JP4050182B2 - 透湿性繊維構成体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、風合い、耐洗濯性に優れる透湿性繊維構成体、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、透湿性繊維構成体は、スポーツ衣料等の用途において使用されてきた。これらの用途において、透湿性繊維構成体には、発汗等に対応するための透湿性、洗濯等に対応するための耐洗濯性、雨水等に対応するための耐水圧性が要求されている。
これまでの透湿性繊維構成体の製造方法としては、透湿性シート基材と繊維基材をラミネートするラミネート方式が一般的であった。かかるラミネート方式としては、例えば、ポリウレタン樹脂の多孔質体からなる透湿性シートと、繊維基材として繊維織物とを溶剤系ポリウレタン樹脂で部分的にラミネートさせる方法(例えば、特許文献1参照。)や、多孔質フィルムと通気性基材をウレタン系反応性ホットメルト接着剤によりラミネートさせる方法等が提案されている。
【0003】
しかしながら、これらのラミネート方式には問題があった。例えば、前者の溶剤系ポリウレタン樹脂を用いる方法は、有害性の有機溶剤(トルエン、酢酸エチル等)を多量に使用しなければならず、溶剤の揮散による作業環境の悪化や大気汚染の発生、得られる透湿性繊維構成体中への溶剤の残留等の多くの問題があった。また、柔軟な風合いにするために、接着剤を部分的に塗布(全体に対する塗布面積が30〜70%)しているが、それでもまだ風合いが硬く、また接着面と非接着面があるために折れ皺や伸縮時に皺が発生しやすく表面品位に劣るという問題もあった。
【0004】
また、後者の反応性ホットメルト接着剤を用いる方法は、反応性ホットメルト接着剤をドット状に塗工するため、透湿性は発現するものの、満足するレベルではない。また、ウレタン系反応性ホットメルト接着剤を塗工するためには特別なメルター及び塗布装置を使う必要があり、簡便な方法とは言い難い。更に、ウレタン系反応性ホットメルト接着剤は基本的には結晶性のポリマーであり、ドット状に接着したとしても、風合いが硬くなりやすいという欠点があった。
【0005】
一方、最近、通気性に優れるシート構造体として、水性ポリウレタン樹脂を機械的に発泡させて得られる、連続気泡を有する発泡層を備えたシート構造体が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭58−166036号公報(第2頁右欄6行目〜第4頁左欄4行目)
【特許文献2】
特開平11−81155号公報(第4頁右欄段落「0028」〜第5頁右欄段落「0035」)
【0007】
しかしながら、かかる通気性に優れるシート構造体の製造は、発泡層を一旦形成させた後、該発泡層と、通気性を有する表皮層とを熱ラミネートすることによって行われており、工程が煩雑である。また、表皮層を熱ラミネートする際、熱によって発泡層がつぶれないようにするために、使用する樹脂や加工条件の選定が難しいという問題がある。更に、表皮層として多孔質の表皮材を使用しているため、耐水圧性に乏しいという問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、風合いが柔軟であり、且つ耐水圧性、透湿性等のバランスにも優れる透湿性繊維構成体を提供することである。また、本発明の他の目的は、作業環境上の問題がなく、比較的簡単な製造工程で製造し得る透湿性繊維構成体の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、無孔性の透湿性シート基材(A)と、接着層(B)と、繊維基材(C)とからなり、透湿性を有する透湿性繊維構成体において、接着層(B)が、水性ポリウレタン樹脂を主成分とする水性樹脂組成物からなる発泡体である透湿性繊維構成体の製造方法を提供するものである。
【0010】
すなわち、本発明は、前記透湿性繊維構成体の製造方法であって、繊維基材(C)の上に、接着層(B)として、水性ポリウレタン樹脂を主成分とする水性樹脂組成物を機械発泡させてなる発泡液を塗布した後、引き続き、該発泡液の上に無孔性の透湿性シート基材(A)をラミネートした後、乾燥させることを特徴とする透湿性繊維構成体の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明を実施するにあたり、必要な事項を以下に述べる。
【0012】
≪透湿性繊維構成体≫
本発明の透湿性繊維構成体は、無孔性の透湿性シート基材(A)と、接着層(B)と、繊維基材(C)とからなるものである。
【0013】
<透湿性シート基材(A)>
まず、本発明の透湿性繊維構成体を構成する透湿性シート基材(A)について述べる。
本発明において、無孔性の透湿性シート基材(A)としては、無孔性であり且つ透湿性であるシート基材であれば如何なるものでも使用できる。無孔性のシート基材を用いることにより、防水性、耐水圧性が向上する。
透湿性シート基材(A)として、好ましくは、透湿性の高分子重合体からなるシート構造体が用いられる。
高分子重合体としては、例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。その中でも、柔軟な風合い、伸縮性、耐摩耗性、屈曲性、耐寒性などの観点から、特に透湿性ポリウレタン樹脂が好ましい。
透湿性ポリウレタン樹脂としては、例えば、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、これらのポリウレタン樹脂の混合物、及びこれらのポリウレタン樹脂を構成するモノマーの共重合体からなるポリウレタン樹脂に対し、好ましくはアミノ酸変性、ポリエチレングリコール変性、又はシリコーン変性等の各種変性により透湿性を付与したもの等が挙げられる。
【0014】
これらの高分子重合体は、後述する透湿性シート基材(A)の調製の際、DMF(ジメチルホルムアミド)等の良溶媒中に溶解させた有機溶剤溶液、MEK(メチルエチルケトン)等の貧溶剤中に分散させた有機溶剤分散液、又は水に分散させた水性分散液などの形態で使用できる。また、高分子重合体が熱可塑性樹脂、例えば熱可塑性ウレタン樹脂である場合は、固体の形態で使用することもできる。
【0015】
無孔性の透湿性シート基材(A)は、その透湿性が最終的に得られる本発明の透湿性繊維構成体の透湿度に大きな影響を与えるために重要であり、日本工業規格 JIS L1099(A−1法)による試験方法において、160/m2・h以上の透湿度を有することが好ましい。
【0016】
また、無孔性の透湿性シート基材(A)は、最終的に得られる本発明の透湿性繊維構成体に、柔軟な風合いと伸縮性、機械的強度(剥離強度、耐摩耗性、屈曲性、耐寒性等)を付与するために、その膜厚が10〜50μmの範囲にあることが好ましい。
【0017】
<接着層(B)>
次に、本発明の透湿性繊維構成体を構成する接着層(B)について述べる。
接着層(B)は、水性ポリウレタン樹脂を主成分とする水性樹脂組成物からなる発泡体である。接着層(B)が発泡体であることにより、最終的に得られる透湿性繊維構成体は、柔軟な風合いとなり、透湿性に優れた繊維構成体となる。また、発泡体が水性ポリウレタン樹脂を主成分とすることにより、柔軟性、機械的強度(剥離強度、屈曲性、耐寒性)、耐水圧性、耐洗濯性などが付与された接着層(B)が構成される。
尚、本発明でいう「水性ポリウレタン樹脂を主成分とする」とは、最終的に得られる水性樹脂組成物の固形分の内、少なくとも50質量%が水性ポリウレタン樹脂であることを意味する。
【0018】
本発明において、水性ポリウレタン樹脂としては、従来公知の水性ポリウレタン樹脂が使用できる。従来公知の水性ポリウレタン樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基等のアニオン性基、又はポリオキシエチレングリコール鎖等のポリオキシアルキレングリコール鎖を含むノニオン性基を含有する、自己乳化型の水性ポリウレタン樹脂;ノニオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、又はノニオンアニオン性乳化剤を用いて機械乳化して得られる乳化剤分散型の水性ポリウレタン樹脂;及びこれらの水性ポリウレタン樹脂の複合型あるいはブレンド型の水性ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
