JP4084106B2 - 階段用幅木 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば屋内用木質階段等の階段回りにおける側壁面と階段表面との入隅部に沿って取り付けられる階段用幅木に関する。
【0002】
【従来の技術】
屋内用の木質階段等において、側壁面と階段表面との入隅部に沿って幅木が取り付けられるものがある(実用新案登録第2567122号、特開平8−165774号、特開平8−21054号、特開2000−34828号等)。
【0003】
このような階段用幅木の一般的なものは、図9ないし図11に示すように、階段(2)の表面と階段側方の壁面(1)との入隅部において、段板(3)の上面に沿って水平に配置される横幅木(5)と、階段(2)における蹴込板(4)の前面に沿って垂直に配置される縦幅木(6)とを備えている。
【0004】
横幅木(5)及び縦幅木(6)の各両端は、斜め45°に切断されて、対応する端部同士が留め継ぎ接合されている。更に縦幅木(6)の上部後側には、コ字状の凹部(6a)が形成され、この凹部(6a)内に段板(3)の段鼻部(3a)が適合状態に収納されている。
【0005】
このような幅木を施工現場で裁断加工して取り付ける場合には、階段の仕上がり状況に合わせて、一段ごとに、幅木用材料を切断して、横幅木(5)及び縦幅木(6)を作製して施工する必要がある。
【0006】
しかしながら、現場での裁断加工においては、特に、留め継ぎ接合部の斜め切断作業や、コ字状凹部(6a)の切削加工作業等は、高い寸法精度が要求されるため、熟練度や経験を必要し、面倒な作業となり、施工作業に手間がかかってしまう。
【0007】
そこで、近年においては、所要部分を予め工場側で裁断加工した幅木用プレカット材を用いて、現場での作業を軽減するようにした施工方法が好んで採用されている。
【0008】
このようなプレカット工法において、例えば横幅木用プレカット材は、前端側の留め継ぎ接合部が工場側で予め裁断加工されており、後端側の留め継ぎ接合部を現場で状況に合わせて切断して横幅木(5)として利用するとともに、縦幅木用プレカット材は、上端側の留め継ぎ接合部やコ字状凹部が工場側で予め裁断加工されており、下端側の留め継ぎ接合部を現場で状況に合わせて切断して縦幅木(6)として利用するのが通例である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、施工された階段(2)は、誤差の範囲内において微少なバラツキが発生するものである。例えば、段板(3)と蹴込板(4)との角度は、設計の上で90°に設定されているが、実際には、各階段構成部材の形状や寸法のバラツキ、組付施工によるバラツキ等の影響により、90°よりも僅かに大きくなったり、あるいは小さくなることがある。
【0010】
例えば図10の点線に示すように、段板(3)と蹴込板(4)との角度が90°よりも小さい場合に、上記のプレカット材からなる幅木(5)(6)を用いると、横幅木(5)の前端と縦幅木(6)の上端との間の留め継ぎ部における先端側に隙間(S)が形成される。逆に段板(3)と蹴込板(4)との角度が90°よりも大きい場合には、留め継ぎ部における根元側に隙間が形成される。このように幅木間の留め継ぎ部に隙間(S)が形成されると、その隙間(S)が予想以上に目立って、美観上好ましくないという問題が発生する。
【0011】
また上記の隙間(S)を目立たない程度に修正するには、繊細かつ緻密な切削作業や充填作業が必要となり、高い熟練度が要求されるため、作業者の負担が大きく、施工に手間取るという問題が発生する。
【0012】
この発明は、上記従来技術の問題を解消し、縦幅木及び横幅木間に隙間が生じても、その隙間が目立たず、良好な美観を得ることができるとともに、簡単に施工することができる階段用幅木を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本第1発明は、階段表面と階段側方の壁面との入隅部に沿って取り付けられる階段用幅木であって、前記階段の蹴込板の前面に沿って、前記蹴込板の下端部から前記階段の段板の前部上端にかけて垂直に配置される縦幅木と、前記段板の上面に沿って、前記縦幅木の上端面から前記段板の後端部にかけて水平に配置される横幅木とを備え、前記横幅木の板厚が、前記縦幅木の板厚よりも厚く設定されて、前記横幅木の内側面が前記縦幅木の内側面よりも内側方に配置されてなるものを要旨としている。
