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JP4105348B2 - 試料分析用モニタ装置及びそれを用いた燃焼制御システム - Google Patents

試料分析用モニタ装置及びそれを用いた燃焼制御システム Download PDF

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JP4105348B2 JP32927799A JP32927799A JP4105348B2 JP 4105348 B2 JP4105348 B2 JP 4105348B2 JP 32927799 A JP32927799 A JP 32927799A JP 32927799 A JP32927799 A JP 32927799A JP 4105348 B2 JP4105348 B2 JP 4105348B2
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実 坂入
安章 高田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料分析用の較正方法及び装置に係り、特に、一般廃棄物や産業廃棄物を焼却した燃焼排ガス、あるいは金属精錬プロセスから排出されるガス、自動車の排ガスまたは大気などに含まれるダイオキシン及びその関連化合物を検出することにより、排ガスまたは大気中のダイオキシン類やダイオキシン前駆体類などの関連化合物の濃度を求める試料分析用モニタ装置に関し、また、モニタした結果を燃焼制御に生かす燃焼制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
金属精錬プロセスの排ガス、自動車の排ガスやパルプ等の漂白過程の廃液中にダイオキシン類が排出されることが知られている。なお、ダイオキシン類とは、75種類の異性体をもつポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs)および135種類の異性体をもつポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)の総称であり、より広義にはコプラナポリ塩化ビフェニル(Coplanar PCBs)を含めることもある。以降、ダイオキシンおよびそれに関連する化合物群を総称してダイオキシン類と略記する。
【0003】
ダイオキシン類発生のメカニズムに関する知見は集積されてきているが(ぶんせき、1998年、512―519頁)、ダイオキシン類の発生の条件は、場所や生成メカニズムなどにより大きく異なり極めて複雑である。ごみ焼却場などの高温度条件下の燃焼過程においては飛灰中に存在するコバルト、鉄、銅などの金属塩化物を触媒として炭素と塩素が反応するデノボ (de novo、新生成物)合成が有力なダイオキシン類の発生メカニズムの一つとして考えられている。このデノボ合成の基本的反応は炭素原子、塩素原子、酸素原子が高温で共存すると、ラジカル反応によってダイオキシン類をはじめ、クロロベンゼン類やクロロフェノール類等の多くの有機塩素化合物が生成される。また、この生成したクロロベンゼン類やクロロフェノール類は更にダイオキシン類の前駆体になり、ダイオキシン類を生成するとされる。また廃棄物焼却場におけるダイオキシンの発生は主として二個所で起きるとされている。燃焼温度が800℃より低い燃焼炉内での不完全燃焼の際に生じる過程、及び温度250℃から550℃のボイラや集塵機内でのデノボ合成である。
【0004】
焼却場におけるダイオキシン類の発生をできるだけ低減するために、種々の方策が講じられてきた。 環境へのダイオキシン類排出を抑制するためには、燃焼条件を改良したり、ダイオキシン効率良く除去する技術を開発することである。しかし、この抑制技術開発には多くの時間と労力を必要とした。ある条件下で燃焼を行い、この条件下での排ガスや飛灰中のダイオキシン類の濃度を定量し、燃焼条件と発生ダイオキシン量との相関を求め、この相関関係から最適燃焼条件や最適除去条件を求めていた。
【0005】
近年、実際の焼却炉の運転状況のモニタのため、直接極く低濃度のダイオキシン類の濃度を求めるのではなく、比較的高濃度の他の代替物質の測定を行い、その結果からダイオキシン類の濃度を推定する方法が提案されている。この技術としては、横浜国立大学環境研紀要(第18巻、1992年)、特開平4―161849号公報、特開平5―312796号公報、特開平7―155731号公報、特開平9―015229号公報、特開平9―243601号公報に記載されている方法ならびに装置が開示されている。
【0006】
横浜国立大学環境研紀要(第18巻、1992年)、特開平4―161849号公報、特開平5―312796号公報に記載されている技術は、クロロベンゼン類をガスクロマトグラフィ(GC)により測定し、ダイオキシン類の代替指標として用いるものである。両者の相関からダイオキシン類を推定する方法である。
【0007】
特開平7―155731号公報に示された技術は、燃焼灰を加熱処理する事により、灰中に含まれるダイオキシン類などを熱分解しダイオキシン類等を抑制しようとするものである。加熱処理前後の灰中のクロロベンゼン類またはクロロフェノール類を分析しダイオキシン類の除去率を推定する。これにより、熱分解条件の最適化を図ろうとするものである。
【0008】
特開平9―015229号公報に示された技術は、排ガス中のクロロベンゼンとクロロフェノール類の濃度を測定し、これらと別途求めたダスト濃度と排ガスの滞留時間からダイオキシンの濃度を求めようとする方法である。
【0009】
特開平9―243601号公報に示された技術は、排ガス中のクロロベンゼン類、クロロフェノール類をリアルタイムで測定し、ダイオキシン類の濃度を連続的に求めようとするものである。排ガスをレーザイオン化質量分析装置に導きイオン化、質量分析することでクロロベンゼン、クロロフェノール類の濃度を求め、ひいてはダイオキシン類の濃度を間接的に求めようとするものである。
【0010】
連続的に長時間試料を分析する際に、高濃度の不純物の影響や、イオン化電圧などの測定条件が変わった場合、濃度を較正する手法が特開平9−55185号公報にある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
燃焼条件の改善や除去技術の採用などによるダイオキシン削減策によりごみ焼却場からのダイオキシンの生成排出を低減することが期待されている。しかし、これら削減策の採用により実際どれだけダイオキシンが低減されたか、リアルタイムで計測されなければならない。このような観点から、上述した従来法には以下のような問題があった。
【0012】
横浜国立大学環境研紀要(第18巻、1992年)、特開平4―161849号公報、特開平5―312796号公報に記載されている技術は、分析の方法論は開示されているものの、この種のモニタで必須となる、クロロベンゼン類等を定量するための具体的な技術が開示されていない。