【0019】
また、前記水性ポリウレタン樹脂としては、最終的に得られる透湿性繊維構成体に対して、柔軟な風合いと高い機械的強度を共に両立させて付与するために、乾燥皮膜の100%モジュラスが1〜5MPaの範囲であることが好ましい。
また、接着層(B)を構成する発泡体の泡の均質性と泡の成型性の点から、水性ポリウレタン樹脂の固形分濃度が少なくとも30質量%以上であることが好ましく、更には40〜60質量%の範囲であることが特に好ましい。
【0020】
本発明において、接着層(B)に用いられる水性樹脂組成物には、水性ポリウレタン樹脂に加えて、発泡性や泡の成型性を向上させる目的で、その他の水性樹脂を配合することができる。
前記その他の水性樹脂としては、例えば、スチレン・ブタジエン系重合体エマルジョン、アクリロニトリル・ブタジエン系重合体エマルジョン、メタクリル酸メチル・ブタジエン系重合体エマルジョン等の共役ジエン系重合体エマルジョン;アクリル酸エステル系重合体エマルジョン、メタクリル酸エステル系重合体エマルジョン、アクリル酸エステル・スチレン系重合体エマルジョン、メタクリル酸エステル・スチレン系重合体エマルジョン等の(メタ)アクリル酸エステル系重合体エマルジョン等が挙げられる。これらの水性樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の割合で使用できる。
かかる水性樹脂としては、泡の成形性と柔軟な風合いと耐洗濯性の観点から、−30℃から10℃のガラス転移温度を有するものが特に好ましい。
また、かかる水性樹脂の固形分濃度は、発泡層の泡の均質性と泡の成型性の点から、少なくとも40質量%以上であることが好ましく、更に45〜60質量%であることが好ましい。
【0021】
本発明の接着層(B)を構成する水性樹脂組成物の調製に際しては、主成分である前記水性ポリウレタン樹脂、及び必要に応じて添加配合される前記その他の水性樹脂の他、増粘剤、起泡剤、架橋剤、整泡剤等の添加剤が配合されて実用に供される。
【0022】
増粘剤としては従来公知の増粘剤が使用でき、例えば、カゼイン、アルギン酸塩、アラビアゴム、カルボキシル化メチルセルロース、ポリアクリル酸塩、アクリル酸あるいはメタクリル酸の共重合体エマルジョンのアルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩等が使用できる。かかる増粘剤の添加量は、前記水性ポリウレタン樹脂及びその他の水性樹脂の固形分100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部の範囲であり、最終的に得られる水性樹脂組成物の粘度として3,000〜30,000mPa・sの範囲であることが好ましい。
【0023】
また、起泡剤としては従来公知の起泡剤が使用でき、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ヤシ油石けん、ミリスチン酸ナトリウム、ステアリン酸アンモニウム、パルミチン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、高級アルコール硫酸エステルナトリウム、高級脂肪酸アミドアルキルスルホン酸ナトリウム、サポニン、ゼラチン、またはカゼイン等が使用できる。また、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、サクシネート系アニオン性乳化剤、アルキルフェニルエーテル系ノニオン性乳化剤、アルキルエーテル系ノニオン乳化剤、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド系ノニオン性乳化剤等も使用できる。更に、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤等も使用できる。かかる起泡剤の添加量は、前記水性ポリウレタン樹脂及びその他の水性樹脂の固形分100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部の範囲である。
【0024】
また、架橋剤としては、水性ポリウレタン樹脂及びその他の水性樹脂を架橋できるものであれば、従来公知の如何なる架橋剤でも使用できる。かかる架橋剤としては、例えば、水性ポリイソシアネート、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、オキサゾリン樹脂、アジリジン樹脂、カルボジイミド樹脂等が挙げられる。かかる架橋剤の添加量は、水性ポリウレタン樹脂及びその他の水性樹脂の固形分100質量部に対して、好ましくは0.5〜20質量部の範囲である。
【0025】
また、整泡剤としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル等のシリコーンオイルが使用でき、シリコーンオイルを直接添加してもよく、また予めエマルジョン化したものでも構わない。かかるシリコーンオイルの添加量は、水性ポリウレタン樹脂及びその他の水性樹脂の固形分100質量部に対して、好ましくは0.1〜3質量部の範囲である。
【0026】
接着層(B)に用いる水性樹脂組成物には、更に必要に応じて感熱ゲル化剤、炭酸カルシウム、クレー、水酸化アルミニウム等の充填剤、水性顔料、耐光安定剤、酸化防止剤、紫外線安定剤等の各種添加剤等を添加配合して最終的に調製することも可能である。
【0027】
感熱ゲル化剤としては、例えば、珪弗化ナトリウム、珪弗化カリウム;塩酸、硝酸、リン酸のアンモニウム塩、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、バリウム、ニッケル、スズ、鉛、鉄及びアルミニウム等の多価金属塩;セルロースメチルエーテル、ポリビニルメチルエーテル等のような冷水に可溶性で温水に不溶性であるメチルエーテル基を有する高分子化合物;ポリエーテルチオエーテルグリコール類、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン系化合物;アルキルフェノール−ホルマリン縮合物のアルキレンオキシド付加物、あるいは特開昭51−127142号公報、特開昭51−63841号公報、特開昭60−65015号公報等に記載のポリエーテルウレタン等が挙げられ、これら単独であるいは併用して使用される。
【0028】
接着層(B)において用いる水性樹脂組成物は、乾燥性と発泡層の泡の均質性を確保するためには、最終固形分濃度が40〜60質量%の範囲であることが好ましく、最終粘度も3,000〜30,000mPa・sの範囲であることが特に好ましい。
【0029】
接着層(B)は、上述した水性樹脂組成物からなる発泡体である。
接着層(B)は、最終的に得られる透湿性繊維構成体に柔軟な風合いと十分な透湿性を付与するために、直径20〜300μmの範囲の複数の気泡を有し、且つ2つ以上の気泡が連通した連通孔を有していることが好ましい。気泡の直径は20〜150μmの範囲であることがより好ましい。
【0030】
また、接着層(B)の膜厚は、最終的に得られる透湿性繊維構成体に対して、優れた透湿性と高い機械的強度とを共に両立させて付与するために、20〜500μmの範囲であることが好ましく、20〜200μmの範囲であることがより好ましい。
【0031】
<繊維基材(C)>
次に、本発明の透湿性繊維構成体を構成する繊維基材(C)について述べる。
かかる繊維基材(C)としては、従来公知の如何なる繊維基材も使用することができ、例えば、綿、麻、絹等の天然繊維、レーヨン等の半合成繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維等の単独あるいはそれらを複合した繊維からなる織物、編み物、あるいは不織布等の現在市場で入手可能な如何なる繊維基材も使用できる。更に、不織布として、例えばアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等で含浸加工された不織布も使用することができる。
【0032】
≪透湿性繊維構成体の製造方法≫
