JP4117147B2 - 射出成形体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性の射出成形体に関し、特に、乳酸系樹脂と芳香族脂肪族ポリエステルを含有する生分解性の射出成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年環境問題の高まりから、プラスチック製品が棄却された場合に自然環境中で経時的に分解・消失し、最終的に自然環境に悪影響を及ぼさないことが求められている。従来のプラスチックは、自然環境中で長期にわたって安定であり、しかも嵩比重が小さいため、廃棄物埋め立て地の短命化を促進したり、自然の景観や野生動植物の生活環境を損なうといった問題点が指摘されていた。
そこで、生分解性樹脂材料が注目を集めるようになった。生分解性樹脂は、土壌中や水中で、加水分解や生分解によって徐々に崩壊・分解が進行し、微生物の作用により最終的には無害な分解物となることが知られている。また、コンポスト(堆肥化)処理によって、容易に廃棄物処理を行うことができる。
【0003】
実用化され始めている生分解性樹脂としては、脂肪族ポリエステル、変性PVA、セルロースエステル化合物、デンプン変性体、およびこれらのブレンド体等がある。
これらの生分解性樹脂材料はそれぞれ固有の特徴を有し、この特徴に応じた用途展開が考えられる。中でも脂肪族ポリエステルが、幅広い特性と汎用樹脂に近い加工性を有するため広く使われ始めている。また、脂肪族ポリエステルの中でも乳酸系樹脂は、透明性・剛性・耐熱性等が優れていることから、ポリスチレンやポリエチレンテレフタレートの代替材料として、フィルム包装材や射出成形分野において注目されている。
【0004】
しかし、家電製品、自動車部品、その他の射出成形品などに用いられるABSと比較した場合、乳酸系樹脂の耐衝撃性は低く、ABSの代替材料として使用することは難かしい。そのため、耐衝撃性付与の手段として、特開平10−87976に開示されているように、乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルとしてポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/アジペート共重合体などを配合する手法が取られている。この方法では、耐衝撃性改良効果をだすためには脂肪族ポリエステルの配合量を多くしなければならず、成形体の軟質化や耐熱性の低下が生じることとなり実用上十分でない。耐衝撃性としては、家電部品や車の部品として使用されている樹脂の性能から考え、JISK−7110に基づいたアイゾット衝撃強度(ノッチ付き、23℃)で、15kJ/m2以上が好ましい。耐熱性としては同様に、JISK−7191に基づいた荷重たわみ温度(A法、エッジワイズ)で、55℃以上が好ましい。また、乳酸系樹脂は他の脂肪族ポリエステルと比較して、工業的に大量に生産されようとしており、原料供給面、および価格面において有利であるため、射出成形体に占める乳酸系樹脂の配合量が多い方が、製品を安定、かつ安価に供給することが可能である。
【0005】
また、脂肪族ポリエステル系樹脂を多く配合した成形体は、長期保管や長期使用によって、空気中の水蒸気や、内容物または外部からの水分によって、加水分解を生じ、機械物性の低下を招くなど、実用上大きな問題があった。特に、60℃、60%RH以上の高温多湿の雰囲気下では、短期間で加水分解が生じ、成形体は数時間から数週間で分解してしまうことがある。なお、耐加水分解性の観点からは、85℃、80%RHの雰囲気下で、100時間の湿熱試験において、分子量保持率が70%以上であることが実用上好ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、耐熱性、耐衝撃性に優れ、さらには生分解性をほとんど損なうことなく優れた耐加水分解性を具備した生分解性の射出成形体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような現状に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、効果の高い本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の射出成形体は、乳酸系樹脂と芳香族脂肪族ポリエステルを含有する樹脂組成物からなる射出成形体であり、前記乳酸系樹脂と前記芳香族脂肪族ポリエステルの混合割合が、質量比で、70:30〜90:10の範囲内であることを特徴とする。
ここで、前記樹脂組成物中に、さらに、無機フィラーを5〜30質量%含有することができる。
また、前記樹脂組成物は、さらにカルボジイミド化合物を含有することができる。
また、前記芳香族脂肪族ポリエステルは、ポリブチレンアジペート/テレフタレート共重合体、あるいはテトラメチレンアジペート/テレフタレート共重合体であることができる。
