接的に前記基材の表面上に接合することができる。一方、それ自体は接着性を有していない材料からなる部材を用いる場合は、例えば前記基材の表面上に接着剤を塗布し、その接着剤層を介してその部材を接合するようにしてもよい。なお、ここで使用される接合剤は特に制限されず、得られる製品の用途や用いる基材等によって適宜選択される。
本発明の接合方法においては、前述の接合前処理工程において形成された基材表面に強固に付着した飛散粒子、更には基材表面に強く結合した炭素原子含有材料からなる膜を介して基剤と他の部材とが接合されるため、基材と他の部材とが十分な結合強度をもって接合される。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(接合前処理工程)
レーザー光源2としてYAGレーザー装置(スペクトラフィジックス社製、商品名:PRO−290)、処理容器3として石英窓付の真空容器(ステンレス鋼製、容量20リットル)、ターゲット4としてカーボンブラックを1重量%含有するポリプロピレン板(日本ポリケム社製のノバテックMA2にカーボンブラックを1重量%含有させたもの、直径100mm、厚さ5mm)、基材6として銅板(30mm×30mm×1.6mm)を用いて図1に示す接合前処理装置を作製した。なお、基材6はターゲット4の法線に対する角度Θが45°となる位置に配置し、基材6とターゲット4との間の距離(中心間の距離)は150mmとした。
次に、作製された装置を用い、容器3の内部を圧力が10−2Torrの真空状態とし、ターゲット4を12rpm、基材6を100rpmで回転させた状態で、、レーザー光源2から波長532nm、照射強度4×10W/cm、パルス幅7ナノ秒のパルスレーザー光Lをターゲット4に照射した。容器3内部が真空状態のためパルスレーザー光Lは減衰することなくターゲット4に到達し、ターゲット4の表面には高温のプラズマPが形成され、波長が50nm〜100nmの範囲にある真空紫外光Lが発生し、同時に、ターゲット4の表面からポリプロピレンの分解により発生した炭素原子、分子、それらが結合して形成されたクラスタ等の飛散粒子(アブレータ)aが飛散した。そして、飛散中又は基材6上の飛散粒子aにプラズマPから発生した真空紫外光Lが照射されて十分に活性化され、高いエネルギーをもって基材6の表面に到達して付着した。なお、照射時間は200秒(2000回のレーザー照射)とし、基材温度は約25℃であった。また、基材6の表面を粗さ計及びFTIRにより確認したところ、基材6の表面に厚さが約20nmのアブレータからなる樹脂膜5が形成されていることが確認された。
(実施例2〜5)
(接合前処理工程)
先ず、基材6として冷間圧延鋼板(25mm×100mm×1.6mm)を用いた以外は実施例1と同様にして接合前処理工程を実施し、表面に厚さが約20nmのアブレータからなる樹脂膜5が形成されている鋼板基材6を得た。
(接合工程)
幅25mm、長さ87.5mm、深さ1.6mmの第1の溝と、第1の溝の一端からその長手方向に連続している幅25mm、長さ100mm、深さ3mmの第2の溝とが当接面に形成された第1の金型と、このような溝が当接面に形成されていない第2の金型とからなる一対の金型装置を用いて以下のようにして鋼板基材6と樹脂部材との接合体を製造した。
すなわち、先ず、表1に示した温度に前記金型装置をプレス成形機に挟んで加熱しておき、第1の金型の第2の溝の部分に表1に示す樹脂ペレットを約15gを入れた。次に、鋼板基材6を第1の金型の第1の溝の部分に設置し、更に第2の金型を樹脂ペレットと鋼板基材6を設置した第1の金型にかぶせて再びプレス成形機に挟んだ。そして、金型の温度が表1に示す温度に戻り、さらに樹脂が溶融する(通常は1〜3分程度)のを見計らってプレス機に油圧を加えて圧縮した。圧縮後、しばらく置いて(通常は1〜3分程度)から加熱していないプレス成形機に挟んで金型を冷却した。冷却終了後、金型から鋼板基材6と樹脂部材との接合体を取り出し、試験片とした。なお、成形時のバリは適宜切り落とした。
(引張試験)
このようにして作製した試験片を用いて、JIS K6850に記載の方法にしたがって引張りせん断接着強さを測定した。なお、引張り速度は10mm/minとした。得られた結果を表1に示す。また、引き剥がされた状態が、接着面の界面での剥離形態か、樹脂基材が凝集破壊した剥離形態かを観察し、得られた結果を表1に併記した。
(比較例1〜4)
接合前処理工程を施すことなく接合工程を実施して鋼板基材と樹脂部材との接合体(比較試験片)を製造するようにした以外は実施例2〜5とそれぞれ同様にして引張試験を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 0004120873
以上説明したように、本発明の接合前処理方法によれば、基材表面に強固に付着した飛散粒子、更には基材表面に強く結合した炭素原子含有材料からなる膜を有する基材が得られるようになる。そして、本発明の接合方法によれば、このように基材表面に強固に付着した飛散粒子、更には基材表面に強く結合した炭素原子含有材料からなる膜を介して金属系材料の基材と樹脂等の異種材料からなる部材とが接合されるため、両者の間に十分な結合強度を達成することが可能となる。したがって、本発明は、金属や金属化合物からなる種々の金属系材料の基材表面に、樹脂等の異種材料からなる種々の部材を高い結合強度をもって接合する接合方法、並びにそのための接合前処理方法として非常に有用である。
本発明に好適な接合前処理装置の好適な一実施形態の基本構成を示す模式図である。
符号の説明
1…接合前処理装置、2…レーザー光源、3…処理容器、4…ターゲット、5…飛散粒子からなる膜、6…金属系材料からなる基材、7…窓、L…パルスレーザー光、L…真空紫外光、a…飛散粒子、P…プラズマ。

Claims (8)

  1. 金属系材料からなる基材の表面に波長50nm〜100nmの真空紫外光を照射しつつ樹脂材料または炭素材料からなるターゲットにレーザー光を照射して発生させた炭素原子を含む飛散粒子を付着させる接合前処理工程と、
    前記飛散粒子が付着した前記基材の表面上に樹脂部材を接合せしめる接合工程と、
    を含むことを特徴とする接合方法。
  2. 前記真空紫外光及び前記飛散粒子が、樹脂材料または炭素材料からなるターゲットに、パルス幅が100ピコ秒〜100ナノ秒でかつ照射強度が10W/cm〜1012W/cmであるパルスレーザー光を照射して発生せしめたものであることを特徴とする請求項1記載の接合方法。
  3. 前記基材の表面に付着した前記飛散粒子により炭素原子含有材料からなる膜が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の接合方法。
  4. 減圧状態、及び/又は、水素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス及びアルゴンガスからなる群から選択される少なくとも一種のガスを含有するシールドガス雰囲気下において前記基材の表面に前記飛散粒子を付着せしめることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の接合方法。
  5. 金属系材料からなる基材の表面に波長50nm〜100nmの真空紫外光を照射しつつ樹脂材料または炭素材料からなるターゲットにレーザー光を照射して発生させた炭素原子を含む飛散粒子を付着させることを特徴とする接合前処理方法。
  6. 前記真空紫外光及び前記飛散粒子が、樹脂材料または炭素材料からなるターゲットに、パルス幅が100ピコ秒〜100ナノ秒でかつ照射強度が10W/cm〜1012W/cmであるパルスレーザー光を照射して発生せしめたものであることを特徴とする請求項5記載の接合前処理方法。
  7. 前記基材の表面に付着した前記飛散粒子により炭素原子含有材料からなる膜が形成されることを特徴とする請求項5又は6記載の接合前処理方法。
  8. 減圧状態、及び/又は、水素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス及びアルゴンガスからなる群から選択される少なくとも一種のガスを含有するシールドガス雰囲気下において前記基材の表面に前記飛散粒子を付着せしめることを特徴とする請求項5〜7のうちのいずれか一項に記載の接合前処理方法。
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