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JP4104047B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、固定スクロールと旋回スクロールとを噛み合わせて双方間に圧縮空間を形成し、旋回スクロールの円軌道運動によって圧縮空間が例えば外周部から中心部に向け容積を小さくしながら移動するのを利用して流体の吸入、圧縮および吐出を繰り返し行うスクロール圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来のスクロール圧縮機は、一般に図14に示すような構成を備えている。この構成では固定スクロール1と旋回スクロール2とを噛み合わせて双方間に複数の圧縮空間3が形成されている。旋回スクロール2が、自転防止部材4で自転を防止される状態にて、旋回軸受7を介しクランク軸8の偏心部9にて駆動されて固定スクロール1に対し円軌道運動つまり旋回運動される。この旋回スクロール2の旋回運動によって圧縮空間3が外周側から渦巻きの中心部に向かって移動しながら容積を小さくすることで、吸入口から冷媒ガスなどを吸入して圧縮したのち、吐出口11を通じて密閉容器12の内部空間13に吐出する。ここにこのスクロール圧縮機は、上述の固定スクロール1および旋回スクロール2が主な構成要素となって圧縮機構部14が構成されている。
【0003】
上記圧縮機構部14の駆動機構は、密閉容器12の内側に固定されたステータ18とこのステータ18の内側に回転自在に支持されたロータ19からなる電動機17を備えている。ロータ19には上記クランク軸8が貫通状態で結合されており、クランク軸8の上端部分は軸受20を介して主軸受部材21に回転自在に支持されている。クランク軸8の先端部には、これに対して偏心運動を行う上記偏心部9を備えている。クランク軸8の下端部は、容積型ポンプ22を備え、密閉容器12に固定された支持部材24に玉軸受23を介して回転自在に支持されている。
【0004】
密閉容器12の下端部の液溜部25に貯留されているオイルなどの潤滑油(図示せず)は、容積型ポンプ22の駆動により、クランク軸8の中心部に軸方向に形成された液供給通路27から吸い上げられて旋回軸受7に対し潤滑および冷却を行い、偏心部9上方の液溜まり部28および液溜まり空間29を経て軸受20を循環したのち液溜部25に戻り、以降同様の経路を通って再循環される。一方、液溜まり部28に供給された潤滑油の一部は、旋回スクロール2の内部に設けられた長孔30を経由して絞り部31で減圧されながら背圧室32に供給される。背圧室32は、旋回スクロール2の旋回鏡板33と主軸受部材21の凹所34と固定スクロール1の上面部55とシール部材38とで囲まれた空間であって、旋回スクロール2の背部に位置し、旋回スクロール2を流体圧によって固定スクロール1側に押圧して固定スクロール1から引き離されないようにする背圧を働かせる。なお、シール部材38は吐出圧力に維持された高圧部である液溜まり空間29と背圧室32との間のシールを行う。
【0005】
また、上記背圧室32に供給された潤滑油は、上記自転防止部材4を潤滑している。この背圧室32は、旋回スクロール2が固定スクロール1から引き離されないだけの背圧を常に有している必要がある。しかし、この背圧が過剰になると、旋回スクロール2が固定スクロール1に強く押し付けられて、スクロール摺動部の異常磨耗や入力増加を招くことになる。このため背圧は常に一定に保つ必要がある。そこで、背圧室32に潤滑油が溜まるに従って上記背圧は上昇するが、設定値よりも上昇した場合に圧力調整機構39が作動して、背圧室32内の潤滑油が吸入通路40から圧縮空間3に導かれる。つまり背圧室32から逃がされる。これにより、上記背圧が常に一定値に維持される。圧縮空間3に導かれ、また逃がされた潤滑油は、圧縮中の冷媒ガスなどの漏れを防ぐシール機能と、且つ固定スクロール1と旋回スクロール2との接触面を潤滑する機能とを奏する。
【0006】
上記絞り部31は、図15に示すように、一部外周面にねじ部31aを有するピン状部材であって、絞り効果を発生させるための細孔31bが中心部に形成されている。これによって、図14の液溜まり部28の潤滑油は、絞り部31の細孔31bを通って流量を絞られるときの絞り効果によって減圧された後、太孔13cを経て適正量だけ背圧室32に供給されることになる。この潤滑油の適正量は、細孔31bの径の設定により調整されている。
【0007】
一方、従来の他のスクロール圧縮機としては、図16の断面図に示すような構成を備えたものが知られている(特開平7−77182号公報参照)。このスクロール圧縮機機は、背圧室背圧が一定値以上になったときに弁が開き過剰入力を圧縮機構部14の吸入側に逃がして圧縮機構部14での潤滑に供する差圧給油方式を採用している。すなわち、密閉容器12の下部の液溜部25の潤滑油41は、中間圧室42の圧力と吐出圧力との差圧により主軸受部材21、旋回軸受7およびその他の摺動箇所に供給される。中間圧室42は、旋回スクロール2の台板に圧縮空間3に通じる2つの中間孔(図示せず)を設けることにより、吸込圧力と吐出圧力の中間の圧力に保持されている。潤滑油41は、上記圧力差により、クランク軸8の液供給通路27、絞り部として作用する給油溝部43を通って旋回軸受7および主軸受部材21に供給される。さらに、中間圧室42に入り込んだ潤滑油41は、旋回スクロール2の中間圧孔や台板外周部より圧縮空間3に供給されたのちに、吐出口11から冷媒ガスと共に密閉容器12内の空間に放出される。
【0008】
図17および図18に示すように、圧縮機構部14の吸入通路44にその運転と運転停止とに対応して開閉される逆止弁45が設けられている。圧縮機が運転されると、外部サイクルからの冷媒ガスは吸入通路44に入り込み、逆止弁45は上記吸入ガス圧によって図17の位置から図18の位置まで押し下げられて、その上方に図16の圧縮空間3に連通する空間が形成される。それにより、吸入ガスは上記空間から圧縮空間3に吸入される。さらに、圧縮された冷媒ガスは、図16の吐出口11から密閉容器12の内部空間に吐出され、この吐出された高圧ガスは密閉容器12の上部空間から圧縮機構部の外周部に設けられた切欠きまたは連通孔を通り、電動機17などを収納する下部空間に供給される。このとき、冷媒ガスは、電動機17のステータ18を冷却し、さらに、電動機17などの空間を通過することで吐出口11から霧状となって吐出される潤滑油が分離され、高圧の冷媒ガスが吐出通路47から外部サイクルに戻される。
【0009】
圧縮機の運転が停止されると、逆止弁45は、圧縮空間3、密閉容器12および吐出通路47から外部サイクルに戻る途中にある高圧の冷媒ガスが吸入通路44より前段側へ逆流しようとする力と、逆止弁45の下段に設けられたスプリング48とにより、図18の位置から図17の位置に押し戻されて、シールカラー49の端面と逆止弁45の平面とで吸込み側との通路を閉鎖し、冷媒の逆流を防止するとともに、圧縮機下部の潤滑油41が摺動部への給油経路であるクランク軸8の液供給通路27、旋回軸受7、主軸受部材21、中間圧室42、中間圧孔および圧縮空間3などを通って圧縮機の外部へ持ち出されるのを防ぐ。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図14のスクロール圧縮機では、絞り部31による絞り効果を高めることを目的として、細孔31bの径を小さくしたり、細孔31bの長さを長くしたりすると、潤滑油中に混入している塵などによって細孔31bが閉塞し易くなり、圧縮機の性能低下を招く。しかも、細孔31bを小さな径や長い長さに設定すると、加工が難しくなって製造コストが高くつく。また、上記圧縮機では、液溜部25の潤滑油の供給を容積型ポンプ22を用いて行っているので、部品点数と組立工数の増加によってコスト高となる。