また、上記射出成形体を60〜130℃の範囲内の温度で結晶化させてもよい。
また、上記射出成形体は、JISK−7110に基づいて測定したアイゾット衝撃強度が15kJ/m2以上であり、かつ、JISK−7191に基づいてエッジワイズ方向で測定した荷重たわみ温度が55℃以上であることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる乳酸系樹脂とは、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸である、ポリ(DL−乳酸)やこれらの混合体をいい、さらには、α−ヒドロキシカルボン酸等の他のヒドロキシカルボン酸単位や(脂肪族)ジオール/(脂肪族)ジカルボン酸との共重合体であってもよい。しかし、この時、乳酸系樹脂のDL構成が、L体:D体=100:0〜90:10、もしくは、L体:D体=0:100〜10:90であることが好ましく、L体:D体=100:0〜94:6、もしくは、L体:D体=0:100〜6:94であることがより好ましい。かかる範囲外では、部品の耐熱性が得られにくく、用途が制限されることがある。乳酸系樹脂の代表的なものとしては、島津製作所製ラクティシリーズ、三井化学製レイシアシリーズ、カーギル・ダウ製Nature Worksシリーズなどがあげられる。
【0009】
乳酸系樹脂の重合法としては、縮重合法、開環重合法など公知のいずれの方法を採用することができる。例えば、縮重合法ではL−乳酸またはD−乳酸、あるいはこれらの混合物を直接脱水縮重合して任意の組成を持った乳酸系樹脂を得ることができる。
また、開環重合法では乳酸の環状二量体であるラクチドを、必要に応じて重合調整剤等を用いながら、選ばれた触媒を使用してポリ乳酸系重合体を得ることができる。ラクチドにはL−乳酸の2量体であるL−ラクチド、D−乳酸の2量体であるD−ラクチド、さらにL−乳酸とD−乳酸からなるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合して重合することにより任意の組成、結晶性をもつ乳酸系樹脂を得ることができる。
【0010】
さらに、耐熱性を向上させるなどの必要に応じ、少量共重合成分として、テレフタル酸のような非脂肪族ジカルボン酸及び/又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のような非脂肪族ジオールを用いてもよい。さらにまた、分子量増大を目的として少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物などを使用することもできる。
【0011】
乳酸系樹脂に共重合される上記の他のヒドロキシ−カルボン酸単位としては、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシn−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
【0012】
乳酸系樹脂に共重合される上記脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等があげられる。また、上記脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸およびドデカン二酸等が挙げられる。
【0013】
乳酸系樹脂の重量平均分子量は、5万〜40万の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは10万〜25万である。乳酸系樹脂の重量平均分子量が5万より小さいと、実用物性がほとんど発現されず、40万より大きいと、溶融粘度が高すぎて成形加工性に劣る。
【0014】
本発明において好適に使用される芳香族脂肪族ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分、および脂肪族ジオール成分からなる生分解性を有する芳香族脂肪族ポリエステルである。
芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられ、脂肪族ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。なお、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分あるいは脂肪族ジオール成分は、それぞれ2種類以上を用いることもできる。
本発明において、最も好適に用いられる芳香族ジカルボン酸成分はテレフタル酸であり、脂肪族ジカルボン酸成分はアジピン酸であり、脂肪族ジオール成分は1,4−ブタンジオールである。
【0015】
脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジオールからなる脂肪族ポリエステルは生分解性を有することが知られているが、芳香族脂肪族ポリエステルにおいて生分解性を発現させるためには芳香環の合間に脂肪族鎖が存在することが必要である。そのため、本発明に用いられる芳香族脂肪族ポリエステルの芳香族ジカルボン酸成分は、50モル%以下にすることが好ましい。
上記芳香族脂肪族ポリエステルの代表的なものとしては、ポリブチレンアジペートとテレフタレートの共重合体(BASF社製の「Ecoflex」)やテトラメチレンアジペートとテレフタレートの共重合体(Eastman Chemicals社製の「EastarBio」)などがあげられる。
【0016】
乳酸系樹脂と芳香族脂肪族ポリエステルの割合は、質量比で70:30〜90:10の範囲内であることが好ましく、75:25〜85:15の範囲内であることがさらに好ましい。芳香族脂肪族ポリエステルの配合量が、樹脂組成物全体量に対して30質量%を越えると、成形体の軟質化や耐熱性の低下を生じやすい。また、10質量%を下回ると耐衝撃性の改良効果が得られない。
従来、乳酸系樹脂の耐衝撃性を改良する手段としては、乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルを配合する方法が一般的に知られている。乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルとしては、脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体と脂肪族多価アルコールを主成分とする脂肪族ポリエステルが広く用いられている。代表的なものとしては、昭和高分子社製ビオノーレシリーズなどがある。
【0017】
乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルを配合することで耐衝撃性改良効果を発現するためには、乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルの割合を樹脂組成物全量中30質量%以上にする必要がある。しかし、射出成形体に占める乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルの割合が30質量%以上になると、成形体の軟質化や、耐熱性の低下が生じ、実用上問題を生じる。
【0018】
ところが、芳香族脂肪族ポリエステルを用いれば、乳酸系樹脂と芳香族脂肪族ポリエステルとを質量比で70:30〜90:10、より好ましくは75:25〜85:15の範囲で混合することによって、脂肪族ポリエステルを30質量%以上配合した場合と同等以上の耐衝撃性の改良効果が得られるため、耐衝撃性、耐熱性を両立させることが容易になる。
【0019】
また、射出成形によって得られた成形体の耐熱性をさらに向上させるためには、成形体に熱処理を行って結晶化させることが有効である。熱処理温度は、60〜130℃の範囲が好ましく、70〜90℃の範囲がより好ましい。熱処理温度が60℃より低いと、結晶化が進行せず、130℃より高いと、成形体を冷却した時に変形や収縮が生じやすい。加熱時間は組成、および熱処理温度によって適宜決められるが、例えば、加熱温度が70℃の場合には15分〜5時間熱処理を行うことが好ましい。また、加熱温度が130℃の場合には10秒〜30分熱処理を行うことが好ましい。結晶化させる方法としては、射出成形後に金型の温度を上げて金型内で結晶化させる方法や、射出成形体を非晶状態で金型から取り出した後、熱風、蒸気、温水、遠赤外線ヒーター、IHヒーターなどで結晶化させる方法等が挙げられる。このとき、射出成形体を固定しなくてもよいが、成形体の変形を防止するために、金型、樹脂型などで固定することが好ましい。また、生産性を考慮に入れると、梱包した状態で熱処理を行うことが好ましい。
【0020】
本発明においては、樹脂組成物中にさらに無機フィラーを配合することで、金型からの離型時における変形防止効果、加熱時における収縮、反りなどの防止効果が得られる。無機フィラーの添加量は、樹脂組成物全量中5〜30質量%の範囲内であることが好ましい。無機フィラーの添加量が5質量%より小さいと、金型からの離型時に変形を生じたり、加熱時の収縮が大きくなる。また、添加量が30質量%を上回る場合には、成形体の強度低下を生じ実用上問題が生じる。
【0021】
本発明に用いる無機フィラーの具体例としては、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、ベントナイト、マイカ、セリサイト、ガラスフレーク、黒鉛、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、硫酸バリウム、ホウ酸亜鉛、含水ホウ酸カルシウム、アルミナ、マグネシア、ウォラストナイト、ゾノトライト、セピオライト、ウィスカー、ガラス繊維、金属粉末、ビーズ、シリカバルーン、シラスバルーン、有機系バルーンなどが挙げられる。また、上記無機フィラー表面をチタン酸、脂肪酸、シランカップリング剤などで処理することにより樹脂との接着性を向上させ、無機フィラーの効果を向上させることが可能である。