【0014】
本第1発明の階段用幅木においては、縦幅木の上端面に配置される横幅木を、縦幅木よりも板厚を厚く設定しているため、階段構成部材の寸法や形状のバラツキ等により、縦幅木上端と横幅木との間に隙間が形成されたとしても、その隙間は、横幅木によって隠蔽されるとともに、横幅木の暗影域に配置されることにより、上記の隙間が目立つことはない。加えて、厚板の横幅木前端面に視覚的な意識が向けられるため、この点においても、隙間が目立つのを防止することができる。
【0015】
また、上記したように隙間が目立たないため、面倒な隙間修正作業を行う必要がなく、その分、施工作業を容易に行うことができる。
【0016】
本第2発明は、階段表面と階段側方の壁面との入隅部に沿って取り付けられる階段用幅木であって、前記階段の蹴込板の前面に沿って、前記蹴込板の下端部から前記階段の段板の前部上端にかけて垂直に配置される縦幅木と、前記段板の上面に沿って、前記縦幅木の上端面から前記段板の後端部にかけて水平に配置される横幅木とを備え、前記横幅木の前端面が、前記縦幅木の上端面前端よりも前方に配置されてなるものを要旨としている。
【0017】
本第2発明の階段用幅木においては、縦幅木の上端面に配置される横幅木を、その前端面を縦幅木の上端面前端よりも前方に突出するように配置しているため、バラツキ等により、縦幅木上端と横幅木との間に形成される隙間は、横幅木によって隠蔽されるとともに、横幅木の暗影域に配置されることにより、隙間が目立つのを防止することができる上、上記と同様、施工作業を容易に行うことができる。
【0018】
本第3発明は、階段表面と階段側方の壁面との入隅部に沿って取り付けられる階段用幅木であって、前記階段の蹴込板の前面に沿って、前記蹴込板の下端部から前記階段の段板の前部上端にかけて垂直に配置される縦幅木と、前記段板の上面に沿って、前記縦幅木の上端面から前記段板の後端部にかけて水平に配置される横幅木とを備え、前記横幅木の板厚が、前記縦幅木の板厚よりも厚く設定されて、前記横幅木の内側面が前記縦幅木の内側面よりも内側方に配置されるとともに、前記横幅木の前端面が、前記縦幅木の上端面前端よりも前方に配置されてなるものを要旨としている。
【0019】
本第3発明の階段用幅木においては、上記と同様、隙間が目立つことがなく、施工作業を容易に行うことができる。
【0020】
一方、本第1ないし第3のいずれかの発明においては、前記段板の前端部が、その段板の下側に位置する前記蹴込板よりも前方に突出して配置されて段鼻部が形成され、前記縦幅木の上端部後側に、前記段鼻部を収納配置するための切欠段部が形成されてなる構成を採用するのが好ましい。
【0021】
すなわちこの構成を採用する場合、本発明の階段用幅木を、段鼻付き階段にも確実に適用することができる。
【0022】
更に本第2又は第3発明においては、前記横幅木の前端面と下面との間に面取り部が形成されてなる構成を採用するのが良い。
【0023】
すなわちこの構成を採用する場合、上記バラツキ等による隙間が、視認され難くなる。
【0024】
また本発明においては、前記横幅木の上面後端部に、その横幅木の上側に位置する前記縦幅木の下端面が対向して配置されてなる構成を採用するのが望ましい。
【0025】
すなわちこの構成を採用する場合、バランスの良い好ましい外観を得ることができるとともに、横幅木の後端面及び縦幅木の下端面を、各幅木に対し垂直な面とすることができるため、加工や微調整を容易に行うことができ、施工作業をより一層簡単に行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1ないし図5はこの発明の実施形態が適用された階段回りの幅木周辺を示す図である。これらの図に示すように、本実施形態の幅木(30)(40)が適用される階段(2)は、複数の段板(3)が、上下方向及び水平方向にそれぞれ所定の間隔おきに水平に配置されるとともに、隣り合う段板(3)間において、下側段板(3)の後端上側と上側段板(3)の前部下側との間を閉塞するように、蹴込板(4)が垂直に配置されている。
【0027】
更に各段板(3)は、その前端部が下側の蹴込板(4)よりも前方に突出するように配置されて段鼻部(3a)として構成されている。
【0028】
そして、本実施形態の幅木(30)(40)は、階段(2)の側方を閉塞する側壁面(1)と階段(2)の表面との間の入隅部に沿って設けられている。