次に、本発明の透湿性繊維構成体の製造方法について説明する。本発明の透湿性繊維構成体の製造方法は、繊維基材(C)の上に、接着層(B)として、水性ポリウレタン樹脂を主成分とする水性樹脂組成物を機械発泡させてなる発泡液を塗布し、該発泡液の上に透湿性シート基材(A)をラミネートした後、乾燥させることを特徴とする。
【0033】
本発明においては、先ず、無孔性の透湿性シート基材(A)の調製を行う。透湿性シート基材(A)の調製方法としては、従来公知の如何なる方法でもよく、例えば、以下の方法1)〜3)等が挙げられる。
方法1)少なくとも1種の前記高分子重合体の有機溶剤溶液あるいは有機溶剤分散液を離型紙上に塗工した後、熱風乾燥させて無孔性の透湿性シートを形成する方法、
方法2)少なくとも1種の前記高分子重合体の水性分散液を離型紙上に塗工した後、熱風乾燥させて無孔性の透湿性シートを形成する方法、
方法3)少なくとも1種の前記高分子重合体のうち、熱可塑性樹脂(固体状態のもの)を熱溶融させて熱ロール、カレンダー上で透湿性シートを形成する方法。
なお、本発明で使用する透湿性シート基材(A)の調製方法は、これらの方法1)〜3)に限定されるものではない。
また、かかる透湿性シート基材(A)の調製に際して、前記高分子重合体の有機溶剤溶液あるいは有機溶剤分散液を用いる場合に、シリカ等の充填剤、有機または無機の顔料、耐光安定剤等の各種添加剤を配合して実用に供しても構わない。また前記高分子重合体の水性分散液を用いる場合に、公知慣用の増粘剤、架橋剤、シリカ等の充填剤、有機または無機の顔料、耐光安定剤、レベリング剤等の各種添加剤を配合して実用に供しても構わない。
【0034】
次いで、接着層(B)に用いる水性樹脂組成物の調製を、主成分である前記水性ポリウレタン樹脂に、必要に応じて前記その他の水性樹脂、及び増粘剤、起泡剤、架橋剤、整泡剤等の添加剤を配合することによって行う。
【0035】
次いで、得られた水性樹脂組成物を、従来公知の方法で機械発泡させることにより、均一で微細な気泡を有する水性樹脂組成物の発泡液に変える。
かかる機械発泡のために使用される発泡機としては、従来公知の発泡機が使用でき、例えば、共栄工業(株)製の連続発泡機(FM−10型、FM−81型、FMW−81型)、テキスタイルラバー社製の「テキサコート フォームマシン」(MG型、SG型、DG型)、TEXICON社製の「オートフォームシステム」、(有)スガ機械製の連続発泡機(14M、10M、8M、4M型)等のストーク式発泡機等が好ましい。
かかる発泡液の発泡倍率は、最終的に得られる透湿性繊維構成体の柔軟な風合いと、透湿度と機械的強度を考慮し、1.2〜3倍の範囲に設定することが好ましい。発泡倍率をこの範囲内とすることにより、接着層(B)に、直径20〜300μmの範囲の複数の気泡が形成され、且つ2つ以上の気泡が連通した連通孔が形成される。
【0036】
次いで、得られた発泡液を、前記繊維基材(C)の上に、ナイフコーター、コンマロールコーター、ロールコーター、ロータリスクリーンコーター等の各種コーターによって、均一な厚さに塗布する。
発泡液は、最終的に得られる透湿性繊維構成体の柔軟な風合い、透湿度と機械的強度を両立させるために、乾燥後の膜厚が、好ましくは20〜500μmの範囲、より好ましくは20〜200μmの範囲になる塗布量で塗布する。
【0037】
繊維基材(C)上に発泡液を塗布した後、引き続き、発泡液が塗布された繊維基材(C)の上に透湿性シート基材(A)をラミネートし、乾燥させることにより、本発明の透湿性繊維構成体を得る。
この時の乾燥方法としては、従来公知の乾燥方法が使用でき、一般的には熱風乾燥機を使用して、乾燥温度が好ましくは60〜150℃の範囲であり、より好ましくは100〜140℃の範囲である。また、遠赤外線による乾燥機を併用しても差し支えない。
水性樹脂組成物に架橋剤を配合した場合は、水分を蒸発させただけでなく、引き続き加熱することにより架橋反応を完結させることが好ましい。
【0038】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。尚、以下において、部及び%は、特にことわりのない限り、全て質量基準であるものとする。又、樹脂の諸性質は以下の方法に従い測定した。
【0039】
[透湿度の測定方法] JIS L1099(A−1法)に準拠し測定した。
[接着層の気泡の大きさの測定方法] 電子顕微鏡にて測定した。
[耐水圧の測定方法] JIS L1092(B法)に準拠し測定した。
[耐洗濯性の試験法] JIS L0217(103法)に準拠し測定した。
[発泡倍率の測定方法]発泡倍率m(倍)を、容積100mLの発泡前の試料質量をa(g)とし、発泡後の状態での容積100mLの試料質量をb(g)として、m=a÷bで算出した。
[粘度の測定方法] B型粘度計を用いて、測定温度25℃にて測定した。
[100%モジュラスの測定方法] 水性ウレタン樹脂をガラス板上に、乾燥後の膜厚が100μmになるように塗布した後、常温で2日間乾燥させ、更に140℃で5分間熱処理して皮膜を作成した。この皮膜を、室温にてオートグラフを使用して、引っ張り速度200mm/分にて引っ張り試験を行い、100%モジュラスを測定した。
[風合いの評価方法] 手による触感にて評価した。
[剥離強度の測定方法] オートグラフを使用し、室温で剥離スピード200mm/分にて測定した。
【0040】
《透湿性シート基材の調製》
透湿性のポリウレタン樹脂溶液(大日本インキ化学工業(株)製クリスボンS−525、不揮発分濃度30質量%、ジメチルホルムアミド(DMF)/メチルエチルケトン(MEK)/トルエン混合溶液)を離型紙上に膜厚50μmで塗布した後、熱風乾燥機中で70℃で2分間乾燥させ、次いで120℃で2分間乾燥させて、膜厚15μmの透湿性シート基材を得た。この透湿性シート基材は無孔性であり、透湿度260g/m2・hであった。
【0041】
《非透湿性シート基材の調製》
非透湿性のポリウレタン樹脂溶液(大日本インキ化学工業(株)製クリスボンNB−130、不揮発分濃度30質量%、DMF/MEK混合溶液)を離型紙上に膜厚50μmで塗布した後、熱風乾燥機中で70℃で2分間乾燥させ、次いで120℃で2分間乾燥させて、膜厚15μmの非透湿性シート基材を得た。この透湿性シート基材は無孔性であり、透湿度35g/m2・hであった。
【0042】
《実施例1》透湿性繊維構成体1の製造
水性ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工業(株)製ハイドラン HW−930、不揮発分濃度50質量%、100%モジュラス2MPa)100部、30%ステアリン酸アンモニウム水分散液7部、カルボキシル化メチルセルロースの4%水溶液6部を配合して粘度12,000mPa・sに調製した後、シリコーンオイル(大日本インキ化学工業(株)製ボンディック NBA−1)1部と水性ポリイソシアネート(大日本インキ化学工業(株)製CR−60N)2部とを配合して均一に混合し、水性樹脂組成物を調製した。この水性樹脂組成物を、連続機械発泡機((有)スガ機械製4M型機)にて発泡させ、発泡倍率2.5倍の発泡液を調製した。この発泡液を、綿ブロード上に均一に塗布した後、上記で調製した透湿性シート基材をラミネートし、熱風乾燥機中120℃で5分間乾燥させることにより膜厚70μmの接着層を形成し、透湿性繊維構成体1を得た。
得られた本発明の透湿性繊維構成体1の諸性質の評価結果を表1に示す。透湿性繊維構成体1は、外観、風合い、透湿性、耐水圧性、剥離強度、耐洗濯性のいずれについても優れていた。
【0043】
《実施例2》透湿性繊維構成体2の製造
水性ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工業(株)製ハイドラン HW−930)50部、アクリル酸エステル系共重合体エマルジョン(ボンコート 350、不揮発分濃度60質量%、Tg−13℃)50部、30%ステアリン酸アンモニウム水分散液7部、カルボキシル化メチルセルロースの4%水溶液8部を配合して粘度11,000mPa・sに調製した後、シリコーンオイル(大日本インキ化学工業(株)製ボンディック NBA−1)1部と水性ポリイソシアネート(大日本インキ化学工業(株)製CR−60N)2部を配合して均一に混合し、水性樹脂組成物を調製した。この水性樹脂組成物を、連続機械発泡機((有)スガ機械製4M型機)にて発泡させ、発泡倍率2.5倍の発泡液を調製し、綿ブロード上に均一に塗布した後、透湿性シート基材1をラミネートし、熱風乾燥機中120℃で5分間乾燥させることにより膜厚80μmの接着層を形成し、透湿性繊維構成体2を得た。
得られた本発明の透湿性繊維構成体2の諸性質の評価結果を表1に示す。透湿性繊維構成体2は、外観、風合い、透湿性、耐水圧性、剥離強度、耐洗濯性のいずれについても優れていた。
【0044】
《比較例1》繊維構成体3の製造
水性ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工業(株)製ハイドラン HW−930)100部、30%ステアリン酸アンモニウム水分散液7部、カルボキシル化メチルセルロースの4%水溶液6部を配合して粘度12,000mPa・sに調製した後、シリコーンオイル(大日本インキ化学工業(株)製ボンディック NBA−1)1部と水性ポリイソシアネート(大日本インキ化学工業(株)製CR−60N)2部を配合して均一に混合し、水性樹脂組成物を調製した。この水性樹脂組成物を、連続機械発泡機((有)スガ機械製4M型機)にて発泡させ、発泡倍率2.5倍の発泡液を調製し、綿ブロード上に均一に塗布した後、非透湿性シート基材をラミネートし、熱風乾燥機中120℃で5分間で乾燥させることにより膜厚70μmの接着層を形成し、繊維構成体3を得た。
得られた繊維構成体3の諸性質の評価結果を表2に示す。この繊維構成体3は、接着層とシート基材の間に皺状の浮きが発生し、外観不良のものしか得られなかった。また、風合いもやや硬いものであった。
【0045】
《比較例2》繊維構成体4の製造
連続機械発泡機による機械発泡を行わなかった以外は実施例1と全く同様の方法で繊維構成体4を得た。得られた繊維構成体4の諸性質の評価結果を表2に示す。この繊維構成体4は、風合いが硬く、透湿度も低いものしか得られなかった。
【0046】
《比較例3》繊維構成体5の製造
水性樹脂組成物の代わりに、ウレタン系反応性ホットメルト樹脂(大日本インキ化学工業(株)製タイフォースNH−300)を使用し、グラビアロールコーターにてドット上に塗布(20g/m2)して透湿性シート基材とラミネートし、常温で1週間エージングした以外は実施例1と全く同様の方法で繊維構成体5を得た。得られた繊維構成体5の諸性質の評価結果を表2に示す。しかし、この繊維構成体5は、透湿度も低く、表面に折れ皺が発生し、表面品位に劣っていた。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】
本発明の透湿性繊維構成体は、無孔性の透湿性シート基材(A)と接着層(B)と繊維基材(C)からなり、繊維基材(C)上に水性ポリウレタン樹脂を主成分とする水性樹脂組成物の発泡液を塗布し接着層(B)を形成させた後、透湿性シート基材(A)とラミネートして乾燥するだけの簡便な方法により製造することができ、従来の有機溶剤を多量に使用することもなく、作業環境にも悪影響を与えず環境対応型であり、また煩雑な工程を経ることもなく透湿性繊維構成体を製造できる。
更に、本発明の製造方法で得られる透湿性繊維基材は、柔軟な風合いで、且つ透湿性、耐水圧性、剥離強度、耐洗濯性等にも優れることから、透湿防水性素材として、スポーツ衣料等の衣料分野や防水シーツ等の医療分野等の透湿性が必要とされる繊維材料として広範囲に利用可能である。
Claims (4)
- 透湿性を有する透湿性繊維構成体の製造方法であって、繊維基材(C)の上に、接着層(B)として、水性ポリウレタン樹脂を主成分とする水性樹脂組成物を機械発泡させてなる発泡液を塗布した後、引き続き、該発泡液の上に無孔性の透湿性シート基材(A)をラミネートした後、乾燥させることを特徴とする透湿性繊維構成体の製造方法。
- 透湿性シート基材(A)が、10〜50μmの範囲の膜厚を有する請求項1記載の透湿性繊維構成体の製造方法。
- 接着層(B)が、直径20〜300μmの範囲の複数の気泡を有し、且つ2つ以上の気泡が連通した連通孔を有する請求項1又は2記載の透湿性繊維構成体の製造方法。
- 接着層(B)が、20〜500μmの範囲の膜厚を有する請求項1〜3の何れか一項に記載の透湿性繊維構成体の製造方法。
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