JP4040173B2 - メモリ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁化の向きによって情報を記録し、磁気抵抗効果を利用して記録情報を再生するメモリに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、磁性薄膜メモリは半導体メモリと同様に移動部のない固体メモリとして知られている。このような磁性薄膜メモリは、電源が遮断されても情報が消失しない、情報の繰り返し書き換え回数が無限回である、放射線が入射しても情報が消失する危険性がないなど半導体メモリと比較して有利な点を多く持っている。特に、最近においては巨大磁気抵抗(GMR)効果を利用した薄膜磁気メモリは従来の異方性磁気抵抗効果を用いた磁性薄膜メモリと比較して大きな出力が得られるために注目されている。
【0003】
例えば、日本応用磁気学会誌VOL.20.P22(1996)には、図8に示すように硬質磁性膜(HM)、非磁性膜(NM)、軟磁性膜(SM)、非磁性膜(NM)を積層してメモリ素子とした固体メモリが提案されている。このメモリ素子には、図8のように金属導体と結合されたセンス線S、絶縁膜Iによってセンス線Sと絶縁されたワード線Wが設けられており、このワード線Wの電流及びセンス線Sの電流により発生する磁界によって情報の書き込みを行う。
【0004】
具体的に説明すると、ワード線Wに電流Iを供給し、電流の向きIDによって異なる方向の磁界を発生することにより硬質磁性膜HMの磁化反転を行い、メモリ状態“0”,“1”の記録を行う。例えば、図9(a)に示すようにワード線Wに正の電流を供給すると、図9(b)のように右向きの磁界を発生し、硬質磁性膜HMに“1”を記録することができる。また、図9(c)のようにワード線Iに負の電流を供給すると、図9(d)のように左向きの磁界を発生し、硬質磁性膜HMに“0”を記録することができる。
【0005】
一方、情報を読み出す場合は、ワード線Wに記録時の電流よりも小さい電流を供給し、軟磁性膜SMの磁化反転のみを起こし、その際の抵抗変化を検出することにより情報の読み出しを行う。巨大磁気抵抗効果を利用すると、軟磁性膜SMと硬磁性膜HMの磁化が同方向の場合と反対の方向の場合で抵抗値が異なるので、そのときに生じる抵抗変化により“1”,“0”のメモリ状態を判別する。具体的には、図10(a)に示すように正から負に変化するパルスを印加すると、軟磁性膜SMの磁化方向は図10(b)の右向きの状態から図10(c)の左向きの状態に変化し、メモリ状態“1”の場合、硬質磁性膜HMと軟磁性膜SMの磁化が同方向で小さい抵抗値から硬質磁性膜HMと軟磁性膜SMの磁化が反対方向の大きい抵抗値に変化する。また、メモリ状態“1”の場合は、図10(d)のように大きい抵抗値から図10(e)のように小さい抵抗値に変化する。従って、このような抵抗値の変化を読み取ることにより、記録後の軟磁性膜SMの磁化状態に拘わらず、硬質磁性膜HMに記録された情報の読み出しが可能となり、非破壊読み出しを行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の薄膜磁気メモリにおいては、ビットセルの面積を小さくするほど磁性層内部で生じる反磁界(自己減磁界)が無視できなくなり、記録保持する磁性層の磁化方向が一定方向に定まらず不安定になるという問題があった。そのため、ビットセルを微細化するには限度があり、高集積化を十分に行うことができなかった。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、磁性膜の反磁界の影響をなくし、より高集積化が可能なメモリを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、閉磁路構造の第1の磁性層と、前記第1の磁性層よりも高い保磁力を有する閉磁路構造の第2の磁性層とを非磁性層を介して積層して成り、前記第1,第2の磁性層は左回りもしくは右回りに容易軸を有し、前記第1,第2の磁性層の磁化方向の相対角度によって、異なる抵抗値を有するスピントンネル膜を有するメモリであって、
前記第1,第2の磁性層及び非磁性層により電流路が構成され、前記電流路に、前記第1,第2の磁性層の少なくとも一方の磁化を反転させるために、膜面に対し垂直方向に第1の電流が供給され、前記第1,第2の磁性層の相対角度による抵抗値の違いを検出するために、前記第1の電流よりも小さい第2の電流が供給され、前記電流路の長さが0.05μm以上、2μm以下であることを特徴とするメモリによって達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の磁性薄膜メモリ素子の一実施形態の構成を示す図である。図1において、1は円柱状の第1の磁性層、2は円柱状の第2の磁性層である。第1,第2の磁性層1,2の間には非磁性層3が設けられている。図1の第1,第2の磁性層1,2、非磁性層3で1ビットセルのメモリ素子が構成されている。第1,第2の磁性層1,2は左回りもしくは右回りに容易軸を有し、その磁化は円柱状の形状に沿って環状に配向している。図1の矢印は第1,第2の磁性層1,2における磁化方向を示している。尚、磁性層は円柱状に限らず、四角形の断面を持つ構造でも、磁化が閉磁路に配向していれば良い。但し、円柱状構造が最も安定な閉磁路構造となる為、望ましい。
【0015】
また、本実施形態では、第1,第2の磁性層1,2の磁化方向が同方向のときは第1,第2の磁性層1,2間の抵抗は低い抵抗値を示し、第1,第2の磁化方向が反対方向のときは高い抵抗値を示す。このように第1の磁性層1の磁化方向によってメモリ素子の抵抗値が異なるので、これを利用して磁化情報を読み出すことができる。また、“0”,“1”の磁化情報は第1,第2の磁性層1,2の磁化方向の左回りもしくは右回りに対応させて記録する。即ち、第1,第2の磁性層1,2の膜面に対して垂直方向(図1のt方向)に上向きまたは下向きに電流を供給し、これによって発生する磁界により第1の磁性層1もしくは第2の磁性層2の磁化を反転させて行う。情報の記録及び再生方法については詳しく後述する。本実施形態では、第1,第2の磁性層1,2が閉磁路構造となっているので、反磁界の影響をなくすことができ、安定して磁化情報を記録することができる。従って、1ビットのセル幅を小さくでき、集積度の高いメモリ装置を実現でき、更に漏洩磁界が隣接セルに洩れることがなく、安定して記録再生を行うことができる。
【0016】
図2は図1のメモリ素子を用いて実際にメモリとして構成する場合の一例を示す図である。図2において、まず、第1,第2の磁性層1,2及び非磁性層3からなるメモリ素子は半導体基板上に駆動用のトランジスタと対にして設けられている。この半導体基板は、例えばp型半導体基板からなり、ソース、ドレイン領域はn型半導体となっている。Signalは駆動用トランジスタの例えばソース端子、Selectはゲート端子で、ドレイン端子には例えばメモリ素子が電気的に接続される。メモリ素子の反対側はVDDに接続されている。VDDは電源電圧であり、VDDの極性を記録情報に応じて切り換えることにより、メモリ素子の電流の向きを変えて磁化情報の“1”,“0”を記録する。メモリ素子と駆動用トランジスタは半導体基板上に縦横に多数配列され、高集積化の磁性薄膜メモリとして集積化される。
【0017】
ここで、本実施形態では、情報を記録する場合、第1の磁性層1の磁化を反転させるか、第2の磁性層2の磁化を反転させるかによってメモリ素子のタイプが2つに分かれている。まず、第1のタイプは、メモリ層(第1の磁性層1)、非磁性層3、ピン層(第2の磁性層2)とする構成である。これは、第1の磁性層1を磁化情報を保存するためのメモリ層、第2の磁性層2をその磁化方向を磁化情報に依存せずに保存時、記録時、再生時のいずれの状態でも常に一定に保つためのピン層とする場合で、記録電流によって第1の磁性層1を反転させる。情報の再生は後述するように磁性層の反転は行わずに絶対値検出で行う。
【0018】
第2のタイプは、検出層(第1の磁性層1)、非磁性層3、メモリ層(第2の磁性層2)とする構成である。これは、第1の磁性層1を読み出し時に相対検出するために反転させる検出層、第2の磁性層2を磁化情報を保存するためのメモリ層とする場合で、記録電流によって第2の磁性層2を反転させる。いずれの場合も、第1の磁性層1は低い保磁力を有し、第2の磁性層2は第1の磁性層1よりも高い保磁力を有することが必要である。
【0019】
次に、本実施形態の磁性薄膜メモリ素子は記録電流が流れる電流路の長さtを長くすることによって十分に安定した記録が可能である。これは、前述の第1のタイプ、第2のタイプいずれの場合も、また後述するスピントンネル膜構成やスピン散乱膜構成のいずれの場合も同様である。以下、メモリ素子の具体的な構成について説明する。まず、メモリ素子に情報を記録するには、少なくとも5(Oe)以上の磁界を発生することが望ましく、更に望ましくは10(Oe)以上の磁界がよい。これは、磁界が小さすぎると磁性薄膜メモリ素子の保磁力も小さくする必要が生じ、安定して記録情報を保持することが難しいからである。大きな磁界を得るためには電流を多く流せばよいが、配線材料の限界電流密度を越えると、エレクトロマイグレーションが起きて配線が断線し易くなり、また、電流値が大きくなるとメモリ素子の消費電力が大きくなってしまう。
【0020】
半導体デバイスで用いられる配線材料のうち、比較的大きな限界電流密度を持つ材料であるタングステン線の限界電流密度は20mA/μm2 である。また、消費電力の増加、デバイスの発熱等を抑えるのに望ましい電流は1mA程度以下である。ここで、図3は前述のようなタングステン線を円柱状の導電体とし、導電体の半径をR、長さをtとして示している。図4は図3の導電体の半径Rと導電体の長手方向に電流を供給した場合に発生する磁界との関係を示している。なお、図4では導電体の長さtをパラメータとして半径Rに対して発生磁界Hをプロットしている。導電体の長さtは、0.01、0.03、0.05、0.1、0.2、0.3μmとしている。
【0021】
また、図5は導電体の長さtと最大磁界Hmax との関係を示している。図4、図5から明らかなように記録に必要な5(Oe)以上の磁界を得るためには、電流路の長さtは少なくとも0.05μm以上の長さが必要である。また、図4から分かるように電流路の長さtが長くなるほど記録に利用可能な電流路の半径Rの範囲を広げられ、メモリ素子の製造上のマージンが大きくなることが分かる。以上の結果から、記録に必要な磁界5(Oe)を発生させるためには、電流路の長さtは0.05μmの長さが必要であり、好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは0.15μm以上、更に好ましくは0.2μm以上がよい。また、電流路の長さtはあまり長くすると膜厚が厚くなるので、成膜に時間がかかるばかりでなく、図2の半導体基板に対してメモリ素子が垂直にならずに傾いてしまうなどして隣接するメモリ素子に誤って記録するなど誤記録の原因となる。このため、電流路の長さtは2μm以下、好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.5μm以下がよい。従って、図1のメモリ素子の電流路の長さtとしては、0.05μm以上、2μm以下とするのがよい。
