JP4117749B2 - 操縦装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微操作が容易な操縦装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、各種作業機を搭載した作業車両において、不整地を走行するような操作者の身体が不安定になる場合にも、これを片手で安定に操縦するための種々の操縦装置が提案されている。例えば、特表平7−502315号公報には、建設作業車両等に使用される自動車用制御コンソールが開示されている。図12及び図13は、それぞれ同公報に示された自動車用制御コンソールを示す斜視図及び要部詳細図である。
【0003】
これらの図において、作業車両のオペレータシート80に隣接して設けられた制御コンソール66の上部にはアームレスト70が設けられ、このアームレスト70は略水平な上面72を有している。この上面72は、その長手方向が作業車両の進行方向に略平行になるように設けられている。また、アームレスト70の前端部に隣接してハンドレスト76が配設されており、このハンドレスト76は略水平な上面77と、アームレスト70から上方に車両の進行方向に対して略垂直方向に設けられた隆起部78とを有している。
【0004】
また、ハンドレスト76に隣接して、アームレスト70の反対側の、操作者の指の先端が容易に届くところに、一対の操作レバー106,108が取り付けられている。この操作レバー106,108は回転中心99を中心として回転し、それぞれ一対のリンク機構120,122を介して、回転角センサ112,114にそれぞれ連結されている。この回転角センサ112,114から、操作レバー106,108の回転量に応じた電気信号が発生し、その電気信号に基づいて、例えば図示しないマイクロプロセッサによって作業車両の操舵がコントロールされる。操作者は、片手の掌の手前部分をハンドレスト76に密接に接触させて、手をしっかりと隆起部78で支持しながら、指先で操作レバー106,108を操作して作業車両を操縦する。これにより、不整地を走行するなど作業車両の稼働中に操作者の身体が不安定になるような場合にも、掌を前記隆起部78に固定させて操作レバー106,108を操作できるので、安定な操縦を行なうことが可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特表平7−502315号公報に開示された従来技術には、次に述べるような問題点がある。
【0006】
即ち、操縦には微妙な操作を必要とするので、操作レバー106,108の動きには長いストローク量が必要である。ところが、前記従来技術においては、図13に示すように、操作レバー106,108の回転中心99は操作レバー106,108よりも下方にある。このため、操作レバー106,108を操作する際に、操作レバー106,108は図14に示すように、上方(手の甲側方向)に凸の円弧の軌跡100Aを描くことになる。
【0007】
ところが、同図に示すように、掌を隆起部に押しつけながら操作レバー106,108の操作を行なう場合、操作者が指のみを握るように動かすと、指先部分は、下方(掌側方向)に凸の略円弧の軌跡100Bを描く。同図は、便宜上指先の軌跡を示したが、操作レバー106,108が当接する指先部分も同様の軌跡を描くことは言うまでもない。この結果、操作者の指先の軌跡100Bと操作レバー106,108の軌跡100Aが一致せず、操作レバー106,108が操作者の指の表面を滑りながら移動することになる。そのため、操作者が操作レバー106,108の操作時に違和感を生じると言う問題がある。
【0008】
また、操作レバー106,108の軌跡に一致させるように指を動かすと、指の第2関節を上方に移動させながら、指先をハンドレスト76の隆起部78に近づける動作となる。その結果、同図に示すように操作レバー106,108の動きは指先から隆起部78までの円弧の範囲に限定されてしまい、充分なストローク量が得られないため、微操作が難しくなり、操作性が良くなく、指に不自然な動きをさせなければならないという問題がある。そして、この範囲を越えたストローク量を得ようとするならば、操作者が手首を動かす等の動作が必要となり、掌が隆起部78から離れて不安定となって安定な操縦が困難となると共に、人間工学的に無理な動きをするために、操作者の負担が増大する。