【0013】
特開平7―155731号公報に記載されている技術でも、クロロベンゼン類またはクロロフェノール類等の定量に関する具体的な技術は開示されていない。
【0014】
特開平9―015229号公報に記載されている技術では、発明の前提となるダイオキシンとクロロフェノール、クロロベンゼン類等の間の関係式に、明確な根拠があるわけではなく、しかもこれらの物質の定量に関する具体的な技術は開示されていない。
【0015】
特開平9―243601号公報に示された技術は、クロロベンゼン類のリアルタイム濃度測定の可能性を示しているものの、どのように定量するかについての具体的な方法の開示がなされていない。
【0016】
特開平9−55185号公報では、濃度を較正用に用いる試料が測定対象物と同じ物質であるため、較正する場合には、分析対象となる試料の導入を止めなければならず、分析工程と較正工程を同時に行うための技術については開示が無い。また、排ガス中の微量成分ガスを質量分析にて測定する場合においては、排ガス中に存在する塩化水素、酸化硫黄、酸化窒素などの夾雑物成分の影響を受け、イオン化効率が変化してしまうという問題に加えて、排ガス採取口から分析部までの配管、フィルタ等に測定対象物が付着してしまい、採取口付近の濃度と分析部に導入される試料の濃度が異なってしまうという問題があった。
【0017】
本発明の目的は、多様な夾雑物質を含むガス中における測定対象物質の濃度を時々刻々補正しながら測定することができ、オンラインでリアルタイムの高精度な分析を実現することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、質量分析を用いたオンラインモニタの較正手段として、測定対象物質とイオン化効率のほぼ同等の物質、例えば、測定対象物質の安定で希少な同位体で置換した物質を一定濃度、標準物質として添加し、そのイオン量を測定する方法及びその装置である。
【0019】
具体的には、次のようにして測定対象物質の濃度を較正し定量する。
【0020】
(1)測定物質とイオン化効率、蒸気圧等の物性値が類似の標準物質を一定濃度でモニタの前処理部の焼却炉側に導入し、標準物質に対する測定物質のイオン強度比を測定することにより、測定物質の定量を行う。
【0021】
こうすることにより、夾雑物成分の影響を受けイオン強度が変化する分と、途中の配管・前処理部で測定対象物が付着して濃度が変化してしまう分の2つを同時に較正して測定対象物の定量を行うことができる。
【0022】
(2)焼却炉からの排ガス導入量をモニタしてその排ガス導入量の変化による測定物質の導入量の変化等を補正しながら、測定物質とイオン化効率、蒸気圧等の物性値が類似の標準物質を定濃度でモニタのイオン源に導入し、標準物質に対する測定物質のイオン強度比を測定することにより、測定物質の定量を行う。
【0023】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明の基本的構成について説明する。
【0024】
一般に、モニタ部に用いている質量分析計により観測される信号量、すなわちイオン強度は、試料ガス濃度、イオン源でのイオン化効率、質量分析部でのイオン透過率や検出効率等を表す因子の積で表される。
【0025】
例として、クロロフェノール類の定量について述べる。定量すべき物質がクロロベンゼンやダイオキシンなどの他の物質の場合でも、下記に述べる定量過程は同様である。
【0026】
求めるべきクロロフェノール類の濃度NCPは、基本的に、モノクロロフェノール(MCP)、ジクロロフェノール(DCP)、トリクロロフェノール(TCP)、テトラクロロフェノール(TECP)、ペンタクロロフェノール(PCP)の濃度の総和で表されるが、モノクロロフェノールは縮合反応により塩素化ダイオキシンを生成しないので除外する。すなわち、ダイオキシンモニタにより求めるべきNCPは、
CP≒NDCP+NTCP+NTECP+NPCP
で表される。また、煙道等からモニタリング装置へ排ガスを導入する際、排ガス中の試料分子の配管内壁での吸脱着が問題となる。従って、Nは実質的には、試料分子の吸着エネルギーQ、分圧P1、配管温度T1に依存する、すなわちこれらの関数となる。従って、
Figure 0004105348
となる。
【0027】
次に、各濃度NDCP、NTCP、NTECP、NPCPについて考える。一般に、質量分析計により観測されるイオン強度Iは、試料ガス濃度N、イオン源でのイオン化効率α、質量分析部でのイオン透過率や検出効率等を表すβを用いると次式で表される。このとき、αはイオン源の温度T2、塩化水素等の妨害成分の濃度Mの関数、さらにはイオン源内部の圧力P2の関数となる。
【0028】
Figure 0004105348
クロロフェノールの種類によってβは変化しないと考えられるので、DCP、TCP、TECP、PCPのイオン強度IDCP、ITCP、ITECP、IPCPはそれぞれ、次式で表される。
【0029】
Figure 0004105348
以上から、NCPは次式で表される。
CP(M,P1,P2,Q,T1,T2) ≒
(IDCP(M,P1,P2,Q,T1,T2) /αDCP(T2,M,P2)
+ITCP(M,P1,P2,Q,T1,T2) /αTCP(T2,M,P2)
+ITECP(M,P1,P2,Q,T1,T2) /αTECP(T2,M,P2)
+IPCP(M,P1,P2,Q,T1,T2) /αPCP(T2,M,P2))
×(1/β)
このとき、一番簡単なNCP(M,P1,P2,Q,T1,T2)の定量は以下のように行うことができる。
【0030】
まず、実際に焼却炉から発生するクロロフェノール類を分析すると、DCPはクロロフェノール類の1−20%、TCPは10−40%、TECPは10−40%であるのに対して、PCPは少なく、従って、ダイオキシンモニタにより求めるべきNCPは実質的に、DCP、TCP、TECPの濃度の総和で代表することができる。
【0031】
また、実際の測定では、ある特定の配管材質、ある特定の配管温度T1、ある特定のイオン源温度T2で行われるので、NCPはT1、T2の関数ではない。
【0032】
このとき、NCP
Figure 0004105348
と簡単に表される。
【0033】
一方、あるイオン化効率(αS)を有する濃度(NS)の標準物質(S)を排ガス中に添加して観測されるSのイオン強度ISは、一定条件下において、次式で表される。
【0034】
S(M,P1,P2,Q)=(IS(M,P1,P2,Q)/αS(P2))×(1/β)
従って、クロロフェノール類で定量すべき濃度範囲(0.01μg/Nm3から1000μg/Nm3程度)における既知濃度NDCP、NTCP、NTECPのNS(既知濃度)に対する比を測定すれば、ある同一条件下でのイオン化効率αの比を求めることができる。このとき、試料分子と標準物質分子のイオン強度のイオン源圧力依存性は同じと考えてよいので、イオン化効率の比はP2に依存しない。さらに、試料分子と標準物質分子とで吸着エネルギーが同程度で濃度範囲が同程度であるときは、イオン効率の比はQ、P2に依存しないと考えて良い。すなわち、
