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JP4067995B2 - 回転円板型記憶装置並びにアクチュエータ・サスペンション・アセンブリの解放方法 - Google Patents

回転円板型記憶装置並びにアクチュエータ・サスペンション・アセンブリの解放方法 Download PDF

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JP4067995B2
JP4067995B2 JP2003091546A JP2003091546A JP4067995B2 JP 4067995 B2 JP4067995 B2 JP 4067995B2 JP 2003091546 A JP2003091546 A JP 2003091546A JP 2003091546 A JP2003091546 A JP 2003091546A JP 4067995 B2 JP4067995 B2 JP 4067995B2
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    • G11B5/54Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head into or out of its operative position or across tracks

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  • Supporting Of Heads In Record-Carrier Devices (AREA)
  • Moving Of Heads (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク装置や光磁気ディスク装置などの回転円板型記憶装置が動作を停止してヘッド/スライダを所定の位置に退避しているときにアクチュエータ・サスペンション・アセンブリの動作を拘束し、及び駆動するときに解放する技術に関し、より詳細には装置内部の小さな空間において簡易な機構でかつ確実にアクチュエータ・サスペンション・アセンブリの動作を拘束し及び解放する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク装置は、表面に磁性層が形成されスピンドル軸の廻りで回転するように設けられた円板状の回転円板型磁気ディスクと、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリと、データの読み書き及びアクチュエータ・サスペンション・アセンブリの動作を制御する制御ユニットを備える。アクチュエータ・サスペンション・アセンブリは、データを読み書きするヘッドと、ヘッドが取り付けられ空気軸受面(ABS)を提供するスライダと、スライダが取り付けられたサスペンション・アセンブリと、サスペンション・アセンブリが連結されピボット軸の廻りを回動するキャリッジ・アームを含む。
【0003】
キャリッジ・アームの一部にはコイル・アームが形成されて、ボイス・コイルを保持している。コイル・アームは、ボイス・コイル・マグネットの磁界の中に配置され、ボイス・コイル・マグネットとボイス・コイルはキャリッジ・アームを回動させる駆動力を生成するボイス・コイル・モータ(VCM)を構成する。
【0004】
磁気ディスクが回転すると、表面の気流が空気軸受を形成しスライダの空気軸受面に揚力を与えてスライダを磁気ディスク表面からわずかに持ち上げる。ボイス・コイル・モータの駆動力により、スライダは磁気ディスク表面上からわずかに浮かんだ状態で磁気ディスクのほぼ半径方向にピボット軸を中心に回動して、ヘッドがディスク表面の所定の位置にデータの読み書きをすることができるようになっている。
【0005】
近年磁気ディスク装置はポータブル・コンピュータなどの可搬式情報機器に搭載されることが多くなり、小型化と共に耐衝撃性の向上が求められている。磁気ディスク装置が停止しているときは、磁気ディスクの回転が停止しているため、空気軸受は消失している。ロード/アンロード方式の磁気ディスク装置においては、磁気ディスクの回転が停止している間、スライダを磁気ディスクの外側に設けたランプという退避機構に退避させる。ランプについては、たとえば、特許文献1に記載されている。
【特許文献1】
特開平11−110933号公報
【0006】
スライダがランプに退避しているとき、磁気ディスク装置に外部から衝撃力が加えられてスライダが磁気ディスクの記録領域に移動し磁気ディスク表面に接触すると、スライダ又は磁気ディスクのいずれかが損傷する恐れがでてくるのでこれを防止する必要がある。
【0007】
また、停止している磁気ディスクの表面にスライダが着陸するとスティクションというスライダの空気軸受面と磁気ディスク表面との間の粘着現象をもたらす。スティクションが発生した状態で磁気ディスクを回転さようとすると磁気ディスク表面を損傷させたり、あるいは最も深刻な状態として磁気ディスクを起動できない状態にすることがある。
【0008】
従って磁気ディスク装置においては、スライダを退避位置に位置づけた後は、再度磁気ディスクを回転するまで磁気ディスク装置に大きな衝撃力が加わってもスライダを退避位置に強固に拘束しておく機構が必要である。さらに、その拘束は再度磁気ディスクを起動するときにすみやかに解放されて、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリは自由に動作できる必要がある。
【0009】
スライダが退避位置におかれているときのアクチュエータ・サスペンション・アセンブリの拘束方法として、たとえば特許文献2にマグネット式、電磁ソレノイド式、慣性ラッチ式などの方法が記載されている。マグネット式は、一旦マグネットでアクチュエータ・サスペンション・アセンブリのキャリッジ・アームの一部を吸着した後に、アクチュエータを動作させて離脱させる必要があり吸着力の大きさには限界がある。また、大きな磁界強度を得るためには大きなマグネットのためのスペースが必要になり、それ単独で大きな衝撃力に対応させることは困難であった。
【特許文献2】
特開平8−339645号公報
【0010】
また、電磁ソレノイド式は構造が複雑になるという難点があり、慣性ラッチは動作に遊びがあるため持ち運んだときに音がして、ユーザに内部部品が脱落したとの錯覚を与えてしまうことがあった。さらに他の方法として、特許文献3には渦電流を利用した技術が開示されている。
【特許文献3】
米国特許第6462913号明細書
【0011】
同公報には、アクチュエータをロックするためのフックとマグネットを設けた回転板を回動できるようにハウジングのベースに取り付け、スピンドルの回転が停止しているときはマグネットとハブ裏側に形成された磁性体との磁気作用により回転板をフック位置におき、スピンドルが回転しているときはハブに生じた渦電流がマグネットに及ぼす力で回転板を回動させて、アクチュエータのロックを解放する技術が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、退避位置で拘束されているアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを、磁気ディスク装置の起動に併せて解放することにより、耐衝撃性を向上させた回転円板型記憶装置を提供することにある。
【0013】
さらに本発明の目的は、磁気ディスク装置を停止しているときに退避位置でアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束し、磁気ディスク装置を起動するときに拘束を解放する機構を、スペースを節約した簡易な構造で確実に行う回転円板型記憶装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の原理は、回転円板型記憶装置においてヘッド/スライダを退避した状態で動作が拘束されたアクチュエータ・サスペンション・アセンブリの動作を解放する際に、回転円板型記録媒体に発生した渦電流を利用する点にある。記録媒体を導電性の材料で形成し、記録媒体の表面に渦電流マグネットの磁極が対向するように近接して配置して記録媒体を回転させると、磁極からでた磁束が記録媒体を貫き記録媒体には電磁誘導により渦電流が流れ、渦電流マグネットには記録媒体の表面に平行な面上で回転方向と同じ方向及び記録媒体の表面に垂直な方向に力が働くことが知られている。
