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JP4047650B2 - 潜在性硬化剤および湿気硬化型組成物 - Google Patents

潜在性硬化剤および湿気硬化型組成物 Download PDF

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JP4047650B2
JP4047650B2 JP2002217183A JP2002217183A JP4047650B2 JP 4047650 B2 JP4047650 B2 JP 4047650B2 JP 2002217183 A JP2002217183 A JP 2002217183A JP 2002217183 A JP2002217183 A JP 2002217183A JP 4047650 B2 JP4047650 B2 JP 4047650B2
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堅大郎 鈴木
久一 堀井
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、13C−NMRスペクトルにおいて、C=N部位のケミカルシフトが特定値以上であるケチミン化合物からなる加水分解速度の速い潜在性硬化剤に関し、さらに、該潜在性硬化剤から生成されるアミンと反応し得る官能基を有する化合物からなる湿気硬化型組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アミン化合物は非常に高い反応性を有しており、エポキシ基、イソシアネート基、チイラン基、ジチオカーボネート基などに代表されるアミンと反応しうる官能基を有する化合物または樹脂に対する硬化剤となりうることがよく知られている。しかしながら、アミンの反応性が高すぎるためにアミンと反応しうる官能基を有する化合物または樹脂をアミンと混合して用いる場合、混合物の塗布作業中に増粘もしくは硬化してしまい塗布することが非常に困難である場合がある。そのために、ケチミンなどに代表される潜在性硬化剤を用いて硬化速度を調整する場合がある。
【0003】
ここでケチミン化合物とアミンと反応し得る官能基を有する化合物の反応機構について説明すると、ケチミン化合物は水分と反応し、分解して活性水素を有するアミン化合物を生成する。この生成された活性水素を有するアミン化合物は、アミンと反応しうる官能基を有する化合物と反応する。この機構によりアミンと反応しうる官能基を有する化合物は硬化する。すなわち、ケチミン化合物とアミンと反応しうる官能基を有する化合物を配合した組成物において、最も重要なことは、▲1▼ケチミン化合物の加水分解速度が速いほど、速硬化性を得られることである。さらに、▲2▼加水分解により生じたアミン化合物の反応性が高いほど速硬化で高度な物性が得られやすいことである。しかしながら、従来のケチミン化合物は加水分解速度が非常に遅いために、塗膜の硬化速度や接着強度の立ち上がりが遅くなりすぎるという欠点があった。また、ケチミン化合物は水分の存在しない条件下ではアミンと反応しうる官能基と反応しないために1液化も可能であり、2液型のもので見られる計量や混合ミスによる硬化不良、計量や混合不良による煩雑さから解消することができるために、ケチミン化合物を中心とする湿気硬化型潜在性硬化剤が多く開発されている。しかしながら、前述した2液型のものと同様に1液型においても速硬化性の実現に限界があった。
【0004】
1液湿気硬化型組成物におけるケチミン化合物の最近の技術として、国際公開WO98/31722公報、特開2002−47424号公報、特開2001−11183号公報で、立体障害のあるカルボニル化合物から得られるケチミン化合物を用いることで貯蔵安定性を上げる技術が開示されている。ここでのケチミン化合物は、その立体構造から加水分解性を示す部位に水分が接触しにくくなり、加水分解性は遅いものであった。そのため、貯蔵安定性は良好であるが、硬化特性が劣るという従来からの難点を備えていた。すなわち、ここでのケチミン化合物を用いた場合、硬化は進行しにくく、初期接着強さや機械的強度の立ち上がりが鈍いという問題点を持っていた。使用に耐え得る物性が得られるまでに長時間の養生が必要であり、実用的には不十分であった。
【0005】
本発明者らは、これらの問題を、ケチミン化合物とエポキシ樹脂を配合した組成物において、速硬化性を与え、かつ、貯蔵安定性に優れた組成物を、特定のカルボニル化合物とアミン化合物を反応して得られたケチミン化合物を使用することで解決した発明を開発し、出願を行っている。
【0006】
ところで、以上の従来技術において、ケチミン化合物から生成するアミン化合物と反応し得る官能基、例えば、エポキシ基、を有する化合物の潜在硬化性を付与する、これらのケチミン化合物の加水分解性を示す指標があれば、適切な潜在性硬化剤であるケチミンを使用して優れた速硬化性湿気硬化型組成物、例えば湿気硬化型エポキシ樹脂組成物、が容易に得られるが、適切な指標は従来示されていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来技術における、ケチミン化合物から生成するアミン化合物と反応し得る官能基を有する化合物に対して潜在硬化性を付与するケチミン化合物の加水分解性を示す指標を見出し、この指標に基づく適切なケチミン化合物を湿気硬化型組成物の潜在性硬化剤とし、かつ、この潜在性硬化剤とこの潜在性硬化剤を使用したケチミン化合物から生成するアミン化合物と反応し得る官能基を有する化合物からなる速硬化性の湿気硬化型組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の発明では、下記の化学式(1)で示されるケチミン化合物からなり、かつ、13C−NMRスペクトルにおけるC=N基の炭素原子のケミカルシフトが172.0ppm以上であることを特徴とする加水分解速度の速い潜在性硬化剤である。
【0009】
【化3】
Figure 0004047650
ただし、R1は有機基で、R2、R3は水素原子または有機基、nは1以上の整数であり、ケチミン化合物としては、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンとジエチルケトンを反応させることにより得られるケチミン化合物と、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンとエチルブチルケトンを反応させることにより得られるケチミン化合物と、ノルボルナンジアミンとジエチルケトンを反応させることにより得られる、ケチミン化合物を除く
【0010】
請求項2の発明では、ケチミン化合物は下記の化学式(2)で示される構造であることを特徴とする請求項1の手段の加水分解速度の速い潜在性硬化剤である。
