JP4043925B2 - 生体関連物質マイクロアレイの読取装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プローブを固定化して配列した生体関連物質マイクロアレイに、蛍光物質を付与した検体を反応させ、励起光を照射して、励起した蛍光の量を読み取る生体関連物質マイクロアレイ読取装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種生物におけるゲノムプロジェクトが進められており、ヒト遺伝子をはじめとして、多数の遺伝子とその塩基配列が急速に明らかにされつつある。配列の明らかにされた遺伝子の機能については、各種の方法で調べることができる。その有力な方法の一つとして、明らかにされた塩基配列情報を利用した遺伝子発現解析が知られている。この解析方法においては、例えば、基板の表面、凹部、凸部またはキャピラリーの内壁部あるいはキャピラリー中空部に保持された高分子ゲル状物の区画の何れかに、例えば、異なる遺伝子ペプチド、タンパク質、抗体等の生体関連物質をプローブとして数十から数万個固定化したマイクロアレイを使用する。このプローブに対して、各種特異的反応を利用することにより、プローブとして使用された物質とその生体機能発現との関係を調べることができる。このような方法は、今日のゲノムプロジェクトを通して明らかにされつつあるような、一個体レベルという極めて多数の遺伝子の総合的・系統的解析を行うために、多数遺伝子の一括発現解析を可能とするDNAマイクロアレイ法(DNAチップ法)と呼ばれる新しい分析法、ないし方法論として開発されてきた。
【0003】
プローブと検体の反応物を検出する方法においては、まず、蛍光標識した検体と、マイクロアレイにプローブとして固定化された生体関連物質とを反応させる。次いで、蛍光レーザースキャナーや蛍光顕微鏡等の蛍光測定装置により蛍光量を検出することにより、蛍光標識された検体が、どのプローブと反応物を形成したかを検出することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、検体の蛍光強度が低い場合や、マイクロアレイの配列の位置精度が低い場合には、検出された蛍光と、マイクロアレイにプローブとして固定化された生体関連物質との間の対応を正確認識することが困難であり、検体が、どのプローブとハイブリッドを形成したかを容易に正確に検出するのが困難であるという問題がある。
【0005】
このような問題を解決するために、特許文献1にはマイクロアレイの読取方法が記載されている。この方法は、マイクロアレイにプローブとして固定化する生体関連物質の中に、検体を標識するための蛍光物質とは別の蛍光物質を予め混合しておき、プローブに混合された蛍光物質を励起して得られる蛍光を検出することによってスポットの位置を検出するものである。
【0006】
しかしながら、この方法においては、マイクロアレイに固定化してプローブを形成する生体関連物質の中に、検体に付与する蛍光物質とは異なる蛍光物質を付与する必要がある。この生体関連物質に付与された、プローブの位置を予め検出するための蛍光物質は、本来検出すべき、検体に付与された蛍光物質の検出を行う際のノイズ源になるという問題がある。また、新たに生体関連物質に混合した蛍光物質を検出するためのフィルタ等、新たな光学系を構成する必要があるという問題もある。
【0007】
本発明は、蛍光強度の低い検体や配列精度の低いアレイにおいても、プローブとして使用する生体関連物質に新たな物質を混合することなく、生体関連物質を固定化した検出すべき区画の位置及び/又は大きさの情報を正確に取得することができるマイクロアレイの読取装置及び方法を提供することを目的としている。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−27607号
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、蛍光物質が付与された検体を反応させた複数の区画を含む生体関連物質マイクロアレイから、蛍光物質が発する蛍光を読み取る読取装置であって、マイクロアレイに光を透過させる透過用光源と、区画に存在する蛍光物質を励起する励起用光源と、透過用光源から照射され、マイクロアレイを透過した光を撮像すると共に、励起用光源によって励起された蛍光物質から発せられる蛍光を撮像する撮像手段と、この撮像手段によって撮像された、マイクロアレイを透過した光の画像に基づいて、マイクロアレイ上に配置された区画の位置及び/又は大きさを検出する検出手段と、を有することを特徴としている。
【0010】
また、マイクロアレイの区画以外の部分が不透明に構成されていることが好ましい。
【0011】
さらには、マイクロアレイ上に配置された区画の位置から、区画を、撮像手段の視野内に移動させる手段を有していることを特徴としている。
【0012】
次に、このマイクロアレイの区画に、蛍光物質が付与された検体を反応させ、マイクロアレイのプローブと検体の反応物を形成させる。次いで、このマイクロアレイに透過用光源から光が照射され、マイクロアレイを透過した透過光が撮像手段によって撮像される。
【0013】
検出手段は、撮像された透過光の画像から、マイクロアレイ上の区画の位置及び/又は大きさを検出する。好ましくは、撮像された透過光の画像から、マイクロアレイ上の区画全体の位置を検出する。次いで、この検出したマイクロアレイ上の区画全体の中心位置が、撮像手段の視野中心位置と一致するように、マイクロアレイを移動する。次いで、再度マイクロアレイに透過用光源から光が照射され、マイクロアレイの区画を透過した透過光が撮像手段によって撮像され、撮像された透過光の画像から、マイクロアレイ上の区画の位置及び/又は大きさを検出する。
【0014】
さらに、励起用光源からマイクロアレイに励起光が照射され、マイクロアレイ上に存在する蛍光物質を蛍光させる。この蛍光は、撮像手段によって撮像され、撮像された画像は、先に検出された区画の位置及び/又は大きさに基づいて解析される。
【0015】
この構成により、マイクロアレイ上に形成された区画の位置及び/又は大きさを容易に認識することが可能になるので、区画を配置する位置精度が悪いマイクロアレイを使用した場合や、マイクロアレイから発せられる蛍光が微弱な場合においても、蛍光を正確に検出することができる。
【0016】
検出手段が、撮像手段によって撮像された区画を透過した光の画像の一部分を選択し、この選択された部分の蛍光を検出するように構成するのが良い。
【0017】
このように構成された本発明においては、透過光を撮像することによって検出された区画の画像であるスポットの一部分の画像情報を取り出し、その画像情報を基に解析を行う。この構成によれば、マイクロアレイ上の検出すべき蛍光物質以外から発せられる蛍光、例えば、マイクロアレイの区画以外の部分の材料から発せられる自家蛍光の影響を排除することができる。
【0018】
好ましくは、検出手段は、マイクロアレイを透過した光を撮像する際の光学系と、蛍光物質から発せられた蛍光を撮像する際の光学系との差を補正する補正手段を更に有する。
【0019】
このように構成された本発明においては、マイクロアレイを透過した光を撮像する際の光学系と、蛍光物質から発せられた蛍光を撮像する際の光学系が異なり、この光学系の相違により、画像にずれを生じるような場合においても、誤差なく区画の蛍光を検出することができる。
【0020】
また、撮像手段はCCDカメラで構成することができる。
【0021】
さらに、透過用光源と励起用光源を、兼用としても良い。
【0022】
また、透過用光源又は励起用光源は、発光手段と、この発光手段によって発光された光を導く光ファイババンドルと、によって構成することもできる。
【0023】
このように構成された本発明においては、透過用光源又は励起用光源を任意の位置に配置することができ、また、光ファイバによって、光源が発する熱線がマイクロアレイに照射されるのを防止することができる。
【0024】
さらに、透過用光源又は励起用光源を、LED光源によって構成することもできる。
【0025】
このように構成された本発明においては、透過用光源又は励起用光源の寿命を長くすることができる。
【0026】
また、本発明の生体関連物質マイクロアレイの読取方法は、蛍光物質が付与された検体を反応させた複数の区画を含む生体関連物質マイクロアレイを準備するステップと、マイクロアレイに光を照射し、マイクロアレイを透過した透過光を撮像するステップと、区画の位置及び/又は大きさを検出するステップと、マイクロアレイに励起光を照射してマクロアレイの区画に存在する蛍光物質を励起し、この蛍光物質から発せられる蛍光を撮像するステップと、このステップにおいて撮像された蛍光を、透過光に基づいて検出された区画の位置及び/又は大きさに基づいて読み取るステップと、を有することを特徴としている。
【0027】
また、本発明の生体関連物質マイクロアレイの読取方法は、蛍光物質が付与された検体を反応させた複数の区画を含む生体関連物質マイクロアレイを準備するステップと、上記マイクロアレイに光を照射し、マイクロアレイを透過した透過光を撮像するステップと、このステップにおいて撮像された透過光に基づいて、区画の位置を撮像する視野内の適切な位置に移動させるステップと、再びマイクロアレイに光を照射し、マイクロアレイを透過した透過光を撮像するステップと、上記区画の位置及び/又は大きさを検出するステップと、マイクロアレイに励起光を照射してマクロアレイの区画に存在する蛍光物質を励起し、この蛍光物質から発せられる蛍光を撮像するステップと、このステップにおいて撮像された蛍光を、透過光に基づいて検出された上記区画の位置及び/又は大きさに基づいて読み取るステップと、を有することを特徴としている。
【0028】
さらには、本発明のマイクロアレイ読取方法は、透過光に基づいて検出された区画の位置及び/又は大きさに基づいて、蛍光物質から発せられる蛍光を撮像した画像にマスクを施すことを特徴としている。
【0029】
【発明の実施形態】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の第1又は第2の実施形態によるマイクロアレイの読取装置の概略構成図である。
【0030】
また、図2は、本実施形態によるマイクロアレイの読取装置に使用されるマイクロアレイAの平面図である。図1に示すように、本発明の第1実施形態によるマイクロアレイ読取装置1は、マイクロアレイAを透過させる透過光を照射する透過用光源2と、蛍光物質を励起させるための光をマイクロアレイAに照射する励起用光源6と、を有する。更に、マイクロアレイの読取装置1は、マイクロアレイAを透過した透過光及びマイクロアレイA上の検体に付与された蛍光物質から発せられる蛍光を撮像する撮像手段であるCCDカメラ4と、このCCDカメラ4によって撮像された画像に基づいて、検体を解析する検出手段5と、を有する。
【0031】
また、マイクロアレイの読取装置1は、所定の光を透過し又は反射させるダイクロックミラー8、吸収フィルタ10、励起用フィルタ12、及び、マイクロアレイAに対する対物レンズ14から構成される光学系を備えた顕微鏡16を有する。さらに、マイクロアレイの読取装置1は、マイクロアレイAを水平面内で所望の位置に移動させるXYステージ18と、透過光光源2、CCDカメラ4、励起用光源6、CCDカメラ4に写されるマイクロアレイAの像のピントを調節するため、XYステージ18又は対物レンズ14を上下動させるフォーカスステージ(図示せず)、及び、XYステージ18等を制御する制御装置20とを有する。
【0032】
透過用光源2は、この光源が射出する光の光軸と、顕微鏡16の光軸とが整合するように、XYステージ18の下方に配置されている。透過用光源2として、例えば、ハロゲンランプ、又はLEDを複数個配列したLEDアレイ光源を使用することができる。本実施形態では、透過用光源2として、LEDアレイ光源、ハロゲンランプが使用されている。
【0033】
また、透過用光源2は、必ずしもXYステージ18の下方に配置される必要はなく、XYステージ18の下方の位置以外の位置から適宜レンズ、ミラー等を介して顕微鏡16の光軸と整合する方向に光を照射するように構成しても良い。あるいは、光源から光ファイババンドルを用いて、所定の位置まで光を導光しても良い。このように、光ファイババンドルを用いて導光した場合には、光ファイバによって光線の熱線を除去することができる。
【0034】
また、各光ファイバの出射端をマイクロアレイAの区画Cが配置された位置に合わせることにより、各区画Cに効率良く光を照射することができる。更に、光源にLEDを使用した場合には、安定した光量、光源の長寿命化を実現することができる。
【0035】
また、励起用光源6は、顕微鏡16の鏡筒の側面から鏡筒内に光を射出するように配置されている。好ましくは、励起用光源6として、マイクロアレイA上の蛍光物質を励起することができる波長成分の光を多く含む光源を選択する。本実施形態に置いては、励起用光源6として、高圧水銀ランプが使用されている。
【0036】
励起用フィルタ12は、励起用光源6から射出された光の中の、マイクロアレイA上の蛍光物質を励起させることができる波長成分だけを透過し、それ以外の波長成分を遮断するように構成されている。また、吸収用フィルタ10は、マイクロアレイAから発せられる蛍光の波長の光を透過させ、蛍光物質を励起させる波長成分の光を透過させないように構成されている。ダイクロックミラー8は、励起用フィルタ12を透過した、蛍光物質を励起させることができる波長成分の光を反射してマイクロアレイAの方に差し向けるように構成され、配置されている。
【0037】
また、このダイクロックミラー8は、マイクロアレイA上の蛍光物質から発せられた蛍光の波長の光を透過させるように構成されている。
【0038】
本実施形態においては、蛍光物質としてCy3を使用し、吸収フィルタ10として、中心波長610nm、半値幅75nmのバンドパスフィルタが、励起用フィルタ12として、中心波長545nm、半値幅30nmのバンドパスフィルタが、ダイクロックミラー8として、約570nm以下の波長の光を反射し、それ以上の波長の光を透過させるミラーが使用されている。なお、ダイクロックミラー8、吸収用フィルタ10、及び、励起用フィルタ12は、使用する蛍光物質の励起波長及び蛍光物質が発する蛍光の波長に合わせて選択、構成し、複数の蛍光物質を使用する場合には、顕微鏡16において、容易に切替え可能に構成するのが良い。
【0039】
CCDカメラ4は、その光軸が顕微鏡16の光軸と整合するように、顕微鏡16の鏡筒の、対物レンズ14の反対側端部に取り付けられている。好ましくは、CCDカメラ4として、マイクロアレイAから発せられる微弱な蛍光を、少ないノイズで撮像することができるように、カメラの冷却機能を備えた冷却CCDカメラを使用する。本実施形態においては、1392×1040有効画素を有し、−30℃に冷却して使用するCCDカメラが用いられている。また、本実施形態においては、顕微鏡16は落射蛍光顕微鏡であり、倍率2倍の対物レンズを使用し、CCDカメラの手前に0.5倍のレンズを挿入して、等倍の光学系を使用している。
【0040】
検出手段5は、CCDカメラ4によって撮像された画像データを基に、種々の画像処理を行ってマイクロアレイAから発せられる蛍光を検出するように構成されている。検出手段5は、例えば、CCDカメラ4からの画像データを入力するためのインターフェース、パーソナルコンピュータ、及び、それを作動させるためのコンピュータプログラム等によって構成することができる。
【0041】
XYステージ18は、CCDカメラ4によってマイクロアレイAの各部を撮像するため、マイクロアレイAを水平面内で移動させることができるように構成されている。フォーカスステージ(図示せず)は、CCDカメラ4に写されるマイクロアレイAの像のピントを調節するため、XYステージ18又は対物レンズ14を上下動させるように構成されている。また、制御装置20は、CCDカメラ4による撮像、XYステージ18の移動、透過用光源2及び励起用光源6のON/OFF、フォーカスステージの移動等を制御する。或いは、透過用光源2又は励起用光源6として、頻繁にON/OFFを繰り返すような使用に適さない種類の光源を使用する場合には、透過用光源2又は励起用光源6の前に光を遮断するためのシャッター(図示せず)を設け、このシャッターの開閉を制御装置20によって制御する。制御装置20は、例えば、各装置を作動させるアクチュエータと、このアクチュエータに信号を送るパーソナルコンピュータ等によって構成し、パーソナルコンピュータは検出手段5で使用するパーソナルコンピュータと兼用することができる。
【0042】
次に、図2を参照して、本発明の第1又は第2の実施形態によるマイクロアレイの読取装置に使用するマイクロアレイAを説明する。図2に示すマイクロアレイAは、区画Cが貫通穴により形成されており、且つ区画Cが複数個、整然と配列されたマイクロアレイである。そのようなマイクロアレイは、例えば、WO 00/53736号、特開2000-60554号、特開2000-78998号公報記載の方法により作成される。
【0043】
各区画には、区画の内壁部に直接、又はゲルを介してプローブとなりうる生体関連物質が固定されている。
【0044】
区画以外の基材部分Bは、区画Cと光透過率が異なれば、その構成に特に限定はない。また基材部分Bと区画Cは、光透過率に差があれば良く、どちらが透明であるかは問題ではない。
【0045】
好ましくは、基材部分Bが不透明材料で構成されている。ここで「不透明」とは、マイクロアレイAのプローブが固定された区画よりも光を透過しにくい性質を意味し、必ずしも、光の透過率が0%であることを意味するものではない。
【0046】
図2では、区画Cとして中空円形状物を例示しているが、区画の外形は円形に限定されるものではない。区画Cの構造内径は170μm、外径は220μmである。
【0047】
また、図2では区画Cの肉厚部分及びそれを包含する樹脂製の基材部分Bにおいて、光透過率が1%以下になる材料で構成されているマイクロアレイを例示している。区画Cの肉厚部分は、カーボンブラックを2%混合したPMMA又はポリカーボネート樹脂により成形されている。この区画Cは、並行に縦横5列ずつ420μmピッチで等間隔に配置しており、その周囲は、カーボンブラックを2.5%混合したウレタン樹脂で包含されている。
【0048】
次に、本発明の第1実施形態によるマイクロアレイの読取装置1の作用を説明する。ここでは、実際に検体から発する蛍光の検出を説明する前に、本実施形態によるマイクロアレイの読取装置1の検出精度を検証するための検証実験について説明する。検証実験では、マイクロアレイAの各区画Cに充填されたゲル状物に、予め設定した濃度で蛍光物質を直接固定化し、その蛍光物質から発せられる蛍光を検出する。
【0049】
まず、マイクロアレイAの各区画Cに充填されたゲル状物に、各々異なる濃度で蛍光物質を固定化する。この検証実験では、蛍光物質としてCY3を使用した。表1は、各区画Cに固定化された蛍光物質の濃度を示す。
【0050】
【表1】
表1に示すように、各区画Cには、1から25の番号が付されており、第1行は、左端から順に1番乃至5番の番号が付され、第2行左端が6番、以下同様に、第5行右端の25番まで番号が付されている。各区画Cの中心座標及び固定化された蛍光物質濃度は、表1に示す通りである。また、各区画Cの中心座標及び内径の数値は、マイクロアレイAの設計値である。
【0051】
表2は、このように構成されたマイクロアレイAに投影機によって光を照射し、マイクロアレイAの各区画を透過した光のスポットの位置及びスポット径を測定した結果を示す。なお、表2の値は、5回の測定値の平均値である。
【0052】
【表2】
次に、このマイクロアレイAを、本発明の第1実施形態によるマイクロアレイ読取装置1のXYステージ18にセットし、透過用光源2の光を透過させ、透過した光をCCDカメラ4によって撮像する。図3は、このようにして撮像された透過光のスポットの画像の一例を示す。このスポットの画像を構成する各画素は所定の閾値によって2値に分類され、所定の閾値よりも明るい部分がスポットの部分、所定の閾値よりも暗い部分がスポット以外の部分と認識される。次いで、図3に示したスポットの画像のスポット径を、検出手段5によって収縮させる。ここでは、各スポットの直径を約70μmずつ収縮させている。この画像処理には、MEDIA CYBERNETICS社製のイメージングソフトウェアであるImage-Pro PLUS(登録商標)を使用した。即ち、このソフトウェアのProcessメニューの中のFilter機能であるMorphologicalのErodeにおいて、11×11Circleオプションを用いて各スポットの径を70μmずつ収縮させた。
