JP4091749B2 - 磁気特性の優れた方向性電磁鋼板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザビームの照射により磁気特性を改善した方向性電磁鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、方向性電磁鋼板の製造方法において、鋼板表面にグラス皮膜を形成し、更に絶縁コーティングを施した後に鋼板表面に力学的応力歪みを導入し、局所的還流磁区を形成することで180 °磁区を細分化し、鉄損を減少させる方法が種々提案されてきた。中でも特開昭55-18566号公報に開示されるように、鋼板の表面にパルスYAG レーザビームを集光照射して、被照射部での皮膜の蒸発反力により歪みを導入する方法は、鉄損改善効果が大きく、且つ非接触加工であることから信頼性・制御性も高い優れた方向性電磁鋼板の製造法である。
【0003】
この手法では鋼板表面の絶縁皮膜が破壊され、地鉄が露出したレーザ照射痕が発生する。従って、レーザ照射の後に錆防止と絶縁のためのコーティングを再度行わなければならない。そこで更に進んだ方法として、皮膜の損傷を抑えて歪みを導入する技術が種々考案され、米国特許第4,645,547号公報、特公昭62-49322号公報、特公平5-32881号公報、特開平10-204533号公報等に開示されている。また、レーザ照射方法としては上記米国特許の一実施例中に、鋼板両面の相対する位置にレーザを照射した例が開示されているが、これは片面からのみの照射例に比べて特に優れた鉄損改善を示すものではなかった。
【0004】
ここでレーザ照射による鉄損改善の原理は次のように説明される。方向性電磁鋼板の鉄損は異常渦電流損とヒステリシス損に分離される。鋼板にレーザを照射すると皮膜の蒸発反力、あるいは急加熱・急冷により表層に応力歪みが発生する。この歪みを源にしてその幅とほぼ同程度の幅を持つ還流磁区が発生し、ここでの静磁エネルギーを最小化にするように180 ゜磁区が細分化される。その結果、180 ゜磁区幅に比例した渦電流損が減少し鉄損が低下する。一方で、歪みが導入されるとヒステリシス損は増大する。すなわちレーザによる鉄損低減とは図11に模式図に示すように歪み量の増大に伴う渦電流損の減少とヒステリシス損増加の中で、それらの和である鉄損を最小化させる最適応力歪みを付与することにある。従って、渦電流損を十分を低下させ、且つヒステリシス損の増大を極力抑制することが理想的であり、そのような方向性電磁鋼板を実現することが望まれていた。
【0005】
また、鉄損と並び方向性電磁鋼板の重要な磁気特性パラメータである磁歪は電磁鋼板をトランスの鉄芯に成形した際の騒音発生に影響する。外部磁界を印加した場合、還流磁区は磁界方向に伸縮するため磁歪を増大させる。従って、還流磁区を形成することで鉄損の低減は図れるものの磁歪を増大させる可能性があるという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、レーザ照射により磁気特性を改善した方向性電磁鋼板として、効率的に鉄損改善効果が最大化され、また磁歪増加を極力抑制した方向性電磁鋼板を提供することにある。また、特にレーザ照射後に被照射部に鋼板地鉄が露出せず、再コートが不要な方向性電磁鋼板にて、より高い磁気特性を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、鋼板両面の対になる位置にレーザビームを照射して細い還流磁区を形成することで磁気特性を改善した方向性電磁鋼板において、当該還流磁区の圧延方向幅が0.3mm以下であり、且つ対になる両面の還流磁区位置の圧延方向のずれ量が当該還流磁区の圧延方向幅以下であり、還流磁区が厚板方向に貫通することを特徴とする方向性電磁鋼板である。また、鋼板表面にレーザ照射痕があることを特徴とする方向性電磁鋼板である。更に、鋼板表面のレーザ被照射部にレーザ照射痕が発生していないことを特徴とする方向性電磁鋼板である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を用いて本発明の実施の形態と効果を説明する。
<実施例1>
まず、両面からレーザを照射して鉄損を改善した電磁鋼板において、片面照射よりも高い鉄損改善率が得られる範囲について説明する。実施例1はレーザビームを微小円形に集光し、比較的高いパルスエネルギー密度のレーザパルスの照射により鋼板表面の皮膜を蒸発飛散させその応力歪みにより鉄損を改善した電磁鋼板である。
【0009】
図8は片面のみにレーザを照射する電磁鋼板の製造装置の説明図である。レーザビーム1は図示されないQスイッチパルスCO2 レーザから出力され、全反射ミラー2、スキャンミラー3を経由して、fθレンズ4によりスキャン集光、照射される。スキャン方向は電磁鋼板の圧延方向にほぼ垂直な方向である。レーザビームの集光形状はほぼ円形であり、レンズのフォーカス調整によって集光直径dを0.2〜0.6mmの範囲で変更した。線状照射の圧延方向ピッチPlは6.5mmである。レーザパルス繰り返し周波数は90kHz であり、スキャン速度の調整により板幅方向照射ピッチPcは照射ビーム径とほぼ同等に選んだ。従って板幅方向にはレーザ照射痕はほぼ接するように並んでいる。図9はレーザ照射痕の模式図である。パルスエネルギーEpは4〜10mJで調整し、集光ビーム径dの制御と合わせて照射エネルギー密度Edを制御した。ここで照射エネルギー密度 Edは集光ビーム面積をSとすると次式である。
Ed=Ep/S(mJ/mm2)
図7は本発明に関わる両面にレーザを照射した電磁鋼板の製造装置の説明図である。レーザビーム1は図示されないQスイッチパルスCO2 レーザから出力され、ビームスプリッター5により二分割され、それぞれ独立した集光装置で表裏面のほぼ相対する位置に照射される。各面に照射されるレーザパルスエネルギーはそれぞれ2〜5mJの範囲で制御される。その他の照射条件は図8にて説明した条件と同じである。表面と裏面の照射位置の圧延方向の調整は図示されない移動テーブルにて微調整した。
【0010】
これらの装置を用いて板厚0.23mmの方向性電磁鋼板にレーザ照射を行い、レーザ照射部に発生する応力歪みを起点とした還流磁区の圧延方向幅Wcdと磁界1.7T、50Hzにおける鉄損改善率の関係を調べた。鉄損改善率ηは次式で表される。
η=[(レーザ照射前鉄損−レーザ照射後鉄損)/レーザ照射前鉄損]×100 (%)
また還流磁区幅は磁区観察用電子顕微鏡にて観察した。
【0011】
図2は片面レーザ照射と両面レーザ照射の場合のWcdと鉄損改善率の関係である。片面レーザ照射ではパルスエネルギーを8mJに固定し、集光ビーム径を0.2〜0.6mmに変更した。両面への照射では各面への照射エネルギーを各々4mJに固定し、同じく集光ビーム径は0.2〜0.6mmに変更した。Wcdと照射ビーム径dの関係も図中に示す。両面で対になる還流磁区の圧延方向のズレ量はすべて0mmである。両面照射ではビーム径にほぼ比例したWcdが得られるが、片面照射では集光系を小さくしても得られるWcdは0.27mm以下には減少しなかった。これはエネルギー密度Edが大きくなると皮膜蒸発時に発生するプラズマが高温になり、また空間的に大きくなるためプラズマを二次熱源にした応力歪み範囲が増大し、ビーム径よりも広く大きな応力歪みが発生するためである。その結果、ヒステリシス損が過大となり鉄損改善率は低下するものである。
【0012】
還流磁区幅Wcdが0.3mm以上の領域においては鉄損改善率を片面、両面照射で比較すると、片面照射の場合に多少高い改善率を示す。片面照射では照射ビーム径が増加した分、エネルギー密度が下がる。その結果、過大なプラズマ効果もなくなり、ヒステリシス損増加が抑制され、高い鉄損改善がなされるものである。一方、両面照射の場合は片面当たりの応力歪みは小さいものの、両面を合計すると比較的大きな歪みが導入されて、片面照射の場合に比べヒステリシス損増加の影響が比較的大きく、鉄損改善率は低下すると考えられる。
【0013】
一方、Wcdが0.3mm以下の領域では歪み幅は小さく、ヒステリシス損の増加量は小さい。同時に片面を起点とした還流磁区も浅く、渦電流損低減効果も減少している。しかし、両面からの還流磁区が板厚方向の浸透深さを補うため、結果的に板厚を貫く十分な還流磁区が形成される。すなわち圧延方向に狭く、板厚方向に深い還流磁区が形成される結果、渦電流損は十分低減され、同時にヒステリシス損の増加は極力抑制されている。
【0014】
片面照射において幅0.3mm以下の還流磁区形成を試みた。狭い還流磁区幅を形成するには二次熱源となる過大なプラズマを抑制するため、エネルギー密度Edを低下させるしかない。そこで集光ビーム径の縮小に合わせてパルスエネルギーも減少させ、エネルギー密度Edを両面照射とほぼ同じにそろえた。この場合のWcdと鉄損改善率の関係を両面照射の結果と比較した。結果は図3である。Wcdと照射ビーム径dの関係も図中に示す。片面照射にてビーム径が0.3mm以下でもほぼビーム径並の還流磁区幅が得られた。両面照射の特性は図2に示した結果と同じデータである。
【0015】
Wcdが0.3mm以下では、やはり両面照射の方が高い鉄損改善率を示す。この比較では、エネルギー密度が同じであるため、片面当たりの応力歪みも還流磁区も同じである。両面照射では両面からの還流磁区が板厚方向の浸透深さを補うため、渦電流損低減効果が高い。一方、片面照射ではその効果はなく、その結果、鉄損改善率も低い。Wcdが0.3mm以上の範囲では前述の説明通り、両面に応力歪みを導入した場合、比較的ヒステリシス損の増大影響が大きく、片面照射の方が両面照射に比べ、多少高い鉄損改善率を示す。
【0016】
次に、表裏面で対になる還流磁区の圧延方向位置ずれについて最適な範囲を説明する。図1は本発明の電磁鋼板の模式図であり、還流磁区の位置ずれを説明する図である。各面の応力歪みaを基点とする還流磁区bの幅はWcdであり、|△L|は各面の還流磁区中心のずれ量の絶対値であり、また還流磁区の圧延方向の等価的幅はWcd’で定義される。図4は両面照射にてレーザビーム径を0.3mmに集光し、Wcdが0.3mmの場合、位置ズレ量|△L|を0〜0.6mmまで変化させた時の|△L|/Wcdと磁歪比λ’の関係である。ここで磁歪比λ’は|△L|>0の時の磁歪λと|△L|=0の時の磁歪λ0との比である。|△L|の増加により磁歪は増加するが|△L|/Wcd>1の範囲にて、すなわち還流磁区の磁歪の増加が顕著である。これは磁歪の原因となる還流磁区の等価幅Wcd’の増大によるものである。
【0017】
また、図5は|△L|/Wcdと鉄損改善率比η’の関係である。ここでη’は|△L|=0の時の鉄損改善率η0と|△L|>0の時の鉄損改善率ηの比である。これより|△L|/Wcd>1の範囲にて鉄損改善率は大きく減少する。これは両面からの還流磁区がその浸透深さを補う効果がなくなるため、その結果鉄損改善効果が減少するものである。
【0018】
このように、本発明による電磁鋼板では形成される還流磁区の圧延方向幅でのずれ|△L|を還流磁区幅Wcd以下にすることで磁歪、鉄損双方の観点で優れた特性が得られる。
<実施例2>
次に、鋼板表面にレーザ照射痕が発生しない照射方法による実施例を説明する。鋼板表面にレーザ照射痕が発生しない照射方法では表面グラス被膜と絶縁コーティングが蒸発飛散する温度以下での急加熱・急冷により応力歪みを付与する。従ってレーザビームの集光面積は実施例1に比べて大きくなり、エネルギー密度は1/20〜1/30にする必要がある。
【0019】
図10は鋼板表面にレーザ照射痕が発生しない照射方法における照射ビーム形状の説明図である。レーザビームは板幅方向に長軸を持つ楕円に集光される。ここで集光レーザビームの圧延方向幅をdl、板幅方向幅はdcである。レーザビームの照射装置は図7、8と同じ装置であるが、ビームの伝搬途中に図示されない円柱レンズを挿入し、fθレンズ4のフォーカス調整と円柱レンズの焦点距離の変更にて集光ビームの楕円形状を制御した。レーザパルス繰り返し周波数は90kHz であり、スキャン速度を調整することで板幅方向の照射ピッチPcを変更した。
【0020】
本実施例ではレーザビーム集光形状はdl=0.2〜0.6mm 、dc=4.0〜10.0mm の組み合わせであり、また照射位置の圧延方向ピッチはPl=6.5mmである。C方向照射ピッチは0.5mmである。
図6は表面に照射痕の発生しない照射方法における、片面のみのレーザ照射と両面へのレーザ照射の場合のWcdと鉄損改善率の関係である。片面のみのレーザ照射ではパルスエネルギーを8mJに固定し、L方向集光ビーム径dlを0.2〜0.6mmに変更し、C方向ビーム径dcは各dlにおいて表面照射痕が発生しない範囲内の最小値に選んだ。両面への照射では各面への照射エネルギーを各々4mJに固定し、同じく集光ビーム径は0.2〜0.6mmに変更し、dcも照射痕の発生しない範囲内の最小値に選んだ。両面で対になる還流磁区の圧延方向のズレ量はすべて0mmである。なお、Wcdと圧延方向照射ビーム径dlの関係も図中に示す。
【0021】
片面、両面照射ともに観測された還流磁区幅Wcdは集光ビーム径dlとほぼ一致した。これは表面皮膜が蒸発しない程度の低いエネルギー密度であるため、二次熱源となるプラズマ発生は少なく、従って応力歪み幅もビーム径にほぼ一致しているためと考えられる。
この結果より、鋼板表面に照射痕の発生しない照射方法においても図3と同様にWcdが0.3mm以下で両面に還流磁区を形成した鋼板が、片面のみに形成した場合に比べ高い鉄損改善率を示す。またその向上代は皮膜を蒸発させる場合に比べ顕著であった。これは急加熱・急冷による応力歪みは蒸発反力による歪みに比べ若干弱いため、両面から還流磁区生成を行う効果がより顕著になるためである。
【0022】
以下に本発明の両面から歪みを付与し、幅0.3mm以下の還流磁区を形成した電磁鋼板と従来の片面からのみ照射した電磁鋼板との違いを区別する方法について説明する。還流磁区幅の確認は磁区観察用電子顕微鏡により判別可能である。両面から歪みを導入しているか否かの判断は、以下の方法で判別可能である。
還流磁区は各面の表層部の応力歪みを基点にして発生しているため、歪みの発生している極表層部をエッチングで除去することで、それを基点にする還流磁区も消失する。両面から歪みを付与している本発明の鋼板は片面の表層を除去しても他方の面から発生した還流磁区は残存する。一方、片面のみからの歪み付与の場合、どちらか一方の面の表層部除去により還流磁区が完全に消滅する。従って、表面照射痕が見えない場合も両面から還流磁区を形成しているか否かは判別可能である。
【0023】
なお、本発明の実施例ではQスイッチパルスCO2レーザを照射して還流磁区を形成したが、本発明の範囲の還流磁区を形成できれば連続波レーザも使用可能であり、またCO2レーザ以外のレーザの使用してもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の方向性電磁鋼板では両面から応力歪みを付与することにより還流磁区を形成し、その圧延方向幅が0.3mm以下であり、且つその圧延方向の位置ずれ量が圧延方向幅以下であることで、従来に比べ高い鉄損改善効果と低磁歪化がなされるという利点を有する。また本発明は表面照射痕の発生する有無に関わらず高い鉄損改善効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方向性電磁鋼板の断面の説明図であり、また還流磁区形成位置のずれの説明図である。
【図2】レーザ照射による被膜蒸発反力にて鉄損を改善した方向性電磁鋼板にて、本発明に関わる両面からレーザを照射した電磁鋼板と片面からのみレーザを照射した電磁鋼板の還流磁区幅と鉄損改善率の関係の説明図である。
【図3】レーザ照射による被膜蒸発反力にて鉄損を改善した方向性電磁鋼板にて、本発明に関わる両面からレーザを照射した電磁鋼板と片面からのみレーザを照射し、集光ビーム径と還流磁区幅がほぼ一致するようにエネルギー密度を制御した場合の電磁鋼板の還流磁区幅と鉄損改善率の関係の説明図である。
【図4】本発明にかかわる電磁鋼板における表裏面の還流磁区位置のズレと磁歪比の関係である。
【図5】本発明にかかわる電磁鋼板における表裏面の還流磁区位置のズレと鉄損改善率比の関係である。
【図6】レーザ照射による鋼板表面の急加熱・急冷にて鉄損を改善し、表面にレーザ照射痕のない方向性電磁鋼板にて、本発明に関わる両面からレーザを照射した電磁鋼板と片面からのみレーザを照射した電磁鋼板の還流磁区幅と鉄損改善率の関係の説明図である。
【図7】本発明の電磁鋼板の製造方法の一実施例である。
【図8】片面からのレーザ照射による電磁鋼板の鉄損改善方法の一実施例である。
【図9】レーザ照射による被膜蒸発反力にて鉄損を改善する照射方法での照射痕の模式図である。
【図10】レーザ照射による鋼板表面の急加熱・急冷にて鉄損を改善しする場合の照射ビーム形状の模式図である。
【図11】レーザ照射による応力歪み、異常渦電流損ヒステリシス損との関係を示す図である。
【符号の説明】
a…応力歪み領域
b…還流磁区
c…180 ゜磁区
1…レーザビーム
2…全反射ミラー
3…スキャンミラー
4…fθレンズ
5…ビームスプリッター
6…電磁鋼板
Ed…パルスエネルギー密度
Ep…パルスエネルギー
S…集光ビーム面積
Wcd…還流磁区幅
Wcd’…還流磁区の等価幅
△L…表裏面還流磁区の形成位置のズレ
η…鉄損改善率
η’…鉄損改善率比
λ…磁歪
λ’…磁歪比
Pl…還流磁区の圧延方向の形成ピッチdl
dl…楕円集光レーザビーム圧延方向幅
dc…楕円集光レーザビームの板幅方向幅
d…円形集光レーザビームの直径
Claims (3)
- 鋼板両面の対になる位置にレーザビームを照射して細い還流磁区を形成することで磁気特性を改善した方向性電磁鋼板において、当該還流磁区の圧延方向幅が0.3mm以下であり、且つ対になる両面の還流磁区位置の圧延方向のずれ量が当該還流磁区の圧延方向幅以下であり、還流磁区が厚板方向に貫通することを特徴とする方向性電磁鋼板。
- 鋼板表面にレーザ照射痕があることを特徴とする請求項1記載の方向性電磁鋼板。
- 鋼板表面のレーザ被照射部にレーザ照射痕が発生していないことを特徴とする請求項1記載の方向性電磁鋼板。
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