[go: up one dir, main page]

JP4046487B2 - 可変動弁機構 - Google Patents

可変動弁機構 Download PDF

Info

Publication number
JP4046487B2
JP4046487B2 JP2001180090A JP2001180090A JP4046487B2 JP 4046487 B2 JP4046487 B2 JP 4046487B2 JP 2001180090 A JP2001180090 A JP 2001180090A JP 2001180090 A JP2001180090 A JP 2001180090A JP 4046487 B2 JP4046487 B2 JP 4046487B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
sliding contact
arm
intervening
cam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001180090A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002371817A (ja
Inventor
憲 杉浦
裕二 吉原
学 立野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Otics Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Otics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Otics Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2001180090A priority Critical patent/JP4046487B2/ja
Publication of JP2002371817A publication Critical patent/JP2002371817A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4046487B2 publication Critical patent/JP4046487B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の運転状況に応じてバルブのリフト量及び作用角を連続的に又は段階的に変化させる可変動弁機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の出力、トルク、燃費、排気ガスのクリーン度等の諸特性を両立させるため、内燃機関の運転状況に応じてバルブのリフト量又は作用角を連続的に又は段階的に変化させる可変動弁機構が種々考えられている。その一つの代表例として、二本のカムシャフトを回転させてロッカアームを揺動させるととともに、二本のカムシャフトの位相を相対的に変えることによりロッカアームの揺動角を変えて、バルブのリフト量又は作用角を連続的に変化させるようにしたものが知られている。また、カムに微小なノーズを加設することでバルブをサブリフトさせるものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の代表例のように2本のカムシャフトを回転させるには、1本のカムシャフトを回転させてきた従来の駆動系を大きく変えることになるとともに、駆動上難しいという問題があった。また、サブリフト量が変化できないため内部EGRの制御も不可能であった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、従来の駆動系を大きく変えることなく、1本のカムシャフトを回転させて、バルブのメインリフト量、サブリフト量及び作用角を連続的又は段階的に変化させることができるようにしたことで内部EGRが最適制御可能になり、燃費も向上する可変動弁機構を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の可変動弁機構は、ロッカアームのカム対応部にシーソアームをその中央部において揺動可能に軸着し、シーソアームの一端部及び他端部にそれぞれ第一摺接部及び第二摺接部を設け、第一摺接部の上方に第一摺接部を押圧する第一回転カムとその隣に位置する第二回転カムとを形成した1本のカムシャフトを回転可能に軸支し、第二摺接部の上方に第二回転カムと関わり合って第二摺接部に作用する介在部材を変位可能に設け、第一回転カムと第二回転カムと介在部材とのうち少なくともいずれか一つがバルブのサブリフトとサブリフトに続くメインリフトとを発生するように形成され、介在部材による第二摺接部の作用量を内燃機関の運転状況に応じ連続的に又は段階的に変える相対角度制御装置を設けたことを特徴としている。なお、カム対応部とは、カムにシーソアームを介して対応し押圧される部位という意味である。また、小角度回転とは回転角度が360度に達しない回転をいう。
【0006】
介在部材としては、シーソアームの第二摺接部を押圧する突出部を突設した制御カムと前記第二回転カムにより押圧される介在摺接部を備えた介在アームとを相対角度変化可能に結合するとともに1本の支持シャフトに小角度回転可能に軸着したものを例示できる。
【0007】
介在部材としては、シーソアームの第二摺接部を進入させて逃がすように働く凹面が凹設された制御カムと前記第二回転カムにより押圧される介在摺接部を備えた介在アームとを相対角度変化可能に結合するとともに1本の支持シャフトに小角度回転可能に軸着したものを例示できる。
【0008】
第一回転カムが第一摺接部を押圧してバルブをリフトするタイミングと異なるタイミングで第二回転カムが介在部材を介してバルブをリフトさせるように第一回転カムと第二回転カムと介在部材とが形成されたものを例示できる。より具体的には第二回転カムのノーズが第一回転カムのノーズよりも先行した位置に形成されて、第一回転カムが第一摺接部を押圧してバルブをメインリフトさせる前に第二回転カムが介在部材を変位させ介在部材が第二摺接部に作用することでバルブをサブリフトさせるものを例示できる。
【0009】
第一回転カムと第二回転カムとはいずれか一方(もしくは両方)がサブノーズとサブノーズに続くメインノーズとを備えたものを例示できる。
【0010】
介在摺接部は、固定された硬質チップでも回転可能なローラでもよい。但し、摺動部とカムとの摺動抵抗や摩耗を考慮すると、介在摺接部は介在アームにローラが回転可能に軸着されたものが好ましい。
【0011】
第一カム摺接部及び第二カム摺接部は、固定された硬質チップでも回転可能なローラでもよい。但し、摺動部とカムとの摺動抵抗や摩耗を考慮すると、第一カム摺接部及び第二カム摺接部の少なくともいずれか一つ(好ましくは両方)は、シーソアームにローラが回転可能に軸着されたものが好ましい。
【0012】
相対角度制御装置は、特に限定されないが、ヘリカルスプライン機構と、油圧を用いた駆動部と、マイクロコンピュータ等の制御装置とを備えたものを例示できる。
【0013】
ロッカアームとシーソアームとは別の面内で揺動してもよいが、スペース効率上、ロッカアームとシーソアームとは同一面内で揺動することが好ましい。
【0014】
ここで、ロッカアームは、次のいずれのタイプでもよい。
(1)ロッカアームの一端部に揺動中心部があり、中央部にカム対応部があり、他端端にバルブ押圧部があるタイプ。(いわゆるスイングアーム)
(2)ロッカアームの中央部に揺動中心部があり、一端部にカム対応部があり、他端端にバルブ押圧部があるタイプ。
【0015】
ロッカアームとシーソアームとが同一面内で揺動する場合、そのシーソアームがロッカアームからはみ出しにくくスペース効率が良い点で、本発明は上記(1)のタイプに具体化することが好ましい。すなわち、ロッカアームは、その一端部に揺動中心部があり、中央部にカム対応部があり、他端端にバルブ押圧部があるタイプであり、該カム対応部に前記シーソアームを軸着したものが好ましい。
【0016】
揺動中心部としては、次の二態様を例示できる。
(a)揺動中心部はピボットに支持された凹球面部である態様。
(b)揺動中心部はシーソアームが回動可能に軸支された軸穴部である態様。
【0017】
上記(a)の態様では、揺動中心部とアジャスタとの間にタペットクリアランス調整機構が設けられることが好ましい。例えば、上記(a)の態様では、ピボットに設けた雄ネジをピボット支持材に設けた雌ネジに螺入量調節可能に螺入するようにしたタペットクリアランス調整機構を例示できる。
【0018】
上記の制御カムに凹曲面が凹設された態様では、揺動中心部に各ローラ・カム間に隙間ができるのを防止するアジャスタが設けられることが好ましい。アジャスタの構造は特に限定されないが、当接及び離間可能に係合した内側部材とシリンダヘッドに形成された有底孔と、内側部材及び有底孔を離間方向に付勢するロストモーションスプリングとを含む機械的なアジャスタ(メカニカルアジャスタ)を例示できる。より具体的には、互いに開口側を対峙して側周壁が内外に係合したカップ状の内側部材と、シリンダヘッドに形成された有底孔と、内側部材のカップ内底面と有底孔との間に圧縮状態で設置されたロストモーションスプリングとしてのコイルスプリングとを含むものを例示できる。
【0019】
なお、本発明の可変動弁機構は、吸気バルブ又は排気バルブの何れか一方に適用することもできるが、両方に適用することが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施した可変動弁機構の第一実施形態例について、図1〜図10を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、この可変動弁機構にはスイングアームタイプのロッカアーム1が使用され、ロッカアーム1の一端部は同部に形成された凹球面部2がピボット3に支持されてなる揺動中心部となっている。ロッカアーム1の他端部は二股状に分かれて、それぞれの先端下部にバルブ押圧部4が凹設され、バルブ5の基端部をバルブ押圧部4が押圧するようになっている。
【0021】
ロッカアーム1の中央部のカム対応部に形成されたシーソアーム配置穴6には略V字状に形成されたシーソアーム7の中央部が配され、該シーソアーム7はアーム側壁と直交する軸の周りに揺動可能に軸着されている。従って、ロッカアーム1とシーソアーム7とは同一面内で揺動する。
【0022】
ピボット3の軸下部に設けられた雄ネジは、ピボット支持材8に設けられた雌ネジに螺入量調節可能に螺入されて、タペットクリアランス調整機構が構成されている。
【0023】
シーソアーム7の一端側はロッカアーム1でいうとバルブ押圧部4側へ延び、その一端部に形成されたフォーク内には第一摺接部としての第一ローラ9が配され、該第一ローラ9はフォーク側壁と直交する軸の周りに回転可能に軸着されている。シーソアーム7の他端側はロッカアーム1でいうと揺動中心部側へ延び、その他端部に形成されたフォーク内には第二摺接部としての第二ローラ10が配され、該第二ローラ10はフォーク側壁と直交する軸の周りに回転可能に軸着されている。
【0024】
第一ローラ9の上方には、第一ローラ9を押圧する第一回転カム20とその隣に位置する第二回転カム21とを形成した1本のカムシャフト22がロッカアーム1の揺動面と直角方向に延びるように配され、図示しない軸支部材に回転可能に軸支されている。
【0025】
第一回転カム20はベース円20aと、突出量が漸増するノーズ漸増部20bと、最大突出量となるノーズ20cと、突出量が漸減するノーズ漸減部20dとからなっている。
【0026】
第二回転カム21はベース円21aと、突出量が漸増するノーズ漸増部21bと、最大突出量となるノーズ21cと、突出量が漸減するノーズ漸減部21dとからなっていて、ノーズ21cの突出量はノーズ20cに比べて小さく形成されている。
【0027】
第二ローラ10の上方には、一本の円筒状の支持シャフト30がカムシャフト22と平行に配され、図示しない軸支部材により回転しないように軸支されている。支持シャフト30の外周には、第二回転カム21と関わり合って第二ローラ10に作用する介在部材としての制御カム36と介在アーム37とが配されて、第二ローラ10を押圧する略カップ状の制御カム36とその隣に位置する略カップ状の介在アーム37とが小角度回転可能に且つ支持シャフト30の長手方向には動かないように軸着されている。また、図示しない部材により介在アーム37は図1における左回転方向に付勢されている。介在アーム37と制御カム36とは、互いのカップ開放端部が相対回転可能に内外周(図示例では制御カム36が内周側)に嵌合することにより相対角度変化可能となっており、さらに後述するスライダ34を介して結合されている。
【0028】
制御カム36の外周面は円筒面部36aと、円筒面部36aから接線方向に延びて第二ローラ10を押圧する突出部36bとを備えている。突出部36bの下面は円筒面部36aから滑らかにつながる凹曲面が形成され、第二ローラ10の半径よりも大きな曲率半径の凹面部36cとなっていて、支持シャフト30から遠ざかる方向に湾曲している。
【0029】
介在アーム37の外周面には第二回転カム21側へ延びる一対のローラ支持部40が突設されている。ローラ支持部40内には第二回転カム21により押圧される介在摺接部としての介在ローラ41が配され、該介在ローラ41はローラ支持部40の側壁と直交する軸の周りに回転可能に軸着されている。従って、第二回転カム21が回転すると介在ローラ41が押圧を受けて介在アーム37と制御カム36とが小角度回転し、そのとき第二ローラ10は制御カム36に対する当接位置を円筒面部36aから凹面部36cに滑らかに移動しながら下方向に押圧されるようになっていて、当接位置が凹面部36cの先端に移行するにしたがって制御カム36による第二ローラ10の押圧量が増大するようになっている。
【0030】
さらに、本実施形態では第一回転カム20と第二回転カム21とが、第一回転カム20のノーズ漸増部20bよりも第二回転カム21のノーズ漸増部21b、ノーズ21c、ノーズ漸減部21dが先行するように形成されている。また制御カム36は突出部36b(とその下面の凹面部36cと)が形成されて第二ローラ10を押圧するようになっているので、第一回転カム20が第一ローラ9を押圧するとシーソアーム7が揺動しながら下方向に変位してロッカアーム1を揺動させる。それに伴ってバルブ5のメインリフトが発生するようになっているが、第一回転カム20が第一ローラ9を押圧し始める前に第二回転カム21が介在ローラ41を押圧して介在アーム37と制御カム36とを小角度回転させるので、そのとき第二ローラ10は小角度回転する制御カムの突出部36b(の下面に形成された凹面部36c)に押圧され、シーソアーム7は揺動しながら下方向に変位するのでメインリフトよりもリフト量の少ないサブリフトを発生するようになっている。即ち、本実施形態では、第一回転カム20がバルブをメインリフトさせるタイミングより第二回転カム21がバルブ5をサブリフトさせるタイミングが先に訪れるように第一回転カム20と第二回転カム21と介在部材(としての制御カム36)とが形成されている。
【0031】
支持シャフト30の外周であって介在アーム37及び制御カム36のカップ内には、図3に示すように略円筒状のスライダ34が支持シャフト30の長さ方向に小角度回転可能に挿着されている。介在アーム37の内径が制御カム36の内径よりも大きいことに対応して、スライダ34の介在アーム37に対応する部分の外径が制御カム36に対応する部分の外径よりも大きくなっている。
【0032】
スライダ34の内周面には環状溝35が形成され、該環状溝35には次に述べるコネクトピン33が係合している。すなわち、支持シャフト30の内部には円柱状のコントロールシャフト32が摺動可能に挿通され、コントロールシャフト32の一箇所には半径方向に突出するコネクトピン33が螺着されている。コントロールシャフト32の摺動によるコネクトピン33の変位を許容するために、支持シャフト30の一箇所には長さ方向に延びてコネクトピン33を挿通させる長孔31が貫設されている。長孔31を挿通したコネクトピン33の先端部が前記環状溝35に係合することにより、スライダ34はコントロールシャフト32と共に長さ方向に摺動可能になっているとともに、回転方向にはコントロールシャフト32と無関係に回転可能となっている。この回転が介在アーム37及び制御カム36の小角度回転を許容する。
【0033】
スライダ34の外周面の介在アーム37に対応する部分と介在アーム37の内周面とには、互いに係合するストレートスプライン38,39が切られている。また、スライダ34の外周面の制御カム36に対応する部分と制御カム36の内周面とには、互いに係合するヘリカルスプライン43,44が切られている。図示簡略化のため、図3にはヘリカルスプライン43,44もストレートのように描いているが、実際はヘリカルである。このようにスライダ34がスプラインを介して介在アーム37及び制御カム36の両者に係合していることで、介在アーム37と制御カム36とは前記の通り相対角度変化可能に結合されている。
【0034】
コントロールシャフト32は図示しない油圧機構により長さ方向に移動するようになっている。これらの油圧機構、コントロールシャフト32、コネクトピン33、スライダ34、ヘリカルスプライン43,44が、介在アーム37に対する制御カム36の相対角度を内燃機関の運転状況に応じ連続的に又は段階的(好ましくは三段階以上、さらに好ましくは四段階以上の多段階)に変えてバルブ5のリフト量及び作用角を変化させる相対角度制御装置を構成している。すなわち、コントロールシャフト32が長さ方向に移動すると、コネクトピン33を介してスライダ34が移動し、このときストレートスプライン38,39により介在アーム37は回転しないのに対して、ヘリカルスプライン43,44により制御カム36は小角度回転するため、介在アーム37に対する制御カム36の相対角度をずらすことができる。相対角度変化は、内燃機関の回転センサやアクセル開度センサ等からの検知値に基づいてマイクロコンピュータ等の制御装置により制御されるようになっている。
【0035】
上記の構成によりカムシャフト22が回転して、第一回転カム20が第一ローラ9を押圧するという入力と、第二回転カム21が介在ローラ41を押圧すると介在アーム37と共に制御カム36とが小角度回転して制御カム36が第二ローラ10を押圧するという入力との2つの入力が、シーソアーム7を押圧しロッカアーム1が揺動するようになっている。介在アーム37は図示しない部材により左回転方向に付勢されているので、常に第二回転カム21に介在ローラ41を摺接させるようになっている。従って、介在ローラ41が第二回転カム21のベース円21aに摺接しているときは、介在アーム37は小角度回転開始位置に停滞している。しかし、介在ローラ41がノーズ漸増部21bに摺接し始めると、介在アーム37は右回転方向に小角度回転を開始し、介在ローラ41の第二回転カム21に対する当接位置がノーズ21cに至ると、介在アーム37は小角度回転を止めて小角度回転終了位置に到達する。その後、介在ローラ41がノーズ漸減部21dに摺接し始めると、介在アーム37は回転方向を左に変えて小角度回転を開始して、介在ローラ41がベース円21aに摺接するようになると介在アーム37は小角度回転開始位置に復帰して停滞するようになっている。即ち、介在アーム37は第二回転カム21の入力により小角度回転開始位置から小角度回転終了位置までの往復小角度回転を繰り返し、制御カム36も介在アーム37と共に往復小角度回転を繰り返すことになる。この往復小角度回転の際に第二ローラ10が制御カム36の凹面部36cに押圧を受けて下方向に変位すると、その量に応じてシーソアーム7も変位してロッカアーム1を揺動させるので、それに伴ってバルブ5がサブリフトするようになっている。また、第一回転カム20が第一ローラ9を最大押圧する時は、前に述べた制御カム36の往復小角度回転によるバルブ5のサブリフトに比べてより大きなリフト量を得ることができるメインリフトが発生するようになっている。
【0036】
相対角度制御装置によって介在アーム37に対する制御カム36の相対角度をずらすと、介在アーム37及び制御カム36の小角度回転量は変わらないが、制御カム36の小角度回転開始位置及び小角度回転終了位置も相対角度のずらした量だけずれるので、制御カム36に形成された凹面部36cも同様に小角度回転開始位置及び小角度回転終了位置をずらされる。この作用により第二ローラ10の凹面部36cによる押圧量及び作用角が変わるのでバルブ5のサブリフト量及びサブリフトの作用角を変えることができる。また、バルブ5のメインリフトが発生する際には、第一ローラ9が第一回転カム20により下方向に押圧を受けるので、その反作用としてシーソアーム7の他端に配された第二ローラ10が上方向に力を受ける。そのとき制御カム36が介在アーム37に対してサブリフト量を少なくするように相対角度がずらされていると、第二ローラ10は円筒面部36aに摺接し続けるので、バルブ5のリフトには凹面部36cは関与せず、第一ローラ9の押下量に応じてバルブ5がリフトされる。しかし、サブリフト量を大きくするように介在アーム37と制御カム36の相対角度をずらすと、ずらした量に応じて第二ローラ10は凹面部36cに押圧を受けるようになり上方向に第二ローラ10が逃げるのを規制するので、凹面部36cはバルブ5のリフト量と作用角を増加させるように作用する。即ち、1本のカムシャフト22しか回転させていないにも拘わらず、バルブ5のメインリフト量、サブリフト量及びサブリフトの作用角を連続的に変化させることができる。
【0037】
以上のように構成された可変動弁機構は、次のように作用する。
まず、図4(a)→(b)→図5(a)→(b)は、最大サブリフトが必要な運転状況下における介在アーム37及び制御カム36の相対角度とそれによる作用を示している。
図4(a)に示すように、第一ローラ9に第一回転カム20のベース円20aが摺接し、介在ローラ41に第二回転カム21のベース円21aが摺接しているとき、介在アーム37及び制御カム36は小角度回転開始位置に停滞し、第一ローラ9は最上位置にある。介在アーム37と制御カム36とが最大サブリフトを実現するように相対角度制御されているため、凹面部36cの小角度回転開始位置は最も低い位置に制御され、このとき第二ローラ10に制御カム36の円筒面部36aと凹面部36cとの境界が摺接する。この状態は制御カム36が右回転方向に小角度回転を開始すると、同時に第二ローラ10は凹面部36cによって押下されバルブ5のリフトも始まるようになっている。このとき第一ローラ9と同様に第二ローラ10も最上位置にあるので、シーソアーム7は最上位置にあり、ロッカアーム1も最上位置に停滞しているのでバルブ5のリフト量は0になる。
図4(b)に示すように、第一ローラ9がベース円20aに摺接し続け、介在ローラ41がノーズ漸増部21bを経てノーズ21cに押圧されるようになると、介在ローラ41は第二回転カム21によって最大押圧を受け、介在アーム37及び制御カム36は右回転方向に小角度回転して小角度回転終了位置に達する。このとき凹面部36cが小角度回転したことで第二ローラ10の制御カム36に対する当接位置が円筒面部36aから凹面部36cに移行して、第二ローラ10は凹面部36cにより下方向に押圧を受けてシーソアーム7を押下する。それに伴ってロッカアーム1も揺動してバルブ5のリフト量Lは発生・増加して最大サブリフト量Lsmaxに達する。
図5(a)に示すように、介在ローラ41がノーズ漸減部21dを経てベース円21aに摺接するようになると、介在ローラ41の受ける第二回転カム21による押圧量が減少して、介在アーム37及び制御カム36は左回転方向に小角度回転して小角度回転開始位置に復帰する。このとき第一ローラ9がベース円20aに摺接し、第二ローラ10の制御カム36に対する当接位置は円筒面部36aと凹面部36cとの境界に戻るのでシーソアーム7及びロッカアーム1は図4(a)と同じ位置に復帰し、バルブ5のリフト量は減少し0となる。また、上記のとおり最大サブリフトを実現するように制御されているときのバルブ5のサブリフトは、介在ローラ41の第二回転カム21に対する当接位置がベース円21aからノーズ漸増部21bに切り替わったときからノーズ漸減部21dからベース円21aに切り替わったときまで作用するので作用角は最大となる。
図5(b)に示すように、第一ローラ9がノーズ漸増部20bを経てノーズ20cに摺接するようになると、介在ローラ41はベース円21aに摺接しているので凹面部36cは小角度回転開始位置に停滞しつづけているが、第一ローラ9は最大押下位置に達し、その反作用としてシーソアーム7の他端に配された第二ローラ10が上方向に力を受ける。しかし、最大サブリフトを実現するように制御カム36と介在アーム37との相対角度が制御されているので、第二ローラ10は制御カム36に対する当接位置を凹面部36cの先端方向に移動させ、上方向に逃げるのを規制される。従って、このとき第一ローラ9によるシーソアーム7の押下量を、凹面部36cが第二ローラ10の上昇を規制することで増大させるので、バルブ5のリフト量Lは再び発生・増加して、最大メインリフト量Lmmaxに達する。
【0038】
次に、図6(a)→(b)→図7(a)→(b)は、微小サブリフトが必要な運転状況下における介在アーム37及び制御カム36の相対角度とそれによる作用を示している。
図6(a)に示すように、第一ローラ9にベース円20aが摺接し、介在ローラ41にベース円21aが摺接しているとき、介在アーム37及び制御カム36は小角度回転開始位置に停滞し、第一ローラ9は最上位置にある。介在アーム37と制御カム36とが微小サブリフトを実現するように相対角度制御されているため、凹面部36cの小角度回転開始位置は図4(a)に比べて上方向にずれて、第二ローラ10には円筒面部36aが摺接するようになり、第二ローラ10と凹面部36cとが離れ始める。この状態では、制御カム36が右回転方向に小角度回転を開始しても第二ローラ10が円筒面部36aに摺接している間はバルブ5がリフトしない。即ち、第二ローラ10と凹面部36cの離間量に応じてサブリフトの作用角は小さくなるようになっている。このとき第一ローラ9と同様に第二ローラ10も最上位置にあるのでバルブ5のリフト量は0になる。
図6(b)に示すように、第一ローラ9がベース円20aに摺接し、介在ローラ41がノーズ21cに押圧されるようになると、介在ローラ41は第二回転カム21によって最大押圧を受け、介在アーム37及び制御カム36は小角度回転終了位置に小角度回転する。このとき第二ローラ10の制御カム36に対する当接位置が円筒面部36aから凹面部36cに移行するが、凹面部36cの小角度回転開始位置が最大サブリフト時に比べて左回転方向にずれているため、凹面部36cへの移行量はその分小さくなる。従って、第二ローラ10は小角度回転してきた凹面部36cにより下方向に僅かに押圧を受けてシーソアーム7を微小押下する。それに伴ってロッカアーム1も微小揺動してバルブ5のリフト量Lは発生・増加してサブリフト量Lsに達する。
図7(a)に示すように、介在ローラ41がベース円21aに摺接するようになると、介在ローラ41の受ける第二回転カム21による押圧量が減少して、介在アーム37及び制御カム36は左回転方向に小角度回転して小角度回転開始位置に復帰する。このとき第一ローラ9がベース円20aに摺接し、第二ローラ10の制御カム36に対する当接位置は円筒面部36aに戻るのでシーソアーム7及びロッカアーム1は図6(a)と同じ位置に復帰し、バルブ5のリフト量は減少して0となる。
図7(b)に示すように、第一ローラ9がノーズ20cに摺接するようになると、介在ローラ41はベース円21aに摺接し続けているので凹面部36cは小角度回転開始位置に停滞しつづけているが、第一ローラ9は最大押下位置に達し、その反作用としてシーソアーム7の他端に配された第二ローラ10が上方向に力を受ける。しかし、微小サブリフトを実現するように制御カム36と介在アーム37との相対角度が制御されているので、第二ローラ10は制御カム36に対する当接位置を凹面部36cの基端部寄りに移動させる程度に留まり、上方向に逃げるのを若干規制される。従って、このとき第一ローラ9によるシーソアーム7の押下量を、凹面部36cが第二ローラ10の上昇を若干規制することで微小ながら増大させるので、バルブ5のリフト量Lは再び発生・増加してメインリフト量Lm1に達する。
【0039】
なお、図4・図5と図6・図7との中間的なリフト量・作用角が必要な運転状況下では、図4・図5と図6・図7との中間的な介在アーム37及び制御カム36の相対角度が相対角度制御装置により連続的に又は段階的に作られ、図10に示すように中間的なリフト量・作用角が連続的に又は段階的に得られる。
【0040】
次に、図8(a)→(b)→図9(a)→(b)は、サブリフト休止が必要な運転状況下における介在アーム37及び制御カム36の相対角度とそれによる作用を示している。
図8(a)に示すように、第一ローラ9にベース円20aが摺接し、介在ローラ41にベース円21aが摺接しているとき、介在アーム37及び制御カム36は小角度回転開始位置に停滞し、第一ローラ9は最上位置にある。介在アーム37と制御カム36とがサブリフト休止を実現するように相対角度制御されているため、凹面部36cの小角度回転開始位置が図6(a)に比べて更に上方向にずれるので、第二ローラ10には円筒面部36aが摺接し、第二ローラ10と凹面部36cの距離は最大となる。このとき第一ローラ9と同様に第二ローラ10も最上位置にあるのでバルブ5のリフト量は0になる。
図8(b)に示すように、第一ローラ9がベース円20aに摺接し、介在ローラ41がノーズ21cに押圧されるようになると、介在ローラ41は第二回転カム21によって最大押圧を受け、介在アーム37及び制御カム36は小角度回転終了位置に小角度回転する。しかし、凹面部36cの小角度回転開始位置が微小サブリフト時よりも更に左回転方向にずれているため、第二ローラ10の制御カム36に対する当接位置は円筒面部36aから凹面部36cに近づくものの、凹面部36cには到達せず円筒面部36aに留まる。従って、第二ローラ10及び第一ローラ9は共に最上位置から移動しないためバルブ5のサブリフト量Lは0となり、サブリフトの作用角も0となる。
図9(a)に示すように、介在ローラ41がベース円21aに摺接するようになると、介在ローラ41の受ける第二回転カム21による押圧量が減少して、介在アーム37及び制御カム36は左回転方向に小角度回転して小角度回転開始位置に復帰する。このとき第一ローラ9がベース円20aに摺接し、第二ローラ10の制御カム36に対する当接位置は円筒面部36aから変化しないのでシーソアーム7及びロッカアーム1は共に変位せず、バルブ5のリフト量は0を維持する。
図9(b)に示すように、第一ローラ9がノーズ20cに摺接するようになると、介在ローラ41はベース円21aに摺接しているので凹面部36cは小角度回転開始位置に停滞しつづけているが、第一ローラ9は最大押下位置に達し、その反作用としてシーソアーム7の他端に配された第二ローラ10が上方向に力を受ける。しかし、サブリフト休止を実現するように制御カム36と介在アーム37との相対角度が制御されているので、第二ローラ10は制御カム36に対する当接位置を円筒面部36aから凹面部36cの方向へ移動するが凹面部36cには至らず円筒面部36aに留まる。従って、このとき第二ローラ10が凹面部36cによる上昇規制を受けないので、第二ローラ10の押下量は図7(b)よりも小さくなり、バルブ5のリフト量Lは発生・増加してLm1より少ないメインリフト量Lm2に達する。
【0041】
次に、本発明を実施した可変動弁機構の第二実施形態例について、図11〜図20を参照して第一実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図11は第一実施形態の可変動弁機構に凹面を凹設した制御カム36を使用したものである。
【0042】
本実施形態の制御カム36の外周面は円筒面部36aとその一部に凹面部36eが凹設され、円筒面部36aと凹面部36eとの境界の一部は滑らかな曲面を備えた境界部36dとなっている。制御カム36が小角度回転したとき、制御カム36の第二ローラ10に対する当接位置は円筒面部36aから境界部36dを経て凹面部36eへと滑らかに移動可能で、逆方向にも滑らかに移動できるようになっている。円筒面部36aは第二ローラ10を押圧するように働くが、凹面部36eはむしろ第二ローラ10を進入させて逃がすように働くのでバルブ5のリフト量を減ずる方向に作用する。
【0043】
第一回転カム23はベース円23aとサブノーズ24とサブノーズ24に続くメインノーズ25とが形成され、サブノーズ24はノーズ漸増部24bと、ノーズ24cと、ノーズ漸減部24dとからなり、メインノーズ25はノーズ漸増部25bと、ノーズ25cと、ノーズ漸減部25dとからなっている。
【0044】
第二回転カム26は、制御カム36の小角度回転量を第一実施形態よりも増大させるために突出量の大きなものとなり、突出量が漸増するノーズ漸増部26bと、ノーズ26cと、突出量が漸減するノーズ漸減部26dとからなっている。
【0045】
第二回転カム26のノーズの突出量増大に伴って、該ノーズが介在アーム37に干渉しないように、介在アーム37の上面には第二回転カム26の当接を逃がして干渉を防ぐ逃がし溝42が形成されている。従って、介在アーム37と制御カム36とは両方共に内部の相対角度制御装置に影響しないように逃がし溝42と凹面部36eが形成されるため、図12に示すように第一実施形態よりも軸方向が長めに形成されている。
【0046】
上記の構成により、第一実施形態では制御カム36の突出部36bに形成された凹面部36cに第二ローラ10が押圧を受けてバルブ5のリフト量を増大させる方向に作用したが、本実施形態では制御カム36に凹設された凹面部36eが第二ローラ10を進入させて逃がすように働きバルブ5のリフト量を減少させる方向に作用する。従って、本実施形態では第一回転カム23によるバルブ5のリフト量増大作用と第二回転カム26によるバルブ5のリフト量減少作用とによりバルブ5のリフト量が増減するようになっている。また、バルブ5のサブリフトとメインリフトは第一回転カム23のサブノーズ24がサブリフトを、メインノーズ25がメインリフトをそれぞれ発生するようになっている。
【0047】
相対角度制御装置により制御カム36が介在アーム37に対して相対角度制御を受けると、第一実施形態では制御カム36に突設された凹面部36cの小角度回転開始位置が変化したが、本実施形態では凹面部36eの小角度回転開始位置が変化して、第二ローラ10の押圧量が変えられるようになっている。
【0048】
以上のように構成された可変動弁機構は、次のように作用する。
まず、図13(a)→(b)→図14(a)→(b)→図15(a)→(b)→は、最大リフトが必要な運転状況下における介在アーム37及び制御カム36の相対角度とそれによる作用を示している。
図13(a)に示すように、介在ローラ41に第二回転カム26のベース円26aが摺接しているとき、制御カム36は小角度回転開始位置に停滞しており、最大サブリフトを実現するように介在アーム37と制御カム36の相対角度が制御されているため、凹面部36eの小角度回転開始位置は最も高い位置に制御されており、第二ローラ10は円筒面部36aが摺接し最大押下位置にある。しかし、第一ローラ9はベース円23aに摺接して最上位置にあるためバルブ5のリフト量は0となる。
図13(b)に示すように、介在ローラ41はベース円26aに摺接しているが、第一ローラ9がノーズ漸増部24bを経てノーズ24cに押圧を受けるようになると、第二ローラ10は円筒面部36aに摺接しつづけて変位していないが、第一ローラ9がノーズ24cにより押下されてロッカアーム1を押下する。このときバルブ5のリフト量Lは発生・増加して最大サブリフト量Lsmaxに達する。
図14(a)に示すように、介在ローラ41はベース円26aに摺接しているが、第一ローラ9がノーズ漸減部24dとノーズ漸増部25bとの間のベース円23aに摺接するようになると、第一ローラ9は最上位置に復帰し、それに伴ってロッカアーム1も最上位置に復帰するので、バルブ5のリフト量Lは減少して0となる。従って、最大サブリフトを実現するように制御されているときのバルブ5は、第一ローラ9がノーズ漸増部24bに摺接し始めたときからベース円23aに摺接し始めるときまでサブリフトしているので、サブリフトの作用角も最大となる。
図14(b)に示すように、第一ローラ9がノーズ漸増部25bの後半部又はノーズ25cの前半部にて押圧を受けるようになると、第一ローラ9は再び押下され始める。そのとき、介在ローラ41はノーズ漸増部26bによる押圧を受け、介在アーム37と制御カム36は右回転方向に小角度回転を開始して、境界部36dが第二ローラ10に摺接するようになり、第二ローラ10は上昇を開始する。このときバルブ5のリフト量Lは発生・増加して最大リフト量Lmaxに達する。
図15(a)に示すように、第一ローラ9がノーズ25cの後半部にて押圧を受けるようになると、介在ローラ41はノーズ26cにより最大押圧を受け、介在アーム37と制御カム36とは小角度回転終了位置まで小角度回転して停滞する。そのとき制御カム36は第二ローラ10を凹面部36eに進入させて逃がすように働くので、第一ローラ9が最大押下位置に達しているにもかかわらず、第二ローラ10が大きく上昇するのでバルブ5のリフト量Lは減少して0となる。
図15(b)に示すように、第一ローラ9がベース円23aに摺接し、介在ローラ41がノーズ漸減部26dを経てベース円26aに摺接するようになると、第一ローラ9は最上位置に復帰し、介在アーム37及び制御カム36は小角度回転開始位置に復帰する。このときの制御カム36の小角度回転に伴って、第二ローラ10は制御カム36に対する当接位置を凹面部36eから境界部36dを経て円筒面部36aに移行する。その際に第二ローラ10が円筒面部36aに摺接して最大押下位置に達するが、第一ローラ9が先にノーズ漸減部25dに摺接し始めるのでバルブ5のリフト量Lは0を維持する。
次に、図16(a)→(b)→図17(a)→(b)は、微小サブリフト量が必要な運転状況下における介在アーム37及び制御カム36の相対角度とそれによる作用を示している。
図16(a)に示すように、介在ローラ41にベース円26aが摺接しているとき、制御カム36は小角度回転開始位置に停滞しており、微小サブリフトを実現するように介在アーム37と制御カム36との相対角度が制御されているため、境界部36d及び凹面部36eの小角度回転開始位置は最も低い位置付近に制御されており、第二ローラ10は境界部36dに近接(後述する第三実施形態では摺接)する。しかし、第一ローラ9はベース円23aに摺接して最上位置にあるためバルブ5のリフト量Lは0となる。
図16(b)に示すように、介在ローラ41はベース円26aに摺接しているが、第一ローラ9がノーズ漸増部24bを経てノーズ24cに押圧を受けるようになると、第二ローラ10は上昇して境界部36dに当接し、シーソアーム7は微小押下を受ける。このときロッカアーム1も微小揺動を受けるのでバルブ5のリフト量Lは発生・増加してサブリフト量Lsに達する。
図17(a)に示すように、介在ローラ41はベース円26aに摺接しているが、第一ローラ9がノーズ漸減部24dとノーズ漸増部25bとの間のベース円23aに摺接するようになると、第一ローラ9は最上位置に復帰し、それに伴ってロッカアーム1も最上位置に復帰するので、バルブ5のリフト量Lは減少して0となる。従って、微小サブリフトを実現するように制御されているときのバルブ5は、第一ローラ9がノーズ漸増部24bに摺接し始めてもすぐにはリフトせず、第二ローラ10が制御カム36に当接してからリフトが始まり第二ローラ10が制御カム36から離間し始めるときまでリフトしているので、サブリフトの作用角は微小となる。
図17(b)に示すように、第一ローラ9がノーズ漸増部25bに押圧を受けるようになると、第一ローラ9は再び押下され始める。そのとき、介在ローラ41はノーズ漸増部26bによる押圧を受け、介在アーム37と制御カム36とは右回転方向に小角度回転を開始する。それにより制御カム36は第二ローラ10を境界部36d又は凹面部36eに進入させて逃がすように働くのでバルブ5のリフト量を減ずる方向に作用し始める。このときバルブ5のリフト量Lは発生・増加してメインリフト量Lmに達する。
【0049】
なお、図13・図14・図15と図16・図17との中間的なリフト量・作用角が必要な運転状況下では、図13・図14・図15と図16・図17との中間的な介在アーム37及び制御カム36の相対角度が相対角度制御装置により連続的に又は段階的に作られ、図20に示すように中間的なリフト量・作用角が連続的に又は段階的に得られる。
次に、図18(a)→(b)→図19(a)→(b)は、サブリフト休止が必要な運転状況下における介在アーム37及び制御カム36の相対角度とそれによる作用を示している。
図18(a)に示すように、介在ローラ41にベース円26aが摺接しているとき、制御カム36は小角度回転開始位置に停滞しており、微小サブリフトを実現するように介在アーム37と制御カム36との相対角度が制御されているため、境界部36d及び凹面部36eの小角度回転開始位置は最も低い位置に制御されており、第二ローラ10には凹面部36eが配向(後述する第三実施形態では摺接)する。しかし、第一ローラ9はベース円23aに摺接して最上位置にあるためバルブ5のリフト量Lは0となる。
図18(b)に示すように、介在ローラ41はベース円26aに摺接しているが、第一ローラ9がノーズ漸増部24bを経てノーズ24cに押圧を受けるようになると、シーソアーム7が揺動して第二ローラ10は上方向に変位しようとする。しかし、第二ローラ10には凹面部36eが配向しており、制御カム36は第二ローラ10を凹面部36eに進入させて逃がすように働いてシーソアーム7は揺動する。このとき、ノーズ24cによる第一ローラ9の押圧は、シーソアーム7を揺動させるが第二ローラ10が凹面部36eに当接するほどの揺動量ではないため、シーソアーム7は押下されない。このときロッカアーム1も変位しないのでバルブ5はサブリフト休止となる。
図19(a)に示すように、介在ローラ41はベース円26aに摺接しているが、第一ローラ9がノーズ漸減部24dとノーズ漸増部25bとの間のベース円23aに摺接するようになると、第一ローラ9は最上位置に復帰し、それに伴ってロッカアーム1も最上位置に復帰するので、バルブ5のリフト量Lは減少して0となる。従って、このときバルブ5はサブリフトを発生しなくなるのでサブリフトの作用角も0となる。
図19(b)に示すように、第一ローラ9がノーズ漸増部25b又はノーズ25cにより押圧を受けるようになると、第一ローラ9は再び押下され始める。しかし小角度回転開始位置にある凹面部36eが既に第二ローラ10に配向しており、更にノーズ漸増部26bが介在ローラ41を押圧して凹面部36eを右回転方向に小角度回転させ始めるので、制御カム36は第二ローラ10を凹面部36eに深く進入させる。従って、第一回転カム23が第一ローラ9を押下するが、小角度回転してくる凹面部36eに第二ローラ10が進入してシーソアーム7を十分揺動させてしまうので、シーソアーム7は下方向に変位せず、バルブ5のメインリフト量Lは0となリ、メインリフトも休止となる。
【0050】
次に、本発明を実施した可変動弁機構の第三実施形態例について、図21を参照して第二実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図21は第二実施形態の可変動弁機構にアジャスタとしてメカニカルアジャスタ50を追加したものである。
【0051】
メカニカルアジャスタ50は、互いに開口側を対峙させて当接及び離間可能に側周壁が内外に係合したカップ状の内側部材51及びシリンダヘッド52に形成された有底孔53と、内側部材51のカップ内底面と有底孔53の内底面との間に圧縮状態で設置されて有底孔53から内側部材51を離間方向に付勢するロストモーションスプリング54としてのコイルスプリングとからなり、内側部材51はシリンダヘッド52の有底孔53の内側にガイドされて摺動するようになっている。
【0052】
第二実施形態では前記の通りローラ・カム間に隙間ができるときがあるが、本実施形態ではメカニカルアジャスタ50を追加したことにより、図21のようにロストモーションスプリング54が内側部材51及び有底孔53を離間させてピボット3を上昇させるので各部に隙間ができるのを防止し、ひいてはロッカアーム1の落下を防止する。
【0053】
なお、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば次のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で変更して具体化することもできる。
(1)相対角度制御装置の構成や制御の仕方を適宜変更すること。
(2)中央部に揺動中心部のあるロッカアームとすること。
(3)制御カムの形状を適宜変更すること。
(4)第二回転カムをサブノーズとメインノーズとを形成したものに変更すること。
【0054】
【発明の効果】
本発明の可変動弁機構は、上記の通り構成されているので、従来の駆動系を大きく変えることなく、1本のカムシャフトを回転させて、バルブのメインリフト量、サブリフト量及びサブリフトの作用角を連続的又は段階的に変化させることができるようにしたことで内部EGRが最適制御可能になり、燃費も向上するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る可変動弁機構を示す斜視図である。
【図2】図1の角度を変えて描写した斜視図である。
【図3】同機構における相対角度制御装置の主要部を示す断面図である。
【図4】最大リフト量・作用角が必要なときの同機構の作用を示す断面図である。
【図5】図3に続いて作用を示す断面図である。
【図6】微小リフト量・作用角が必要なときの同機構の作用を示す断面図である。
【図7】図7に続いて作用を示す断面図である。
【図8】リフト休止が必要なときの同機構の作用を示す断面図である。
【図9】図8に続いて作用を示す断面図である。
【図10】同機構により得られるバルブのリフト量及び作用角を示すグラフである。
【図11】本発明の第二実施形態に係る可変動弁機構を示す斜視図である。
【図12】同機構における相対角度制御装置の主要部を示す断面図である。
【図13】最大サブリフト量・作用角が必要なときの同機構の作用を示す断面図である。
【図14】図13に続いて作用を示す断面図である。
【図15】図14に続いて作用を示す断面図である。
【図16】微小サブリフト量・作用角が必要なときの同機構の作用を示す断面図である。
【図17】図16に続いて作用を示す断面図である。
【図18】サブリフト休止が必要なときの同機構の作用を示す断面図である。
【図19】図18に続いて作用を示す断面図である。
【図20】同機構により得られるバルブのリフト量及び作用角を示すグラフである。
【図21】本発明の第三実施形態に係る可変動弁機構を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ロッカアーム
5 バルブ
7 シーソアーム
9 第一摺接部としての第一ローラ
10 第二摺接部としての第二ローラ
20 第一回転カム
21 第二回転カム
22 カムシャフト
24 サブノーズ
25 メインノーズ
30 支持シャフト
32 コントロールシャフト
33 コネクトピン
34 スライダ
36 介在部材としての制御カム
36b 突出部
36e 凹面部
37 介在部材としての介在アーム
41 介在摺接部としての介在ローラ

Claims (7)

  1. ロッカアームのカム対応部にシーソアームをその中央部において揺動可能に軸着し、
    前記シーソアームの一端部及び他端部にそれぞれ第一摺接部及び第二摺接部を設け、
    前記第一摺接部の上方に第一摺接部を押圧する第一回転カムとその隣に位置する第二回転カムとを形成した1本のカムシャフトを回転可能に軸支し、
    前記第二摺接部の上方に第二回転カムと関わり合って第二摺接部に作用する介在部材を変位可能に設け、
    前記第一回転カムと第二回転カムと介在部材とのうち少なくともいずれか一つがバルブのサブリフトとサブリフトに続くメインリフトとを発生するように形成され、
    前記介在部材による第二摺接部の作用量を内燃機関の運転状況に応じ連続的に又は段階的に変える相対角度制御装置を設けたことで、バルブのメインリフト量、及びサブリフト量を変化させる可変動弁機構。
  2. 前記介在部材が、シーソアームの第二摺接部を押圧する突出部を突設した制御カムと、前記第二回転カムにより押圧される介在摺接部を備えた介在アームとを、相対角度変化可能に結合するとともに1本の支持シャフトに小角度回転可能に軸着したものである請求項1記載の可変動弁機構。
  3. 前記介在部材が、シーソアームの第二摺接部を進入させて逃がすように働く凹面が凹設された制御カムと、前記第二回転カムにより押圧される介在摺接部を備えた介在アームとを、相対角度変化可能に結合するとともに1本の支持シャフトに小角度回転可能に軸着したものである請求項1記載の可変動弁機構。
  4. 第一回転カムが第一摺接部を押圧してバルブをリフトするタイミングと異なるタイミングで第二回転カムが介在部材を介してバルブをリフトさせるように第一回転カムと第二回転カムと介在部材とが形成された請求項1又は2記載の可変動弁機構。
  5. 第一回転カムと第二回転カムとは少なくともいずれか一方がサブノーズとサブノーズに続くメインノーズとを形成されたものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の可変動弁機構。
  6. 前記介在摺接部が、前記介在アームに回転可能に軸着されたローラである請求項2〜5のいずれか一項に記載の可変動弁機構。
  7. 前記第一摺接部又は第二摺接部の少なくともいずれか一つは、前記シーソアームに回転可能に軸着されたローラである請求項1〜6のいずれか一項に記載の可変動弁機構。
JP2001180090A 2001-06-14 2001-06-14 可変動弁機構 Expired - Fee Related JP4046487B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001180090A JP4046487B2 (ja) 2001-06-14 2001-06-14 可変動弁機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001180090A JP4046487B2 (ja) 2001-06-14 2001-06-14 可変動弁機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002371817A JP2002371817A (ja) 2002-12-26
JP4046487B2 true JP4046487B2 (ja) 2008-02-13

Family

ID=19020559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001180090A Expired - Fee Related JP4046487B2 (ja) 2001-06-14 2001-06-14 可変動弁機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4046487B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008506878A (ja) 2004-07-17 2008-03-06 マーレ ヴェンティルトリープ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 弁、特に内燃機関のガス交換弁に用いられる制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002371817A (ja) 2002-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7469669B2 (en) Variable valve train mechanism of internal combustion engine
JP4108295B2 (ja) 可変動弁機構
CN100417788C (zh) 可变气门传动装置
JP2005299536A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP4362249B2 (ja) 可変動弁機構
US7305946B2 (en) Variable valve operating apparatus for internal combustion engine
JP3995913B2 (ja) 可変動弁機構
CA2537162A1 (en) Valve mechanism for an internal combustion engine
JP4063622B2 (ja) 可変動弁機構
JP4025590B2 (ja) 可変動弁機構
JP4084542B2 (ja) 可変動弁機構
JP4108293B2 (ja) 可変動弁機構
JP4046487B2 (ja) 可変動弁機構
JP2007146733A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP4268094B2 (ja) 可変動弁機構
JP4084671B2 (ja) 可変動弁機構
JP3330640B2 (ja) エンジンのバルブタイミング可変装置
JP2006070738A (ja) 可変動弁装置
JP2000337115A (ja) 内燃機関の動弁装置
JP4010855B2 (ja) 可変動弁機構
JP2008025441A (ja) 可変動弁機構
JP4063623B2 (ja) 可変動弁機構
JP4507997B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP4063587B2 (ja) 可変動弁機構
JP4128086B2 (ja) 可変動弁機構

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050527

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071018

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071120

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4046487

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121130

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131130

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees