JP4080782B2 - ビーズ状重合物の製造方法 - Google Patents
ビーズ状重合物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4080782B2 JP4080782B2 JP2002122916A JP2002122916A JP4080782B2 JP 4080782 B2 JP4080782 B2 JP 4080782B2 JP 2002122916 A JP2002122916 A JP 2002122916A JP 2002122916 A JP2002122916 A JP 2002122916A JP 4080782 B2 JP4080782 B2 JP 4080782B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- drying
- bead polymer
- bead
- polymer
- batch
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Drying Of Solid Materials (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビーズ状重合物を効率良く安定して製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
懸濁重合法は、特にビニル系単量体の重合方法として有用な製造技術である。ビーズ状重合物は、懸濁重合後のスラリーから得ることができるものであり、塗料原料、インキ原料、複写機トナー用バインダー、セラミック焼成用バインダー、熱可塑性樹脂中間原料等の用途に使用されている。
【0003】
このビーズ状重合物の多くは、スラリーの脱水、洗浄、乾燥等の工程を経て製造されるが、重合工程に続くこれら各工程で使用される装置の種類は、製品の品質、製造コスト、消費エネルギー、廃棄物量等に大きな影響を与えることがある。すなわち、使用する装置の最適化は、重要な生産技術的課題である。
【0004】
ビーズ状重合物製造時におけるスラリーの脱水物の乾燥工程で工業的に使用できる乾燥機としては、例えば、減圧下加温して乾燥を行うもの、減圧下加温しての乾燥を縦方向に回転できる容器内で行うもの、加温空気を用いてビーズ状重合物を管内空輸しながら乾燥を行うもの、1段の多孔板の下側から加温空気を吹き込み上側でビーズ状重合物を横方向へ流動させながら乾燥を行うもの等が従来から知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、減圧下加温して乾燥を行うものや、減圧下加温しての乾燥を縦方向に回転できる容器内で行うものは、十分な乾燥効果を得るまでの長時間を要するという問題点を有しており、加温空気を用いてビーズ状重合物を管内空輸しながら乾燥を行うものは、ビーズ状重合物の内部に存在する水分を乾燥除去することが困難であるという問題点を有していた。
1段の多孔板の下側から加温空気を吹き込み上側でビーズ状重合物を横方向へ流動させながら乾燥を行うものは、これらの中では最も生産性の高い乾燥機ではあるが、加温空気の流速を構造上あまり高められないという制約があるため、充分に満足できる乾燥効率を得ることが困難であった。
【0006】
本発明の目的は、ビーズ状重合物の製造に適した乾燥機を選択することによって、ビーズ状重合物を効率良く安定して製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、1次乾燥室と2次乾燥室を上下に配した2段流動層式乾燥機が、上記問題点を解決することを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、1次乾燥室と2次乾燥室を上下に配した2段流動層式乾燥機を用いた、スラリー脱水物の乾燥工程を有し、2次乾燥室内の温度上昇度が設定値に到達した時点で、各乾燥バッチの2次乾燥処理を終了させるビーズ状ビニル系重合物の製造方法に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明によって得られるビーズ状重合物の構成成分としては、アルケニル基を有する単量体を使用することができ、例えば、塩化ビニル、スチレン、ジビニルベンゼン、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0010】
このビーズ状重合物は、懸濁重合によって製造されるものが特に好ましく、通常は真球に近いビーズ状の形状をしている。ビーズ粒子径には分布があるが、重量平均での粒子径は10〜1000μmの範囲内に入るのが通常である。
【0011】
懸濁重合は、目的に応じて選択された上述の単量体、及び重合用助剤と水を使用し、重合温度制御機能と攪拌機能とを有する容器内で行うことができる。