【0009】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、人間工学的に無理のない動作で、かつストローク量を大きくして微操作を可能とした操縦装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、第1構成の発明は、作業車両の操縦装置において、車両の進行方向に屹立する左右サポートと、前記左右サポート間に張り渡され、操作者が操作時に掌を押し当てて握るためのグリップと、操作者が操作時に上方から指を係合させて操作するハンドルを備える操作レバーとを備え、前記操作レバーは、操作時における前記ハンドルの軌跡よりも上方に回転中心を有し、前記ハンドルの軌跡は、操作者がグリップに掌を押し当てて指を握る際の指先部分が描く下方に凸の円弧の軌跡に沿うようにしている。
【0011】
第1構成に記載の発明によれば、操作レバーがハンドルの軌跡よりも上方にある回転中心を中心として回動するため、グリップに掌を押し当てて上方からハンドルに指を係合させて操作する際に、指を握るようにしたときの指先の軌跡とハンドルの軌跡とが略一致するので、ハンドルが指先の所定の位置からずれることなく操作が可能となる。これにより、人間工学的に無理のないスムーズな操作が可能となる。また、グリップを握った状態で、より長いストロークにわたって操作レバーを操作可能であり、微操作性が向上する。
【0014】
また、第2構成の発明は、第1構成記載の操縦装置において、前記ハンドルは、ハンドルの端部に設けられたラックが、前記指先の軌跡に沿ってサポートに設けられたガイド溝内を摺動することによって移動するようになっている。
【0015】
第2構成記載の発明によれば、操作レバーがガイド溝内を摺動するようになっている。これにより、回転軸とハンドルとを接続するアームが不要となり、操作レバーの軌跡を任意の半径の円弧に形成することが容易となる。その結果、指先の軌跡とハンドルの軌跡とを略一致させることが容易となるので、人間工学的に無理のない操作が可能となる。
【0016】
また、第3構成の発明は、第1構成記載の操縦装置において、操作レバーは、リンク機構により、前記指先の軌跡に沿って移動するようになっている。
【0017】
第3構成記載の発明によれば、操作レバーがリンク機構を有している。これにより、ハンドルの軌跡が円弧以外の軌跡を描くことが可能となり、これを操作者の指先の軌跡により近づけることができる。その結果、操作者は人間工学的に好適な操作で操縦することが可能となって、操作性が向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら、本発明に係る操縦装置について、ブルドーザを例に実施形態を詳細に説明する。尚、各実施形態において、前記従来技術の説明に使用した図、及びその実施形態よりも前出の実施形態の説明に使用した図と同一の要素には同一符号を付し、重複説明は省略する。また、以下の実施形態の説明において、車両の前進方向を前方、後進方向を後方とし、操作者が前方を向いたときの左右の方向を、それぞれ左方向、右方向と呼ぶ。
【0019】
まず、図1〜図8に基づいて、第1実施形態を説明する。図1は、本実施形態に係るブルドーザのキャビン1内部の斜視図を示している。同図において、キャビン1内の後部の略中央には、操作者が着座するオペレータシート2が配設されており、オペレータシート2の左右には、それぞれ操作コンソール3,3が設けられている。この左右の操作コンソール3,3の上には、それぞれ左右のアームレスト4,4が設けられ、それらのアームレスト4,4の前方には、それぞれブルドーザの操縦装置6と作業機操作装置7が配設されている。
【0020】
以下、操縦装置6の構成について詳細に説明する。図2〜図4は操縦装置6の平面図、正面図、及び左側面断面図をそれぞれ示している。
【0021】