αS(P2)/αDCP(P2) (=kDCP(M))
αS(P2)/αTCP(P2) (=kTCP(M1))
αS(P2)/αTECP(P2) (=kTECP(M))
の比を用いると、最終的にNCP
Figure 0004105348
となる。
【0035】
問題は、イオン化効率やイオン強度の妨害成分濃度による変化にどう対応するかにある。もし、試料分子と選択した標準物質のイオン強度(イオン化効率)における妨害成分濃度依存性がほぼ同じであれば、NCPはもはやMの妨害成分濃度の関数でなくなる。このために、DCP、TCP、TECP、及び標準物質として用いる(例えば、ジブロモフェノールなどの有機ハロゲン化合物、等)試料の塩化水素濃度によるイオン強度依存性を測定する必要がある。
【0036】
試料分子と標準物質のイオン強度における妨害成分濃度依存性がほぼ同じである場合は,
Figure 0004105348
となる。
【0037】
実際には、ジクロロフェノール類を定量する場合、ある焼却炉のジクロロフェノール量の平均量、塩化水素などの妨害成分の平均濃度をあらかじめ測定しておき、その量に近い濃度になるように標準物質の濃度NSを調整し、そのときのkDCP、kTCP、kTECPを決定しておく。例えば、クロロフェノール類1−10μg/Nm3程度を定量するのであれば、NSを5μg/Nm3にすればよい。
【0038】
特に、DCP、TCP,TECPの同位体DDCP、DTCP,DTECPを標準試料として用いる場合は、イオン化効率は同じと考えられるので、k=1となる。
【0039】
上記では、ジ、トリ、テトラクロロフェノールよりなるクロロフェノール類を定量するのに標準物質を1種類用いているが、定量する物質が複数ある場合にはそれぞれに標準物質を準備することも可能である。このとき、上式は、異なる標準物質を添字1、2、3を用いて、
Figure 0004105348
となる。例えば、DCPにはジブロモフェノール、TCPにはトリブロモフェノール、TECPにはテトラブロモフェノールが標準物質となる。
【0040】
測定対象試料と、標準物質のイオン強度における妨害成分濃度依存性が異なる場合は、実験的に既知濃度のDCP、TCP、TECPおよび標準試料を用いて、夾雑成分濃度Mが変化した場合のDCP、TCPおよびTECPと標準物質のイオン強度の間の相関関係を求めることにより濃度を求めることができる。
【0041】
すなわち、温度T、圧力P、標準試料の濃度については同一条件で測定するとし、既知濃度のDCP、TCPおよびTECPをそれぞれ標準試料と同時にイオン源に導入し、塩化水素濃度を変化させた場合のイオン強度の相関を求める。
【0042】
DCP=fDCP(IS
TCP=fTCP(IS
TECP=fTECP(IS
とおける。この相関を求めたときのDCP,TCP,TECPの濃度をそれぞれNA、DCP、NA、TCP、NA、TECPとすると、排ガス中の妨害成分濃度が変化した場合の、DCP、TCP、TECPの濃度NDCP、NTCP、NTECPはそれぞれ、
DCP=NA、DCPx(IDCP/fDCP(IS))
TCP=NA、TCPx(ITCP/fTCP(IS))
TECP=NA、TECPx(ITECP/fTECP(IS))
となる。
【0043】
クロロフェノール類の濃度NCPは、
CP=NDCP+NTCP+NTECP
となる。
【0044】
以上,標準添加物質を用いた定量方法について述べたが,以下に最適な添加物質の選定法を記す。
【0045】
添加物質は測定対象物質の希少同位体であることが望ましい。しかし、希少同位体は非常に高価であったり、入手が困難であることから使用が制限されることが多く、添加物質を他の物質で代用することも必要となる。
【0046】
大気圧化学イオン化、化学イオン化は他の夾雑物質の影響が大きく、頻繁な校正を必要とするイオン化法である。また、イオン化の過程も単純であることから、添加物質の選定が容易である。これらのは下記のような過程にて行なわれる。まず、放電などにより生じる電子によってイオン化が行なわれる(一次イオン化)。一次イオン化は、過剰エネルギーを有する電子と中性分子との相互作用によるものであり、非選択的なイオン化過程である。しかし、大気圧イオン源では105〜106回、化学イオン源でも104〜105回程度、その後に衝突が起こると言われており、この際に起こるイオン−分子反応、電荷交換反応によって、よりイオン化しやすいものへ電荷が移動する(二次イオン化)。二次イオン化はこのようなイオン化過程から想定する通り、極めて選択性の高いイオン化過程である。これらのイオン化過程には、主にプロトン移動反応、電荷交換反応により正イオン、負イオンとなるものがある。添加物質を決定するにはこれら二次イオン化の最終過程を推定することが必要である。たとえば、芳香族分子はイオン化エネルギーが小さいため、電子を放出して正イオン(M+)になる特性がある。また、アミノ基などを有する分子など塩基性が高い分子はプロトン移動反応により、正イオン(M+1+)になる特性がある。また、ニトロ芳香族化合物のように電子親和力の大きな分子は電子を引き付けて負イオン(M-)になる特性がある。また、HClなど酸性度の高い物質はプロトンを他の物質に受け渡して負イオン(M−1-)になる特性がある。これらは、上記のようにもとの分子(M)に対して,イオンの質量数を検出されるイオンの質量数及び電荷から簡単に推定できる。
【0047】
以下、2,4−ジクロロフェノールを測定する場合の検討について述べる。2,4−ジクロロフェノールを大気圧化学イオン化法の負イオンモードで測定すると(M−1)-なるイオンが検出される。このことから、このイオン化が水素の受け渡しにより起こっていることが分かる。そこで、水素との結合の解離エネルギ−から、解離分子の電子親和力を差し引いた値をパラメーターとして比較する。このパラメータの説明は質量分析、28巻、3号、185頁、1980年に記載されている。フェノール類に対する実際のパラメーターは、ジャーナルオブアメリカンケミカルソサイエティ−、99巻、7号、2222頁、1977年(Journal of the American Chemical Society, Vol.99, No.7, 2222(1977))に記載のデータを参考にした。
【0048】
次に、本発明の具体的構成について実施例を参照して説明する。標準物質を添加する場合の、質量分析器を含めた流路構成について、説明する。
【0049】
図1は、本発明の一実施例を示す流路構成図、図2は、その外観図、図3は、煙道を含めたその全体外観略図である。測定対象ガスを、焼却炉の煙道7からノズル6および配管4を経由してオンライン測定装置1へ吸引する。ガスをオンライン測定装置1に導入するためにポンプ28により吸引し、分析したガスは、排ガス戻り配管3を介して煙道7に排気する。煙道7から吸引されたガスは配管4を通り、フィルター2でダストやミストと呼ばれる微小粉体を取り除いた後、測定装置1へ導入される。標準試料ガスは、ポンプ22で吸引した大気をフィルタ29でゴミを除去し、標準試料発生器30を経由し、図1の配管8に繋がり、フィルタ2の上流に添加する。あるいは、ポンプ22の代わりに空気ボンベを用いて標準試料を導入してもよい。標準試料の濃度は、予めGC/MS等により測定した排ガス中の測定対象物質の平均的な濃度と同程度となるようにする。例えば、クロロフェノール類の測定で煙道での濃度が1〜10μg/Nm3であれば、添加する標準試料の濃度は5μg/Nm3程度とする。標準試料を添加した試料ガスを煙道に排気することが問題ある場合には、活性炭フィルタを間に設置し、標準試料を吸着させるか、完全燃焼できる炉に排気すればよい。標準試料は、Φ0.1〜数mm程度の穴の空いた耐熱性のある金属等の容器に入れ、その容器を標準試料発生器30の中に入れればよい。
【0050】
標準試料発生器30の形状としては、蒸発した試料がポンプ22から流れる空気に混ざるような構造であればどのようなものでも良いが、図4Aに一例を示す。試料を入れる容器の穴の大きさ・形状は、試料の蒸発量によって、目的とする濃度を発生できるように決めて良い。測定対象試料が複数あり、それに合わせて標準試料を複数添加したい場合は、試料の入った容器を複数個、標準試料発生器の中に入れれば良い。標準試料の発生量は温度の影響を強く受けるため,試料発生器30にヒータを巻き,温度を一定に保つようコントロールすることが重要である。メンテナンス等で、長時間排ガス導入を止め、標準試料が配管内に充満してしまうのを防ぎたい場合は、図4Bの様に分岐を設け、空気を流しつづけて煙道に戻してしまえば良い。
【0051】
質量分析部には、ガス流量として1〜3l/min(リットル/分)程度で充分であるので、余剰な流量はバイパスライン32を用いて排気する。イオン化部11に導入されるガスは、更に細かいゴミを取り除くため孔径0.2μm程度のフィルタ33を設置する。質量分析部で用いるイオン源11には、大気圧化学イオン化法、化学イオン化法、電子衝撃イオン化法、プラズマによる分子イオン化法、グロー放電によるイオン化法などが用いられる。ここでは、本出願人が開発した逆流型2段大気圧化学イオン源を用いた。イオン化部に導入する試料を針電極近傍で生じたイオンが電界により進行する方向と逆向き,つまり針電極に向かうように流すと,測定対象物イオンを効率よくイオン化できるという方法である。試料が針電極に向かう流れは、10ml/min以上である。
【0052】
標準試料を含むガス流量をF1、イオン源を流れる逆流量をF2、バイパスを流れるガス流量をF3、イオン源から質量分析部の真空部に流れるガス流量をF4とすると、イオン源で測定される濃度C1と煙道排ガスにおける濃度C2の関係は以下のようになる。
【0053】
C2=C1×(F2+F3+F4)/(F2+F3+F4−F1)
このとき、F1については、標準試料を通る空気量が変ってしまうと標準試料の濃度が変ってしまうため、マスフローコントローラ31で流量を一定に制御するのが良い。F2については、この逆流量が時々刻々変化すると、イオン源における測定対象物および標準試料のイオン化効率も変化してしまうので、較正する際の誤差を少なくするために、マスフローコントローラ23で流量を一定に制御するのが好ましい。針電極に向かう流れ(F2)としては10ml/min以上必要である。バイパス流量F3はマスフローメータ24で測定し、F4については、イオン取込細孔の孔径・長さから見積もってもよいし、予め実験的に求めておいてもよい。イオン源の圧力は圧力コントロールバルブ34で制御するので、F4は一定値としてよい。なお、圧力コントロールバルブ34を制御するための圧力シグナルは、イオン源に取り付けた圧力センサ35(図2では省略)から送られる。
【0054】
ダストフィルタ2は、数μ程度の金属エレメントが入ったフィルタで灰・ダスト等で詰まった際には、適宜交換できる。試料ガスの吸着を低減するために、試料ガス用配管4の温度よりもダストフィルタ2の壁面温度を上げておくことが必要である。例えば、クロロベンゼンやクロロフェノール類などのダイオキシン前駆物質を測定する場合、試料ガス用配管4温度が120℃程度のとき、ダストフィルタ2部分は180から200℃程度と高くすることは有効である。ダストフィルタ2部分で多くの固形不純物や飛灰等を取り除くことは可能であるが、その後に金属フィルタ33を設けると、さらに細かなダストのイオン源11への流入を防ぐことができる。取り除くダストの大きさは金属フィルタ部のメッシュの大きさで制御できるが、0.1〜0.5μm程度のメッシュを用いることが多い。この部分も交換可能である。なお、試料ガス採取場所の固形不純物や飛灰等の多少により、これらのフィルタを二段、三段と複数組み合わせてもよい。このとき、試料ガス採取場所の配管の上流側から下流側に向けフィルタのメッシュを荒いものから細かいものにすれば長時間の測定が可能となる。排ガスによる腐食を防ぐため、配管、バルブは腐食されにくい、ステンレス製、チタン製であることが望ましい。また、配管の壁面に微量の成分が吸着されるのを防ぐため、配管にはポリテトラフロロエチレンライニングパイプやガラスライニングパイプを用いることが望ましい。ガラスライニングパイプの代わりに配管内部に短く切ったガラス管または石英管を詰めてもよい。また、ガスクロマトグラフィ(GC)のカラムに用いられているワイドボアのフューズドシリカカラム等を用いてもよい。
【0055】
試料ガスは、試料ガス用導入ポンプ28により吸引され、イオン源11へ導入される。導入される試料ガスの流量は、使用する試料ガス用配管の内径や長さ、及び試料ガス用送気ポンプ28の送気スピードなどに依存するが、1−300リットル/分程度である。試料ガス用送気ポンプ28には、ダイアフラムポンプなどの機械的なポンプを使用することができる。
【0056】
ダイオキシンやその関連化合物は排ガス中に微量しか存在しない。これら化合物は、配管、フィルタ等試料採取系の壁面等に容易に吸着する。この吸着をできるだけ防ぐために、試料採取系全体を加熱したり、吸着の少ない材料で配管を作成する。 配管を流れる排ガスの量を増やせば、吸着を減らすことができる。すなわち、配管内の排ガスの滞留時間をできるだけ短縮することである。
質量分析計12,コンピュータ9,画面10あるいは,流量コントローラ等の計器類は,煙道近くの室外に設置されることを考えて、空調器18によりある程度温度制御された(10から50℃程度)、密閉性の高いモニタラック内部に設置されている。一方、質量分析器12で計測されたデータは、信号及び制御ラインを通して、燃焼制御装置等に転送される。このとき、モニタ部用のぞき窓13を通して、CRTやプリンタ上の結果が分析器12単体でも観測できるようにしてもよい。なお、標準試料発生器30を設けることにより、標準試料切り替えバルブ16、標準試料用配管8を通して、モニタ部の定期点検を行うことが可能となる。すなわち、定期的に排ガスに変えて標準ガスを導入し、観測される標準ガスに由来するイオンがある一定量以上観測されるかどうかをチェックする。観測されるイオン強度が一定量以下の場合には、メンテンナンスを行うことになる。また、本願の方法では、標準試料が一定濃度供給されていることが重要で、適宜GC/MS等で、添加している標準試料濃度が変化していないか、確認することが好ましい。
【0057】
以下、図5を用いて、質量分析部12について詳細に説明する。生成したイオンを分析するに当たっては、いろいろな種類の質量分析計を使用できるが、以下では、イオン溜め込み型のイオントラップ質量分析計を用いた場合について述べる。同じ高周波電界を用いて質量分離を行う四重極質量分析計や磁場内での質量分散を用いた磁場型質量分析計などの他の質量分析計を用いた場合でも同様である。
【0058】
上記本発明のイオン源により生成した負イオンは、ヒータ(図示せず)により加熱された、第1フランジ型電極36に設けられた第1イオン取込細孔37(直径0.3mm程度、長さ20mm程度)、第2イオン取込細孔38(直径0.6mm程度、長さ0.3mm程度)、第3イオン取込細孔39(直径0.3mm程度、長さ0.3mm程度)を通過する。これらの細孔はヒータ(図示せず)により、100から300℃程度に加熱される。また、第1イオン取込細孔37と第2イオン取込細孔38、第2イオン取込細孔38と第3イオン取込細孔39間には電圧が印加できるようになっており、イオン透過率を向上させると同時に、残留する分子との衝突により、断熱膨張で生成したクラスタイオンの開裂を行い、試料分子のイオンを生成させる。差動排気部は、通常、ロータリポンプ、スクロールポンプ、またはメカニカルブースタポンプなどの荒引きポンプにより排気される。この領域の排気にターボ分子ポンプを使用することも可能である。図5では、差動排気部の排気にスクロールポンプ27(排気容量900l/min程度)、質量分析部の排気にターボ分子ポンプ40(排気容量200−300l/min程度)を用いた場合を示している。ターボ分子ポンプ40の背圧側を排気するポンプとして、スクロールポンプ27を兼用している。第2イオン取込細孔38と第3イオン取込細孔39間の圧力は0.1から10Torrの間にある。また、
第1イオン取込細孔37と第3イオン取込細孔39と、2つの細孔を用いた差動排気部にすることも可能である。ただし、上記の場合に比較して、流入するガス量が増えるので、使用する真空ポンプの排気速度を増やす、細孔間の距離を離すなどの工夫が必要となる。また、この場合も、両細孔間に電圧を印加することは重要となる。
【0059】
生成したイオンは第3イオン取込細孔39を通過後、収束レンズ41により収束される。この収束レンズ41には、通常、3枚の電極からなるアインツエルレンズなどが用いられる。イオンはさらにスリット付き電極42を通過する。収束レンズ41により、第3イオン取込細孔39を通過したイオンはこのスリット部分に収束し、収束されない中性粒子などはこのスリット部分に衝突し質量分析部側に行きにくい構造となっている。スリット付き電極42を通過したイオンは、多数の開口部を備えた内筒電極43と外筒電極44よりなる二重円筒型偏向器45により偏向かつ収束される。二重円筒型偏向器45では、内筒電極の開口部より滲みだした外筒電極の電界を用いて偏向かつ収束している。この詳細は、既に特開平7−85834号公報に開示されている。
【0060】
二重円筒型偏向器45を通過したイオンは、イオントラップ質量分析部に導入される。イオントラップは、ゲート電極46、エンドキャップ電極47a、47b、リング電極48、つば電極49a、49b、絶縁リング50a、50b、イオン取り出しレンズ51より構成される。ゲート電極46は、イオントラップ質量分析部内に捕捉したイオンをイオントラップ質量分析部外に取り出す際に、外部からイオンが質量分析部内に導入されないようにする役目をする。イオン取り込み細孔39を通してイオントラップ質量分析部内に導入されたイオンは、イオントラップ質量分析部内部に導入されたヘリウムなどのバッファーガスと衝突してその軌道が小さくなった後、エンドキャップ電極47a、47bとリング電極48間に印加された高周波電圧を走査することによって質量数毎にイオン取り出し細孔からイオントラップ質量分析部外に排出され、イオン取り出しレンズ51を経てイオン検出器52により検出される。バッファーガスを導入した際のイオントラップ質量分析部内部の圧力は10-3から10-4Torr程度である。イオントラップ質量分析部は、質量分析部制御部により制御される。イオントラップ質量分析計のメリットのひとつは、イオンを捕捉する特性を有するので、試料の濃度が希薄でも溜め込む時間を延ばせば検出できる点にある。従って、試料濃度が低い場合でも、イオントラップ質量分析部のところでイオンの高倍率濃縮が可能となり、濃縮などの試料の前処理を非常に簡便化できる。
【0061】
試料ラインから供給された試料ガスは、安定同位体を用いた場合にはフィルター2や途中の配管での反応や吸着による減少率、質量分析計12におけるイオン化効率、および検出効率が等しいので、配管への吸着などが大きな系では極めて有効である。しかし、安定同位体は通常高価であるのでコスト面での問題が生じる場合がある。
【0062】
これに対し、上記の配管やフィルターでの減少が少ない場合や、それらが測定中ほぼ一定であるとみなせる場合には、図6の他の実施例に示すように、イオン源11の直前で標準物質を添加する方法がある。添加物質としては、測定物質とイオン化過程及びそのイオン化効率がほぼ同等で、異なる質量数のイオンを生成する物質を選択すれば良い。
【0063】
図1、図6の流路構成では、排ガスを煙道7から取込みイオン源に導入する方法として、イオン源下流に設けたポンプ28により吸引する形を取っているが、ポンプからのデガスが測定の障害(例えば、質量数が重ならない、感度が低下しない、など)にならずに、また、ポンプ内に測定対象物質が付着せずイオン強度の低下が無い場合には、図7のさらに他の実施例に示すように、ポンプ28をイオン源と煙道の間に設置し、押し込む形で煙道からの排ガスをイオン源に導入しても良い。イオン源内が吸い込む形と比べて、イオン源内圧力が高くなるので、イオン強度が大きくなる。ポンプ28には、吸着やデガスを防ぐため高温耐久性のオイルレスポンプを用いると良い。
【0064】
また、夾雑物成分の濃度が高く、測定対象物の感度が著しく低下して、測定精度が悪くなってしまう場合には、図8のさらに他の実施例に示すように、イオン源入口に流量コントロールした空気を導入し、排ガスを希釈することにより、夾雑物成分の影響を弱めることができる。この場合は、測定対象物も希釈されてしまうので、装置の検出限界を限度に希釈するよう気をつける必要がある。
【0065】
次に、本発明における測定のシーケンスについて説明する。排ガス中のガス分析を行う場合、測定対象物と同じ質量数を持つ夾雑物イオン(ケミカルノイズ)が存在することがあり、定量の際の誤差(真値よりも測定値が大きくなる)につながる。この場合には、多段質量分析法(MS/MS)を用いて、夾雑物イオンと測定対象物イオンを分離することが出来る。測定対象物がジクロロフェノールの場合では、MS/MSを用いると、図9に示すように、ジクロロフェノールの分解物イオンと夾雑物イオンに分解するため、ジクロロフェノール由来の分子イオン量を測定することが出来る。トリクロロフェノールあるいは、テトラクロロフェノールの場合には、MS/MSでも分解しないため、夾雑物イオンを分解し、分解せずに残ったイオン強度を測定し、トリクロロフェノールあるいは、テトラクロロフェノールのイオン量を測定することができる。
【0066】
図10を用いて、本発明における測定シーケンスの一例をについて説明する。測定開始601後、MSスペクトルあるいはMS/MSスペクトル測定602により、測定対象物質のイオン強度測定603および標準物質のイオン強度測定604を行う。イオン源11や質量分析器12が正常に動作しているか確認するために標準物質のイオン強度が極端に低下あるいは上昇していないか確認605をする。異常な場合は、警告606を出し、必要なメンテナンス607を行う。正常な場合は、標準物質が測定対象物の同位体である場合は、測定対象物質の標準物質に対するイオン強度比の測定608を行い、予め測定した標準物質の濃度を乗じて、測定対象物質の濃度の算出609を行う。その他の場合は、予め求めておいた測定対象物質と標準物質の相関関係から、測定対象物質の濃度の算出609を行う。濃度を算出し、表示した後は、次の測定の開始610に移る。
【0067】
本装置を排ガス測定のモニタとして使用する場合に,オンライン測定中に、あるいは必要に応じて、例えば1日に1回、測定信号やバックグランド、排ガスの温度、圧力や流量等に異常がないか自己診断し、自動洗浄、自動較正、装置異常警報の発信、装置停止等の必要な動作を行う。
【0068】
突発的な異常状態を知るためには、別のプロセスが必要である。図11は、その場合における測定シーケンスの一例を示し、常時異常か否かの判断を行うことができる。測定対象物のイオン強度測定603および標準物質のイオン強度測定604までのシーケンスは、図10の例と同じであり、標準物質のイオン強度の確認605にに加えて、質量分析部の真空度の確認611、各流量計の値の確認612、配管温度の確認613、モニタ内温度の確認614、コロナ放電電流値の確認615、全イオン量の強度の確認616を行い、異常がある場合には、警報617を出し、必要なメンテナンス618を行う。異常の判断は、焼却場の平均的な値を、あらかじめ、人手により設定するか、測定を繰り返して自動的に平均値を求めてもよい。異常時には、排ガスの中に異常値を与える原因成分が含まれていることも考えられるため、通常のモニタとは異なる測定モード619に移行する。異常時に質量分析計の質量走査を行い、マススペクトルを取得し、他のパラメータと共にファイル化して記録すれば原因の追求の一助となる。
【0069】
一方、異常がない場合には、ダイオキシン類、クロロベンゼン、クロロフェノール類などシーケンシャルな測定620を行ったのち、各成分の値を平均値との比較621を行う。もし偏差がある定められた値より大きくなった場合、警報622を外部に出力した後、自動診断623を行い、キャリブレーション624をを行った後、次の測定625を開始する。自動診断で異常と認められた場合は、さらに上位の警報を発し、モニタ装置の停止626などを行う。警報を出す値として高低2つを設定しておき、低い方の設定値を超えた場合は、注意としてランプのみ点灯させる。測定値がさらに上昇し、高い方の設定値を超えた場合には、警報としてランプ点灯に加え、ブザーを鳴らすなどの監視システムを設定することもできる。こうした監視システムは,測定している排ガス中の成分の濃度についてのみ行うのではなく、標準物質のイオン強度の確認605、質量分析部の真空度の確認611、各流量計の値の確認612、配管温度の確認613、モニタ内温度の確認614、コロナ放電電流値の確認615、全イオン量の強度の確認616、などにも同様に適用できる。例えば,質量分析部の真空度の場合では,正常な真空度よりも少しずれた真空度(真空度の上昇または低下)になった場合に注意ランプを点灯させ,さらに悪化したばあいには装置をとめる等のシステムを組むことができる。また,針電極,配管中のフィルタ等は,数ヶ月に1回の頻度で,交換あるいはクリーニング等のメンテナンスが必要になるが,データ処理部で運転時間を測定しておき,あと何時間後でメンテナンスが必要になるといった情報を画面上に出すこともできる。
【0070】
さらに、異常時のみにマススペクトルを取得するのではなく、ダイオキシン類等のモニタ周期の中にマススペクトルスキャンを組み入れて、モニタと同時にマススペクトルを常時取得記録すれば、焼却炉の状態を常に把握できる。例えば水分の多いごみを大量に燃やせば、水のイオン、また塩化ビニールを大量に燃やせば塩素イオンがマススペクトル中に大きなピークとして出現する事になる。マススペクトルを微量成分のモニタの合間に周期的に取り込みこのマススペクトルを監視しても、異常状態を把握できる。測定されたマススペクトルを以前に測定された平均マススペクトル(比較マススペクトル)と比較して、新たなマスピークが出現したり、大きなマスピークが消えた場合異常状態と判断する。即ち比較する二つのマススペクトル上の同じ同じ質量対電荷比(m/z)マスピークの強度の減算を行う。マススペクトル上にピークがない場合は強度0とする。もし差スペクトル上に大きなピークが出現していればこれが突然排ガス中に出現した成分であるので、異常成分の出現として警報を外部に出力する。
【0071】
測定したデータはデータ処理で処理され燃焼条件の設定値や実測値等とともにファイル化され記憶される。また、基準値を超えた値を示した部所は赤やピンクなど色表示で行って、直ちに監視者に警告を出せるようにする。データは必要によりプリンタやCRTに出力される。また、焼却監視、制御システムにデータを送り出す。
【0072】
排ガス中のダイオキシン類,クロロフェノール類,クロロベンゼン類を測定する場合は,負のコロナ放電を用いて,測定対象物を負のイオンとして検出すると効率が良いが,焼却炉の燃焼状態を示す指標としては,他に鎖状炭化水素類もある。この場合は,正のコロナ放電を用いて検出した方が効率が良い。検出される炭化水素類のイオン強度比を計測し,より高い質量数を持つ炭化水素が多く検出されるときは,燃焼の状態が不完全燃焼を起こしていると考えられる。従って,一定時間(例えば数分間隔)で正と負の放電を切り替え,炭化水素類とダイオキシン類,クロロフェノール類,クロロベンゼン類の測定を切り替えることにより,より詳細な焼却炉中の燃焼の状態について把握することができる。
【0073】
次に、イオン源部での放電を正(+)と負(−)で切り替える具体的な方法について説明する。図12は、正負のイオン取り込みモードの一例を示す。
【0074】
図12に示す様に、(a)リング電極に印加する高周波の振幅(101,102,103)に同期させ、(d)イオン源のイオン化モード(401,402)、(c)イオン光学系のイオン透過モード(301,302)及び(e)検出器のイオン検出モード(501,502)を切り替える。(b)ゲート電極に印加する電圧は、イオンを透過させる区間201と、イオンを遮蔽する区間202を交互に設けるが、印加する電圧の極性はイオン化のモードにより反転させる。
【0075】
この様に、正イオン分析モードと負イオン分析モードとを交互に用いることにより、一度の測定操作で正イオン、負イオンの情報を得ることができる。計測するイオンの極性を反転させるためには、イオン源、イオン軌道収束レンズなどのイオン光学系、検出器などに印加される電圧の極性を反転させなければならない。例えば、既述のように本出願人が開発した逆流型2段大気圧化学イオン源では、針電極と対向電極との間に高電圧を印加するが、正イオン計測モードでは針電極に正の電位を、負イオン計測モードでは針電極に負の電位を印加する。同様に、イオン光学系や検出器に印加する電圧の極性も、計測しようとするイオンの極性に合わせて反転しなければならない。
【0076】
これらの極性を反転させる部分において、特に注意が必要なのはイオン源のイオン化モードの切り替えである。正イオン計測モードにおいては針電極に正の数キロボルトを印加し、負イオン計測モードにおいては負の数キロボルトを印加する。この針電極に印加する電圧の極性を反転した直後は、イオン生成が不安定になる。極性を反転してからどの程度の時間が経過すればイオン生成が安定になるかについては詳細な研究はなされていないが、これまでの経験から推測すると0.05秒程度と思われる。従って、質量スペクトルを取得する一連の操作、即ち、イオン蓄積区間101、質量分離区間102が終了した後の残留イオン除去区間103でイオン化モードを切り替えると、次のイオン蓄積区間101までしばらく待たなければならない。この待ち時間を減らすためには、図12に示すように、質量分離区間102においてイオン源のモードを切り替えると良い。イオン光学系の切り替えおよびゲート電圧の極性反転は、イオン源のイオン化モードの切り替えと同期させるとよいが、前述のようにイオン源のイオン化モードはすぐには切り替わらないので、イオン源のイオン化モードを変換する際にイオン生成停止区間403を設け、イオン生成停止区間403においてイオン光学系の切り替えやゲート電圧の極性反転を行うと良い。検出部の電圧は、イオン蓄積区間101または残留イオン除去区間103において反転させればよい。これは、イオンの検出は質量分離区間102で行うためである。図12に示すように、検出器における正イオン検出区間501と負イオン検出区間502とを交互に設ける。 以上のように、イオン源のモード切り替え、ゲート電圧やイオン光学系の極性反転は質量分離区間102または残留イオン除去区間103で行うことができるが、これらの切り替えは同期していることが望ましい。また、検出器のモード切り替えはイオン蓄積区間または残留イオン除去区間103で行うことができる。試料採取系の配管を含めた装置全体で留意すべき点は、大気圧イオン源や配管等には測定中常に排ガスが流れ込むようにして、ガスと壁面吸着物質の交換を平衡状態に保ち、壁面へのごく微量成分の吸着をなくすようにすることである。焼却炉の停止や保守点検、更にサンプリング系のフィルタ交換等で排ガスの流れが止まる場合には、高純度窒素ガス等を自動的に流し、大気圧イオン源や配管の汚れを防ぐようにする。また、イオン源や配管の汚れに応じて、例えば1週間に1回、高純度ガス等のパージガスを流し、大気圧イオン源や配管の自動洗浄を行う。図1等に示すモニタ装置において標準試料発生器30から標準試料の送出を停止すれば、窒素ガスボンベ(図示せず)から送られる窒素ガスはそのまま、バルブを経て、配管、大気圧化学イオン源11を流れ、洗浄する。装置の起動時、停止時、また測定の途中定期的に窒素ガスを流すことにより、装置のクリーンアップができる。高純度窒素ガスは標準試料導入系と別に試料採取配管4に導入してもよい。純窒素を導入系に流した後に排ガスを導入し測定を開始する場合、管壁への吸着を防ぐため、排ガスを30分以上連続して流すようにする。
【0077】
図13に、トリクロロフェノールが測定対象物質で、標準添加物質がトリクロロフェノールのD置換同位体(ベンゼン環についている2つのHをDに置換したもの、質量数は+2となる)を用いた場合の定量法の一例を示す。
【0078】
測定対象となるトリクロロフェノールは、塩素原子が3つあり、塩素に質量数が35と37の同位体が3:1の比で存在することから、質量数が195、197、199、201に強度比27:27:9:1となるスペクトルが検出される。これに対し、+2ずれた同位体のピークは強度比は同じで、質量数が197、199、201、203の位置にピークが得られるので、197、199、201のピークについては重なってしまう。
【0079】
すなわち、実際に測定されるピークは測定対象試料および標準添加試料(同位体)の和として検出される。トリクロロフェノールとその同位体における濃度とイオン強度の比αは同じであると考えられる。測定対象となるトリクロロフェノールの濃度をCx(未知)、同位体の濃度をCy(既知)とすると各質量数におけるイオン強度Inは、
In=α×(Cx×βx+Cy×βy)
となる。βは上述のそれぞれの質量数にあたるピークの比である。上式で未知数はCxとαの2つであるから、4つのピークの内、ケミカルノイズの少なく感度の高い質量数を2つ選び、連立一次方程式を解くことにより、Cxを求めることが出来る。ジクロロフェノールあるいはテトラクロロフェノールの同位体を標準試料として用いた場合も同様に較正することができる。
【0080】
トリクロロフェノールの13C置換同位体(ベンゼン環のCを13Cに置換したもの。質量数が+6ずれる。)を用いる場合は、201のピークのみが排ガス中のクロロフェノールピークと重なるのみなので、同位体については、203のピークに着目して測定し、排ガス中のトリクロロフェノールについては、195あるいは、197のピークについて測定して比較することにより、較正できる。
【0081】
較正用に用いる同位体はその質量数が,排ガス中に含まれる各成分の質量数と重なる場合、較正の際の誤差になるため(MS/MSにより、分別できる場合は問題ない)、別の同位体を用いるべきである。
【0082】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、質量分析を用いたオンラインモニタの較正手段として、イオン化効率の類似する物質、例えば希少同位体を一定濃度、標準物質として添加し、そのイオン量を測定することにより、多様な夾雑物質を含むガス中における測定対象物質の濃度を時々刻々補正しながら測定することができ、高精度な分析が可能である。
【0083】