【0022】
本発明における射出成形体に耐加水分解性を付与するために、樹脂組成物100質量部に対してカルボジイミド化合物を0.5〜10質量部の範囲内で添加することが効果的である。かかる範囲を下回る場合は、耐加水分解性改良効果が発現されず、上回る場合には、カルボジイミド化合物のブリードアウトによる成形体の外観不良や、可塑化による機械物性の低下が起こる。また、生分解性やコンポスト分解性が損なわれることがある。
【0023】
本発明に好ましく使用されるカルボジイミド化合物としては、下記一般式で表される基本構造を有するものが挙げられる。
−(N=C=N−R−)n−
ただし、式中、nは1以上の整数を示し、Rは有機系結合単位を示す。通常nは、1〜50の間で適宜設定される。また、Rとしては、例えば、脂肪族、脂環族、芳香族の結合単位等が挙げられる。
【0024】
具体的には、例えば、ポリ(4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等や、これらの単量体があげられる。本発明において、カルボジイミド化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
また、樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、熱安定剤、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、顔料、着色剤、滑剤、核剤、可塑剤等の添加剤を処方することができる。
【0026】
次に、本発明における射出成形体の成形方法について説明する。
乳酸系樹脂と芳香族脂肪族ポリエステル、必要に応じて、さらに無機フィラー、カルボジイミド化合物、その他の添加剤の混合は、同一の射出成形機にそれぞれの原料を投入して行うことができる。射出成型機に原料を投入し、混合した後、そのまま射出成形機から射出成形する方法、あるいは、ドライブレンドした原料を二軸押出機を用いてストランド形状に押出してペレットを作成した後、再度射出成形機を用いて射出成形体を作成する方法がある。
【0027】
いずれの方法においても原料の分解による分子量の低下を考慮しなければならないが、均一に混合させるためには後者を選択することが好ましい。本発明においては、例えば乳酸系樹脂、芳香族脂肪族ポリエステルを十分に乾燥して水分を除去した後、二軸押出機を用いて溶融混合し、ストランド形状に押出してペレットを作成する。ただし、乳酸系樹脂はL−乳酸構造とD−乳酸構造の組成比によって融点が変化すること、芳香族脂肪族ポリエステルの混合の割合によって樹脂組成物の融点が変化すること等を考慮して、溶融押出温度を適宜選択することが好ましい。実際には100〜250℃の温度範囲が通常選択される。
【0028】
上記方法にて作成したペレットを十分に乾燥して水分を除去した後、射出成形を行う。本発明の射出成形方法としては、特に限定されないが、代表的には熱可塑性樹脂用の一般的な射出成形法、ガスアシスト成形法及び射出圧縮成形法等の射出成形法を採用することができる。その他目的に合わせて、上記の方法以外でインモールド成形法、ガスプレス成形法、2色成形法、サンドイッチ成形法、PUSH−PULL、SCORIM等を採用することもできる。
【0029】
射出成形装置は、一般的な射出成形機、ガスアシスト成形機及び射出圧縮成形機等と、これらに用いられる成形用金型及び付帯機器、金型温度制御装置及び原料乾燥装置等から構成される。成形条件は射出シリンダー内での樹脂の熱分解を避けるため、溶融樹脂温度を170℃〜210℃の範囲で成形する事が好ましい。
【0030】
射出成形体を非晶状態で得る場合には、成形サイクル(型閉〜射出〜保圧〜冷却〜型開〜取出)の冷却時間を短くするため、金型温度はできるだけ低温に設定することが好ましい。金型温度は、一般的には15℃〜55℃であり、チラーを用いることも望ましい。しかし、後結晶化時の成形体の収縮や反り、変形を抑えるためにはこの範囲で高温にすることが有利である。
【0031】
また、樹脂組成物に無機充填剤を添加する「無機フィラー充填系」の場合には、無機フィラーの充填量が多くなるほど成形品表面にフローマークが発生し易くなる。無機フィラー充填系の射出速度は、樹脂組成物に無機フィラーを充填しない「未充填系」の射出速度よりも低速にする必要がある。例えば、タルク15質量%を含む樹脂組成物を肉厚2mmのプレート金型を備えたスクリュー径25mmの射出成形機で射出成形する場合、射出速度が30mm/秒以下であればフローマークの無い成形体が得られた。未充填系の場合には50mm/秒でもフローマークは発生しなかった。
【0032】
ヒケが発生がしやすい場合には、保持圧力及び保持時間を十分に取ることが好ましい。例えば、保持圧力は30MPa〜100MPaの範囲内で、保持時間は成形体の形状や肉厚に応じて1秒〜15秒の範囲内で適宜設定されることが好ましい。上記の肉厚2mmのプレートを成形する場合には保持時間は3秒前後となる。
【0033】
加熱した金型内に溶融樹脂を充填した後、一定時間金型内で保持することにより、金型内で結晶化させることができる。金型温度としては、60℃〜130℃であることが好ましく、さらに好ましくは70℃〜90℃である。金型温度が60℃より下回ると結晶化に長時間を要し、サイクルが長くなり過ぎる。一方130℃より上回るとリリース時に変形を生じることがある。
【0034】
本発明の射出成形体は、優れた耐熱性、耐衝撃性、さらには耐加水分解性を備えるため家電製品、自動車部品、その他一般成形品として従来の樹脂と同様に使用することができる。例えば、本発明によって、電卓型成型体を形成することができる。図1(a)は、本発明の実施態様の1つである電卓型成型体の平面図であり、(b)はその正面図である。1〜6は貫通孔の穴あき部であり、1は計算結果等を表示する窓部となる部分、2,3は数字等のキー部分となる部分、4,5,6は爪を掛ける部分である。
【0035】
【実施例】
以下に、実施例を示して、本発明を具体的に説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例中に示す測定値は次に示すような条件で測定を行い、算出した。
【0036】
(1)耐衝撃性
JISK−7110に基づいて、1号A試験片を作成し、23℃におけるエッジワイズ方向のアイゾット衝撃強度について測定を行った。なお、アイゾット衝撃強度は、15kJ/m2を実用基準とした。
【0037】
(2)耐熱性
JISK−7191に基づいて試験片の作成、荷重たわみ温度の測定をした。測定は、エッジワイズ方向、試験片に加える曲げ応力1.80MPaの条件で行った。荷重たわみ温度は、55℃以上を実用基準とした。
【0038】
(3)寸法安定性
東芝機械社製の射出成形機「IS50E」を用いて、図1に示す電卓型非晶成形体を得た。この時の成形条件は、シリンダー温度195℃、金型温度25℃、射出圧力110MPa、射出時間1.5sec、保持圧力80MPa、保持時間3.0秒、背圧10MPa、スクリュー回転数110rpmであった。
成形後に測定室内(温度23℃、湿度50%RH)で成形体を状態調整した後、図1におけるXとYの寸法を測定した。その後、指定された加熱条件(温度及び時間)でアニール処理を実施した。ただし、アニール処理には恒温恒湿オーブンを用い、成形体に負荷のかからない状態で静置して行った。アニール処理後、直ちに成形体を取り出し測定室内で状態調整を行った。24時間、状態調整を行った後、再度XとYの寸法を測定し、アニール処理による収縮率を算出した。測定には三次元測定機を用いた。XとYの収縮率が共に1.0%未満であるものを記号「○」、XまたはYの収縮率のいずれかが1.0以上、2.0未満であるものを記号「△」、XとYの収縮率が共に2.0%以上であるものを記号「×」で示した。
【0039】
(4)脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂の重量平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、溶媒としてクロロホルム、溶液濃度0.2wt/vol%、溶液注入量200μL、溶媒流速1.0mL/分、溶媒温度40℃で測定を行い、ポリスチレン換算で、乳酸系樹脂の重量平均分子量を算出した。ただし、用いた標準ポリスチレンの重量平均分子量は、2000000、430000、110000、35000、10000、4000、600である。
【0040】
(5)耐加水分解性
85℃、80%RHの条件下で湿熱試験を行い、100時間経過後の分子量保持率を以下の式により算出した。分子量保持率は、70%以上を実用基準とした。
分子量保持率(%)={(湿熱試験後の重量平均分子量)/(湿熱試験前の重量平均分子量)}×100
【0041】
(実施例1)
乳酸系樹脂としてカーギル・ダウ社製の「Nature Works 4031D」(L−乳酸/D−乳酸=98.5/1.5、重量平均分子量20万)、芳香族脂肪族ポリエステルとしてBASF社製の「Ecoflex」(テレフタル酸24モル%、アジピン酸26モル%、1,4−ブタンジオール50モル%)を用い、「Nature Works 4031D、Ecoflex」を質量比85:15の割合でドライブレンドして樹脂組成物を得た。これを、三菱重工社製の40mmφ小型同方向二軸押出機を用いて180℃でコンパウンドし、ペレット形状にした。得られたペレットを東芝機械社製の射出成形機「IS50E」(スクリュー径25mm)を用い、L100mm×W100mm×t3mm、又はt4mmの厚さが異なる2種類の板材(以下、それぞれ「3mm板」、「4mm板」と称す)を射出成形した。主な成形条件は以下の通りである。
1)温度条件:シリンダー温度(195℃)、金型温度(20℃)
2)射出条件:射出圧力(115MPa)、保持圧力(55MPa)
3)計量条件:スクリュー回転数(65rpm)、背圧(15MPa)
次に、射出成形体をベーキング試験装置(大栄科学精器製作所製、「DKS−5S」)内に静置し、70℃で3.5時間熱処理を行った。4mm板を用いてアイゾット衝撃強度、3mm板を用いて荷重たわみ温度の評価を行った。結果を表1に示す。
【0042】
(実施例2)
実施例1において、「Nature Works 4031D」と、「Ecoflex」のドライブレンド割合を質量比で80:20に変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体を作成した。また、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0043】
(実施例3)
実施例1において、「Nature Works 4031D」と、「Ecoflex」のドライブレンド割合を質量比で75:25に変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体を作成した。また、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0044】
(実施例4)
実施例1において、芳香族脂肪族ポリエステルとして、Eastman Chemicals社製の「EastarBio」(テレフタル酸22モル%、アジピン酸28モル%、1,4−ブタンジオール50モル%)を用い、「Nature Works 4031D」と、「Eastar Bio」を質量比で80:20の割合でドライブレンドした樹脂組成物に変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体を作成した。また、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
(実施例5)
無機フィラーとして日本タルク株式会社製の「ミクロエースL1」を用い、「Nature Works 4031D」と、「Ecoflex」と、「ミクロエースL1」とを質量比で80:15:5の割合でドライブレンドした樹脂組成物に変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体を作成した。また、耐衝撃性、耐熱性に加えて寸法安定性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0047】
(実施例6)
実施例5において、「Nature Works 4031D」と、「Ecoflex」と、「ミクロエースL1」とを質量比で70:15:15の割合でドライブレンドした樹脂組成物に変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体を作成した。また、実施例5と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0048】
(実施例7)
実施例5において、「Nature Works 4031D」と、「Ecoflex」と、「ミクロエースL1」とを質量比で50:20:30の割合でドライブレンドした樹脂組成物に変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体を作成した。また、実施例5と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
(比較例1)
実施例1における樹脂組成物の代わりに、「Nature Works 4031D」を用いた以外は実施例1と同様にして、射出成形体を作成した。また、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0051】
(比較例2)
実施例1において、脂肪族ポリエステルとして昭和高分子社製の「ビオノーレ3003」を用い、「Nature Works 4031D」と、「ビオノーレ3003」とを質量比で80:20の割合でドライブレンドした樹脂組成物に変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体を作成した。また、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0052】
(比較例3)
実施例1において、「Nature Works 4031D」と、「ビオノーレ3003」とを質量比で60:40の割合でドライブレンドした樹脂組成物に変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体を作成した。また、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0053】
(比較例4)
実施例1において、「Nature Works 4031D」と、「Ecoflex」とを質量比で95:5の割合でドライブレンドした樹脂組成物に変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体を作成した。また、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0054】
(比較例5)
実施例1において、「Nature Works 4031D」と、「Ecoflex」とを質量比で60:40の割合でドライブレンドした樹脂組成物に変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体を作成した。また、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】
(実施例8、9)
実施例1において、カルボジイミド化合物として、ラインケミー社製の「スタバクゾールP」を用い、「Nature Works 4031D」と、「Ecoflex」と、「ミクロエースL1」と、「スタバクゾールP」とを表4に示すように、実施例8は質量比で70:15:15:1.5の割合で、実施例9は質量比で70:15:15:3.0の割合でドライブレンドした樹脂組成物に変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体を作成した。また、耐衝撃性、耐熱性、耐加水分解性の評価を行った。結果を表4に示す。
【0057】
【表4】
【0058】
表1〜4から明らかなように、実施例1〜9の射出成形体は、アイゾット衝撃強度が15kJ/m2以上、荷重たわみ温度が55℃以上であり、耐衝撃性および耐熱性共に優れていることが分かった。また、表2から明らかなように、無機フィラーをさらに添加した実施例5〜7の射出成形体は、寸法安定性に優れていることが分かった。表4から明らかなように、カルボジイミド化合物をさらに添加した実施例8〜9の射出成形体は、高い分子量保持率を有することが分かった。なお、実施例1〜9の射出成形体は、生分解性であるので、環境保護の観点からも優れたものである。
一方、比較例1,2,4の射出成形体は、アイゾット衝撃強度が15kJ/m2未満であり、耐衝撃強度に劣っているものであった。また、比較例2,3,5の射出成形体は、荷重たわみ温度が55℃未満であり、耐熱性に劣ったものであった。このように、比較例1〜5では、耐衝撃性及び耐熱性の1つ以上において、実用不可能なものであった。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、乳酸系樹脂が本来有している生分解性をほとんど損なうことなく、優れた耐衝撃性、耐熱性、さらには耐加水分解性を具備した生分解性射出成形品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施形態にかかる射出成形体の平面図であり、(b)は正面図である。
【符号の説明】
1〜6 穴あき部
Claims (5)
- 乳酸系樹脂と芳香族脂肪族ポリエステルを含有する樹脂組成物(乳酸系樹脂と芳香族脂肪族ポリエステルとポリアセタール樹脂とからなる樹脂組成物を除く)からなる射出成形体であり、前記乳酸系樹脂と前記芳香族脂肪族ポリエステルの混合割合が、質量比で、70:30〜90:10の範囲内であり、かつ、さらにカルボジイミド化合物を含有することを特徴とする射出成形体。
- 前記樹脂組成物中に、さらに、無機フィラーを5〜30質量%含有することを特徴とする請求項1記載の射出成形体。
- 前記芳香族脂肪族ポリエステルが、ポリブチレンアジペート/テレフタレート共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形体。
- 射出成形体を60〜130℃の範囲内の温度で結晶化させたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の射出成形体。
- JISK−7110に基づいて測定したアイゾット衝撃強度が15kJ/m2以上であり、かつ、JISK−7191に基づいてエッジワイズ方向で測定した荷重たわみ温度が55℃以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の射出成形体。
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