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JP4107680B2 - 疎水性薬剤を含むリポソームを製造するための方法 - Google Patents

疎水性薬剤を含むリポソームを製造するための方法 Download PDF

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JP4107680B2 JP51709896A JP51709896A JP4107680B2 JP 4107680 B2 JP4107680 B2 JP 4107680B2 JP 51709896 A JP51709896 A JP 51709896A JP 51709896 A JP51709896 A JP 51709896A JP 4107680 B2 JP4107680 B2 JP 4107680B2
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Description

本出願は、1993年5月28日出願の米国特許出願第08/069,134号(発明の名称:リポソームを製造するための方法及び装置)の一部継続出願である。
発明の分野
本発明は一般にリポソームを製造するための方法及び装置に関し、このリポソームはタキソイド類、カンプトテシン類、ドキソルビシン、ミシェルアミンB、ビンクリスチン、ブリオスタチン−1、ハロマン及びシスプラチンのような疏水性薬剤を含む。これらの方法及び装置では臨界、超臨界またはほぼ臨界の流体を特徴とする。
発明の背景
リポソームは、それらの水性コア内に親水性化合物を取り込むことができる単一または複数のリン脂質二重層を有する顕微鏡的小胞である。数十オングストローム程度の小さなサイズから数ミクロンもの大きなサイズのリポソームが形成されてきた。たいていのリポソームは哺乳類の膜の分子特性を有するので、それらは非毒性、非抗原性及び生分解性である。
リポソームは薬剤のキャリヤーとして使用される。リポソームは、薬剤の有効性を高め;薬剤の毒性を減じ;そして薬剤の治療効果を延長することができる様々な特徴を有するものをつくることができる。
複数の二重層を有するリポソームは多重ラメラ(multilamellar)小胞(MLV)として知られている。層の間に取り込まれた液体はそれぞれの膜が壊れたときにのみ放出されるので、MLVsは時間放出薬剤用の優秀な候補である。単一二重層を有するリポソームは単ラメラ小胞(UV)として知られている。UVは極めて小さく(SUV)または大きく(LUV)つくってもよい。
リポソームは音波処理、洗浄剤透析、エタノール注入、フレンチプレス押し出し、エーテル注入及び逆相蒸発によって実験室で製造される。これらの方法は最終リポソームと共に洗浄剤または有機物質のような残留物をしばしば残す。製造の観点からは、有機溶媒はその後除去しなければならないので、有機溶媒を使用しない方法を用いるのが好ましいことは明らかである。
方法によっては、リン脂質原料及び封入薬剤の変性を生じる苛酷なまたは激しい条件が強いられる。これらの方法をリポソームの大量生産に用いるのは容易ではない。
有機溶媒を使用しないでMLV、LUV及びSUVを製造するいくつかの方法がある。有機溶媒を含まないMLVは通常、水の存在下で脂質を撹拌することによって製造される。次に、水溶性薬剤の捕捉効率を高めるために数サイクルのMLVの凍結−融解に付す。MLVはまたLUV及びSUV製造用の出発材料としても使用される。
LUVを有機溶媒なしで製造する1つの方法では、調整された細孔サイズのポリカーボネートフルターを通してMLVを高圧で押し出すものである。SUVは音波処理、フレンチプレスまたは高圧均質化法によってMLVから製造することができる。高圧均質化にはある種の制限がある。高圧均質化はSUVの形成にのみ有効である。さらに、高圧均質化は過剰に高温を生じうる。極度に高い温度は装置の破損を伴う。高圧均質化は最終生成物が無菌であることを保証しない。高圧均質化はバルブで栓をしたり、溶液の再循環が不十分であるので、操作適性に乏しいということと関連づけられる。
リポソームを治療薬の放出及び調整放出に用いる場合、インビボの使用に適したリポソームを比較的大量に供給する必要がある。Ostro,M.J.及びCullis,P.R.の”Use of Liposomes as Injectable Drug Delivery Systems”、American Journal of Hospital Pharmacy、46;1576−1587(1989)。現在の実験室規模の方法は封入薬剤の量及び質、脂質含有量及び結合性、並びにリポソームのサイズ分布及び捕獲容積の点で再現性に乏しい。薬剤及びリポソームの多寸法特性並びに原材料のばらつきは再現性に影響する。
本発明のリポソーム生成物は安定ではない。室温または冷蔵温度で6カ月ないし2年の間、安定である最終配合物が望ましい。安定性要件はリポソーム脱水技術によってゆるめられてきた。脱水リポソームは薬剤なしで病院に配られ、使用直前に病院の薬剤師によって薬剤と混合することができる。しかしながら、薬剤師による薬剤含有リポソームの調合は治療コストを高め、そしてさらに調合ミスの可能性もある。
本発明のリポソーム生成物は殺菌が難しい。無菌状態は、成分(脂質、緩衝剤、薬剤及び水)を個々にオートクレーブまたは濾過により殺菌し、次いで殺菌環境中で混合することによって一般に得られる。この殺菌プロセスは難しく、いくつかの処理段階の後、生成物を指示通りに殺菌しなければならないので、時間を要し、かつ経費がかかる。
リポソームの加熱はリポソームに取り返しのつかない損傷を加えるので、最終生成物の熱による殺菌は不可能である。0.22ミクロンフィルターを通す濾過も、多重層リポソームの特性を変えてしまうかもしれない。製薬工業界では一般に用いられないガンマ線処理はリポソーム膜を壊してしまう。ピコセカンドのレーザー殺菌はまだ実験段階であり、商業的な薬剤殺菌には応用されていない。
リポソームはいくつかの疏水性薬剤のための薬剤配送ビヒクルとして使用されている。疏水性薬剤の例はタキソイド類、カンプトテシン類、ドキソルビシン、ミシェルアミンβ、ビンクリスチン、及びシスプラチンである。ここで使用する用語「タキソイド」はパクリタキソール、セファロマニン、バカチンIII、10−デアセチルバカチンIII、デアセチルパクリタキソール及びデアセチル−7−エピパグリタキソール及び誘導体及びそれらの前駆体を言う。パクリタキソールはタキソイドの一例である。パクリタキソール(TAXOL(商標)(NSC125973)として既知)は西部イチイ(western yew)Taxus brevifoliaから誘導されるジテルペン植物生成物である。タキソールの式を次に示す。
Figure 0004107680
この薬剤は、目下臨床試験中であり、卵巣及び及び多くの他のガンの進んだ症例に対して著しい30〜40%の反応を示す。目下、パクリタキソールはT.brevifoliaの粉砕した皮から有機溶媒で抽出されている。この薬剤は供給不足である。
この薬剤に対する治療応答を最大にしてできるだけ多くの個人にパクリタキソールの利益を与える必要が存在する。この薬剤の天然の毒性IDによる悪影響を最小化することも必要である。
セファロマンニンは他のトキソイドであり、セファロマンニンもガンの治療に利用される。セファロマンニンは次の式を有する。
Figure 0004107680
カンプトテシンはCamptothecin acuminataという木に由来する。ここで使用するとき、この用語「カンプトテシン」はカンプトテシン、及びそのメトキシル化アナログ及びカルボキシル化アナログ及び類似の生物学的活性及び疏水性を有する前駆体を言う。カンプトテシンもガンの治療にも使用される。カンプトテシンの式を次に示す。
Figure 0004107680
パクリタキソールと同様に、カンプトテシンは水不溶性であり供給不足である。カンプトテシンのナトリウム塩は初期の臨床試験において利用されてきた。最近の臨床試験は、いくつかのカンプトテシンのアナログが広い範囲の人間/動物の腫瘍に対して活性を有し得ることを示唆している。この成分は酵素のtopoisomerase I禁止剤として働くと考えられる。この化合物の毒性及び疏水性によって、ある種の有害な副作用が観察されている。これらの有害な副作用は好中球減少、吐き気、嘔吐及び下痢を含む。
成長している市場要求に見合うことができる、リポソームを含む疏水性薬剤を調製するための大規模な経費効率的な製造法に対する必要性が存在する。連続的な加工ができ、かつ閉じ込められなかった薬剤、脂質及び溶媒を再循環できる方法及び装置に対する要求が存在する。均一なリポソーム製品を製造する方法及び装置に対する要求が存在する。
本発明の概要
本発明は、タキソイド類、カンプトテシン類、ドキソルビシン、ミシェルアミンB、ビンクリスチン、ブリオスタチン−1、ハロマン及びシスプラチンより本質的に成る群から選択される疏水性薬剤を含むリポソームを製造するための方法及び装置を特徴とする。これらの方法及び装置は、予め決められた大きさの無菌の実質的に有機溶媒を含まない薬剤グレードリポソームの大規模製造に適している。
本発明は、臨界、超臨界またはほぼ臨界の流体を使用するリポソームのいくつかの異なる方法を特徴とする。
一つの方法は、リン脂質、疏水性薬剤、水相、並びに臨界、超臨界またはほぼ臨界の流体の溶液または混合物を形成する工程を含む。この溶液または混合物は減圧されて、リン脂質及び水性媒質から臨界、超臨界またはほぼ臨界の流体を分離し、1種以上のリポソームを形成する。
この方法はいくつかの実施例においてリポソームを形成するための減圧方法と呼ばれる。
ここで使用する語”リン脂質”とは、分子のアルコール部分に必須部分としてホスフェート基が含まれる脂肪酸のエステルである組成物を意味する。リン脂質はグリセロールを含むグリセロホスファチド類及びスフィンゴシンを含むスフィンゴミエリン類を包含する。好ましいリン脂質はホスフェチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン及びスフィンゴミエリン、並びにジミリストイルホスファチジル−コリン、ジパルミトリルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジステアロイル、ホスファチジルグリセロール、ジパルミトリルホスファチジルグリセロール、ジミリストリルホスファチジルセリン、ジステアロイルホスファチジルセリン、及びジパルミトリルセリンを含む合成リン脂質を含む。