【0011】
【化4】
Figure 0004047650
ただし、R4は有機基で、R5、R6は水素原子または有機基で、nは1以上の整数である。
【0012】
請求項3の発明では、請求項1または2の手段の潜在性硬化剤と、その潜在性硬化剤から生成するアミン化合物と反応し得る官能基を有する化合物とからなることを特徴とする湿気硬化型組成物である。
【0013】
請求項4の発明では、潜在性硬化剤から生成するアミン化合物と反応し得る官能基はエポキシ基であることを特徴とする請求項3の手段の湿気硬化型組成物である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について以下に示す実施例と合わせて詳細に説明する。
【0015】
本願発明のケチミン化合物は、請求項1の手段におけるとおりのもので、上記化学式(1)に示される構造を有し、かつ13C−NMRスペクトルにおけるC=N基の炭素原子のケミカルシフトが172.0ppm以上であるものである。
【0016】
このように、ケチミン化合物のケミカルシフトが172.0ppm以上のようにケミカルシフトが大きいと、ケチミン化合物の加水分解速度が向上する理由について以下に説明する。
【0017】
ケミカルシフトは電子密度の状態を示す指標として用いることができ、一般的に「ケミカルシフトが大きいほど、電子密度が低い」といわれている。つまり、本願の発明での指標となる172.0ppm以上の化合物というのは、172.0ppm未満のものに比べて、「電子密度がより低い」ということになる。一方、本願の発明におけるケチミンの加水分解反応とは、求核反応である。この求核反応とは、電子密度の高い原子から電子密度の低い原子へと電子を受け渡して進行する反応である。本願発明の場合、電子密度の高い原子は「水の酸素原子」であり、電子密度の低い原子は「ケチミンのC=N結合部位の炭素原子」である。水の電子状態は一定条件下では同じとして考えると、ケチミンのC=N結合部位の炭素原子の電子密度が低くなればなるほど電子を受け取りやすくなる。つまり反応し易くなる。上記の事柄から考えると、電子密度の指標である「ケミカルシフト」というものは、ケチミンの加水分解速度を決定する因子であることが判る。つまり、請求項3におけるアミンと反応しうる官能基および/または請求項4におけるエポキシ基と速く反応し組成物を速く硬化させるものである。さらに、加水分解速度の速い潜在性硬化剤として化学式(1)のような構造のケチミン化合物がなぜ良いのかを説明すると、C=N基近傍、特にα位に枝分かれ構造を有するような構造は、ケミカルシフトが172.0ppm以上であっても、水分子がC=N基に近づきにくくなるために加水分解反応は進行しにくくなるからである。
【0018】
さらに、ケミカルシフトが172.0ppm以上に加えて、化学式が上記の化学式(1)で示されるケチミン化合物であり、さらに、その化学構造式が上記の(2)で示されるケチミン化合物である。これらのケチミン化合物を合成する際に用いられるカルボニル化合物であるケトンとしては、合成されるケチミンのケミカルシフト値、上記化学式(1)または(2)に記載の構造式にあてはまるものであれば特に限定されるものでない。これらケトンの種類を挙げると、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、エチルプロピルケトン、エチルブチルケトン、エチルイソブチルケトン、エチルペンチルケトン、エチルヘキシルケトン、エチルヘプチルケトン、エチルオクチルケトン、エチル2−エチルヘキシルケトン、ジプロピルケトン、プロピルブチルケトン、プロピルイソブチルケトン、プロピルペンチルケトン、プロピルヘキシルケトン、プロピルヘプチルケトン、プロピルオクチルケトン、プロピル2−エチルヘキシルケトン、ジブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジペンチルケトン、ジヘキシルケトンなどのケトン(例えば、C1-20アルキル−C1-20アルキルケトン)などが挙げられる。このうち実施例としては、ジエチルケトン、エチルプロピルケトン、エチルブチルケトン、エチルペンチルケトン、ジプロピルケトンを示している。
【0019】
本発明のアミン化合物の原料となるアミノ基を有する化合物としては、1級のアミノ基を有する化合物であればよい。これらのアミンの種類をあげると、モノアミンには、脂肪族モノアミン、脂環式モノアミン、芳香族モノアミンなどが含まれる。具体的には、脂肪族モノアミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、s−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミンなどのモノC1-20アルキルアミンの他、ジC1-20アルキルアミン(2つのアルキル基は同一であっても異なっていてもよい)、トリC1-20アルキルアミン(3つのアルキル基は部分的にまたは全体的に同一であっても異なっていてもよい)、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
【0020】
脂環式モノアミンとしては、例えば、シクロヘキシルアミンなどのシクロアルキルアミン、ノルボルナン−2−アミンなどの橋かけ環を有するアミンなどが挙げられる。芳香族モノアミンとしては、例えば、アニリンなどが挙げられる。また、脂肪族モノアミンとして、ポリオキシアルキレン骨格を有するモノアミンや、アミノシランカップリング剤(例えば、3−アミノプロピルトリアルコキシシランなど)を用いることもできる。この場合、ケチミン系化合物としては、上記式(2)におけるR3が、ポリオキシアルキレン骨格を有する1価の基[例えば、「H−(R4 1−O) 2−」(R4はアルキレン基を示す。m1は1以上の整数である。また、m2は1以上の整数である。)など]や、アルコキシシラン基を有するアルキル基などであるケチミン化合物に相当する。
【0021】
また、ポリアミンには、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、芳香脂肪族ポリアミンなどが含まれる。脂肪族ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−トリメチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,3−ペンタメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,2−ブチレンジアミン、2,3−ブチレンジアミン、1,3−ブチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミンの他、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。また、脂肪族ポリアミンとして、ポリオキシアルキレン骨格を有するジアミンなどのポリオキシアルキレン骨格を有するポリアミンを用いることもできる。この場合、ケチミン系化合物としては、上記式(2)におけるR3が、多価のポリオキシアルキレン基[例えば、「−(R4 1−O) 2−」(R4はアルキレン基を示す。m1は1以上の整数である。また、m2は1以上の整数である。)など]であるケチミン化合物に相当する。
【0022】
脂環式ポリアミンとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1−メチル−4−アミノメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1−メチル−3−アミノメチルシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(3−メチル−シクロヘキシルアミン)、メチル−2,3−シクロヘキサンジアミン、メチル−2,4−シクロヘキサンジアミン、メチル−2,6−シクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン{例えば、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタンなど}などの脂環式ジアミンなどが挙げられる。
【0023】
芳香族ポリアミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ナフチレン−1,4−ジアミン、ナフチレン−1,5−ジアミン、4,4’−ジフェニルジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、2,4’−ジフェニルメタンジアミン、4,4’−ジフェニルエーテルジアミン、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジアミン、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジアミン、4,4’−ジフェニルプロパンジアミン、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジアミンなどの芳香族ジアミンなどが挙げられる。
【0024】
芳香脂肪族ポリアミンとしては、例えば、1,3−キシリレンジアミン、1,4−キシリレンジアミン、α,α,α’,α’−テトラメチル−1,3−キシリレンジアミン、α,α,α’,α’−テトラメチル−1,4−キシリレンジアミン、ω,ω’−ジアミノ−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−アミノ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−アミノ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(α,α−ジメチルアミノメチル)ベンゼンなどの芳香脂肪族ジアミンなどが挙げられる。
【0025】
以上のうち実施例として示しているものは、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルナンジアミン、メタキシリレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミンなどであるが、これに限定されるものではない。1分子中に1級アミノ基を2個以上持つものが、優れた機械的強度が得られ、好ましい。
【0026】
ケチミン化合物の製造は、どのような製造方法であってもよく、例えば、上記カルボニル化合物と上記アミン化合物とを無溶剤下、または、非極性溶剤(ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼンなど)の存在下で混合し、加熱還流し、生成する水を共沸により除去し、得られる。使用されるカルボニル化合物および/またはアミン化合物は、2種類以上の化合物を原料として使用してもよい。また、1液型エポキシ樹脂組成物は、上記ケチミン化合物を使用してもよいことはいうまでもない。
【0027】
上記の請求項3に係る発明において、アミン化合物と反応し得る官能基には、下記化学式(3)に示すエポキシ基、下記化学式(4)に示すイソシアネート基、下記化学式(5)に示すジチオカーボネート基、下記化学式(6)に示すチイラン基、下記化学式(7)に示すアクリル基、下記化学式(8)に示すビニルエステル基、下記化学式(9)に示すカーボネート基、下記化学式(10)に示すチオカーボネート基、下記化学式(11)に示すアルデヒド基などがある。これらのアミン化合物と反応し得る官能基のうち、特に請求項4の発明はエポキシ基としたものである。
【0028】
【化5】
Figure 0004047650
ただし、R7〜R9は水素原子または有機基である。
【0029】
【化6】
Figure 0004047650
【0030】
【化7】
Figure 0004047650
ただし、R10〜R12は水素原子または有機基である。
【0031】
【化8】
Figure 0004047650
ただし、R13〜R15は水素原子または有機基である。
【0032】
【化9】
Figure 0004047650
ただし、R16〜R18は水素原子または有機基である。
【0033】
【化10】
Figure 0004047650
ただし、R19〜R21は水素原子または有機基である。
【0034】
【化11】
Figure 0004047650
ただし、R22〜R24は水素原子または有機基である。
【0035】
【化12】
Figure 0004047650
ただし、R25〜R27は水素原子または有機基である。
【0036】
【化13】
Figure 0004047650
【0037】
これらの官能基のうちエポキシ基を有するエポキシ化合物としては、上記化学式(3)に示した構造を持つもので有れば特に限定されないが、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂やこれらの誘導体(例えば、水添化物や臭素化物など)、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂など)、グリシジルエステル型エポキシ樹脂の他、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、含窒素エポキシ樹脂(例えば、メタキシレンジアミンやヒダントインなどのアミンのエポキシ化物、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンやトリグリシジルパラアミノフェノールなどのグリシジルアミン型エポキシ樹脂など)、ゴム変性エポキシ樹脂(例えば、ゴム成分としてポリブタジエンなどの合成ゴムや天然ゴムを含有するエポキシ樹脂など)、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂、エポキシシランなどが挙げられる。
【0038】
イソシアネート基を有する化合物としては、上記化学式(4)に示した構造を持つもので有れば特に限定されない。しかしながら、脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,3−ペンタメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
【0039】
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。
【0040】
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼンなどの芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。ポリイソシアネート(A1-c)としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼンを好適に用いることができる。なお、ポリイソシアネートとして、脂肪族ポリイソシアネートや芳香脂肪族ポリイソシアネートを用いると、変色の少ない樹脂を得ることができる。
【0041】
なお、本発明では、ポリイソシアネートとしては、上記例示の脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートによる二量体や三量体、反応生成物または重合物(例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートの二量体や三量体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの反応生成物、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネートなど)なども用いることができる。
【0042】
また、上記イソシアネート化合物と分子内に少なくとも2つのイソシアネート反応性基を有する化合物から得られる化合物も特に用いることができる。該イソシアネート反応性基としては、イソシアネート基に対する反応性を有する基であれば特に制限されず、例えば、ヒドロキシル基、第1級アミノ基(無置換アミノ基)、第2級アミノ基(モノ置換アミノ基)、メルカプト基などが挙げられる。本発明では、該イソシアネート反応性基としては、ヒドロキシル基、第1級アミノ基または第2級アミノ基が好ましく、特にヒドロキシル基が好適である。従って、イソシアネート反応性化合物としては、例えば、ポリオール化合物、ポリアミン化合物、ポリチオール化合物(好ましくは、ポリオール化合物)などを用いることができる。イソシアネート反応性化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0043】
ポリオール化合物としては、例えば、多価アルコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリルポリオール、ヒマシ油などが挙げられる。
【0044】
ポリオールにおいて、多価アルコールには、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−テトラメチレンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、2−メチル−1,3−トリメチレンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレンジオール、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、シクロヘキサンジオール類(1,4−シクロヘキサンジオールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、糖アルコール類(キシリトールやソルビトールなど)などが含まれる。
【0045】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレングリコールの他、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体などのモノマー成分として複数のアルキレンオキシドを含む(アルキレンオキサイド−他のアルキレンオキサイド)共重合体などが挙げられる。
【0046】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物;環状エステル(ラクトン)の開環重合物;多価アルコール、多価カルボン酸及び環状エステルの3種類の成分による反応物などを用いることができる。多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物において、多価アルコールとしては、上記例示の多価アルコールを用いることができる。
【0047】
一方、多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。また、環状エステルの開環重合物において、環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。3種類の成分による反応物において、多価アルコール、多価カルボン酸、環状エステルとしては、上記例示のものなどを用いることができる。
【0048】
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、多価アルコールとホスゲンとの反応物;環状炭酸エステル(アルキレンカーボネートなど)の開環重合物などが挙げられる。具体的には、多価アルコールとホスゲンとの反応物において、多価アルコールとしては、上記例示の多価アルコールを用いることができる。また、環状炭酸エステルの開環重合物において、アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、ヘキサメチレンカーボネートなどが挙げられる。なお、ポリカーボネートポリオールは、分子内にカーボネート結合を有し、末端がヒドロキシル基である化合物であればよく、カーボネート結合とともにエステル結合を有していてもよい。ポリオレフィンポリオールは、オレフィンを重合体または共重合体の骨格(または主鎖)の成分とし且つ分子内に(特に末端に)ヒドロキシル基を少なくとも2つ有するポリオールである。上記オレフィンとしては、末端に炭素−炭素二重結合を有するオレフィン(例えば、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィンなど)であってもよく、また末端以外の部位に炭素−炭素二重結合を有するオレフィン(例えば、イソブテンなど)であってもよく、さらにはジエン(例えば、ブタジエン、イソプレンなど)であってもよい。ポリアクリルポリオールは、(メタ)アクリレートを重合体または共重合体の骨格(または主鎖)の成分とし且つ分子内に(特に末端に)ヒドロキシル基を少なくとも2つ有するポリオールである。(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどの(メタ)アクリル酸C1−20アルキルエステルなど]が好適に用いられる。なお、ポリオレフィンポリオールやポリアクリルポリオールにおいて、分子内にヒドロキシル基を導入するために、オレフィンや(メタ)アクリレートの共重合成分として、ヒドロキシル基を有するα,β−不飽和化合物[例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルなど]を用いることができる。
【0049】
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールを好適に用いることができる。なお、ポリアミンに関しては、ケチミンの原料となるアミンと同じである。
【0050】
ジチオカーボネート基を有する化合物としては、上記化学式(5)に示した構造を持つもので有れば特に限定されないが、例えば、上記エポキシ樹脂に二硫化炭素を付加させて得られる化合物が例として挙げられる。
【0051】
チイラン基を有する化合物としては、上記化学式(6)に示した構造を持つもので有れば特に限定されないが、例えば、上記エポキシ樹脂にチオシアン酸カリウム、もしくはチオ尿素を反応して得られる化合物が例として挙げられる。
【0052】
アクリル基を有する化合物としては、上記化学式(7)に示した構造を持つもので有れば特に限定されないが、アクリル酸やカルボン酸を有するアクリル酸エステルと上記ポリオールの脱水縮合物、アクリル酸やカルボン酸を有するアクリル酸エステルと上記イソシアネート基、エポキシ基を有する化合物との縮合物、水酸基を有するアクリル酸エステルと上記イソシアネート基を有する化合物との縮合物、エポキシ基を有するアクリル酸エステルと上記ポリアミン化合物または/およびジカルボン酸化合物との縮合物、イソシアネート基を有するアクリル酸エステルと上記ポリオール化合物または/および上記ポリアミン化合物との縮合物が例として挙げられる。
【0053】
ビニルエステル基を有する化合物としては、上記化学式(8)に示した構造を持つもので有れば特に限定されないが、シュウ酸ジビニル、マロン酸ジビニル、コハク酸ジビニル、グルタン酸ジビニル、アジピン酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、フマル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、テレフタル酸ジビニル、フタル酸ジビニル、シュウ酸ジイソプロペニル、マロン酸ジイソプロペニル、コハク酸ジイソプロペニル、グルタン酸ジイソプロペニル、アジピン酸ジイソプロペニル、マレイン酸ジイソプロペニル、フマル酸ジイソプロペニル、イソフタル酸ジイソプロペニル、テレフタル酸ジイソプロペニル、フタル酸ジイソプロペニル、上記ジビニル化合物と上記ポリアミン化合物または/およびポリオール化合物の縮合物が例として挙げられる。
【0054】
カーボネート基を有する化合物としては、上記化学式(9)に示した構造を持つもので有れば特に限定されないが、上記エポキシ化合物と二酸化炭素の反応物が例として挙げられる。
【0055】
チオカーボネート基を有する化合物としては、上記化学式(10)に示した構造を持つもので有れば特に限定されるものでない。
【0056】
アルデヒド基を有する化合物としては、上記化学式(11)に示した構造を持つもので有れば特に限定されないが、水酸基を有するアルデヒド(たとえば、サリチルアルデヒド)と上記イソシアネート化合物の反応物などが挙げられる。
【0057】
本発明の潜在性硬化剤であるケチミン化合物とこれらケチミン化合物から生成するアミン化合物と反応し得る官能基を有する化合物との配合割合は、ケチミン化合物が加水分解して発生するアミン化合物の活性水素もしくはアミノ基の当量と、アミン化合物と反応し得る官能基である、エポキシ基、イソシアネート基、ジチオカーボネート基、チイラン基、アクリル基、ビニルエステル基、カーボネート基、チオカーボネート基などを有する化合物のこれらの官能基の当量とで決定すればよい。具体的には、エポキシ基、チイラン基、アクリル基などの化合物はアミノ基の活性水素1つにつき、1つの官能基が反応できる化合物であり、ジチオカーボネート基、ビニルエステル基、カーボネート基、チオカーボネート基などの化合物はアミノ基1つにつき、1つの官能基が反応できる化合物である。すなわち、ケチミン化合物が加水分解して発生するアミン化合物の活性水素もしくはアミノ基の当量が、以上の官能基当量に比べて、0.5〜2.0倍であることが好ましい。この配合割合より低い場合には、本発明における官能基を有する樹脂が過剰となり、硬化物において満足な架橋が進まず、実用的な機械的強度が得られない。高い場合には、加水分解して発生するアミン化合物が過剰となり、この場合にも同様の理由で、実用的な強度が得られない。この配合割合の中であれば、実用的な機械的強度が得られる架橋構造となるので好ましく、配合割合が0.8〜1.2倍であることが、理想的な架橋構造となり、湿気硬化型組成物としてのさらに優れた機械的強度となるのでさらに好ましい。
【0058】
本発明における湿気硬化型組成物、例えばエポキシ樹脂組成物、を1液型とする場合においては、上記のケチミン化合物、上記のアミンと反応しうる官能基を有する化合物、例えばエポキシ樹脂、の各成分の他に、さらに脱水剤を使用することが好ましい。脱水剤は、主にケチミンが水によって分解し、上記の湿気硬化型組成物、例えばエポキシ樹脂、と反応してしまうことを未然に防止するために使用され、このような脱水作用のあるものが広く有効に使用される。例えば、エポキシ樹脂の場合では、通常ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランやγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシランなどのメチルシリケート、テトラエトキシシランやトリエトキシメチルシラン、ジエトキシジメチルシランなどのエチルシリケート、アセチルアセトン、オルソギ酸エステルなどが好ましいものとして使用される。その使用量はアミンと反応しうる官能基を有する化合物100質量部に対し、1質量部以上である。さらに好ましくは30質量部以上である。
【0059】
本発明の湿気硬化型組成物は、それぞれの用途(例えば、接着剤)に応じて上記化合物の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、オキサゾリジン、アルジミン、ケチミンなどの潜在性硬化剤、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの充填剤、エポキシシランやビニルシランなどのカップリング剤、可塑剤、チクソトロピー付与剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着付与剤、分散剤、溶剤などを配合してもよい。
【0060】
本発明の湿気硬化型組成物の製造方法は特に限定されないが、好ましくは、窒素雰囲気下または減圧下で混合ミキサーなどの攪拌機を用いて充分混練させて組成物とするのが良い。一例を挙げれば、以下のとおりである。1液型の場合は攪拌機、コンデンサー、加熱装置、減圧脱水装置、窒素気流装置を備えた密閉式加工釜を用い、釜中に、本発明のアミンと反応しうる官能基を有する樹脂、例えばエポキシ樹脂、を仕込む。窒素気流装置を用い、窒素還流下で、所望により改質剤あるいは添加剤を配合し均質混合する。この後、最終的にケチミン化合物を配合し、均質混合して、湿気硬化型組成物を得る。そして窒素置換を施した密閉容器にこの湿気硬化型組成物を収納すれば、最終製品となる。また、2液型の場合は、上記密閉式加工釜にケチミン化合物、アミンと反応しうる官能基を有する化合物、例えばエポキシ樹脂、を別々に仕込む。所望により改質剤あるいは添加剤をそれぞれに配合し均質混合する。そして窒素置換を施した密閉容器にこの湿気硬化型組成物を収納すれば、最終製品となる。なお、改質剤あるいは添加剤に水分が含まれている場合には、貯蔵中にケチミンの加水分解を引き起こし、1液型の場合は貯蔵安定性が低下し、2液型の場合は可使時間が短縮するので、改質剤あるいは添加剤の水分を脱水除去しておくのが好ましい。水分の脱水は、改質剤あるいは添加剤を配合する前に行ってもよいし、例えばエポキシ樹脂にこれらを配合した後に、加熱や減圧などの手段で脱水してもよい。
【0061】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0062】
本発明の加水分解速度の速い潜在性硬化剤となる13C−NMRスペクトルにおけるC=N基の炭素原子のケミカルシフトが172.0ppm以上である上記の化学式(1)で示されるケチミン化合物の合成について実施例1〜16で示し、その他のケチミンの合成について比較例1〜12で示す。
【0063】
参考例1
アミン化合物に1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(三菱ガス化学社製、商品名1,3−BAC)142gと、3倍mol当量のジエチルケトン258g、およびトルエン200gをフラスコに入れ生成する水を共沸により除きながら、トルエンとジエチルケトンとが還流する温度(120〜150℃)で20時間反応を続けた。そして、過剰のジエチルケトンとトルエンを蒸発して取り除き、ケチミン化合物1を得た。
【0064】
参考例2
カルボニル化合物にエチルブチルケトン342gを用いた以外は、参考例1と同様に行い、ケチミン化合物2を得た。
【0065】
(実施例3)
カルボニル化合物にエチルペンチルケトン384gを用いた以外は、参考例1と同様に行い、ケチミン化合物3を得た。
【0066】
(実施例4)
カルボニル化合物にジプロピルケトン342gを用いた以外は、参考例1と同様に行い、ケチミン化合物4を得た。
【0067】
(実施例5)
アミン化合物にメタキシリレンジアミン(三菱ガス化学社製、商品名MXDA)136gを用いた以外は、参考例1と同様に行い、ケチミン化合物5を得た。
【0068】
(実施例6)
カルボニル化合物にエチルブチルケトン342gを用いた以外は、実施例5と同様に行い、ケチミン化合物5を得た。
【0069】
(実施例7)
カルボニル化合物にエチルペンチルケトン384gを用いた以外は、実施例5と同様に行い、ケチミン化合物7を得た。
【0070】
(実施例8)
カルボニル化合物にジプロピルケトン342gを用いた以外は、実施例5と同様に行い、ケチミン化合物8を得た。
【0071】
参考例9
アミン化合物にノルボルナンジアミン(三井化学社製、商品名NBDA)154gを用いた以外は、参考例1と同様に行い、ケチミン化合物9を得た。
【0072】
(実施例10)
カルボニル化合物にエチルブチルケトン342gを用いた以外は、参考例9と同様に行い、ケチミン化合物10を得た。
【0073】
(実施例11)
カルボニル化合物にエチルペンチルケトン384gを用いた以外は、参考例9と同様に行い、ケチミン化合物11を得た。
【0074】
(実施例12)
カルボニル化合物にジプロピルケトン342gを用いた以外は、参考例9と同様に行い、ケチミン化合物12を得た。
【0075】
(実施例13)
アミン化合物に1,6−ヘキサメチレンジアミン116gを用いた以外は、参考例1と同様に行い、ケチミン化合物13を得た。
【0076】
(実施例14)
カルボニル化合物にエチルブチルケトン342gを用いた以外は、実施例13と同様に行い、ケチミン化合物14を得た。
【0077】
(実施例15)
カルボニル化合物にエチルペンチルケトン384gを用いた以外は、実施例13と同様に行い、ケチミン化合物15を得た。
【0078】
(実施例16)
カルボニル化合物にジプロピルケトン342gを用いた以外は、実施例13と同様に行い、ケチミン化合物16を得た。
【0079】
次に比較例に配合するケチミン化合物の合成例17〜28を以下に記載する。
(比較例1)
カルボニル化合物にメチルイソブチルケトン300gを用いた以外は、参考例1と同様に行い、ケチミン化合物17を得た。
【0080】
(比較例2)
カルボニル化合物にイソアミルメチルケトン342gを用いた以外は、比較例1と同様に行い、ケチミン化合物18を得た。
【0081】
(比較例3)
カルボニル化合物にメチルプロピルケトン258gを用いた以外は、比較例1と同様に行い、ケチミン化合物19を得た。
【0082】
(比較例4)
カルボニル化合物にメチルイソプロピルケトン384gを用いた以外は、比較例1と同様に行い、ケチミン化合物20を得た。
(比較例5)
【0083】
カルボニル化合物にメチルイソブチルケトン300gを用いた以外は、実施例5と同様に行い、ケチミン化合物21を得た。
【0084】
(比較例6)
カルボニル化合物にイソアミルメチルケトン342gを用いた以外は、比較例5と同様に行い、ケチミン化合物22を得た。
【0085】
(比較例7)
カルボニル化合物にメチルイソブチルケトン300gを用いた以外は、参考例1と同様に行い、ケチミン化合物23を得た。
【0086】
(比較例8)
カルボニル化合物にイソアミルメチルケトン342gを用いた以外は、比較例7と同様に行い、ケチミン化合物24を得た。
【0087】
(比較例9)
カルボニル化合物にメチルイソブチルケトン300gを用いた以外は、実施例13と同様に行い、ケチミン化合物25を得た。
【0088】
(比較例10)
カルボニル化合物にイソアミルメチルケトン342gを用いた以外は、比較例9と同様に行い、ケチミン化合物26を得た。
【0089】
(比較例11)
アミン化合物にエチレンジアミンを用い、カルボニル化合物にメチルイソブチルケトン300gを用いた以外は、参考例1と同様に行い、ケチミン化合物27を得た。
【0090】
(比較例12)
アミン化合物にノボルナンジアミン(三井化学社製、商品名NBDA)154gを用い、カルボニル化合物にメチルイソロピルケトン258gを用いた以外は、比較例11と同様に行い、ケチミン化合物を得た。
【0091】
以下に、上記の各官能基を有する化合物の合成方法を示す。実施例17〜32および比較例13〜24において用いるエポキシ樹脂は、エピコート828(商品名、ジャパンエポキシレジン社製)を使用した。
【0092】
実施例33〜48および比較例25〜36において用いるジチオカーボネート樹脂は以下のようにして合成した。エポキシ樹脂DER332(商品名、ダウケミカル社製)170gと臭化リチウム1gをTHF200mlに溶解させ、そこに室温で撹拌しながら二硫化炭素152gを1時間かけてゆっくりと滴下した。さらに室温で24時間反応させた後、エバポレーターで溶媒を除去した。そこにクロロホルムを添加し、目的物を溶解させた後、水で洗浄しクロロホルム層を抽出した。これを硫酸マグネシウムで乾燥させた後、エバポレーターでクロロホルムを除去し目的物を得た。
【0093】
実施例49〜64および比較例37〜48において用いるチイラン樹脂は以下のようにして合成した。エポキシ樹脂DER332 170gをTHF200mlに溶解させ、チオ尿素38gとメタノール200mlを加え、35℃で5時間反応させた。反応終了後、メチルイソブチルケトン200mlを加え、蒸留水で洗浄した後有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、さらに溶媒を減圧除去して目的物を得た。
【0094】
実施例65〜80および比較例49〜60において用いるウレタンプレポリマーは以下のようにして合成した。ポリオール化合物3600K(商品名、住友バイエルウレタン社製)150gを75℃で1時間真空加熱脱水した後、イソシアネート化合物デスモジュールI(商品名、住友バイエルウレタン社製)を37.6g添加し、4時間90℃で反応させて目的物を得た。
【0095】
上記で得られた参考例1、参考例2、実施例3〜8、参考例9、実施例10〜16の各ケチミン1〜16と比較例7〜12の各ケチミン17〜28におけるケミカルシフトと加水分解率の関係を、表1における参考例1、参考例2、実施例3〜8、参考例9、実施例10〜16および比較例1〜12により示し、さらに図1にグラフとして示す。なお、表1において、アミンとケトンは略記しており、アミンでは、1,3−BACは1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、MXDAはメタキシリレンジアミン、NBDAはノルボルナンジアミン、1,6−HDAは1,6−ヘキサメチレンジアミン、EDAはエチレンジアミンを示し、ケトンでは、DEKはジエチルケトン、EBKはエチルブチルケトン、EPKはエチルペンチルケトン、DPKはジプロピルケトン、MIBKはメチルイソブチルケトン、IAMKはイソアミルメチルケトン、MPKはメチルプロピルケトン、MIPKはメチルイソプロピルケトンを示している。
【0096】
【表1】
Figure 0004047650
【0097】
これらのケミカルシフトと加水分解率の関係を見ると、本願発明の実施例3〜8、実施例10〜16のケチミン3〜8、ケチミン10〜16はケミカルシフトがいずれも172.0ppmを超えており、かつ、加水分解率がいずれも7.8%以上と比較例のケチミンに比して高い。これに対し、比較例4のケチミン20と比較例12のケチミン28は、ケミカルシフトがいずれも172.0ppmを超えているが、他の比較例1〜3、比較例5〜11はいずれもケミカルシフトが172.0ppm未満であり、さらに加水分解率はいずれも7.6%以下である。そして図1に示すように、表1の関係をグラフ化すると、図1に示すグラフとなり、ケチミンのケミカルシフトが172.0ppmを超えると加水分解率は急激に上昇し、ケミカルシフト172.0ppmに加水分解率の変曲点があることがわかる。
【0098】
すなわち、このケミカルシフトと加水分解率の関係をまとめた上記図1のグラフをみると、上記したように、ケミカルシフト172.0ppmに加水分解率の変曲点があり、172.0ppm以上では加水分解率は急激に増加している。ところで、比較例4と12に関しては、ケミカルシフトの値は172.0ppmを超えるものとなっているが、上記の化学式(1)または(2)に記載の構造式にあてはまらないために、同程度のケミカルシフト値をとる実施例のケチミンと比較して加水分解性に劣る。これはC=N近傍に水との反応の際に立体障害となる枝分かれ構造を有しているためである。このことから、ケチミン化合物のC=N基における13C−NMRスペクトルのケミカルシフトが172.0ppm以上で、なおかつ特定の構造を有する実施例記載のケチミン化合物は加水分解が速い、という請求項1または2に記載の発明の効果は明らかである。
【0099】
表1における加水分解率およびケミカルシフトの13C−NMR(核磁気共鳴)スペクトルの測定方法について説明する。
【0100】
加水分解率の測定は、各ケチミン化合物を1mmol秤取し、4mlのTHFに溶解させた。その際、内部基準としてトルエンを0.01g添加した。そこに水を0.18g添加し1時間撹拌した。その後ガスクロマトグラフィー(パーキンエルマー社製HP5890シリーズII)により分解生成するケトンの量を測定し、このケトンの生成量により加水分解率を計算して(%)で表示した。
【0101】
ケミカルシフトの13C−NMRスペクトルの測定は、各ケチミン化合物を100mgNMR測定用のチューブに秤取し、0.5mlのCDCl3で均一に溶解させた。このサンプルをNMRスペクトロメーター(JEOL社製JNM−EX270)で測定した。測定温度は29.6℃、積算回数は64回とし、解析はNUTS−NMR Utility Trabsform Software for PPC Macintosh(バージョン:2D version−19990216、販売元:LAシステムズ、制作元:AcornNMR)で行った。なお、解析の基準はCDCl3由来のトリプレットにおける中心のピークを77.2ppmとして解析した。また、目的とするC=N基由来のピークが多重ピークとなる場合は、各ピーク値の平均値を採用した。
【0102】
潜在性硬化剤のケチミンと、このケチミンから生成されるアミン化合物と反応し得る官能基を有する化合物としてのエポキシ樹脂からなる硬化型組成物の実施例17〜32および比較例13〜24を表2に示す。この場合ケチミンとエポキシ樹脂の配合割合はケチミン40質量部に対してとエポキシ樹脂100質量部とする。
【0103】
【表2】
Figure 0004047650
【0104】
表3は、潜在性硬化剤のケチミンと、このケチミンから生成されるアミン化合物と反応し得る官能基を有する化合物としてのジチオカーボネート樹脂からなる硬化型組成物の実施例33〜48および比較例25〜36により示す。この場合ケチミンとジチオカーボネート樹脂の配合割合はケチミン15質量部に対してとジチオカーボネート樹脂100質量部とする。
【0105】
【表3】
Figure 0004047650
【0106】
表4は、潜在性硬化剤のケチミンと、このケチミンから生成されるアミン化合物と反応し得る官能基を有する化合物としてのチイラン樹脂からなる硬化型組成物の実施例49〜64および比較例37〜48により示す。この場合ケチミンとチイラン樹脂の配合割合はケチミン40質量部に対してとチイラン樹脂100質量部とする。
【0107】
【表4】
Figure 0004047650
【0108】
表5は、潜在性硬化剤のケチミンと、このケチミンから生成されるアミン化合物と反応し得る官能基を有する化合物としてのウレタンプレポリマーからなる硬化型組成物の実施例65〜80および比較例49〜60により示す。この場合ケチミンとウレタンプレポリマーの配合割合はケチミン20質量部に対してとウレタンプレポリマー100質量部とする。
【0109】
【表5】
Figure 0004047650
【0110】
表2〜表5において、各ケチミンを用いた本発明の硬化型組成物における硬化性を硬化開始時間と硬化終了時間により示す。
【0111】
上記の実施例および比較例における硬化性の測定方法は、各ケチミン化合物とケチミンから分解生成してくるアミンと反応し得る化合物(例えば、エポキシ樹脂)の各表に示す配合割合の混合物をガラス板上に塗膜厚さ0.2mmとなるように塗布し、ドライングレコーダーを用いて、温度25℃かつ湿度65%RHの条件で、建設省総合技術開発プロジェクトによる「コンクリートの耐久性向上技術の開発」(平成元年5月発行)に記載のドライングレコーダーを用いた方法に準拠して(塗膜の厚みが0.2mmであることが異なる)、硬化開始時間、硬化終了時間を測定した。
【0112】
表2〜表5で見られるように、本発明の潜在性硬化剤としてのケチミンおよび各樹脂を使用した各実施例および比較例における硬化性は、いずれの表においても実施例は硬化終了時間が短いことが示されており、速硬化性の点で実施例が比較例に比して優れていることがわかる。
【0113】
参考例におけるケチミンと、アミン化合物と反応し得る官能基を有する樹脂としてのエポキシ樹脂からなる湿気硬化型組成物として1液湿気硬化型接着剤組成物の製造方法の1例を示す。エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製、商品名エピコート828)100質量部、重質炭酸カルシウム(日東粉化製、商品名NS100)80質量部、表面処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム製、商品名MS700)40質量部を、100℃で15ルートおよび2時間の条件で減圧・加熱し、均一になるまで撹拌混合する。均一になれば室温まで冷却し、そこへエポキシ樹脂用硬化剤としての上記参考例1で示すケチミン1を36質量部、ビニルシランカップリング剤(信越化学工業製、商品名KBM1003)を5質量部、エポキシシランカップリング剤(信越化学工業製、商品名KBM403)を2質量部加え、減圧撹拌して1液湿気硬化型接着剤組成物を得た。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るケチミン化合物から生成するアミン化合物と反応し得る官能基を有する化合物に対して潜在硬化性を付与するケチミン化合物の加水分解性を示す指標である13C−NMRスペクトルにおけるC=N基の炭素原子のケミカルシフトが172.0ppm以上であり、かつ上記化学式(1)で示される構造を有するケチミン化合物は速加水分解性に優れた潜在硬化剤である。さらにこのケチミンを使用して優れた速硬化性の湿式硬化型組成物、例えば湿式硬化型エポキシ樹脂組成物、が容易に得られ、この組成物を利用した接着剤、パテ材、コーティング材、ポッティング材、シーリング材、塗料、注入材、あるいは含浸材などは速硬化性に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1、参考例2、実施例3〜8、参考例9、実施例10〜16の各ケチミン1〜16と比較例7〜12の各ケチミン17〜28におけるケミカルシフトと加水分解率の関係を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 下記の化学式(1)で示されるケチミン化合物からなり、かつ、13C−NMR(核磁気共鳴)スペクトルにおけるC=N基の炭素原子のケミカルシフトが172.0ppm以上であることを特徴とする加水分解速度の速い潜在性硬化剤。
    Figure 0004047650
    ただし、R1は有機基で、R2、R3は水素原子または有機基、nは1以上の整数であり、ケチミン化合物としては、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンとジエチルケトンを反応させることにより得られるケチミン化合物と、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンとエチルブチルケトンを反応させることにより得られるケチミン化合物と、ノルボルナンジアミンとジエチルケトンを反応させることにより得られる、ケチミン化合物を除く
  2. ケチミン化合物が下記の化学式(2)で示される構造であることを特徴とする請求項1記載の加水分解速度の速い潜在性硬化剤。
    Figure 0004047650
    ただし、R4は有機基で、R5、R6は水素原子または有機基で、nは1以上の整数である。
  3. 請求項1または2に記載の潜在性硬化剤と、その潜在性硬化剤から生成するアミン化合物と反応し得る官能基を有する化合物とからなることを特徴とする湿気硬化型組成物。
  4. 潜在性硬化剤から生成するアミン化合物と反応し得る官能基がエポキシ基であることを特徴とする請求項3に記載の湿気硬化型組成物。
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