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JP4115732B2 - レーザモジュール及びその製造方法 - Google Patents

レーザモジュール及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザモジュール及びその製造方法に関し、特に、発振波長が350〜450nmの半導体レーザを含む構成部材を気密封止したレーザモジュールと、その製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、波長400nm以下の紫外線を照射又は発生させる光学モジュールにおいては、照射又は発生された紫外線により光学モジュールに含まれる光学部品の光学損失が増加して、光学部品の特性が低下するという問題があった。このような光学損失は、大気中の水分や油分が紫外線により分解され、その分解物が光学部品の表面に堆積するために発生すると考えられる。
【0003】
このため、特開平11−167132号公報に記載された紫外線照射光学系等では、光学部品が置かれる雰囲気(封止雰囲気)を99.9%以上の高純度の窒素、99.9%以上の高純度の乾燥空気、水分が0.1%以下の気体、又は炭化水素化合物が0.1%以下の気体等として分解物の堆積を防止し、紫外レーザ光の出力低下を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者等が発振波長が350〜450nmの半導体レーザを含むモジュールの封止雰囲気を分析した結果、以下に説明する通り、封止雰囲気中には種々の化合物が含有されており、その中でも、モジュール中に用いられる光学部材や機械部材に付着している固形有機物から発生する特定の有機ガス成分が、主にレーザ特性を劣化させることが判明した。
【0005】
従来のレーザモジュールにおいては、レーザ素子及び光学系を固定するために、例えば、特開平2001−177166号公報に開示されている接着剤や、ノーランド社製「品番NOA61」等のエポキシ系接着剤等の有機系接着剤が使用されていた。また、モジュール中に用いられる光学部材や機械部材に付着している固形有機物の多くはモジュール作製工程雰囲気から混入するものであり、洗浄を実施しても有機系残査が発生する。これらの固形有機物からは有機系ガスが発生し、発生したガス(所謂アウトガス)は封止されたレーザモジュール中に一定量充満している。更に、このアウトガスには、固形有機物の種類に応じて、ケイ素原子、リン原子、イオウ原子等を有する化合物が含まれる場合がある。
【0006】
更に、封止工程では、イソプロピルアルコール(分子量 60.10、沸点 82.4℃)、アセトン(分子量58.08、沸点 56.1〜56.5℃)等、モジュール内部を構成する部品の洗浄に使用する溶剤等の低分子且つ低沸点の有機ガス成分が、乾燥窒素や乾燥空気等の封止ガスに不純物として混入する。
【0007】
このため、封止雰囲気中には、固形有機物から発生した有機ガス成分(以下、「アウトガス成分」という)と、封止工程で混入する有機ガス成分(以下、「不純物成分」という)とが存在している。両成分をガスクロマトグラフィーにより分析すると、図5及び図6に示すように、両成分は分子量及び沸点の分布が明らかに異なっている。
【0008】
図5は、不純物成分とアウトガス成分の各々についてGC−MASS(ガスクロマトグラフ質量分析計)により検出された成分の索量を100%とし、分子量に対し分布をとったものであり、図6は、GC−MASSにより検出された成分の沸点の分布を、不純物成分とアウトガス成分の各々について総量を100%とし、沸点の割合を分布で示したものである。
【0009】
即ち、アウトガス成分の分子量は70以上の範囲に分布しているのに対し、不純物成分の分子量は70未満の範囲に分布している。また、アウトガス成分の沸点は70℃以上の範囲に分布しているのに対し、不純物成分の分子量は100℃未満の範囲に分布している。
【0010】
次に、有機系接着剤を使用した以外は、後述する図1〜図4に示すレーザモジュールと同じ構成のレーザモジュールを用いて、封止雰囲気中の上記2種類の有機ガスの濃度とモジュールの劣化速度との関係を調べた。結果を図7に示す。モジュールの劣化速度は、レーザモジュールの各発光点を100mWで駆動した場合に、全素子を駆動するために必要な駆動電流の1時間当りの上昇量で表している。
【0011】
プロット◆は、アウトガス成分の濃度とモジュールの劣化速度との関係を示し、プロット□は、不純物成分の濃度とモジュールの劣化速度との関係を示す。不純物成分の濃度は、封止ガス中のアセトン濃度を人為的に操作して調整した。
【0012】
図7から分かるように、封止雰囲気中のアウトガス成分の濃度が1000ppm以上になると、駆動電流の上昇率が急増し、モジュールの劣化が顕著に促進される。このように劣化が促進される原因は、アウトガス成分の光分解により発生した固形物が、モジュール中に含まれる発光部や光学部品の表面に堆積するためであると推定される。
【0013】
一方、不純物成分の濃度が1000ppm以上になっても、モジュール中に含まれる発光部や光学部品への固形物の堆積は見られない。不純物成分が光分解されても、分解物は常温では固体にならず堆積することは無いからである。なお、不純物成分をアセトンからイソプロピルアルコールに変えても、アセトンと同様に固形物の堆積は見られなかった。
【0014】
本発明は上記事情に鑑み成されたものであり、本発明の目的は、レーザ特性の劣化を効果的に抑制し、信頼性の高いレーザモジュールと、そのレーザモジュールを製造する製造方法とを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載のレーザモジュールは、350〜450nmの波長範囲のレーザ光を出射する半導体レーザと、内部に固形有機物から発生した有機ガス成分の濃度が1000ppm未満であり且つ酸素を1ppm以上100ppm以下の濃度で含む不活性ガスである封止雰囲気で満たされた封止空間を備え、該空間内に前記半導体レーザを気密封止した気密封止部材と、を含んで構成したことを特徴とする。
【0016】
請求項1に記載のレーザモジュールでは、気密封止部材は内部に固形有機物から発生した有機ガス成分の濃度が1000ppm未満であり且つ酸素を1ppm以上100ppm以下の濃度で含む不活性ガスである封止雰囲気で満たされた封止空間を備えており、この空間内に350〜450nmの波長範囲のレーザ光を出射する半導体レーザを気密封止している。この通り、固形有機物から発生した有機ガス成分(アウトガス成分)の濃度が1000ppm未満である封止雰囲気としたので、有機ガス成分がレーザ光と反応して生成する分解堆積物が減少し、レーザ特性の劣化が効果的に抑制される。これにより、信頼性の高いレーザモジュールを提供することができる。
【0017】
上記目的を達成するために請求項2に記載のレーザモジュールは、350〜450nmの波長範囲のレーザ光を出射する複数の半導体レーザ、1本の光ファイバー、及び前記複数の半導体レーザの各々から出射したレーザビームを集光し前記光ファイバーに結合させる集光光学系を備えた合波レーザと、内部に固形有機物から発生した有機ガス成分の濃度が1000ppm未満であり且つ酸素を1ppm以上100ppm以下の濃度で含む不活性ガスである封止雰囲気で満たされた封止空間を備え、該空間内に前記半導体レーザ、前記光ファイバーの結合側部位、及び前記集光光学系を気密封止した気密封止部材と、を含んで構成したことを特徴とする。
【0018】
請求項2に記載のレーザモジュールは、複数の半導体レーザの各々から出射した350〜450nmの波長範囲のレーザビームを、集光光学系により集光して1本の光ファイバに結合させる合波レーザを備えている。そして、気密封止部材は内部に固形有機物から発生した有機ガス成分の濃度が1000ppm未満であり且つ酸素を1ppm以上100ppm以下の濃度で含む不活性ガスである封止雰囲気で満たされた封止空間を備えており、この空間内に合波レーザを構成する半導体レーザ、光ファイバの結合側部位、及び集光光学系を気密封止している。この通り、固形有機物から発生した有機ガス成分の濃度が1000ppm未満である封止雰囲気としたので、有機ガス成分がレーザ光と反応して生成する分解堆積物が減少し、レーザ特性の劣化が効果的に抑制される。これにより、信頼性の高いレーザモジュールを提供することができる。
【0019】
上記の請求項1及び請求項2の発明において、気密封止前の封止体積中の固形有機物の含有量を1g/ml以下とすることにより、気密封止前に脱気処理を実施して、固形有機物から発生した有機ガス成分の封止雰囲気中の濃度を1000ppm未満にすることができる。ここで、固形有機物とは、有機系接着剤等の常温で固体の有機物質である。
【0020】
また、上記の固形有機物から発生した有機ガス成分は、分子量が70以上又は沸点が70℃以上の有機ガス成分とすることができる。また、固形有機物から発生した有機ガス成分は、ケイ素原子、リン原子、及びイオウ原子の少なくとも1種を含有する化合物を含んでいてもよい。
【0021】
封止雰囲気が酸素を1ppm以上100ppm以下の濃度で含む不活性ガスであることで、固形有機物から発生した有機ガス成分はレーザ光により分解して、その分解物が光学部品等に堆積するが、上記濃度範囲の酸素の存在下では、この分解堆積物が酸化分解されて、レーザ特性の劣化が一層抑制される。
【0022】
上記目的を達成するために請求項6に記載のレーザモジュールの製造方法は、350〜450nmの波長範囲のレーザ光を出射する半導体レーザを気密封止部材内部の封止空間内に収納すると共に、封止体積中の固形有機物の含有量を1g/ml以下とし、前記空間を、固形有機物から発生した有機ガス成分の濃度が1000ppm未満になるまで脱気処理し、該脱気処理後に、酸素を1ppm以上100ppm以下の濃度で含む不活性ガスで、前記空間内に前記半導体レーザを気密封止する、ことを特徴とする。
【0023】
