JP4058330B2 - 真空吐出成形装置及び真空吐出成形方法 - Google Patents
真空吐出成形装置及び真空吐出成形方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4058330B2 JP4058330B2 JP2002345086A JP2002345086A JP4058330B2 JP 4058330 B2 JP4058330 B2 JP 4058330B2 JP 2002345086 A JP2002345086 A JP 2002345086A JP 2002345086 A JP2002345086 A JP 2002345086A JP 4058330 B2 JP4058330 B2 JP 4058330B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vacuum
- liquid resin
- discharge
- workpiece
- work
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)
Description
【発明の属する利用分野】
本発明は、真空室内に収容されたワークに吐出された液状樹脂を、真空破壊した状態で加熱加圧して整形する真空吐出成形装置及び真空吐出成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の小型化、薄型化が進行しており、樹脂封止されるパッケージ部も薄型化している。樹脂封止されるワークには、半導体チップが回路基板にフリップチップ接続されたフリップチップタイプや半導体チップが回路基板にワイヤボンディング接続されたワイヤボンディングタイプなどが用いられる。これらの半導体チップは基板上にマトリクス状に配置されて一括して樹脂封止されるものが多い。しかも、封止樹脂は、ポッティング装置や印刷装置が用いられ、ワークがフリップチップタイプにおいては、液状樹脂が基板上に吐出されて基板−チップ間の隙間に充填されたアンダーフィルモールドされ、かつチップ表面を覆ってオーバーモールドがおこなわれる。また、ワークがワイヤボンディングタイプにおいては、チップ表面を覆うオーバーモールドがおこなわれる。そして、一括封止されたパッケージ部は、ダイシング装置などにより各半導体装置毎に切断されて個片化される。
【0003】
フリップチップタイプのパッケージを効率良くアンダーフィルモールドする方法として、基板にフリップチップ接続されたチップの周囲にチップ−基板間の隙間を囲んで液状樹脂を吐出した後、減圧下において液状樹脂の脱泡及び隙間内を真空状態にし、減圧を解除して大気圧に戻すことにより周囲の空気との圧力差を利用して隙間内に液状樹脂を強制的に吸引充填させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、ワイヤボンディング実装タイプ若しくはフリップチップ実装タイプの電子部品を安価に大量生産する製造方法として、基板にマトリクス状に実装された半導体チップを一括して覆うように液状樹脂を孔版印刷により塗布し、真空雰囲気下で脱泡し、第1硬化条件下(硬化温度80℃、硬化時間30分〜120分)で半硬化させた後、平板で樹脂表面を押えて平坦化する。次に、平坦化した樹脂を第2硬化条件下(硬化温度120℃、硬化時間1時間)で硬化させた後、ダイサーなどの切断機で個々の電子部品に切断する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特許3220739号公報
【特許文献2】
特開2002−57175号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されているように、周囲を液状樹脂に囲まれたチップ−基板間の隙間と周囲の空気圧との圧力差のみでアンダーフィルモールドを行おうとしても、液状樹脂の粘度、種類などの液状樹脂の特性により影響を受け易く、塗布された液状樹脂の経時的流動によりがチップ−基板間の隙間の気密性を保持することが難しい。このため、真空破壊を行っても圧力差のみで樹脂が隙間に充填され難い。
【0007】
また、特許文献2に開示された樹脂封止方法では、基板上に塗布された液状樹脂を半硬化させた後に加圧して平坦化させるので、該平坦化される際に半硬化させた液状樹脂が圧延するとボンディングワイヤやバンプなどのチップや基板との電気的接続部に作用する負荷が大きく接続信頼性が低下する。
孔版印刷を用いた樹脂封止方法では、ワイヤボンディング実装された半導体チップは一括封止可能であるが、フリップチップ実装された半導体チップのチップ基板間の隙間へのアンダーフィルモールドを行う場合には液状樹脂が未充填になるか若しくは充填されてもボイドが生じ易い。