【0015】
回転円板型記憶装置の動作を停止する際、回転円板型記録媒体の回転数が所定値以下かゼロになっている間は、ヘッド/スライダが退避位置から移動しないようにアクチュエータ・サスペンション・アセンブリの動作を拘束して耐衝撃性を高める必要がある。そして、再度装置を起動するために記録媒体を回転させるときは、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリは自由に動作できる状態になっていなければならない。
【0016】
渦電流が渦電流マグネットに付与する力は、記録媒体の回転速度に関係しているので、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束しておかなければならない期間は渦電流が渦電流マグネットに付与する力が弱いかまったくない期間と一致し、解放しなければならない期間は記録媒体の回転速度が所定値以上に上昇している期間と一致することを利用すると、解放すべきタイミングを渦電流マグネットに働く力の大きさとして獲得することができる。
【0017】
回転円板型記録媒体が磁気ディスクの場合、磁気ディスクの表面に渦電流マグネットなどで磁界を生成することは記録データに障害を与える可能性があるために、これまで十分に検討されてこなかった。本発明は近年、磁気ディスクの表面に形成された磁性層の保磁力が高まったこと、磁気ディスクはスピンドルから半径方向に離れた位置ほど高い周速度を有し比較的小さな磁荷の渦電流マグネットでも解放機構を駆動するのに十分な力を得ることができることなどに着眼し、マグネットで磁気ディスクに渦電流を発生させても記録されたデータには影響しないという知見も考慮して実現したものである。
【0018】
本発明の第1の態様では、回転円板型記憶装置であって、ハウジングと、記録領域を備え少なくとも一部の領域が導電性の材料で形成された回転円板型記録媒体と、ヘッド/スライダが取り付けられ、ボイス・コイル・モータを含み、前記ハウジングで支持されたピボット軸を中心に前記ヘッド/スライダが退避位置と前記記録領域の間を移動するように動作するアクチュエータ・サスペンション・アセンブリと、前記回転円板型記録媒体の導電性の材料で形成された領域の表面に近接して配置され、磁極が前記回転円板型記録媒体の表面に対向する渦電流マグネットと、前記渦電流マグネットを保持し、前記回転円板型記録媒体を回転させたときに前記磁極により前記回転円板型記録媒体に生成された渦電流が前記渦電流マグネットに及ぼす力を利用して前記退避位置で拘束されているアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを解放する可動構造と、を有する回転円板型記憶装置を提供する。
【0019】
本発明の第1の態様に係る回転円板型記憶装置では退避位置において任意の周知の機構で拘束されているアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを装置の使用に際して可動構造が記録媒体に生じた渦電流による力を利用して解放することができる。
【0020】
アクチュエータ・サスペンション・アセンブリの拘束とは、ヘッド/スライダを退避している間、衝撃力などで移動しないように一時的に動作を強制的に拘束することを意味し、拘束方法としてはアクチュエータ・サスペンション・アセンブリとハウジングとの間にいかなる電気的又は機械的な機構を介在させて実現してもよい。
【0021】
渦電流マグネットは記録媒体に近接して配置され、磁極が記録媒体の表面に対向しているため磁極からでた磁束が記録媒体を貫通し、記録媒体の回転により渦電流が発生して渦電流マグネットに水平方向と垂直方向の力を与える。本発明において、渦電流マグネットは必ずしも記録媒体から離隔して配置する必要はなく、記録媒体の回転を妨げない程度に接触していてもよい。
【0022】
この力の利用には様々な方法が考えられる。一端に渦電流マグネットを取り付けたアームを、軸を中心に水平又は垂直に回転できるように配置して回転として利用してもよいし、片持ち梁の先端に渦電流マグネットを取り付けて梁の変位として利用してもよい。
【0023】
さらには、渦電流マグネットをスライドできるガイドの上で支持し、媒体に対して平行又は垂直にスライドさせたときのマグネット自体の動作を利用してもよい。本態様では可動構造がこれらの力を利用することにより様々な機構で拘束されているアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを装置の起動に併せて解放することができる。
【0024】
さらに本態様は、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリの退避方式としてランプを利用するロード/アンロード方式又は、記録媒体のランディング領域を利用するコンタクト・スタート・ストップ方式の回転円板型記憶装置に適用できる。
【0025】
さらに本態様は、可動構造として拘束範囲と解放範囲との間を回動可能なラッチ部材を提供することができる。ラッチ部材に保持された渦電流マグネットに働く力をラッチ部材の回転として取り出すことにより、簡易な構造で解放手段を実現できることになる。拘束範囲とは、ラッチ部材が直接又は他の部材を介して間接的にアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束することができるラッチ部材の回動範囲を意味し、解放範囲とはラッチ部材が直接又は他の部材を介して間接的に拘束されているアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを解放することができるラッチ部材の回動範囲を意味する。
【0026】
拘束範囲と解放範囲を回動するとは、拘束範囲と解放範囲との間にヒステリシス特性があっていずれとも画定できない範囲を含んでいてもよいことを意味する。また、拘束範囲及び解放範囲は、必ずしもいずれかの状態を維持したままラッチ部材がある範囲を回動することだけを意味するものだけではなく、ある特定の拘束位置又は解放位置を示すものであってもよい。
【0027】
さらに本態様は、回転円板型記録媒体が所定の回転数以下で回転しているか又は停止しているときは、ラッチ部材を拘束範囲に回動させるバイアス力を付与するバイアス構造を提供することができる。記録媒体が所定の回転数以下で回転しているか又は停止しているときは、装置を使用しないときなのでヘッド/スライダを退避させてアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束する期間であり、バイアス力をラッチ部材に加えるという構成を備えることでラッチ部材を拘束機構としても利用することができる。
【0028】
さらに本態様では、バイアス構造をボイス・コイル・モータのステータ・マグネットと渦電流マグネット、又はラッチ部材の磁性部若しくはマグネットとで構成することができる。この構成を備えることにより、ボイス・コイル・モータを備えるアクチュエータ・サスペンション・アセンブリにおいては、特別な部品を用意することなくバイアス構造を構成することができる。また、バイアス構造はスプリングで構成することもできる。この構成を備えることにより、ステータ・マグネットとラッチ部材の相互関係の制約を受けないでバイアス構造を構成することができる。このようなバイアス構造の採用により、簡単で小型の機構で拘束及び解放を実現することができる。
【0029】
さらに本態様は、ラッチ部材がアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束するラッチ係合部を提供することができる。この構成を備えることにより、ラッチ部材をアクチュエータ・サスペンション・アセンブリの拘束に使用することができるようになり、拘束及び解放のために他の部材が必要にならず、簡易で小型の機構を実現することができるようになる。
【0030】
さらに本態様では、ラッチ部材が拘束範囲と解放範囲との間を回動するとき、渦電流マグネットが回転円板型記録媒体の表面に対して平行又は実質的に垂直に移動する構成にすることができる。この構成を備えることにより、ラッチ部材を拘束範囲に位置づけてラッチ係合部でアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束し、渦電流マグネットに働く力を利用してラッチ部材を回動させアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを解放することができる。
【0031】
さらに本態様では、回転円板型記録媒体が非記録領域を備え、ラッチ部材が前記拘束範囲と解放範囲との間を回動する間、渦電流マグネットの磁極面が実質的に非記録領域の表面に対向するように構成することができる。この構成を備えることにより、渦電流マグネットの磁界が記録媒体に記録されたデータに与える影響を考慮する必要がないので、渦電流マグネットの磁界の強さ及び記録媒体の磁性層の保磁力を任意に選択することができる。
【0032】
さらに本態様では、非記録領域を記録媒体の外径近辺に設けることにより、ラッチ部材を記録媒体の外側近辺に配置したときラッチ部材の形状を小型にすることができ、かつ、記録媒体の周速度が最も大きい場所なので、大きな渦電流を発生させて大きなトルクを得るのに都合がよい。
【0033】
本発明の第2の態様は、回転円板型記憶装置であって、前記回転円板型記憶装置の構成要素を収納する手段と、前記収納する手段に回転可能に支持され、記録領域を備えて少なくとも一部の領域が導電性の材料で形成されたデータを記録する手段と、前記データを記録する手段からデータの読み出しをするヘッド/スライダを退避位置と前記記録領域との間で移動させる手段と、前記退避位置に位置づけられている前記移動させる手段を拘束する手段と、前記データを記録する手段の導電性の材料で形成された領域の表面に近接して配置され、前記データを記録する手段の表面に磁束を供給する手段と、前記磁束を供給する手段を保持し、前記データを記録する手段を回転させたときに前記磁束により前記データを記録する手段に生成された渦電流が前記磁束を供給する手段に及ぼす力を利用して前記移動させる手段の拘束を解放する手段とを有する回転円板型記憶装置を提供する。
【0034】
本発明の第3の態様は、少なくとも一部の領域が導電性の材料で形成された回転円板型記録媒体と、ヘッド/スライダを含むアクチュエータ・サスペンション・アセンブリとを備える回転円板型記憶装置において、退避位置で拘束されているアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを解放する方法であって、前記回転円板型記録媒体を回転させて、前記回転円板型記録媒体に近接する位置に前記導電性の材料で形成された領域の表面に磁極が対向するように配置された渦電流マグネットの磁極により前記回転円板型記録媒体に渦電流を発生させるステップと、前記渦電流により前記渦電流マグネットに力を付与するステップと、前記渦電流マグネットに付与された力を利用して、前記アクチュエータ・サスペンション・アセンブリの拘束を解放するステップと、を有するアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを解放する方法を提供する。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明における第1の実施の形態に係る磁気ディスク装置30の概略構成を示すために二つの方向からみた斜視図で、図2はそのA−A断面の主要部に関する概略図である。説明の簡略のため、図2では、図1に示したランプ18の記載を省略している。磁気ディスク装置30は、ハウジング2とハウジングの上部を蓋するハウジング蓋(図示せず。)で形成された清浄な雰囲気の密閉空間の中に、2枚の回転円板型記録媒体である磁気ディスク4a、4bとアクチュエータ・サスペンション・アセンブリ8が収納されている。さらにハウジング2の底面外側には、磁気ディスク装置30の動作及びデータの読み書きの制御を行うロジック・カード(図示せず。)が取り付けられている。
【0036】
磁気ディスク4a、4bには、アルミニウムを素材にした基板の上に付着性や磁気特性を改善したり表面を保護したりする目的をもつ様々な層と共に、データを磁区の変化として保持する磁性層がスパッタ付着プロセスにより形成されている。本実施の形態において用いた磁気ディスクの磁性層は、3750エルステッド(Oe)の保磁力を有している。磁性層の保磁力が大きいほど、磁性層に記憶されたデータが外部磁界の影響を受けにくくなる。
【0037】
本実施の形態における磁気ディスクは、近辺に配置されたマグネットが作る磁界の影響を受けて、記録データにエラーが生ずるようなことがないような大きさの保磁力に選択されている。ただし、後に述べるように本実施の形態では、保磁力が小さくても記憶したデータに影響を与えない構成も提供している。
【0038】
本実施の形態に供する磁気ディスクの特性として重要なことは、磁気ディスクを構成しているこれらの材料がマグネットの電磁誘導作用で渦電流を効果的に流すことができるように適度な導電性を備えていることであり、本発明ではアルミニウム基板がその機能を果たしている。非導電性の基板を採用しても他の層により実質的に渦電流の経路となる導電層が形成できれば本実施の態様において必ずしも基板自体が導電性である必要はない。なお、基板の材料としては、アルミニウムに限定されるものではなく、アルミニウムとマグネシウムの合金や、他の金属などであってもよい。
【0039】
さらに、磁気ディスクは基板あるいは他の層がディスク領域の全体に渡って導電性である必要はなく、少なくとも渦電流を流す一部分の領域が導電性であればよい。このような磁気ディスクはスパッタ法などの周知の蒸着技術を利用して製作することができる。
【0040】
本実施の形態では、2枚の磁気ディスク4a、4bが上下に平行に配置されてスピンドル軸6の周りで一体となってスピンドル・モータ(図示せず。)により回転するように構成されている。各磁気ディスクは、データの記録用に中央の大部分を占める記録領域7と、記憶領域の外径近辺にデータの記録には利用しない円環上の非記録領域5とをそれぞれ表面と裏面に備える。
【0041】
アクチュエータ・サスペンション・アセンブリ8は、ハウジング2の底面から直立に支持されたピボット軸20を中心に回動可能なキャリッジ・アーム10とキャリッジ・アームの先端に取り付けられたサスペンション・アセンブリ12a、12b、12c、12dと、サスペンション・アセンブリの先端に取り付けられたヘッド/スライダ14a、14b、14c、14dを含む。
【0042】
図2では、磁気ディスク4a、4bそれぞれの表面及び裏面に対応する4つのサスペンション・アセンブリ及び4つのヘッド/スライダが設けられている。ヘッド/スライダは電気信号と磁気信号を双方向に変換し、磁気ディスクとの間でデータの読み書きをするヘッドと、ヘッドが取り付けられたスライダで構成される。なお、ヘッド/スライダは磁気ディスクの記録領域7への書き込みを行わずに、記録された磁気信号を読み出して電気信号に変換することで情報を再生する読み出しヘッドのみの構成でもよい。
【0043】
スライダの底面には空気軸受(ABS)面が形成され、ヘッド/スライダは回転する磁気ディスクの表面に発生した気流がスライダの空気軸受面に当たることで揚力が与えられ、磁気ディスク表面から僅かの間隙を維持しながら飛行して所定の位置に位置づけられるようになっている。従って、通常磁気ディスクが回転している間はヘッド/スライダが磁気ディスク面上におかれても磁気ディスクに接触することはない。
【0044】
サスペンション・アセンブリ12a、12b、12c、12dの先端部は突き出てタブ16a、16b、16c、16dが形成され、さらに磁気ディスクの外側近辺にランプ18が(図2には記載せず。)ハウジング2に取り付けられている。ランプは、磁気ディスク30の動作を停止するときにヘッド/スライダに退避場所を提供するための技法の一つであるロード/アンロード方式で採用される構成要素で、例えば特開平10−302421号公報に開示されている。
【0045】
磁気ディスク装置30の動作を停止するときは、磁気ディスクの回転を停止する前にアクチュエータ・サスペンション・アセンブリ8を磁気ディスクの外側まで移動させて、さらにタブをランプに摺動させながらヘッド/スライダをランプの退避位置に退避させる。アクチュエータ・サスペンション・アセンブリが所定の位置まで回動してランプの退避位置に到達すると、4つのヘッド/スライダは一定の間隔を維持するように保持され、ヘッド/スライダを上下に加速するような衝撃力が磁気ディスク装置に加わってもヘッド/スライダ同士が相互に接触したりすることがないようになっている。
【0046】
しかし、ランプはヘッド/スライダを一時的に退避させるものであり、つぎに磁気ディスク装置を起動するときは、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリは、磁気ディスクの記録領域7側に回動できる構成になっているので、退避しただけではなんらかの拘束機構がないと衝撃力でヘッド/スライダが磁気ディスクの記録領域に落下してしまう恐れがある。
【0047】
正常な動作で磁気ディスクを起動するときは、先に磁気ディスクを回転させた後に、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリ8を磁気ディスク方向に回動させると、タブがランプの摺動面を摺動しながらランプから離れる。つぎに、ヘッド/スライダは磁気ディスク表面に移動し、磁気ディスクの回転により発生した気流が磁気ディスクとスライダとの間に流れ込んで形成した空気軸受けを利用して飛行する。
【0048】
キャリッジ・アーム10の後部には、コイル・フレーム22が一体として形成され、ボイス・コイル24を保持している。キャリッジ・アーム10の後部には、ヨーク26a、26bが対向するようにハウジング2の底面から支持され、ヨーク26a、26bにはそれぞれ内側に永久磁石で構成されたボイス・コイル・マグネット28a、28bが取り付けられて磁場空間27を形成している。コイル・フレーム22に保持されたボイス・コイル24には、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリを回動させる電流が流れる。ボイス・コイル24に流れる電流の大きさと方向をロジック・カードが制御することで、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリを駆動し、ヘッド/スライダを所定の位置に位置づけることができる。
【0049】
コイル・フレーム22、ボイス・コイル24、ボイス・コイル・マグネット28a、28b、ヨーク26a、26bはボイス・コイル・モータを構成し、さらにアクチュエータ・サスペンション・アセンブリの一部を構成する。ただし、本明細書において、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリという表現は、もっぱら可動する部分を示すものとする。
【0050】
図1でボイス・コイル・マグネットを平面的に上からみたとき、ヨーク26aの下側に取り付けられている上側のボイス・コイル・マグネット28a(図2参照)は左側にN極が、また右側にS極が配置され、これに対向する下側のボイル・コイル・マグネット28bは、ボイス・コイル・マグネット28aの磁極とは反対極性の磁極が対向して左右に配置されている。すなわち、ボイス・コイル・マグネット28a、28bは、ボイス・コイル24に電流を流したときボイス・コイル・マグネットが生成した磁界がヨーク26a、26bを通じてボイス・コイルに有効な力を付与できるように配置されている。
【0051】
図1にはさらに、退避位置に位置づけられたアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束するラッチ部材50が示されている。図3は、退避位置に位置づけられたアクチュエータ・サスペンション・アセンブリ8がラッチ部材50で拘束されている状態を示す図である。図4は、ラッチ部材を斜め下及び斜め上から見た外形を示す図である。
【0052】
図3に示すように、コイル・フレーム22の先端にはフレーム係合部23が形成され、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリ8はラッチ部材50で拘束されて、ヘッド/スライダを磁気ディスク4aの方向に移動させるように回動することができないいわゆる拘束状態になっている。
【0053】
図4において、ラッチ部材50はプラスチックなどの非磁性体材料で形成され、中央部に軸穴52が設けられたラッチ・アーム58と、ラッチ・アームの一端に設けられたマグネット・ホルダー54と、ラッチ・アームの他端に形成されたラッチ係合部56を備える。中央部の軸穴52には、ハウジングの底面から直立するように支持されたラッチ軸51(図3参照。)が貫通して、ラッチ部材50がラッチ軸を中心に回動できるように構成されている。
【0054】
マグネット・ホルダー54には渦電流マグネット60が収納され、渦電流マグネットの下側の磁極面は、ラッチ部材50が磁気ディスク装置に取り付けられた状態で、磁気ディスク4aの表面に対向するように位置づけられる。磁気ディスク4aの表面に向けられた渦電流マグネットの磁極から放出された磁束は磁気ディスク4aを貫いている。渦電流マグネット60は、電磁石で構成してもよいが、構造の簡易性から永久磁石を使うことが好ましい。渦電流マグネットを磁気ディスク4aの表面に配置すると、ラッチ部材50が積層された磁気ディスク4a、4bと干渉することがないため、磁気ディスク記憶装置の組立に何ら障害をもたらすことがない。
【0055】
また、本実施の形態では渦電流マグネットを磁気ディスク4aの上面にのみ配置しているが、下面にも反対極性の渦電流マグネットを配置して磁路を形成すれば、磁界強度を高めて渦電流マグネットに働く力を大きくすることができる。
【0056】
渦電流マグネットの磁極は、それほど強力な磁石であることが必要ではないので、磁気ディスク4aの表面上の非記録領域5はもちろんのこと、記録領域7の任意の場所に対向して配置しても記憶したデータには影響を与えずに有効な渦電流を流すことができる。そのために何れの位置に磁極を配置してもその効果を奏することができるが、本実施の形態では、より安心のために磁気ディスクの外径近辺に円環状に設けられた非記録領域5に対向するように配置している。
【0057】
本実施の形態では、磁気ディスクの表面からこれに対向する渦電流マグネットの磁極までの距離を0.7mmとし、磁極直下の磁気ディスク表面上で2150ガウス(0.215Wb/m)の磁束密度が得られるように、渦電流マグネットの磁界の強さを選択している。この磁界の強さと、磁気ディスクの保磁力3750エルステッドの関係では、記録領域7の上に渦電流マグネットを配置しても、記録したデータに影響を与えないことが確認されている。しかし、渦電流マグネット60を非記録領域5の上部に配置することにより、磁気ディスクの保磁力及び渦電流マグネットによる磁界強度を考慮する必要がなく、また非記録領域5の周速度は磁気ディスク上で最も早いので大きな渦電流を得る上で望ましい。
【0058】
本実施の形態では、渦電流マグネット60とボイス・コイル・マグネット28a、28bの間に働く力を利用して渦電流マグネット60をバイアス構造としても利用するために、磁気ディスク表面に対向する渦電流マグネットの磁極の極性はボイス・コイル・マグネット28a、28bの極性に関連づけている。バイアス構造は、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリが退避位置に位置づけられているときに、ラッチ部材が拘束範囲に回動するようなトルク、すなわち、図3ではラッチ部材をX方向に回動させるトルクを与える。
【0059】
本形態では、ボイス・コイル・マグネット28aの渦電流マグネット側がN極で、ボイス・コイル・マグネット28bの渦電流マグネット側がS極であるため、渦電流マグネット60は上側をN極にし、磁気ディスクに対向している面をS極にする。この結果、渦電流マグネット60はボイス・コイル・マグネットから斥力を受け、ラッチ部材50に対してX方向の回転力としてのバイアス力を与える。
【0060】
この構成により、ラッチ部材のラッチ係合部56で退避位置にあるアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束することができる。ラッチ係合部56は、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリ8が退避位置に位置づけられているときにコイル・フレーム22の一部に設けられたフレーム係合部23と係合し、ヘッド/スライダが外部からの衝撃力などで磁気ディスク方向に移動しないようにその動作を拘束する。フレーム係合部23は必ずしもコイル・フレームの一部に設ける必要はなく、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリのいずれかの場所に設けてもよい。
【0061】
つぎに、上記構成を備える磁気ディスク装置の動作について図5を参照しながら説明する。図5(A)は、磁気ディスク装置が停止し、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリがヘッド/スライダをランプ18に退避している状態を示す(図1参照)。
【0062】
退避位置にあるアクチュエータ・サスペンション・アセンブリに、ヘッド/スライダを磁気ディスクから離れる方向に移動させる衝撃力が働いたとしても、退避位置以上は回動しないようになっているが、その方法は周知の任意の方法でよく、たとえば、限界位置を定めるストッパでアクチュエータ・サスペンション・アセンブリの移動を制限するようにしてもよい。
【0063】
この状態では図5(A)に示すように、ボイス・コイル・マグネット28a、28bと渦電流マグネット60との作用により働く斥力、すなわちバイアス力により、ラッチ部材50はX方向に力を受けてラッチ軸51を中心に回動し、ラッチ・アーム58がハウジングのP点に当接して停止している。
【0064】
図5(A)のラッチ部材50は、コイル・フレーム22の先端に形成されたフレーム係合部23とラッチ係合部56が係合してアクチュエータ・サスペンション・アセンブリがヘッド/スライダを磁気ディスクに近づける方向で回動することができないように拘束する拘束範囲にある。本実施の形態においては、拘束範囲はラッチ係合部56がフレーム係合部23を拘束できるラッチ部材の回動範囲なので、ラッチ部材がハウジングのP点に当接する前に到来する。
【0065】
したがって、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリが退避位置にあり、ラッチ部材50が拘束範囲にあるときは、磁気ディスク装置に外部から大きな衝撃力が与えられてもアクチュエータ・サスペンション・アセンブリは強固にラッチ部材でハウジングに固定され、ヘッド/スライダが磁気ディスクの表面に移動して磁気ディスクを損傷したり、スティクションを発生させたりすることはない。
【0066】
つぎに、磁気ディスク装置を動作させるために磁気ディスク4a、4bを回転させたときの動作について説明する。磁気ディスク装置30を動作させるときは、ラッチ部材50によるアクチュエータ・サスペンション・アセンブリ8の拘束を解放してアクチュエータ・サスペンション・アセンブリがヘッド/スライダを磁気ディスク方向に移動できる必要がある。
【0067】
図5(A)の状態で磁気ディスク4aをZ方向に回転させると、渦電流マグネット60が放出した磁束と導電体で形成された磁気ディスクとの相対運動により、フレミング(Fleming)の右手の法則に従って磁気ディスクに渦電流という誘導電流が流れる。渦電流は渦電流マグネット60の磁界の中に存在するので、つぎに磁気ディスクと渦電流マグネットとの間には、フレミングの左手の法則による力が働く。その結果、渦電流マグネット60は、磁気ディスク4aの回転方向と同じ方向に力が働く。
【0068】
この渦電流が及ぼす力は、渦電流マグネットの磁界の強さ、渦電流マグネットと磁気ディスクとの間隔、磁気ディスクの電気的性質、回転する磁気ディスクの周速度などにより定まるが、本実施の形態においてはバイアス力を超えるように選択されている。したがって、磁気ディスクの回転速度が上昇すると共にラッチ部材に働くY方向の力が大きくなり、ついにラッチ軸51を中心にして図5(B)に示すように解放範囲まで回動して最後にラッチ・アーム58がハウジングの側壁Q点に接触して停止する。この原理は、アラゴー(Arago)の円板としてもよく知られている。
【0069】
図5(B)の解放範囲にあるラッチ部材50のラッチ係合部56は、もはやフレーム係合部23と係合する位置にはなく、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリ8は、ラッチ部材からの拘束が解かれてヘッド/スライダを磁気ディスク方向に移動させるように回動することができる。本実施の形態において、ラッチ部材の解放範囲は、ラッチ部材のラッチ・アーム58がハウジングの側壁Q点に当接する前に到来する。
【0070】
磁気ディスク装置を停止させるときは、最初にヘッド/スライダをランプに退避させ、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリを図5(A)の位置に位置づける。磁気ディスクが回転している間は、ラッチ部材50にはX方向のバイアス力より大きいY方向の力が働いているが、磁気ディスクの電源を停止して徐々に磁気ディスクの回転数が下がると、やがて、X方向のバイアス力がY方向の力よりも大きくなり、ラッチ部材50は、拘束範囲に向かって回動して最終的にはハウジング側壁のP点に当接して停止する。このとき、ラッチ係合部56は、フレーム係合部23と係合して、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束する。
【0071】
本発明においては、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリの拘束を解放するタイミングを磁気ディスクの回転という実際にアクチュエータ・サスペンション・アセンブリが自由に動作しなければならないタイミングに一致させることができ、他に特別な機構を要しない簡易な構造で拘束及び解放する機構を実現している。
【0072】
また、周速度を高くとれる磁気ディスクの外側部分に渦電流マグネットを配置しているため、ラッチ部材をバイアス力に抗して回転させるためのトルクを得るのに必要な渦電流マグネットを小型にすることができ、本発明に係るラッチ構造のために必要なハウジング内のスペースは小さくてよい。
【0073】
図6には、上記で説明したラッチ部材に働くトルクの実験データを示す。図6(A)は、厚さ1.27mmで3.5型磁気ディスク装置用の磁気ディスクを7,200rpmで回転させ、渦電流マグネットとディスク表面との距離を変化させたときにラッチ部材に働くトルクを測定した結果を示す。渦電流マグネットは、図1で説明したものを使用している。ラインaは、ボイス・コイル・マグネットを取り外した状態の測定結果、ラインbはボイル・コイル・マグネットを取り付けてバイアス力を発生させた状態での測定結果をそれぞれ示す。
【0074】
ラインcは、ラインaとラインbの差分を示し、渦電流マグネットとボイス・コイル・マグネットによるバイアス力に相当する。ラインbがラインcを超えている範囲が、渦電流によりラッチ部材を解放範囲に回動させるトルクを得ることができる範囲である。
【0075】
図6(B)は、厚さ1.27mmで3.5型磁気ディスク装置用の磁気ディスクに対して、渦電流マグネットの磁極面を0.81mm離して対向させ、ディスクの回転速度を変化させたときのラッチ部材に働くトルクを示す。ラインdはボイス・コイル・マグネットを取り外した状態での測定結果、ラインeはボイル・コイル・マグネットを取り付けてバイアス力を発生させた状態での測定結果をそれぞれ示す。
【0076】
ラインfは、ラインdとラインeの差分を示し、渦電流マグネットとボイス・コイル・マグネットによるバイアス力に相当する。ラインeがラインfを超えている範囲が、渦電流によりラッチ部材を解放範囲に回動させるトルクを得ることができる範囲である。
【0077】
これまで図1〜図6を用いて説明した実施の形態では、ラッチ部材50を拘束範囲に位置づけるためのバイアス力として、渦電流マグネット60とボイル・コイル・マグネット28a、28bとの反発力を使用した。バイアス力を得る他の例としては、ラッチ部材の一部を磁性体又はマグネットで構成して、それとボイス・コイル・マグネットとの間に働く力を利用してもよい。
【0078】
プラスチックで形成されたラッチ部材の図4の参照番号57で示す位置に、磁性体又はマグネットを埋め込む。ラッチ部材を図3のように配置すれば、ボイス・コイル・マグネット28a、28bとの間で吸引力を発生させて、ラッチ部材をX方向に回動させることができる。当業者にとって明らかなように、マグネット57をラッチ・アーム58において軸穴52よりもマグネット・ホルダー側に埋め込んで、ボイス・コイル・マグネットとの間に働く反発力を利用してもよい。
【0079】
磁性体又はマグネット57だけをバイアス力に利用するときは、渦電流マグネット60をボイス・コイル・マグネットの磁界の影響を受けない位置に配置するが、さらに、ボイス・コイル・マグネットと渦電流マグネットとの間に働くバイアス力と、ボイス・コイル・マグネットと磁性体又はマグネット57との間に働くバイアス力を合成してもよい。
【0080】
バイアス力を得るさらに他の例としては、ラッチ部材にスプリングを周知の方法で係合させてその弾性力を用いてもよい。図11にバイアス力をスプリングで得る場合の構成を示す。図11に示すラッチ部材53は、図4に示したラッチ部材50に対してさらにスプリング・ストッパ61を備え、軸穴52を構成する軸受周りにスプリング63が係合する。スプリング63の一端はハウジングの側壁に当たり、他端はスプリング・ストッパ61に当たって、スプリング・ストッパにラッチ部材をX方向(図3)に回動させるバイアス力を付与する。
【0081】
スプリング63だけをバイアス力に利用するときは、渦電流マグネット60をボイス・コイル・マグネットの磁界の影響を受けない位置に配置するが、さらに、ボイス・コイル・マグネットと渦電流マグネットとの間に働くバイアス力と、スプリングによるバイアス力を合成してもよい。
【0082】
図7は、第2の実施の形態に係る磁気ディスク装置90の概略構成を示す図である。スピンドル軸84の廻りで導電性材料で形成された磁気ディスク80が回転できるように取り付けられている。磁気ディスク80には、内周近傍にランディング領域82が形成され、その外側に記録領域94が形成されている。ランディング領域は、磁気ディスクの表面にテクスチャという凹凸の形状を施した領域で、磁気ディスクの回転を停止したときに空気軸受の作用を失ったヘッド/スライダ88が着陸したり、磁気ディスクを回転させたときにヘッド/スライダが離陸するための領域として機能する。ランディング領域を利用したヘッド/スライダの退避方式をコンタクト・スタート・ストップ(CSS)方式という。
【0083】
ランディング領域のテクスチャは、ヘッド/スライダが磁気ディスクに対して着陸又は離陸する際の摩擦力を減らし、かつ磁気ディスク表面の摩耗を防ぐ機能を果たす。アクチュエータ・サスペンション・アセンブリ86は、ピボット軸92の廻りで回動できるように構成されている。磁気ディスク装置90の動作が停止してヘッド/スライダがランディング領域82の上に接触して置かれている間も、磁気ディスク装置90への衝撃力でヘッド/スライダ88が記録領域94に移動することを防ぐ必要があるのは、図1で説明したロード/アンロード方式の場合と同じである。
【0084】
図7の実施の形態で、退避位置に位置づけられているヘッド/スライダがスピンドル軸84の方向に回動することは、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリ86に対する物理的なストッパなどの周知の方法で防止できる。ヘッド/スライダが記録領域94に移動することを防止し、かつ、磁気ディスク装置の動作を開始するときは適時にアクチュエータ・サスペンション・アセンブリの動作を可能にするために、図3〜図5で説明したラッチ部材の考えを応用したラッチ部材100を採用する。
【0085】
ラッチ部材100は、一端に渦電流マグネット102を備え他端にラッチ係合部108を備えたラッチ・アーム104の中央部に軸穴が形成され、ハウジングの底面から直立しているラッチ軸106にはめ込まれて回動可能に支持されている。ラッチ係合部108は磁性体又はマグネットで構成され、ボイス・コイル・マグネット(図示せず)による吸引力(バイアス力)で吸引されて、ラッチ部材は磁気ディスク80が回転を停止している間、ハウジングの壁などを利用して形成したストッパ105に当たるまでX方向に回動して拘束範囲に位置づけられる。コイル・フレーム87の一端には、フレーム係合部89が設けられている。
【0086】
図7の構成に係る磁気ディスク装置における本実施の形態の動作を説明する。アクチュエータ・サスペンション・アセンブリ86が退避位置に位置づけられているとき、ラッチ部材100はバイアス力で拘束範囲にある。退避位置にあるアクチュエータ・サスペンション・アセンブリは、スピンドル軸84方向へは周知の方法で回動できないように拘束され、記録領域94方向へはラッチ部材100のラッチ係合部108、フレーム係合部89及びストッパ105の機構により拘束される。
【0087】
いま、磁気ディスク94をZ方向に回転させると、渦電流マグネット102には磁気ディスク94に流れる渦電流によりY方向の力が働き、ラッチ部材100をラッチ軸106を中心にY方向に回動させる。ラッチ部材に働く力は、磁気ディスクの回転数が所定値以上になるとバイアス力より大きくなるように選択されている。ラッチ部材100がY方向に回動するとやがて解放範囲に入り、ラッチ係合部108とフレーム係合部89の係合が解除されて、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリの動作が解放され記録領域の方向に回動できるようになる。
【0088】
退避動作では、磁気ディスクの回転を停止する前に、ヘッド/スライダをランディング領域に退避し、つぎに、磁気ディスク装置の電源を停止して磁気ディスクの回転数を徐々に下げていくと、やがて、X方向のバイアス力がY方向の力よりも大きくなり、ラッチ部材はX方向に回動して拘束範囲に入り、ラッチ係合部108がフレーム係合部89に係合してアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束する。
【0089】
これまでは、渦電流により渦電流マグネットに対して磁気ディスクの表面と平行な方向に働く力を利用して、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリの拘束を解放する実施形態について説明したが、渦電流は渦電流マグネットの磁極を磁気ディスクの表面から垂直方向に引き離す力も発生する。垂直方向に働く力を利用した拘束及び解放機構に関する実施の形態を図8に示す。
【0090】
図8は、本発明の実施の形態を説明する上で上述したものとの重複を避けるため、主要な部分だけを描いている。図8には、導電性材料で形成された磁気ディスク134、ラッチ部材131、及びアクチュエータ・サスペンション・アセンブリの一部であるコイル・フレーム122が示されている。コイル・フレームの一部には、フレーム係合部124が設けられている。
【0091】
ラッチ部材131は、ラッチ・アーム128の一端に渦電流マグネット132が取り付けられ、他端には磁性体又はマグネットで形成されたラッチ係合部135が取り付けられ、ハウジングの底面120に固定された軸受130により上下に回動できるように支持されている。さらに、ラッチ係合部135を吸引してラッチ部材131にバイアス力を与えるために、バイアス・マグネット126が設けられている。
【0092】
ラッチ部材131にバイアス力が働いてラッチ・アーム128が回動し、最終位置で停止しているときは、渦電流マグネット132の磁極面と磁気ディスク134の表面はわずかな間隙を維持して対向している。
【0093】
つぎに、この構成を備える実施の形態の動作を説明する。アクチュエータ・サスペンション・アセンブリが退避位置にあり、磁気ディスク134の回転が停止しているときは、ラッチ係合部135はバイアス・マグネット126により吸引されてフレーム係合部124と係合し、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束する。
【0094】
磁気ディスク131がZ方向に回転したときは、渦電流マグネット132の磁束が磁気ディスクを貫き電磁誘導により渦電流が発生し、渦電流マグネットに対して磁気ディスク表面から引き離す方向の力(図8では下側)を与える。この力は、ラッチ係合部135とバイアス・マグネット126により生成されたバイアス力より大きくなるように選択されており、ラッチ・アームは軸受130を中心にしてY方向に回動し、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリの拘束を解放する。
【0095】
磁気ディスク装置を停止するときの動作原理は、他の実施形態について説明したのと同じである。最初にヘッド/スライダを退避させ、つぎに磁気ディスクの回転を停止させると、渦電流により働く力が低下するにしたがって、バイアス力によりラッチ部材がX方向に回動し、ラッチ係合部135がアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束する。
【0096】
米国特許第6462913号公報が開示する技術は、スピンドル廻りに設けられたハブに生じた渦電流を利用しているが、ハブは磁気ディスクの中心に配置されており、最下部に設けられた磁気ディスクの下側の空間に回転板を配置している。さらに、回転するハブ表面の周速度は磁気ディスクの周速度に比べて低く、回転板に十分な回転トルクを得るためにはマグネットの寸法が大きくなる傾向がある。これまでに述べた本発明の実施の形態によれば、磁気ディスクの下側のスペースを利用する必要がなく、比較的容易に確保しやすい磁気ディスク平面の外側のスペースを利用して早い周速度を利用できるので、近年益々強まっている磁気ディスク装置の小型化および薄型化への要求に的確に対応することができる。
【0097】
つぎに、本発明の実施の形態としてのアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを解放する方法について図9を参照しながら説明する。本実施の形態においては、ブロック202で周知の方法によりアクチュエータ・サスペンション・アセンブリが退避位置で拘束されている。拘束の方法は、渦電流マグネットに働く力を利用して解放できる方法であれば、機械的な方法、機械的な方法と電気的な方法の組み合わせなど任意の方法であってよい。
【0098】
ブロック204では磁気ディスクに近接して渦電流マグネットを配置する。渦電流マグネットの磁極は磁気ディスクの表面に向けられる。磁極と磁気ディスク表面の距離は、製造上の誤差や外的要因があっても両者が接触することがない範囲でできるだけ接近させることが望ましい。磁極からでた磁束を有効に利用することができ、渦電流マグネットの小型化を図ることができるからである。しかし、本発明の範囲は、磁極と磁気ディスク表面が接触する場合を排除するものではない。
【0099】
ブロック206では、導電性材料で形成された磁気ディスクを回転させる。本実施の形態において磁気ディスクの起動は、拘束を解放する力を得ると同時に、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリの拘束を解放するタイミングとしての意義も有している。ブロック208では、磁気ディスクに渦電流マグネットによる電磁誘導作用により渦電流を発生させる。
【0100】
ブロック210では、渦電流がマグネットに力を及ぼし、ブロック212ではその力を利用してアクチュエータ・サスペンション・アセンブリの拘束を解放する。渦電流マグネットに付与される力の方向は、磁気ディスクの表面に平行で回転の方向と磁気ディスクの表面に平行で表面から離れる方向の2種類あるが、そのいずれを利用してもよく、又はそれを合成した力として利用してもよい。
【0101】
つぎに、つぎに、本発明の実施の形態としてのアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束し、解放する方法について図10を参照しながら説明する。ブロック222では、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束及び解放するラッチ部材を提供する。
【0102】
ブロック224では、ヘッド/スライダをランプ又はランディング領域に退避してアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを退避位置に位置づける。ブロック226では、ラッチ部材を拘束範囲に位置づけて、退避位置に位置づけられたアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束する。ブロック228では、磁気ディスクの表面に近接した位置に渦電流マグネットを配置する。ブロック230では、磁気ディスクを回転させて渦電流マグネットの磁界により磁気ディスクに渦電流を発生させる。
【0103】
ブロック232では、渦電流が渦電流マグネットに付与する力を利用してラッチ部材を解放範囲に位置づけ、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリを解放する。ブロック234では、磁気ディスク装置を停止するために磁気ディスクの回転を下げたときには、ラッチ部材を再び拘束範囲に位置づけて、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束できるようにする。
【0104】
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は、図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成を使用することができることはいうまでもないことである。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように本発明により、回転円板型記録媒体に近接した位置に渦電流マグネットを配置して渦電流を発生させ、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリを小さなスペースで簡易かつ確実に拘束及び解放することができる回転円板型記憶装置を提供することができた。さらに、本発明により、同様の原理を用いて、アクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束及び解放する方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の実施の形態に係る磁気ディスク装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A断面を示す概略図である。
【図3】図1に示す発明の実施の形態に係るラッチ部材とアクチュエータ・サスペンション・アセンブリの概略構成を示す図である。
【図4】図1に示す発明の実施の形態に係るラッチ部材の外形図である。
【図5】図1に示す発明の実施の形態に係るラッチ部材が拘束範囲にあるときと、解放範囲にあるときの状態を示す図である。
【図6】図1に示す発明の実施の形態に係るラッチ部材に働くトルクの実験データを示す図である。
【図7】第2の発明の実施の形態に係る磁気ディスク装置の概略構成を示す図である。
【図8】ラッチ部材の構成に関する他の発明の実施の形態を示す図である。
【図9】アクチュエータ・サスペンション・アセンブリの拘束を解放する方法に関する実施の形態を示すフローチャートである。
【図10】アクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束し、解放する方法に関する実施の形態を示すフローチャートである。
【図11】ラッチ部材にバイアス力を与える一例を示す図である。
【符号の説明】
2 ハウジング
4a、4b、80、134 磁気ディスク
5 磁気ディスクの非記録領域
6、84 スピンドル軸
7、94 磁気ディスクの記録領域
8、86 アクチュエータ・サスペンション・アセンブリ
10 キャリッジ・アーム
12a、12b、12c、12d サスペンション・アセンブリ
14a、14b、14c、14d、88 ヘッド/スライダ
16a、16b、16c、16d タブ
18 ランプ
20、92 ピボット軸
22、87、122 コイル・フレーム
23、89、124 フレーム係合部
24 ボイス・コイル
26a、26b ヨーク
27 磁場空間
28a、28b ボイス・コイル・マグネット
30、90、134 磁気ディスク装置
50、53、100、131 ラッチ部材
51、106 ラッチ軸
52 軸穴
54 マグネット・ホルダー
56、108、135 ラッチ係合部
57 磁性体又はマグネット
58、104、128 ラッチ・アーム
60、102、132 渦電流マグネット
61 スプリング・ストッパ
63 スプリング
82 ランディング領域
105 ストッパ
126 バイアス・マグネット

Claims (12)

  1. 回転円板型記憶装置であって、
    ハウジングと、
    記録領域を備え少なくとも一部の領域が導電性の材料で形成された回転円板型記録媒体と、
    ヘッド/スライダが取り付けられ、ボイス・コイル・モータで駆動されて前記ハウジングで支持されたピボット軸を中心に前記ヘッド/スライダが退避位置と前記記録領域の間を移動するように動作するアクチュエータ・サスペンション・アセンブリと、
    前記回転円板型記録媒体の導電性の材料で形成された領域の表面に近接して配置され、磁極が前記回転円板型記録媒体の表面に対向する渦電流マグネットと、
    前記渦電流マグネットを保持し、拘束範囲と解放範囲との間の回動が可能であり、退避位置に移動した前記アクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束範囲において拘束し、前記回転円板型記録媒体を回転させたときに前記渦電流マグネットにより前記回転円板型記録媒体に生成された渦電流が前記渦電流マグネットに及ぼす力で解放範囲に回動して前記アクチュエータ・サスペンション・アセンブリを解放するラッチ部材と、
    前記回転円板型記録媒体が所定の回転速度以下で回転しているか又は停止しているときに前記ボイス・コイル・モータのステータ・マグネットと前記渦電流マグネットの間に働く斥力が前記ラッチ部材を拘束範囲に回動させるバイアス力を生成するバイアス構造と
    を有する回転円板型記憶装置。
  2. さらにランプを備え、前記アクチュエータ・サスペンション・アセンブリは前記ヘッド/スライダを前記ランプに位置づけて退避する請求項1記載の回転円板型記憶装置。
  3. 前記回転円板型記録媒体がランディング領域を備え、前記アクチュエータ・サスペンション・アセンブリは前記ヘッド/スライダを前記ランディング領域に退避する請求項1記載の回転円板型記憶装置。
  4. 前記ラッチ部材が、さらに前記アクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束するラッチ係合部を備える請求項記載の回転円板型記憶装置。
  5. 前記ラッチ部材は、拘束範囲と解放範囲との間で前記渦電流マグネットが前記回転円板型記録媒体の表面に対して平行に移動するように回動する請求項記載の回転円板型記憶装置。
  6. 前記ラッチ部材は、拘束範囲と解放範囲との間で前記渦電流マグネットが前記回転円板型記録媒体の表面に対して実質的に垂直に移動するように回動する請求項記載の回転円板型記憶装置。
  7. 前記回転円板型記録媒体が非記録領域を備え、前記ラッチ部材が拘束範囲と解放範囲との間を回動する間前記渦電流マグネットの磁極が実質的に前記非記録領域の表面に対向している請求項記載の回転円板型記憶装置。
  8. 前記非記録領域が前記回転円板型記録媒体の外径近辺に設けられている請求項記載の回転円板型記憶装置。
  9. 回転円板型記憶装置であって、
    前記回転円板型記憶装置の構成要素を収納する収納手段と、
    前記収納手段に回転可能に支持され、記録領域を備えて少なくとも一部の領域が導電性の材料で形成されたデータを記録する記録手段と、
    前記記録手段からデータの読み出しをするヘッド/スライダを退避位置と前記記録領域との間で移動させる移動手段と、
    前記記録手段の導電性の材料で形成された領域の表面に近接して配置され、前記記録手段の表面に磁束を供給する磁束供給手段と、
    前記磁束供給手段を保持し、拘束範囲と解放範囲との間の回動が可能であり、前記ヘッド/スライダを退避位置に移動させた前記移動手段を拘束範囲において拘束し、前記記録手段を回転させたときに前記磁束により前記記録手段に生成された渦電流が前記磁束供給手段に及ぼす力で解放範囲に回動して前記移動手段を解放する拘束手段と、
    前記記録手段が所定の回転速度以下で回転しているか又は停止しているときに前記移動手段を駆動するマグネットと前記磁束供給手段との間に働く斥力が前記拘束手段を拘束範囲に回動させるバイアス力を生成するバイアス手段と
    を有する回転円板型記憶装置。
  10. 少なくとも一部の領域が導電性の材料で形成された回転円板型記録媒体と、ヘッド/スライダを含むアクチュエータ・サスペンション・アセンブリとを備える回転円板型記憶装置において、ラッチ部材が前記アクチュエータ・サスペンション・アセンブリを拘束範囲で拘束し解放範囲で解放する方法であって、
    前記回転円板型記録媒体を回転させて、前記回転円板型記録媒体に近接する位置に前記導電性の材料で形成された領域の表面に磁極が対向するように前記ラッチ部材で支持された渦電流マグネットより前記回転円板型記録媒体に渦電流を発生させるステップと、
    前記渦電流により前記渦電流マグネットに力を付与して前記ラッチ部材を解放範囲に回動させるステップと、
    前記回転円板型記録媒体が所定の回転速度以下で回転しているか又は停止しているときに前記アクチュエータ・サスペンション・アセンブリを駆動するボイス・コイル・モータのステータ・マグネットと前記渦電流マグネットの間に働く斥力で前記ラッチ部材を拘束範囲に回動させるバイアス力を生成するステップと、
    を有するアクチュエータ・サスペンション・アセンブリを解放する方法。
  11. 前記渦電流が前記渦電流マグネットに与える力は、前記回転円板型記録媒体の表面に平行な方向である請求項10記載の方法。
  12. 前記渦電流が前記渦電流マグネットに与える力は、前記回転円板型記録媒体の表面に実質的に垂直な方向である請求項10記載の方法。
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