このレーザモジュールの製造方法では、350〜450nmの波長範囲のレーザ光を出射する半導体レーザを気密封止部材内部の空間内に収納すると共に、封止体積中の固形有機物の含有量を1g/ml以下としたので、この空間を脱気処理することにより、封止雰囲気中の固形有機物から発生した有機ガス成分の濃度を1000ppm未満にすることができる。また、脱気処理後に、酸素を1ppm以上100ppm以下の濃度で含む不活性ガスで、空間内に半導体レーザを気密封止する。これにより、有機ガス成分がレーザ光と反応して生成する分解堆積物が減少し、レーザ特性の劣化が効果的に抑制される。即ち、レーザモジュールの信頼性が向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[モジュールの構成]
本実施の形態に係るレーザモジュールは、図1に示す合波レーザ光源を備えている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック10上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモードのGaN系半導体レーザLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6,及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズ11,12,13,14,15,16,及び17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバ30と、から構成されている。
【0025】
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、100mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いることができる。
【0026】
上記の合波レーザ光源は、図2及び図3に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収納されている。パッケージ40の底面にはベース板42が固定されており、このベース板42の上面には、前記ヒートブロック10と、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダー45と、マルチモード光ファイバー30の入射端部を保持するファイバーホルダー46とが取り付けられている。また、ヒートブロック10の側面にはコリメータレンズホルダー44が取り付けられており、コリメータレンズ11〜17が保持されている。パッケージ40の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線47がパッケージ外に引き出されている。
【0027】
なお、図2においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズ17にのみ番号を付している。
【0028】
図4は、上記コリメータレンズ11〜17の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズ11〜17の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ11〜17は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図4の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
【0029】
一方、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザビームB1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
【0030】
従って、各発光点から発せられたレーザビームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズ11〜17に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズ11〜17の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザビームB1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズ11〜17の各々は、焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
【0031】
集光レンズ20は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズ11〜17の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ20は、焦点距離f2=12.5mm、NA=0.3である。この集光レンズ20も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
【0032】
マルチモード光ファイバ30は、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のグレーテッドインデックス型光ファイバを用いることができる。この光ファイバは、コア中心部がグレーテッドインデックスで外周部がステップインデックスであり、コア径=25μm、NA=0.3、端面コートの透過率=99.5%以上である。
【0033】
パッケージ40は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋41を備えており、後述する脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ40の開口をパッケージ蓋41で閉じることにより、パッケージ40とパッケージ蓋41とにより形成される閉空間(封止空間)内に、上記の合波レーザ光源が他の光学要素と共に気密封止される。
【0034】
上述した通り、封止雰囲気中のアウトガス成分の濃度が1000ppm以上でモジュールの劣化が促進されるので、モジュールの劣化を抑制するために、封止雰囲気中のアウトガス成分の濃度が1000ppm未満になるように気密封止する。このためには、例えば、有機系接着剤等による光学部品の固定は一切行わず、固定には無機系接着剤を用いる等して、接着剤の投入量を1.0g/ml以下とすればよい。
【0035】
封止ガスを封入して気密封止を実施する前には、封止空間内の雰囲気を排気する脱気処理を行う。モジュール中に光学系を固定するために有機系接着剤を用いた場合でも、接着剤で各部品を固定後、封止前に脱気処理を行うことにより、有機系接着剤からのアウトガスを抑制することができる。
【0036】
接着剤の機械的性質を損なわない観点から通常200℃以下でこの脱気処理は行われるが、脱気後、モジュールの封止を実施し、その封止雰囲気中に含まれるアウトガス成分量を測定すると、投入される接着剤の量が多ければ多いほどモジュール中に放出される有機ガスの量は一定のレベル以下にならないことが確認されている。
【0037】
所定量の有機系接着剤(固形有機物)をレーザモジュール中に投入することにより、封止体積中に含まれる固形有機物の単位体積当りの量を0.5g/ml(g/cc)から10g/mlまで変更して、脱気処理後のアウトガス成分の濃度を調べた。90℃で脱気処理を実施した後に、99.999%以上の純度の窒素ガスを封入してレーザモジュールを気密封止した。24時間放置した後に、封止モジュール中のアウトガス成分の濃度をガスクロマトグラフィにより測定した。
【0038】
アウトガス成分の濃度が一定のレベルに達すると、脱気時間をそれ以上長くしても封止雰囲気中のアウトガス成分は減少しない。このような飽和状態に到達するのは、接着剤の未硬化成分の脱気が終了しても接着剤の母材となる成分が脱気過程で分解して接着剤中に残留し、封止後にアウトガスとなるためである。
【0039】
有機系接着剤の投入量が1.2g/ml以上の場合には、この飽和値が高く、長時間脱気処理を実施しても、モジュール中のアウトガス成分の濃度は1000ppm未満にならないが、有機系接着剤の投入量を1.0g/ml以下とすることにより、脱気処理でモジュール中のアウトガス成分の飽和濃度を1000ppm未満にすることができる。
【0040】
有機系接着剤の投入量を1.0g/ml以下とした場合でも、飽和濃度に到達するためには、脱気時間は130〜200時間が好ましく、脱気温度は80〜150℃が好ましい。
【0041】
封止ガスとしては、乾燥した窒素等の不活性ガスや乾燥空気を用いることができる。不活性ガス中に微量の酸素を含有する封止ガスを用いるのが特に好ましい。封止雰囲気中に微量の酸素が含まれると、レーザモジュールの劣化を更に抑制することができる。このような劣化抑制効果が得られるのは、封止雰囲気中に含有される酸素が、アウトガス成分の光分解により発生した固形物を分解・酸化するためである。封止雰囲気中の酸素濃度は1〜100ppmの範囲が好ましい。酸素濃度が100ppmあれば、封止雰囲気中のアウトガス成分の濃度が1000ppm程度でも堆積物を十分に分解除去できる。
【0042】
[モジュールの動作]
次に、上記レーザモジュールの動作について説明する。
【0043】
合波レーザ光源を構成するGaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々から発散光状態で出射したレーザビームB1,B2,B3,B4,B5,B6,及びB7の各々は、対応するコリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光とされたレーザビームB1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面に収束する。
【0044】