これらの図において、操縦装置6は正面視H形のフレーム8を主体として一体に構成されている。このフレーム8は、車両の進行方向に略垂直に屹立し、内部が中空となった側面視で略台形の左右サポート9,9と、その間に略水平に張り渡されて操作者が掌を押し当てて握るためのグリップ11とを有している。
【0022】
また、図2、図4に示すように、この操縦装置6は、ブルドーザの前後進切り替えを行なう前後進切り替えスイッチ12、走行速度段の切り替えを行なう速度段切り替えスイッチ13、及びブルドーザの旋回・操向を行なう左右の操作レバー14,14を備えている。まず、前後進切り替えスイッチ12は、例えば3段切り替えのシーソー式スイッチを有しており、この前後進切り替えスイッチ12が中立状態にあるとブルドーザを停止させる。また、前後進切り替えスイッチ12を上方に倒すとブルドーザを前進、下方に倒すと後退させるようになっている。この前後進切り替えスイッチ12は、右サポート9の後部傾斜面のグリップ11の近傍に配置されており、操作者が左手でグリップ11を握った際に、左手の親指で容易に操作可能となっている。
【0023】
次に、速度段切り替えスイッチ13は、2個の押しボタンスイッチ13A,13Bを有している。これらの押しボタンスイッチは、それぞれブルドーザの速度段をシフトアップ、シフトダウンするスイッチであり、1回押すごとに多段変速機(図示せず)の多段変速比クラッチを切り替えられるようになっている。この速度段切り替えスイッチ13は、前記前後進切り替えスイッチ12の下方に配置されており、操作者が左手でグリップ11を握った際に、左手の親指で操作可能となっている。
【0024】
そして、左右の操作レバー14,14は、それぞれグリップ11の斜め上前方にサポート9,9に対して略垂直に設置された回転軸19,19と、この回転軸19,19を回転中心として回動自在に保持されているアーム17,17と、このアーム17,17に略直交し、操作者が指を係合させて操作するハンドル18,18とを備えている。
【0025】
以下、左右の操作レバー14,14の作用について詳細に説明する。尚、以下の説明においては、左右の操作レバー14,14を代表して、右操作レバー14について説明するが、左の操作レバー14についてもグリップ11の中心線Dと対称に同様の機構を備えているものとする。
【0026】
図5は、右サポート9の内部を表す左側面断面図である。図4、図5に示すように、操作レバー14の回転軸19は、右サポート9の左側壁に設置された回転部16に接続されている。この回転部16は、例えばポテンショメータを備えて、回転軸19の回転角度を検出し、その回転角度に応じて電気信号を出力する回転角センサ43と、一端をこの回転軸19に固定され、回転軸19の回転に応じて同心で回転するアーム41と、一端をこのアーム41に掛止され、他端をフレーム8から内部に突出したブラケット45に掛止された戻しバネ42とを備えている。そのため、操作レバー14に力が加わらない場合は、アーム17はこの戻しバネ42の張力により、前面がサポート9から突出したストッパ44に当接するまで引っ張られ、ハンドル18を常に所定の停止位置に引き戻している。
【0027】
そして、操作者が、ハンドル18に指先をかけてグリップ11方向に引き寄せると、その操作量がアーム17を介して前記回転角センサ43により回転角変位として検出され、図示しない制御器に出力される。本実施形態では、制御器はこれらの回転角信号を受けて所定の処理を行ない、作業車両の操向クラッチ・ブレーキ油圧制御装置に指令を出力しているが、これは車両の形態により、制御処理の内容を変えていかようにも制御することが可能である。図4に示すように、ハンドル18がグリップ11に当接したときが、操作レバー14のストロークエンドとなる。そして、操作者がハンドル18から手を離すと、戻しバネ42の張力により、ハンドル18はアーム17の前面がストッパ44に当接する前記所定の停止位置に復帰する。
【0028】
また、図5に示すように、アーム41の他端部は、回転軸19の回転角度に応じて反力を操作者に伝える反力発生装置20に当接されている。以下、本出願人他が特願平10−18267号に記載した技術を例にとって、反力発生装置20について説明する。
【0029】