重合用助剤としては、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイルなどラジカル発生源である重合開始剤、n−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマーなどの連鎖移動剤、ポリビニルアルコール、メタクリル酸カリウム−メタクリル酸メチル共重合体などの分散剤(単量体の水中分散を安定化させる目的の界面活性剤)、硫酸ナトリウム、硫酸マンガンなどの分散助剤等を適宜選択して使用することができる。
【0012】
ビーズ状重合物は、懸濁重合で得られたスラリーを脱水機により脱水した後、乾燥して得ることができる。懸濁重合によるビーズ状重合物の製造は、重合釜を使用したバッチ操作となるのが通常であるが、本発明においては、ビーズ状重合物を連続的に製造することを目的として、重合釜と脱水機の間に、スラリーの一時貯蔵用タンクを設けることができる。
この一時貯蔵タンクを使用することにより、スラリーを脱水機に連続的に送り込むことができ、より安定した条件で脱水工程を操作することが可能となる。
【0013】
スラリーを一時貯蔵タンクから脱水機に連続的に供給する場合には、脱水機と繋がった分枝ラインを有するスラリー循環ラインを一時貯蔵タンクに設置し、ポンプによってスラリーを循環ラインへ供給するのが好ましい。分枝ライン中に流量自動調節弁を設置し、その開度を調整することによって、脱水機へのスラリーの供給速度を制御することができる。この場合、循環ラインから分枝ラインに流れなかったスラリーは、一時貯蔵タンクに戻される。
【0014】
スラリーの脱水には、各種の脱水機を使用することができる。例えば、遠心力を用いて水を振り絞る機構のもの、遠心沈降分離の原理を応用し比重差で水と分離する機構のもの、多孔ベルト上で水を吸引除去する機構のもの等を適宜選択して使用することができる。
【0015】
脱水工程を経たビーズ状重合物は、そのまま乾燥させることもできるが、乾燥させる前に、ビーズ状重合物を洗浄することもできる。洗浄することによって、ビーズ状重合物の純度を高めることができる。
【0016】
ビーズ状重合物の洗浄方法としては、例えば、ビーズ状重合物に水を加えて再度スラリー化させて槽内で攪拌混合する方法、洗浄機能をも有する脱水装置内でビーズ状重合物の脱水後に水洗浄する方法、及び、これら両方を組み合わせる方法などを挙げることができる。洗浄されたビーズ状重合物は、乾燥する前に再度脱水することもできる。
【0017】
脱水工程を経たビーズ状重合物は、さらに乾燥工程を経ることによって、製品としての取扱い性等がさらに向上する傾向にある。脱水工程を経た後でも、ビーズ状重合物の表面には水が残留しており、さらにビーズ状重合物内部は飽和吸水に近い状態であるので、ビーズ状重合物の含水率を更に下げるためには、乾燥工程が必要である。
【0018】
本発明では、1次乾燥室と2次乾燥室を上下に配した2段流動層式乾燥機が乾燥工程で使用される。
これは、2段流動層式乾燥機を使用することによって、乾燥工程を連続的に行うことが可能となり、ビーズ状重合物を効率良く長期間安定して製造することが可能となるためである。
【0019】
上述の乾燥機としては、半連続式2段流動層乾燥機として知られているもの等を使用することができる。例えば、反転床回分式流動層乾燥機(B−FBD−R型、株式会社奈良機械製作所製)等の市販品を使用することもできる。
本発明で使用される乾燥機の本体部分は縦長で上下方向に3分割されており、上側から1次乾燥室、2次乾燥室、そして1番下側が乾燥ビーズ状重合物の一時貯蔵室としての機能を有している。3分割された各室の間はそれぞれ回転できる多孔板で仕切られており、その板を以後は上段ベッド、下段ベッドと呼ぶことにする。
ここで、乾燥室を3つ以上有することは、生産性向上への寄与が小さい一方で運転管理が煩雑になる傾向にあるため好ましくない。
【0020】
脱水されたビーズ状重合物は、まず1次乾燥室内へ送り込まれる。ビーズ状重合物は、連続的に供給しても良いし、間欠的に供給しても良い。このビーズ状重合物を供給するための設備は特に限定されないが、例えば、気流乾燥管設備を用いて空輸することもできる。また、脱水機が乾燥機の上方に配置されている場合は、脱水されたビーズ状重合物を落下させて供給することもできる。
【0021】
1次乾燥室内へ送り込まれたビーズ状重合物は、第1回目の乾燥(1次乾燥)処理を受ける。一次乾燥されたビーズ状重合物は、続いて、上段ベッドの回転により2次乾燥室内へ落下して、第2回目の乾燥(2次乾燥)処理を受ける。このような運転法により、上段ベッドが回転するたびに、特定量のビーズ状重合物が2次乾燥室内へ落下するが、その特定量のビーズ状重合物を今後は乾燥1バッチと呼ぶ。2次乾燥室内で乾燥1バッチのビーズが2次乾燥処理を受けている間、1次乾燥室内では次の乾燥1バッチとなるビーズの1次乾燥処理が進行する。