【0008】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、半導体チップが基板実装されたワークのチップエリアを一括して封止する液状樹脂の隙間充填性を向上させ、生産性を向上できる真空吐出成形装置及び真空吐出成形方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次の構成を備える。
即ち、真空吐出成形装置においては、半導体チップが基板実装されたワークが可動テーブル上に搬入され、真空状態が形成される真空室と、真空室内の可動テーブル上方に配置され吐出部本体に接続された吐出ノズルより液状樹脂を吐出する吐出部を備えた真空吐出部と、前記ワークに吐出された液状樹脂を加熱加圧して整形する加圧整形部とを具備し、真空状態が形成された前記真空室内でワークが搭載された可動テーブルをX−Y方向へ走査しながら固定配置された吐出ノズルより液状樹脂を吐出してワークのチップエリアに塗布した後、前記真空室を真空破壊してワークを室外へ取り出し、前記加圧整形部に搬入して加熱加圧して液状樹脂の硬化を促進しつつ平坦に整形することを特徴とする。
具体的には、ワークを保持して前記真空吐出部と加圧整形部との間を移動可能な移送用ハンドを備えたことを特徴とする。
また、加圧整形部は、液状樹脂に重ね合わせて加熱加圧可能な平板状のプレートを備えていることを特徴とする。
或いは、加圧整形部は、ヒータを内蔵したプレス金型を備えていることを特徴とする。この場合、プレス金型は、ワークに吐出された液状樹脂に押接する金型面に、梨地状の凹凸面が形成されていても良い。
また、ワークは複数の半導体チップがマトリクス状にフリップチップ実装された回路基板であることを特徴とする。この場合、可動テーブルに搭載されたワークを加温しながら液状樹脂を吐出部より吐出するのが望ましい。
【0010】
真空吐出成形方法においては、半導体チップが基板実装されたワークを真空室内に搬入して真空状態を形成する工程と、真空状態下でワークを載置した可動テーブルをX−Y方向へ走査しながらワークのチップエリアに配置された吐出部の吐出ノズルから液状樹脂を吐出する工程と、前記真空室を真空破壊してワークを室外へ取り出し、前記加圧整形部に搬入して加熱加圧して液状樹脂の硬化を促進しつつ平坦に整形する工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る樹脂封止装置の好適な実施の形態について添付図面と共に詳述する。
図1は真空吐出成形装置の概略構成を示す平面説明図、図2〜図4は加圧整形部を示す説明図 図5は他例に係る真空吐出成形方法を示す工程図である。
【0012】
先ず、真空吐出成形装置の概略構成について図1を参照して説明する。
図1において、基台1上には、真空吐出部2と加圧整形部3とが設けられている。真空吐出部2と加圧整形部3との間には、半導体チップが基板実装されたワーク4を保持して真空吐出部2と加圧整形部3との間を移動可能な移送用ハンド5が設けられている。
【0013】
真空吐出部2には、例えば基台1に対して開閉アーム6により開閉する真空容器(真空ベルジャ)7により真空室8が形成される。真空ベルジャ7は、中空状の開閉アーム6を通じて真空ポンプ9に接続されており、該真空ポンプ9を作動させて真空室8が形成されるようになっている。また、真空室8内には、ワーク4を載置する可動テーブル10が設けられている。可動テーブル10は、真空室8内でX−Y方向に走査可能に設けられている。このテーブル移動機構は、例えばX−Y方向で各々サーボモータとボールねじとの連繋を備えた公知の駆動機構が用いられる。また、真空室8内には、可動テーブル10上のワーク4を加温することが可能なヒータ(図示せず)が設けられている。このヒータは、ワーク4として、例えばフリップチップ実装されたワークをアンダーフィルモールドする場合には、液状樹脂を加温して流動性を高めるようになっている。
【0014】
吐出部であるディスペンサー11は、真空ベルジャ7内に搬入されたワーク4に吐出ノズル(ディスペンスノズル)12より液状樹脂13を吐出する。ディスペンサー11は、液状樹脂13を溜めておく吐出部本体(シリンジ部)14が真空ベルジャ7の外に配置されており、ノズルチューブ15のみが真空ベルジャ7内へシール部16を介して導入されている。ノズルチューブ15は真空ベルジャ7内の可動テーブル10上方に上下方向に移動可能に配置されたディスペンスノズル12に接続されている。また、ディスペンスノズル12より吐出される液状樹脂13の吐出量は、ノズルチューブ15の途中に設けられた電磁作動弁17により制御されるようになっている。
【0015】