図6は、反力発生装置20の一例の内部構造を示す断面図である。同図において、反力発生装置20は、アーム41の前端に固定された円筒部材41Aと、この円筒部材41Aの外周に一端が当接するロッド46と、このロッド46が内部を貫通するスプリングケース47とを備えている。スプリングケース47は、同図に示すようにバネ定数の異なる2種類のスプリング48,49を内蔵しており、操向操作及びブレーキ操作に見合った操作力を与えるように構成されている。
【0030】
スプリングケース47の内部には、径の異なる略円柱状の中空部が左右に形成されており、左部の小径中空部と右部の大径中空部との境に端面51が設けられている。大径中空部には、左方に開口し、かつ外形が略円筒形状のキャップ状部材53が配設されており、このキャップ状部材53の左端外周部に鍔部54が設けられている。そして、この鍔部54と大径中空部の右端内面との間にスプリング49が配設されており、スプリング49の付勢力によって鍔部54の左端面55が前記端面51に当接するようになっている。また、ロッド46はスプリングケース47及びキャップ状部材53の中心部を貫通するように設けられており、ロッド46の中間部に係止部材56が取着されている。そして、この係止部材56とキャップ状部材53の右端面部との間にスプリング48が配設されており、スプリング48の付勢力によって係止部材56の左端面が前記小径中空部の左端面52に当接するようになっている。
【0031】
ここで、操作者によって操作レバー14がグリップ11のほうへ操作されると、アーム41の前端部の円筒部材41Aが、ロッド46をスプリングケース47の内部へ押し込む。係止部材56がキャップ状部材53の鍔部54の左端面55に当接するまでは、操作レバー14のストロークに比例したスプリング48の付勢力がロッド46に作用し、これに対応する操作力が必要となる。そして、係止部材56がキャップ状部材53に当接した後は、スプリング48の付勢力に操作レバー14のストロークに比例したスプリング49の付勢力がさらに加算されてロッド46に作用し、必要な操作力が大きく増加するようになっている。
【0032】
図7は、左右の操作レバー14,14のストロークと、操作力と、これに対応する操向クラッチ及び操向ブレーキの駆動油圧の大きさとの関係を表している。即ち、本実施形態では同図に示すように、ストロークにおいて操向クラッチの切り終わり位置θ1と操向ブレーキの効き始め位置θ2との間で、前記スプリング48とスプリング49との付勢力の変化により操作力を大きく変化させることによって、操作者が容易にブレーキ操作の始まりを認識できるようにしている。
【0033】
左右の操作レバー14操作時の操向クラッチ油圧及び操向ブレーキ油圧の変化は、同図に示すように、C1からC2までの間は操向クラッチ油圧が漸増する半クラッチ域となり、その後C3(ストロークθ1に相当)で操向クラッチ油圧が急上昇してクラッチの接続が断たれる。さらに、左右の操作レバー14,14を引くと、操向ブレーキ油圧が急下降して操向ブレーキがかかり始め、この後B1からB2までの間は操向ブレーキ油圧が漸減して半ブレーキ状態となり、B3でフルブレーキ状態となる。
【0034】
次に、図8に基づいて、操作者が操作レバー14を操作する際の、指と操作レバー14との動作について説明する。同図に、操作者がグリップ11を握ったときの操縦装置6の左側面断面図を示す。これらの図において、左右のハンドル18,18は、それぞれ力を加えない状態では、前記戻しバネ42によって常にグリップ11の略前方のストローク開始点25Aに位置している。そして、操作者が左手のグリップ11に掌を押し当てたときに、左手の人さし指の第1関節近傍が右のハンドル18に、中指、薬指、小指の3本の指の第1関節近傍が図示しない左のハンドル18に、それぞれ係合するようになっている。尚、本実施形態では図2に示すように、グリップ11の中心線Dが、車両の進行方向に対して約10゜傾くようにしている。これにより、操作者がこのグリップ11に掌を押し当てて握った際に掌がわずかに身体の外側に向き、操作者の左手首に不要な力をかけずに自然な状態でグリップ11を握れるようになっている。また、左操作レバー14のハンドル18は、左端がグリップ11に最も近接し、右端がしだいにグリップ11から遠ざかるような、平面視で略S字型の緩いカーブを有する形状となっている。これにより、左手の指のうち、最も短い小指の先端も、ハンドル18に好適に係合する。
【0035】
同図において、操作者が操作レバー14,14のハンドル18,18を引くと、操作レバー14,14の回転中心はハンドル18,18よりも上方にあるため、ハンドル18はストローク開始点25Aより下方に凸の円弧の軌跡15Aを描いて、グリップ11に引きつけられる。そして、グリップ11の下部に接触したストローク終了点25Bに至って、操作レバー14のストロークが完了する。このように、本実施形態による軌跡15Aを従来技術による操作レバー106,108の軌跡100Aと比較すると、ハンドル18のストローク開始点25Aはほぼ同じ場所から始まっているのに対し、ストローク終了点25Bはより操作者に近い位置に至っており、ストローク量がより大きくなっていることがわかる。
【0036】
さらに、このとき操作者の指先は、第3関節を中心に下方に動くため、その軌跡15Bは、ハンドル18の軌跡15Aと同様に下方に凸の円弧となる。即ち、指先の軌跡15Bとハンドル18の軌跡15Aとが略一致するので、ハンドル18が指先の所定の位置(本実施形態では第1関節)からずれることなく操作が可能となっている。これにより、人間工学的に無理なく操作を行なうことができ、しかもストローク量を大きくなっているので、微操作が可能となっている。
【0037】
次に、図9〜図10に基づいて、第2実施形態を説明する。図9は、本実施形態に係る操縦装置6の右側サポート9の左側面断面図、図10はその正面断面図を示している。尚、以下の説明においては、前記第1実施形態と同様に左右の操作レバー14,14を代表して、右操作レバー14について説明するが、左の操作レバー14についてもグリップ11の中心線Dと対称に同様の機構を備えているものとする。
【0038】
これらの図において、本実施形態に係る右側サポート9は中実となっており、その左側壁近傍には、サポート9に略平行に始端21Aから終端21Bまで、略円形の断面形状を有するガイド溝21が、下方に凸の円弧状に設けられている。図10に示すように、このガイド溝21は、断面の円の一部が右側サポート9の左側壁によって切り取られた形状になっており、この第1の開口部22によって外部に通じている。
【0039】
そして、ガイド溝21の内部には、略円形の断面形状がこのガイド溝21とほぼ一致し、かつ外周がこのガイド溝21の内周よりもわずかに小さいラック23が、ガイド溝21内部に摺動自在に嵌合されている。尚、図においては、ガイド溝21とラック23との間の隙間は、理解のために実際よりも大きく描かれている。このラック23の一端とガイド溝21の終端21Bとの間には、スプリング24が入っており、ラック23を常に始端21A側に押しつけている。また、ラック23の他端近傍には、このラック23と略垂直にハンドル18が設けられており、このハンドル18を操作してラック23をガイド溝21内で摺動させることが可能である。
【0040】
また、このガイド溝21の内周側の、始端21Aの上方近傍には、第2の開口部26が設けられ、その上方に設けられた空間27と通じている。この空間27の内部には、ラック23と噛合させたピニオン28が設けられており、サポート9と略垂直に設けられた回転軸19に対して回動自在となっている。回転軸19は、サポート9内部に設けられた回転部16に接続しており、この回転部16は、ピニオン28の回転角度に応じた電気信号を出力する。また、この回転部16は、前記実施形態と同様に、回転角度に応じた反力を発生させる反力発生装置を備えていてもよい。尚、左右のサポート9,9の間にグリップ11が張り渡されているのは、前記第1実施形態と同様である。
【0041】
以下、本実施形態に係る操縦装置6の作用について説明する。操作者はグリップ11に掌を押し当てて握り、指先に係合したハンドル18を引き寄せる。これにより、ラック23は始端21Aから終端21Bに向けて、ガイド溝21の内部を摺動する。ラック23の摺動に伴い、これに噛合したピニオン28が回転する。そして、回転部16,16からはハンドル18の回転角度に応じた電気信号が出力される。この電気信号に基づき、作業車両の操縦を行なうのは、前記第1実施形態と同様である。尚、ハンドル18を離すと、ラック23はスプリング24に押されて元の始端21Aに戻るようになっている。
【0042】
このように本実施形態によれば、下方に凸の円弧状のガイド溝21に沿ってハンドル18が動くので、回転軸19とハンドル18とを接続するアーム17が不要となり、操作レバー14の軌跡を任意の半径の円弧、例えば大きな半径の円弧にも形成することが容易に可能である。その結果、指先の軌跡とハンドル18の軌跡とを略一致させることが容易となるので、人間工学的に無理のない操作が可能となる。
【0043】
さらに、操作レバー14の軌跡が下方に凸の円弧状となるにも拘らず、グリップ11の上方に回転軸19を設ける必要がない。即ち、サポート9をグリップよりも高くしなければならないという制限がなくなり、サポート9の形状をより自由にデザイン可能である。
【0044】
或いはこのとき、ラック23を可撓性を有する材料、例えばFRP等で形成してもよい。このようにすれば、ガイド溝21を円弧でなく、例えば高次曲線等の、より指先の軌跡に近い軌跡に形成することが可能である。
【0045】
次に、図11に基づいて、第3実施形態を説明する。同図は、本実施形態に係る操縦装置6の左側面断面図である。尚、以下の説明においては、前記第1、第2実施形態と同様に左右の操作レバー14,14を代表して、右操作レバー14について説明するが、左の操作レバー14についてもグリップ11の中心線Dと対称に同様の機構を備えているものとする。
【0046】
同図において、操縦装置6は前記第1、第2実施形態と同様の回転部16と、この回転部16近傍にあって、回転部16の回転軸19と平行な第2の回転軸31と、回転部16の回転軸19を中心として回動自在な第1のアーム32と、第2の回転軸31を中心として回動自在な第2のアーム33と、さらに一端を第2のアーム33の一端に回動自在に接続され、さらにその中間部を第1のアーム32の一端に回動自在に接続された第3のアーム34と、この第3のアーム34の他端部にサポート9に略垂直に設けられたハンドル18とを備えている。
【0047】
このように、第1〜第3のアーム32〜34はリンク機構を構成しており、操作者がハンドル18を操作したときの動きを、ストローク量に応じた回転角に変換している。これにより、ハンドル18の軌跡38Aが円弧以外の軌跡を描くことが可能となり、これを操作者の指先の軌跡38Bにより近づけることができる。その結果、操作者は人間工学的に好適な操作で作業車両を操縦することが可能となって、操作性が向上する。
【0048】
また、第1のアーム32は、2本のアーム部32Aと、そのアーム部32Aの一端にそれぞれ互いに反対の回転方向に切られたオスネジ部32Bとを備えている。そして、これらのオスネジ部32Bには、両端に互いに反対の回転方向に切られたメスネジ部(図示せず)を備えたブッシュ37がねじ込まれている。このブッシュ37を回転させることにより、第1のアーム32のオスネジ部32Bがブッシュ37内に入り込む量を変化させ、第1のアーム32の長さを変更可能となっている。これは、第2、第3のアーム33,34も同様である。これにより、操作者の手の大きさに合わせてハンドル18の位置を変更し、操作しやすい位置で操縦を行なうことができるので、作業車両の操作性が向上する。
【0049】
以上説明したように、本発明によれば、操作レバー14の軌跡15A,38Aが下方に凸の円弧を描くので、グリップ11を握った操作者の指先の動きの軌跡15B,38Bと略一致する。その結果、操作レバー14が常に指の第1関節近傍から離れない状態で操作レバー14を操作することができるので、人間工学的に無理のない操縦が可能となる。
【0050】
また、これにより、操作レバー14のストロークの終端をより操作者に近づけることができ、ストローク量が前記従来技術に比べて大きくなるので、操作者に負担をかけずに、操作レバー14の微操作が可能となる。その結果、作業車両の操縦を微妙に制御することが可能となり、作業性が向上する。
【0051】