本例では、コリメータレンズ11〜17及び集光レンズ20によって集光光学系が構成され、その集光光学系とマルチモード光ファイバ30とによって合波光学系が構成されている。即ち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザビームB1〜B7が、このマルチモード光ファイバ30のコア30aに入射して光ファイバ内を伝搬し、1本のレーザビームBに合波されてマルチモード光ファイバ30から出射する。
【0045】
上記のレーザモジュールでは、レーザビームB1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.9となる。従って、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各出力が100mWの場合には、出力630mW(=100mW×0.9×7)の合波レーザビームBを得ることができる。
【0046】
以上説明した通り、本実施の形態のレーザモジュールでは、封止体積中の有機系接着剤の使用量を1.0g/ml以下とすることにより、脱気処理を行って接着剤からのアウトガス成分の飽和濃度を1000ppm未満とすることができる。これにより、アウトガス成分がレーザ光により分解されて発生する分解物の量が減少し、モジュールの劣化が顕著に抑制される。即ち、レーザモジュールの信頼性が向上し、長期間高出力を維持することができる。また、封止雰囲気中に微量の酸素を含有させることにより、レーザモジュールの劣化を更に抑制することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、レーザ特性の劣化が効果的に抑制され、レーザモジュールの信頼性が向上する、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るレーザモジュールの合波レーザ光源の構成を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るレーザモジュールの構成を示す平面図である。
【図3】図2に示すレーザモジュールの構成を示す側面図である。
【図4】図2に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。
【図5】アウトガス成分及び不純物成分の分子量分布を示すグラフである。
【図6】アウトガス成分及び不純物成分の沸点分布を示すグラフである。
【図7】アウトガス成分濃度及び不純物成分とモジュール劣化速度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 ヒートブロック
11〜17 コリメータレンズ
20 集光レンズ
30 マルチモード光ファイバ
30a コア
40 パッケージ
41 パッケージ蓋
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ

Claims (6)

  1. 350〜450nmの波長範囲のレーザ光を出射する半導体レーザと、
    内部に固形有機物から発生した有機ガス成分の濃度が1000ppm未満であり且つ酸素を1ppm以上100ppm以下の濃度で含む不活性ガスである封止雰囲気で満たされた封止空間を備え、該空間内に前記半導体レーザを気密封止した気密封止部材と、
    を含むレーザモジュール。
  2. 350〜450nmの波長範囲のレーザ光を出射する複数の半導体レーザ、1本の光ファイバー、及び前記複数の半導体レーザの各々から出射したレーザビームを集光し前記光ファイバーに結合させる集光光学系を備えた合波レーザと、
    内部に固形有機物から発生した有機ガス成分の濃度が1000ppm未満であり且つ酸素を1ppm以上100ppm以下の濃度で含む不活性ガスである封止雰囲気で満たされた封止空間を備え、該空間内に前記半導体レーザ、前記光ファイバーの結合側部位、及び前記集光光学系を気密封止した気密封止部材と、
    を含むレーザモジュール。
  3. 気密封止前の封止体積中の固形有機物の含有量を1g/ml以下とした請求項1又は2に記載のレーザモジュール。
  4. 前記固形有機物から発生した有機ガス成分は、分子量が70以上又は沸点が70℃以上の有機ガス成分である請求項1乃至3の何れか1項に記載のレーザモジュール。
  5. 前記固形有機物から発生した有機ガス成分は、ケイ素原子、リン原子、及びイオウ原子の少なくとも1種を含有する化合物を含む請求項1乃至4の何れか1項に記載のレーザモジュール。
  6. 350〜450nmの波長範囲のレーザ光を出射する半導体レーザを気密封止部材内部の封止空間内に収納すると共に、封止体積中の固形有機物の含有量を1g/ml以下とし、
    前記空間を、固形有機物から発生した有機ガス成分の濃度が1000ppm未満になるまで脱気処理し、
    該脱気処理後に、酸素を1ppm以上100ppm以下の濃度で含む不活性ガスで、前記空間内に前記半導体レーザを気密封止する、
    レーザモジュールの製造方法。
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