このように、真空ベルジャ7内にディスペンスノズル12及びノズルチューブ15のみが配設され、シリンジ部14が真空ベルジャ7外に配設されているので、真空室8を小型化することができる。また、真空室8内おける可動テーブル10の移動範囲も小さくできるので、真空室8内のシール性を良好に維持できる。また、ワーク4を載置した可動テーブル10がX−Y方向へ走査することにより、様々なサイズのワーク4に対して広い範囲で液状樹脂13を塗布することができ、液状樹脂13の流動量を可及的に小さくすることができる。また、ワーク4が基板上に半導体チップがマトリクス状に配置されているものである場合には、前述したようにワーク4のチップエリアを一括して広い範囲で液状樹脂13を塗布する他に、後述するように、各半導体チップの中心部に液状樹脂13を散点状に塗布する方法もある(図5(a)〜(h)参照)。
【0016】
図2に加圧整形部であるプレス装置18を例示する。図2において、プレス装置18は、下型19及び上型20を備え、該下型19及び上型20にはヒータ21、22が内蔵されている。また、プレス装置18は、下型19に載置されたワーク4の液状樹脂13に平板状の加圧プレート23を搭載したまま上型20を型閉じしてワーク4をクランプして加熱加圧するようになっている。これにより、真空室8でワーク4のチップエリアに塗布された半硬化状態の液状樹脂13を加熱加圧して硬化させると共に液状樹脂13の上面を平坦に整形する。加圧プレート23は、金属板に限らず、ガラス板、セラミック板など様々な板材が用いられる。或いは加圧プレート23は、液状樹脂13と一体に被着される放熱板であっても良い。
【0017】
真空ベルジャ7が開放された状態で移送用ハンド5によりワーク4が可動テーブル10上に搬入される。ワーク4が搬入されると、真空ベルジャ7を閉じて真空ポンプ9を作動させることにより真空室8内に真空状態が形成される。そして、ワーク4が載置された可動テーブル10をX−Y方向に走査しながら(必要に応じて可動テーブル10上で加温されながら)、ディスペンサー11より液状樹脂13が吐出される。ディスペンスノズル12より液状樹脂13がワーク4上に滴下されると真空室8内で脱泡され(ワーク4が加温された場合には低粘度化され)、半導体チップ間の隙間、接続端子間の隙間、基板間の隙間などに充填される(フリップチップの場合には、チップ−基板間の隙間に毛細管現象によりアンダーフィルモールドされる)。液状樹脂13の吐出が完了すると、可動テーブル10の走査を停止する。このとき、ワーク4上のチップエリアは液状樹脂13により覆われている。
【0018】
次に、真空ポンプ9の作動を停止し、真空ベルジャ7を開放して真空室8を真空破壊する。このとき、真空室8と室外との気圧差により液状樹脂13の隙間充填が促進される。そして、移送用ハンド5によりワーク4が可動テーブル10から一旦室外へ取り出され、プレス装置18へ搬入される。次いで、ワーク4に塗布された液状樹脂13上に加圧プレート23が重ね合わされ、プレス装置18を型閉じすることにより加熱加圧して液状樹脂13の硬化を促進しつつ樹脂封止部(パッケージ部)の上面が平坦になるように整形する。このパッケージ部は成形後、ダイシングされて個片化された半導体装置が製造されるようになっている。このため、パッケージ部の均一な成形品質を維持するため、平坦化が行われる(図2参照)。
【0019】
また、ワーク4は複数の半導体チップがマトリクス状に配置され、フリップチップ実装されている回路基板であっても良いし、半導体チップがマトリクス状に配置され、ワイヤボンディング実装されている回路基板、さらには積層基板の何れであっても良い。
【0020】
また、図3に示すように、プレス装置18のうちヒータ22を内蔵した上型20は、ワーク4上に吐出された液状樹脂13に押接する押接面が梨地状に凹凸面24が形成されていてもよい。図2のように、液状樹脂13で半導体チップを封止すると、樹脂封止部にその半導体チップの外形を示す輪郭が浮き上がって見える現象が起きる。これは半導体チップの表面の樹脂厚みが薄く、シュリンクが小さいのに対して、他の部分はシュリンクが大きく、樹脂部分との境目が傾斜することから起こる。この傾斜による約15μm程度の段差が光の屈折で増幅され、半導体チップ外周が浮き上がって見えることとなり、外観不良とみなされる場合がある。このような外観不良に対し、図3に示すように上型20を凹凸面24に形成することで、前記の段差の発生が無くなり、外観不良となることを防止できる。また、粘度の高い液状樹脂13に対しても離型性が良くなり、成形品の品位を向上できる。
【0021】
更には、図4において、プレス装置18の、ワーク4上に吐出された液状樹脂13に押接する金型面(上型面)に、リリースフィルム25が張設されていても良い。リリースフィルム25を用いると、離型性が良くしかも金型面がクリーンに保たれたまま加熱加圧してキュアすることができる。
リリースフィルム25は、上型20のうち液状樹脂13に接触する部位を覆うものであり、本実施例では上型20のクランプ面に吸引されて張設される。ワーク4は、下型19に立設された位置決めピン26に位置決めされている。リリースフィルム25は、プレス金型の加熱温度に耐えられる耐熱性を有するもので、上型面より容易に剥離するものであって、柔軟性、伸展性を有するフィルム材、例えば、PTFE、ETFE、PET、FEP、フッ素含浸ガラスクロス、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリジン等が好適に用いられる。リリースフィルム25は、長尺状のフィルムをリール間で搬送するようにしても良いし、短冊状のフィルムを1枚ずつ上型面に張設するようにしても良い。また、フィルム面は無地でも良いが梨地状のパターンが形成されていても良い。
【0022】
次に、上述した真空吐出成形装置を用いた成形方法について図1を参照して説明する。半導体チップが基板実装されたワーク4を移送用ハンド5にて保持したまま、開放状態の真空ベルジャ7内に搬入する。移送用ハンド5がワーク4を可動テーブル10に載置し待機位置に戻ると、真空ベルジャ7を閉じて真空ポンプ9を作動させて真空室8内に真空状態を形成する。そして、真空状態下でワーク4が可動テーブル10に載置されたままX−Y方向へ走査しながらチップエリアにディスペンスノズル12より液状樹脂13を吐出する。液状樹脂13は粘度にもよるが後に押圧されることを考慮すると、ワーク中心部を高くなるように塗布するのが好ましい。
【0023】
液状樹脂13の塗布が完了すると、可動テーブル10の走査を停止する。次いで、真空ポンプ9の作動を停止し、真空ベルジャ7を開放して真空室8を真空破壊する。そして、移送用ハンド5が可動テーブル10よりワーク4を保持してプレス装置18へ移送して下型19へ搬入する。また、加圧プレート23を用いる場合には、ワーク4の液状樹脂13上に重ね合わせる。
次いでプレス装置18を型閉じして上型20と下型19とによりワーク4を加熱加圧して液状樹脂13の硬化を促進しつつ平坦に整形する。整形後のワーク4は、型開きしたプレス装置18より移送用ハンド5により取り出された後、ダイシングされて個片化した半導体装置が製造される。
【0024】
次に、本発明に係る真空吐出成形方法の他の実施形態について図1及び図5(a)〜(h)を参照して説明する。半導体チップ4aがマトリクス状に基板実装されたワーク4を移送用ハンド5にて保持したまま開放状態の真空ベルジャ7内に搬入する。移送用ハンド5がワーク4を可動テーブル10に載置し待機位置に戻ると、真空ベルジャ7を閉じて真空ポンプ9を作動させて真空室8内に真空状態を形成する(図1参照)。
【0025】
次に、真空状態下でワーク4が可動テーブル10に載置されたままX−Y方向に走査し、ディスペンスノズル12を半導体チップ4aの真上に位置するように移動して、該ディスペンスノズル12から液状樹脂13を吐出して各半導体チップ4aの中心部に塗布する。液状樹脂13は粘度にもよるが後に押圧されることを考慮すると、ワーク中心部を高くなるように塗布するのが好ましい(図5(a)(b)参照)。
【0026】
液状樹脂13の塗布が完了すると、可動テーブル10の走査を停止する。次いで、真空ポンプ9の作動を停止し、真空ベルジャ7を開放して真空室8を真空破壊する。そして、移送用ハンド5が可動テーブル10よりワーク4を保持してプレス装置18へ移送して下型19へ搬入する。また、加圧プレート23を用いる場合(図2参照)には、ワーク4の液状樹脂13上に重ね合わせる。
【0027】
次いでプレス装置18を型閉じして上型20と下型19とによりワーク4を加熱加圧して液状樹脂13の硬化を促進しつつ平坦に整形する(図5(c)(d)参照)。整形後のワーク4は、図5(e)(f)に示すように、半導体チップ毎に樹脂封止部(パッケージ部)が形成される。次に、型開きしたプレス装置18より移送用ハンド5により取り出された後、ダイシング装置へ搬入されて、図5(h)に示すダイシングブレード27により図5(g)に示す切断線28に沿ってX−Y方向にダイシングされて個片化した半導体装置29となる。
【0028】
図5(a)〜(h)に示す成形方法によれば、ワイヤボンディングタイプの半導体チップの中央部に液状樹脂13を散点状に塗布し加熱加圧した場合、液状樹脂13の移動量が極めて小さく、ワイヤスイープが極めて小さくなる。
また、マトリクス状に基板実装されたチップエリアの全てに一括して液状樹脂13を塗布する方法では、半導体チップの欠損部分(基板実装されていないこと)が発生する場合があるため、かかる欠損部分にも液状樹脂13を必要とするため、欠損部分がない場合に比べて全体の樹脂量が不足する。このため、樹脂封止部全体の高さが低くなり、その結果ワイヤ又はチップ表面の露出等が生じて樹脂封止が不完全な不良品となる。これに対し、図5(a)〜(h)に示す成形方法によれば、個別キャビティを形成したのと同等の成形方法となるため、樹脂量のばらつきによる不具合は解消され、各半導体チップ間の液状樹脂13は不要となるので、1回の封止に必要な樹脂量を節減できる。
【0029】
尚、移送用ハンド5は、ローダーなどのワーク供給手段と連繋して構成されていてもよいし、アンローダーなどの整形後のワーク回収手段と連繋して構成されていても良い。このようにすることで、真空成形装置をインライン化することができ、生産性を向上できる。
【0030】
上記真空吐出成形装置及び方法を用いれば、真空室8内でワーク4が搭載された可動テーブル10をX−Y方向へ走査しながらディスペンサー11より液状樹脂13を吐出して塗布するので、ワーク4のチップエリアに液状樹脂13を効率良く塗布することができる。また、真空室8内で液状樹脂13を脱泡しつつ必要に応じて加温しながら塗布するので、様々なタイプのワーク4のチップエリアに隙間なく充填することができる。また、真空室8を真空破壊して液状樹脂13が塗布されたワーク4を室外へ取り出すことにより、真空室8と室外との気圧差により液状樹脂13の隙間充填性が促進される。更に、プレス装置18に搬入して加熱加圧して液状樹脂13の硬化を促進しつつ平坦に整形するので、液状樹脂13の流動を最小限に押えて整形でき、半導体チップに加わる負荷は少なく、ダイシングに適した平坦度を維持したパッケージ部が整形できる。
また、真空室8内にディスペンスノズル12及びノズルチューブ15のみが配設され、シリンジ部14が室外に配設されているので、真空室8を小型化することができる。また、真空室8内おける可動テーブル10の移動範囲も小さくできるので、真空室8内のシール性を良好に維持できる。
また、ワーク4を搭載して真空室8とプレス装置18との間を移動可能な移送用ハンド5を設けたことにより、真空成形作業の自動化、インライン化が図れ、生産性を高めることができる。
また、プレス装置18の液状樹脂13に押接する金型面にリリースフィルム25が張設されたり、液状樹脂に押接する金型面に梨地状の凹凸面24が形成された場合には、外観不良となることを防止できると共に粘度の高い液状樹脂13との離型性が良くなるため、成形品の品位を高めることができる。
【0031】
以上、本発明の好適な実施例について種々述べてきたが、上述した実施例に限定されるのではなく、特にワークとして用いられる半導体チップの基板実装タイプに限定はなく、ディスペンサーのノズルもシングルノズルに限らずマルチノズルであっても良い等、法の精神を逸脱しない範囲で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0032】
【発明の効果】
本発明に係る真空吐出成形装置及び方法を用いれば、真空室内でワークが搭載された可動テーブルをX−Y方向へ走査しながら吐出部より液状樹脂を吐出して塗布するので、ワークのチップエリアに液状樹脂を効率良く塗布することができる。また、真空室内で液状樹脂を脱泡しつつ必要に応じて加温しながら塗布するので様々なタイプのワークのチップエリアに隙間なく充填することができる。また、真空室を真空破壊して液状樹脂が塗布されたワークを室外へ取り出すことにより、真空室と室外との気圧差により液状樹脂の隙間充填性が促進される。更に、加圧成形部に搬入して加熱加圧して液状樹脂の硬化を促進しつつ平坦に整形するので、液状樹脂の流動を最小限に押えて整形でき、半導体チップに加わる負荷は少なく、ダイシングに適した平坦度を維持したパッケージ部が整形できる。
また、吐出部は、吐出部本体が真空室外に配置され、真空室内の可動テーブル上に固定配置された吐出ノズルより液状樹脂を吐出するので、真空室を小型化することができる。また、真空室内おける可動テーブルの移動範囲も小さくできるので、真空室内のシール性を良好に維持できる。
また、ワークを保持して前記真空吐出部と加圧整形部との間を移動可能な移送用ハンドを備えたことにより、真空成形作業の自動化、インライン化が図れ、生産性を高めることができる。
また、加圧整形部の液状樹脂に押接する金型面にリリースフィルムが張設されたり、液状樹脂に押接する金型面に梨地状の凹凸面が形成された場合には、外観不良となることを防止できると共に粘度の高い液状樹脂との離型性が良くなるため、成形品の品位を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空吐出成形装置の概略構成を示す平面説明図である。
【図2】加圧整形部を示す説明図である。
【図3】加圧整形部を示す説明図である。
【図4】加圧整形部を示す説明図である。
【図5】他例に係る真空吐出成形方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1 基台
2 真空吐出部
3 加圧成形部
4 ワーク
4a 半導体チップ
5 移送用ハンド
6 開閉アーム
7 真空ベルジャ
8 真空室
9 真空ポンプ
10 可動テーブル
11 ディスペンサー
12 ディスペンスノズル
13 液状樹脂
14 シリンジ部
15 ノズルチューブ
16 シール部
17 電磁作動弁
18 プレス装置
19 下型
20 上型
21、22ヒータ
23 加圧プレート
24 凹凸面
25 リリースフィルム
26 位置決めピン
27 ダイシングブレード
28 切断線
29 半導体装置
Claims (8)
- 半導体チップが基板実装されたワークが可動テーブル上に搬入され、真空状態が形成される真空室と、真空室内の可動テーブル上方に配置され吐出部本体に接続された吐出ノズルより液状樹脂を吐出する吐出部を備えた真空吐出部と、
前記ワークに吐出された液状樹脂を加熱加圧して整形する加圧整形部とを具備し、
真空状態が形成された前記真空室内でワークが搭載された可動テーブルをX−Y方向へ走査しながら固定配置された吐出ノズルより液状樹脂を吐出してワークのチップエリアに塗布した後、前記真空室を真空破壊してワークを室外へ取り出し、前記加圧整形部に搬入して加熱加圧して液状樹脂の硬化を促進しつつ平坦に整形することを特徴とする真空吐出成形装置。 - 前記ワークを保持して前記真空吐出部と加圧整形部との間を移動可能な移送用ハンドを備えたことを特徴とする請求項1記載の真空吐出成形装置。
- 前記加圧整形部は、液状樹脂に重ね合わせて加熱加圧可能な平板状のプレートを備えていることを特徴とする請求項1記載の真空吐出成形装置。
- 前記加圧整形部は、ヒータを内蔵したプレス金型を備えていることを特徴とする請求項1記載の真空吐出成形装置。
- 前記プレス金型は、ワークに吐出された液状樹脂に押接する金型面に、梨地状の凹凸面が形成されていることを特徴とする請求項4記載の真空吐出成形装置。
- 前記ワークは複数の半導体チップがマトリクス状にフリップチップ実装された回路基板であることを特徴とする請求項1記載の真空吐出成形装置。
- 前記可動テーブルに搭載されたワークを加温しながら液状樹脂を吐出部より吐出することを特徴とする請求項1記載の真空吐出成形装置。
- 半導体チップが基板実装されたワークを真空室内に搬入して真空状態を形成する工程と、
真空状態下でワークを載置した可動テーブルをX−Y方向へ走査しながらワークのチップエリアに配置された吐出部の吐出ノズルから液状樹脂を吐出する工程と、
前記真空室を真空破壊してワークを室外へ取り出し、前記加圧整形部に搬入して加熱加圧して液状樹脂の硬化を促進しつつ平坦に整形する工程と、を含むことを特徴とする真空吐出成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002345086A JP4058330B2 (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 真空吐出成形装置及び真空吐出成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002345086A JP4058330B2 (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 真空吐出成形装置及び真空吐出成形方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004179460A JP2004179460A (ja) | 2004-06-24 |
JP4058330B2 true JP4058330B2 (ja) | 2008-03-05 |
Family
ID=32706354
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002345086A Expired - Lifetime JP4058330B2 (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 真空吐出成形装置及び真空吐出成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4058330B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006027098A (ja) * | 2004-07-16 | 2006-02-02 | Apic Yamada Corp | 樹脂モールド方法および樹脂モールド装置 |
JP2007141935A (ja) * | 2005-11-15 | 2007-06-07 | Toray Eng Co Ltd | ディスペンス装置及び実装システム |