尚、本発明においては、作業車両をブルドーザとして説明したが、これはブルドーザに限定されるものではなく、他の作業車両にも応用可能である。また、操作レバー14を操向クラッチ・ブレーキを操作する操作レバー14として説明したが、やはりこれに限定されるものではなく、他の操作を行なう操作レバー14に対しても応用可能である。さらに、反力発生装置20についても、実施形態で説明したような形態のものに限定されるものではない。
【0052】
さらに、操縦装置6の設置位置は、オペレータシート2の左側に限定されるものではなく、右側でもよい。また、操作者が操縦装置6を握る際に、その手が身体の外側に向くように操縦装置6を外に約10゜傾けるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、走行方向にまっすぐ向けてもよい。また、操縦装置6のフレーム8をサポート9とグリップ11とで構成するようにしたが、このような形状に限定されるものではない。さらに、グリップ11は水平に保持されているようにとしたが、これに限定されるものではなく、例えば垂直に屹立した形状でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るキャビン内部の斜視図。
【図2】操縦装置の平面図。
【図3】操縦装置の正面図。
【図4】操縦装置の左側面断面図。
【図5】右サポート内部の左側面断面図。
【図6】反力発生装置の断面図。
【図7】操向操作時の操作レバーストロークと、操作力と、操向クラッチ及び操向ブレーキの駆動油圧の大きさとの関係を示すグラフ。
【図8】指と操作レバーとの動作の説明図。
【図9】第2実施形態に係る操縦装置の左側面断面図。
【図10】操縦装置の正面断面図。
【図11】第3実施形態に係る操縦装置の左側面断面図。
【図12】従来技術に係る操縦装置の自動車用制御コンソールの斜視図。
【図13】従来技術に係る操縦装置の自動車用制御コンソールの要部詳細図
【図14】従来技術に係る操作レバーの軌跡を示す説明図。
【符号の説明】
1…キャビン、2…オペレータシート、3…操作コンソール、4…アームレスト、6…操縦装置、7…作業機操作装置、8…フレーム、9…サポート、11…グリップ、12…前後進切り替えスイッチ、13…速度段切り替えスイッチ、14…操作レバー、15A,15B…軌跡、16…回転部、17…アーム、18…ハンドル、19…回転軸、20…反力発生装置、21…ガイド溝、21A…始端、21B…終端、22…第1の開口部、23…ラック、24…スプリング、25A…ストローク開始点、25B…ストローク終了点、26…第2の開口部、27…空間、28…ピニオン、31…第2の回転軸、32…第1のアーム、33…第2のアーム、34…第3のアーム、37…ブッシュ、38A,38B…軌跡、41…アーム、41A…円筒部材、42…戻しバネ、43…回転センサ、44…ストッパ、45…ブラケット、46…ロッド、47…スプリングケース、48…スプリング、49…スプリング、51…端面、52…左端面、53…キャップ状部材、54…鍔部、55…左端面、56…係止部材。
Claims (3)
- 作業車両の操縦装置(6)において、
車両の進行方向に屹立する左右サポート(9,9)と、
前記左右サポート(9,9)間に張り渡され、操作者が操作時に掌を押し当てて握るためのグリップ(11)と、
操作者が操作時に上方から指を係合させて操作するハンドル(18)を備える操作レバー(14)とを備え、
前記操作レバー(14)は、操作時における前記ハンドル(18)の軌跡(15A,38A)よりも上方に回転中心を有し、
前記ハンドル(18)の軌跡(15A,38A)は、操作者がグリップ(11)に掌を押し当てて指を握る際の指先部分が描く下方に凸の円弧の軌跡(15B,38B)に沿うようにした
ことを特徴とする操縦装置。 - 請求項1記載の操縦装置において、
前記ハンドル(18)は、ハンドル(18)の端部に設けられたラック(23)が、前記指先の軌跡(15B,38B)に沿ってサポート(9)に設けられたガイド溝(21)内を摺動することによって移動する
ことを特徴とする操縦装置。 - 請求項1記載の操縦装置において、
前記ハンドル(18)は、リンク機構により、前記指先の軌跡(15B,38B)に沿って移動する
ことを特徴とする操縦装置。
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