【0053】
図4は、検出手段5によって画像処理し、各スポットの径を収縮させた結果の一例を示す。しかしながら、画像処理に用いるソフトウェア、画像処理方法は、任意適当なものを使用することができる。例えば、ここでは、各スポットの径を一定量ずつ縮径させているが、各スポットの径を一定割合で縮径させても良いし、スポットの中心位置から一定半径の円領域とすることも出来る。
【0054】
表3は、図4に示す各スポットの位置及び大きさを測定した結果の一例を示す。
【0055】
【表3】
表2と表3を比較すると、各スポットの中心座標は良く一致しており、スポット径は、表3では、表2よりも約70μm小さくなっていることがわかる。従って、表3のように求められた各スポットの位置及び大きさに従って、各スポットの蛍光を測定することにより、マイクロアレイA上の各区画Cの周辺部を除外し、区画Cの中心付近の領域について測定を行うことが可能になる。
【0056】
次に、マイクロアレイ読取装置1のXYステージ18上にセットされているマイクロアレイAに、励起用光源6から励起光を照射し、マイクロアレイAに配置されている各区画Cに充填されているゲル状物に固定化された蛍光物質からの蛍光を、CCDカメラ4によって撮像する。図5は、CCDカメラ4によって撮像された画像の一例を示す。また、図6は、図5の画像に、図4から測定された各スポットの輪郭線を重ね合わせた結果を示す。
【0057】
図6の輪郭線の中の各画素の明るさを表すCCD読取値を平均した平均CCD読取値DAVが、検出手段5によって計算される。図7は、このようにして求められた各スポットの平均CCD読取値DAVと、対応するスポットに固定化されている蛍光物質濃度との関係をグラフに示したものである。ただし、縦軸の各平均CCD読取値DAVは、各スポットのCCD読取値の平均値から、蛍光物質濃度0[nmol/ml]、即ち、蛍光物質を固定化していない全てのスポットのCCD読取値を平均した値を夫々減じた値である。なお、縦軸の平均CCD読取値DAV、横軸の蛍光物質濃度とも、対数目盛によって示されている。
【0058】
図7に示すように、蛍光物質濃度と、平均CCD読取値DAVとの関係は両対数グラフ上でほぼ直線関係になる。従って、平均CCD読取値DAVから各区画Cのゲル状物に固定化された蛍光物質の濃度を求めることができる。
【0059】
次に、本発明の第2実施形態によるマイクロアレイの読取装置1の作用を説明する。まず、各区画Cにプローブを含むマイクロアレイAを用意する。一方、解析すべき検体には蛍光物質を付与し、この検体を、マイクロアレイAに作用させる。或る検体が、所定の構造のプローブに作用すると、プローブと検体が反応し、反応物が形成されるので、検体に付与された蛍光物質が、マイクロアレイAの区画Cの中に固定される。従って、解析すべき検体とハイブリッドを形成することができる構造のプローブが固定されている区画Cの中にのみ蛍光物質が存在することになる。
【0060】
マイクロアレイAの読み取りを開始する前に、マイクロアレイの読取装置1のXYステージ18の上に、均一な光の拡散板(図示せず)をセットする。次に、励起用光源6から拡散板に光を照射し、拡散板による反射光をCCDカメラ4によって撮像する。撮像された拡散画像の情報は、励起用光源6の光量斑を補正するために、検出手段5に記憶させておく。ここで撮像する画像は、サンプル面における励起光の照射斑を後の工程で補正するために、励起光の照射斑を撮像する物であり、一般的に拡散板に対してピントを外した状態で撮像する。また、拡散板を用いずに、XYステージ18の上に何も置かない、つまり、サンプル面に何も存在しない状態で励起用光源6から光を照射し、その状態でCCDカメラ4によって撮像する場合もある。
【0061】
次に、マイクロアレイAをXYステージ18にセットする。XYステージ18にマイクロアレイAをセットする時のXYステージ18の位置と、マイクロアレイAの測定を行う時のXYステージ18の位置が異なる場合、XYステージ18を測定位置に移動する。
【0062】
次いで、透過用光源2からマイクロアレイAに光を照射する。透過用光源2から照射され、マイクロアレイAを透過した光は、対物レンズ14を通ってCCDカメラ4によって撮像される。このとき撮像される画像は、マイクロアレイAの寸法精度、マイクロアレイAの区画Cの配列精度、マイクロアレイAをXYステージ18にセットする際の位置精度、XYステージ18の移動精度、等の要因により、例えば図9に示すように、CCDカメラ4の視野にマイクロアレイAの区画Cが収まらない場合がある。ここで、図9におけるCCDカメラ4の視野は、CCDカメラ4の動作速度をできるだけ速くするために、使用したマイクロアレイAの区画Cの配置に合わせて画像を取り込む範囲を調整している。
【0063】
次に、CCDカメラ4によって撮像した画像における、区画Cの位置、数量等の情報を基に、検出手段5において、マイクロアレイAの区画C全体の位置を算出し、マイクロアレイAの区画C全体がCCDカメラ4によって撮像可能となるように、制御装置20によってXYステージ18を移動する。次いで、再度透過用光源2からマイクロアレイAに光を照射する。透過用光源2から照射され、マイクロアレイAを透過した光は、対物レンズ14を通ってCCDカメラ4によって撮像される。マイクロアレイAの区画C全体が、CCDカメラ4の全視野内に収まらない場合には、予め設定しておいた区画Cの数毎に纏まった領域がCCDカメラ4の視野内に収まるようにし、XYステージ18を使用して、マイクロアレイAを順次移動させて全ての区画Cを撮像する。このとき、XYステージ18の移動精度等を考慮して、マイクロアレイAを順次移動させて、全ての区画Cの撮像を行ってから後の蛍光の撮像を行うのではなく、区画Cの撮像後、XYステージ18を移動させる前に、蛍光の測定も合わせて実施することが望ましい。
【0064】
CCDカメラ4によって撮像された透過光のスポットは、検出手段5によって画像解析され、各スポットの位置及び大きさが測定される。更に、測定されたスポットの大きさは、検出手段5によって所定量収縮処理され、この収縮されたスポットの輪郭は、検出手段5に記憶される。なお、適用によっては、透過光を撮像する際には、ダイクロックミラー8、吸収用フィルタ10、及び励起用フィルタ12を、顕微鏡16の光軸から外れるように移動させておいて良い。
【0065】
スポットを収縮させる割合は、区画C周辺の基材部分Bや、区画Cの壁面の影響によるノイズの大きさに応じて適宜選択することができる。例えば、スポット周辺部の形状斑が大きく、プローブの固定化率がスポットの中心部と周辺部で異なる場合、或いは、基材部分B又は区画Cの壁面の自家蛍光が強い場合等は、収縮させる割合を大きく、即ち、区画Cの中心付近の画像のみを採用するようにする。一般的には、元のスポットの概略直径を30乃至100%程度の大きさに縮小させるのが良い。この検出手段5によって、スポット径を収縮させる手順は、上述した検証実験と同様であるので、説明を省略する。
【0066】
また、プローブが各区画の内壁に直接固定化されているタイプのマイクロアレイ、又は、各区画の内壁部にのみゲル状物が付与されているタイプのマイクロアレイにおいては、プローブは各区画の内壁付近にのみ存在し、中心付近は空洞になる。従って、このようなマイクロアレイにおいては、区画の中心付近の透過光強度が、区画の内壁付近の透過光強度よりも更に強くなる。このタイプのマイクロアレイを読み取る場合には、スポットの内部の各画素を、第2の閾値で更に分類し、スポットの中心付近の空洞部分の画像を取り除いて後の解析を行うようにしても良い。
【0067】
透過光のスポットを撮像した後、透過用光源2の光を遮断し、次いで、励起用光源6を点灯させ、あるいは、励起用光源6のシャッターを開放することにより、励起用光源6の励起光をマイクロアレイAに照射する。励起用光源6から射出された光は、励起用フィルタ12に入射し、蛍光物質の励起に必要な波長の光だけが透過される。励起用フィルタ12を透過した励起光はダイクロックミラー8によって反射され、顕微鏡16の対物レンズ14の方に差し向けられる。ダイクロックミラー8によって反射された励起光は、対物レンズ14によって集光され、マイクロアレイAに照射される。
【0068】
励起光をマイクロアレイAに照射すると、マイクロアレイA上に存在する蛍光物質は、励起光によって励起され、励起光とは異なる波長の蛍光を発する。マイクロアレイAから発せられた蛍光は、対物レンズ14、ダイクロックミラー8を透過して吸収用フィルタ10に入射する。また、マイクロアレイAによって反射され、ダイクロックミラー8へ戻った励起光の波長成分は、ダイクロックミラー8によって反射されるので、吸収用フィルタ10には殆ど入射しない。吸収用フィルタ10は、入射した光のうちマイクロアレイA上の蛍光物質から発せられた蛍光の波長成分を透過させ、励起光の波長成分の光を遮断する。吸収用フィルタ10を透過した蛍光は、CCDカメラ4によって撮像される。
【0069】
CCDカメラ4によって撮像された、マイクロアレイA上の蛍光物質から発せられた蛍光のスポット画像は、先に撮像され、検出手段5に記憶させておいた拡散画像に基づいてシェーディング補正される。即ち、マイクロアレイAに照射された励起光の光量斑が、検出手段5によって数値的に補正される。
【0070】
また、透過光の撮像時にダイクロックミラー8、吸収用フィルタ10、及び、励起用フィルタ12を顕微鏡16の光軸から外した事による光学系有無、あるいはこれらを外さない場合でも、使用する光学系の収差によって画像の位置ずれを引き起こす場合があり、このずれを予め検出手段5に記憶させておき、それに基づいて画像取込のピント位置、蛍光画像とスポット画像の位置等を補正するのが良い。次に、先に撮像され、検出手段5に記憶させておいた透過光のスポットの輪郭の画像が、シェーディング補正された蛍光のスポット画像と重ね合わせられる。各蛍光のスポットの輪郭線内部の各画素のCCD読取値が、検出手段5によって平均され、そのスポットの平均CCD読取値が求められる。この求められた平均CCD読取値から、解析すべき検体が、各プローブとハイブリットを形成した量を求めることができる。
【0071】
また、シェーディング補正された蛍光のスポット画像に対して、検出手段5に記憶させておいた透過光のスポットの輪郭によって、画像の不必要な部分をマスクすることができる。このようにしてマスクした画像は、圧縮処理によってその保存容量を少なく抑えることが可能となる。
【0072】
本発明の第1又は第2の実施形態によるマイクロアレイの読取装置によれば、マイクロアレイ上のどの位置に区画が配置されているかを予め認識することができるので、蛍光強度の低い検体や配列精度の低いマイクロアレイにおいても、検出された蛍光が、どのプローブと反応物を形成した検体から発せられたものであるかを正確に識別することができる。さらに、CCDカメラによって撮像された透過光のスポットを収縮させて、スポットの一部分の画像を採用して蛍光の解析を行うので、区画自体の自家蛍光等、蛍光物質が発する蛍光以外のノイズの影響を効果的に除去することができる。
【0073】
上述した第1又は第2の実施形態においては、1つのマイクロアレイに対して1種類の蛍光物質が付与されていたが、1つのマイクロアレイに対して蛍光の波長が異なる複数の蛍光物質を同時に付与することもできる。この場合には、検出する蛍光の波長に合わせて、ダイクロックミラー8、吸収用フィルタ10、及び、励起用フィルタ12の組が、制御装置20によって適宜交換されるように構成するのが良い。ダイクロックミラー8、吸収用フィルタ10、及び、励起用フィルタ12の組を交換することによって、スポットの結像位置に微妙なずれが生じる場合には、このずれを予め測定しておき、使用したフィルタ等の組に応じてずれを補正するように構成することができる。
【0074】
次に、図8を参照して、本発明の第3又は第4の実施形態を説明する。本発明の第3又は第4の実施形態によるマイクロアレイの読取装置30は、透過用光源と励起用光源が兼用にされている点が、上述した実施形態とは異なる。従って、ここでは、第3又は第4の実施形態が上述した実施形態と異なる点のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。
【0075】
図8は、本発明の第3又は第4の実施形態によるマイクロアレイの読取装置30の概略構成図である。図8に示すように、本発明の第2実施形態によるマイクロアレイの読取装置30は、マイクロアレイAを透過させる透過光及び蛍光物質を励起させる励起光を照射する透過・励起用光源32と、この透過・励起用光源32の射出光にフィルタをかける励起用フィルタ34と、を有する。更に、マイクロアレイの読取装置30は、透過光及び蛍光を撮像するCCDカメラ4と、検体を解析する検出手段5と、を有する。
【0076】
また、マイクロアレイの読取装置30は、ダイクロックミラー8、吸収用フィルタ10、及び、対物レンズ14から構成される光学系を備えた顕微鏡16を有する。更に、マイクロアレイの読取装置30は、マイクロアレイAを水平面内で所望の位置に移動させるXYステージ18と、透過・励起用光源32、CCDカメラ4、CCDカメラ4に写されるマイクロアレイAの像のピントを調節するため、XYステージ18又は対物レンズ14を上下動させるフォーカスステージ(図示せず)、及び、XYステージ18を制御する制御装置20とを有する。
【0077】
本実施形態においては、透過・励起用光源32及び励起用フィルタ34がXYステージ18の下方に配置されている。励起用フィルタ34は、マイクロアレイA上に存在する蛍光物質を励起させる波長の光のみを透過するように構成されている。
【0078】
本発明の第3の実施形態の他の構成要素は、上述した実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0079】
次に、本発明の第4の実施形態によるマイクロアレイの読取装置30の作用を説明する。まず、マイクロアレイAに透過光を照射する際には、励起用フィルタ34を光軸から外し、透過・励起用光源32からマイクロアレイAに直接、透過用の光が照射される。透過・励起用光源32から照射された光は、マイクロアレイAを透過し、CCDカメラ4によって撮像される。次に、透過・励起用光源32からマイクロアレイA上の蛍光物質を励起させる際には、励起用フィルタ34が光軸上に配置され、蛍光物質を励起させることができる波長の励起光が、下方からマイクロアレイAに照射される。また、マイクロアレイAを透過した励起光は、ダイクロックミラー8によって反射され、CCDカメラ4に入射する光軸の外へ偏向される。励起光の照射によって励起された蛍光物質から発せられた蛍光は、ダイクロックミラー8、及び、吸収用フィルタ10を透過してCCDカメラ4に入射する。以上の点以外の作用は、上述した実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0080】
本実施形態によれば、透過用光源と励起用光源とを兼用にすることができる。
【0081】
また、励起光がマイクロアレイAの下方から照射されるので、顕微鏡16に入射するのは、全てマイクロアレイAの区画Cの部分を透過した光である。従って、第1又は第2の実施形態のように、マイクロアレイAに照射された励起光が、マイクロアレイAの基材部分Bによって反射され、その反射光が顕微鏡16に入射することがない。これにより、検出すべき蛍光のS/N比を改善することができる。
【0082】
【発明の効果】
本発明のマイクロアレイの読取装置によれば、蛍光強度の低い検体や配列精度の低いマイクロアレイにおいても、プローブに新たな物質を混合することなく、プローブを固定化した検出すべき区画の位置及び/又は大きさの情報を正確に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるマイクロアレイの読取装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態によるマイクロアレイの読取装置に使用されるマイクロアレイの平面図である。
【図3】CCDカメラによって撮像されたマイクロアレイを透過する光のスポットの一例を示す図である。
【図4】図3に示した透過光のスポットを縮径させた結果の一例を示す。
【図5】CCDカメラによって撮像されたマイクロアレイから発せられる蛍光のスポットの一例を示す図である。
【図6】図5に示した蛍光のスポットに、図4に示した縮径させた透過光のスポットの輪郭を重ね合わせた結果を示す図である。
【図7】各蛍光のスポットのCCD読取値と、対応するスポットに固定化されている蛍光物質濃度との関係を示したグラフである。
【図8】本発明の第2実施形態によるマイクロアレイの読取装置の概略構成図である。
【図9】CCDカメラによって撮像されたマイクロアレイを透過する光のスポットが、CCDカメラ視野に対してずれた場合の一例を示す図である。
【符号の説明】
A マイクロアレイ
B 基材部分
C 区画
1 本発明の第1実施形態によるマイクロアレイの読取装置
2 透過用光源
4 CCDカメラ
5 検出手段
6 励起用光源
8 ダイクロックミラー
10 吸収用フィルタ
12 励起用フィルタ
14 対物レンズ14
16 顕微鏡
18 XYステージ
20 制御装置
30 本発明の第2実施形態によるマイクロアレイの読取装置
32 透過・励起用光源
34 励起用フィルタ
Claims (4)
- 蛍光物質が付与された検体を反応させた複数の区画を含み、区画と区画以外の部分との光透過率が異なる生体関連物質マイクロアレイから、蛍光物質が発する蛍光を読み取る読取装置であって、マイクロアレイに光を透過させる透過用光源と、区画に存在する蛍光物質を励起する励起用光源と、透過用光源から照射され、マイクロアレイを透過した透過光、及び励起用光源によって励起された蛍光物質から発せられる蛍光を撮像する撮像手段と、この撮像手段によって撮像された、マイクロアレイを透過した光の画像に基づいて、マイクロアレイ上に配置された区画の位置及び/又は大きさを検出する検出手段とを含む、生体関連物質マイクロアレイ読取装置。
- マイクロアレイを透過した光を撮像する際の光学系と、蛍光物質から発せられた蛍光を撮像する際の光学系との差を補正する補正手段を更に含む、請求項1記載の読取装置。
- 複数の区画を含み、区画と区画以外の部分との光透過率が異なる生体関連物質マイクロアレイに、蛍光物質が付与された検体を反応させるステップと、該マイクロアレイに光を照射し、マイクロアレイを透過した透過光を撮像するステップと、前記ステップにおいて撮像された透過光に基づいて、区画の位置及び/又は大きさを検出するステップと、マイクロアレイに励起光を照射してマイクロアレイの区画に存在する蛍光物質を励起し、この蛍光物質から発せられる蛍光を撮像するステップと、前記ステップにおいて撮像された蛍光を、透過光に基づいて検出された区画の位置及び/又は大きさに基づいて読み取るステップとを含む、生体関連物質マイクロアレイの読取方法。
- 複数の区画を含み、区画と区画以外の部分との光透過率が異なる生体関連物質マイクロアレイに、蛍光物質が付与された検体を反応させるステップと、該マイクロアレイに光を照射し、マイクロアレイを透過した透過光を撮像するステップと、前記ステップにおいて撮像された透過光に基づいて、区画の位置を、撮像する視野内の適切な位置に移動させるステップと、再びマイクロアレイに光を照射し、マイクロアレイを透過した透過光を撮像するステップと、区画の位置及び/又は大きさを検出するステップと、マイクロアレイに励起光を照射してマイクロアレイの区画に存在する蛍光物質を励起し、この蛍光物質から発せられる蛍光を撮像するステップと、前記ステップにおいて撮像された蛍光を、透過光に基づいて検出された区画の位置及び/又は大きさに基づいて読み取るステップとを含む、生体関連物質マイクロアレイの読取方法。
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