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JP4060428B2 - 変速機の油圧制御装置 - Google Patents

変速機の油圧制御装置 Download PDF

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JP4060428B2
JP4060428B2 JP03987898A JP3987898A JP4060428B2 JP 4060428 B2 JP4060428 B2 JP 4060428B2 JP 03987898 A JP03987898 A JP 03987898A JP 3987898 A JP3987898 A JP 3987898A JP 4060428 B2 JP4060428 B2 JP 4060428B2
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hydraulic
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hydraulic pressure
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常文 新山
敦司 藤川
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Honda Motor Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はベルト式無段変速機におけるドライブおよびドリブンプーリのプーリ幅制御を行うための油圧制御装置に関し、さらに詳しくは、ドライブおよびドリブンプーリのプーリ幅制御油圧をそれぞれ直接制御するバルブを有してなる油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プーリ幅可変のドライブプーリと、プーリ幅可変のドリブンプーリと、これらドライブプーリおよびドリブンプーリ間に掛け渡されたベルト部材とからなるベルト式無段変速機は既に公知であり、実用に供されている。この変速機においては、ドライブプーリのプーリ幅制御を行うドライブ側油圧アクチュエータとドリブンプーリのプーリ幅制御を行うドリブン側油圧アクチュエータとを有し、これら両油圧アクチュエータに供給する油圧を制御して、プーリ幅設定制御を行い、変速比を無段階に可変設定することができる。
【0003】
このような油圧アクチュエータに供給する油圧を制御する装置としては、例えば、特開平8−219188号に開示されているように四方弁を用いたものがある。この制御装置では、四方弁を用いて高圧制御油圧と低圧制御油圧とをドライブおよびドリブン側油圧アクチュエータに振り分けて供給し、変速制御を行うようになっており、四方弁の作動はリニアソレノイドバルブからなるシフトコントロールバルブからのシフト制御油圧により制御される。このようなソレノイドバルブによる制御は一般的に行われているが、このシフトコントロールバルブの電気的な故障(フェイル)、すなわち、電力供給が断たれるような故障(例えば、制御システムダウン)が発生した場合の対策が問題となりやすい。
【0004】
上記公報に開示の装置の場合には、電気的な故障時には、シフトコントロールバルブ(リニアソレノイドバルブ)から最大圧を四方弁に作用させるようになっており、四方弁のスプールは左右一方の側に押しやられる。これにより、ドライブ側油圧アクチュエータには高圧制御油圧がそのまま供給され、ドリブン側油圧アクチュエータには低圧制御油圧がそのまま供給され、無段変速機の変速比は高速段(OD側変速段)となる。このように高速段とするのは、例えば、高速走行中に故障が発生した場合に、エンジン回転が過回転となるのを防止するためである。
【0005】
一方、ドライブおよびドリブン側油圧アクチュエータへの供給油圧をそれぞれ直接制御する別々のバルブを用いた油圧制御装置も提案されている(例えば、特公平6−74839号)。
【0006】