物理化学の分野では、”臨界流体”という用語は臨界温度以上及び臨界圧以上における気体を意味する。”超臨界流体”という用語は臨界温度より上の温度及び臨界圧より上の圧における気体を意味する。超臨界流体は本出願では”SCF”と略記することがある。”ほぼ臨界”という用語は臨界に近いという意味で使用する。これに限定されないが、ほぼ臨界の流体の1つの例は、その臨界温度より下の温度及び臨界圧以上の圧力を有する気体である。そのような気体は、特に溶媒和特性において超臨界または臨界流体の気体に近い性質を有する。
臨界、超臨界及びほぼ臨界の流体を使用する工業的設定では、特に溶媒の特性を用いる場合、”臨界”という用語が超臨界、臨界及びほぼ臨界の流体を意味することは一般的である。本出願では”SCoCoNC流体”という用語を用いて、超臨界、臨界またはほぼ臨界の流体を表す。リポソーム及びリポソーム配合物に関して”臨界”という語を使用することは、超臨界流体及びほぼ臨界の流体並びに臨界流体を用いて形成されたリポソームを意味する。流体は、超臨界、臨界またはほぼ臨界であっても、ときには実施例において便宜上、”臨界”とすることがある。
SCoCoNC流体の溶媒和特性は補助溶媒及び共留剤によって影響を受ける。補助溶媒及び共留剤という用語は入れ換えて使用することができ、SCoCoNCに溶解し、そしてこれらを加えるSCoCoNCにリン脂質及び水性相に関して望ましい溶解性を付与する組成物を示す。非極性補助溶媒とは、双極子モーメントをほとんど持たないかまたは約0.0〜0.1デバイのわずかな双極子モーメントを有する組成物を指す。極性補助溶媒とは、約0.1〜1.7デバイの双極子モーメントを有する組成物を指す。
ここで使用する”水性相”という用語は、全部がまたは一部が水よりなる組成物を意味する。
SCoCoNC流体は二酸化炭素;亜酸化窒素;フレオンのようなハロ−炭化水素;プロパン及びエタンのようなアルカン;エチレンのようなアルケンよりなる臨界流体を形成することができる組成物の群から選ばれるのが好ましい。
用語”薬剤”は、個々の患者において望ましい応答をもたらすことができる治療剤、化学物質または薬剤の意味で使用される。用語”疏水性”は、水中での乏しい可溶性及び炭化水素溶液中での強い可溶性を示す意味で使用される。
好ましくは、水性相及びSCoCoNC流体中のリン脂質の溶液の混合物は第1容器のチャンバー内に保持する。その後、溶液または混合物は第2チャンバーまたは第2容器を通過するとき減圧される。第2チャンバーでは、第1チャンバーとは異なる温度及び圧力で、形成されたリポソーム組成物からSCoCoNC流体を除去できる。
好ましくは、SCoCoNC流体は再循環される。リン脂質及び水性相がSCoCoNC流体と共に運ばれる程度まで、そのような成分を再循環してもよい。便宜上、SCoCoNC流体で形成されたリポソームを”臨界流体リポソーム”または”CFL”と呼ぶ。
本発明の1つの態様は、リポソームを形成する減圧法に従って疏水性薬剤を含むリポソームを形成するための装置を特徴とする。装置は1種以上のリン脂質、水性相、1種以上の疏水性薬剤及びSCoCoNC流体を混合して混合物または溶液を形成する第1容器を含む。疏水性薬剤はタキソイド類、カンプトテシン類、ドキソルビシン、ミシェルアミンB、ビンクリスチン、ブリオスタチン−1、ハロマン及びシスプラチンより本質的に成る群から選択される。本装置はさらに、第1容器と通じている第2容器を含む。本装置はさらに溶液または混合物の圧力を減じることができる減圧手段を含む。減圧手段は第1容器と第2容器との間に挟さんでも、または第2容器と一体になっていてもよい。第2容器は、減圧時にリポソームを形成するリン脂質、水性相及び疏水性薬剤の溶液または混合物を収容する。
好ましくは、SCoCoNC流体を減圧手段及び/または第2容器から取り出し、再循環させる。
本発明の1つの態様は、注入工程を特徴とする、リポソームを形成する方法を特徴とする。この方法はいくつかの実施例においてリポソームを形成するための注入方法と呼ばれる。この方法は疏水性薬剤、リン脂質及びSCoCoNCの溶液または混合物を形成する工程を含む。疏水性薬剤は、タキソイド類、カンプトテシン類、ドキソルビシン、ミシェルアミンB、ビンクリスチン、ブリオスタチン−1、ハロマン及びシスプラチンより本質的に成る群から選択される。この溶液または混合物を次にチップまたはオリフィスを通して水性相に注入してそのような薬剤を含む1以上のリポソームを形成する。以上のリポソームを形成する。注入時またはその後に、溶液または混合物を減圧する。減圧の結果、SCoCoNC流体はリン脂質及び水性相から分離してリポソームを形成する。放出されたSCoCoNCは排出されるかまたは再循環される。
好ましい方法では一酸化炭素;亜酸化窒素;ハロ−炭化水素、例えばフレオン;アルカン、例えばプロパン及びエタン;そしてアルケン、例えばエチレンよりなる臨界流体を形成することができる組成物の群から選ばれるSCoCoNC流体を使用する。
本方法の他の態様は上記方法に従ってリポソームを形成するための装置を特徴とする。装置は、疏水性薬剤、リン脂質及びSCoCoNC流体の溶液または混合物を収容する第1容器を含む。疏水性薬剤は、タキソイド類、カンプトテシン類、ドキソルビシン、ミシェルアミンB、ビンクリスチン、ブリオスタチン−1、ハロマン及びシスプラチンより本質的に成る群から選択される。装置はさらに水性相を収容する第2容器を含む。第1容器及び第2容器は、混合物を水性相に注入するための注入手段によって通じている。水性相へ注入し、そして減圧すると、疏水性薬剤を含むリポソームが形成される。
好ましくは、SCoCoNC流体は注入及び減圧時にリン脂質から水性相に放たれる。SCoCoNC流体は第1容器に再循環させて、追加の溶液または混合物を形成するのが好ましい。
本発明の別の態様は、多重ラメラ小胞及びSCoCoNC流体の混合物を形成することを含むリポソームの製造方法を特徴とする。混合物を減圧するとSCoCoNC流体が除かれて前もって決定された大きさの1つ以上のリポソームを形成する。リポソームの大きさは減圧の速度によって制御できる。
好ましくは、多重ラメラ小胞は水性相中で疎水性薬剤とリン脂質との混合物を水和することによって製造される。
本発明の1つの態様は多重ラメラ小胞からリポソームを形成するための装置を特徴とする。装置は多重ラメラ小胞及びSCoCoNC流体の混合物を収容するための第1容器を含む。第1容器は第2容器と通じており、第2容器は混合物を減圧してSCoCoNC流体を取り出すことができる。減圧中、1つ以上のリポソームが形成される。
本発明の1つの態様はさらに、水性相中でリン脂質を水和することによって多重ラメラ小胞を形成するための第3容器を含む。リン脂質は疏水性薬剤を含む。
本発明の態様はさらに、減圧速度を決定するための調節手段を特徴とする。減圧速度はリポソームの大きさを決める。
好ましくは、減圧容器中のリポソーム配合物から取り出されたSCoCoNC流体を第1容器に再循環して、多重ラメラ小胞及びSCoCoNC流体の追加の混合物を形成する。
SCoCoNC流体との接触は、特に急速な減圧時に細胞構造の破壊を引き起こす。従って本発明の態様はほとんど自己殺菌性のものである。
本発明の方法及び装置は、疏水性薬剤を運ぶリポソームを形成することができるものである。これらの薬剤は効率的にリポソーム中にはとんど損失なく置くことができる。リポソームビヒクルはこれらの薬剤に対する治療応答を最大化し、該化合物の生物学的活性及び疏水性の物性に関する毒性を最小化する。疎水性薬剤はリポソームを形成するために使用される成分内に組み込まれる。
本発明に従って製造したリポソームは狭いサイズ分布を有する。すなわち、80〜100%のリポソームが全リポソーム母集団の平均サイズの10%であるサイズを有するような、疏水性薬剤を含むリポソームが製造できる。
リポソームの好ましいサイズは直径50〜350nmである。平均サイズが100〜300nm、さらに好ましくは150〜290nmであるサイズ分布を有するリポソーム製剤は疏水性薬剤をさらに効率的に組み込むことができる。平均サイズが150〜250nmであるサイズ分布を有するリポソーム製剤は、より大きな安定性を示し得る。
本発明の態様は最終リポソーム生成物に組み込まれない原料、脂質及び溶媒の回収を可能にするものである。本発明の態様は効率的な薬剤の閉じ込め及び非封入薬剤回収を特徴とする。装置及び方法の操作パラメーターは他の工業的に用いられるプロセスと一致する。方法及び装置は連続的に操作することができる。
これらの及び他の利点は以下の図面及び詳細な説明から当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の特徴を具体化する装置を概略的に示す。
図2は、ノズルアセンブリーの分解図を示す。
図3(a)及び(b)は、(a)0.5mm及び(b)0.06mmの2つのノズルサイズを用いてSCoCoNC流体二酸化炭素で形成したリポソームの粒子サイズ分析をグラフで示したものである。
図4(a)及び(b)は、(a)6.0mm及び(b)0.22mmの2つのノズルサイズを用いてSCoCoNC流体亜酸化窒素及びエタノールで形成したリポソームの粒子サイズ分析をグラフで示したものである。
図5は、圧力のリポソームサイズへの影響を示す棒グラフである。
図6は、臨界流体の種類のリポソームサイズへの影響を示す棒グラフである。
図7は、パクリタキソール及びセファロマンニンのHPLCクロマトグラフを示す。
図8は0.04g/mLの濃度におけるカンプトテシンのHPLCクロマトグラフを示す。
図9は、臨ゲル排除クロマトグラフィー(GEC)カラムから溶離された界流体リポソームサイズ分布及びリポソーム溶液の強度を棒グラフで図示する。
図10は、ゲル排除クロマトグラフィー(GEC)カラムから溶離されたパクリタキソール及びセファロマンニンの濃度分布をグラフで示す。
図11は、GECカラムから溶離されたリポソームサイズ分布及びリポソーム溶液の強度分布(リポソームを超音波処理によって製造)を棒グラフ形態で図示する。
図12は、GECカラムからのパクリタキソール及びセファロマンニンを含むリポソームの濃度分布(リポソームを超音波処理により製造)をグラフで示す。
図13は、リポソーム封入されたカンプトテシンのHPLCクトマトグラフを示す。
図14a及び14bは、リポソーム製剤についての時間の関数としてのパクリタキソール濃度を示し、図14aは4℃での貯蔵、図14bは室温(RT)での貯蔵を示す。
図15a及び15bは、リポソーム製剤についての時間の関数としてのパクリタキソール濃度を示し、図15aは4℃での貯蔵、図15bは室温(RT)での貯蔵を示す。
図16は、対照試験としてパクリタキソール無しで本発明に従って製造されたリポソームが適用された細胞の毒性分布を示す。
図17は、パクリタキソールが適用された細胞の毒性分布を、用量レベルの関数としての%細胞生存率として示す。
図18は、パクリタキソールを含む、本発明に従って製造されたリポソームが適用された細胞の毒性分布を、用量レベルの関数としての百分率細胞生存率として示す。
図19は、3種の乳ガン細胞ラインについての、本発明に従って製造した、パクリトキソールを含む1.0μg/mLリポソームのインビトロ百分率特異的効果及びクレモフォー(cremophor)配合パクリタキソール(CP)の比較を示す棒グラフである。
図20は、乳ガン腫細胞ライン、MDX−MB−231(ヌードマウス内へキセノグラフトした)上での、LEP、CP(0.295mg/mLの濃度のパクリタキソール)及び空のリポソーム(EL)の抗腫瘍活性を示す。
図面の詳しい説明
本発明をリポソームを形成するための方法及び装置として詳しく説明する。本方法及び装置は薬剤配送、医薬品、化粧品及び食品加工に用いられる。
本発明の1つの態様を図1で説明する。数字11で一般的に示されるリポソームを製造する装置は、次の主要構成部品からなる:第1容器15;第2容器17;数字19で一般的に示されるSCoCoNC流体源;及び数字21で一般的に示される低圧トラップアセンブリー。
第1容器15は1種以上の次の物品または組成物の供給物を収容するようにしてある;リン脂質、多重ラメラ小胞(MLV)、水性相、SCoCoNC流体及び治療薬。
1つの態様では、第1容器15はリン脂質及び水性相を収容することができる。第1容器15はSCoCoNC流体源19と通じていて、導管25によりSCoCoNC流体を収容する。”通じている”という用語は、液体が容器、導管等へまたはこれらから移動することができるように接続あるいは接触しているという意味で用いる。
導管25は圧縮機27及び貯蔵容器29と通じている。貯蔵容器29はSCoCoNC流体を含み、この流体は圧縮機27によって導管25に通す。導管25を通るSCoCoNC流体の流れはバルブ25a及び25bによって制御される。導管25内の圧力は圧力バルブ31によってモニターされる。
第1容器15は導管25からSCoCoNC流体を受け取り、SCoCoNC流体はリン脂質及び水性相と混合物を形成する。第1容器15は導管33により第2容器17と通じている。
背圧調節器33aは導管33内の圧力を制御する。背圧調節器33aは導管33を通って流れる混合物の圧力を減じ、これらは第2容器17に収容される。1つの態様では、導管33は第2容器17内のノズル33bで終わる。
第2容器17は出口導管33と通じている。バルブ35aは導管35を通る流体の流れを制御する。
バルブ37aは導管37の流体の流れを制御する。第2容器17に集まったリポソームは出口導管35を通って取り出される。
第2容器17はトラップアセンブリー21と通じている。トラップアセンブリー21は2つの主要構成部品からなる:第1トラップ容器41及び第2トラップ容器43。第1トラップ容器41は導管45を介し第2容器17と通じている。
背圧調節器45aは導管45内の圧力を制御する。導管45を通る流れはバルブ45aによって制御される。導管45内の圧力は圧力メーター47によってモニターされる。
第1トラップ容器41はSCoCoNC流体、並びに第2容器17からの取り込まれたリン脂質、水性相及びリポソームを収容する。リポソーム、リン脂質及び水性相は導管49により第1トラップ容器41から取り出される。バルブ49aは導管49を通る流体の動きを制御する。
分路51は導管49及び導管45と通じる。分路51は殺菌及び洗浄試薬を導管49を通してポンプで送りそしてトラップ容器41内でバックフラッシュすることを可能にする。バルブ51aは導管51の流体の流れを制御する。
第トラップ容器41は導管55により第2トラップ容器43と通じる。第2トラップ容器43はSCoCoNC流体、並びに取り込まれたリポソーム、リン脂質及び水性相を、減圧中に第2チャンバー17及び第1トラップ容器41から流れ出る混合物として収容する第2容器となる。
第2トラップ容器43は氷浴容器57中に維持する。氷浴容器57は氷を満たして第2トラップ容器43内の温度を制御及び維持する。
第2トラップ容器43と通じている導管59からはリポソーム及び組み込まれなかったリン脂質及び水性相を取り出すことができる。バルブ59aは導管59の流体の流れを制御する。
第2トラップ容器43は導管63によって大気と通じている。導管63を通る流れはバルブ63aによって制御される。導管63を通る流れは流量計65によってモニターされる。
第1容器15は数字67で一般的に示されるリン脂質混合アセンブリーと通じている。リン脂質混合アセンブリー67は次の主要構成部品からなる:固形分容器69、循環ポンプ71、静電インラインミキサー73及び三方バルブ75。
固形分容器69は、疎水性薬剤、リン脂質を固体状で受け入れてSCoCoNC流体によって可溶化するようにしてある。好ましくは疎水性薬剤は粉末形態である。固形分容器69は導管77からSCoCoNC流体を受け取る。導管77は循環ポンプ71と通じている。循環ポンプ71は導管79により三方バルブ75と通じている。バルブ79aは導管79の流体の動きを制御する。
三方バルブ75は導管81により静電インラインミキサー73と通じる。静電インラインミキサー73は導管83により固形分容器69と通じる。
リン脂質混合アセンブリー67の固形分容器69、循環ポンプ71、静電インラインミキサー73及び三方バルブ75は流体回路をなす。リン脂質混合アセンブリー67は導管25によりSCoCoNC流体貯蔵容器29と通じており、これは導管81を三方バルブ75と静電インラインミキサー73との間に結合して流体が第1チャンバー15及びリン脂質混合アセンブリー67に転じるのを可能にしている。
リン脂質混合アセンブリー67はベント89を有する。バルブ89aはベント89の流体の動きを制御する。
リン脂質混合アセンブリー67は導管77と通じる排出口91を有する。バルブ91aは排出口91を通る流体の動きを制御する。
リン脂質混合アセンブリー67は三方バルブ75と通じる注入口93を有する。注入口93は材料を導管122により第1容器15へ及びリン脂質混合アセンブリー67へ注入することを可能にする。
リン脂質混合アセンブリー67は導管83と通じる圧力計95を有する。圧力計95で導管83の圧力をモニターすることができる。
第1容器15、第2容器17、低圧トラップアセンブリー21及びリン脂質混合アセンブリー67は数字97で一般的に示される洗浄アセンブリーと通じている。洗浄アセンブリー97は次の主要構成部品からなる:空気源99、水源101、水酸化ナトリウム源103、次亜塩素酸塩溶液源105及びメタノール源107。導管109は導管枝管111a−eにより各源と通じている。導管109は導管25と通じていて、洗浄試薬が第1容器15、第2容器17、低圧トラップアセンブリー21及びリン脂質混合アセンブリー67に入るのを可能にする。
洗浄試薬、例えば水、水酸化ナトリウム溶液、メタノール及び次亜塩素酸塩溶液をポンプ113によって導管109を通して送る。洗浄アセンブリー97の流体流れはバルブ115a、b、c、d、e、f、j及びhによって制御される。
第1チャンバー15、第2チャンバー17、リン脂質混合アセンブリー67、低圧アセンブリー21の第1トラップ容器41及び接続導管はボックス117に入れる。ボックス117はヒーター119によって加熱される。ヒーター119は導管89内にある温度センサー121bによって制御される。温度はまたそれぞれ第1チャンバー15の外側及び第2チャンバー17の外側にある温度制御器121a及び121cによっても検知される。
操作の際、洗浄溶媒をポンプ113によって供給する。ポンプ113は100psigヘッドに対して6,000ml/分のクローズカップルドギヤーポンプである。容器101、103、105及び107の洗浄溶媒には0.1N NaOH、10容量%の次亜塩素酸塩溶媒並びに95%メタノール及び脱イオン水が含まれる。脱イオン水は1,200ml/分の速度のフラッシュ溶媒として提供される。容器99の機器圧縮空気(100SCFM@100psig)を置換及び乾燥溶媒として用いる。
システムは、それぞれ5システム容量の、存在する微生物を不活性化するための次亜塩素酸塩溶液;フラッシュとしての脱イオン水;タンパク質除去のための苛性アルカリ;フラッシュとしての脱イオン水;脂質の可溶化のためのメタノール;及びフラッシュとしての脱イオン水を循環することによって周期的に洗浄する。システムは圧縮空気で送風乾燥する。装置は操作と操作の間に、装置11中にメタノールを再循環させ、排出し、第2チャンバー17及び低圧トラップアセンブリー21を水ですすぎ、そして圧縮空気で乾燥することによって洗浄する。
洗浄後、装置11を乾燥し、操作温度にする。全てのバルブを閉じた位置にする。その標準操作モードにおいて、固形分容器69をまず装置から取り出し、既知量のホスファチジルコリン(PC)/ホスファチジルエタノールアミン(PE)混合物及び1種以上の疎水性薬剤を入れ、そしてリン脂質混合アセンブリー69に戻す。三方バルブ75を回して注入口93が導管79と通じるようにする。バルブ79a及びベントバルブ89aを開く。
次に、任意の体積の補助溶媒または共留剤、例えばエタノールを皮下注射器(図示せず)によって注入口93を経て導入する。そして三方バルブ95を回してリン脂質混合アセンブリー67が第1容器15と通じるようにし、ベントバルブ89aを閉じる。バルブ25aを開き、SCoCoNC流体溶媒を圧縮機27に供給する。圧縮機27を作動させ、その直後にバルブ25bを開き、SCoCoNC流体を第1容器及びリン脂質混合アセンブリー67に導入する。操作圧に達したとき、圧縮機27の作動を停止し、バルブ25bを閉じる。
システムが安定化した後、ポンプ71を作動させ、その速度を調整する。バルブ79aを開いた状態で、ポンプ71は第1容器15の底から補助溶媒そして第1容器15の頂部からSCoCoNC流体相を吸引する。次に、混合物を時計の針と反対方向にポンプで送り、静止インラインミキサー73によって混合し、そして三方バルブ75によって第1容器15に送る。
たいていの場合、水性相(脱イオン蒸留水またはpH=7.0の150mMリン酸塩含有生理食塩水のような緩衝塩含有溶液)は、皮下注射器によって試料口35及びバルブ35aを経て第2容器17へ導入される。
あるいは、水性相を第1容器15に導入して、水性相及びSCoCoNC流体に溶解したリン脂質の混合物を形成してもよい。またあるいは、MLVを第1容器15に導入して、SCoCoNC及びMLVの混合物を形成する。溶液及び混合物は減圧を行うずっと前に導入して、溶液または混合物を第1容器15及びリン脂質混合アセンブリー67と同じ温度にする。
混合ポンプ71の作動を停止した後、バルブ45b、背圧調節器45a、バルブ63aを完全に開く。背圧調節器33aを徐々に開いて、第1容器15及びリン脂質混合アセンブリー67を減圧する。生成物はそれぞれ導管35、49及び59を経て、第2容器17、第1トラップ容器41、第2トラップ容器43から得られる。各収集試料の体積を測定し、記録する。−般に供給物質(水性及び補助溶媒相)の95%〜100%が第1トラップ容器41に回収され、第2トラップ容器43には何も回収されない。収集試料は4℃で貯蔵する。
本発明に従って製造されたリポソーム製剤は母集団の製剤平均サイズのリポソームの80〜100%である狭いサイズ分布を有する。リポソーム製剤は、サイズが直径50〜350nmであるリポソーム製剤が形成できる。100〜300nmの直径を有するリポソームはそれより小さいリポソームよりも効率的に疏水性薬剤を組み込むことができる。150〜250nmの直径を有するリポソームがそれより小さいリポソームよりも大きい安定性を示し得る。
本発明の方法及び装置の他の特徴は次の実施例において例示する。
実施例1
ノズルサイズ及び設計がリポソームの臨界流体形成に及ぼす影響
臨界流体リポソームは、まず、共留剤を用いるかまたは用いずに、リン脂質をSCoCoNC流体中で溶媒和して混合物を形成することにより製造される。混合物は水性相へと徐々に減圧する。形成される臨界流体リポソームの数、サイズ及び特性は減圧ノズルのサイズ及び設計、減圧力、臨界流体密度(温度及び圧力)界面力、電荷分布、並びに封入生成物及び緩衝溶液の特性のような多くのパラメーターによって決まる。蒸留脱イオン(DDI)水中におけるリポソームの臨界流体形成に及ぼすノズルサイズの影響を表1、図3(a)及び(b)に示す。図3は、2つの異なるノズルを用いて、SCoCoNC流体二酸化炭素によって形成したリポソームの粒径分布を示すグラフである。図3(a)は内径0.50mmのノズルを用いて形成したリポソームの分布を示し、図3(b)は内径0.06mmのノズルを用いて形成したリポソームの分布を示す。
Figure 0004107680
ノズル直径0.5mmで形成したリポソームは位相差顕微鏡によって容易に見ることができた。4,000psig及び60℃にて超臨界流体二酸化炭素を用いて形成したリポソームの平均サイズは478ナノメーター(nm)であった。粒子サイズ分析はコールター(Coulter)N4MDレーザーに基づく装置のサイズ分布プロセッサー(SDP)によって行った。SDPは多モードのサイズ分析が可能であり、各サイズ等級における粒子の相対割合を記録する。単一リポソーム母集団の標準偏差(S.D.)は180nmであり、分散率(C.V.)は37%であった。
0.06mmIDノズルで形成したリポソームはより小さく、より均一であり、平均粒子サイズは326nm(S.D.は150nm、C.V.は44%)であった。表1のデータに基づくと、リポソーム半径は明らかにノズル半径の1/5乗によって決まる:
R′2=R′1・(r2/r11/5 (1)
式中、R′は形成されたリポソームの半径であり、rは減圧ノズルの先端の内半径である。
ノズル半径の臨界流体リポソーム(CFL)の大きさへの影響をさらに評価するために、ノズルの設計を0.22ミクロン(μm)フィルターを組み込むように変更した。図2に戻ると、数字211で一般的に示されるフィルターノズルアセンブリーは次の主要構成部品からなる:雄体215及び雌体217を含むハウジング213;及びフィルター膜219。フィルター膜は導管33の末端で、ハウジング213内に保持した。雌体215及び雄体217は互いに適合するねじ込み部分を共に操作することによって合わせて、1つのハウジング213を形成した。フィルター膜219は非常に均質でかつ曲がりくねっていない孔を有する無機膜であった(アルテック アソシエーツ社、イリノイ州 ディアフィールド)。フィルター膜219は316SSメッシュスクリーン221で支持し、テフロンO−リング223でシールした。
0.06mmの針先及び0.22ミクロン濾紙を通る超流体N2Oによって形成されたリポソームのサイズを表2及び図4に示す。図4は、2つの異なるノズルサイズを用いて、SCoCoNC流体亜酸化窒素及びエタノールで形成したリポソームの粒子サイズ分布をグラフで示したものである。図4(a)は0.06mmのノズルで形成したリポソームの分布を示し、図4(b)は0.22ミクロンのノズルで形成したリポソームの分布を示す。
Figure 0004107680
方程式1によると、LIP−53リポソームは312nmからLIP−69において102nmの大きさに減じるはずであった。これらの2つの実験と方程式1との間の一致は少なくとも50%であり、0.22ミクロンフィルターは0.06mm臨界流体リポソームを少なくとも50%までを105nmに減じた。
0.22ミクロンフィルターは、隣接バブルをより大きなものに凝集することを可能にする多数のポイント出口を有するので、100%のサイズ減少は不可能である。断りがなければ、ほとんどの残りの実験は0.06mmオリフィスで行った。
実施例2
圧力がリポソームの臨界流体形成に及ぼす影響
臨界流体圧が注入法によって形成されるリポソームのサイズに及ぼす影響を表3及び図5の棒図表に示す。図5に示すように、各圧に対して、ラインが左下から右上に伸びている左の棒は中程度のサイズのリポソーム(100〜400mm)を示す。ラインが右下から左上に伸びている右の棒は大きなサイズのリポソーム(400mmを越える)を示す。これらのCFLは全て0.06mm減圧ノズルで形成された。
Figure 0004107680
初期減圧に伴うリポソームの増大は、バブル成長形成圧の関係と一致する。しかしながら、この関係は臨界流体相に溶解したリン脂質の量及び減圧速度によって複雑になっている。前者は重要である。というのは、最も均一なサイズのリポソーム(352nmで100%)は、レシチンを60℃の超臨界流体二酸化炭素に可溶化するのに最適な圧である3,000psigで得られるからである。
表3に示す実験は、臨界流体を60分間循環し、次に記載の圧力から大気条件にゆっくりと減圧することによって行った。リポソームは従って、例えばLIP−37では5000psigの初期圧から0psigの変動圧力で形成された。
様々な減圧の影響を評価するために、リポソームを特定の圧力間隔で形成する一連の実験を行った。これらの実験結果を以下の表4に示す。
Figure 0004107680
例えばLIP−64では、3,000psig及び60℃の極性補助溶媒含有SCF N2Oを、60分間、鶏卵黄レシチンと接触させ、3,000から2,000psigに徐々に減圧してDDI水に入れ、リポソーム溶液を取り出し、新しいDDI水に代えた。
LIP−65では、残りの臨界流体混合物を2,000psigから1,100psigに徐々に減圧することによって、リポソームが形成された。
最後に、LIP−66では、臨界流体混合物を1,100psigから大気条件に減圧する。
同容量の水性相を減圧の3段階それぞれに使用したことに注目すべきである。粒子サイズ分析から、リポソームの単モードの比較的小さな分布が、1,040psigであるN2Oの臨界圧より上の圧力で形成されたことが分かる。より大きなリポソームのかなりの画分は1,000psigから大気条件への減圧で形成される。エチレン/エタノール及びプロパン/エタノール混合物についての類似した分別減圧のリポソームサイズへの影響を表4に示す。
一連の分別亜酸化窒素/エタノール減圧は、鶏卵黄レシチン及び0.06mm減圧ノズルを用いて行ったことに留意すべきである;表4の一連の残りの減圧は0.5mm減圧ノズルを用いてエタノール中の純粋なホスファチジルコリンで行った。臨界流体密度は臨界圧より下で急速に変化するので、分別減圧の最終段階においてより大きなリポソームが形成されるのであろう。
操作上は、DDI水及び水性緩衝溶液を減圧チャンバーに保持するため、また気体の排出体積が劇的に増加するため、減圧は臨界圧付近及びそれ以下でずっと長く行う。気体の膨張によるジュール・トンプソン冷却効果のためのこの気体体積の急速な増加が、おそらくより大きなバブル及びリポソームを形成するのであろう。表4に示すLIP−112試料は実際、プロパン/エタノール部分減圧の第3段階後に凍結した。
実施例3
臨界流体の種類がリポソームの臨界流体形成に及ぼす影響
いくつかの臨界流体によって形成されたリポソームを、表5の粒子サイズ分布で特徴づけ、図6の棒図表によって比較する。図6に示すように、各臨界流体に対して、ラインが左下から右上に伸びている左の棒は小さいサイズないし中程度のサイズのリポソームを示す。ラインが右下から左上に伸びている右の棒は大きなリポソームを示す。これらの実験は全て、3,000psigおよび60℃で60分間、鶏卵黄レシチンを臨界流体相(補助溶媒なし)と接触させ、次に0.06mm減圧ノズルを通して徐々に減圧することによって行った。
Figure 0004107680
LIP−63の超臨界エチレンは、広いが単モードのリポソームの分布(平均粒子サイズ320nmおよびS.D.300nm)をつくる。臨界圧より下での減圧は、試験を行った残りの臨界流体の場合、2モードの分布となった。
実施例4
極性共留剤または補助溶媒がリポソームの臨界流体形成に及ぼす影響
一般に、極性共留剤は以下の表6に示すように臨界流体リポソームのサイズおよび均一性を制御する。
Figure 0004107680
極性補助溶媒を使用しないLIP−51、SCF N2Oにおけるミクロンサイズのリポソーム母集団は、おそらく亜酸化窒素の臨界点より下の減圧の際に形成されたのであろう。LIP−53における2容量%のエタノールの添加で、平均サイズが312nm、標準偏差が54nmおよび分散率が17%のリポソームの狭い単モードの分布が得られる。同様に、LIP−522における2容量%のメタノールおよびLIP−54における2容量%のアセトンの添加で、ミクロンサイズのリポソーム母集団がなくなる。しかしながら、これらの2つの添加剤は、平均サイズが約100nmおよび300nmの分布を形成する。これらの2つの極性補助溶媒を用いたSCF N2Oの場合、両分布は比較的狭い。加えた極性共留剤は、亜酸化窒素と水との間の界面張力を下げる(水中の5%エタノールは表面張力を25℃での72ダイン/cmから53ダイン/cmに下げ;水中の5%アセトンは表面張力を56ダイン/cmに下げる)ことによって亜酸化窒素CFLのサイズを調節するようである。低くてより均一な界面張力は形成されるバブルおよびリポソームのサイズを制御するであろう。極性共留剤を含有するSCF N2O中のレシチンの溶解度を上げると、CFLのサイズおよび分布を確実に減じることができる。
極性共留剤は表7に示すように、ほぼ臨界のプロパンによって形成されたCFLに同様な影響を及ぼす。2容量%のエタノール補助溶媒を加えると、ほぼ臨界のプロパンで形成されたミクロンサイズのリポソーム母集団はなくなり、平均サイズが196nmおよび標準偏差が300nmの単一リポソーム母集団を形成する。この消失およびサイズの減少はおそらく、レシチンがほぼ臨界のプロパンにそれのみで非常に可溶性であるため、プロパン−水界面特性が変わることによって生じるのであろう。CFLのサイズはまた使用する緩衝剤および封入するタンパク質でも変わる。アセトンはプロパンCFLに非常に大きな影響を持ち、リポソームを平均サイズ85nmおよび標準偏差83nmの単一母集団にする。LIP−76において塩が存在する(0.09M NaCl)ためにメタノールが同様な作用をしなかったことは大いにありうることである。
Figure 0004107680
表8に示すようにFreon−22によって形成されたリポソームへの極性補助溶媒の影響は明らかにほとんどまたは全くない。しかしながら、これらの3つの実験は異なる圧力で(LIP−60は3,000psigで、LIP−73は4,000psigでそしてLIP−75は5,000psigで)行ったことに留意すべきである。初期圧はリポソームのサイズおよび分布に有意な影響を及ぼしうる。
Figure 0004107680
実施例5
操作モードがリポソームの臨界流体形成に及ぼす影響
臨界流体注入および減圧法によって形成されたリポソームのサイズ分布を比較し、表9に示す。
Figure 0004107680
表9の両実験は、1mg/mlのチトクローム−Cおよび9.1mg/mlの鶏卵黄レシチンを含有する150mMリン酸塩緩衝剤含有生理食塩水で行った。また、両実験の間、約1,000psi/分のゆっくりした減圧速度を0.06mmノズル先端を通して維持した。表9のデータは、臨界流体減圧では臨界流体注入法よりも小さな粒子サイズ分布となることを示している。
臨界流体減圧法によって形成されたリポソームのサイズ分布への減圧速度の影響は表10で比較する。両実験は0.50mmノズル先端を用いて、リン酸塩緩衝剤含有生理食塩水中のタンパク質およびレシチンの濃度を同じにして行った。データは、急速な減圧(約1,000psi/秒)はリポソームのサイズに有意に影響しないことを示している;実際のところ、ゆっくりした減圧(約1,000psi/分)で制御がうまく行われるようであり、小さな(平均サイズ92nm)単モードの分布がLIP−100において得られる。
Figure 0004107680
実施例6
リポソームの封入特性
封入プロトコルは一般に”受動的”であり、小胞形成中にリポソームがある水性容積を取り込む能力にかかっている。その結果、取り込み効率は小さな単ラメラ小胞(SUV)の場合の1%未満から、いくつかの多重ラメラ小胞(MLV)の場合の88%もの高さまで大きく変化することになる。取り込み効率はサイズおよび方法の特徴(そして従ってリポソーム製造方法)によって変わる。
リポソームはまた、膜を横切る(transmembrane)イオン勾配に応じて特定の薬剤を隔離する能力によって薬剤を負荷することもできる。間接的な負荷とも呼ばれるこの”活性な”プロトコルは、膜を横切るpH勾配(含まれる薬剤がイオン性であるときリポソーマ内のpHは低い)またはカリウムイオンのような外因性イオノフォアの膜を横切る電位勾配を有する予備形成リポソームに、帯電両親媒性薬剤を取り込むことも含まれる。例えば、98%の取り込み効率および1:2.2(w/w)もの高さの薬剤:脂質比は、LUVシステム中の塩酸ドキソルビシンの場合に容易に得ることができる(マイヤー等、1985)。”受動的”プロトコルとは異なり、取り込み効率は脂質濃度に関係しない。膜を横切るイオン勾配は効率的な薬剤封入を行うことができるばかりでなく、小胞からの薬剤流出速度を30倍も遅らせる。
高い取り込み効率および高い薬剤:脂質比を得る別の方法は、疎水性基(例えば、脂肪酸またはリン脂質)を薬剤に化学的に結合することである;これによってリポソーム膜に非常に可溶性の分子がつくられる。SCoCoNC流体で製造されたリポソームには、望ましい組成物を、一般的な方法によって製造されたリポソームに用いられるどのような方法で取り込んでもよい。音波処理および臨界流体によって形成されたリポソームへのチトクローム−Cの取り込みを表11にまとめた。取り込みは、チトクローム−Cがリポソーム形成の際に水性相中に存在するという意味で受動的である。
Figure 0004107680
実施例7
臨界流体リポソームの安定性
臨界流体リポソームの安定性および一般的なリポソームの安定性は様々なパラメーター、例えば原料組成、純度および酸素による影響の受けやすさ、並びに生成物の殺菌性、封入薬剤とリポソーム材料との間の混和性、水性相pHおよびイオン濃度および組成、並びに製造方法によって決まる。安定性の不足はリポソームサイズおよび薬剤保持能力に影響する。薬剤に用いる場合、リポソーム配合物は4℃で6〜24カ月の貯蔵寿命を有するのが望ましい。
リポソームは一般的な凍結−乾燥および再水和の際にひどい融解および漏れを生じる。脂質膜の各側を等モル濃度のグルコースのような糖で被覆することによって、リポソームのサイズの変化なしに、90%以上の取り込み材料を維持するさらさらした粉末状のリポソーム調剤を形成することができる(クロウ等、1985)。安定性の問題はまた、使用時に予備形成リポソームを”間接取り込み”することによって避けることができる(バリー等、1985)。間接取り込みは、必要な投与量の治療薬を加える前に、膜を横切るpH勾配をつくるために、予備形成リポソーム調剤のpHを変えることによって容易に行うことができる。薬剤の再現性のあるかつ完全な取り込みは5分以内に達成され、注射用リポソーム製剤が得られる(オストロ等、1989)。リポソーム製剤の安定性はまた、合成飽和脂質を使用することにより、またはアルファ−トコフェロールおよびべータ−ヒドロキシトルエンのような酸化防止剤を加えてリン脂質の分解を防止することによって増すことができる。
臨界流体がリポソーム製剤の安定性の増減を評価するために、臨界流体リポソームの安定性を試験した。この試験は、粒子サイズ分布を時間の関数として測定することによって行った。特別の予防処置、例えば不活性ガス下での臨界流体リポソームの製造、酸化防止剤の使用、または無菌処理および収集処理は臨界流体リポソームの製造に用いなかった。臨界流体リポソーム製剤の時間安定性を表12に示す。
Figure 0004107680
超臨界二酸化炭素リポソームは表12に示すように、6カ月の間、4℃の貯蔵温度で良好ないし優秀な安定性を示す。
0.06mmノズルによって形成されたより小さい直径のリポソームは、0.50mmノズルによって形成されたより大きいリポソームよりも安定のようである。
臨界流体リポソームについての比較の第2のポイントとして、音波エネルギーによって形成されたリポソームの相対安定性を表13の一覧から推定することができる。
Figure 0004107680
脱イオン蒸留(DDI)水中で音波エネルギーによって形成されたリポソームは、4℃の貯蔵の23日後に少しの凝集を示す。
4カ月間にわたる他の臨界流体によって形成されたリポソームの安定性を表14に示す。データから、最も有効な臨界流体は安定性が減少する順序で:(1)プロパン;(2)Freon−22;(3)亜酸化窒素;(4)エタン;(5)Freon−23;および(6)エチレンであることが分かった。
Figure 0004107680
一般に、極性助触媒は臨界流体リポソームの安定性を改良した。この改良は表15に例示されており、この表から臨界亜酸化窒素リポソームの安定性は添加剤としてメタノールを使用したときによりすぐれており;エタノールおよびアセトン添加剤はないよりはよく、N2O臨界流体リポソームの安定性に及ぼす影響はより少ない。
Figure 0004107680
実施例8
パクリタキソール及びカンプトテシン含有CFLの操作条件
図1に記載したタイプの装置を、3000〜4000psigの平均圧、50〜60℃の平均温度、及び60分の循環時間において操作した。
2種のガス、エチレン及びプロパンを本実施例において使用した。本実施例はパクリタキソール及びカンプトテシンを特徴とするが、限定ではなくセファロマンニン、ドキソルビシン、ミシェルアミンB、ビンクリスチン、ヒドロスタチン−1、ハロマン及びシスプラチンを含む他の疏水性薬剤も同様に実行される。
操作条件下でプロパンは近臨界流体であった。プロパンの臨界温度は96℃である。本実施例についての操作条件において、プロパンは、臨界流体のものに近づく溶媒の性質を示す近臨界流体であると考えられる。プロパン及びエチレンの熱力学性質を表16に示す。
Figure 0004107680
リン脂質原料
新鮮な凍結鶏卵黄(ミズーリ州セントルイスのシグマケミカル社)〔60%のホスファチジルコリン(PC)及び16.5%のホスファチジルエタノールアミン(PE)、大豆ホスファチジルコリン(>95%の純度)(アラバマ州アラバスターのアバンチポラーリピッズ社)から成る〕をリポソーム原料として使用した。純粋なコレステロール(>99%の純度)も使用した。
タキソール及びカンプトテシン原料
タキソールは原料から抽出によって得た。カンプトテシンはワシントンDCの国立ガン研究所(NCI)から得た。パクリタキソール及びセファロマンニンの混合物をNCIから得た。この混合物のHPLC分析は、混合物中のパクリタキソール及びセファロマンニンの重量百分率がそれぞれ20%及び30%であることを示した。
分析方法
臨界流体及び超音波処理によって形成されたリポソームをサイズ、安定性、封入の効率によって特徴づけた。サブミクロン粒子分析機(コールターエレクトロニクス社モデルN4MD)を平均粒子サイズ、サイズ頻度分布、及び粒子サイズの標準偏差を測定するために使用した。このコンピューター制御された、多角(multiple-angled)装置は粒子のブラウン運動によって、その光路内の粒子により散乱される光を検出するためにレーザービームを利用し、そして光子相関スペクトロスコピーによって粒子サイズ分析を与える。