【0011】
一方、図16のスクロール圧縮機では、容積型ポンプを用いないことから、簡便な構造となってコストダウンを図れる利点はあるが、高信頼性を得ることを目的として逆止弁45を設けていて、この逆止弁におけるシール面での漏れが多いとガスが逆流し、その際に潤滑油が外部に持ち出されて潤滑するための潤滑油41が不足し、信頼性が低下するという問題が残存している。また、上記圧縮機では、通常運転時に逆止弁45がガスの吸入抵抗となり、性能が低下するという問題が残存している。
【0012】
そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたもので、簡単で低コストを図った構成としながらも、高効率および高信頼性を発揮するスクロール圧縮機を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明は、鏡板から羽根が立ち上がった固定スクロールと旋回スクロールとが噛み合わされて双方間に圧縮空間が形成され、前記旋回スクロールが前記固定スクロールに対し円軌道運動されることによって前記圧縮空間が移動しながら容積を小さくすることにより、流体の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部を備えたスクロール圧縮機において、前記旋回スクロールを駆動する軸の内部に形成され、吐出圧力に維持される液溜まり空間に圧縮機構部での潤滑油供給系統を介して通じた液供給通路と、前記液供給通路が液溜部側の軸外面に開口した連通孔と、前記液溜部において前記軸を軸受けする軸受体に前記液溜部に開口して設けられ、前記軸の回転に伴い前記連通孔と間欠的に連通する流入孔と、前記液溜まり空間に対し圧力的に遮断された状態で前記旋回スクロールの背部に設けられ、前記旋回スクロールを前記固定スクロール側に押圧する背圧を作用させる背圧室と、一端開口部が前記背圧室に連通する状態で前記旋回スクロールに設けられ、前記旋回スクロールの駆動によって他端開口部が前記液溜まり空間と間欠的に連通する絞り孔と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
このスクロール圧縮機では、軸の駆動で圧縮機構部が働き、液溜部の液が軸の内部の液供給通路を通じ圧縮機構部での潤滑油供給系統に供給された後吐出圧に維持される液溜まり空間に達し、ここからさらに絞り孔を通じ減圧されて背圧室に供給され旋回スクロールに対し背圧を働かせて固定スクロール側に押圧する。この際、液供給通路が液溜部に通じる部分にある連通孔と流通孔の組、および液溜まり空間と絞り孔の他端開口部の組、それぞれの前記軸の回転に伴う間欠的な連通によって潤滑油の供給量を調整するので、運転状況に応じた適正量の潤滑油を正確に供給するとともに背圧を適正範囲に維持することができ、高い効率を有するものとなる。また、絞り孔は細孔に形成しなくても前記液溜部から背圧室への液供給経路における2箇所での間欠的な連通状態の組み合わせによって潤滑油の供給量を必要な程度に抑制できるので、詰まりなどが生じることがなく、高い信頼性を得ることができるとともに、孔加工が困難にならないのでコストアップを招くことはない。また、逆止弁を設けなくても運転停止時の潤滑油の圧縮機構部外への持ち出しを防止できるので、信頼性がさらに向上する。また、通常運転時に逆止弁がガスの吸入抵抗となることがなく、高い効率を有するものとなる。
【0015】
上記発明において、前記軸および軸受体に、旋回スクロールの駆動によって個々に連通状態に合致するよう組み合わされた単数または複数組の連通孔および流入孔が形成されていることが好ましい。単数組、複数組いずれにおいても、前記液溜まり空間と絞り孔の他端開口との組における間欠的な連通との組み合わせによって、潤滑油の供給量の制御を細かく調整しやすく、複数組であるとさらに微調整しやすく正確な調整が容易に行える。
【0016】
第2の発明は、鏡板から羽根が立ち上がった固定スクロールと旋回スクロールとが噛み合わされて双方間に圧縮空間が形成され、前記旋回スクロールが前記固定スクロールに対し円軌道運動されることによって前記圧縮空間が移動しながら容積を小さくすることにより、流体の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部を備えたスクロール圧縮機において、前記旋回スクロールを駆動する軸の内部に形成され、吐出圧力に維持された液溜まり空間に圧縮機構部での潤滑油供給系統を介して通じた液供給通路と、前記液供給通路が液溜部側の軸外面に開口した連通孔と、前記液溜部において前記軸を軸受けする軸受体に前記液溜部に開口して設けられ、前記軸の回転に伴い前記連通孔と間欠的に連通する流入孔と、前記液溜まり空間に対し圧力的に遮断された状態で前記旋回スクロールの背部に設けられ、前記旋回スクロールを前記固定スクロール側に押圧する背圧を作用させる背圧室と、一端開口部が前記液溜まり空間に連通する状態で前記旋回スクロールに設けられ、前記旋回スクロールの駆動によって他端開口部が前記背圧室と間欠的に連通する絞り孔と、を備えたことを特徴としている。
【0017】
このスクロール圧縮機では、第1の発明において絞り孔および液溜まり空間相互の間欠的な連通によって背圧室への潤滑油の供給量を調整するのに対し、絞り孔および背圧室相互の間欠的な連通によって背圧室への潤滑油の供給量を調整する点が異なるだけで、第1の発明と同等の機能を得ることができ、第1の発明と同様の効果を得ることができる。
【0018】
上記発明において、前記軸および軸受体に、旋回スクロールの駆動によって個々に連通状態に合致するよう組み合わされた単数組または複数組の連通孔および流入孔が形成されていることが好ましい。これにより、単数組、複数組いずれにおいても、前記液溜まり空間と絞り孔の他端開口との組における間欠的な連通との組み合わせによって、潤滑油の供給量の制御を細かく調整しやすく、複数組であるとさらに微調整しやすく正確な調整が容易に行える。
【0019】
第3の発明は、鏡板から羽根が立ち上がった固定スクロールと旋回スクロールとが噛み合わされて双方間に圧縮空間が形成され、前記旋回スクロールが前記固定スクロールに対し円軌道運動されることによって前記圧縮空間が移動しながら容積を小さくすることにより、流体の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部を備えたスクロール圧縮機において、前記旋回スクロールを駆動する軸の内部に形成され、吐出圧力に維持された液溜まり空間に圧縮機構部での潤滑油供給系統を介して通じた液供給通路と、前記液供給通路が液溜部側の軸外面に開口した連通孔と、前記液溜部において前記軸を軸受けする軸受体に前記液溜部に開口して設けられ、前記軸の回転に伴い前記連通孔と間欠的に連通する流入孔と、前記液溜まり空間に対し圧力的に遮断された状態で前記旋回スクロールの背部に設けられ、前記旋回スクロールを前記固定スクロール側に押圧する背圧を作用させる背圧室と、前記背圧室側に常時通じるように開口するよう、前記固定スクロールに形成された凹所と、一端開口部が前記液溜まり空間に連通する状態で前記旋回スクロールに設けられ、前記旋回スクロールの駆動によって他端開口部が前記凹所と間欠的に連通する絞り孔と、を備えていることを特徴としている。