【0029】
この幅木は、横幅木(30)と、縦幅木(40)とにより構成されている。横幅木(30)は、縦幅木(40)よりも板厚の厚い矩形断面の略直方体形状を有しており、その前端面(31)及び後端面(32)が、横幅木(30)の長さ方向に対し垂直な面(垂直面)に構成されている。更に横幅木(30)の前端面(31)と下面との間のコーナ部には、そのコーナ部が切り欠かれて面取り部(35)が形成されている。
【0030】
縦幅木(40)は、上記横幅木(30)よりも板厚が薄くて、矩形断面の略直方体形状を有しており、その上端面(41)及び下端面(42)が、縦幅木(40)の長さ方向に対し垂直な面(水平面)に構成されている。更に縦幅木(40)の上端部後側には、切欠段部(45)が形成されている。この切欠段部(45)は、段板(3)の段鼻部(3a)に対応する形状に形成されており、段鼻部(3a)の前端面に適合状態に接合し得る垂直面と、段鼻部(3a)の下面に適合状態に接合し得る水平面とを有するL字状の形状に形成されている。
【0031】
本実施形態において、各幅木(30)(40)は、その材質が、特に限定されるものではないが、例えば木材(ムク材)、合板、及び木質繊維板(MDF、HDF等)等の木質材料や、合成樹脂板等により構成することができる。更にこれらの構成材料の外観視できる箇所に、塗装処理、木質単板や合成樹脂シート等の化粧シートの貼着処理、及びそれらの処理を組み合わせた処理等によって、化粧を施すようにしても良い。
【0032】
そして、上記横幅木(30)が、その下面を段板(3)の上面に沿わせるとともに、後端面(32)を蹴込板(4)の下部前面に接合させるようにして、水平に配置された状態に組み付けられる。この組付状態においては、横幅木(30)は、前端部が対応する段板(3)の前端よりも所定量前方へ突出するように配置されている。
【0033】
また縦幅木(40)は、切欠段部(45)内に段鼻部(3a)の前端面から下面にかけての領域を適合状態に収容するようにして、後面を蹴込板(4)の前面に沿わせるように垂直に配置された状態に組み付けられる。この組付状態において、縦幅木(40)は、その上端面(41)が、上側の横幅木(30)の下面前端部に接合されるとともに、下端面(42)が、下側の横幅木(30)の上面後端部に接合されるように配置される。
【0034】
更にこの組付状態では、横幅木(30)の前端面(31)が、縦幅木(40)の上端面前端よりも前方へ突出するように配置されるとともに、横幅木(30)の板厚が縦幅木(40)の板厚よりも厚く設定されることにより、横幅木(30)の階段中心側の側面(内側面33)が、縦幅木(40)の内側面(43)よりも内側方に突出するように配置される。これにより、縦幅木(40)の上端面周辺全域が、横幅木(30)の前端部によって覆われるよう配置される。
【0035】
なお、各幅木(30)(40)は、接着剤、両面粘着テープ、あるいは釘類を単独で又は併用して用いることにより、側壁面(1)、段板(3)、蹴込板(4)等の任意の箇所に固定される。
【0036】
本実施形態の階段用幅木(20)においては、横幅木(30)の前端部によって、縦幅木(40)の上端面全域が覆われるため、図5の点線に示すように、階段構成部材の形状、寸法のバラツキや、組付施工によるバラツキによって、段板(3)と蹴込板(4)との角度が90°よりも小さくなり、横幅木(30)の下面側と縦幅木(40)の上端面との間に隙間(S1)が形成されたとしても、その隙間(S1)が横幅木(30)によって隠蔽されるとともに、横幅木(30)の暗影域に配置されることにより、隙間(S1)が目立つことなく、良好な美観を維持することができる。更に横幅木(30)の前端面下部に面取り部(35)を形成しているため、隙間(S1)が視認され難く、一層良好な美観を得ることができる。
【0037】
また下方から見上げた場合であっても、横幅木(30)の厚さが厚いため、その前端面(31)に視覚的な意識が向けられることにより、隙間(S1)が認識され難く、より一層良好な美観を得ることができる。
【0038】
また、縦幅木(40)の切欠段部(45)内周面と段板(3)の段鼻部(3a)外面との間に隙間(S2)が形成されたとしても、この隙間(S2)は、段鼻部(3a)や、横幅木(30)の前端部によって隠蔽されるとともに、これらの暗影域に配置されることにより、隙間(S2)が目立たず、良好な美観を確実に維持することができる。
【0039】