このような油圧制御装置を本出願人も考えており、その一例を図8に示し、この図を用いて簡単に説明する。ドライブプーリ11の可動プーリ半体13に作用する側圧をドライブ側シリンダ室14内の油圧により制御し、ドリブンプーリ16の可動プーリ半体18に作用する側圧をドリブン側シリンダ室19内の油圧により制御して変速制御を行うように無段変速機が構成されている。これらドライブ側およびドリブン側シリンダ室14,19に供給する油圧を制御するのがこの油圧制御装置であり、この油圧制御装置では、ポンプPから供給されるタンクTの作動油の油圧をレギュレータバルブ91,92により調圧してライン圧PLを作り出し、このライン圧をモジュレータバルブ93により減圧してモジュレータ圧PMを作り出す。
【0007】
モジュレータ圧PMはライン(油路)101a,101bをそれぞれ介して第1および第2リニアソレノイドバルブ94,96に供給され、リニアソレノイド94a,96aの通電制御を行うことにより所望の第1および第2制御背圧PB1,PB2をライン102a,102bにそれぞれ供給する。これら第1および第2制御背圧PB1,PB2は図示のように第1および第2プーリ制御バルブ95,97に供給され、これらプーリ制御バルブ95,97はライン103を介して供給されるライン圧PLを調圧して、第1および第2制御背圧PB1,PB2に対応する第1および第2制御油圧PC1,PC2を作り出す。このように作られた第1および第2制御油圧PC1,PC2はライン105a,105bを介してそれぞれドライブ側およびドリブン側シリンダ室14,19に供給される。
【0008】
このようにこの油圧制御装置では、リニアソレノイド94a,96aの通電制御を行うことにより、ドライブ側およびドリブン側シリンダ室14,19に供給される第1および第2制御油圧PC1,PC2を制御し、ドライブおよびドリブンプーリのプーリ幅を可変設定する制御を行わせて、変速制御がなされる。
【0009】
このように構成された油圧制御装置(図8の油圧制御装置)において、システムダウンのような電気的な故障、すなわちリニアソレノイドバルブ94,96への電力供給が断たれるような故障や、バルブスプールのステッィク等が発生すると、リニアソレノイド94a,96aの駆動力がなくなったり、バルブが開放したままの状態となり、リニアソレノイドバルブ94,96からは最大油圧(例えば、モジュレータ圧PMそのままの油圧)がライン102a,102bに供給される。その結果、ライン105a,105bを介してそれぞれドライブ側およびドリブン側シリンダ室14,19に供給される第1および第2制御油圧PC1,PC2も最大油圧(例えば、ライン圧PLそのまま)となる。本例のドライブおよびドリブンプーリ11,16は同一サイズであり、ドライブ側およびドリブン側シリンダ室14,19も同一サイズであるので、故障時には、ドライブおよびドリブンプーリ側圧が等しくなり、中間変速段が設定される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このように故障時に中間変速段が設定されるようにした場合、例えば、車両が高速走行している(通常はこのときには高速段となっている)ときに中間変速段が設定されると、高速段から中間段にシフトダウンされ、エンジン回転が過回転となるおそれがあるという問題がある。また、故障時には第1および第2制御油圧PC1,PC2は最大油圧にされるため、プーリ側圧が最大となり、ベルト張力が大きくなってベルト耐久性が損なわれるおそれがあるという問題もある。
【0011】
なお、故障時に、第1および第2プーリ制御バルブ95,97から発生する第1および第2制御油圧PC1,PC2の最大油圧を、第1制御油圧の最大値の方が第2制御油圧の最大値より大きくなるように設定し、故障時に高速段となるようにすることが考えられるが、この場合には次のような問題がある。
【0012】
これを図9を用いて説明する。図9には第1および第2制御油圧PC1,PC2の関係を棒グラフ状に示している。まず、ハッチングを施した棒aは高速段(OD段)の無負荷走行状態のときに必要な第1および第2制御油圧PC1,PC2の関係を示しており、PC1=P1で、PC2=P2である。次に、棒bは低速段(LOW段)の最大負荷走行状態のときに必要な第1および第2制御油圧PC1,PC2の関係を示しており、PC1=P3で、PC2=P4である。なお、このときの油圧が必要最大油圧であり、図から良く分かるように、必要最大圧P3,P4は、P3<P4である。
【0013】
このような必要油圧を考慮して、従来の油圧制御装置(例えば、図8の装置)では、故障時に発生する第1および第2制御油圧PC1,PC2の最大値を図9の油圧P5(<P3&P4)に設定していた。この場合に、油圧P5の大きさは、上記のような必要最大油圧P4が故障時にも得られるように設定されており、油圧P4より若干高めの値が設定されている。
【0014】
このような条件の下で、故障時に高速段となるようにPC1>PC2とするには、図9に示すようにドライブプーリ側の制御油圧である第1制御油圧PC1の最大値P6を第2制御油圧PCの最大値P5より高くする必要がある。このような油圧設定を行うには、まず、最大油圧P6に合わせてライン圧PLを高くする必要があり、このライン圧PLを作り出すための油圧ポンプの必要駆動動力が大きくなって燃費が低下するという問題が生じる。また、最大油圧を高くするとリニアソレノイドの制御分解能が低下し、制御精度が低下するという問題がある。さらに、故障時にはプーリ側圧が過大となり、ベルト張力が大きくなってベルト耐久性が損なわれるおそれがあるという問題もある。
【0015】
本発明はこのような問題に鑑みたもので、故障時(例えば、システムダウン時、バルブスプールのスティックによる開放したままとなった時)には高速段を設定することが可能であり、且つこの高速段の設定が低いプーリ制御油圧を用いて可能であるような変速機の油圧制御装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
このような目的達成のため、本発明においては、ドライブプーリ(例えば、実施形態におけるドライブ側可動プーリ11)と、ドリブンプーリ(例えば、実施形態におけるドリブン側可動プーリ16)と、これらの間に掛け渡されたベルト部材(例えば、実施形態における金属Vベルト15)と、ドライブおよびドリブンプーリ幅制御を行うドライブ側およびドリブン側油圧アクチュエータ(例えば、実施形態におけるドライブおよびドリブン側シリンダ室14,19)と有して変速機が構成され、ドライブ側油圧アクチュエータに供給する第1制御油圧(PC1)を設定する第1制御バルブ手段(例えば、実施形態における第1制御バルブであり、これは第1リニアソレノイドバルブ41と第1プーリ制御バルブ43とからなる)と、ドリブン側油圧アクチュエータに供給する第2制御油圧(PC2)を設定する第2制御バルブ手段(例えば、実施形態における第2制御バルブであり、これは第2リニアソレノイドバルブ45と第2プーリ制御バルブ47とからなる)と、第1制御バルブ手段が故障して開放状態となったときに発生する第1制御バルブ手段からの油圧を受けて作動され、第2制御バルブ手段に第2制御油圧が低下する方向の押圧力を作用させる切換バルブ手段(例えば、実施形態における切換バルブ50)とを有して油圧制御装置が構成される。
【0017】
このような油圧制御装置の場合には、システムダウン、スプールスティックのような故障が発生して第1制御バルブ手段が開放状態となった時に、第2制御バルブ手段から発生する第2制御油圧が、切換バルブ手段により低下され、第1制御油圧より低くなり、高速段が設定される。このため、高速走行中にシステムダウン等のような故障が発生しても、高速段が設定されてエンジン回転が過回転となることが防止される。また、制御油圧を低下させて高速段を設定するものであるため、ベルト張力を低下させることができ、ベルトの耐久性を損なうことがない。なお、このように故障時のみに第2制御油圧を低下させるものであるため、通常時における第1および第2制御油圧は従来と同様であり、油圧ポンプ負荷が増加することがなく、また、ソレノイドの制御分解能が低下することもない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1および図2に本発明に係る制御装置を有した無段変速機の構成を示している。この無段変速機は金属Vベルトを用いたベルト式無段変速機であり、このベルト式無段変速機CVTは、入力軸1とカウンター軸2との間に配設された金属Vベルト機構10と、入力軸1とドライブ側可動プーリ11との間に配設された遊星歯車式前後進切換機構20と、カウンター軸2と出力部材(ディファレンシャル機構8など)との間に配設されたメインクラッチ5とから構成される。なお、本無段変速機CVTは車両用として用いられ、入力軸1はカップリング機構CPを介してエンジンENGの出力軸に繋がり、ディファレンシャル機構8に伝達された動力は左右の車輪に伝達される。
【0019】
金属Vベルト機構10は、入力軸1上に配設されたドライブ側可動プーリ11と、カウンター軸2上に配設されたドリブン側可動プーリ16と、両プーリ11,16間に巻き掛けられた金属Vベルト15とからなる。なお、金属Vベルト機構は図8に示した従来の金属Vベルト機構と同一構成であるため、同一番号を付して説明する。
【0020】
ドライブ側可動プーリ11は、入力軸1上に回転自在に配設された固定プーリ半体12と、この固定プーリ半体12に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体13とからなる。可動プーリ半体13の側方には、固定プーリ半体12に結合されたシリンダ壁12aにより囲まれてドライブ側シリンダ室14が形成されており、ドライブ側シリンダ室14内に供給される油圧により、可動プーリ半体13を軸方向に移動させる側圧が発生される。
【0021】
ドリブン側可動プーリ16は、カウンター軸2に固設された固定プーリ半体17と、この固定プーリ半体17に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体18とからなる。可動プーリ半体18の側方には、固定プーリ半体17に結合されたシリンダ壁17aにより囲まれてドリブン側シリンダ室19が形成されており、ドリブン側シリンダ室19内に供給される油圧により、可動プーリ半体18を軸方向に移動させる側圧が発生される。
【0022】
このため、上記両シリンダ室14,19への供給油圧を適宜制御することにより、ベルト15の滑りを発生することのない適切なプーリ側圧を設定するとともに両プーリ11,16のプーリ幅を変化させることができ、これにより、Vベルト15の巻掛け半径を変化させて変速比を無段階に変化させることができる。
【0023】
遊星歯車式前後進切換機構20はダブルピニオンタイプのプラネタリギヤ列を有し、そのサンギヤ21は入力軸1に結合され、キャリア22は固定プーリ半体12に結合され、リングギヤ23は後進ブレーキ27により固定保持可能である。また、サンギヤ21とリングギヤ23とを連結可能な前進クラッチ25を有し、この前進クラッチ25が係合されると全ギヤ21,22,23が入力軸1と一体に回転し、ドライブ側プーリ11は入力軸1と同方向(前進方向)に駆動される。一方、後進ブレーキ27が係合されると、リングギヤ23が固定保持されるため、キャリア22はサンギヤ21とは逆の方向に駆動され、ドライブ側プーリ11は入力軸1とは逆方向(後進方向)に駆動される。
【0024】
メインクラッチ5は、カウンター軸2と出力側部材との間の動力伝達を制御するクラッチであり、係合時には両者間での動力伝達が可能となるとともに、係合力を制御することにより入力側と出力側との間のトルクの伝達容量(トルク容量)も制御できる。このため、メインクラッチ5が係合の時には、金属Vベルト機構10により変速されたエンジン出力がギヤ6a,6b,7a,7bを介してディファレンシャル機構8に伝達され、このディファレンシャル機構8により左右の車輪(図示せず)に分割されて伝達される。また、メインクラッチ5が開放されたときには、この動力伝達が行えず、変速機は中立状態となる。
【0025】
本発明に係る油圧制御装置は、金属Vベルト機構10において、ドライブ側およびドリブン側シリンダ室14,19への油圧供給制御を行って変速制御を行うものであり、その構成を図3を参照して説明する。なお、この図における×印はその部分がドレンに繋がっていることを意味する。
【0026】
この油圧制御装置では、ポンプPから供給されるタンクTの作動油の油圧を第1および第2レギュレータバルブ31,32により調圧してライン71内の油圧をライン圧PLとなし、このライン圧PLをモジュレータバルブ35により減圧してモジュレータ圧PMを作り出す。
【0027】