【0020】
このスクロール圧縮機では、第1の発明において絞り孔および液溜まり空間相互の間欠的な連通によって背圧室への潤滑油の供給量を調整するのに対し、絞り孔および凹所相互の間欠的な連通によって凹所を通じた背圧室への潤滑油の供給量を調整する点が異なるだけで、第1の発明と同等の機能を得ることができ、第1の発明と同様の効果を得ることができる。
【0021】
上記発明において、前記軸および軸受体に、旋回スクロールの駆動によって個々に連通状態に合致するよう組み合わされた単数組または複数組の連通孔および流入孔が形成されていることが好ましい。これにより、単数組、複数組いずれにおいても、前記液溜まり空間と絞り孔の他端開口との組における間欠的な連通との組み合わせによって、潤滑油の供給量の制御を細かく調整しやすく、複数組であるとさらに微調整しやすく正確な調整が容易に行える。
【0028】
の発明は、鏡板から羽根が立ち上がった固定スクロールと旋回スクロールとが噛み合わされて双方間に圧縮空間が形成され、前記旋回スクロールが前記固定スクロールに対し円軌道運動されることによって前記圧縮空間が移動しながら容積を小さくすることにより、流体の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部を備えたスクロール圧縮機において、前記旋回スクロールの背部に設けられ、前記旋回スクロールを前記固定スクロール側に押圧する背圧を作用させる背圧室と、前記旋回スクロールを駆動する軸の内部に形成され、吐出圧力と吸入圧力の間の圧力に維持された前記背圧室に絞り部と圧縮機構部での潤滑油供給系統とを介して通じた液供給通路と、前記液供給通路が液溜部側の軸外面に開口した連通孔と、前記液溜部において前記軸を軸受けする軸受体に設けられ、前記軸の回転に伴い前記連通孔と間欠的に連通する流入孔と、過剰圧を逃がして前記背圧を一定値に維持する圧力調整機構と、前記軸の回転に伴い前記背圧室と間欠的に連通する前記圧力調整機構の入口孔と、を備えたことを特徴とするスクロール圧縮機。
【0029】
このスクロール圧縮機では、第4の発明が絞り弁および液溜まり空間相互が間欠的に連通して背圧室への潤滑油の供給量を調整して背圧を調整するのに対し、圧力調整機構の入口孔および背圧室相互の間欠的な連通によって背圧室からの潤滑油の逃がし量を調整して背圧を調整する点が異なるだけで、第4の発明と同等の機能を奏することができ、また、背圧室への供給経路に絞り孔を特に設けなくてよいので、より低コストで第4の発明と同様の効果が得られる。もっとも、絞り孔を併用する構成としてもよいのは勿論である。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい幾つかの実施の形態について図1〜図13を参照しながら説明する。いずれの実施の形態も、空調、冷凍機器に用いられる密閉型のスクロール圧縮機に適用した場合を例示してある。したがって、取り扱う流体は冷媒であり、以下、冷媒として説明する。しかし、本発明はこれに限られるものではない。図には、これら実施の形態のスクロール圧縮機と図14、図16に示す従来のスクロール圧縮機との相違を明確にするために、図14および図16と同一若しくは機能的に同等のものには、同一の符号を付してある。
【0037】
先ず、本発明の1つの実施の形態に係るスクロール圧縮機の駆動方法につき、図1〜図13を参照しながら説明する。図1、図5、図6、図8、図11、図13に示すように固定鏡板37および旋回鏡板33から羽根50、51がそれぞれ立ち上がった固定スクロール1と旋回スクロール2との噛み合わせにて圧縮空間3を形成して圧縮機構部14を構成し、前記旋回スクロール2を前記固定スクロール1に対し円軌道運動させたときの前記圧縮空間3の例えば外周側から中央部への移動を伴う容積の変化により、吸入口10を通じた流体の吸入、圧縮および吐出口11を通じた吐出を行わせる。
【0038】
同時に、前記旋回スクロール2を一端側で駆動する軸の一例であるクランク軸8内を通じて、その他端側の液溜部25からそこに貯留されている液の一例であるオイルなどの潤滑油101を前記一端側の圧縮機構部14における潤滑油供給系統102に供給して圧縮機構部14の各種摺動部の潤滑を図る。また、この潤滑を図った後の潤滑油101は吐出圧に維持する液溜まり空間29を経て、あるいは経ないで、旋回スクロール2の背部に供給して、旋回スクロール2を固定スクロール1側に押圧する背圧を働かせて旋回スクロール2の安定な旋回と固定スクロール1からの逃げの防止を図る。
【0039】
このようなスクロール圧縮機の駆動状態において、特に、前記液溜部25からクランク軸8を通じ、かつ液溜まり空間29を経て、旋回スクロール2に背圧を作用させる背圧作用領域としての例えば背圧室32に至る、既述し、また既述していない全ての潤滑油101の供給経路100における2箇所でのクランク軸8の回転に伴う間欠的な連通によるか、または背圧室32の過剰な背圧、つまり潤滑油101を逃がして背圧を調整する圧力調整機構39が働くための潤滑油101の逃がし経路103の1箇所でのクランク軸8の回転に伴う間欠的な連通と供給経路100における1箇所でのクランク軸8の回転に伴う間欠的な連通とによるかして、前記背圧室32に対する潤滑油101の供給量またはおよび逃がし量を調整することにより前記背圧を所定の範囲に保ちながら駆動する。
【0040】
このように、圧縮機構部14における通常の吸入、圧縮、吐出を行わせるのに併せ、旋回スクロール2を一端側で駆動するクランク軸8を通じ圧縮機構部14に他端側の液溜部25に貯留されている潤滑油101を供給して潤滑するとともに、潤滑後の潤滑油101を吐出圧に維持される液溜まり空間29を経て旋回スクロール2の背部にある背圧室32に供給して旋回スクロール2を固定スクロール1側に押圧する背圧を働かせるので、旋回スクロール2を円滑かつ安定して固定スクロール1からの逃げなく旋回駆動することができる。
【0041】
特に、前記背圧を働かせる潤滑油101の供給量および逃がし量の一方の調整にて背圧を調整し、または、双方の調整によって背圧をより調整しやすくするのに併せ、背圧室32への供給経路100における2箇所での間欠的な連通、または背圧室32からの逃がし経路103における1箇所での間欠的な連通と前記供給経路100における1箇所でのクランク軸8の回転に伴う間欠的な連通にて、前記供給経路100またはおよび逃がし経路103を利用した2箇所での背圧室32に対する間欠的な液の供給またはおよび逃がしの組み合わせによって、背圧室32に対する液の供給量ないしは逃がし量のさらに細かく微量な調整がクランク軸8の回転に伴う正確な周期とタイミングを確保して行え、特別な駆動機構や制御機構なく、機種毎にまたはおよび運転状態毎に必要な背圧を適正に設定および維持して、スクロール圧縮機の性能および信頼性を向上することができる。
【0042】
前記背圧室32への潤滑油101の供給を、少なくともクランク軸8および旋回スクロール2を通じた供給経路100にて行い、前記間欠的な潤滑油101の供給ないしは逃がしを、前記液溜部25にてクランク軸8を軸受けする軸受体52とクランク軸8との間、前記旋回スクロール2と前記固定スクロール1またはクランク軸8の圧縮機構部14側を軸受けしかつ旋回スクロール2を反固定スクロール1側から支持する支持部材の一例である主軸受部材21のいずれか一方か双方との間、の各相対移動部の少なくとも1箇所での供給経路100の間欠的な連通により行うことができ、これによると、いずれも既設の機構および部材を利用して実現する。
【0043】
また、旋回スクロール2と固定スクロール1または主軸受部材21のいずれか一方か双方との間の供給経路100の間欠的な連通を、背圧室32に常時通じるように旋回スクロール2またはおよび主軸受部材21に形成された図6に示すような凹所60と、旋回スクロール2との間の供給経路100の間欠的な連通により行うと、凹所60の大きさや形状によって旋回スクロール2の円軌道運動に対する逃げ、つまり背圧室32への常時連通を確保しながら、旋回スクロール2側の供給経路100との間欠的な連通を図るための供給経路100の開口位置および大きさを設定するときの自由度を高められる。
【0044】
さらに、供給経路100の間欠的な連通が、前記相対移動部における少なくとも1箇所における供給経路100の図1に示す2つずつの流入孔53、54および連通孔57、58のような並列な複数の個所で独立して行われると、並列な複数箇所での独立した連通状態の組み合わせによって、液の供給状態をさらに細かく微調整しやすくなる。
【0045】
これら、凹所60および並列な複数箇所での連通状態による利点は、潤滑油101の逃がし経路103について適用しても同様な作用効果が得られる。
【0046】
次に、上記駆動方法を採用した幾つかの実施の形態に係るスクロール圧縮機につき説明する。図1〜図3に示す実施の形態に係るスクロール圧縮機は、図1に示すように固定鏡板37および旋回鏡板33から羽根50,51がそれぞれ立ち上がった形状の固定スクロール1と旋回スクロール2とを噛み合わせて、その固定スクロール1と旋回スクロール2の双方間に複数の圧縮空間3が形成されている。旋回スクロール2は、オルダムリングなどの自転防止部材4やメカニカルな自転防止機構などによって自転を防止され、例えば自身に嵌め付けた旋回軸受7を介してクランク軸8の偏心部9に取り付けられていることにより、固定スクロール1に対し円軌道運動つまり旋回運動される。上記圧縮空間3は、旋回スクロール2の旋回運動によって例えば外周側から渦巻きの中心部に向かって移動しながら容積が小さくなっていく。これにより、上記圧縮機では、吸入口10から冷媒ガスなどを吸入して圧縮したのち、吐出口11を通じて密閉容器12の内部空間13に吐出する。ここに、本実施の形態にかかるスクロール圧縮機は、上述の固定スクロール1および旋回スクロール2などで圧縮機構部14を構成している。
【0047】
上記圧縮機構部14の駆動機構は、密閉容器12の内側に固定されたステータ18とこのステータ18の内側に回転自在に支持されたロータ19からなる電動機17を備えている。ロータ19には上記クランク軸8が貫通状態で結合されており、クランク軸8の上端部分は軸受20を介して主軸受部材21に回転自在に支持されている。クランク軸8の先端部には、これに対して偏心運動を行う上記偏心部9を備えている。密閉容器12内の下端部には支持部材24が固定されており、上記クランク軸8の下端部は、上記支持部材24に保持された軸受体52によって回転自在に支持されている。
【0048】
図3(a),(b)に示すように軸受体52は、ほぼ円筒状であって、その筒心方向および周方向において共に離間した2か所に、周方向に沿った長孔状の流入孔53,54が並列に形成されている。一方、クランク軸8における軸受体52に支持されている箇所には、軸心方向において流入孔53,54と対向する2箇所に液供給通路27に連通する第1および第2の連通孔57,58が並列に穿孔されている。この第1および第2の連通孔57,58は、クランク軸8の1回転毎に流入孔53,54に1回合致して、合致した連通孔57,58および流入孔53,54を介して液供給通路27が液溜部25に連通する。
【0049】
密閉容器12の下端部の液溜部25に貯留されている潤滑油101は、密閉容器12の内部空間13と背圧室32との差圧により、上述の合致した連通孔57,58および流入孔53,54を通じて液供給通路27から吸い上げられて、軸受20に対する潤滑および冷却を行った後に、旋回軸受7に対する潤滑および冷却を行う。さらに、潤滑油101は、偏心部9上方の液溜まり部28から液溜まり空間29に入ったのちに、旋回鏡板33に形成された絞り孔59から長孔30を通って背圧室32に供給される。背圧室32は、旋回スクロール2の旋回鏡板33と主軸受部材21の凹所34と固定スクロール1の面55と環状のシール部材38とで囲まれた空間であって、旋回スクロール2の背部に位置して、旋回スクロール2を流体圧によって固定スクロール1から引き離されないように固定スクロール1に押圧する背圧を働かせる。なお、シール部材38は吐出圧力に維持された高圧部である液溜まり空間29と背圧室32との間のシールを行う。
【0050】
また、上記背圧室32に供給された潤滑油101は、上記自転防止部材4を潤滑している。この背圧室32の背圧は常に一定に保つ必要がある。しかし、背圧室32に潤滑油が溜まるに従って背圧が上昇する。そこで、その背圧が設定値よりも上昇した場合には、圧力調整機構39が作動して、背圧室32内の潤滑油101が吸入通路40から圧縮空間3に逃がされるようにしてあり、これによって、上記背圧を常に一定値に維持する。圧縮空間3に導かれた潤滑油は、圧縮中の冷媒ガスなどの漏れを防ぎ、且つ固定スクロール1と旋回スクロール2との接触面を潤滑する。
【0051】
旋回鏡板33を底面から見た場合の絞り孔59とシール部材38との作動時の関連を図2(a)〜(d)に示してある。図2において絞り孔59は、旋回スクロール2の90度毎の旋回位置(a)〜(d)から明らかなように、旋回スクロール2の旋回運動に伴って液溜まり空間29と背圧室32との間でシール部材38をまたいで円運動を行う。ここで、シール部材38が上述のように液溜まり空間29と背圧室32との間をシールしている関係から、供給経路100の一部である絞り孔59は液溜まり空間29と背圧室32との間をシール部材38をまたいで行き来しながら円運動を行うことになる。このようにするために、長孔30は旋回スクロール2の外周部から液溜まり空間29に対応する内周側途中位置まで穿たれ、この内周側途中位置から液溜まり空間29に達する絞り孔59が形成され、双方が鉤型に連続している。もっとも、実質的に同様な作用が可能な範囲においてどのような具体的構成とされてもよい。例えば、絞り孔59は旋回鏡板33の背面に直接開口しているが、これに限らず液溜まり空間29から背圧室32に至る長孔30の途中、あるいは旋回鏡板33の外周面など背圧室32に直接開口する位置にあってもよい。
【0052】
絞り孔59が液溜まり空間29に臨んでいるときだけ液溜まり空間29が背圧室32に間欠的に連通して、液溜まり空間29の潤滑油101が絞り孔59および長孔30を通って背圧室32に供給される。一方、絞り孔59がシール部材38または背圧室32に臨んでいるときには前記連通が間欠的に遮断されて、潤滑油が背圧室32に供給されない。したがって、絞り孔59が1回転中の液溜まり空間29に臨んでいる時間的割合を変更すれば、背圧室32への潤滑油101の供給量を調整することができる。
【0053】
この実施の形態の絞り孔59は、形成位置の設定により円運動するときの軌跡の径を種々に変更することにより、液溜まり空間29に臨んでいる時間的割合を調整できるので、従来のように径を小さく、また長さを長くしたりする場合のような不具合が生じない。
【0054】
一方、図3に示すように、クランク軸8の第1および第2の連通孔57,58は、クランク軸8の回転に伴って、軸受体52の流入孔53,54に間欠的に合致したときに液溜部25に連通する。ここで、軸方向の同一線上に設けられた2つの連通孔57,58が流入孔53,54に連通している時間的割合は、流入孔53,54の周方向に沿った長さおよび形成位置を変更することにより個々に所定の値に設定することができ、それにより、液供給通路27への潤滑油の流入量を適正値に設定することができる。
【0055】
つぎに、絞り孔59の位置と軸受体52の2つの流入孔53,54およびクランク軸8の2つの連通孔57,58との関連について、図4の説明図を参照しながら説明する。いま、絞り孔59が液溜まり空間29に臨んでいる状態を間欠的な連通区間、絞り孔59がシール部材38または背圧室32の何れかに臨んでいる状態を間欠的な閉止区間とする。また、連通孔57,58が流入孔53,54に合致している状態を間欠的な連通区間、連通孔57,58が流入孔53,54に合致していない状態を間欠的な閉止区間とする。クランク軸8が1回転する間には、上述の連通区間と閉止区間との組み合わせによって図4に示す第1ないし第3のモードが生じる。
【0056】
第1のモードでは、流入孔53、第1の連通孔57、液供給通路27および絞り孔59を介して液溜部25が液溜まり空間29に連通しているので、液溜まり空間29と背圧室32との差圧により、液溜部25の潤滑油が潤滑油供給系に供給される。第2のモードでは、液溜まり空間29が背圧室32に連通しているので、液供給通路27および液溜まり空間29を含む潤滑油供給系の空間圧力は、背圧室32の背圧と同じになるまで減圧される。この減圧過程では、潤滑油供給系内で潤滑油に溶け込んでいる冷媒が発泡し、冷媒ガスおよび潤滑油が絞り孔59を通って背圧室32に供給される。
【0057】
第3のモードでは、第2のモードにおいて減圧された液供給通路27および液溜まり空間29を含む潤滑油供給系統102の空間内に流入孔54および第2の連通孔58を通じて潤滑油101が供給される。したがって、この実施の形態のスクロール圧縮機では、クランク軸8が1回転する間における第1ないし第3の各モードの割合を設定することにより、潤滑油101を適正量に容易、且つ正確に調整して供給することができる。
【0058】
つぎに、圧縮機が運転状態から停止したときの状態について説明する。クランク軸8が第1のモードで運転停止した場合には、液溜部25の潤滑油101が流入孔53および第1の連通孔57から液供給通路27を介して絞り孔59に供給され、さらに吸入通路40などを通って圧縮機の外部に持ち出される。ところが、潤滑油101が持ち出されるのに伴って液溜部25の潤滑油101の液面が上方の流入孔53以下まで低下すると、内部空間13の冷媒ガスが流入孔53および第1の連通孔57から液供給通路27内に流入する。これにより、潤滑油101はそれ以上に圧縮機の外部に持ち出されなくなり、液溜部25の液面を下方の流入孔54との間の位置に確保できる。このように、このスクロール圧縮機では、逆止弁を用いることなく潤滑油101の圧縮機外部への持ち出しを防止できる。
【0059】
また、クランク軸8が第2のモードで運転停止した場合には、両流入孔53,54が共に閉止されているので、液溜部25の潤滑油101が潤滑油供給系統102にそれ以上供給されず、液溜部25の液面は運転停止時の状態に維持される。また、クランク軸8が第3のモードで運転停止した場合には、絞り孔59が閉止されているので、液溜部25の潤滑油101が潤滑油供給系統102にそれ以上供給されず、液溜部25の液面は運転停止時の状態に維持される。
【0060】
一方、クランク軸8が第1のモードで運転停止した場合には、液溜部25の液面が上方の流入孔53より下で、且つ下方の流入孔54より上であるから、つぎに運転が再開されたときの第1ないし第3のモードの給油状態が変化する。すなわち、第1のモードでは、内部空間13と背圧室32の差圧により、内部空間13から流入孔53および第1の連通孔57を通って液供給通路27内に流入する冷媒ガスは、潤滑油供給系統102の空間内に存在する潤滑油101と共に供給される。第2のモードでは、液供給通路27及び液溜まり空間29を含む潤滑油供給系統102の内部の圧力は、背圧室32の背圧と同じになるまで減圧される。この減圧過程では、潤滑油供給系統102内で潤滑油101に溶け込んでいる冷媒が発泡し、冷媒ガスおよび潤滑油101が絞り孔59を通って背圧室32に供給される。
【0061】
第3のモードでは、第2のモードにおいて減圧された液供給通路27および液溜まり空間29を含む潤滑油供給系統102の空間内に流入孔54および第2の連通孔58を通じて潤滑油が供給される。したがって、この実施の形態のスクロール圧縮機では、クランク軸8が1回転する間における第1ないし第3の各モードの割合を設定することにより、潤滑油を適正量に調整して供給できる。
【0062】
図5に示す本発明の別の実施の形態に係るスクロール圧縮機につき説明する。。しかし、図1に示すスクロール圧縮機と同一若しくは同等の部材などには同一の符号を付して、重複する説明は省略する。この実施の形態のスクロール圧縮機は、図1の実施の形態において、絞り孔59が液溜まり空間29に間欠的に連通し、長孔30を通って背圧室32に潤滑油を供給するのに対して、絞り孔59が液溜まり空間29と実質的に変わりのない液溜まり部28に長孔30を介して連通し、背圧室32には間欠的に直接連通してこの背圧室32との連通時のみ背圧室32に潤滑油101を供給するようになっている。
【0063】
このようにするために、旋回スクロール2を液溜まり部28から外周まで半径方向に貫通するように長孔30が一端形成され、この長孔30の液溜まり空間29に対応する途中の位置から液溜まり空間29に達する絞り孔59が形成され、長孔30の絞り孔59に繋がる部分から背圧室32側に通じる部分をプラグ104によって塞いである。もっとも、実質的に同様な作用が得られればどのような具体的構成にされてもよい。例えば、長孔30は背圧室32に通じない位置条件を満足して液溜まり空間29に連通しているようにしてもよい。この場合も絞り孔59は液溜まり部28ないしは液溜まり空間29から背圧室32に至る長孔30の途中位置や液溜まり部28ないしは液溜まり空間29に開口する位置などに設けてもよい。
【0064】
既述した図2(a)〜(d)を参照して本実施の形態での絞り孔59の作動について説明する。絞り孔59は(a)〜(d)に示すように図1の実施の形態の場合と同様に旋回スクロール2の円軌道運動により、液溜まり空間29と背圧室32との間でシール部材38をまたぎながら円運動を行い、背圧室32に間欠的に連通する。しかし、本実施の形態では絞り孔59がシール部材38または液溜まり空間29に臨んでいるときには背圧室32に通じないので、潤滑油101が背圧室32に供給されない。一方、絞り孔59が背圧室32に臨んでいるときには、液溜まり部28の潤滑油101が、液溜まり空間29を経ないで長孔30および絞り孔59を通って背圧室32に供給される。また、図1の実施の形態では潤滑油101は絞り孔59を下方から上方に通過するのに対し、本実施の形態ではその逆に、絞り孔59を上方から下方に抜けるようになっている。
【0065】
以上において、絞り孔59が背圧室32に臨んでいる時間的割合を変更すれば、背圧室32への潤滑油の供給量を調整することができる。この場合、絞り孔59は、形成位置の設定により円運動するときの軌跡の径を種々に変更することにより、背圧室32に臨んでいる時間的割合を調整できるので、従来のように径を小さく、また長さを長くしたりする場合のような不具合が生じない。
【0066】
また、絞り孔59が背圧室32に臨んでいる時間的割合と連通孔57,58が流入孔53,54に連通する区間との組み合わせによる動作は、図1の実施の形態で説明した通りであり、それにより、図1の実施の形態で説明したと同様の効果を得ることができる。
【0067】
図6に示す他の実施の形態に係るスクロール圧縮機について説明する。しかし、図1の実施の形態と同一若しくは同等のものには同一の符号を付して重複する説明は省略する。この実施の形態のスクロール圧縮機は、図5の実施の形態の絞り孔59に代えて、固定鏡板37に形成されて背圧室32に常時連通する凹所60と、旋回鏡板33に形成されて一端側が長孔30によって液溜まり部28に連通し、他端側が前記凹所60に間欠的に連通する絞り孔61とを設けてある。
【0068】
このために、凹所60は固定鏡板37の旋回鏡板33の外周部に対応して、旋回スクロール2の最大旋回半径外から最小旋回半径外の所定位置まで臨むように設けられ、絞り孔61の開口は旋回スクロール2の円軌道運動中の所定のタイミングで所定の間だけ凹所60に臨む位置、つまり連通する位置にあるように設けられている。また、絞り孔61は長孔30により液溜まり部28に連通している。長孔30は旋回鏡板33の液溜まり部28から外周に貫通して設けられ、途中が絞り孔61に鉤型をなして繋がっている。長孔30の背圧室32への開口はプラグ104によって塞がれている。この場合も、長孔30は背圧室32に通じない位置条件を満足して液溜まり空間29に連通しているようにしてもよい。また、絞り孔61は液溜まり部28から凹所60に達するようにした長孔30の途中や液溜まり部28に開口する位置にあってもよい。
【0069】
また、図1、図5の実施の形態の潤滑油供給系統102は軸受20を経た潤滑油101は液溜まり部28に至って後、旋回軸受7を通って液溜まり空間29に達するようにしたのに対し、本実施の形態での潤滑油供給系統102では、軸受20を経た潤滑油101は液溜まり空間29に抜け、ここから旋回軸受7を通って液溜まり部28に至るようにしてある。
【0070】
旋回鏡板33を底面から見た場合の凹所60と絞り孔61との作動時の関連を図7(a)〜(d)に示してある。図7において絞り孔61は、(a)ないし(d)の位置から明らかなように、旋回スクロール2の旋回運動に伴って、固定スクロール1の旋回スクロール2と対向し凹所60が設けられた面55とその凹所60とにそれぞれ交互に間欠的に臨むように円運動を行う。絞り孔61が凹所60に臨んでいるときには、液溜まり部28の潤滑油が長孔30および絞り孔61を通って凹所60から背圧室32に供給される。一方、絞り孔61が面55に臨んでいるときには、絞り孔61が上面部55に閉塞されて潤滑油が供給されない。したがって、このスクロール圧縮機では、クランク軸8が1回転する間における絞り孔61が凹所60に臨んでいる時間的割合を適当に設定することにより、背圧室32への潤滑油の供給量を適正に設定することができる。
【0071】
また、絞り孔61が凹所60に臨んでいる時間的割合と連通孔57,58が流入孔53,54に連通する区間との組み合わせによる動作は、図1の実施の形態で説明した通りであり、それにより、図1の実施の形態で説明したと同様の効果を得ることができる。なお、凹所60は図7に示すような円形に限らない。
【0072】
図8、図9に示す実施の形態に係るスクロール圧縮機について説明する。しかし、図1の実施の形態と同一若しくは同等の部材などには同一の符号を付して、重複する説明は省略する。図1の実施の形態では、軸受体52とクランク軸8にそれぞれ2つずつの流入孔53,54および連通孔57,58を並列に設けたのに対し、本実施の形態では軸受体52とクランク軸8にそれぞれ単一の流入孔62および連通孔63を設けている。
【0073】
つぎに、絞り孔59の位置と軸受体52の流入孔62およびクランク軸8の連通孔63との相対位置との関連について、図10の説明図を参照しながら説明する。いま、連通孔63が液溜まり空間29に臨んでいる状態を間欠的な連通区間、連通孔63がシール部材38または背圧室32の何れかに臨んでいる状態を間欠的な閉止区間とする。また、連通孔63が流入孔62に合致している状態を間欠的な連通区間、連通孔63が流入孔62に合致していない状態を間欠的な閉止区間とする。クランク軸8が1回転する間には、上述の連通区間と閉止区間との組み合わせによって図10に示す第1および第2のモードが生じる。
【0074】
第1のモードでは、連通孔63が閉止され、且つ絞り孔59が液溜まり空間29に連通しているので、液供給通路27および液溜まり空間29を含む潤滑油供給系統102の空間圧力は、背圧室32の背圧と同じになるまで減圧される。この減圧過程では、潤滑油供給系統102内で潤滑油101に溶け込んでいる冷媒が発泡し、冷媒ガスおよび潤滑油101が絞り孔59を通って背圧室32に供給される。
【0075】
第2のモードでは、第1のモードにおいて減圧された液供給通路27および高圧な液溜まり空間29を含む潤滑油供給系統102の空間内に流入孔62および連通孔63を通じて潤滑油101が供給される。したがって、この実施の形態のスクロール圧縮機では、クランク軸8が1回転する間における第1および第2の各モードの割合を設定することにより、潤滑油101を適正量に調整して供給することができる。
【0076】
つぎに、圧縮機が運転状態から停止したときの状態について説明する。クランク軸8が第1のモードで運転停止した場合には、連通孔63が閉止されているので、液溜部25の潤滑油101が潤滑油供給系統102に供給されず、液溜部25の液面は運転停止時の状態に維持される。また、クランク軸8が第2のモードで運転停止した場合には、絞り孔59が閉止されているので、液溜部25の潤滑油101が潤滑油供給系統102に供給されず、液溜部25の液面は運転停止時の状態に維持される。
【0077】
このスクロール圧縮機では、図1の実施の形態に比較して潤滑油101の供給量の調整が若干大まかになるが、クランク軸8が1回転する間における第1および第2の各モードの時間的割合を適当に設定することにより、潤滑油101を適正量に調整して供給することができる。
【0078】
なお、絞り孔59が液溜まり空間29に間欠的に連通し、長孔30を通って背圧室32に潤滑油を供給するのに代えて、図5の実施の形態で示した絞り孔59が背圧室32に間欠的に連通し、長孔30を通って背圧室32に潤滑油を供給する構成を用いても、本実施の形態と同様の効果を得ることができるのは勿論である。
【0079】
なお、絞り孔59が液溜まり空間29に間欠的に連通し、長孔30を通って背圧室32に潤滑油101を供給するのに代えて、図6の実施の形態で示した凹所60と絞り孔61とを設ける構成とを組み合わせても、本実施の形態と同様の効果を得ることができるのは勿論である。
【0080】
図11に示す実施の形態に係るスクロール圧縮機につき説明する。しかし、図8の実施の形態と同一若しくは同等の部材などには同一の符号を付して、重複する説明は省略する。本実施の形態のスクロール圧縮機は、図8の実施の形態では軸受体52とクランク軸8にそれぞれ単一の流入孔62および連通孔63を設け、また圧力調整機構39の入口孔64が背圧室32に連通状態で設けたのに対し、連通孔63が液溜部25に直接、常時連通する状態で設け、また圧力調整機構39の潤滑油101に対する逃がし経路103において、クランク軸8の回転に伴い背圧室32と間欠的に連通する入口孔64を設けている。
【0081】
また、本実施の形態の潤滑油供給系統102は、クランク軸8内の液供給通路27から軸受20および液溜まり部28に分流させて供給し、軸受20を潤滑して通り抜けた潤滑油101はそのまま液溜まり空間29に入り、液溜まり部28に入った潤滑油101は旋回軸受7を通ってそれを潤滑した後に液溜まり空間29に至るようにしてある。
【0082】
図12(a)〜(d)に、スクロール圧縮機における旋回鏡板33を底面から見た場合の旋回鏡板33と入口孔64との作動時での関連を示してある。図12において入口孔64は、(a)〜(d)の各位置から明らかなように、旋回スクロール2の旋回運動に伴って旋回鏡板33から背圧室32に間欠的に連通する。入口孔64が背圧室32に臨んでいるときには、背圧室32の潤滑油101が入口孔64および圧力調整機構39を通って吸入通路40から圧縮空間3の吸入領域に逃がされる。これによって背圧の過剰が解消し、かつ固定スクロール1と旋回スクロール2との摺動部に潤滑油101が供給される。一方、入口孔64が旋回鏡板33によって閉塞されているときには潤滑油101は逃がされず前記摺動部に供給されない。したがって、このスクロール圧縮機では、クランク軸8が1回転する間における入口孔64が背圧室32に臨んでいる時間的割合を適当に設定することにより、圧縮空間3への潤滑油の供給量を適正に設定することができる。
【0083】
また、圧縮機構部14の入口孔64が背圧室32の連通する時間的割合と絞り孔59が背圧室32に臨んでいる時間的割合との組み合わせによる動作は、図8の実施の形態で説明した通りであり、それにより、図8の実施の形態で説明したと同様の効果を得ることができる。
【0084】
なお、絞り孔59が液溜まり空間29に間欠的に連通し、長孔30を通って背圧室32に潤滑油101を供給するのに代えて、図5の実施の形態で示した絞り孔59が背圧室32に間欠的に連通し、長孔30を通って背圧室32に潤滑油101を供給する構成を用いても、本実施の形態と同様の効果を得ることができるのは勿論である。
【0085】
なお、絞り孔59が液溜まり空間29に間欠的に連通し、長孔30を通って背圧室32に潤滑油を供給するのに代えて、図6の実施の形態で示した凹所60と絞り孔61とを設ける構成とを組み合わせても、本実施の形態と同様の効果を得ることができるのは勿論である。
【0086】
図13に示す実施の形態に係るスクロール圧縮機につき説明する。しかし、図11の実施の形態と同一若しくは同等の部材などには同一の符号を付して、重複する説明は省略する。図11の実施の形態では連通孔63が液溜部25に直接、常時連通し、絞り孔59が液溜まり空間29に間欠的に連通し、長孔30を通って背圧室32に潤滑油101を供給するのに対して、本実施の形態のスクロール圧縮機では、軸受体52とクランク軸8にそれぞれ単一の流入孔62および連通孔63を設けてクランク軸8の回転に伴い間欠的に連通し合い、また背圧室32とクランク軸8内の液供給通路27とが潤滑油供給系統102および絞り部65を介して常時連通し合うようにしてある。
【0087】
絞り部65は潤滑油供給系統102を利用してその途中ないしは端部に形成されている。具体的には軸受20を滑り軸受としてこれによって形成されるクランク軸8と軸受20との間の隙間を利用して形成している。また滑り軸受とした旋回軸受7での同様な隙間を利用することもできるし、両軸受20、7の双方で2段階に絞ることもできる。勿論、軸受部以外の部分間の隙間を利用してもよい。これにより、液溜まり空間29は絞り部65を経た減圧後の潤滑油101が供給されるので、背圧室32との間に圧力差を設定しなくてよく、あるいは旋回スクロール2と主軸受部材21との摺動部での絞り効果を併用する程度で背圧室32に必要な減圧状態が得られる。従って、液溜まり空間29と背圧室32との間のシール部材は省略してある。本実施の形態では液溜まり部28、液溜まり空間29、背圧室32のそれぞれ絞り部65で設定される減圧効果によってはほぼ同じ圧力となって、それぞれが背圧作用を営む。
【0088】
また、圧力調整機構39の入口孔64が背圧室32と間欠的に連通する時間的割合と連通孔63が流入孔62に間欠的に合致して連通している時間的割合との組み合わせによる動作は、図8の実施の形態で説明した通りであり、それにより、図8の実施の形態で説明したと同様の効果を得ることができる。また、絞り部65を潤滑油供給系統102に設けることによって、他の実施の形態におけるような絞り孔59およびシール部材38を設けなくてもよいので、より低コストで図8の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0089】
【発明の効果】
以上のように、本発明のスクロール圧縮機によれば、背圧室への液の供給経路および背圧室からの過剰液の逃がし経路の少なくとも一方を用いて得た2箇所での間欠的な連通状態の組み合わせによって、背圧室に供給される、または供給された潤滑油の量を調整して機種や運転状態に応じた各種の範囲の背圧を容易に設定することができ、しかも、前記間欠的な連通は旋回スクロールを駆動する軸の回転に伴う正確なタイミングおよび周期で繰り返しなされるので、機種およびその時々の運転状況に応じた適正量の潤滑油を供給することができ、高い効率を有したものとなる。
【0090】
また、絞り孔を用いるにも細孔に形成しなくても流入孔と連通孔との組み合わせによって潤滑油の供給量を必要に応じて抑制できるので、詰まりなどが生じることがなく、高い信頼性を得ることができるとともに、簡単な孔加工でよいことからコストアップを招くことがない。また、逆止弁を設けなくても運転停止時の潤滑油の圧縮機外部への持ち出しを防止できるので、信頼性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態に係るスクロール圧縮機を示す断面図。
【図2】図1のスクロール圧縮機における旋回鏡板を底面から見た場合の絞り孔とシール部材との作動時での関連を、(a)〜(d)で旋回スクロールの90度毎の旋回位置にて示す動作説明図。
【図3】図1のスクロール圧縮機における軸受体とクランク軸の下端部との関連構成を、(a),(b)にて分解状態および組み合わせ状態で示す斜視図。
【図4】図1のスクロール圧縮機における絞り孔の位置と軸受体の2つの流入孔およびクランク軸の2つの連通孔との関連を示す説明図。
【図5】本発明の別の実施の形態に係るスクロール圧縮機を示す断面図。
【図6】本発明の他の実施の形態に係るスクロール圧縮機を示す断面図。
【図7】図6のスクロール圧縮機における旋回鏡板を底面から見た場合の絞り孔と凹所との作動時での関連を、(a)〜(d)で旋回スクロールの90度毎の旋回位置にて示す動作説明図。
【図8】本発明の今1つの実施の形態に係るスクロール圧縮機を示す断面図。
【図9】図8のスクロール圧縮機における軸受体とクランク軸の下端部との関連構成を(a),(b)にて分解状態および組み合わせ状態で示す斜視図。
【図10】図8のスクロール圧縮機における絞り孔の位置と軸受体のクランク軸の連通孔との関連を示す説明図。
【図11】本発明のさらに別の実施の形態に係るスクロール圧縮機を示す断面図。
【図12】図11のスクロール圧縮機における旋回鏡板を底面から見た場合の入口孔と旋回鏡板との作動時での関連を、(a)〜(d)で旋回スクロールの90度毎の旋回位置にて示す動作説明図。
【図13】本発明のさらに他の実施の形態に係るスクロール圧縮機を示す断面図。
【図14】従来のスクロール圧縮機を示す断面図。
【図15】図14のスクロール圧縮機における絞り部を示す拡大断面図。
【図16】従来の他のスクロール圧縮機を示す断面図。
【図17】図16のスクロール圧縮機における逆止弁の停止時の拡大断面図。
【図18】図16のスクロール圧縮機における逆止弁の運転時の拡大断面図。
【符号の説明】
1 固定スクロール
2 旋回スクロール
3 圧縮空間
8 クランク軸
14 圧縮機構部
25 液溜部
27 液供給通路
29 液溜まり空間
32 背圧室
33 旋回鏡板
37 固定鏡板
38 シール部材
50 固定羽根
51 旋回羽根
52 軸受体
57,58,63 連通孔
53,54,62 流入孔
59,61 絞り孔
60 凹所
64 入口孔
65 絞り部
100 液の供給経路
101 潤滑油
102 潤滑油供給系統
103 液の逃がし経路

Claims (6)

  1. 鏡板から羽根が立ち上がった固定スクロールと旋回スクロールとが噛み合わされて双方間に圧縮空間が形成され、前記旋回スクロールが前記固定スクロールに対し円軌道運動されることによって前記圧縮空間が移動しながら容積を小さくすることにより、流体の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部を備えたスクロール圧縮機において、
    前記旋回スクロールを駆動する軸の内部に形成され、吐出圧力に維持される液溜まり空間に圧縮機構部での潤滑油供給系統を介して通じた液供給通路と、
    前記液供給通路が液溜部側の軸外面に開口した連通孔と、
    前記液溜部において前記軸を軸受けする軸受体に前記液溜部に開口して設けられ、前記軸の回転に伴い前記連通孔と間欠的に連通する流入孔と、
    前記液溜まり空間に対し圧力的に遮断された状態で前記旋回スクロールの背部に設けられ、前記旋回スクロールを前記固定スクロール側に押圧する背圧を作用させる背圧室と、
    一端開口部が前記背圧室に連通する状態で前記旋回スクロールに設けられ、前記旋回スクロールの駆動によって他端開口部が前記液溜まり空間と間欠的に連通する絞り孔と、
    を備えたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 鏡板から羽根が立ち上がった固定スクロールと旋回スクロールとが噛み合わされて双方間に圧縮空間が形成され、前記旋回スクロールが前記固定スクロールに対し円軌道運動されることによって前記圧縮空間が移動しながら容積を小さくすることにより、流体の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部を備えたスクロール圧縮機において、
    前記旋回スクロールを駆動する軸の内部に形成され、吐出圧力に維持された液溜まり空間に圧縮機構部での潤滑油供給系統を介して通じた液供給通路と、
    前記液供給通路が液溜部側の軸外面に開口した連通孔と、
    前記液溜部において前記軸を軸受けする軸受体に前記液溜部に開口して設けられ、前記軸の回転に伴い前記連通孔と間欠的に連通する流入孔と、
    前記液溜まり空間に対し圧力的に遮断された状態で前記旋回スクロールの背部に設けられ、前記旋回スクロールを前記固定スクロール側に押圧する背圧を作用させる背圧室と、
    一端開口部が前記液溜まり空間に連通する状態で前記旋回スクロールに設けられ、前記旋回スクロールの駆動によって他端開口部が前記背圧室と間欠的に連通する絞り孔と、
    を備えたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 前記軸および軸受体に、旋回スクロールの駆動によって個々に連通状態に合致するよう組み合わされた単数または複数組の連通孔および流入孔が形成されている請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 鏡板から羽根が立ち上がった固定スクロールと旋回スクロールとが噛み合わされて双方間に圧縮空間が形成され、前記旋回スクロールが前記固定スクロールに対し円軌道運動されることによって前記圧縮空間が移動しながら容積を小さくすることにより、流体の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部を備えたスクロール圧縮機において、
    前記旋回スクロールを駆動する軸の内部に形成され、吐出圧力に維持された液溜まり空間に圧縮機構部での潤滑油供給系統を介して通じた液供給通路と、
    前記液供給通路が液溜部側の軸外面に開口した連通孔と、
    前記液溜部において前記軸を軸受けする軸受体に前記液溜部に開口して設けられ、前記軸の回転に伴い前記連通孔と間欠的に連通する流入孔と、
    前記液溜まり空間に対し圧力的に遮断された状態で前記旋回スクロールの背部に設けられ、前記旋回スクロールを前記固定スクロール側に押圧する背圧を作用させる背圧室と、
    前記背圧室側に常時通じるように開口するよう、前記固定スクロールに形成された凹所と、
    一端開口部が前記液溜まり空間に連通する状態で前記旋回スクロールに設けられ、前記旋回スクロールの駆動によって他端開口部が前記凹所と間欠的に連通する絞り孔と、
    を備えたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  5. 前記軸および軸受体に、旋回スクロールの駆動によって個々に連通状態に合致するよう組み合わされた単数または複数組の連通孔および流入孔が形成されている請求項に記載のスクロール圧縮機。
  6. 鏡板から羽根が立ち上がった固定スクロールと旋回スクロールとが噛み合わされて双方間に圧縮空間が形成され、前記旋回スクロールが前記固定スクロールに対し円軌道運動されることによって前記圧縮空間が移動しながら容積を小さくすることにより、流体の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部を備えたスクロール圧縮機において、
    前記旋回スクロールの背部に設けられ、前記旋回スクロールを前記固定スクロール側に押圧する背圧を作用させる背圧室と、
    前記旋回スクロールを駆動する軸の内部に形成され、吐出圧力と吸入圧力の間の圧力に維持された前記背圧室に絞り部と圧縮機構部での潤滑油供給系統とを介して通じた液供給通路と、
    前記液供給通路が液溜部側の軸外面に開口した連通孔と、
    前記液溜部において前記軸を軸受けする軸受体に設けられ、前記軸の回転に伴い前記連通孔と間欠的に連通する流入孔と、
    過剰圧を逃がして前記背圧を一定値に維持する圧力調整機構と、
    前記軸の回転に伴い前記背圧室と間欠的に連通する前記圧力調整機構の入口孔と、
    を備えたことを特徴とするスクロール圧縮機。
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