【0022】
図6は本発明の第2の実施形態を示す図である。図1の実施形態では第1の磁性層1、非磁性層3、第2の磁性層2で記録時の電流路を形成しているが、本実施形態では更に良導体4を設けている。即ち、第1,第2の磁性層1,2の膜厚を厚くできない場合、良導体4を設けることによって電流路の長さを確保するものである。良導体4としては第1,第2の磁性層1,2よりも導電率の高いものを用い、図6のメモリ素子に垂直方向に電流を供給することにより第1,第2の磁性層1,2に記録を行う。良導体4は図6に示すように第1の磁性層1の端面のうち非磁性層3の接する面とは反対側の面及び第2の磁性層2の非磁性層3の接する面とは反対側の面に設けてもよく、もしくはいずれか一方の面に設けてもよい。このように良導体4を設けることによりメモリ素子の抵抗ロスが少なくなり、消費電力を低減することができる。
【0023】
図7は本発明の第3の実施形態を示す図である。本実施形態では、メモリ素子の中心部に記録電流を供給するための導電体5を設けている。導電体5は絶縁体6に覆われていて、第1,第2の磁性層1,2よりも導電率の高いものを用いている。絶縁体6は導電体5が磁性層と電気的に接触するのを防ぐために設けているが、絶縁体6の厚みが厚いと導電体5と各磁性層との距離が遠くなって磁性層に印加する磁界が小さくなるので極力薄い方がよい。本実施形態では、記録時に磁性層に電流を供給せず、導電体5に供給するので、抵抗が小さくなり、消費電力を低減でき、また、応答性にも優れている。
【0024】
次に、磁性薄膜メモリ素子に情報を記録する具体的な方法について説明する。まず、メモリ素子に情報を記録するにはメモリ素子の膜面に対して垂直方向に電流を供給する。即ち、電流を磁化方向に対して垂直になるように供給し、この電流により生じる磁界によってメモリ層の磁化方向を決定し、“0”と“1”の情報を記録する。この場合、流す電流の向きによって発生する磁場の向きが異なるので、例えばメモリ素子の上から下に電流を供給すると、メモリ素子の上部から見て時計回りの方向に磁界が発生し、磁化は時計回りの方向に配向する。一方、メモリ素子の下から上に電流を供給すると、メモリ素子の上部から見て反時計回りに磁界が発生し、磁化は反時計回りの方向に配向する。
【0025】
実際に情報を記録する場合は、前述のような第1のタイプ「メモリ層(第1の磁性層1)、非磁性層3、ピン層(第2の磁性層2)」と、第2のタイプ「(検出層(第1の磁性層1)、非磁性層3、メモリ層(第2の磁性層2)」で記録方法が異なっている。第1のタイプの構成では、流す電流の大きさをピン層(第2の磁性層2)の磁化反転磁界より小さく、メモリ層(第1の磁性層1)の磁化反転磁界よりも大きい磁界を発生するように設定することにより、メモリ層(第1の磁性層1)にその磁化の向きに応じて“0”、“1”の情報を記録することができる。また、第2のタイプの場合は、流す電流の大きさをメモリ層(第2の磁性層2)の磁化反転磁界よりも大きい磁界が発生するように設定することにより、メモリ層にその磁化の向きに応じて“0”、“1”の情報を記録することができる。
【0026】
次に、磁性薄膜メモリの記録情報を再生する具体的な方法について説明する。まず、情報の再生は、メモリ素子の膜面に対して垂直方向に、第1の磁性層1、非磁性層3、第2の磁性層2の順、もしくは第2の磁性層2、非磁性層3、第1の磁性層1の順に電流を供給する。そして、メモリ素子の第1の磁性層1と第2の磁性層2間の抵抗値を測定することにより、“0”と“1”の磁化情報を検出する。即ち、第1の磁性層1と第2の磁性層2の磁化方向が同方向の場合は、第1,第2の磁性層間の抵抗値は小さく、反対方向の場合は抵抗値が大きいので、この抵抗値の違いによって情報を判別する。もしくは、メモリ素子の膜面に対して水平方向に電流を供給して、同様に抵抗値の違いを検出する。
