JP4087119B2 - 光ディスク用基盤、光ディスク用スタンパ、光ディスク、および光ディスク用原盤の製造方法 - Google Patents
光ディスク用基盤、光ディスク用スタンパ、光ディスク、および光ディスク用原盤の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク用原盤、光ディスク用スタンパ、光ディスク、および光ディスク用原盤の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光等によって情報の記録、消去、または再生が行われる光ディスクの製造方法においては、先ず、情報を示すピットやトラッキングを行うための案内溝が表面に形成された光ディスク用原盤を作製する。その後、光ディスクの表面を導体化処理することにより、金属からなる電鋳膜を析出形成した後に剥離して、光ディスク用スタンパを作製する。
【0003】
このように作製された光ディスク用スタンパを射出成形機にセットし、樹脂材料を溶融、射出、冷却固化することにより、光ディスク基板を形成する。その光ディスク基板の情報面に、記録膜や反射膜をスパッタ法等により成膜し、その膜表面に保護コートを行う。
【0004】
上記の製造方法により、光ディスクが製造される。なお、一定の種類の光ディスクについては、センターハブが接着され、保護ケースに収納される。
【0005】
次に、従来の光ディスク用原盤の製造方法について図18を参照して説明する。なお、光ディスク用原盤の材料としては、表面が平滑に研磨された石英原盤あるいはガラス原盤等(以下、単に原盤とする)を用いた。
【0006】
先ず、原盤の表面を精密洗浄する(S101)。精密洗浄の後、原盤の表面と次の工程で塗布するフォトレジストとの密着性を向上させるため、ヘキサメチルジシラザン等の前処理剤を原盤表面に均一な厚さで塗布する。
【0007】
その後、前処理剤の上から、有機溶媒に溶かされた感光性フォトレジストを均一な厚さで塗布する(S102)。なお、必要があれば原盤の加熱処理(以下、単にベイクとする)を行ってもよい。
【0008】
次に、フォトレジスト膜が塗布された原盤に対し、カッティングマシンによって情報信号の記録を行う(S103)。情報信号の記録は原盤を回転駆動しながら、記録されるべき信号で変調されたレーザ光を収束してフォトレジスト膜に露光することによって行う。すなわち、レーザ光の照射位置を原盤の半径方向に徐々に移動させることによって、トラッキング用の溝を所定領域に螺旋状に露光する。また、必要に応じて、ROM情報やプリフォーマット情報をあらわすピット等のパターンを所定領域に螺旋状に露光する。
【0009】
次に、露光された原盤に対して無機アルカリ等の現像液を用いて現像処理を行い、所定のレジストパターンを形成する(S104)。その後必要があればベイクを行う。
【0010】
上記のステップS101〜S104を踏むことにより、所定のパターンが刻まれた光ディスク用原盤が完成する。
【0011】
なお、必要に応じて、S104の後に、レジストパターンをマスクとして、CHF3ガスやCF4ガス等の雰囲気中で反応性イオンエッチングを行ってもよい(S105)。次いで、エッチングが終了した原盤全体を露光後、無機アルカリ等の現像液に浸すことによって残ったレジストパターンを除去する(S106)。このようにしても、所定のパターンが刻まれた光ディスク用原盤が完成する。
【0012】
ところで、上記従来の製造方法で造られた光ディスク用原盤の溝幅やピットサイズ等を含むパターンサイズは、同一の光ディスク用原盤内の径方向で大きく変動してしまう。その原因について図19を用いて説明する。
【0013】
図19は、フォトレジスト層101がコートされた光ディスク用原盤102に露光を行っている状態を示している。対物レンズ103で収束されたレーザビーム104は、フォトレジスト層101上の点105に焦点を結び、これを透過する。その後、レーザビーム104は、拡散しながら光ディスク用原盤102の内部を透過し、光ディスク用原盤102の裏面において、所定の反射率で反射レーザビーム106として反射される。
【0014】
反射レーザビーム106は、拡散しながら再びフォトレジスト層101を照射する。ここで、たとえば対物レンズのNA(Numeral Aperture:開口数)を0.9、ガラス原盤を屈折率1.48、厚さを1.2mmとすると、フォトレジスト層101上での反射レーザビーム106で照射される領域は、図19においてDexで示す直径が約3.7mmの円形となる。したがって、上記の条件においてレーザビーム104で点105を照射した場合、点105から1.8mm離れたフォトレジスト層101上の点にも影響を及ぼすことになる。
【0015】
ところで、レーザビーム104と反射レーザビーム106とによる露光量は、エネルギー密度の比で考えれば反射レーザビーム106による露光量の方がはるかに小さい。しかし、光ディスク用原盤102の所定範囲に所定パターンを形成する場合は以下のようになる。
【0016】
すなわち、フォトレジスト層101上におけるグルーブ部の任意の点について、レーザビーム104による露光は1度だけ行われる。一方、反射レーザビーム106による露光は、光ディスク用原盤102を回転させるとともに対物レンズ103を移動させながら行われるので、かなり多くの回数の露光が断続的に繰り返される。したがって、反射レーザビーム106による露光は、多重露光となる。
【0017】
それゆえ、フォトレジスト層101上におけるグルーブ部の任意の点について、レーザビーム104による露光量に対する反射レーザビーム106の多重露光による累積露光量の割合は数%程度になる可能性がある。また、断続的に露光される回数は、最内周部や最外周部に比べて中心付近が多くなる。すなわち、グルーブ部での総和の露光量は、図20に示すように、光ディスク用原盤の径方向で変動する。
【0018】
この総露光量の径方向の変動は、完成した光ディスク用原盤の溝幅やピットサイズ等を含むパターン形状にも大きく影響を与え、総露光量が大きい部位ではパターン形状の深さや幅が大きくなる。
【0019】
以上のようにして生じるパターンサイズの不均一性は、再生信号のCN比(Carrier to Noise ratio)や、プリピットのビットエラーレートの悪化につながる。
【0020】
上記の問題を解決するために、以下に説明するような光ディスク用原盤が、WO98/37556号公報において開示されている。
【0021】
上記公報に開示された光ディスク用原盤は、図21(a)に示すように、透明な円盤301に、反射防止膜あるいは光吸収剤302が付けられているものである。
【0022】
上記構成の光ディスク用原盤においては、露光時にフォトレジスト層を透過したレーザ光は、円盤301の裏面で反射するのを防止されているか、あるいは円盤301の裏面で吸収される。したがって、円盤301に対しての総露光量が径方向に対して一定となり、パターンサイズが均一となる。
【0023】
また、上記公報には、図21(b)に示すように、光を吸収する着色剤を含むガラス303を材質とした光ディスク用原盤が開示されている。
【0024】
この原盤においては、露光時にフォトレジスト層を透過したレーザ光は、原盤中を着色剤に吸収され減衰しながら透過するため、総露光量が径方向に対して一定となり、パターンサイズが均一となる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報の光ディスク用原盤においては、それぞれ以下のような問題点を有している。
【0026】
すなわち、透明な円盤301の裏面に反射防止膜あるいは光吸収剤302が設けられている構成の光ディスク用原盤では、反射防止膜あるいは光吸収剤302を蒸着する工程が必要となる。したがって、生産性が悪くなるとともに、反射防止膜および光吸収剤302の材料コストや、それらを蒸着するための装置導入のために、原盤作製のためのコストが高くなる。
【0027】
一方、光を吸収する着色剤を含むガラス303を使用している構成の光ディスク用原盤の場合、着色剤のために必要なコストの分だけ光ディスク用原盤のコストが高くなり、原盤作製のためのコストが高くなる。
【0028】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、低コストにて簡易に作製することでき、パターンサイズが均一化された光ディスク用原盤、光ディスク用スタンパ、光ディスク、およびそのような光ディスク用原盤の製造方法を提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明の光ディスク用原盤は、上記課題を解決するため、情報の記録または再生を行う案内溝とピットとからなる所定パターンが環状に形成されている光ディスク用原盤において、上記所定パターンが形成されている領域以外に、該所定パターンと同心円状のダミーパターンを備え、該同心円状のダミーパターンの溝幅が、上記所定パターンにおける案内溝およびピットの幅よりも大きく形成されており、上記ダミーパターンは、上記所定パターンの内周側と外周側とに形成されていることを特徴としている。
【0030】
また、本発明の光ディスク用原盤の製造方法は、上記課題を解決するため、情報の記録または再生を行う案内溝とピットとからなる所定パターンを環状に形成する光ディスク用原盤の製造方法において、上記所定パターンが形成されている領域以外を、該所定パターンと同心円状に露光することにより、該所定パターンにおける案内溝およびピットの幅よりも大きい溝幅のダミーパターンを、上記所定パターンの内周側と外周側とに形成することを特徴としている。
【0031】
すなわち、本発明における光ディスク用原盤は、情報の記録または再生を行う案内溝とピットとからなる所定パターンが環状に形成されている。
【0032】
上記所定パターンは、レーザビームを用いて露光することにより形成されるものである。しかしながら、所定パターンに対する露光量が不均一であると、所定パターンにおける案内溝あるいはピットの寸法(以下、パターンサイズとする)が不均一となり、再生信号のCN比や、プリビットのビットレラーレートの悪化につながる場合がある。
【0033】
そこで、本発明では、特に、所定パターンが形成されている領域以外に、該所定パターンと同心円状のダミーパターンを備えていることを特徴としている。
【0034】
本発明者らは、ダミーパターンが所定パターンと同心円状に形成されている光ディスク用原盤と、ダミーパターンが形成されていない光ディスク用原盤とについて比較実験を行った。その鋭意研究の結果、所定パターンにおけるダミーパターン近傍の部位と、所定パターンの中心部の部位とにおいて、パターンサイズが均一となることがわかった。
【0035】
また、光ディスク用原盤を回転させながら露光を行う所定パターンの露光工程と同様の露光工程により、ダミーパターンを所定パターンと同心円状に形成することができる。すなわち、ダミーパターンを同心円状に形成することは、光ディスク用原盤の裏面に反射防止膜等を設ける場合や、光ディスク用原盤に着色剤を含む材料を用いる場合に比べて、生産性の悪化や、コストの増加を伴わずに行うことができる。
【0036】
それゆえ、低コストにて簡易に作製することでき、パターンサイズが均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0037】
また、本発明の光ディスク用原盤は、上記課題を解決するため、上記構成の光ディスク用原盤において、上記ダミーパターンが、上記所定パターンと同心円状に複数本形成されていることを特徴としている。
【0038】
上記構成によれば、ダミーパターンは、所定パターンと同心円状に複数本形成される。したがって、ダミーパターンを所定パターンが形成されている範囲外においてより広域に形成することができる。
【0039】
本発明者らにおいては、鋭意研究の結果、ダミーパターンをより広域に形成することにより、所定パターンにおけるダミーパターン近傍の部位と、所定パターンの中心部の部位とにおいて、パターンサイズがより均一となることを確認した。
【0040】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0041】
また、本発明の光ディスク用原盤は、上記課題を解決するため、上記構成の光ディスク用原盤において、上記ダミーパターンのピッチ幅が、上記所定パターンにおける上記案内溝および上記ピットの幅よりも広いことを特徴としている。なお、ダミーパターンのピッチ幅とは、所定パターンと同心円状に形成される各ダミーパターンの溝幅を指す。
【0042】
上記構成によれば、ダミーパターンを所定パターンが形成されている範囲外においてより広域に形成することができる。
【0043】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0044】
また、本発明の光ディスク用原盤は、上記課題を解決するため、情報の記録または再生を行う案内溝とピットとからなる所定パターンが環状に形成されている光ディスク用原盤において、上記所定パターンが形成されている領域以外に、該所定パターンと同心円状および上記所定パターンの中心を軸とする螺旋状に形成されるダミーパターンを備え、上記同心円状に形成されるダミーパターンの溝幅が、上記所定パターンにおける案内溝およびピットの幅よりも大きく形成されており、上記ダミーパターンは、上記所定パターンの内周側と外周側とに形成されていることを特徴としている。
【0045】
また、本発明の光ディスク用原盤の製造方法は、上記課題を解決するため、情報の記録または再生を行う案内溝とピットとからなる所定パターンを環状に形成する光ディスク用原盤の製造方法において、上記所定パターンが形成されている領域以外を、該所定パターンと同心円状に露光するとともに、上記所定パターンの中心を軸として螺旋状に露光することによりダミーパターンを形成し、該ダミーパターンにおける上記所定パターンと同心円状に形成される部位の溝幅を、上記所定パターンにおける案内溝およびピットの幅よりも大きし、上記ダミーパターンは、上記所定パターンの内周側と外周側とに形成されることを特徴としている。
【0046】
上記構成によれば、ダミーパターンは、所定パターンと同心円状および螺旋状に形成される。したがって、ダミーパターンを所定パターンが形成されている範囲外においてより広域に形成することができる。
【0047】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0048】
また、本発明の光ディスク用原盤は、上記課題を解決するため、上記構成の光ディスク用原盤において、上記ダミーパターンが、上記所定パターンと同心円状に形成されている複数の部位と、上記同心円状に形成されている複数の部位の間において螺旋状に形成されている部位とを備えていることを特徴としている。
【0049】
上記構成によれば、ダミーパターンにおける螺旋状に形成されている部位は、複数の同心円状に形成されている部位の間に形成されている。すなわち、ダミーパターンを所定パターンが形成されている範囲外においてより広域に形成することができる。
【0050】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0051】
また、本発明の光ディスク用原盤は、上記課題を解決するため、上記構成の光ディスク用原盤において、上記ダミーパターンにおける同心円状の形成されている部位の幅が、上記所定パターンにおける案内溝およびピットの幅よりも広いことを特徴としている。
【0052】
上記構成によれば、ダミーパターンにおける同心円状の形成されている部位の幅は、所定パターンにおける案内溝およびピットの幅よりも広く形成される。すなわち、ダミーパターンを所定パターンが形成されている範囲外においてより広域に形成することができる。
【0053】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0054】
また、本発明の光ディスク用原盤は、上記課題を解決するため、上記構成の光ディスク用原盤において、上記ダミーパターンは、上記所定パターンの内周側と外周側とに形成されていることを特徴としている。
【0055】
上記構成によれば、ダミーパターンは、所定パターンの内周側と外周側とに形成されている。したがって、所定パターンにおけるダミーパターン近傍の部位、すなわち、所定パターンにおける内周部および外周部と、所定パターンの中心部の部位とにおいて、パターンサイズを均一とすることができる。
【0056】
すなわち、図20に示したような露光レーザの露光量の特性において、露光量が増加または減少する最内周付近または最外周付近における露光をダミーパターンの形成に用い、露光量が均一となる中央付近における露光を所定パターンの形成に用いることができる。
【0057】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0058】
また、本発明の光ディスク用スタンパは、上記課題を解決するため、上記いずれかの構成の光ディスク用原盤を用いることを特徴としている。
【0059】
上記構成によれば、低コストにて簡易に作製することでき、パターンサイズが均一化された光ディスク用原盤を用いている。
【0060】
それゆえ、再生信号のCN比や、プリピットのビットエラーレートが悪化することを防止できるという効果を奏する。
【0061】
また、本発明の光ディスクは、上記課題を解決するため、上記構成の光ディスク用スタンパを用いることを特徴としている。
【0062】
上記構成によれば、低コストにて簡易に作製することでき、パターンサイズが均一化された光ディスク用原盤を用いている。
【0063】
それゆえ、再生信号のCN比や、プリピットのビットエラーレートが悪化することを防止できるという効果を奏する。
【0064】
また、本発明の光ディスク用原盤の製造方法は、上記課題を解決するため、上記ダミーパターンが、光ディスク用原盤を回転させつつ露光位置を光ディスク用原盤の半径方向に移動させることにより形成されることを特徴としている。
【0065】
上記構成によれば、所定パターンを形成する方法と同様の方法にて、ダミーパターンを形成することができる。
【0066】
それゆえ、より簡易な方法で、パターンサイズが均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0067】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図17に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、以下の説明では、(1)光ディスク用原盤の製造方法、(2)光ディスク用スタンパの製造方法、(3)光ディスクの製造方法について説明した後、光ディスクの具体的な構成例についていくつか例示する。
【0068】
(1)光ディスク用原盤の製造方法
先ず、本実施の形態における光ディスク用原盤を製造する方法について図13を参照して説明する。
【0069】
直径が150mm、厚さが1.2mmの表面が平滑に研磨された石英ガラスの光ディスク用原盤を超純水およびイソプロピルアルコールで超音波洗浄した後、イソプロピルアルコール乾燥する(S1)。
【0070】
次に、反応性イオンエッチング装置のチャンバー内に光ディスク用原盤を入れ、真空度2(10-3 Paまで排気した後、O2ガスを導入しアッシング処理を行う(S2)。なお、ガス流量は1.69×10-1Pa・m3/s(100sccm)であり、ガス圧力は3.7Pa、RF電力は200W、自己バイアス電圧は160V、アッシング時間は5分でアッシング処理を行った。なお、sccmとは、Standard pressure Cubic Centimeter per Minuteの略で、流量を表す単位の1つである。
【0071】
次に、ヘキサメチルジシラザンを主成分とした前処理剤をスピンコートし、次いで有機溶剤に溶かされたポジ型フォトレジストをスピンコートする(S3)。その後、110℃のクリーンオーブン内で30分間ベイク処理を行い、フォトレジスト中の溶剤を乾燥除去する(S4)。なお、スピンコートとは、基板上に原料溶液(前処理剤やレジスト等のスピンコート材料)を滴下し、基板を回転させることにより均一な液膜を形成することをいう。
【0072】
なお、本実施の形態では、フォトレジストの膜厚は約70nmである。一方、一般的なフォトレジストの膜厚は30〜1000nmとされている。
【0073】
次に、波長351nmのKrレーザを搭載したカッティングマシンで光ディスク用原盤の露光を行う(S5)。露光工程においては、図14に示すように、光ディスク用原盤1上に塗布したフォトレジスト2上に、露光用ビーム3を集光照射する。そして、露光用ビーム3の集光位置4を光ディスク用原盤1の半径方向に移動させながら、光ディスク用原盤1をスピンドル5により回転駆動することにより、光ディスク用原盤1の中心からの距離が10.5mmとなる位置から、半径23.9mmとなる位置まで露光した。
【0074】
なお、以下の説明では、S5の露光工程により露光されるパターン(露光パターン)において、特に、案内溝と、アドレスピットとからなる螺旋状のパターンを所定パターンとし、所定パターンが形成される領域を所定領域とする。
【0075】
一方、所定領域以外の領域に対して行う露光をダミー露光とし、ダミー露光により露光されるパターンをダミーパターンとする。ダミー露光およびダミーパターンについての詳細は後述する。
【0076】
また、所定パターンにおける案内溝のピッチは800nmであり、現像後に幅300〜400nmの案内溝と、長さ150〜1000nmであって幅50〜400nmのピットが螺旋状に形成される。さらに、露光工程における光ディスク用原盤1の回転数は450rpmとし、露光ビームのスポット径は約400nmとする。
【0077】
S5における露光工程の後、図13に示すように、無機アルカリ現像液を超純水で希釈した現像液で露光された光ディスク用原盤をスピン現像する(S6)。S6の現像工程により、フォトレジストの露光された部位が溶解除去され、案内溝やアドレスピット等の形状が凹部として現れる。これにより、所定パターンとダミーパターンとが形成される。なお、スピン現像とは、基板を回転させながら現像液を滴下することで現像を行うことをいう。
【0078】
その後、95℃のクリーンオーブン内で30分間ベイク処理を行う(S7)。なお、本実施の形態においては、後述するエッチング処理を行う。しかし、一般的には、上記S1からS6までの工程により、光ディスク用原盤を完成させる。
【0079】
次に、反応性イオンエッチング装置のチャンバー内に光ディスク用原盤を入れ、真空度が2(10-3Paとなるまで排気した後、CF4ガスを導入し反応性イオンエッチング処理を行う(S8)。
【0080】
なお、S8のエッチング処理におけるガス流量は1.69×10-2Pa・m3/s(10sccm)であり、ガス圧力は 0.3〜0.5Pa、RF電力は400〜1500W、自己バイアス電圧は260〜600V、アッシング時間は1〜3分である。
【0081】
その後、超高圧UV(Ultra Violet:紫外線)照射装置にて光ディスク用原盤全体を露光した後、無機アルカリ現像液に浸し、残留フォトレジストを剥離する(S9)。
【0082】
次いで超純水とイソプロピルアルコールとで超音波洗浄した後、イソプロピルアルコールで乾燥する(S10)。なお、乾燥後に形成されている案内溝の深さ、およびピットの深さは35〜45nmである。
【0083】
上記のS1〜S10を踏むことにより、光ディスク用原盤を作製する。なお、図15に、上記ステップにより得られた光ディスク用原盤1を示す。
【0084】
(2)光ディスク用スタンパの製造方法
次に、本実施の形態における光ディスク用スタンパの製造方法について説明する。
【0085】
S1〜S10により製造した光ディスク用原盤1を、スパッタ装置に取り付け、光ディスク用原盤1上にNi金属膜を100nmの厚さで形成した。次いで、金属膜Niを電極として、Niメッキ浴中で電鋳を行い、厚さ0.3mmのNi光ディスク用スタンパ6を得た。なお、図16に上記方法により製造された光ディスク用スタンパ6を示す。
【0086】
(3)光ディスクの製造方法
次に、本実施の形態における光ディスクの製造方法について説明する。
【0087】
まず、上記(2)の方法で製造した光ディスク用スタンパ6を、射出成形を行うための射出成形機の形状に合わせて、内径および外径の打ち抜きを行う。その後、光ディスク用スタンパ6を射出成形機に取り付けるとともに、ポリカーボネート等の樹脂を溶融して成形金型内に流し込み、図17に示すように、厚さ0.6mmのディスク状基板7を成形した。
【0088】
その後、スパッタ装置を用いて、誘電体膜8と、金属磁性膜9と、反射膜10とを成膜し、さらにこれらの膜を保護するためのバックコート樹脂11を塗布することにより、光ディスクを完成させた。
【0089】
以上のように、上記した(1)〜(3)の製造方法により、本実施の形態における光ディスク用原盤、光ディスク用スタンパ、および光ディスクが製造される。
【0090】
次に、上述の方法で作製された本実施の形態における光ディスクの具体的な構成例について、いくつか例を挙げて説明する。なお、以下に説明する光ディスクの構成例は、光ディスク用スタンパ、あるいは光ディスク用原盤の構成例としてとらえることも可能である。
【0091】
図1(a)に示すように、本実施の形態における光ディスクの一構成例においては、光ディスク用原盤12の表面に、所定パターン13と、ダミーパターン14とが形成されている。
【0092】
ダミーパターン14は、所定パターン13と同心円状に形成されるものである。また、ダミーパターン14は、上記(1)の光ディスク用原盤の製造方法におけるS5のカッティングマシンを用いた露光の際に、露光用光ビームの集光位置を光ディスク用基板の中心から10.48mmの位置にて固定するとともに、光ディスク用原盤を3分間回転駆動することにより形成されたものである。
【0093】
さらに、ダミーパターン14は、図1(b)に示すように、所定パターン13の内側において幅約20μmの溝として形成されている。
【0094】
また、図2(a)に示すように、本実施の形態における光ディスクの他の構成例においては、図1(a)に示した構成例と同様に、光ディスク用原盤12の表面に、所定パターン13と、ダミーパターン14とが形成されている。
【0095】
本構成例におけるダミーパターン14は、所定パターン13の内側および外側において同心円状に形成されるものである。また、本構成例のダミーパターン14は、以下のように形成される。
【0096】
すなわち、上記(1)の光ディスク用原盤の製造方法におけるS5のカッティングマシンを用いた露光の際に、露光用光ビームの集光位置を光ディスク用基板の中心から10.48mmの位置にて固定するとともに、光ディスク用原盤を3分間回転駆動した。さらにその後、露光用光ビームの集光位置を光ディスク用原盤の中心から23.92mmの位置にて固定した状態で光ディスク用原盤を3分間回転駆動することにより、同心円状にダミーパターン14の露光を行った。
【0097】
以上のように形成することにより、本構成例のダミーパターン14は、図2(b)に示すように、所定パターン13の内側および外側に、幅約20μmの溝として形成されている。
【0098】
さらに、図3(a)に示すように、本実施の形態における光ディスクの他の構成例では、光ディスク用原盤12の表面において、所定パターン13の内側に、複数本のダミーパターン14…が同心円状に形成されている。本構成例におけるダミーパターン14…は、以下のように形成される。
【0099】
すなわち、上記(1)での光ディスク用原盤の製造方法におけるカッティングマシンを用いた露光の際に、露光用光ビームの集光位置を、光ディスク用原盤の中心との距離が10.00mmとなる位置から10.48mmとなる位置まで0.01mmずつずらした位置にて固定するとともに、それぞれの固定位置において光ディスク用原盤を10秒間回転駆動することにより、複数のダミーパターン14…の露光を行った。したがって、ダミーパターン14は、図3(b)に示すように、所定パターン13の内側において、溝ピッチが10μmであり、幅500〜1000nmの溝として複数本の同心円状に形成されている。
【0100】
さらに、図4(a)に示すように、本実施の形態における光ディスクの他の構成例では、光ディスク用原盤12の表面において、所定パターン13と、ダミーパターン14とが同心円状に形成されている。本構成例におけるダミーパターン14…は、以下のように形成される。
【0101】
すなわち、上記(1)での光ディスク用原盤の製造方法におけるカッティングマシンを用いた露光の際に、露光用光ビームの集光位置を、光ディスク用原盤の中心との距離が10.2mmとなる位置から10.48mmとなる位置まで、光ディスク用原盤の半径方向に移動させながら、光ディスク用原盤を回転駆動することにより、ダミーパターン14の露光を行う。
【0102】
上記の工程により、ダミーパターン14は、図4(b)に示すように、所定パターン13の内側において幅約300μmの溝として形成される。なお、本構成例において、ダミーパターン14の幅は、所定パターン13における案内溝およびピットの幅よりも大きく形成されている。
【0103】
このように、露光用ビームの集光位置を光ディスク用原盤の半径方向に移動させながらダミー露光を行うことで、ダミーパターン14の溝幅が広がる。したがって、所定パターン13における総露光量の分布が、ダミーパターン14近傍と中心部とにおいてより等しくなり、ダミーパターン14近傍と中心部におけるパターンサイズをより均一化することが可能となる。
【0104】
また、図5(a)に示すように、本実施の形態における光ディスクの他の構成例では、光ディスク用原盤12の表面における所定パターン13の内側の領域に、所定パターン13と同心円状に形成される部位と、該同心円状に形成される部位の外側において螺旋状に形成される部位とからなるダミーパターン14が形成されている。本構成例におけるダミーパターン14は、以下のように形成される。
【0105】
すなわち、上記(1)での光ディスク用原盤の製造方法におけるカッティングマシンを用いた露光の際に、露光用光ビームの集光位置を、光ディスク用原盤の中心との距離が6.10mmとなる位置にて固定した状態で、光ディスク用原盤を10秒間回転駆動する。これにより、所定パターン13と同心円状に、ダミーパターン14の露光が行われる。
【0106】
その後、露光用光ビームの集光位置を、光ディスク用原盤の中心との距離が6.10mmとなる位置から、光ディスク用原盤の中心との距離が10.48mmとなる位置まで光ディスク用原盤の半径方向に移動させながら、光ディスク用原盤を回転駆動することにより、螺旋状にダミーパターン14の露光を行う。
【0107】
上記の工程により、ダミーパターン14は、図5(a)および図5(b)に示すように、所定パターン13の内側において、幅が約500〜1000nmである1本の円形溝の外側に、溝ピッチが約800nmであり幅が約300〜約400nmである螺旋状の溝が形成された形状となる。
【0108】
また、図6(a)に示すように、本実施の形態における光ディスクの他の構成例では、図5(a)に示した構成例と同様に、光ディスク用原盤12の表面における所定パターン13の内側の領域に、所定パターン13と同心円状に形成される部位と、該同心円状に形成される部位の内側において螺旋状に形成される部位とからなるダミーパターン14が形成されている。本構成例におけるダミーパターン14は、以下のように形成される。
【0109】
すなわち、上記(1)での光ディスク用原盤の製造方法におけるカッティングマシンを用いた露光の際に、露光用光ビームの集光位置を、光ディスク用原盤の中心との距離が6.10mmとなる位置から、光ディスク用原盤の中心との距離が10.48mmとなる位置まで光ディスク用原盤の半径方向に移動させながら、光ディスク用原盤を回転駆動することにより、螺旋状にダミーパターン14の露光を行う。
【0110】
その後、露光用光ビームの集光位置を、光ディスク用原盤の中心との距離が10.48mmとなる位置にて固定した状態で、光ディスク用原盤基板を10秒間回転駆動することにより、所定パターン13と同心円状にダミーパターン14の露光を行う。
【0111】
上記の工程により、ダミーパターン14は、図6(a)および図6(b)に示すように、所定パターン13の内側において、幅が約500〜1000nmである1本の円形溝の内側に、溝ピッチが約800nmであり幅が約300〜約400nmである螺旋状の溝が形成された形状となる。
【0112】
さらに、図7(a)に示すように、本実施の形態における光ディスクのほかの構成例では、光ディスク用原盤12の表面における所定パターン13の内側および外側の領域に、所定パターン13と同心円状に形成される部位と、該同心円状に形成される部位の外側において螺旋状に形成される部位とからなるダミーパターン14が形成されている。本構成例におけるダミーパターン14は以下のように形成される。
【0113】
すなわち、上記(1)での光ディスク用原盤の製造方法におけるカッティングマシンを用いた露光の際に、露光用光ビームの集光位置を、光ディスク用原盤の中心との距離が6.10mmとなる位置にて固定した状態で、光ディスク用原盤を10秒間回転駆動する。これにより、所定パターン13の内側において、所定パターン13と同心円状に、ダミーパターン14の露光が行われる。
【0114】
その後、露光用光ビームの集光位置を光ディスク用原盤の中心との距離が6.10mmとなる位置から、光ディスク用原盤の中心との距離が10.48mmとなる位置まで光ディスク用原盤の半径方向に移動させながら、光ディスク用原盤を回転駆動することにより、螺旋状にダミーパターン14の露光を行う。
【0115】
さらに、露光用光ビームの集光位置を、光ディスク用原盤の中心との距離が23.92mmとなる位置にて固定した状態で、光ディスク用原盤を10秒間回転駆動する。これにより、所定パターン13の外側において、所定パターン13と同心円状に、ダミーパターン14の露光が行われる。
【0116】
その後、露光用光ビームの集光位置を光ディスク用原盤の中心との距離が23.92mmとなる位置から、光ディスク用原盤の中心との距離が29.00mmとなる位置まで光ディスク用原盤の半径方向に移動させながら、光ディスク用原盤を回転駆動することにより、螺旋状にダミーパターン14の露光を行う。
【0117】
上記の工程により、ダミーパターン14は、図7(a)および図7(b)に示すように、所定パターン13の内側においては、幅が約500〜1000nmである1本の円形溝の外側に、溝ピッチが約800nmであり幅が約300〜約400nmである螺旋状の溝が形成された形状となる。一方、所定パターン13の外側においても、幅が約500〜1000nmである1本の円形溝の外側に、溝ピッチが約800nmであり幅が約300〜約400nmである螺旋状の溝が形成された形状となる。
【0118】
また、図8(a)に示すように、本実施の形態における光ディスクの他の構成例では、光ディスク用原盤12の表面における所定パターン13の内側の領域に、所定パターン13と同心円状に形成される2つの部位と、該同心円状に形成される2つの部位の間において螺旋状に形成される部位とからなるダミーパターン14が形成されている。本構成例におけるダミーパターン14は、以下のように形成される。
【0119】
すなわち、上記(1)での光ディスク用原盤の製造方法におけるカッティングマシンを用いた露光の際に、露光用光ビームの集光位置を、光ディスク用原盤の中心との距離が6.10mmとなる位置にて固定した状態で、光ディスク用原盤を10秒間回転駆動する。これにより、所定パターン13と同心円状に、ダミーパターン14の露光が行われる。
【0120】
その後、露光用光ビームの集光位置を光ディスク用原盤の中心との距離が6.10mmとなる位置から、光ディスク用原盤の中心との距離が10.48mmとなる位置まで光ディスク用原盤の半径方向に移動させながら、光ディスク用原盤を回転駆動することにより、螺旋状にダミーパターン14の露光を行う。
【0121】
さらに、露光用光ビームの集光位置を、光ディスク用原盤の中心との距離が10.48mmとなる位置にて固定した状態で、光ディスク用原盤を10秒間回転駆動する。
【0122】
上記の工程により、ダミーパターン14は、図8(a)および図8(b)に示すように、所定パターン13の内側において、幅が約500〜1000nmである2本の円形溝の間に、溝ピッチが約800nmであり幅が約300〜約400nmである螺旋状の溝が形成された形状となる。
【0123】
さらに、図9(a)に示すように、本実施の形態における光ディスクの他の構成例では、光ディスク用原盤12の表面における所定パターン13の内側の領域に、所定パターン13と同心円状に形成される部位と、該同心円状に形成される部位の外側において螺旋状に形成される部位とからなるダミーパターン14が形成されている。本構成例におけるダミーパターン14は、以下のように形成される。
【0124】
すなわち、上記(1)での光ディスク用原盤の製造方法におけるカッティングマシンを用いた露光の際に、露光用光ビームの集光位置を、光ディスク用原盤の中心との距離が6.10mmとなる位置から、光ディスク用原盤の中心との距離が6.30mmとなる位置まで、光ディスク用原盤の半径方向に移動させながら、光ディスク用原盤を回転駆動することにより、所定パターン13と同心円状にダミーパターン14の露光を行う。
【0125】
その後、露光用光ビームの集光位置を、光ディスク用原盤の中心との距離が6.30mmとなる位置から、光ディスク用原盤の中心との距離が10.48mmとなる位置まで、光ディスク用原盤の半径方向に移動させながら、光ディスク用原盤を回転駆動することにより、螺旋状にダミーパターン14の露光を行う。
【0126】
上記の工程により、ダミーパターン14は、図9(a)および図9(b)に示すように、所定パターン13の内側において、幅が約200mmである1本の円形溝の外側に、溝ピッチが約800nmであり幅が約300〜約400nmである螺旋状の溝が形成された形状となる。
【0127】
ここで、図2に示したような構成例に係る光ディスクと、図7に示したような構成例に係る光ディスクと、ダミーパターンが形成されていない光ディスクとの性質を以下のように比較した。なお、ダミーパターンが形成されていない光ディスクとして、図10(a)および図10(b)に示すようなものを用いた。
【0128】
すなわち、ベイク処理後の光ディスク用原盤、すなわち反応性イオンエッチング処理前の光ディスク用原盤について、所定領域(ディスク中心からの距離が10.5mm〜23.9mmまでの位置)における案内溝の幅、およびピット長を原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)にて測定した。その結果をそれぞれ図11と図12とに示す。
【0129】
なお、図11および図12においては、ダミーパターンが形成されていない光ディスクを作製するための光ディスク用原盤について測定した結果を図11(a)および図12(a)、図2に示したような光ディスクを作製するための光ディスク用原盤について測定した結果を図11(b)および図12(b)、図7に示したような光ディスクを作製するための光ディスク用原盤について測定した結果を図11(c)および図12(c)して示す。
【0130】
図11(a)および図12(a)に示すように、ダミーパターン14のない光ディスク用原盤における案内溝の幅およびピット長は、所定領域の中心付近(中心からの距離が、15mm〜20mmとなる領域)ではそれぞれ約300nmおよび約400nmとして、ほぼ一定となっている。
【0131】
しかし、所定領域の端部における寸法は、所定領域の中心における寸法よりそれぞれ小さな値になっている。すなわち、図11(a)および図12(a)に示すように、光ディスク用原盤の内周部における案内溝の幅およびピット長はそれぞれ0nmおよび約350nmであって、外周部における案内溝の幅およびピット長はそれぞれ約250nmおよび約350nmである。
【0132】
このように、ダミーパターン14のない光ディスク用原盤については、案内溝の幅の寸法が、約0nmから約300nmまでの範囲で変動する。また、ピット長は、約350nmから約400nmまでの範囲で変動するという結果が得られた。
【0133】
一方、同心円状のダミーパターン14を所定パターン13の内側および外側に形成した光ディスク用原盤については、図11(b)に示すように、案内溝の幅は約300nmで略均一に形成されていることがわかる。また、図12(b)に示すように、ピット長も約400nmで略均一に形成されていることがわかる。
【0134】
すなわち、所定パターン13の範囲外に同心円状のダミーパターン14を形成することにより、所定パターン13におけるダミーパターン14近傍の部位の総露光量と、所定パターン13の中心部における総露光量とがほぼ等しくなっていることがわかる。したがって、所定パターン13におけるダミーパターン14の近傍の部位と、所定パターン13の中心部におけるパターンサイズが均一化された光ディスクを実現することができる。
【0135】
また、ダミーパターン14を所定パターンと同心円状に形成する場合、ダミーパターン14は、20μmという非常に狭い幅にて形成される。したがって、比較的狭いスペースでもダミーパターン14を形成することができ、パターンサイズの均一化を実現できる。
【0136】
一方、同心円状および螺旋状のダミーパターン14を、所定パターン13の内側および外側に形成した光ディスク用原盤については、図11(c)に示すように、案内溝の幅は約360nmで略均一に形成されていることがわかる。また、図12(c)に示すように、ピット長も約400nmで略均一に形成されていることがわかる。
【0137】
さらに、図11(b)および図11(c)を比較してわかるように、同心円状および螺旋状にダミーパターン14を形成した光ディスク用原盤の方が、同心円状のみにダミーパターン14を形成した光ディスク用原盤よりも、案内溝の幅がより均一に形成されている。同様に、図12(b)および図12(c)を比較してわかるように、同心円状および螺旋状にダミーパターン14を形成した光ディスク用原盤の方が、同心円状のみにダミーパターン14を形成した光ディスク用原盤よりも、ピット長がより均一に形成されている。
【0138】
すなわち、同心円状および螺旋状のダミーパターン14を形成すれば、図2に示したような同心円状のダミーパターン14を1本のみ形成する場合よりも、より広域にダミーパターン14が形成される。これにより、所定パターン13におけるダミーパターン14近傍の部位の総露光量と、所定パターン13の中心部における総露光量とがより等しくなっているということがわかる。
【0139】
したがって、ダミーパターン14をより広域に形成すれば、所定パターン13におけるパターンサイズをより均一化することができるということができる。
【0140】
上記図1〜図9を用いて説明したように、本実施の形態の光ディスク用原盤12は、所定パターン13が環状に形成されている光ディスク用原盤において、所定パターン13が形成されている領域以外を、所定パターン13と同心円状に露光することにより形成されるダミーパターン14を備えているものである。
【0141】
本発明者らは、ダミーパターン14が所定パターン13と同心円状に形成されている光ディスク用原盤と、ダミーパターンが形成されていない光ディスク用原盤とについて比較実験を行った。その鋭意研究の結果、所定パターンにおけるダミーパターン近傍の部位と、所定パターンの中心部の部位とにおいて、パターンサイズが均一となることがわかった。
【0142】
また、光ディスク用原盤12を回転させながら露光を行う所定パターンの露光工程と同様の露光工程により、ダミーパターン14を所定パターン13と同心円状に形成することができる。すなわち、ダミーパターン14を同心円状に形成することは、光ディスク用原盤の裏面に反射防止膜等を設ける場合や、光ディスク用原盤に着色剤を含む材料を用いることに比べて、生産性の悪化や、コストの増加を伴わずに行うことができる。
【0143】
それゆえ、低コストにて簡易に作製することでき、パターンサイズが均一化された光ディスク用原盤12を提供することができる。
【0144】
また、本実施の形態の光ディスク用原盤12は、図3に示したように、ダミーパターン14が、所定パターン13と同心円状に複数本形成されている構成であってもよい。
【0145】
上記構成によれば、ダミーパターン14は、所定パターン13と同心円状に複数本形成される。したがって、ダミーパターン14を所定パターン13が形成されている範囲外においてより広域に形成することができる。
【0146】
本発明者らにおいては、鋭意研究の結果、ダミーパターン14をより広域に形成することにより、所定パターン13におけるダミーパターン14近傍の部位と、所定パターン13の中心部の部位とにおいて、パターンサイズがより均一となることを確認した。
【0147】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができる。
【0148】
また、本実施の形態の光ディスク用原盤12は、図4あるいは図9に示したように、ダミーパターン14の幅が、所定パターン13における案内溝およびピットの幅よりも広いものであってもよい。
【0149】
上記構成によれば、ダミーパターン14を所定パターン13が形成されている範囲外においてより広域に形成することができる。
【0150】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができる。
【0151】
また、本実施の形態の光ディスク用原盤12は、図5〜図9に示したように、所定パターン13が形成されている領域以外を、所定パターン13と同心円状に露光するとともに、所定パターン13の中心を軸として螺旋状に露光することにより形成されるダミーパターン14を備えているものであってもよい。
【0152】
上記構成によれば、ダミーパターン14は、所定パターン13と同心円状および螺旋状に形成される。したがって、ダミーパターン14を所定パターン13が形成されている範囲外においてより広域に形成することができる。
【0153】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0154】
また、本実施の形態の光ディスク用原盤12は、図8に示したように、ダミーパターン14が、所定パターン13と同心円状に形成されている複数の部位と、上記同心円状に形成されている複数の部位の間において螺旋状に形成されている部位とを備えているものであってもよい。
【0155】
上記構成によれば、ダミーパターン14における螺旋状に形成されている部位は、複数の同心円状に形成されている部位の間に形成されている。すなわち、ダミーパターン14を所定パターン13が形成されている範囲外においてより広域に形成することができる。
【0156】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0157】
また、本実施の形態の光ディスク用原盤12は、図9に示したように、ダミーパターン14における同心円状の形成されている部位の幅が、所定パターン13における案内溝およびピットの幅よりも広いものであってもよい。
【0158】
上記構成によれば、ダミーパターン14における同心円状の形成されている部位の幅は、所定パターン13における案内溝およびピットの幅よりも広く形成される。すなわち、ダミーパターン14を所定パターンが形成されている範囲外においてより広域に形成することができる。
【0159】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0160】
また、本実施の形態の光ディスク用原盤12は、図2あるいは図7に示したように、ダミーパターン14が、所定パターン13の内周側と外周側とに形成されている構成であってもよい。
【0161】
上記構成によれば、ダミーパターン14は、所定パターン13の内周側と外周側とに形成されている。したがって、所定パターン13におけるダミーパターン14近傍の部位、すなわち、所定パターン13における内周部および外周部と、所定パターン13の中心部の部位とにおいて、パターンサイズを均一とすることができる。
【0162】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができる。
【0163】
なお、本発明の光ディスクは、記録再生のための案内溝およびピットからなる所定パターンを有する光ディスクにおいて、上記所定パターンが形成された範囲外に、同心円状ダミーパターンが形成されている構成であってもよい。
【0164】
上記構成の光ディスクによれば、所定パターンの範囲外にダミー露光を行うことにより、ダミーパターン近傍の所定パターンの総露光量が中心部とほぼ等しくなる。したがって、所定パターンのダミーパターン近傍と中心部におけるパターンサイズの均一化した光ディスクを実現することができる。
【0165】
また、たとえばピットのみで形成された所定パターンと案内溝のみで形成された所定パターンなど総露光量の異なる所定パターンが存在する際、その間の限られた狭い範囲においてもダミーパターンを形成し、パターンサイズの均一化を実現することができる。
【0166】
また、本発明の光ディスクは、上記構成の光ディスクにおいて、上記同心円状ダミーパターンが複数本形成されている構成であってもよい。
【0167】
上記構成の光ディスクによれば、所定パターンの範囲外のダミーパターンを広域にすることにより、所定パターンの総露光量がダミーパターン近傍と中心部においてより等しくなる。したがって、ダミーパターン近傍と中心部におけるパターンサイズをより均一化することが可能となる。
【0168】
また、本発明の光ディスクは、上記構成の光ディスクにおいて、上記同心円状ダミーパターンの幅が、上記案内溝およびピットの幅よりも広い構成であってもよい。
【0169】
上記構成の光ディスクによれば、ダミーパターンの幅を広くすることにより、所定パターンの総露光量がダミーパターン近傍と中心部においてより等しくなる。したがって、ダミーパターン近傍と中心部におけるパターンサイズをより均一化することが可能となる。
【0170】
また、本発明の光ディスクは、記録再生のための案内溝およびピットからなる所定パターンを有する光ディスクにおいて、上記所定パターンが形成された範囲外に、螺旋状ダミーパターンと同心円状ダミーパターンとが形成されている構成であってもよい。
【0171】
上記構成の光ディスクによれば、所定パターンの範囲外のダミーパターンを広域にすることにより、所定パターンの総露光量がダミーパターン近傍と中心部においてより等しくなる。したがって、ダミーパターン近傍と中心部におけるパターンサイズをより均一化することが可能となる。
【0172】
また、本発明の光ディスクは、上記構成の光ディスクにおいて、2本以上の上記同心円状ダミーパターンが形成されており、該同心円状ダミーパターンの間に、上記螺旋状ダミーパターンが形成されている構成であってもよい。
【0173】
上記構成の光ディスクによれば、所定パターンの範囲外のダミーパターンを広域にすることにより、所定パターンの総露光量がダミーパターン近傍と中心部においてより等しくなる。したがって、ダミーパターン近傍と中心部におけるパターンサイズをより均一化することが可能となる。
【0174】
また、本発明の光ディスクは、上記構成の光ディスクにおいて、上記同心円状ダミーパターンの幅が、上記螺旋状ダミーパターンおよび案内溝およびピットの幅よりも広い構成であってもよい。
【0175】
上記構成の光ディスクによれば、ダミーパターンの幅を広くすることにより、所定パターンの総露光量がダミーパターン近傍と中心部においてより等しくなる。したがって、ダミーパターン近傍と中心部におけるパターンサイズをより均一化することが可能となる。
【0176】
また、本発明の光ディスクは、上記構成の光ディスクにおいて、上記所定パターンが形成された範囲外の領域において、上記同心円状ダミーパターン、および、上記螺旋状ダミーパターンが、内周側と外周側との両方に設けられている構成であってもよい。
【0177】
上記構成の光ディスクによれば、所定パターンの内側および外側にダミー露光を行うことにより、所定パターンの内周部および外周部の総露光量が中心部とほぼ等しくなる。したがって、所定パターンの全領域におけるパターンサイズの均一化した光ディスク用原盤を実現することができる。
【0178】
また、本発明の光ディスク用スタンパは、上記いずれかの構成の光ディスクを製造するための光ディスク用スタンパであってもよい。
【0179】
上記構成の光ディスク用スタンパによれば、所定パターンのダミーパターン近傍と中心部におけるパターンサイズの均一化した光ディスクを実現することができる。
【0180】
また、本発明の光ディスク用原盤は、上記構成の光ディスク用スタンパを製造するための光ディスク用原盤であってもよい。
【0181】
上記構成の光ディスク用原盤によれば、所定パターンのダミーパターン近傍と中心部におけるパターンサイズの均一化した光ディスク用スタンパを実現することができる。
【0182】
また、本発明の光ディスク用原盤の製造方法は、上記構成の光ディスク用原盤の製造方法において、原盤基板上にフォトレジストを塗布し、該フォトレジスト上に露光用光ビームを集光照射し、該光ビームの集光位置を固定した状態で、該原盤基板を回転駆動することにより、上記同心円状ダミーパターンの露光を行う方法であってもよい。
【0183】
また、本発明の光ディスク用原盤の製造方法は、上記構成の光ディスク用原盤の製造方法において、原盤基板上にフォトレジストを塗布し、該フォトレジスト上に露光用光ビームを集光照射し、該光ビームの集光位置を該原盤基板の半径方向に移動させながら、該原盤基板を回転駆動することにより、案内溝およびピットの幅よりも広い同心円状ダミーパターンの露光を行う方法であってもよい。
【0184】
また、本発明の光ディスク用原盤の製造方法は、上記構成の光ディスク用原盤の製造方法において、原盤基板上にフォトレジストを塗布し、該フォトレジスト上に露光用光ビームを集光照射し、該光ビームの集光位置を該原盤基板の半径方向に移動させながら、該原盤基板を回転駆動することにより、上記螺旋状ダミーパターンの露光を行う方法であってもよい。
【0185】
上記構成の光ディスク用原盤の製造方法により、光ディスク用原盤を作製し、それより光ディスク用スタンパ、光ディスクを作製することにより、所定パターンのダミーパターン近傍と中心部におけるパターンサイズの均一化した光ディスク用原盤、光ディスク用スタンパおよび光ディスクを実現することができる。
【0186】
【発明の効果】
本発明の光ディスク用原盤は、以上のように、所定パターンが形成されている領域以外に、該所定パターンと同心円状のダミーパターンを備えているものである。
【0187】
また、本発明の光ディスク用原盤の製造方法は、以上のように、所定パターンが形成されている領域以外を、該所定パターンと同心円状に露光することによりダミーパターンを形成する方法である。
【0188】
それゆえ、低コストにて簡易に作製することでき、パターンサイズが均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0189】
また、本発明の光ディスク用原盤は、以上のように、上記構成の光ディスク用原盤において、上記ダミーパターンが、上記所定パターンと同心円状に複数本形成されているものである。
【0190】
上記構成によれば、ダミーパターンは、所定パターンと同心円状に複数本形成される。したがって、ダミーパターンを所定パターンが形成されている範囲外においてより広域に形成することができる。
【0191】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0192】
また、本発明の光ディスク用原盤は、以上のように、上記構成の光ディスク用原盤において、上記ダミーパターンのピッチ幅が、上記所定パターンにおける上記案内溝および上記ピットの幅よりも広いものである。
【0193】
上記構成によれば、ダミーパターンを所定パターンが形成されている範囲外においてより広域に形成することができる。
【0194】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0195】
また、本発明の光ディスク用原盤は、以上のように、所定パターンが形成されている領域以外に、該所定パターンと同心円状および上記所定パターンの中心を軸とする螺旋状に形成されるダミーパターンを備えているものである。
【0196】
また、本発明の光ディスク用原盤の製造方法は、以上のように、所定パターンが形成されている領域以外を、該所定パターンと同心円状に露光するとともに、上記所定パターンの中心を軸として螺旋状に露光することによりダミーパターンを形成する方法である。
【0197】
上記構成によれば、ダミーパターンは、所定パターンと同心円状および螺旋状に形成される。したがって、ダミーパターンを所定パターンが形成されている範囲外においてより広域に形成することができる。
【0198】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0199】
また、本発明の光ディスク用原盤は、以上のように、上記構成の光ディスク用原盤において、上記ダミーパターンが、上記所定パターンと同心円状に形成されている複数の部位と、上記同心円状に形成されている複数の部位の間において螺旋状に形成されている部位とを備えているものである。
【0200】
上記構成によれば、ダミーパターンにおける螺旋状に形成されている部位は、複数の同心円状に形成されている部位の間に形成されている。すなわち、ダミーパターンを所定パターンが形成されている範囲外においてより広域に形成することができる。
【0201】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0202】
また、本発明の光ディスク用原盤は、以上のように、上記構成の光ディスク用原盤において、上記ダミーパターンにおける同心円状の形成されている部位の幅が、上記所定パターンにおける案内溝およびピットの幅よりも広いものである。
【0203】
上記構成によれば、ダミーパターンにおける同心円状の形成されている部位の幅は、所定パターンにおける案内溝およびピットの幅よりも広く形成される。すなわち、ダミーパターンを所定パターンが形成されている範囲外においてより広域に形成することができる。
【0204】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0205】
また、本発明の光ディスク用原盤は、以上のように、上記構成の光ディスク用原盤において、上記ダミーパターンは、上記所定パターンの内周側と外周側とに形成されているものである。
【0206】
上記構成によれば、ダミーパターンは、所定パターンの内周側と外周側とに形成されている。したがって、所定パターンにおけるダミーパターン近傍の部位、すなわち、所定パターンにおける内周部および外周部と、所定パターンの中心部の部位とにおいて、パターンサイズを均一とすることができる。
【0207】
それゆえ、パターンサイズがより均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【0208】
また、本発明の光ディスク用スタンパは、以上のように、上記いずれかの構成の光ディスク用原盤を用いるものである。
【0209】
上記構成によれば、低コストにて簡易に作製することでき、パターンサイズが均一化された光ディスク用原盤を用いている。
【0210】
それゆえ、再生信号のCN比や、プリピットのビットエラーレートが悪化することを防止できるという効果を奏する。
【0211】
また、本発明の光ディスクは、以上のように、上記構成の光ディスク用スタンパを用いるものである。
【0212】
上記構成によれば、低コストにて簡易に作製することでき、パターンサイズが均一化された光ディスク用原盤を用いている。
【0213】
それゆえ、再生信号のCN比や、プリピットのビットエラーレートが悪化することを防止できるという効果を奏する。
【0214】
また、本発明の光ディスク用原盤の製造方法は、以上のように、上記ダミーパターンが、光ディスク用原盤を回転させつつ露光位置を光ディスク用原盤の半径方向に移動させることにより形成される方法である。
【0215】
上記構成によれば、所定パターンを形成する方法と同様の方法にて、ダミーパターンを形成することができる。
【0216】
それゆえ、より簡易な方法で、パターンサイズが均一化された光ディスク用原盤を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明における光ディスク用原盤の実施の一形態を示す平面図であり、(b)は、該光ディスク用原盤の断面図である。
【図2】(a)は、本発明における光ディスク用原盤の他の実施の形態を示す平面図であり、(b)は、該光ディスク用原盤の断面図である。
【図3】(a)は、本発明における光ディスク用原盤のさらに他の実施の形態を示す平面図であり、(b)は、該光ディスク用原盤の断面図である。
【図4】(a)は、本発明における光ディスク用原盤のさらに他の実施の形態を示す平面図であり、(b)は、該光ディスク用原盤の断面図である。
【図5】(a)は、本発明における光ディスク用原盤のさらに他の実施の形態を示す平面図であり、(b)は、該光ディスク用原盤の断面図である。
【図6】(a)は、本発明における光ディスク用原盤のさらに他の実施の形態を示す平面図であり、(b)は、該光ディスク用原盤の断面図である。
【図7】(a)は、本発明における光ディスク用原盤のさらに他の実施の形態を示す平面図であり、(b)は、該光ディスク用原盤の断面図である。
【図8】(a)は、本発明における光ディスク用原盤のさらに他の実施の形態を示す平面図であり、(b)は、該光ディスク用原盤の断面図である。
【図9】(a)は、本発明における光ディスク用原盤のさらに他の実施の形態を示す平面図であり、(b)は、該光ディスク用原盤の断面図である。
【図10】(a)は、本発明における光ディスク用原盤との比較のために作製した従来の光ディスク用原盤の平面図であり、(b)は、該光ディスク用原盤の断面図である。
【図11】本発明の光ディスク用原盤の溝幅とディスク中心からの距離との関係を、従来の光ディスク用原盤と比較して示すグラフである。
【図12】本発明の光ディスク用原盤のピット長とディスク中心からの距離との関係を、従来の光ディスク用原盤と比較して示すグラフである。
【図13】本発明における光ディスク用原盤の製造方法の実施の一形態を示すフローチャートである。
【図14】本発明における光ディスク用原盤の製造方法における露光工程を説明するための模式図である。
【図15】本発明における光ディスク用原盤の断面を示す模式図である。
【図16】本発明における光ディスク用スタンパの断面を示す模式図である。
【図17】本発明における光ディスクの断面を示す模式図である。
【図18】従来の光ディスク用原盤の製造方法を示すフローチャートである。
【図19】従来の製造方法で光ディスク用原盤を作製した場合に、露光工程におけるレーザビームの状態を示す模式図である。
【図20】従来の光ディスク用原盤における総露光量と半径方向の位置との関係を示すグラフである。
【図21】(a)は、従来の光ディスク用原盤の一構成例を示す断面図であり、(b)は、従来の光ディスク用原盤の他の構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 光ディスク用原盤
12 光ディスク用原盤
13 所定パターン
14 ダミーパターン
Claims (7)
- 情報の記録または再生を行う案内溝とピットとからなる所定パターンが環状に形成されている光ディスク用原盤において、
上記所定パターンが形成されている領域以外に、該所定パターンと同心円状のダミーパターンを備え、上記同心円状のダミーパターンの溝幅が、上記所定パターンにおける案内溝およびピットの幅よりも大きく形成されており、上記ダミーパターンは、上記所定パターンの内周側と外周側とに形成されていることを特徴とする光ディスク用原盤。 - 情報の記録または再生を行う案内溝とピットとからなる所定パターンが環状に形成されている光ディスク用原盤において、
上記所定パターンが形成されている領域以外に、該所定パターンと同心円状および上記所定パターンの中心を軸とする螺旋状に形成されるダミーパターンを備え、上記同心円状に形成されるダミーパターンの溝幅が、上記所定パターンにおける案内溝およびピットの幅よりも大きく形成されており、上記ダミーパターンは、上記所定パターンの内周側と外周側とに形成されていることを特徴とする光ディスク用原盤。 - 請求項1または2に記載の光ディスク用原盤を用いることを特徴とする光ディスク用スタンパ。
- 請求項3に記載の光ディスク用スタンパを用いることを特徴とする光ディスク。
- 情報の記録または再生を行う案内溝とピットとからなる所定パターンを環状に形成する光ディスク用原盤の製造方法において、
上記所定パターンが形成されている領域以外を、該所定パターンと同心円状に露光することにより、該所定パターンにおける案内溝およびピットの幅よりも大きい溝幅のダミーパターンを、上記所定パターンの内周側と外周側とに形成することを特徴とする光ディスク用原盤の製造方法。 - 情報の記録または再生を行う案内溝とピットとからなる所定パターンを環状に形成する光ディスク用原盤の製造方法において、
上記所定パターンが形成されている領域以外を、該所定パターンと同心円状に露光するとともに、上記所定パターンの中心を軸として螺旋状に露光することによりダミーパターンを形成し、該ダミーパターンにおける上記所定パターンと同心円状に形成される部位の溝幅を、上記所定パターンにおける案内溝およびピットの幅よりも大きくし、上記ダミーパターンは、上記所定パターンの内周側と外周側とに形成されることを特徴とする光ディスク用原盤の製造方法。 - 上記ダミーパターンは、光ディスク用原盤を回転させつつ露光位置を光ディスク用原盤の半径方向に移動させることにより形成されることを特徴とする請求項5または6に記載の光ディスク用原盤の製造方法。
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