JP5663785B2 (ja) * | 2010-12-17 | 2015-02-04 | アピックヤマダ株式会社 | 樹脂モールド方法及び樹脂モールド装置 |
TWI623071B (zh) | 2010-11-25 | 2018-05-01 | 山田尖端科技股份有限公司 | 樹脂模塑裝置與樹脂模塑方法 |
CN118809914B (zh) * | 2024-09-02 | 2025-02-21 | 宜兴市宜轻机械有限公司 | 一种抽真空高温热压机 |
-
2002
- 2002-11-28 JP JP2002345086A patent/JP4058330B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004179460A (ja) | 2004-06-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4519398B2 (ja) | 樹脂封止方法及び半導体装置の製造方法 | |
JP4268389B2 (ja) | 電子部品の樹脂封止成形方法及び装置 | |
KR101832597B1 (ko) | 수지 밀봉 장치 및 수지 밀봉 방법 | |
US7520052B2 (en) | Method of manufacturing a semiconductor device | |
JP4326786B2 (ja) | 樹脂封止装置 | |
JP5004410B2 (ja) | 光素子の樹脂封止成形方法および樹脂封止成形装置 | |
JP2005305954A5 (ja) | ||
CN1638071A (zh) | 半导体器件的制造方法 | |
JP4336499B2 (ja) | 電子部品の樹脂封止成形方法及び装置 | |
JP3581814B2 (ja) | 樹脂封止方法及び樹脂封止装置 | |
CN108688050B (zh) | 成型模、树脂成型装置、树脂成型方法及树脂成型品的制造方法 | |
KR20080019726A (ko) | 치수 제어가 개선된 플라스틱 반도체 패키지 | |
JP2009181970A (ja) | 半導体チップの圧縮成形方法及び金型 | |
JP2009039985A (ja) | 光素子の樹脂封止成形方法及び装置 | |
US20010013424A1 (en) | Electronic component, method of sealing electronic component with resin, and apparatus therefor | |
JP3423912B2 (ja) | 電子部品、電子部品の樹脂封止方法、及び樹脂封止装置 | |
JP2004134591A (ja) | 半導体集積回路装置の製造方法 | |
JP5036372B2 (ja) | 光電子部品および光電子部品の製造方法 | |
JP3897565B2 (ja) | 樹脂封止装置及び樹脂封止方法 | |
JP4058330B2 (ja) | 真空吐出成形装置及び真空吐出成形方法 | |
JP2004230707A (ja) | 電子部品の樹脂封止成形方法及び装置 | |
JP4052939B2 (ja) | 電子部品の樹脂封止成形方法及び装置 | |
JP4358501B2 (ja) | 電子部品の樹脂封止成形方法及び金型 | |
JP4340552B2 (ja) | 真空成形装置 | |
JP4206241B2 (ja) | 樹脂モールド金型および樹脂モールド装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051019 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070905 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070925 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071112 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071211 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071217 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4058330 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131221 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131221 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |