JP4060076B2 - 電動ディスクブレーキおよびその制御プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換して制動力を発生させる電動ディスクブレーキおよびその制御プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換して制動力を発生させる電動ディスクブレーキとして、例えば、電動モータと、電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換し該ピストンでブレーキパッドをディスクに接触させる変換機構部と、電動モータのモータ回転位置を検出する位置検出手段と、ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出手段とを有する電動ディスクブレーキがあり、その一例として特開2000−213575公報に開示されたものがある。
【0003】
ところで、制動による摩擦熱、電動モータの発熱、周囲環境の温度変化等により、電動ディスクブレーキは、内蔵された推力検出手段が影響を受け、その出力値が変化するいわゆる温度ドリフトが発生してしまう。
【0004】
このため、上記公報に開示された電動ディスクブレーキでは、明らかにピストン推力が発生していないモータ位置における推力検出手段の出力をゼロとするゼロ点補正を行うようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、明らかにピストン推力が発生していないモータ位置における推力検出手段の出力をゼロとするゼロ点補正を行うのでは、このようなゼロ点補正を行うためにピストンを設定位置以上にわざわざ後退させなければならない。このため、推力検出手段のゼロ点補正は、特に走行中において行うことはできなくなってしまう。しかしながら、温度ドリフトは、走行中の制動による摩擦熱や電動モータの発熱の影響によっても生じるため、上記のように走行中に推力検出手段のゼロ点補正ができないと、走行中に生じた温度ドリフトの影響は排除しきれないという問題があった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、走行中に生じた温度ドリフトの影響を排除可能な電動ディスクブレーキおよびその制御プログラムの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載の電動ディスクブレーキは、電動モータと、該電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換し該ピストンでブレーキパッドをディスクに接触させる変換機構部と、前記電動モータのモータ回転位置を検出する位置検出手段と、前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出手段と、該推力検出手段で検出されたピストン推力に基づく推力制御および前記位置検出手段で検出されたモータ回転位置に基づく位置制御によって、前記ピストンに目標推力を発生させるように前記電動モータを制御する制御手段とを有する電動ディスクブレーキであって、前記制御手段は、車両が走行中でありアクセルが離されたときにパッドクリアランスを詰める方向に前記電動モータを回転させて前記パッドクリアランスを閉じて、前記モータ回転位置が変化している最中に、前記ピストン推力の変化量がゼロの状態から、ゼロではない状態に切り替わるときのピストン推力値を検出し、このピストン推力値分を減算して、前記推力検出手段における前記ピストン推力のゼロ点を補正することを特徴としている。
【0008】
このように、制御手段は、モータ回転位置の変化量と、ピストン推力の変化量とから、推力検出手段におけるピストン推力のゼロ点を検出するため、ゼロ点補正を行うためにピストンを設定位置以上にわざわざ後退させる必要がない。
【0010】
また、車両が走行中でありアクセルが離されたときにパッドクリアランスを詰める方向に電動モータを回転させパッドクリアランスを閉じて、その際に、ピストン推力のゼロ点を補正するため、例えば、モータ回転位置の変化量があるのに、ピストン推力の変化量がない状態から発生する状態に切り替わる位置でピストン推力のゼロ点を補正することができる。
【0011】
本発明の請求項2記載の電動ディスクブレーキは、電動モータと、該電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換し該ピストンでブレーキパッドをディスクに接触させる変換機構部と、前記電動モータのモータ回転位置を検出する位置検出手段と、前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出手段と、該推力検出手段で検出されたピストン推力に基づく推力制御および前記位置検出手段で検出されたモータ回転位置に基づく位置制御によって、前記ピストンに目標推力を発生させるように前記電動モータを制御する制御手段とを有する電動ディスクブレーキであって、前記制御手段は、車両が走行中でありアクセルが離されたときにパッドクリアランスを詰める方向に前記電動モータを回転させて前記パッドクリアランスを閉じて、前記モータ回転位置が変化している最中に、前記ピストン推力の変化量がゼロの状態から、ゼロではない状態に切り替わるときの前記モータ回転位置を検出することを特徴としている。
【0012】
このように、制御手段は、モータ回転位置の変化量と、ピストン推力の変化量とから、ピストン推力が生じるモータ回転位置を検出するため、ピストンを設定位置以上にわざわざ後退させる必要がない。
【0014】
また、車両が走行中でありアクセルが離されたとき、つまりブレーキ操作が予測される操作時にパッドクリアランスを詰める方向に電動モータを回転させパッドクリアランスを閉じて、その際に、ピストン推力が生じるモータ回転位置を検出するため、パッドクリアランスを詰める度毎に、ピストン推力が生じるモータ回転位置を検出することができる。
本発明の請求項3記載の電動ディスクブレーキは、請求項1または2記載のものに関して、前記ピストン推力のゼロ点の補正または前記ピストン推力の変化量がゼロの状態から、ゼロではない状態に切り替わるときの前記モータ回転位置の検出をしたのちに、ピストン推力をほぼゼロとするようにパッドクリアランスを開く方向に前記電動モータを戻すことを特徴としている。
【0015】
本発明の請求項4記載の電動ディスクブレーキの制御プログラムは、電動モータと、該電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換し該ピストンでブレーキパッドをディスクに接触させる変換機構部と、前記電動モータのモータ回転位置を検出する位置検出手段と、前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出手段と、該推力検出手段で検出されたピストン推力に基づく推力制御および前記位置検出手段で検出されたモータ回転位置に基づく位置制御によって、前記ピストンに目標推力を発生させるように前記電動モータを制御する制御手段とを有する電動ディスクブレーキの制御プログラムであって、車両が走行中でありアクセルが離されたときにパッドクリアランスを詰める方向に前記電動モータを回転させて前記パッドクリアランスを閉じて、前記モータ回転位置が変化している最中に、前記ピストン推力の変化量がゼロの状態から、ゼロではない状態に切り替わるときのピストン推力値を検出し、このピストン推力値分を減算して、前記推力検出手段における前記ピストン推力のゼロ点を補正することを特徴としている。
【0016】
このように、モータ回転位置の変化量と、ピストン推力の変化量とから、推力検出手段におけるピストン推力のゼロ点を補正するため、ゼロ点補正を行うためにピストンを設定位置以上にわざわざ後退させる必要がない。
また、車両が走行中でありアクセルが離されたときにパッドクリアランスを詰める方向に電動モータを回転させパッドクリアランスを閉じて、その際に、ピストン推力のゼロ点を補正するため、例えば、モータ回転位置の変化量があるのに、ピストン推力の変化量ない状態から発生する状態に切り替わる位置でピストン推力のゼロ点を補正することができる。
【0017】
本発明の請求項5記載の電動ディスクブレーキの制御プログラムは、電動モータと、該電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換し該ピストンでブレーキパッドをディスクに接触させる変換機構部と、前記電動モータのモータ回転位置を検出する位置検出手段と、前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出手段と、該推力検出手段で検出されたピストン推力に基づく推力制御および前記位置検出手段で検出されたモータ回転位置に基づく位置制御によって、前記ピストンに目標推力を発生させるように前記電動モータを制御する制御手段とを有する電動ディスクブレーキの制御プログラムであって、車両が走行中でありアクセルが離されたときにパッドクリアランスを詰める方向に前記電動モータを回転させて前記パッドクリアランスを閉じて、前記モータ回転位置が変化している最中に、前記ピストン推力の変化量がゼロの状態から、ゼロではない状態に切り替わるときの前記モータ回転位置を検出することを特徴としている。
【0018】
このように、モータ回転位置の変化量と、ピストン推力の変化量とから、ピストン推力が生じるモータ回転位置を検出するため、ピストンを設定位置以上にわざわざ後退させる必要がない。
また、車両が走行中でありアクセルが離されたとき、つまりブレーキ操作が予測される操作時にパッドクリアランスを詰める方向に電動モータを回転させパッドクリアランスを閉じて、その際に、ピストン推力が生じるモータ回転位置を検出するため、パッドクリアランスを詰める度毎に、ピストン推力が生じるモータ回転位置を検出することができる。
本発明の請求項6記載の電動ディスクブレーキの制御プログラムは、請求項4または5記載のものに関して、前記ピストン推力のゼロ点の補正または前記ピストン推力の変化量がゼロの状態から、ゼロではない状態に切り替わるときの前記モータ回転位置の検出をしたのちに、ピストン推力をほぼゼロとするようにパッドクリアランスを開く方向に前記電動モータを戻すことを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態の電動ディスクブレーキおよびその制御プログラムを図1〜図5を参照しつつ以下に説明する。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の電動ディスクブレーキの電動キャリパ10は、図示せぬ車輪とともに回転するディスク11の一側(通常は車体に対して内側)にキャリパ本体12が配置されており、このキャリパ本体12には、略C字形に形成されてディスク11を跨いで反対側へ延びる爪部13が一体的に結合されている。ディスク11の両側、すなわち、ディスク11とキャリパ本体12との間および爪部13の先端部との間に、それぞれブレーキパッド14,15が設けられている。ブレーキパッド14,15は、車体側に固定されるキャリア16によってディスク11の軸方向に沿って移動可能に支持されて、制動トルクをキャリア16で受けるようになっており、また、キャリパ本体12は、キャリア16に取付けられた図示せぬスライドピンによってディスク11の軸方向に沿って摺動可能に案内されている。
【0021】
キャリパ本体12には、ボルト17によって略円筒伏のケース18が結合され、このケース18内には、電動モータ19および位置検出器(位置検出手段)20が設けられている。一方、キャリパ本体12内には、ボールランプ機構21及び減速機構22が挿入されている。ケース18の後端部には、カバー23がボルト24によって取付けられている。
【0022】
電動モータ19は、ケース18の内周部に固定されたステータ25と、ステータ25に挿入されて軸受26,27によってケース18に回転可能に支持されたロータ28とを備えている。位置検出器20は、ケース18側に固定されたレゾルバステータ29及びロータ28に取付けられたレゾルバロータ30からなり、これらの相対回転に基づいてロータ28の回転位置すなわち電動モータ19のモータ回転位置を検出するものである。
【0023】
ボールランプ機構21は、環状の第1及び第2ディスク32,33と、これらの間に介装された複数のボール(鋼球)34とから構成されている。第1ディスク32は、軸受35によってキャリパ本体12に回転可能に支持され、ロータ28内に挿入される円筒部36が一体的に形成されている。第2ディスク33には、円筒部36よりも小径の円筒状のスリーブ37が一体的に形成され、このスリーブ37が円筒部36内に挿通されている。
【0024】
ボールランプ機構21の第1ディスク32及び第2ディスク33の対向面には、それぞれ円周方向に沿って延びる円弧状の例えば3つのボール溝38,39が形成されている。これらのボール溝38,39は、等しい中心角(例えば90゜)の範囲に延ばされて、同じ方向に傾斜されている。そして、第1及び第2ディスク32,33に形成されたボール溝38,39間にボール34が装入され、第1、第2ディスク32,33の相対回転によって、ボール溝38,39内をボール34が転動することにより、第1ディスク32と第2ディスク33とが軸方向に相対変位するようになっている。このとき、第1ディスク32が第2ディスク33に対して反時計回りに回転したとき、これらが離間する方向に変位する。
【0025】
第2ディスク33とブレーキパッド14との間には、ピストン40が設けられている。ピストン40は、外周にネジ部41を形成した円筒部材42aを有している。円筒部材42aは、第2ディスク33のスリーブ37内に挿入され、その内周に形成されたネジ部43に螺合されている。円筒部材42a内には、ケース18にブラケット44を介して取付けられた軸45の図示せぬ二面取部が嵌合されて、その回転が規制されている。また、ピストン40は、円筒部材42aの軸45に対し反対側に回転が規制された状態で連結される略円板状の押圧部材42bを有している。そして、円筒部材42aと押圧部材42bと軸45との間に、ピストン40が受けるピストン推力を検出する推力センサ(推力検出手段)46が設けられている。
【0026】
ピストン40の円筒部材42のネジ部41と、第2ディスク33のスリーブ37のネジ部43とで不可逆ねじを形成しており、ピストン40は、その軸方向に力が作用しても移動することはないが、第2ディスク33を反時計回りに回転させることにより、ディスク11側へ移動するようになっている。
【0027】
軸45の外周部及び第2ディスク33のスリーブ37の内周部にそれぞれ形成されたバネ受47,48間に複数の皿バネ(圧縮ばね)49が介装され、そのばね力によって第2ディスク33がボール34を第1ディスク32との間で挟みつけるように付勢されている。軸45は、調整ネジ50およびロックナット51によってブラケット44に取付けられている。
【0028】
第2ディスク33には、最もディスク11側の外径部にリング部材52が固定されている。一方、爪部13のキャリパ本体12側には、その内側に円筒部材53が位置固定で設けられており、この円筒部材53の内側には、第1ディスク32および第2ディスク33の相互対向側が配置されている。この円筒部材53の内側には、上記リング部材52と対向するようにリング部材54が固定されており、リング部材52とリング部材54との間には、これらの間に適度な抵抗力を付与するウエーブワッシャ55が介装されている。
【0029】
電動モータ19、位置検出器20、推力センサ46には、コネクタ31を介して図示せぬコントローラ(制御手段)が接続され、このコントローラは、位置検出器20の検出結果すなわち電動モータ19の実際のモータ回転位置と、電動モータ19の電流値と、推力センサ46の検出結果すなわち実際のピストン推力とに基づいて電動モータ19を制御することで、ピストン推力が目標推力となるように制御を行う。
【0030】
次に、減速機構22について説明する。電動モータ19の口ータ58の一端部に偏心軸57が形成され、偏心軸57の外周部には、軸受58を介して偏心板59が回転可能に取付けられている。キャリパ本体12には、偏心板59に対向させて固定板60が固定されている。偏心板59及び固定板60の対向面には、それぞれ周方向に沿って複数の穴(凹所)61,62が形成されており、これらの穴61,62間にボール(鋼球)63が介装してオルダム機構を構成して、公転運動する偏心板59を支持している。偏心板59の一端面は、第1ディスク32に対向されており、これらの対向面には、それぞれサイクロイド溝64,65が形成され、サイクロイド溝64,65間にボール(鋼球)66が挿入されている。
【0031】
第2ディスク33のスリーブ37の先端外周部には、円筒状のスプリングホルダ67がピン68によって回転しないように取付けられている。スプリングホルダ67の一端部が、第1ディスク32の円筒部36の先端部に係合して、これらの相対回転を一定範囲に制限している。スプリングホルダ67の周りには、コイルスプリング69が巻装され、コイルスプリング69は、所定のセット荷重をもって捻られて、その一端部がスプリングホルダ67に結合され、他端部が第1ディスク32の円筒部36に結合されている。
【0032】
以上のように構成した本実施形態の電動ディスクブレーキの基本作動について次に説明する。
【0033】
非制動状態では、ボールランプ機構21のボール34がボール溝38,39の最も深い端部にあり、第1ディスク32と第2ディスク33とが最も近い位置にある。コントローラは、制動力を発生させる際に、電動モータ19のロータ28を時計回りに回転させる。すると、偏心板59が公転し、サイクロイド溝64,65及びボール66の作用によって第1ディスク32がロータ28に対して、次式で示される一定の回転比Nで反時計回りに回転する。
N=(d−D)/D
ここで、
d:サイクロイド溝64の基準円直径
D:サイクロイド溝65の基準円直径
すなわち、第1ディスク32は、ロータ28に対して一定の減速比α(=1/N)で減速されて反時計回りに回転し、その分、トルクが増幅される。
【0034】
第1ディスク32の回転力は、コイルスプリング69を介して第2ディスク33に伝達される。ピストン40がブレーキパッド14,15を押圧する前は、ピストン40に軸方向の荷重が殆ど作用せず、ピストン40と第2ディスク33との間のネジ部41,43に生じる抵抗が小さいので、コイルスプリング69のセット荷重によって第2ディスク33が第1ディスク32と一体に回転し、第2ディスク33とピストン40との間に相対回転が生じて、ネジ部41,43の作用によってピストン40がディスク11側ヘ前進する。なお、これにより、ネジ部41,43は電動モータ19の回転運動をピストン40の直線運動に変換する変換機構部を構成している。
【0035】
上記前進時において、第1ディスク32と一体に回転する第2ディスク33に固定されたリング部材52と、爪部13に円筒部材53を介して固定配置されたリング部材54とが相対回転することになり、これらの間に介装されたウエーブワッシャ55が第2ディスク33の回転に対して適度な抵抗力を付与する。
【0036】
そして、ピストン40が一方のブレーキパッド14に接触してこれをディスク11ヘ押圧させ、その反力によってキャリパ本体12がキャリア16のスライドピンに沿って移動して、爪部13が他方のブレーキパッド15をディスク11に押圧させる。
【0037】
両ブレーキパッド14,15がディスク11に押圧された後は、その反力によってピストン40に軸方向の大きな荷重が作用するため、ネジ部41,43の抵抗が増大してコイルスプリング69のセット荷重を超えて、第2ディスク33が回転を停止させることになり、その結果、コイルスプリング69が撓んでボールランプ機構21の第1ディスク32および第2ディスク33間に相対回転が生じる。これにより、ボール34がボール溝38,39内を転動して第2ディスク33およびピストン40を一体に前進(すなわち直線運動)させ、ピストン40によってブレーキパッド14,15をディスク11にさらに押付ける。なお、これにより、ボールランプ機構21も電動モータ19の回転運動をピストン40の直線運動に変換する変換機構部を構成している。
【0038】
そして、ピストン40がブレーキパッド14に接触した後においても、コントローラは、位置検出器20の検出結果すなわちモータ回転位置と、推力センサ46の検出結果すなわちピストン推力とから電動モータ19の電流値を制御することで、ピストン推力を所望値に制御する。
【0039】
ここで、コントローラは、各種センサからの検出データに基づいて電動キャリパ10の制動力すなわちピストン40に発生させる目標推力を求め、この目標推力をピストン40に発生させるように電動モータ19に対し、推力センサ46で検出されたピストン推力をフィードバックとする推力制御および位置検出器20で検出されたモータ回転位置をフィードバックとする位置制御を行う。
【0040】
そして、コントローラは、位置検出器20で検出されるモータ回転位置の変化量(単位時間あたりの変化量。以下同)と、推力センサ46で検出されるピストン推力の変化量とから、推力センサ46におけるピストン推力のゼロ点を検出することになり、詳しくは、パッドクリアランスを開く方向に電動モータ19を回転させる際に、ピストン推力のゼロ点を検出する。
【0041】
すなわち、走行中の制動による摩擦熱、電動モータの発熱、周囲環境の温度変化等により、電動ディスクブレーキは、内蔵された推力センサ46が影響を受け、その出力値が変化するいわゆる温度ドリフトが発生してしまう。
【0042】
例えば、図2は、推力センサ46が温度ドリフトしたときのピストン40の実推力と推力センサ46の出力値との関係の一例を示すものであるが、温度ドリフトが生じると、この図2に示すように、実推力がゼロになっても推力センサ46の出力値、すなわちピストン推力がゼロを超える値F0を検出している状態等が生じることになり、この値F0が温度ドリフト値である。
【0043】
そして、図3は、このような温度ドリフトが推力センサ46に発生しているときに、ブレーキパッド14,15がディスク11に接触している状態からディスク11からブレーキパッド14,15を離間させる方向、すなわちパッドクリアランスを開く方向にピストン40を移動させるように電動モータ19を回転させたときのモータ回転位置(図3(a))および推力センサ46の出力値(図3(b))の時系列データを示すものであるが、図3に示されるように、モータ回転位置の変化量が発生しているにもかかわらず、推力センサ46の出力値であるピストン推力が値F0で変化量がゼロとなる状態(図3におけるT1以降)が生じることになり、このようにピストン推力の変化量がゼロの状態が実推力がゼロの状態となる。
【0044】
よって、コントローラは、ブレーキパッド14,15がディスク11に接触し、温度ドリフトの影響を排除し得る所定値以上のピストン推力が推力センサ46で検出されている状態から、ディスク11に対しブレーキパッド14,15を離間させる方向、すなわちパッドクリアランスを開く方向にピストン40を移動させるように電動モータ19を回転させたときに、モータ回転位置の変化量がゼロではない状態の中で、ピストン推力の変化量がゼロではない状態からゼロに切り替わるときの切替点T1のピストン推力F0を、推力センサ46の温度ドリフト値として検出する。そして、この温度ドリフト値の分を減算して、推力センサ46におけるピストン推力のゼロ点とする補正を行う。
【0045】
なお、コントローラは、上記所定値以上のピストン推力が推力センサ46で検出されている状態からパッドクリアランスを開く方向にピストン40を移動させる度毎に、このようなピストン推力のゼロ点補正を実行する。
【0046】
他方で、コントローラは、位置検出器20で検出されるモータ回転位置の変化量と、推力センサ46で検出されるピストン推力の変化量とから、パッドクリアランスを詰める方向に電動モータ19を回転させる際にも、推力センサ46におけるピストン推力のゼロ点を検出することになる。それとともに、コントローラは、位置検出器20で検出されるモータ回転位置の変化量と、推力センサ46で検出されるピストン推力の変化量とから、ピストン推力が生じる(ピストン推力の発生が開始される)モータ回転位置を検出することになり、詳しくは、パッドクリアランスを詰める方向に電動モータ19を回転させる際に、ピストン推力が生じるモータ回転位置を検出する。
【0047】
コントローラは、アクセルオフ等のブレーキ操作の実行が予測される操作時に、ブレーキパッド14,15をディスク11から離間させている待機状態から、ブレーキパッド14,15をディスク11の方向に移動させる方向、すなわちパッドクリアランスを詰める方向にピストン40を移動させるように電動モータ19を回転させる制御を行うことになるが、図4は、このような制御を行ったときに、上記のような温度ドリフトが推力センサ46に発生している場合の、モータ回転位置(図4(a))および推力センサ46の出力値(図4(b))の時系列データを示すものである。図4に示されるように、モータ回転位置の変化量が発生している最中に、推力センサ46の出力値であるピストン推力の変化量がゼロの状態から、ピストン推力の変化量がゼロではない状態に切り替わることになる。
【0048】
よって、コントローラは、ブレーキパッド14,15をディスク11に対し離間させている待機状態から、ディスク11にブレーキパッド14,15に近接させる方向、すなわちパッドクリアランスを詰める方向にピストン40を移動させるように電動モータ19を回転させたときに、モータ回転位置の変化量がゼロではない状態の中で、ピストン推力の変化量がゼロの状態からゼロではない状態に切り替わるときの切替点T1のピストン推力F0を、推力センサ46の温度ドリフト値として検出する。そして、この温度ドリフト値の分を減算して、推力センサ46におけるピストン推力のゼロ点とする補正を行う。
【0049】
それとともに、コントローラは、ピストン推力の変化量がゼロの状態からゼロではない状態に切り替わると、引きずりを運転者が意識しない程度のピストン推力F0’を生じさせるモータ回転位置X0’まで電動モータ19を回転させた後、ピストン推力の変化量がゼロの状態からゼロではない状態に切り替わった時点T1でのモータ回転位置X0、すなわちピストン推力が生じる(ピストン推力の発生が開始される)モータ回転位置X0に対し、推力をほぼゼロとする最小量付加した所定回転分だけ電動モータ19を戻す。これにより、アクセルオフ等のブレーキ操作の実行が予測される状態で、ピストン推力を発生させずにパッドクリアランスをゼロにすることができる。
【0050】
なお、コントローラは、待機状態からパッドクリアランスを詰める方向にピストン40を移動させる度毎に、以上のようなピストン推力のゼロ点補正およびピストン推力が生じるモータ回転位置の検出を実行する。
【0051】
以上を含む制御プログラムがコントローラに記憶されている。
【0052】
なお、コントローラの制御は、図5に概略的に示すフローチャートにしたがって行われることになり、まず、パッドクリアランスの管理を行い(ステップS1)、パッドクリアランスを開いて待機状態とするか否かを判定する(ステップS2)。ここで、車両が走行中でブレーキが踏まれていない状態では、パッドクリアランスを開くと判定して、パッドクリアランスを開く制御を行う(ステップS3)。
【0053】
なお、ステップS3のパッドクリアランスを開く制御では、電動モータ19を一定速度で開方向に回転させ、このときの位置検出器20で検出されるモータ回転位置と推力センサ46で検出されるピストン推力とをモニタし、それぞれの変化量を演算する。そして、モータ回転位置の変化量がある状態でピストン推力の変化量がなくなる時点のピストン推力をゼロとする補正を行うとともに、この時点のモータ回転位置をピストン推力がゼロでパッドクリアランスがゼロのパッド接触位置と認識する。そして、このパッド接触位置から規定量電動モータ19を戻して、パッドクリアランスを開く動作を完了する。
【0054】
また、ステップS2で、パッドクリアランスを開くと判定しなかった場合、待機状態からパッドクリアランスを閉じるか否かを判定する(ステップS4)。ここで、車両が走行中でありブレーキが踏まれていない状態であってさらにアクセルが離されると、パッドクリアランスを閉じると判定して、パッドクリアランスを閉じる制御を行う(ステップS5)。
【0055】
なお、ステップS5のパッドクリアランスを閉じる制御では、電動モータ19を一定速度で閉方向に回転させ、このときの位置検出器20で検出されるモータ回転位置と推力センサ46で検出されるピストン推力とをモニタし、それぞれの変化量を演算する。そして、モータ回転位置の変化量がある状態でピストン推力の変化量が発生した時点のピストン推力をゼロとする補正を行うとともに、この時点のモータ回転位置をピストン推力がゼロでパッドクリアランスがゼロのパッド接触位置と認識する。そして、このパッド接触位置では微小なピストン推力が発生しているので、パッド接触位置に対しこの推力をほぼゼロとする最小量付加した回転分、電動モータ19を戻して、パッドクリアランスを閉じる動作を完了する。
【0056】
以上に述べた本実施形態の電動ディスクブレーキおよびその制御プログラムによれば、モータ回転位置の変化量と、ピストン推力の変化量とから、推力センサ46におけるピストン推力のゼロ点を検出するため、ゼロ点補正を行うためにピストン40を設定位置以上にわざわざ後退させる必要がない。よって、走行中もピストン推力のゼロ点を検出することができるため、走行中に生じた温度ドリフトの影響も排除可能となる。
【0057】
したがって、ピストン推力を適正に制御することができる。
【0058】
また、パッドクリアランスを開く方向またはパッドクリアランスを詰める方向に電動モータ19を回転させる際に、ピストン推力のゼロ点を検出するため、例えば、モータ回転位置の変化量があるのに、ピストン推力の変化量がある状態からなくなる状態に切り替わる位置でピストン推力のゼロ点を検出したり、あるいは、モータ回転位置の変化量があるのに、ピストン推力の変化量がない状態から発生する状態に切り替わる位置でピストン推力のゼロ点を検出したりすることができる。
【0059】
さらに、モータ回転位置の変化量と、ピストン推力の変化量とから、ピストン推力が生じるモータ回転位置を検出するため、この点でもピストン40を設定位置以上にわざわざ後退させる必要がない。よって、走行中もピストン推力が生じるモータ回転位置を検出することができるため、走行中に生じた温度ドリフトの影響も排除可能となる。
【0060】
したがって、パッドクリアランス量を適正に制御することができるため、ディスク11とブレーキパッド14,15との引きずりを防止してブレーキパッド14,15の寿命を延ばすことができる。
【0061】
加えて、パッドクリアランスを詰める方向に電動モータを回転させる際に、ピストン推力が生じるモータ回転位置を検出するため、例えば、アクセルオフ等のブレーキ操作が予測される操作時にパッドクリアランスを詰める度毎に、ピストン推力が生じるモータ回転位置を検出することができる。
【0062】
したがって、ブレーキの応答性を向上させることができる。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の電動ディスクブレーキによれば、制御手段が、モータ回転位置の変化量と、ピストン推力の変化量とから、推力検出手段におけるピストン推力のゼロ点を検出するため、ゼロ点補正を行うためにピストンを設定位置以上にわざわざ後退させる必要がない。よって、走行中もピストン推力のゼロ点を検出することができるため、走行中に生じた温度ドリフトの影響も排除可能となる。
【0064】
したがって、ピストン推力を適正に制御することができる。
【0065】
また、車両が走行中でありアクセルが離されたときにパッドクリアランスを詰める方向に電動モータを回転させパッドクリアランスを閉じて、その際に、ピストン推力のゼロ点を補正するため、例えば、モータ回転位置の変化量があるのに、ピストン推力の変化量がない状態から発生する状態に切り替わる位置でピストン推力のゼロ点を補正することができる。
【0066】
本発明の請求項2記載の電動ディスクブレーキによれば、制御手段は、車両が走行中でありアクセルが離されたときにパッドクリアランスを詰める方向に電動モータを回転させパッドクリアランスを閉じて、モータ回転位置の変化量と、ピストン推力の変化量とから、ピストン推力が生じるモータ回転位置を検出するため、ピストンを設定位置以上にわざわざ後退させる必要がない。よって、走行中もピストン推力が生じるモータ回転位置を検出することができるため、走行中に生じた温度ドリフトの影響も排除可能となる。
【0067】
したがって、パッドクリアランス量を適正に制御することができるため、ディスクとブレーキパッドとの引きずりを防止してブレーキパッドの寿命を延ばすことができる。
【0068】
また、車両が走行中でありアクセルが離されたとき、つまりブレーキ操作が予測される操作時にパッドクリアランスを詰める方向に電動モータを回転させパッドクリアランスを閉じて、その際に、ピストン推力が生じるモータ回転位置を検出するため、パッドクリアランスを詰める度毎に、ピストン推力が生じるモータ回転位置を検出することができる。
【0069】
したがって、ブレーキの応答性を向上させることができる。
【0070】
本発明の請求項4記載の電動ディスクブレーキの制御プログラムによれば、モータ回転位置の変化量と、ピストン推力の変化量とから、推力検出手段におけるピストン推力のゼロ点を補正するため、ゼロ点補正を行うためにピストンを設定位置以上にわざわざ後退させる必要がない。よって、走行中もピストン推力のゼロ点を補正することができるため、走行中に生じた温度ドリフトの影響も排除可能となる。
また、車両が走行中でありアクセルが離されたときにパッドクリアランスを詰める方向に電動モータを回転させパッドクリアランスを閉じて、その際に、ピストン推力のゼロ点を補正するため、例えば、モータ回転位置の変化量があるのに、ピストン推力の変化量ない状態から発生する状態に切り替わる位置でピストン推力のゼロ点を補正することができる。
【0071】
したがって、ピストン推力を適正に制御することができる。
【0072】
本発明の請求項5記載の電動ディスクブレーキの制御プログラムによれば、モータ回転位置の変化量と、ピストン推力の変化量とから、ピストン推力が生じるモータ回転位置を検出するため、ピストンを設置位置以上にわざわざ後退させる必要がない。よって、走行中もピストン推力が生じるモータ回転位置を検出することができるため、走行中に生じた温度ドリフトの影響も排除可能となる。
また、車両が走行中でありアクセルが離されたとき、つまりブレーキ操作が予測される操作時にパッドクリアランスを詰める方向に電動モータを回転させパッドクリアランスを閉じて、その際に、ピストン推力が生じるモータ回転位置を検出するため、パッドクリアランスを詰める度毎に、ピストン推力が生じるモータ回転位置を検出することができる。
【0073】
したがって、パッドクリアランス量を適正に制御することができるため、ディスクとブレーキパッドとの引きずりを防止してブレーキパッドの寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の電動ディスクブレーキの電動キャリパを示す断面図である。
【図2】 推力センサの温度ドリフトの状態を説明する線図であって実推力(横軸)と推力センサの出力値(縦軸)との関係を示すものである。
【図3】 本発明の一実施形態の電動ディスクブレーキのパッドクリアランス開時の時系列データを示す線図であって、(a)はモータ回転位置を、(b)は推力センサの出力値を示すものである。
【図4】 本発明の一実施形態の電動ディスクブレーキのパッドクリアランス閉時の時系列データを示す線図であって、(a)はモータ回転位置を、(b)は推力センサの出力値を示すものである。
【図5】 本発明の一実施形態の電動ディスクブレーキのコントローラの制御内容の要部を概略的に示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 電動 キャリパ
11 ディスク
14,15 ブレーキパッド
19 電動モータ
20 位置検出器(位置検出手段)
21 ボールランプ機構(変換機構部)
40 ピストン
41,43 ネジ部(変換機構部)
46 推力センサ(推力検出手段)
Claims (6)
- 電動モータと、
該電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換し該ピストンでブレーキパッドをディスクに接触させる変換機構部と、
前記電動モータのモータ回転位置を検出する位置検出手段と、
前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出手段と、
該推力検出手段で検出されたピストン推力に基づく推力制御および前記位置検出手段で検出されたモータ回転位置に基づく位置制御によって、前記ピストンに目標推力を発生させるように前記電動モータを制御する制御手段とを有する電動ディスクブレーキであって、
前記制御手段は、車両が走行中でありアクセルが離されたときにパッドクリアランスを詰める方向に前記電動モータを回転させて前記パッドクリアランスを閉じて、前記モータ回転位置が変化している最中に、前記ピストン推力の変化量がゼロの状態から、ゼロではない状態に切り替わるときのピストン推力値を検出し、このピストン推力値分を減算して、前記推力検出手段における前記ピストン推力のゼロ点を補正することを特徴とする電動ディスクブレーキ。 - 電動モータと、
該電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換し該ピストンでブレーキパッドをディスクに接触させる変換機構部と、
前記電動モータのモータ回転位置を検出する位置検出手段と、
前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出手段と、
該推力検出手段で検出されたピストン推力に基づく推力制御および前記位置検出手段で検出されたモータ回転位置に基づく位置制御によって、前記ピストンに目標推力を発生させるように前記電動モータを制御する制御手段とを有する電動ディスクブレーキであって、
前記制御手段は、車両が走行中でありアクセルが離されたときにパッドクリアランスを詰める方向に前記電動モータを回転させて前記パッドクリアランスを閉じて、前記モータ回転位置が変化している最中に、前記ピストン推力の変化量がゼロの状態から、ゼロではない状態に切り替わるときの前記モータ回転位置を検出することを特徴とする電動ディスクブレーキ。 - 前記ピストン推力のゼロ点の補正または前記ピストン推力の変化量がゼロの状態から、ゼロではない状態に切り替わるときの前記モータ回転位置の検出をしたのちに、ピストン推力をほぼゼロとするようにパッドクリアランスを開く方向に前記電動モータを戻すことを特徴とする請求項1または2に記載の電動ディスクブレーキ。
- 電動モータと、
該電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換し該ピストンでブレーキパッドをディスクに接触させる変換機構部と、
前記電動モータのモータ回転位置を検出する位置検出手段と、
前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出手段と、
該推力検出手段で検出されたピストン推力に基づく推力制御および前記位置検出手段で検出されたモータ回転位置に基づく位置制御によって、前記ピストンに目標推力を発生させるように前記電動モータを制御する制御手段とを有する電動ディスクブレーキの制御プログラムであって、
車両が走行中でありアクセルが離されたときにパッドクリアランスを詰める方向に前記電動モータを回転させて前記パッドクリアランスを閉じて、前記モータ回転位置が変化している最中に、前記ピストン推力の変化量がゼロの状態から、ゼロではない状態に切り替わるときのピストン推力値を検出し、このピストン推力値分を減算して、前記推力検出手段における前記ピストン推力のゼロ点を補正することを特徴とする電動ディスクブレーキの制御プログラム。 - 電動モータと、
該電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換し該ピストンでブレーキパッドをディスクに接触させる変換機構部と、
前記電動モータのモータ回転位置を検出する位置検出手段と、
前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出手段と、
該推力検出手段で検出されたピストン推力に基づく推力制御および前記位置検出手段で検出されたモータ回転位置に基づく位置制御によって、前記ピストンに目標推力を発生させるように前記電動モータを制御する制御手段とを有する電動ディスクブレーキの制御プログラムであって、
車両が走行中でありアクセルが離されたときにパッドクリアランスを詰める方向に前記電動モータを回転させて前記パッドクリアランスを閉じて、前記モータ回転位置が変化している最中に、前記ピストン推力の変化量がゼロの状態から、ゼロではない状態に切り替わるときの前記モータ回転位置を検出することを特徴とする電動ディスクブレーキの制御プログラム。 - 前記ピストン推力のゼロ点の補正または前記ピストン推力の変化量がゼロの状態から、ゼロではない状態に切り替わるときの前記モータ回転位置の検出をしたのちに、ピストン推力をほぼゼロとするようにパッドクリアランスを開く方向に前記電動モータを戻すことを特徴とする請求項4または5に記載の電動ディスクブレーキの制御プログラム。
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