また、これにより、特に一般廃棄物や産業廃棄物等を焼却した燃焼ガス、金属精錬プロセス等から排出されるガス、自動車等の排ガス、大気などに含まれるダイオキシンおよびその関連化合物を検出することにより、排ガスまたは大気中のダイオキシン類やダイオキシン前駆体類などの関連化合物の濃度を高精度にかつリアルタイムに計測でき、さらにモニタした結果を最適な燃焼制御に利用できる。さらに、副次的な効果として、較正用の標準試料ガスを流し続けるため、複雑なバルブ等の機構が必要なくなり、コストの低減が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す流路構成図。
【図2】図1の流路構成を示す外観図。
【図3】煙道を含めた図1の流路構成の全体外観略図。
【図4】本発明における標準試料発生器の例を示す図。
【図5】本発明における質量分析部の一例を示す断面図。
【図6】本発明の他の実施例を示す流路構成図。
【図7】本発明のさらに他の実施例を示す流路構成図。
【図8】本発明のさらに他の実施例を示す流路構成図。
【図9】本発明による測定結果を示す特性線図。
【図10】本発明における測定シーケンスの一例を説明するフロー図。
【図11】本発明における測定シーケンスの他の例を示すフロー図。
【図12】本発明におけるイオン源部の正負イオンの取込モードに関する説明図。
【図13】本発明による定量方法の一例を示す説明図。
【符号の説明】
1…質量分析モニタ、2…フィルタ、3…排ガス戻り配管、4…試料導入配管、5…針電極、6…試料導入ノズル、7…排ガス煙道、8…標準試料添加配管、9…制御用コンピュータ、10…出力画面、11…逆流型2段大気圧化学イオン源、12…質量分析器、13…窓、14…Heガス導入配管、15…圧力レギュレータ、16…バルブ、17…流量・温度制御パネル、18…空調器、19…Heボンベ、20…バルブ、21…バルブ、22…標準試料添加用ポンプ、23…逆流量調整用フローコントローラ、24…バイパス流量測定用フローメータ、25…排ガス導入配管、26…排ガス戻り配管、27…真空ポンプ、28…排ガス導入ポンプ、29…フィルタ、30…標準試料発生器、31…流量調整用コントローラ、32…イパス配管、33…フィルタ、34…圧力コントロールバルブ、35…圧力センサ、36…フランジ型電極、37…第1イオン取込細孔、38…第2イオン取込細孔、39…第3イオン取込細孔、40…ターボ分子ポンプ、41…収束レンズ、42…スリット付き電極、43…内筒電極、44…外筒電極、45…二重円筒型偏向器、46…ゲート電極、47a、b…エンドキャップ電極、48…リング電極、49a、b…つば電極、50a、b…絶縁リング、51…イオン取り出しレンズ、52…イオン検出器、53…標準試料容器、54…標準試料蒸気発生用穴、55…出口配管、56…入口配管、101…イオン蓄積区間、102…質量分離区間、103…残留イオン除去区間、201…ゲート電極によるイオン遮蔽区間、202…ゲート電極によるイオン透過区間、301…質量分析計の正イオン計測区間、302…質量分析計の負イオン計測区間、401…イオン源における正イオン生成区間、402…イオン源の負イオン生成区間、403…イオン生成停止区間、501…検出器における正イオン検出区間、502…検出器における負イオン検出区間、601…測定開始、602…MSスペクトルあるいはMS/MSスペクトル測定、603…測定対象物のイオン強度測定、604…標準試料のイオン強度測定、605…標準試料のイオン強度の確認、606…警告、607…メンテナンス、608…測定対象物の標準物質に対するイオン強度比の測定、609…測定対象物の濃度算出、610…次の測定開始、611…質量分析部の真空度の確認、612…各流量計の値の確認、613…配管温度の確認、614…モニタ内温度の確認、615…コロナ放電電流値の確認、616…全イオン量の強度の確認、617…警告、618…メンテナンス、619…MSスペクトルあるいはMS/MSスペクトル測定、620…測定対象物の標準物質に対するイオン強度比の測定および濃度算出、621…平均値との比較、622…警告、623…自動診断、624…キャリブレーション、625…次の測定開始、626…警報およびモニタ装置停止。

Claims (5)

  1. 測定対象ガスを含むサンプルガスをサンプリングする導入配管と、
    前記測定対象ガスとほぼ同じイオン化効率をもつ、標準物質より生成された既知濃度の標準物質ガスを前記導入配管の中の前記サンプルガスに連続的に添加する標準物質ガス添加手段と、
    前記標準物質ガスと前記サンプルガスを連続的に大気圧イオン源に導入する手段と、
    前記大気圧イオン源で前記標準物質ガスと前記測定対象ガスからそれぞれ生成されたイオンを質量分析する質量分析部と、
    前記標準物質ガスから生成したイオンに対する前記測定対象ガスから生成したイオンの強度比を計算し前記測定対象ガスの濃度を求めるデータ処理部とを有し、
    前記標準物質ガス添加手段は、前記標準物質の入る穴の開いた容器と、前記容器の入る前記標準物質ガスの発生器と、前記発生器の温度を制御する制御手段と、前記発生器内を通過するガスの流量を制御する制御手段とを有し、前記標準物質を一定の濃度で添加することを特徴とする試料分析用モニタ装置。
  2. 請求項1に記載の試料分析用モニタ装置において、前記データ処理部は、前記測定対象ガスの濃度をリアルタイムで求めることを特徴とする試料分析用モニタ装置。
  3. 請求項1に記載の試料分析用モニタ装置において、前記標準物質ガスは、前記測定対象ガスの安定で希少な同位体で置換した物質であることを特徴とする試料分析用モニタ装置。
  4. 請求項1に記載の試料分析用モニタ装置において、前記サンプルガスから粒子を除去するフィルタを前記導入配管に有し、前記標準物質ガスを前記フィルタの上流に添加することを特徴とする試料分析用モニタ装置。
  5. 測定対象ガスを含むサンプルガスをサンプリングする導入配管と、
    前記測定対象ガスとほぼ同じイオン化効率をもつ、標準物質より生成された既知濃度の標準物質ガスを前記導入配管の中の前記サンプルガスに連続的に添加する標準物質ガス添加手段と、
    前記標準物質ガスと前記サンプルガスを連続的に大気圧イオン源に導入する手段と、
    前記大気圧イオン源で前記標準物質ガスと前記測定対象ガスからそれぞれ生成されたイオンを質量分析する質量分析部と、
    前記標準物質ガスから生成したイオンに対する前記測定対象ガスから生成したイオンの強度比を計算し前記測定対象ガスの濃度をリアルタイムで求めるデータ処理部と、
    求められた前記測定対象ガスの濃度に基づいて前記燃焼炉の制御を行う手段とを有し、
    前記標準物質ガス添加手段は、前記標準物質の入る穴の開いた容器と、前記容器の入る前記標準物質ガスの発生器と、前記発生器の温度を制御する制御手段と、前記発生器内を通過するガスの流量を制御する制御手段とを有し、前記標準物質を一定の濃度で添加することを特徴とする燃焼制御システム。
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