モジュレータ圧PMはライン72a,72bをそれぞれ介して第1および第2リニアソレノイドバルブ41,45に供給され、リニアソレノイド41a,45aの通電制御を行うことにより所望の第1および第2制御背圧PB1,PB2をライン73a,73bにそれぞれ供給する。これら第1および第2制御背圧PB1,PB2は図示のように第1および第2プーリ制御バルブ43,47に供給され、プーリ制御バルブ43,47はライン71を介して供給されるライン圧PLを調圧して、第1および第2制御背圧PB1,PB2に対応する第1および第2制御油圧PC1,PC2を作り出す。このように作られた第1および第2制御油圧PC1,PC2はライン75a,75bを介してそれぞれドライブ側およびドリブン側シリンダ室14,19に供給される。
【0028】
なお、第1リニアソレノイドバルブ41と第1プーリ制御バルブ43とを一組にしたバルブを第1制御バルブと称し、第2リニアソレノイドバルブ45と第2プーリ制御バルブ47とを一組にしたバルブを第2制御バルブと称する。
【0029】
このように第1および第2制御バルブを用いれば、リニアソレノイド41a,45aの通電制御を行うことにより、ドライブ側およびドリブン側シリンダ室14,19に供給される第1および第2制御油圧PC1,PC2を制御し、ドライブおよびドリブンプーリのプーリ幅を可変設定する制御を行わせて、変速制御を行うことができる。
【0030】
なお、第1および第2リニアソレノイドバルブ41,45により作り出された第1および第2制御背圧PB1,PB2は、ライン74a,74bを介して第2レギュレータバルブ32にも供給されている。第2レギュレータバルブ32はこれら制御背圧PB1,PB2を受けて、ライン76からのライン圧PLを調圧し、両制御背圧PB1,PB2のうちの高圧の制御背圧に対応する第3制御背圧PB3をライン77に供給する。ライン77は第1レギュレータバルブ31に繋がっており、第3制御背圧PB3は第1レギュレータバルブ31の制御背圧として用いられ、ライン圧PLは第1および第2制御背圧PB1,PB2の高圧側の背圧に対応する油圧となる。ここで、第1および第2制御油圧PC1,PC2は第1および第2制御背圧PB1,PB2に対応しており、ライン圧PLは第1および第2制御油圧PC1,PC2のうちの高圧の油圧に対応する値となる。
【0031】
上述のように、リニアソレノイド41a,45aの通電制御を行って、第1および第2制御油圧PC1,PC2を制御して変速制御を行う場合での、両制御油圧PC1,PC2は、図4に示すように設定される。
【0032】
変速制御に際して制御油圧PC1,PC2を最も高圧にする必要があるのは、低速段(LOW段)で最大負荷走行状態のときであり、このときは図の棒bで示すように、第1制御油圧PC1=P3で、第2制御油圧PC2=P4(>P3)である。一方、制御油圧PC1,PC2が最も低圧となるのは高速段(OD段)での無負荷走行状態のときであり、このときは図の棒aで示すように、第1制御油圧PC1=P1で、第2制御油圧PC2=P2(<P2)である。よって、このような最大と最小油圧の間の油圧が設定されて走行時に必要とされる変速比が適宜設定される。
【0033】
なお、この油圧制御装置には図示のように、切換バルブ50が設けられており、切換バルブ50は、ライン81を介してライン73aに繋がり、ライン82を介してライン72a,72bに繋がり、ライン83を介して第2プーリ制御バルブ47に繋がる。切換バルブ50のスプール51はスプリング52により右方への付勢力F1を受け、スプール51の右端部にライン81を介してライン73aから供給される第1制御背圧PB1により左方への押圧力F2を受ける。
【0034】
但し、上述のように変速制御に必要な第1制御油圧PC1、すなわち、P1〜P3となる第1制御油圧PC1に対応する範囲内の第1制御背圧PB1がライン81を介してスプール51の右端部に作用しても、このときの左方への押圧力F2はスプリング52の付勢力F1より小さく、スプール52は図示のように右動したまま保持される。このため、ライン82はスプール52のランド部によりブロックされ、ライン83はスプール52の溝部を介してドレンに繋がり、切換バルブ50がないのと同様の状態となる。すなわち、通常の変速制御を行っている間は、切換バルブ50は作動しない。
【0035】
このような変速制御を行っているときに、例えば、システムダウン等が発生して、リニアソレノイド41a,45aが非通電となった場合について説明する。リニアソレノイド41a,45aが非通電となると第1および第2リニアソレノイドバルブ41,45は最大の制御背圧PB1(max),PB2(max)をライン73a,73bに供給する。
【0036】
このように最大となった第1制御背圧PB1(max)はライン73aおよび81を介して第1プーリ制御バルブ43および切換バルブ50に供給される。このため、第1プーリ制御バルブ43はこのような第1制御背圧PB1(max)を受けて最大の第1制御油圧PC1(max)を作りだし、この制御油圧をライン75aを介してドライブ側シリンダ室14に供給する。なお、このように設定される最大第1制御油圧PC1(max)は従来設定される油圧と同一の油圧P5であり、低速段の最大負荷走行時の最大油圧P4より若干高い油圧(もしくは最大油圧P4と同一油圧)である(図4参照)。
【0037】
一方、ライン81を介して最大第1制御背圧PB1(max)が切換バルブ50に供給されると、スプール51はスプリング52の付勢に抗して左動される。すなわち、通常変速時に設定される範囲内の第1制御背圧PB1がスプール51の右端に作用してもその背圧による左方への押圧力F2はスプリング52の右方への付勢力F1より小さくなるように設定されているが、最大第1制御背圧PB1(max)がスプール51の右端に作用したときの左方への押圧力F2(max)はスプリング51の付勢力F1より大きくなるように設定されている。
【0038】
このようにしてスプール51が左動されると、スプール51の溝部を介してライン82と83とが連通する。なお、ライン83とドレンとの連通はスプール51のランド部により遮断される。このため、ライン72a,72bの油圧がこれらライン82,83を介して第2プーリ制御バルブ47のスプール48を右方に押す押圧力として作用する。このため、第2プーリ制御バルブ47により調圧される第2制御油圧PC2は、ライン82,83からの油圧が作用しない場合に比べて低下し、図4に示すように、PC2=P7(棒c)となる。
【0039】
このようにシステムダウンのような電気的な故障発生時には、第1制御油圧PC1=P5で、第2制御油圧PC2=P7が設定され、且つP5>P7という関係であるので、高速段(OD段)が設定される。これにより、車両が高速で走行中に電気的な故障が発生しても、高速段が設定されて走行が継続し、エンジン回転が過回転となることがない。なお、システムダウンではなく、第1リニアソレノイドバルブ41のスプールがステッィクしてこのバルブが開放状態となった場合も上記と同様な作動がなされる(これについては、以下に示す実施形態の場合も同様である)。
【0040】
また、このときに設定される第2制御油圧PC2=P7という油圧は、切換バルブ50を作動させることにより、従来において故障時に設定されていた油圧より低い油圧としており、ベルト張力が従来より低下することとなり、ベルト耐久性が向上する。
【0041】
本発明に係る油圧制御装置の第2の実施形態を図5に示しており、これについて説明する。なお、この装置において上述の第1の実施形態(図3に示す実施形態)と同一部分については同一番号を付してその説明は省略もしくは簡略化して説明する。
【0042】
この油圧制御装置は、図3に示す油圧制御装置とは、切換バルブ60とこれに繋がるライン81,84,85とが異なるだけである。切換バルブ60は、スプリング62により右方に付勢されたスプール61を有し、スプール61にはライン81を介して第1制御背圧PB1が作用している。図3の切換バルブ50の場合と同様に、第1制御背圧PB1が通常変速時に設定される範囲内の油圧であれば、ライン81を介してスプール61に作用する第1制御背圧PB1の押圧力F2はスプリング62の付勢力F1より小さく、スプール61は図示のように右動したまま保持される。この状態では、ライン84はスプール61のランド部によりブロックされ、ライン85はスプール61の溝部を介してドレンと連通しており、切換バルブ60は非作動状態である。なお、ライン84はライン75bと繋がり、ライン85は第2プーリ制御バルブ47と繋がる。
【0043】
ここで、システムダウン等によりリニアソレノイド41a,45aが非通電となると、第1および第2制御背圧PB1,PB2はともに最大油圧を発生する。この最大第1制御背圧PB1はライン81から切換バルブ60に供給されてスプール61に作用し、スプール61はスプリング62に抗して左動される。その結果、ライン84とライン85とが繋がり、第2制御油圧PC2が第2プーリ制御バルブ47に作用する。この第2制御油圧PC2は第2プーリ制御バルブ47のスプール48を右方に押圧するように作用するため、第2プーリ制御バルブ47により調圧されてドリブン側シリンダ室19に供給される第2制御油圧PC2は低下され、図4において棒cにより示すような値となる。
【0044】
このように、第2の実施形態の場合にも、システムダウンのような電気的な故障発生時には、第1制御油圧PC1=P5で、第2制御油圧PC2=P7(<P5)が設定されるので、車両が高速で走行中に電気的な故障が発生しても、高速段が設定されて走行が継続し、エンジン回転が過回転となることがない。また、このときに設定される第2制御油圧PC2=P7という油圧は、切換バルブ60を作動させることにより、従来において故障時に設定されていた油圧より低い油圧としており、ベルト張力が従来より低下することとなり、ベルト耐久性が向上する。
【0045】
本発明に係る油圧制御装置の第3の実施形態を図6に示しており、これについて説明する。なお、この装置において上述の第1の実施形態(図3に示す実施形態)と同一部分については同一番号を付してその説明は省略もしくは簡略化して説明する。
【0046】
この油圧制御装置は、図3に示す油圧制御装置とは、切換バルブ65とこれに繋がるライン81a,87,88とが異なるだけである。切換バルブ65は、スプリング67により右方に付勢されたスプール66を有し、スプール66にはライン81から分岐したライン81aを介して第1制御背圧PB1が作用している。図3の切換バルブ50の場合と同様に、第1制御背圧PB1が通常変速時に設定される範囲内の油圧であれば、ライン81aを介してスプール66に作用する第1制御背圧PB1の押圧力F2はスプリング67の付勢力F1より小さく、スプール66は図示のように右動したまま保持される。この状態では、ライン87はスプール66のランド部によりブロックされ、ライン88はスプール66の溝部を介してドレンと連通しており、切換バルブ65は非作動状態である。なお、ライン87はライン81と繋がり、ライン88は第2プーリ制御バルブ47と繋がる。
【0047】
ここで、システムダウン等によりリニアソレノイド41a,45aが非通電となると、第1および第2制御背圧PB1,PB2はともに最大油圧を発生する。この最大第1制御背圧PB1はライン81aから切換バルブ65に供給されてスプール66に作用し、スプール66はスプリング67に抗して左動される。その結果、ライン87とライン88とが繋がり、第1制御背圧PB1が第2プーリ制御バルブ47に作用する。このモジュレータ圧PMは第2プーリ制御バルブ47のスプール48を右方に押圧するように作用するため、第2プーリ制御バルブ47により調圧されてドリブン側シリンダ室19に供給される第2制御油圧PC2は低下され、図4において棒cにより示すような値となる。
【0048】
このように、第3の実施形態の場合にも、システムダウンのような電気的な故障発生時には、第1制御油圧PC1=P5で、第2制御油圧PC2=P7(<P5)が設定されるので、車両が高速で走行中に電気的な故障が発生しても、高速段が設定されて走行が継続し、エンジン回転が過回転となることがない。また、このときに設定される第2制御油圧PC2=P7という油圧は、切換バルブ65を作動させることにより、従来において故障時に設定されていた油圧より低い油圧としており、ベルト張力が従来より低下することとなり、ベルト耐久性が向上する。
【0049】
図7に第4の実施形態に係る油圧制御装置を示している。この装置は、図3に示した第1の実施形態に係る油圧制御装置と同一のバルブ類を使用しており、図3の装置とは、切換バルブ50のスプール51の右端に作用する油圧を供給するライン81’が異なるのみである。ここでは、ライン81’はライン75aに繋がり、スプール51の右端には第1制御油圧PC1が作用する。ここで、上述のように、第1制御油圧PC1は第1制御背圧PB1に対応しており、この実施形態の場合でも、車両が高速で走行中に電気的な故障が発生しても、高速段が設定されて走行が継続し、エンジン回転が過回転となることがない。なお、このようなライン81’を図5および図6に示した油圧制御装置のライン81の代わりに用いても良い。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、システムダウン、バルブスプールのスティックのような故障により第1制御バルブ手段が開放状態となった時に、第2制御バルブ手段から発生する第2制御油圧が、切換バルブ手段により低下され、第1制御油圧より低くなり、高速段が設定されるので、高速走行中にシステムダウン等のような故障が発生しても、高速段が設定されてエンジン回転が過回転となることが防止される。また、制御油圧を低下させて高速段を設定するものであるため、ベルト張力を低下させることができ、ベルトの耐久性を損なうことがない。また、本発明では、故障時のみに第2制御油圧を低下させるようにしているため、通常時における第1および第2制御油圧は従来と同様であり、油圧ポンプ負荷が増加することがなく、また、ソレノイドの制御分解能が低下することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油圧制御装置を有した無段変速機の断面図である。
【図2】この無段変速機の動力伝達経路構成を示す概略図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る油圧制御装置構成を示す油圧回路図である。
【図4】本発明の油圧制御装置により制御される第1および第2制御油圧PC1,PC2の油圧変化を示すグラフである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る油圧制御装置構成を示す油圧回路図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る油圧制御装置構成を示す油圧回路図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る油圧制御装置構成を示す油圧回路図である。
【図8】従来の油圧制御装置構成を示す油圧回路図である。
【図9】従来の油圧制御装置により制御される第1および第2制御油圧PC1,PC2の油圧変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 金属Vベルト機構
11 ドライブ側可動プーリ(ドライブプーリ)
14 ドライブ側シリンダ室(ドライブ側油圧アクチュエータ)
15 金属Vベルト
16 ドリブン側可動プーリ(ドリブンプーリ)
19 ドリブン側シリンダ室(ドリブン側油圧アクチュエータ)
41 第1リニアソレノイドバルブ(第1制御バルブ手段)
43 第1プーリ制御バルブ(第1制御バルブ手段)
45 第2リニアソレノイドバルブ(第2制御バルブ手段)
47 第2プーリ制御バルブ(第2制御バルブ手段)
50,60,65 切換バルブ(切換バルブ手段)

Claims (1)

  1. プーリ幅可変のドライブプーリと、プーリ幅可変のドリブンプーリと、前記ドライブプーリおよびドリブンプーリ間に掛け渡されたベルト部材と、前記ドライブプーリのプーリ幅制御を行うドライブ側油圧アクチュエータと、前記ドリブンプーリのプーリ幅制御を行うドリブン側油圧アクチュエータとを有してなる変速機において、
    前記ドライブ側油圧アクチュエータに供給する第1制御油圧を設定する第1制御バルブ手段と、
    前記ドリブン側油圧アクチュエータに供給する第2制御油圧を設定する第2制御バルブ手段と、
    前記第1制御バルブ手段が故障して開放状態となったときに発生する油圧を受けて作動され、前記第2制御バルブ手段に前記第2制御油圧が低下する方向の押圧力を作用させる切換バルブ手段とを有することを特徴とする変速機の油圧制御装置。
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