一方、各縦幅木(40)の下端側において、上記のバラツキ等により、縦幅木(40)と、横幅木(30)の上面との間に隙間(S3)が形成されたとしても、その隙間(S3)は、縦幅木(40)の暗影域に配置されることにより、目立つことがなく、この点においても、良好な美観を得ることができる。
【0040】
なお、上記の説明では、バラツキ等により段板(3)と蹴込板(4)との角度が90°よりも小さくなる場合について説明したが、バラツキ等によって段板(3)と蹴込板(4)との角度が90°より大きくなる場合であっても、各所に形成される隙間は、上記と同様に目立つようなことがなく、良好な美観を得ることができる。
【0041】
ここで、本実施形態においては、横幅木(30)と縦幅木(40)との厚み差は、0.5〜7.0mm、好ましくは下限値を1.0mm以上、上限値を3.0mm以下に調整するのが良い。すなわち、この厚み差が小さ過ぎる場合には、横幅木(30)の暗影域が小さくなるため、隙間(S1)〜(S3)が形成された際に、その隙間(S1)〜(S3)が目立って美観が低下する恐れがある。逆に厚み差が大き過ぎる場合には、横幅木(30)の内側面側(33)が内側方に過度に突出して配置されるため、その突出部が目に付いて、デザイン的に好ましくなく、更に材料歩留まりも悪化する恐れがある。
【0042】
なお、横幅木(30)としては、板厚が6.0〜19mm程度のもの、縦幅木(40)としては、板厚が5.0〜12mm程度のものを好適に使用することができる。
【0043】
また、横幅木(30)の前方突出量、すなわち縦幅木(40)の上端面前端から横幅木(30)の前端面までの長さは、0.5mm以上に調整するのが望ましく、好ましくは下限値を1.0mm以上、上限値を20mm以下、より好ましくは下限値を1.5mm以上、上限値を7.0mm以下に調整するのが良い。すなわち、この突出量が小さ過ぎる場合には、隙間(S1)が形成された際に、その隙間(S1)が目立って美観が低下する恐れがある。また突出量が、7.0mmを超える場合には、材料歩留まりが悪化する恐れがあり、更に20mmを超える場合、デザイン的にも好ましくない。
【0044】
更に本実施形態のように、横幅木(30)の前端面下側に面取り部(35)を形成する場合、縦幅木(40)の上端面前端から横幅木(30)の面取り部(35)の後端位置までの水平長さは、1.0mm以上に調整するのが良い。
【0045】
なお、本実施形態において、幅木(20)は、所要部を予め工場側で裁断加工したプレカット材として構成しても良いし、施工現場で、幅木材料を所定の形状に切断するようにしても良い。
【0046】
もっとも、施工される階段の形態が予め決定されている場合には、プレカット材を用いることにより、現場作業を削減することができ、工期の短縮及びコストの削減を図ることができる。
【0047】
本実施形態において、各幅木(30)(40)をプレカット材により構成する場合、その幅木用プレカット材は、階段の微妙な組付状態に確実に対応するために、設計上の幅木サイズよりも大きく形成しておくのが良い。すなわち、幅木用プレカット材を、段板(3)や蹴込板(4)等の組付状態に合わせて、適切な寸法、形状となるように切断することにより、良好な仕上がり具合に組み立てることができる。
【0048】
ここで、本実施形態において、幅木用プレカット材を用いる場合、現場での微調整用の切断作業を容易に行うことができる。すなわち図9ないし図11に示す従来の幅木のように、縦横の幅木間を留め継ぎ接合する場合には、プレカット材を、長さ方向に対し斜めに切断して、長さ調整等を行う必要がある。この斜め方向の切断する作業は、高い熟練度を必要とし、切断作業が困難になるばかりか、材料歩留まりも悪化して、コストの増大を来す。これに対し、本実施形態においては、横幅木(30)の後端面(32)及び縦幅木(40)の下端面(42)が各幅木(30)(40)の長さ方向にに対し垂直な面として構成しているため、幅木用プレカット材を、長さ方向に対し垂直に切断するだけで、幅木(30)(40)の採寸等の微調整を行うことができる。従って、現場での微調整用の切断作業を容易に行うことができる上、材料歩留まりも向上できて、コストの削減を図ることができる。更に縦幅木(40)の下端面(42)を垂直な面として構成しているため、その下端面(42)と下側の横幅木上面後端部との間に隙間(S3)が生じることを予測できるような場合には、その隙間(S3)を消失させるように下端面(42)を少し斜めに切断するだけで、簡単に隙間修正作業を行うことができる。
【0049】
また、本実施形態においては、プレカット材を用いずに、現場で裁断加工するような場合であっても、各幅木(30)(40)は、L字状切欠段部(45)の部分も含めて、幅木材料を長さ方向に対し垂直又は水平に切断するだけで作製することができるため、切断作業を容易に行うことができ、ひいては施工作業を容易に行うことができる。
【0050】
また、本実施形態では、横幅木(30)の後端部と縦幅木(40)の下端部との接合部において、厚板の横幅木(30)上に、薄板の縦幅木(40)が載置される形態を有するものであるため、安定感が得られて、バランスの良い好ましい外観を得ることができる。
【0051】
もっとも本発明においては、図6に示すように、薄板の縦幅木(40)の下端面(42)を段板(3)の上面に接合するとともに、横幅木(30)の後端面(32)を縦幅木(40)の前面下端部に接合するように配置しても良い。ただし、このような配置関係では、縦幅木(40)の下端内面側に凹部(50)が形成されるため、その凹部(50)内にたまる塵芥等を除去するのが面倒になるとともに、美観も低下する恐れがある。従って、上記実施形態のような配置関係で横幅木(30)及び縦幅木(40)を組み付けるのが好ましい。
【0052】
なお、図6に示す構造において、横幅木(30)の後端面(32)と内側面(33)との間に面取り部を形成しておけば、凹部(50)内にたまる塵芥等の除去を容易に行うことができるが、面取り部形成用の加工作業が手間となる恐れがある。
【0053】
また、上記実施形態においては、横幅木(30)の前端面(31)を垂直な面に形成しているが、本発明はそれだけに限られず、図7(a)に示すように、横幅木(30)の前端部を、その下面側を斜めに切断した形状に形成したり、同図(b)に示すように、横幅木(30)の前端部を、その上面側を斜めに切断した形状に形成したり、同図(c)に示すように、横幅木(30)の前端部を、上下両面側を共に斜めに切断した形状に形成したり、同図(d)に示すように、横幅木(30)の前端部を、曲面形状に形成するようにしても良い。もっとも、材料歩留まりを考慮した場合、横幅木(30)の前端は、上記実施形態のように、垂直面に形成するのが良い。
【0054】
また上記実施形態においては、本発明の幅木を、各段板(3)に段鼻部(3a)が形成された階段(2)に適用した場合について説明したが、本発明の幅木はそれだけに限られず、例えば図8に示すように段鼻部がない階段(2)、例えば段板部(3)の下面前端に蹴込板部(4)の上端が設けられて、段板部前端面と蹴込板部前面とが面一とされた階段(2)にも適用することができる。この場合には、縦幅木(40)に段鼻部収納用の切欠段部を形成する必要がなく、縦幅木(40)の後面全域を平坦面に形成することができる。
【0055】
また上記実施形態においては、横幅木(30)の前端を縦幅木(40)の前端よりも前方に突出させるという第1構成と、横幅木(30)の板厚を縦幅木(40)の板厚よりも大きくするという第2構成とを、共に具備した構造を例に挙げて説明しているが、本発明はそれだけに限られず、上記第1及び第2構成のうち、少なくともいずれか一方の構成を具備していれば良い。例えば第1構成を具備する場合には、横幅木として、縦幅木と同厚のものを使用しても良いし、縦幅木よりも薄板のものを使用しても良い。更に第2構成を具備する場合には、必ずしも横幅木の前端を縦幅木の前端よりも前方へ突出させる必要はなく、横幅木の前端面を縦幅木の前面に対し面一に調整するようにしても良い。
【0056】
また本発明の幅木は、階段の片側のみに設けるようにしても良いし、両側に設けるようにしても良い。
【0057】
更に本発明の幅木は、新築階段に限られず、既設階段のリフォーム用等としても採用することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、本第1発明の階段用幅木によれば、縦幅木の上端面に配置される横幅木を、縦幅木よりも板厚を厚く設定しているため、階段構成部材の寸法や形状のバラツキ等により、縦幅木上端と横幅木との間に隙間が形成されたとしても、その隙間は、横幅木等によって隠蔽されて暗影域に配置されるとともに、厚板の横幅木前端面に視覚的な意識が向けられることにより、隙間が目立つことがなく、良好な美観を得ることができる。また、隙間が目立たないため、面倒な隙間修正作業を行う必要がなく、その分、施工作業を容易に行うことができるという効果がある。
【0059】
本第2発明の階段用幅木によれば、縦幅木の上端面に配置される横幅木を、その前端面を縦幅木の上端面前端よりも前方に突出するように配置しているため、バラツキ等により、縦幅木上端と横幅木との間に形成される隙間は、横幅木によって隠蔽されるとともに、暗影域に配置されることにより、隙間が目立つことがなく、良好な美観を得ることができる上、上記と同様、施工作業を容易に行うことができるという効果がある。
【0060】
本第3発明の階段用幅木によれば、縦幅木の上端面に配置される横幅木を、縦幅木よりも板厚を厚く設定するとともに、横幅木の前端面を縦幅木の上端面前端よりも前方に突出するように配置しているため、上記と同様、良好な美観を得ることができるとともに、施工作業を容易に行うことができるという効果がある。
【0061】
本発明においては、縦幅木の上端部後側に切欠段部を形成するだけで、段鼻付き階段にも確実に適用することができる。しかもこの切欠段部は、容易に加工できるとともに、微調整のための切削や切断等も容易に行うことができるので、施工作業を一層簡単に行うことができるという利点がある。
【0062】
また本発明において、横幅木の前端面下側に面取り部を形成する場合には、バラツキによる隙間が視認され難くなり、一層良好な美観を得ることができるという利点がある。
【0063】
また本発明において、横幅木の上面後端部に縦幅木の下端面を配置する場合には、安定感が得られて、バランスの良い好ましい外観を得ることができるとともに、横幅木の後端面及び縦幅木の下端面を、幅木に対し垂直な面とすることができるため、加工や微調整を容易に行うことができ、施工作業をより一層簡単に行うことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態が適用された階段回りの幅木周辺を示す斜視図である。
【図2】実施形態の階段回りをその幅木を分離させた状態で示す斜視図である。
【図3】実施形態の階段回りの幅木周辺を示す側面断面図である。
【図4】実施形態の階段回りをその幅木を分離させた状態で示す側面断面図である。
【図5】実施形態の階段回りにおける幅木接合部を拡大して示す断面図であって、同図(a)は側面断面図、同図(b)は正面断面図である。
【図6】この発明の変形例が適用された階段回り幅木接合部を拡大して示す斜視図である。
【図7】この発明の他の変形例が適用された階段回りの幅木周辺を示す側面断面図である。
【図8】この発明の他の実施形態が適用された階段回りの幅木周辺を示す側面断面図である。
【図9】従来の階段回りにおける幅木周辺を示す斜視図である。
【図10】従来の階段回りにおける幅木周辺を示す側面断面図である。
【図11】従来の階段回りをその幅木を分離させた状態で示す側面断面図である。
【符号の説明】
1…側壁面(壁面)
2…階段
3…段板
3a…段鼻部
4…蹴込板
30…横幅木
31…前端面
32…後端面
33…内側面
35…面取り部
40…縦幅木
41…上端面
42…下端面
43…内側面
45…切欠段部
Claims (5)
- 階段表面と階段側方の壁面との入隅部に沿って取り付けられる階段用幅木であって、
前記階段の蹴込板の前面に沿って、前記蹴込板の下端部から前記階段の段板の前部上端にかけて垂直に配置される縦幅木と、
前記段板の上面に沿って、前記縦幅木の上端面から前記段板の後端部にかけて水平に配置される横幅木とを備え、
前記横幅木の板厚が、前記縦幅木の板厚よりも厚く設定されて、前記横幅木の内側面が前記縦幅木の内側面よりも内側方に配置されてなることを特徴とする階段用幅木。 - 前記横幅木の前端面が、前記縦幅木の上端面前端よりも前方に配置される請求項1に記載の階段用幅木。
- 前記段板の前端部が、その段板の下側に位置する前記蹴込板よりも前方に突出して配置されて段鼻部が形成され、
前記縦幅木の上端部後側に、前記段鼻部を収納配置するための切欠段部が形成されてなる請求項1または2に記載の階段用幅木。 - 前記横幅木の前端面と下面との間に面取り部が形成されてなる請求項2に記載の階段用幅木。
- 前記横幅木の上面後端部に、その横幅木の上側に位置する前記縦幅木の下端面が対向して配置されてなる請求項1ないし4のいずれかに記載の階段用幅木。
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