【0022】
2次乾燥室内までの乾燥処理を終えた乾燥1バッチのビーズは、下段ベッドの回転により、最下階のビーズ状重合物の一時貯蔵室内へ落下する。上下2つあるベッドの回転時期の関係については、下段ベッドの回転終了後間もなく上段ベッドが回転することが、生産性の良い連続乾燥運転が可能となるため好ましい。乾燥ビーズ状重合物の一時貯蔵室は、下側が萎んだ円錐状の形状とするのが好ましい。そうすることによって、乾燥処理を終えたビーズ状重合物が、一時貯蔵室の最下部から蓄積されるので、最下部に排出設備を設置することによって、ビーズ状重合物の所定速度による次工程への供給が容易になるためである。以上のような運転方法を用いることで、各乾燥バッチが連続的に乾燥工程を通過することができる。
【0023】
本発明で使用する2段流動層式乾燥機においては、乾燥用空気が、乾燥ビーズ状重合物の一時貯蔵室の上部から取り入れられる。乾燥用空気は、必要に応じて、異物を除去するろ過器、送風用ブロアー、風量調節弁、空気加熱機、除湿機、加湿器などの中から適宜選定された装置を経由する配管を通して調製された大気を使用することができ、乾燥用空気によって乾燥機内の温度を制御することができる。一時貯蔵室から取り入れられた乾燥用空気は、一時貯蔵室内から、その天井とも言える下段ベッドを通して2次乾燥室内へ吹き上がり、この多孔板上にあるビーズ状重合物を流動させることで、乾燥効率の高い乾燥運転を行うことができる。乾燥用空気は、さらに2次乾燥室の天井とも言える上段ベッドを通して1次乾燥室内へ吹き上がり、この多孔板上にあるビーズ状重合物の乾燥にも寄与するものである。
【0024】
1次乾燥室の上側には、ビーズ状重合物と空気の比重差を利用して、ビーズ状重合物だけを回収し空気を系外へ排出する機能を持つ、乾燥用空気の排出設備(以後サイクロン塔と呼ぶ)を設置するのが好ましい。これは、サイクロン塔を設置することによって、非常に大きな空気の流量で乾燥を行うことが可能となるためである。
【0025】
本発明においては、2次乾燥室内の温度上昇度が設定条件に到達した時点で、各バッチの2次乾燥処理を終了させる。
これは、重要な品質管理項目の1つである、ビーズ状重合物の水分含有率(含水率)を所定範囲内で安定的に保つことができる傾向にあるためである。
【0026】
例えば、乾燥機内での乾燥温度と乾燥時間の2条件を適切な一定条件に設定し、連続運転を行うことによっても、含水率を所定範囲内で安定的に保つことは可能であるが、このためには、乾燥工程へ送り込まれるビーズ状重合物の量と粒子径分布、さらに乾燥用空気の流量と絶対湿度が一定範囲内に安定的に保たれることが求められる。
【0027】
しかし、実際には、特に懸濁重合法によって得られるビーズ状重合物を乾燥工程へ量・質とも安定的に送り込み続けることは困難であり、乾燥用空気中の絶対湿度は、取り込む大気の温度・湿度の変化の影響を受けるため、これを安定的に保ち続けることも困難である。すなわち、単に乾燥温度と乾燥時間を設定するだけで、ビーズ状重合物の含水率を所定範囲内で長期間安定的に保つことは難しい傾向にある。
【0028】
本発明における乾燥工程の好ましい操作方法の一例を以下に示す。
乾燥工程運転開始直後の第1バッチ目からの数バッチにおいては、乾燥温度と乾燥時間を一定条件に設定して2段流動層式乾燥機の操作を行う。
例えば、1次乾燥室内へビーズ状重合物が貯まり始めた時点から乾燥タイマーが動き始め、設定時間に到達すると、初めに下段ベッドが回転し、その回転が終了し元に戻った後に上段ベッドが回転する。上段ベッドの回転により、乾燥第1バッチ目のビーズ状重合物は2次乾燥室内へ落下する。その後上段ベッドが元に戻ると、乾燥タイマーがリセットされ再び動き出すが、この時点を便宜上から乾燥第1バッチ目の2次乾燥処理開始時点と呼ぶことにする。この乾燥第1バッチ目の2次乾燥処理開始時点から、1次乾燥室内には乾燥第2バッチ目となるビーズ状重合物が貯まり始める。そしてまた乾燥タイマー設定時間に到達すると、先ずは下段ベッドの回転により、今回は2次乾燥室内の乾燥第1バッチ目のビーズが乾燥ビーズ状重合物の一時貯蔵室内へ落下する。この時点を乾燥第1ベッド目の2次乾燥処理終了時点と呼ぶ。そして続く上段ベッドの回転により、次の乾燥第2バッチ目が2次乾燥室内へ落下し、上段ベッドが元に戻ると次の乾燥タイマーが動き出し、1次乾燥室内には乾燥第3バッチ目となるビーズ状重合物が貯まり始める。
【0029】
この操作を数乾燥バッチ続ける間に、一時貯蔵室内から取り出されるビーズ状重合物の含水率が好ましい値となるための乾燥温度、乾燥時間を決定する。続いて、その決定した乾燥温度・乾燥時間での乾燥運転における、2次乾燥処理開始時点から2次乾燥処理終了時点までの間での2次乾燥室内温度計指示値の上昇度を確認する。
そして、2段流動層式乾燥機の操作条件を2次乾燥室内の温度上昇度が設定値に到達した時点で、各バッチの2次乾燥処理を終了させるという条件に変更する。確認した温度上昇度を設定値として入力すると、以後の乾燥バッチからは、乾燥時間に代えて2次乾燥室内温度上昇度が設定値に到達した時点で下段ベッドが回転し、これまでと同様の一連の乾燥バッチ更新運転が継続される。
その後は、その1品種の生産が完了するまで、乾燥工程の設定運転条件を一切変更することなく、乾燥処理を生産性良く安定条件の基で長期連続的に行うことができる上に、安定した含水率の製品を得ることができる。
【0030】
乾燥処理されたビーズ状重合物は、目的に合った粒子サイズのものだけを取り出す目的で篩別器を通過させることがあるが、この工程でも、本発明の効果で生産性良く安定した運転が可能になる。
【0031】
本発明で得られるビーズ状重合物は、塗料原料、インキ原料、複写機トナー用バインダー、セラミック焼成用バインダー等の用途に使用することができ、賦形工程を経てペレット化したものを、熱可塑性樹脂成形材料用途に使用することも可能である。
【0032】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明とその効果を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお実施例により得られたビーズ状重合物の物性評価は次の[1]〜[2]の方法に基づいて実施した。
【0033】
[1]含水率
JIS K 0068「カールフィッシャー滴定法」4.5項の水分気化法に準拠する方法で測定した。
【0034】
[2]重量平均粒子径
ビーズ状重合物を水中に分散させ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置[(株)堀場製作所製、LA−910]を用いて測定した。
【0035】
(参考例1)
懸濁重合法により重合物を製造する重合釜内へ、メタクリル酸メチル100質量部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部、n−ドデシルメルカプタン0.3質量部を均一溶解した重合原料と、予めメタクリル酸ナトリウム−メタクリル酸メチル7:3共重合物1質量部、硫酸マンガン0.01質量部、過酸化水素水(純分35%)0.1質量部を均一溶解した純水200質量部とを仕込み、攪拌しながら窒素置換を行った後70℃で重合し、重合発熱のピークを検出後、100℃で1時間さらに重合を行った。重合後、釜内を常温まで冷却し、生成したスラリーをスラリー一時貯蔵槽へ全量移液した。
続いて、このスラリーを一定の設定条件で連続運転される脱水、洗浄、第2回脱水の連続する工程を通過させ、得られたスラリーの脱水物を連続的に、1次乾燥室と2次乾燥室を上下に配した2段流動層式乾燥機内へ送り込みながら、設定乾燥温度45℃、設定2次乾燥処理時間(上段ベッド回転終了時点から、下段ベッド回転開始時点まで)16分、設定乾燥空気流量3000Nm3/hrで乾燥運転を行った。生産初期に採取したビーズ状重合物の含水率は0.42%、重量平均粒子径は100μmであり、運転末期に採取したビーズ状重合物の含水率は0.40%、重量平均粒子径は100μmであり、連続的に製造されるビーズ状重合物の品質安定性が優れていることが確認された。
【0036】
(参考例2)
参考例1と同一の重合運転を続けて20回行った。得られるスラリーを順次スラリー一時貯蔵槽へ移液しながら、続く脱水、洗浄、第2回脱水から2段流動層式乾燥機までの工程の運転を全て参考例1と同一設定運転条件で生産が終了するまで継続した。途中でトラブルが発生することなく、ビーズ状重合物を高い生産性を維持しながら連続生産することができた。
生産初期に採取したビーズ状重合物の含水率は0.40%、重量平均粒子径は100μmであり、運転末期に採取したビーズ状重合物の含水率は0.21%、重量平均粒子径は100μmであった。ビーズ状重合物の品質に若干の変動が見られたが、実用レベルにあることが確認された。
【0037】
(実施例1)
参考例1及び参考例2と同一の重合運転を参考例2と同様に続けて20回行った。そして2段流動層式乾燥機の運転方法を除いては、全工程を参考例1及び参考例2と同一の設定運転条件を生産が終了するまで継続した。
2段流動乾燥機の運転法は以下の通りである。乾燥開始から第5乾燥バッチ目が乾燥ビーズ一時貯蔵室内へ落下するまでは、参考例1、参考例2と同一である設定乾燥温度45℃、設定乾燥時間16分、設定乾燥空気流量3000Nm3/hrで乾燥運転を行った。この運転期間中の第4乾燥バッチ目で得られた製品の含水率は0.42%であり、重量平均粒子径は100μmであった。そして、この時の設定2次乾燥時間16分間での2次乾燥室内の温度は7.5℃上昇していた。そこで乾燥第6バッチ目の2次乾燥室内での乾燥から以後は、乾燥時間設定法に代えて、各バッチの乾燥タイマー開始時点である上段ベッド回転終了時点からの2次乾燥室内温度上昇が7.5℃となった時点で下段ベッドの回転が開始する温度差設定方法での乾燥運転を開始し、以後は生産が終了するまでこの乾燥運転法、設定条件を継続した。途中でトラブルが発生することなく、ビーズ状重合物を高い生産性を維持しながら連続生産することができた。
生産中期に採取したビーズ状重合物の含水率は0.41%、重量平均粒子径は100μmであり、運転末期に採取したビーズ状重合物の含水率は0.37%、重量平均粒子径は100μmであり、連続的に製造されるビーズ状重合物の品質安定性が長期間にわたって非常に優れていることが確認された。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、ビーズ状重合物を効率良く長期間安定して製造することができ、工業上非常に有益なものである。
Claims (3)
- 1次乾燥室と2次乾燥室を上下に配した2段流動層式乾燥機を用いた、スラリー脱水物の乾燥工程を有し、2次乾燥室内の温度上昇度が設定値に到達した時点で、各乾燥バッチの2次乾燥処理を終了させるビーズ状ビニル系重合物の製造方法。
- スラリーが水を分散媒体とする懸濁重合法によって得られたものである、請求項1記載のビーズ状ビニル系重合物の製造方法。
- 各乾燥バッチが連続的に乾燥工程を通過する、請求項1又は2記載のビーズ状ビニル系重合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002122916A JP4080782B2 (ja) | 2002-04-24 | 2002-04-24 | ビーズ状重合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002122916A JP4080782B2 (ja) | 2002-04-24 | 2002-04-24 | ビーズ状重合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003313229A JP2003313229A (ja) | 2003-11-06 |
JP4080782B2 true JP4080782B2 (ja) | 2008-04-23 |
Family
ID=29538396
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002122916A Expired - Fee Related JP4080782B2 (ja) | 2002-04-24 | 2002-04-24 | ビーズ状重合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4080782B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009013400A (ja) * | 2007-06-04 | 2009-01-22 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 重合体溶液の製造方法 |
-
2002
- 2002-04-24 JP JP2002122916A patent/JP4080782B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003313229A (ja) | 2003-11-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6817496B2 (ja) | バイオ系モノマーから調製される熱膨張性微小球 | |
GB2146343A (en) | Cross-linked polymers | |
CN205593305U (zh) | 微波流化床干燥粮食的装置 | |
CA1089146A (en) | Monomer removal from the slurry of vinyl chloride resin with steam by using improved plate tower | |
JPH11116610A (ja) | 重合種子として実質的に単分散のポリマー粒子の使用、ポリマー粒子の製造方法および実質的に単分散な微粒子状ポリマー材料 | |
CN215002550U (zh) | 密闭循环式聚碳酸酯絮片深度干燥脱挥装置 | |
MXPA02006181A (es) | Metodo para preparar resinas de intercambio de cation de acido fuerte. | |
JP4080782B2 (ja) | ビーズ状重合物の製造方法 | |
RU2655442C2 (ru) | Способ получения солей с пониженным содержанием кристаллизационной воды | |
CN112460921A (zh) | 密闭循环式聚碳酸酯絮片深度干燥脱挥装置及工艺 | |
JPH11240914A (ja) | 親水性架橋重合体の製造方法 | |
WO2016159046A1 (ja) | 熱発泡性マイクロスフェアー | |
CN102702470B (zh) | 一种在静置条件下制备微米级单分散聚脲微球的方法 | |
JP4080781B2 (ja) | ビーズ状重合物の製造方法 | |
JP6237886B1 (ja) | アクリル系重合体粒子とその製造方法、インキ組成物、および塗料組成物 | |
BRPI0920238B1 (pt) | Processo para a produção de um polímero superabsorvente | |
US4277426A (en) | Method for production of coagulated synthetic polymer latex | |
JP5626996B2 (ja) | 合成樹脂粒子の製造方法及び合成樹脂粒子 | |
JPH10324518A (ja) | 循環流動層による人工ゼオライトの連続製造方法および人工ゼオライトの連続製造装置 | |
JP3718658B2 (ja) | 乳化重合系ポリマーの乾燥装置および乾燥方法 | |
JP2003306512A (ja) | ビーズ状重合物 | |
Mujumdar et al. | 41 Drying of Polymers | |
US6502621B2 (en) | Processes for forming styrene/methyl methacrylate copolymers | |
JPH09302024A (ja) | ポリビニルアルコール系樹脂粉末に含まれる有機溶剤の除去法 | |
KR102714076B1 (ko) | 2축 스크류형 압출 건조기를 이용한 폴리메틸메타크릴레이트용 충격보강제의 제조 방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041227 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061220 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070123 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070326 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070918 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071108 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080205 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080207 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4080782 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120215 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120215 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120215 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130215 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130215 Year of fee payment: 5 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130215 Year of fee payment: 5 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130215 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140215 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |