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JP4044702B2 - 硫化水素又は硫化物イオンの定量法及びそれを利用した特定物質の定量法 - Google Patents

硫化水素又は硫化物イオンの定量法及びそれを利用した特定物質の定量法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料中の硫化水素あるいは硫化物イオンの定量法、及び試料中の特定物質から硫化水素を発生させ、その硫化水素あるいはそれに由来する硫化物イオンを前記定量法により測定して該特定物質を簡便かつ高感度に定量する方法に関する。さらに詳しくは、本発明は試料中の硫化水素あるいは硫化物イオンを測定する方法において、金属イオンとその金属指示薬の発色反応を阻害もしくは促進する割合を検出する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
硫黄は、自然界で重要な役割を担う元素の1つである。特に含硫アミノ酸であるシステインやメチオニンの構成成分としての役割は大きい。また、植物と動物の間で大きな硫黄循環がなされていることも知られている。植物では硫黄を硫酸イオンの形で取り込み、硫化物イオンまで還元した後、システイン合成が行われ、さらにメチオニン合成へと続く。動物では食物連鎖によりメチオニンを食物から摂取し、生体内でシステインに代謝される。最近、この代謝過程で中間体として生成されるホモシステインが、心筋梗塞あるいは脳梗塞などの血栓塞栓症あるいは動脈硬化症において、独立したリスクファクターとして注目されている。またシステインは、メチオニンの代謝により生成するアミノ酸であることから、ホモシステイン代謝異常の原因把握の補助的な指標とも成り得る。
【0003】
このホモシステイン又はシステインに作用する酵素は数多く知られているが、その中で分解作用又は置換作用を有し、硫化水素を生成する作用をもつ酵素群を利用して生成された硫化水素を測定することにより、ホモシステイン又はシステインの測定が可能となる。
【0004】
一方、硫化水素又はそれに由来する硫化物イオンは、大気汚染や河川の水質汚染など環境汚染の指標としても重要なものであり、それらの試料中の硫化水素又はそれに由来する硫化物イオンを測定することで汚染状況を確認できる。
【0005】
硫化水素又はそれに由来する硫化物イオンの測定は、例えば、発色検出として、2,2’−ジピリジルジスルファイド(Svenson, Anal. Biochem.,107;51−55(1980))やニトロプルシッドナトリウムを用いる方法、強酸性下で、N,N−ジメチル−P−フェニレンジアミンと塩化第二鉄を用いてメチレンブルーを生成させ青色発色を検出する方法(メチレンブルー法)、セレニウムを触媒として色素(トルジンブルーやメチレンブルー)の退色量及び速度を測定する方法(Mousavi等,Bull. Chem. Soc. Jpn,65;2770−2772(1992)、Gokmen等,Analyst,119;703−708(1994))などが知られている。しかしながら、いずれの場合も簡便性や感度面で充分な方法とは言い難かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、より簡便で高感度な硫化水素あるいは硫化物イオンの定量法を提供することにある。さらに、試料中の特定物質から硫化水素を発生させ、その硫化水素あるいはそれに由来する硫化物イオンを前記定量法により測定して該特定物質を簡便で高感度に定量する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ね、硫化水素もしくは硫化物イオンが、金属イオンと金属指示薬の発色反応を阻害もしくは促進する作用を見出した。さらにこの作用を利用することにより、試料中の硫化水素もしくは硫化物イオンを高感度に測定できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の第1は、硫化水素又は硫化物イオンを含有する試料に、金属イオン又は該金属イオンを遊離する化合物と、該金属イオンと反応して発色すると共に、その発色反応が前記硫化水素又は硫化物イオンによって阻害もしくは促進される金属指示薬とを添加し、該金属指示薬による発色強度を測定することを特徴とする硫化水素又は硫化物イオンの定量法である。
【0009】
本発明の第2は、特定物質を含む試料中に、該特定物質に作用して硫化水素あるいは硫化物イオンを発生させる成分と、金属イオン又は該金属イオンを遊離する化合物と、該金属イオンと反応して発色すると共に、その発色反応が前記硫化水素又は硫化物イオンによって阻害もしくは促進される金属指示薬とを添加し、該金属指示薬による発色強度を測定することを特徴とする特定物質の定量法である。
【0010】
本発明の好ましい態様によれば、硫化水素もしくは硫化物イオンが金属指示薬の発色反応を阻害する金属イオンとしては亜鉛イオン、発色反応を促進する金属イオンとしては鉄イオンが用いられ、上記金属指示薬としては、亜鉛イオンの場合、ピリジルアゾ化合物又はジンコンが用いられ、鉄イオンの場合はピリジルアゾ化合物又はニトロソアミノフェノール化合物が用いられる。また、上記特定物質としては含硫アミノ酸であるホモシステイン及びシステインが挙げられ、ホモシステインに作用して硫化水素を生成させる酵素としてはL−メチオニンγ−リアーゼ及びο−アセチルホモセリン−リアーゼ、システインに作用する酵素としてはο−アセチルセリン−リアーゼ、β−シアノアラニンシンターゼ及びシステインリアーゼが挙げられる。
【0011】
本発明によれば、硫化物イオンによる金属イオンと金属指示薬との錯体形成の促進又は阻害反応を利用することにより、簡便かつ感度よく硫化水素又は硫化物イオンを測定することができる。さらに、ホモシステインやシステインなどの含硫アミノ酸に反応して硫化水素を生成する作用を有する酵素を用いて生成した硫化水素を、上記反応を利用して測定することにより、ホモシステイン及びシステインを測定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の硫化水素又は硫化物イオンの定量法は、金属イオンと金属指示薬が錯体形成する発色反応において、予め試料中に存在する硫化物イオンと金属イオンとを接触させて硫化金属を生成させる工程と、次いで生成した硫化金属と金属指示薬とが錯体形成を起こさない性質を利用して、硫化物イオンが存在しない場合での錯体生成量から減少した錯体量を算出する工程を含むことを特徴とする硫化水素もしくは硫化物イオンの測定法である。また、金属イオンと金属指示薬の錯体形成反応が起こらないか、もしくは起こらない条件下とした場合において、試料中に存在する硫化物イオンが、金属イオンと金属指示薬の錯体形成反応を促進させる性質を利用して、生成した錯体量を算出することを特徴とする硫化水素もしくは硫化物イオンの測定方法である。さらに、試料中のホモシステインやシステインなどの含硫アミノ酸から硫化水素を発生させ、その硫化水素由来の硫化物イオンを前記測定法により定量するホモシステイン及びシステインの測定方法である。
【0013】
本発明において、金属イオンは硫化物イオンによって金属イオンと金属指示薬の発色反応を阻害もしくは促進する物であれば特に制限されないが、好ましくは、金属イオンと金属指示薬の発色反応を阻害するものとして亜鉛イオン、また発色反応を促進するものとして2価又は3価の鉄イオンが使用される。具体的には、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩などが使用されるが、水溶液に溶解して遊離の金属イオンを生成するものであれば特に制限されない。
【0014】
本発明で用いられる金属指示薬としては、硫化物イオンによって上記金属イオンとの発色反応を阻害もしくは促進される物であれば特に制限されないが、好ましくは、その錯体形成時の発色感度が高いもの、例えばピリジルアゾ化合物やニトロソアミノフェノール化合物などが利用される。さらに好適なものとして、ピリジルアゾ化合物では、2−(5−ブロモ−2−ピリジルアゾ)−5−[N−N−プロピル−N−(3−スルフォプロピル)アミノ]フェノール・ナトリウム塩(商品名:5Br・PAPS、以下、5Br・PAPSと略記する)や2−(5−ニトロ−2−ピリジルアゾ)−5−[N−N−プロピル−N−(3−スルフォプロピル)アミノ]フェノール・ナトリウム塩(商品名:Nitro・PAPS)が、ニトロソアミノフェノール化合物では、2−ニトロソ−5−[N−N−プロピル−N−(3−スルフォプロピル)アミノ]フェノール(商品名:Nitroso・PSAP)や2−ニトロソ−5−[N−エチル−N−(3−スルフォプロピル)アミノ]フェノール(商品名:Nitroso・ESAP)が挙げられる。これらは、水溶性であり、亜鉛イオン、銅イオン、コバルトイオン、鉄イオンなどと錯体形成より高感度に発色する性質を有する。これら金属指示薬は様々な特徴を持ったものが市販されており、例えば(株)同仁化学研究所より入手できる。
【0015】
本発明における特定物質とは、酵素反応などによって硫化水素が生成されるものであればいずれでもよく、好ましくはホモシステインやシステインなどが挙げられる。特定物質をホモシステインとした場合、特定物質から硫化水素を発生させる成分としては、ホモシステインに作用して硫化水素を生成する作用を有する酵素であれば特に限定はされないが、例えば、L−メチオニンγ−リアーゼやο−アセチルホモセリン−リアーゼなどが挙げられる。
【0016】
このうち、L−メチオニンγ−リアーゼは、チオール化合物非存在下ではホモシステインに対して分解(脱離)作用を示して硫化水素を発生するが、チオール化合物存在下ではγ−置換反応を触媒する作用を有する酵素として知られている。この酵素は、それを産生する微生物、例えばシュードモナス属の細菌から得ることができるが、市販されているものもあり、例えば和光純薬株式会社等から入手することができる。
【0017】
また、ο−アセチルホモセリン−リアーゼは、アミノ酸合成作用(例えば、ο−アセチルホモセリンと硫化水素からはホモシステインが、メタンチオールからはメチオニンが生成する作用)を有する酵素として知られている。本発明者らは、ο−アセチルホモセリン−リアーゼをチオール化合物存在下でホモシステインに作用させると、γ−置換反応により硫化水素を生成する触媒作用を新たに見出した(特願平10−347003号)。ο−アセチルホモセリン−リアーゼは、それを産生する様々な微生物(例えば、Ozaki等,J. Biochem91;1163−1171(1982)、Yamagata,J. Biochem96;1511−1523(1984)、Brzywczy等,Acta. Biochimica. Polonica40(3);421−428(1993))等より得ることができるが、市販されているものもあり、例えばユニチカ株式会社等から入手できる。
【0018】
これらの酵素は、ホモシステインに強く反応するとともに、システインにも若干作用して硫化水素を生成する作用を有する。
【0019】
また、特定物質をシステインとした場合、特定物質から硫化水素を発生させる成分としては、システインに作用して硫化水素を生成する作用を有する酵素であれば特に限定はされないが、例えば、ο−アセチルセリン−リアーゼ、β−シアノアラニンシンターゼやシステインリアーゼなどが挙げられる。
【0020】
ο−アセチルセリン−リアーゼは、システイン合成作用(ο−アセチルセリンと硫化水素からシステインを生成する作用)を有する酵素として知られている。本発明者らは、ο−アセチルセリン−リアーゼをチオール化合物存在下でシステインに作用させると、β−置換反応により硫化水素を生成する触媒作用を新たに見出した(特願平11−84035号公報)。この作用はシステインに特異的である。ο−アセチルセリン−リアーゼは、それを産生する微生物(例えば、Burnell等, Biochim. Biophys. Acta481;246−265(1977)、Nagasaw等, Methods Enzymol 143;474−478(1987))や植物(例えば、Droux等, Arch.. Biochem. Biophys.295(2);379−390(1992)、Yamaguchi等, Biochim. Biophys. Acta1251;91−98(1995))等より得ることができる。
【0021】
β−シアノアラニンシンターゼは、シアン存在下でシステインに作用させるとβ置換反応により硫化水素を生成する触媒作用を示し、また、システインリアーゼは、亜硫酸イオン存在下で、システインに作用させるとβ置換反応により硫化水素を生成する触媒作用を有することが知られている。
【0022】
本発明の硫化水素もしくは硫化物イオンの測定方法における反応を式で示すと下記化学式1及び化学式2のように表すことができる。
【0023】
【化1】
Figure 0004044702
【0024】
上記化学式1において、反応Aは硫化物イオン非存在下において、金属イオン(例えば、亜鉛イオン)と金属指示薬(例えば、ピリジルアゾ化合物)は速やかに錯体を形成し発色することを示す。
【0025】
そして、反応Bは金属イオン(例えば、亜鉛イオン)と硫化物イオンを予め接触させて硫化金属(例えば、硫化亜鉛)を生成させることにより、生成した化合物(硫化亜鉛)が金属指示薬と錯体形成できなくなり、その分の発色値が減少することを示す。したがって、その発色値の減少分を算出することにより、硫化水素もしくは硫化物イオンを測定することができる。
【0026】
すなわち上記化学式1においては、硫化物イオンと反応して安定な硫化金属を形成する金属イオンと、該金属イオンと速やかに錯体形成する金属指示薬の組合せを選択することが重要である。このような金属イオンと金属指示薬の組合せとして、例えば亜鉛イオンとピリジルアゾ化合物が挙げられる。
以下、上記化学式1の原理を用いた測定方法を発色阻害法という。
【0027】
【化2】
Figure 0004044702
【0028】
上記化学式2において、反応Cは、例えば予め中性〜弱アルカリ性(pH7.0〜9.0)の適当な緩衝液中に、金属イオン(例えば、鉄イオン)と金属指示薬(例えば、ピリジルアゾ化合物又はニトロソアミノフェノール化合物)を共存させることなどにより、該金属イオンと金属指示薬との錯体形成が阻害されて発色が起こらない状態を示す。
【0029】
そして、反応Dは、そのような条件下で硫化物イオンを添加共存させると、その錯体形成が硫化物イオン濃度に応じて促進され、その分の発色値が増加することを示す。したがって、その発色値の増加量分を算出することにより、硫化水素もしくは硫化物イオンを測定することができる。
【0030】
すなわち、上記化学式2においては、金属イオンと金属指示薬が錯体形成しにくい条件にすることが重要である。このような金属イオンと金属指示薬の組合せとして、例えば鉄イオンとピリジルアゾ化合物又はニトロソアミノフェノール化合物が挙げられる。以下、上記式2の原理を用いた測定方法を発色促進法という。
【0031】
上記発色促進法の反応機序を鉄イオンとピリジルアゾ化合物の組合せにて推察すると、次のように考えることができる。
【0032】
鉄イオンは、水溶液中でアクア錯体やヒドロキソ錯体など様々な形で存在し、それはpH条件などの要因により大きく影響されることが知られている。また、高アルカリ条件下では水酸化物として沈殿形成も行われる。本測定系における鉄イオンとピリジルアゾ化合物の組合せでは、2価及び3価の鉄イオンを予め中性から弱アルカリ性(pH7.0〜9.0)の適当な緩衝液中に共存させることで、溶液中で鉄イオン自体が錯体形成することにより金属指示薬(ピリジルアゾ化合物)との反応が阻害されると考えられる。特に2価の鉄イオンの場合、上記条件下では錯体形成のほかに酸素による酸化を受けやすく、その結果3価の鉄イオンとして存在しているものと考えられる。そして、この状態の鉄イオンに硫化物イオンが添加共存されると、硫化物イオンの還元力により3価の鉄イオンが2価の鉄イオンに還元されてピリジルアゾ化合物と反応可能な状態となり、発色が認められるものと考えられる。また、金属指示薬によっては3価の鉄イオンと錯体形成しにくいものもあり、この場合には上述したpH範囲外でもこの促進反応原理を適用することができると考えられる。
【0033】
すなわち、本発明の発色促進法は、まず硫化物イオンにより還元を受けて金属指示薬と反応可能になる、又は反応する金属イオンを、例えば共存させる溶液を適当な条件とすることで金属指示薬と反応しない状態にする。そして、硫化物イオンを添加共存させることによって、その反応しない状態から再び反応可能な状態にして金属指示薬と反応させる方法である。
【0034】
したがって、本発明の発色促進法は上述したような金属イオンと適当な金属指示薬を組合わせることにより達成されると考えられる。
【0035】
また、本発明の特定物質をホモシステイン及びシステインとした場合の測定方法における反応を式で示すと下記化学式3のように表すことができる。
【0036】
【化3】
Figure 0004044702
【0037】
上記化学式3において、反応Eは、ホモシステインに作用して硫化水素を生成する作用を触媒する酵素(例えば、ο−アセチルホモセリン−リアーゼ)を作用させて硫化水素を生成させることを示す。また、反応Fは、システインに作用して硫化水素を生成する作用を触媒する酵素(ο−アセチルセリン−リアーゼ)を作用させて硫化水素を生成させることを示す。そして、生成した硫化水素を、上記化学式1又は化学式2に示す反応を利用して測定することにより、ホモシステイン及びシステインを定量することができる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0039】
実施例では、ホモシステインの定量に用いる酵素として、バチルス属由来のο−アセチルホモセリン−リアーゼ(商品名「GCS」、ユニチカ株式会社製、以下に記載した力価はメーカー表示値による)を使用し、システイン定量に用いる酵素として、ο−アセチルセリン−リアーゼ(ホウレンソウ由来)を使用した。
【0040】
なお、ο−アセチルセリン−リアーゼは、山口等の方法(Biochim.Biophys.Acta 1251;91−98(1995))に基づいて調製した。
【0041】
具体的には、ホウレンソウ葉2kgから抽出、イオン交換クロマト、疎水クロマト及びゲル濾過クロマトの工程を経て、約4,000単位の酵素を調製して用いた。なお、力価は、同文献に記載の方法により測定した。
【0042】
実施例1(発色阻害法による硫化物イオンの定量)
試料及び試薬として以下のものを用いた。
試料:
硫化物イオンとして、硫化ナトリウム(和光純薬社製)を0〜100μM含む水溶液。
第一試薬:
トリス緩衝液(pH8.5) 100mM
塩化亜鉛 10μM
第二試薬:
5Br・PAPS(同仁化学研究所社製) 1mM
【0043】
試料50μlに第一試薬900μlを加え、室温で5分間放置後、第二試薬50μlを加えて室温で5分間放置した。その後、550nmの波長で反応溶液の吸光度測定した。その結果を図1に示す。
【0044】
図1の結果から、硫化物イオンの濃度に応じて吸光度の減少が認められ、その関係は定量的であることが分かった。この結果から、金属イオンと金属指示薬との錯体形成の阻害反応を利用することで、硫化物イオンを測定できることが分かった。
【0045】
実施例2(発色促進法による硫化物イオンの定量)
試料及び試薬として以下のものを用いた。
試料:
硫化物イオンとして、硫化ナトリウム(和光純薬社製)を0〜100μM含む水溶液。
第一試薬:
トリス緩衝液(pH8.0) 100mM
塩化第一鉄 33.3μM
2−メルカプトエタノール 4mM
第二試薬:
5Br・PAPS(同仁化学研究所社製) 0.25mM
第三試薬:
EDTA(pH7.0) 200mM
【0046】
試料20μlに第一試薬600μlを加え、37℃で10分間放置後、第二試薬160μlを加えて37℃で5分間放置した。さらに、第三試薬20μlを加え室温にて5分間放置後、550nmの波長で反応溶液の吸光度測定した。その結果を図2に示す。
【0047】
図2の結果から、硫化物イオンの濃度に応じて吸光度の増加が認められ、その関係は定量的であることが分かった。この結果から、金属イオンと金属指示薬との錯体形成の促進反応を利用することで、硫化物イオンを測定できることが分かった。
【0048】
実施例3(発色促進法によるホモシステインの定量)
試料及び試薬として以下のものを用いた。
試料:
L−ホモシスチン(シグマ社製)を0〜50μM含む水溶液(L−ホモシステインとしては、0〜100μM)。
第一試薬:
トリス緩衝液(pH8.0) 100mM
塩化第一鉄 33.3μM
2−メルカプトエタノール 4mM
ο−アセチルホモセリン−リアーゼ(ユニチカ社製) 3u/ml
第二試薬:
5Br・PAPS(同仁化学研究所社製) 0.25mM
第三試薬:
EDTA(pH7.0) 200mM
【0049】
試料20μlに第一試薬600μlを加え、37℃で10分間放置後、第二試薬160μlを加えて37℃で5分間放置した。さらに、第三試薬20μlを加え、室温にて5分間放置後、550nmの波長で反応溶液の吸光度測定した。その結果を図3に示す。
【0050】
図3の結果から、ホモシステイン濃度に応じて吸光度の増加が認められ、その関係は定量的であることが分かった。この結果から、金属イオンと金属指示薬との錯体形成の促進反応を利用することで、ホモシステインを測定できることが分かった。
【0051】
実施例4 (発色促進法によるシステインの定量)
試料及び試薬として以下のものを用いた。
試料:
L−システイン(シグマ社)を0〜500μM含む水溶液。
第一試薬:
トリス緩衝液(pH8.0) 100mM
塩化第一鉄 33.3μM
2−メルカプトエタノール 4mM
ο−アセチルセリン−リアーゼ(ホウレン草由来) 6u/ml
第二試薬:
5Br・PAPS(同仁化学研究所社製) 0.25mM
第三試薬:
EDTA(pH7.0) 200mM
【0052】
試料20μlに第一試薬600μlを加え、37℃で10分間放置後、第二試薬160μlを加えて37℃で5分間放置した。さらに、第三試薬20μlを加え室温にて5分間放置後、550nmの波長で反応溶液の吸光度測定した。その結果を図4に示す。
【0053】
図4の結果から、システイン濃度に応じて吸光度の増加が認められ、その関係は定量的であることが分かった。この結果から、金属イオンと金属指示薬との錯体形成の促進反応を利用することで、システインを測定できることが分かった。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば硫化水素又は硫化物イオンによる金属イオンと金属指示薬との錯体形成の促進又は阻害反応を利用することにより、簡便かつ感度よく硫化水素又は硫化物イオンを測定することができる。さらに、ホモシステインやシステインなどの含硫アミノ酸に反応して硫化水素又は硫化物イオンを生成する作用を有する酵素を用いて生成した硫化水素を、上記反応を利用して測定することによりホモシステイン及びシステインを簡便かつ感度よく測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発色阻害法による硫化物イオンの定量結果を示す図である。
【図2】 発色促進法による硫化物イオンの定量結果を示す図である。
【図3】 発色促進法によるホモシステインの定量結果を示す図である。
【図4】 発色促進法によるシステインの定量結果を示す図である。

Claims (6)

  1. 硫化水素又は硫化物イオンを含有する試料に、金属イオン又は該金属イオンを遊離する化合物と、該金属イオンと反応して発色すると共に、その発色反応が前記硫化水素又は硫化物イオンによって阻害もしくは促進される金属指示薬とを添加し、該金属指示薬による発色強度を測定することを特徴とする硫化水素又は硫化物イオンの定量法。
  2. 前記金属イオンが、亜鉛イオン又は鉄イオンである請求項1記載の硫化水素又は硫化物イオンの定量法。
  3. 前記金属指示薬が、ピリジルアゾ化合物又はニトロソアミノフェノール化合物である請求項1又は2記載の硫化水素又は硫化物イオンの定量法。
  4. 特定物質を含む試料中に、該特定物質に作用して硫化水素あるいは硫化物イオンを発生させる成分と、金属イオン又は該金属イオンを遊離する化合物と、該金属イオンと反応して発色すると共に、その発色反応が前記硫化水素又は硫化物イオンによって阻害もしくは促進される金属指示薬とを添加し、該金属指示薬による発色強度を測定することを特徴とする特定物質の定量法。
  5. 前記特定物質がホモシステインであり、前記特定物質に作用して硫化水素又は硫化物イオンを発生させる成分が、ホモシステインに作用して硫化水素を生成する作用を有する酵素である請求項4記載の特定物質の定量法。
  6. 前記特定物質がシステインであり、前記特定物質に作用して硫化水素又は硫化物イオンを発生させる成分が、システインに作用して硫化水素を生成する作用を有する酵素である請求項4記載の特定物質の定量法。
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