リポソーム配合物中のパクリタキソール含量についてのHPLC分析を15cm長のペンタフルオロフェニル(PFP)カラム(ESインダストリー社)上でウォーターズ501HPLCポンプ及びウォーターズ991ホディオードアレー(phodiode array)検出器で行った。流速及び温度を1.5mL/分及び27℃にそれぞれ制御した。可動相は44%のアセトニトリル、56%の水、及び約0.1%(体積)のリン酸から成っていた。このシステムは、228nmにおけるUV検出によって、パクリタキソール及びセファロマンニンについて約12.5及び9.5分の保持時間をそれぞれ与えた。パクリタキソール/セファロマンニン(タキソイド)混合物のHPLCクロマトグラムを図7に示す。
リポソームのカンプトテシン含量を逆相15cm長ペンタフルオロフェニル(PFP)逆相カラムを使用してHPLCで定量した。80%のメタノール、20%の水、及び0.1%(体積)のリン酸の可動相を1.0mL/分の流速で使用して、カンプトテシンは約2.9分で溶離した。370nmにおいて、0.04mg/mLの濃度におけるカンプトテシン溶液のクロマトグラフによる走査を図8に示す。
ゲル排除クロマトグラフィー(GEC)を使用してリポソームから封入タキソイドを分離し、そしてリポソーム中のタキソイドの装填効率を決定した。Sephacryl S−1000(ニュージャージー州ピスカタウェイのファルマシアLKB バイオテクノロジー)を充填した16mmID×70cm長カラム(排除直径260〜300nm)を使用して、リポソームを分別し、未封入の溶質からリポソームを分離した。充填GECカラムをリポソーム溶液で飽和した。この工程は後に続くリポソーム形成がSephacryl S1000ビーズに粘着することを防止するために必要である。溶離した画分をフラクションコレクター(ネブラスカ州リンカーンのISCO社)によって集めた。粒子サイズ分析及び溶離溶液のタキソイド含量はそれぞれコールター粒子分析機及びHPLCで分析した。
リポソームに10000gの遠心分離を15分かけ、その後0.22mmのフィルターを通して濾過した。パクリタキソールについてのHPLC分析を濾過の前後に行った。この比較的単純な方法はパクリタキソールがリポソーム内に組み込まれたか否かの指標を与える。
A. 注入により形成されたリポソーム
パクリタキソール、またはパクリタキソール及びセファロマンニン、またはカンプトテシンを含むリポソームを実施例1に説明したように形成させた。このようなリポソームを0,5mmのノズル、4000psigの圧力及び60℃の温度を使用して製造した。タキソールまたはパクリタキソール及びセファロマンニンまたはカンプトテシン(粉末形態)を、リン脂質と共に図1に示した装置のリン脂質チャンバー69内に置いた。この装置を操作して、リン脂質及び薬剤をSCoNC流体中に溶解して薬剤混合物を形成した。この混合物を水性相に注入してリポソームをつくる。
B. 減圧によって形成されたリポソーム
パクリタキソール、またはパクリタキソール及びセファロマンニン、またはカンプトテシンを含むリポソームを実施例1に説明したようにつくった。すなわち、リン脂質、薬剤及び水性相並びにSCoCoNC流体を図1に示す装置内で十分に混合した。装置は4000psigの圧力及び60℃の温度で操作する。この混合物を第1容器内に保持し、そしてノズルを通して第2容器と流体連絡した状態で置いた。混合物が第1容器から第2容器に移動するときに混合物を減圧すると、または第2容器に入る際に混合物を減圧すると、薬剤を含むリポソームが形成される。
C. 多重ラメラ小胞から形成されたリポソーム
疎水性の薬剤を含むリポソームは多重ラメラ小胞から、最初にいずれかの技術で認められた方法に従って多重ラメラ小胞をつくることによって製造される。好ましい方法は、リン脂質と疎水性薬剤との混合物からのものである。この混合物を水性溶液中で水和し、多重ラメラ小胞を形成する。この多重ラメラ小胞をSCoCoNC流体と混合し、そして減圧して均一なサイズのリポソームを形成させる。
実施例9
リポソームのサイズ分布の比較
臨界流体注入及び減圧技術によって形成されたリポソームのサイズ分布を表17中に比較する。表17に列挙した全ての試験データは、それぞれ平均4000psig及び60℃の圧力及び温度によって実施した。表17中の結果は、減圧技術が、注入技術のものよりも小さいサイズ分布を生じることを示す。2つの異なる操作モードを使用して形成されたリポソームにおけるサイズ分布の相違は多分、リポソームが形成される機構によって説明され得る。
Figure 0004107680
本発明を特別の理論に限定するものではないが、注入技術において、SCoCoNC流体中の溶媒和されたリン脂質が、減圧の結果としての臨界流体/水のバブルの相境界に析出し得る。これらのバブルはノズルから水性溶液内に引き離した後に生じると同時に、リン脂質の結晶化した2重層が離れ、そしてそれら自身をシールしてリポソームを形成する。リポソームのサイズ分布は、サイズ及びノズルのデザイン、減圧速度、SCoCoNC流体と水性媒質との間の界面張力などのいくつかの操作パラメータに依存する。この操作モードにおいて、リン脂質の臨界流体による溶媒和法は高い圧力循環ループ内で起こる。結果として、減圧チャンバー内のリポソーム形成法は、リン脂質を溶媒和するために要求されるものと異なる圧力及び温度で操作されることができる。この技術は熱的に不安定な治療用蛋白質及び化合物の封入に十分に適している。その性質によって、注入技術は剪断感受性の治療用蛋白質及び化合物に十分に適している。
減圧技術において、臨界流体中の2重層の形態の溶媒和されたリン脂質は連続的にソーキングチャンバー内の水性溶液内に分散され、そして結果としてリポソームへと小胞化される。一定温度及び圧力下での循環中に、臨界流体とリン脂質との間の平衡段階が達成されたとき、一定量の溶媒和リン脂質は2重層フラグメントとして臨界流体内に残り、そして高圧ループ内を循環する。減圧工程の間、臨界流体、脂質フラグメント及び水性の混合物は、臨界流体の体積膨張によって生じた大きな減圧力下にディップチューブ/ノズルを強制的に通る。存在するリポソーム及びリン脂質の2重層フラグメントは大きな剪断力によって互いに衝突し得る。そしてリン脂質のより小さなフラグメントへと分裂する。これらの2重層フラグメントのサイズは圧力及び減圧の速度に依存する。これらの熱力学的に不安定な2重層フラグメントは次に急速にお互いをシールして減圧容器内でリポソームを形成する。
減圧圧力のリポソームのサイズへの影響を評価するために、2つの分別減圧試験を行った。これらの試験において、試料溶液を2つの異なる圧力間隔で集めた。第1のものは3500psig〜900psigの操作圧力(これはエチレン及びプロパンの臨界圧力よりもわずかに高い)、第2のものは及び900psig〜大気圧である。これらの試験の結果を表18に列挙する。これらの試験は同じ操作圧力及び温度下に、減圧チューブのチップの同じノズルを用いて実施した。
Figure 0004107680
表18の結果は、減圧範囲、並びにノズルのサイズを適切に選択すること(他の条件を同一にすることを条件として)によって均一なサイズ分布のリポソームを得ることが可能であることを示す。
実施例10
リポソーム封入タキソールの特性
注入及び減圧を特徴とするリポソーム形成方法からのリポソーム試料を2000rpmで30分間遠心分離して、リポソーム懸濁物中の封入されなかった溶質及び大きなリン脂質結晶を除いた。HPLC分析を行って遠心分離チューブの上澄み中のリポソームのパクリタキソール及びセファロマンニン含量を決定した。比較の目的で、超音波処理によって形成したリポソームも遠心分離し、パクリタキソール及びセファロマンニン含量について懸濁したリポソームを分析した。結果を下の表19に示す。
Figure 0004107680
このデータは、注入または減圧によって形成したリポソームがパクリタキソール及びセファロマンニンを封入することを明らかに示している。データはさらに、注入または減圧法が超音波法によって形成されたものよりも効果的にパクリタキソールを捕捉することも示す。超音波処理によって形成されたLIP−166において、45%より多い大量の未封入パクリタキソールが溶液中に存在し、そして捕捉されなかったパクリタキソール及びセファロマンニンが遠心分離後に沈澱したようである。
リポソーム中のパクリタキソールの組み込みはゲル排除クロマトグラフィー(GEC)を利用して、リポソームを異なるサイズに分別しそしてパクリタキソールがリポソームと共に移動するかどうかを決定するために、試験を行った。GECカラムからの溶離物をHPLCによって再度分析した。溶離試料の粒子サイズ分布を含む粒子サイズ分析についてもコールター粒子サイズ分析機によって試験した。
注入法によって製造されたリポソームによるパクリタキソールの封入のGECクロマトグラフィーを図5に示す。図5において、リポソームはカラムから18〜40mLの間で溶離してきたことが明らかである。これらのピーク下に集めた体積画分は曇っていた。粒子サイズ強度(カウント/秒)は約18mLにおける1.05×104から23mLにおける2.6×106へと劇的に増加し、約3.0×106でピークとなった。この強度は結局約54mLで3.0×104に減少した。カラムから溶離した相当するリポソームの平均サイズは30mLで約260nmでピークとなり、そして約48mLで31nmへと徐々に減少した。LIP−154の最初の2つの体積画分は単モードであり、そして残りの3つは650〜900nmの範囲内に小部のリポソーム(4〜20%)を有する2モードであった。
装置の操作範囲内の強度レベルを得るために、2.6×106または3.0×106のオリジナルの強度を有するLIP−154についての粒子サイズ分析を無菌濾過水中で1:10または1:20希釈で測定した。GEC法が、吸引のファンデアワールス力が起こり得るように小さなリポソームをその電荷反発直径内に引き寄せることによってリポソーム凝集を引き起こすことは全く可能なことである。我々の試験はまた、リポソームの2重層内に取り込まれたある量のパクリタキソール及びセファロマンニンがサイズ分別の間にGECカラムに移動し得ることを示唆している。
GECカラムからのLIP−154の溶離溶液についてのパクリタキソール及びセファロマンニンのHPLC分析を行った。これらのデータは図10においてグラフに示し、パクリタキソールの濃度は白抜きの菱形で示し、そしてセファロマンニンの濃度は塗り潰した菱形で示す。捕捉されたパクリタキソールは、ほぼ150〜240または160〜270nmのサイズ範囲内のリポソームと共にほとんど溶離したことが明らかである。18mLにおける溶離ピークはパクリタキソール及びセファロマンニンの実質的に同一濃度、約3mg/mLを有する。パクリタキソール及びセファロマンニンの両方の濃度は鋭く増加し、そして35mLにおいて約33mg/mLのピークとなった。GECカラムからのリポソームのサイズ及び強度分布を示すデータを図9において棒グラフで示す。サイズ(nm)を示すデータを点付きの棒で示し、強度(×104カウント/秒)を示すデータを斜交平行線の陰影をつけた線の棒で示す。この濃度はまた、図9に示す粒子の最高強度レベルに相当する。
図11及び図12は超音波処理法によって製造されたLIP−166のGEC分別の結果を示す(表4を参照)。図11は、超音波処理法によって製造されたリポソームの強度及びサイズを棒グラフで表す。サイズは点付きの棒であらわされ、そして強度(×104カウント/秒)は斜交平行線の陰影をつけた線の棒で示される。大量のリポソームが20〜40mLにおいてGECカラムから溶離し、そしてこれらのピーク下の溶液も曇っていた。捕捉されたパクリタキソール及びセファロマンニンはGECカラムから180nm付近のリポソームと共に溶離した。これらの結果を図12に示す。パクリタキソールを示すデータを白抜きの菱形で示し、そしてセファロマンニンを示すデータを塗り潰した菱形で示す。これらの結果は注入法によって製造されたLIP−154で得られた結果と調和している。しかしLIP−66において、リポソーム中に閉じ込められたパクリタキソール及びセファロマンニンの量は、注入法によって製造されたものよりもはるかに、約10倍少なかった。超音波処理によって形成されたLIP−66中の粒子の大部分(86%)は38nmの範囲にあり、そして、小さなサイズのリポソームはより大きなリポソームのように有効にはパクリタキソールを捕捉しないので高いパクリタキソール含量を有することは期待されない。
表20は2つの追加の試験結果、LIP−175及びLIP−176の結果を示し、これらにおいてはパクリタキソールは臨界流体リポソーム内に封入されている。これらの2つの試験において、コレステロール及び鶏卵黄PCを1:2の重量比で混合した。分別減圧技術を減圧法において使用した。エチレン及びプロパンをLIP−175及びLIP−176についてそれぞれ臨界流体として使用した。
Figure 0004107680
両方の試験において、分別減圧の最初の段階からの均一なサイズ分布のリポソームを再び得た。しかし、このリポソームの母集団内のパクリタキソール濃度は比較的低い。LIP−154(図9及び10)についての我々のサイズ排除クロマトグラフィーの検討において、クリタキソールは160〜270nmのサイズ範囲内のリポソームと共にほとんど溶離してくることが示された。このことは、パクリタキソール及びセファロマンニンを綴じ込めるためのリポソームの最適のサイズは150〜290nmであり得ることを示す。減圧の第2段階において、粒子はLIP−175及びLIP−176の両方において、2つの大きい母集団サイズに分布する。このことは、最初の減圧段階におけるよりもかなり大きいその臨界圧下での臨界流体の急速な体積膨張によるものであることができる。減圧前に高圧循環ループ内で形成されたリポソームは急速崩壊及び溶融工程を通って、より大きなリポソームへと小胞化される。
実施例11
リポソームに封入されたカンプトテシンの特徴づけ
実施例1に従って減圧によって製造した、リポソーム封入されたカンプトテシンの試料を2000rpmで約30分遠心分離した。粒子サイズ分布をコールターN4MDサブミクロン粒子分析機上で測定した。分析法の部分で説明したように、遠心分離の前後でHPLC分析を実施した。図13はリポソーム封入されたカンプトテシンの典型的なHPLCクロマトグラムを示す。同じ分析を、超音波処理によって製造したカンプトテシン含有リポソームについても実施し、ここでは卵PC及びコレステロールの同じ配合物を水性溶液中に分散させた。溶液をブラソン(Brason)ソニフィアープローブ(モデル450、ブラウソン ウルトラソニック社、コネチカット州ダンバリー)で氷浴内で30分間超音波処理した。
表21内の結果は減圧法が超音波処理よりも効果的にカンプトテシンを封入したことを示す。超音波処理において、ほとんどのカンプトテシンは遠心分離後に水溶液から析出する。
Figure 0004107680
表22は、減圧法で製造したリポソームのサイズは一般に超音波法によって製造したものよりも大きいことを示す。
Figure 0004107680
実施例22
注入または減圧法及び超音波処理を使用したリポソーム封入タキソールの安定性
比較
リポソームのインビトロ安定性はいくつかのパラメーター、例えばリン脂質の組成及び純度、酸素感受性、封入薬剤及びリポソームとの間の相溶性、並びに水性媒質条件等に一般に依存する。多くの異なる変化が時間の経過とともにリポソーム中で起こり得る。リン脂質は酸化及び加水分解のような化学分解を被ることがある。水性懸濁物中のリポソームは凝集したり、溶融したり、その内容物を漏らすことがある。
試験LIP−237、LIP−247からの2種の試料(各10mL)を集め、そしてそれぞれ4℃及び22℃(室温)において保存した。両試験共、同じ操作条件(P=3000psi及びT=50℃)並びに同じリン脂質材料(大豆PC及びCH)を利用した。しかし、LIP−237の試験においてはパクリタキソール混合物(20%純度)を使用し、そしてLIP−247において>99%純度の純粋なパクリタキソールを使用した。LIP−237及びLIP−247における初期パクリタキソール含量はHPLCでそれぞれ40及び133ppmであった。LIP−237及びLIP−247について2つの異なる貯蔵条件においてHPLC分析を周期的に行った。これらの試験において。窒素ガスシール下の臨界流体リポソームの製造、抗酸化剤の使用または無菌加工及び収集手順のような特別の予防手段を使用しなかった。
表23は、臨界流体注入技術により製造したLIP−237及びLIP−247のサイズ分布分析の安定性を従来の超音波処理法と(全て4℃で貯蔵)時間の関数として比較した。このデータは、注入法によって形成されたリポソームが超音波処理によって形成されたものよりも優れた物理的安定性を示すことを示す。超音波処理によって製造されたリポソームLIP−166は大量の小粒子を有し(38nmで77%)、そしてこれらのリポソームは、溶融及び凝集してちょうど10日間で比較的大きなサイズの粒子を形成するように思われる。注入法によって製造されたリポソーム(LIP−247)は40日後においてもその処理サイズから同じに止まっていた。注入加工によって形成されたリポソームLIP−237は35日後に凝集の兆候を示し、これらのリポソームのサイズは60日後にはそのサイズが倍になった。この試験において使用した比較的純度の低いタキソイドはこの早期の凝集を引き起こし得る。室温の貯蔵条件において、全てのリポソームパクリタキソール試料は種々の程度の劣化を示した。
Figure 0004107680
図14a及び図14bはLIP−23及びLIP−247それぞれについてのパクリタキソール濃度分布を時間及び温度の関数として示す。図14a及び15aは4℃で貯蔵した試料を示し、そして図14b及び15bは室温で貯蔵した試料を示す。
結果は、4℃の貯蔵条件下でパクリタキソールがリポソーム懸濁物中で2カ月以上安定なままであったことを示す。室温の保存条件において、2日後に劣化が始まった。これらの結果は、注入リポソーム形成法は物理的及び化学的に安定な水を基材としたパクリタキソールの配合物を製造できることを示す。好ましくは、そのようなリポソームは150〜250nm、さらに好ましくは200〜225nmのサイズ分布を有する。
実施例13
リポソーム封入タキソールの細胞毒性試験
A.結腸ガン細胞ラインに対するリポソーム封入タキソールの毒性
減圧法によって製造したリポソーム封入パクリタキソールの細胞毒性についての独立した試験を行った。LIP−175及びLIP−176の試料(全て臨界流体減圧技術によって製造)をHCT116ヒト結腸ガン細胞ラインに対して試験した。パクリタキソールもセファロマンニンも含まないLIP−170の試料を対照として同じ細胞ラインに対して試験した。
細胞毒性試験において、5桁の大きさの希釈のリポソーム封入パクリタキソールを使用した。4時間プレートに接種した後、細胞をリポソーム封入パクリタキソール及び対照としての0.5%DMSO緩衝液中のパクリタキソールで処理した。リポソームを細胞上に3日間おき、その後プレートを再供給し(re−fed)そしてMTTを加えた。MTTの紫のホルマザン生成物への還元をウエルプレート中のリビング細胞の数と直線的な方法で相関させた。従って、還元生成物の吸収を測定することによって、与えられたパクリタキソール用量での細胞生存%を定量化できる。
これらの試験の結果を、リポソーム中のパクリタキソールの濃度の関数として細胞生存%でプロットした。本方法にしたがって形成されたリポソーム(パクリタキソールを含まない)の結果を図16に示す。パクリタキソールでのリポソーム無しの結果を図17に示す。パクリタキソールを含むリポソームの結果を図18に示す。このデータは、パクリタキソールを含むリポソームがリポソーム無しのパクリタキソールのものと比較して類似した薬剤活性を示すことを示唆している。
B.乳ガン細胞ラインに対するLEPの毒性評価
組織培養における3種の乳ガン細胞の成長を禁止するリポソームパクリタキソールの効果を測定した。3種の乳ガン細胞ラインMCF−3、BT−20及びMDA−MB−231。
前記細胞ラインは組織培養フラスコ内で増殖した。細胞の既知の数を24ウエルの組織培養プレート内に平板培養し、そして37℃5%CO2で組織培養恒温器内で一晩増殖させた。細胞を次に1.0μg/mLの濃度のリポソームパクリタキソール、1.0μg/mLのクレモホー(cremophor)−パクリタキソール、及び細胞培養媒質中に希釈した空のリポソーム(EL)で処理した。細胞の対照群は処理しなかった。処理後、細胞培養媒質を3日目に補充した。処理を7日間継続した。
各ウエル内の細胞をトリパン青を使用してカウントした。細胞生存能及び細胞増殖禁止を死滅対生存細胞の数並びにウエルあたりの増殖細胞の全数から計算した。そのような乳ガン細胞ラインに対するリポソームパクリタキソール及びクレモフォー−パクリタキソール(CP)についての特異的殺細胞%を、相当する空リポソームデータから減じたリポソームパクリタキソール及びクレモフォー−パクリタキソールデータからの殺%に基づいて計算した。結果を図19に棒グラフで示す。クレモフォー−パクリタキソールを示すデータは影付の棒で示す。このデータは、1.0μg/mLにおいて、リポソームパクリタキソールがクレモフォー−パクリタキソールよりもはるかに大きな特異的インビトロ効果を有することを示す。
実施例14
リポソーム封入パクリタキソール(LEP)のインビトロ試験
本試験の目的は、ヌードマウスにおけるリポソーム封入パクリタキソールの腹腔内(i.p.)投与による乳ガン腫細胞の異種移植片の増殖禁止を測定することである。この乳ガン細胞MDX−MB−231を実施例13に示したインビトロ試験の結果に基づいて選択した。試験LIP−247からのリポソームパクリタキソールをこのインビトロ試験において使用した。
乳ガン腫異種移植片はヌードマウス内で増殖した。マウスをランダムに4つの群に分けた。各群は5匹のマウスから構成されていた。腫瘍のサイズをカリパスによって測定し、体積(mm3)で示した。腫瘍が測定可能なサイズ(〜100mm3)に達したときに測定を開始した。リポソームパクリタキソール及びクレモフォーパクリタキソールを0.295mgのパクリタキソール/0.5mlの濃度で与え、そして同じ量の空リポソームを対照群に腹腔内注射で2日間隔で全5回の注射として与えた。平均体積±平均の標準誤差(SEM)を測定した各時間において記録した。最初の注射から4週後に全てのマウスを犠牲にした。
LEP、リポソームパクリタキソール、クレモフォー−パクリタキソール及び空のリポソーム(対照として)及びクレモフォー(対照として)で処理した後に、乳ガン細胞ラインMDX−MB−231を有するヌードマウスの異種移植片を評価した。腫瘍サイズ 対 処理の週数の結果を図20においてグラフに示す。リポソームパクリタキソールを投与したマウスからの結果を囲んだ矩形でプロットし、クレモフォー−パクリタキソールを投与したマウスからの結果を囲んだ三角でプロットし、そしてクレモフォー単独を投与したマウスからの結果を開いた円でプロットした。リポソームパクリタキソール、クレモフォー−パクリタキソール及び空のリポソームの5用量の後に、リポソームパクリタキソールを投与したマウスはクレモフォー−パクリタキソールよりも良好な抗腫瘍効果を示した。
本発明の態様では最終リポソーム生成物に組み込まれない原料、脂質および溶媒を回収することができる。本発明の態様は、効率的な薬剤の取り込みおよび封入されなかった薬剤の回収を特徴とする。本発明の装置および方法の操作パラメーターは他の工業的に用いられるプロセスと一致する。本発明の装置および方法は連続操作が可能である。
本発明の好ましい態様について説明してきたが、本発明の変更は可能であり、本発明は上記の詳細に限定されるものではなく、請求の範囲内で変更することができる。

Claims (30)

  1. a)臨界、超臨界またはほぼ臨界の流体中のリン脂質、1種以上の疏水性薬剤及び水性相の溶液または混合物を形成すること、ここで前記薬剤は、タキソイド類、セファロマンニン類、カンプトテシン類、ドキソルビシン、ミシェルアミンB、ビンクリスチン、ブリオスタチン−1、ハロマン及びシスプラチンより成る疏水性薬剤の群から選択される;
    b)溶液または混合物の圧力を減じて臨界、超臨界またはほぼ臨界の流体をリン脂質及び水性相から分離すること、ここで前記リン脂質及び水性相が前記薬剤を含む1つ以上のリポソームを形成する
    ことを含んで成るリポソームの製造方法。
  2. 前記臨界、超臨界またはほぼ臨界の流体が、二酸化炭素、亜酸化窒素、プロパン、エチレン及びエタンよりなる臨界流体を形成しうる組成物の群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記混合物または溶液がノズルを出るとき、混合物または溶液が減圧される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ノズルが1以上の開口を有し、該開口が0.5〜0.6ミクロンの直径を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記臨界、超臨界またはほぼ臨界の流体が共留剤を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記共留剤がメタノール、エタノール及びアセトンよりなる組成物の群から選ばれる、請求項5に記載の方法。
  7. 前記リン脂質がホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン及びスフィンゴミエリンである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記リン脂質が、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトリルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトリルホスファチジルグリセロール、ジミリストリルホスファチジルセリン、ジステアロイルホスファチジルセリン、及びジパルミトリルホスファチジルセリンより成る合成リン脂質である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記リン脂質が少量のコレステロールを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記リポソームが、その脂質二重層内に取り込まれた疏水性の薬剤を有する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記タキソイドがパクリタキソールである、請求項1に記載の方法。
  12. カンプトテシン類がカンプトテシンである、請求項1に記載の方法。
  13. a)リン脂質、薬剤及び臨界、超臨界またはほぼ臨界の流体の溶液または混合物を形成すること、ここで前記薬剤は、タキソイド類、カンプトテシン類、ドキソルビシン、ミシェルアミンB、ビンクリスチン、及びシスプラチンより成る疏水性薬剤の群から選択される;
    b)前記溶液または混合物を水性相に注入して1つ以上のリポソームを形成すること
    を含んで成るリポソームの製造方法。
  14. 前記溶液または混合物が注入されるとき、溶液または混合物を減圧する工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記溶液または混合物がノズルを通して前記水性相に注入される、請求項13に記載の方法。
  16. 前記ノズルが直径0.5〜0.6ミクロンの少なくとも1つの開口を有する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記臨界、超臨界またはほぼ臨界の流体が、二酸化炭素、亜酸化窒素、ハロ−炭化水素、プロパン、エチレン及びエタンよりなる臨界流体を形成しうる組成物の群から選ばれる、請求項13に記載の方法。
  18. 前記臨界、超臨界またはほぼ臨界の流体がさらに共留剤を含む、請求項13に記載の方法。
  19. 前記共留剤がメタノール、エタノール及びアセトンよりなる組成物の群から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記リン脂質がホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン及びスフィンゴミエリンである、請求項13に記載の方法。
  21. 前記リン脂質が、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトリルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトリルホスファチジルグリセロール、ジミリストリルホスファチジルセリン、ジステアロイルホスファチジルセリン、及びジパルミトリルホスファチジルセリンより成る合成リン脂質である、請求項13に記載の方法。
  22. 前記リン脂質がコレステロールを含む、請求項1に記載の方法。
  23. 前記リポソームが、その脂質二重層内に取り込まれた疏水性の薬剤を有する、請求項13に記載の方法。
  24. 前記タキソイドがパクリタキソールまたはセファロマンニンである、請求項13に記載の方法。
  25. 前記疎水性薬剤がカンプトテシンである、請求項13に記載の方法。
  26. a)複二重層リポソーム及び臨界、超臨界またはほぼ臨界の流体の混合物を形成すること、ここで前記複二重層リポソームは疏水性薬剤を有し、そして該薬剤は、タキソイド類、カンプトテシン類、ドキソルビシン、ミシェルアミンB、ビンクリスチン、ブリオスタチン−1、ハロマン及びシスプラチンより成る群から選択される;
    b)混合物の圧力を減じて前記の臨界、超臨界またはほぼ臨界の流体を混合物から分離し、前記薬剤を含む均一なサイズのリポソームを形成することを含んで成る、リポソームの製造方法。
  27. 疎水性薬剤を含む複数のリポソームである製造用製品であって、前記リポソームが
    a)臨界、超臨界またはほぼ臨界の流体中のリン脂質、1種以上の疏水性薬剤及び水性相の溶液または混合物を形成すること、ここで前記薬剤は、タキソイド類、セファロマンニン類、カンプトテシン類、ドキソルビシン、ミシェルアミンB、ビンクリスチン、ブリオスタチン−1、ハロマン及びシスプラチンより成る疏水性薬剤の群から選択される;
    b)溶液または混合物の圧力を減じて臨界、超臨界またはほぼ臨界の流体をリン脂質及び水性相から分離すること、ここで前記リン脂質及び水性相が前記薬剤を含む1つ以上のリポソームを形成する
    ことを含んで成る方法によって製造される、上記の製造用製品。
  28. 前記複数のリポソームが、50〜350nmのサイズ分布を有する、請求項27に記載の製造用製品。
  29. 前記複数のリポソームが100〜300nmのサイズ分布を有する、請求項28に記載の製造用製品。
  30. 前記複数のリポソームが150〜250nmのサイズ分布を有する、請求項28に記載の製造用製品。
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