【0027】
また、読み出し方法は、メモリ素子の第1のタイプと第2のタイプで異っている。まず、第1のタイプの場合は、メモリ素子の膜面に対し垂直方向に記録時よりも小さい読み取り用の電流を供給し、第1,第2の磁性層1,2間の抵抗値を測定する。この場合は、第2の磁性層2の磁化は固定されているので、第1の磁性層1に記録された磁化方向に対応して第1,第2の磁性層1,2間の抵抗値が変化し、その抵抗値によって記録情報を再生する。なお、この場合は、磁性層の磁化反転は必要ない。
【0028】
一方、第2のタイプの場合は、3つの読み出し方法がある。まず、1つはメモリ素子の膜面に対し垂直方向に電流を供給し、検出層(第1の磁性層)を反転させて磁化を一定方向に揃えて初期化する。次いで、メモリ素子の膜面に対し垂直方向に検出層が反転しない程度の弱い読み取り用の電流を供給し、第1,第2の磁性層1,2間の抵抗値を測定する。この方法は、検出層の保磁力が小さく、その磁化がランダムに配向しているような素子に対して有効である。
【0029】
もう1つは、まず、初めにメモリ素子の抵抗値を測定して、次にメモリ素子の膜面に垂直方向に電流を供給して、検出層の磁化を所定の方向に配向させて、更にメモリ素子の抵抗値を測定する。この際の抵抗の変化があるかないかで、メモリ素子の磁化情報を検出することができる。この方法では、記録が完了した後に検出層とメモリ層の磁化方向は、決められた関係にあるように設定する。例えば検出層とメモリ層は磁気的相互作用で、平行磁化状態が安定となるようにして、初めに測定する抵抗値は、平行磁化状態の抵抗値とする。これは、例えばスピントンネル型において非磁性層の膜厚を10Å〜20Å程度の膜厚とすることにより達成される。
【0030】
最後の1つは、メモリ素子に一方の方向から膜面に対し垂直方向に電流を供給し、第1,第2の磁性層1,2間の抵抗変化を読み取る。次に、メモリ素子に先の方向とは反対方向に電流を供給し、第1,第2の磁性層1,2間の抵抗変化を読み取り、得られた抵抗変化によって記録情報を判別する。電流の大きさは検出層のみを反転させる電流とする。また、いずれの方法の場合もメモリ層(第2の磁性層)が反転しないようにすることが必要である。
【0031】
本実施形態では、前述のように再生時に電流を膜面に対して垂直に流すCPP(Current Perpendicular to the film Plane)−MR(Magneto-Resistance) 効果、もしくは膜面に平行に電流を流すCIP(Current In-Plane to the film Plane) −MR効果を用いている。なお、上述で、磁性層の磁化方向を定めるために膜面に垂直に流す電流と、メモリ素子の抵抗値を測定するために流す電流は、図1、図6に示すメモリ素子では同一の電流経路をとる。
【0032】
また、図7に示すメモリ素子の構成では、磁化方向を定める電流は導電体5に流し、抵抗値を測定する電流は第1の磁性層1と第2の磁性層2間に流す。この場合の最適な実施形態を、第4、第5の実施形態としてそれぞれ図11、図12に示す。図11は第4の実施形態のメモリ素子の断面図を示したものであるが、この構成では、磁化方向を定める場合は、導電体71と72の間に電位差を設けて導電体5に電流を流す。メモリ素子の抵抗値を測定する場合は、第1の磁性層1の上面に設けられた導電体からなる電極61、63と、第2の磁性層2の下面に設けられた導電体からなる電極62と64の間に電流を流す。これは、CPP検出の場合であり、後述するスピントンネルとスピン散乱の両タイプの素子を検出する時に用いられる。
【0033】
図12の構成は、第5の実施形態のメモリ素子の断面図を示しているが、この構成では、図11の電極62と64を削除しており、抵抗値を測定する場合には電極61と電極63に電流を流す。この場合は、CIP検出であり、後述するスピン散乱のタイプの素子を検出する場合に用いられる。スピン散乱の素子は磁性層の膜厚が薄く、CPP検出では抵抗値が小さいため、望ましくはCIP検出を用いるのが良い。
【0034】
次に、磁性薄膜メモリ素子の第1,第2の磁性層、非磁性層の材料及びそれらの膜厚について説明する。ここで、メモリ素子膜構成として、スピントンネル膜構成とスピン散乱膜構成を採ることができ、これは、前述の第1のタイプの「メモリ層/非磁性層/ピン層」、第2のタイプの「検出層/非磁性層/メモリ層」のいずれの構成にも適用できる。但し、スピントンネル膜構成とスピン散乱膜構成では、スピントンネル膜構成を用いることが望ましい。これは、スピントンネル膜構成では、大きな磁気抵抗(MR)比が得られ、また、その抵抗値を1kΩ以上と抵抗値を大きくすることができ、半導体スイッチング素子のオン抵抗(約1kΩ程度)のばらつきの影響を受けにくいためである。また、後述するようにスピントンネル膜は、磁性膜を比較的厚くすることができるため、図1,図6,図7のいずれの実施形態にも採用できるが、スピン散乱膜は全磁性層及び非磁性層の膜厚を0.05μm以上に厚くすることが難しいため、図6もしくは図7の実施形態に用いるのが望ましい。
【0035】
第1の磁性層、第2の磁性層は、Ni、Fe、Coの少なくとも一種を主成分として用いるか、CoFeを主成分とするアモルファス合金として用いるのが望ましい。例えば、NiFe、NiFeCo、Fe、FeCo、Co、CoFeBなどの磁性膜からなる。
【0036】
(第1の磁性層の材料)
第1の磁性層は、第2の磁性層よりも低い保磁力を有する。このため、第1の磁性層には、Niを含む軟磁性膜が望ましく、具体的には、特にNiFe、NiFeCoを主成分として用いるのが望ましい。また、FeCoでFe組成の多い磁性膜、CoFeBなどの保磁力の低いアモルファス磁性膜でも良い。
【0037】
NiFeCoの原子組成比は、NixFeyCozとした場合、xは40以上95以下、yは0以上40以下、zは0以上50以下、好ましくはxは50以上90以下、yは0以上30以下、zは0以上40以下、更に好ましくはxは60以上85以下、yは10以上25以下、zは0以上30以下が良い。
【0038】
また、FeCoの原子組成は、FexCo100-x とした場合、xは50以上100以下、好ましくはxは60以上90以下が良い。また、CoFeBの原子組成は、(Cox Fe100-x )100-y By とした場合、xは86以上93以下、yは10以上25以下が良い。
【0039】
(第2の磁性層の材料)
第2の磁性層は、第1の磁性層よりも高い保磁力を有する。例として、第1の磁性層と比較してCoを多く含む磁性膜が望ましい。NixFeyCozは、それぞれ原子組成比で、xは0以上40以下、yは0以上50以下、zは20以上95以下、好ましくはxは0以上30以下、yは5以上40以下、zは40以上90以下、更に好ましくはxは5以上20以下、yは10以上30以下、zは50以上85以下が良い。FexCo100-x は、原子組成比で、xは0以上50以下が良い。また、第2の磁性層に保磁力の精著、耐食性の向上などの目的でPt等の添加元素を加えても良い。
【0040】
スピントンネル膜構成の場合、第1,第2の磁性層1,2間の非磁性層3として薄い絶縁層を用い、再生時に電流を膜面に対し垂直方向に供給する際に第1磁性層1から第2磁性層2へ電子のトンネル現象が起きるようにする。このようなスピントンネル型の磁性薄膜メモリ素子は、強磁性体金属において伝導電子がスピン偏極を起こしているため、フェルミ面における上向きスピンと下向きスピンの電子状態が異なっており、このような強磁性体金属を用いて強磁性体と絶縁体と強磁性体からなる強磁性トンネル接合を形成すると、伝導電子はそのスピンを保ったままトンネルするため、両磁性層1,2の磁化状態によってトンネル確率が変化し、それがトンネル抵抗の変化となって現われる。これにより、第1磁性層1と第2磁性層2の磁化方向が同方向の場合は第1,第2の磁性層1,2間の抵抗が小さく、第1磁性層1と第2磁性層2の磁化方向が反対方向の場合は抵抗が大きくなる。
【0041】
上向きスピンと下向きスピンの状態密度の差が大きい方がこの抵抗値は大きくなり、より大きな再生信号が得られるので、第1磁性層1と第2磁性層2はスピン分極率の高い磁性材料を用いることが望ましい。具体的には、第1磁性層1と第2磁性層2は、フェルミ面における上下スピンの偏極量が大きいFeを選定し、Coを第2成分として選定する。より具体的には、Fe,Co,Niを主成分とした材料から選択して用いることが望ましい。好ましくは、Fe,Co,FeCo,NiFe,NiFeCo等が良い。具体的には、Fe,Co,Ni72Fe28,Ni51Fe49,Ni42Fe58,Ni25Fe75,Ni9 Fe91等が挙げられる。更に、第1磁性層1は保磁力を小さくするために、NiFe、NiFeCo、Fe等がより望ましく、また、第2磁性層2は保磁力を大きくするために、Coを主成分とする材料が望ましい。
【0042】
次に、磁性薄膜メモリ素子の第1磁性層1及び第2磁性層2の膜厚は、100Åを超え、5000Å以下であることが望ましい。これは、第1に、非磁性層3に酸化物を用いる場合、酸化物の影響で磁性層の非磁性層側の界面の磁性が弱まり、この影響が膜厚が薄い場合大きいことが挙げられる。第2に、酸化アルミニウムの非磁性層をAlを成膜した後に酸素を導入して酸化させて作成する場合、アルミニウムが数10Å残り、この影響が磁性層が100Å以下である場合、大きくなって適切なメモリ特性が得られないためである。第3に、特にサブミクロンにメモリ素子を微細化した場合、第1の磁性層1のメモリ保持性能が、また、第2の磁性層2の一定の磁化の保持機能が衰えるからである。また、厚すぎるとセルの抵抗値が大きくなりすぎる等の問題があるので、5000Å以下が望ましく、より望ましくは1000Å以下が良い。
【0043】
次に、非磁性層3の材料について説明すると、まず、スピントンネリングによる磁気抵抗効果を用いており、非磁性層3は電子がスピンを保持してトンネルするために、絶縁層でなければならない。非磁性層3の全部が絶縁層であってもその一部が絶縁層であってもよい。一部を絶縁層にしてその厚みを極小にすることにより、磁気抵抗効果を更に高めることができる。また、非磁性層3として非磁性金属膜を酸化させた酸化層にする例としては、Al膜の一部を空気中で酸化させてAl2 O3 層を形成する例が挙げられる。非磁性層3は絶縁体からなり、好ましくは、酸化アルミニウムAlOx ,窒化アルミニウムAlNx ,酸化シリコンSiOx ,窒化シリコンSiNx であるのが望ましい。また、NiOx を主成分としてもよい。これは、スピントンネルが起きるには、第1の磁性層1と第2の磁性層2の伝導電子のエネルギーに適切なポテンシャルバリアーが存在することが必要であるが、NiOx を主成分とする場合は、このバリアーを得ることが比較的容易で、製造上も有利であるからである。
【0044】
また、非磁性層3の膜厚としては、数10Å程度の均一な層であって、その絶縁部分の膜厚は5Å以上30Å以下であることが望ましい。即ち、5Å未満である場合、第1の磁性層1と第2の磁性層2が電気的にショートしてしまう可能性があるからであり、30Åを超えると電子のトンネル現象が起きにくくなるからである。更に、望ましくは4Å以上25Å以下がよく、より望ましくは6Å以上18Å以下がよい。
【0045】
次に、スピン散乱膜構成の場合は、スピン依存散乱によって生じる磁気抵抗効果を用い、このスピン依存散乱による磁気抵抗効果を得るためには非磁性層3として良導体からなる金属層を用いるのがよい。このスピン依存散乱による磁気抵抗効果は、伝導電子の散乱がスピンによって大きく異なることに由来している。即ち、磁化と同じ向きのスピンを持つ伝導電子はあまり散乱されないため抵抗が小さくなるが、磁化と反対向きのスピンを持つ伝導電子は散乱によって抵抗が大きくなる。そのため、第1の磁性層1と第2の磁性層2の磁化が反対向きである場合、同じ向きである場合の抵抗値よりも大きくなる。
【0046】
スピン依存散乱膜構成の場合の第1の磁性層1、第2の磁性層2、非磁性層3について説明する。まず、第1の磁性層1は第2の磁性層2と環状ループを形成するとともに、第2の磁性層2に保存された磁化情報を巨大磁気抵抗効果を利用して読み出すためのものである。第1の磁性層1はNi,Fe,Coを主成分として用いるか、Co,Feを主成分とするアモルファス合金として用いることが望ましい。例えば、NiFe,NiFeCo,FeCo,CoFeBなどの磁性膜が挙げられる。また、Co84Fe9 B7 、Co72Fe8 B20等の組成を持つCoFeB等のアモルファス磁性体を用いてもよい。
【0047】
第2の磁性層2は主に磁化情報を保存するための磁性層であり、“0”,“1”の情報に応じて磁化の向きが決定される。第2の磁性層2は第1の磁性層1と同じく巨大磁気抵抗効果が効率的に発生すること、安定に磁化状態を保存できることが必要である。第2の磁性層2としては、Fe、Coを主成分とする磁性層を用い、例えば、Fe,FeCo,Co等の磁性膜が用いられる。また、Pt等の添加元素を加えても良い。CoにFeを添加すると保磁力は小さくなり、Ptを添加すると保磁力は大きくなるので、第2の磁性層2を例えばCo100-x-y Fex Pty として元素組成x及びyを調節して保磁力を制御することもできる。同様に第1の磁性層1の保磁力もFe,Coの組成比及びPt等の添加元素の量で調節することができる。
【0048】
第1の磁性層1の膜厚は散乱型の巨大磁気抵抗効果が効率よく発生するように設定することが必要である。CPP−MRでは、スピンの向きを保存して動ける距離、即ち、スピン拡散長が重要因子となる。具体的には、第1の磁性層1の膜厚が電子の平均自由行程より大幅に大きくなると、フォノン散乱を受けてその効果が薄れるため、少なくとも200Å以下であることが望ましい。更に好ましくは150Å以下が良い。しかし、薄すぎるとセルの抵抗値が小さくなり、再生信号出力が減少し、また磁化を保持できなくなるので、20Å以上が望ましく、更には80Å以上が望ましい。
【0049】
第2の磁性層2の膜厚も第1の磁性層1の場合と同様に散乱型の巨大磁気抵抗効果が効率よく発生するように設定することが必要であり、少なくとも200Å以下であることが望ましい。更に好ましくは150Å以下が良い。しかし、あまり薄すぎるとメモリ保持性能が劣化し、再生信号出力が減少してセルの抵抗値が小さくなり、磁化を保持できなくなるので、20Å以上が望ましく、更には80Å以上が望ましい。
【0050】
非磁性層3は良導体からなり、好ましくはCuを主成分として用いるのが、磁性層とフェルミエネルギー準位が近く、密着性もよいため、磁化方向が変わるときに界面で抵抗が生じ易く大きな磁気抵抗比を得るのに好都合である。また、非磁性層3の膜厚は5Å以上60Å以下であることが望ましい。また、第1の磁性層1と非磁性層3の間、もしくは第2の磁性層2と非磁性層3の間、もしくは第1の磁性層1と非磁性層3の間及び第2の磁性層2と非磁性層3の間にCoを主成分とする磁性層と設けると、磁気抵抗比が高くなるため、より高いS/N比が得られるため望ましい。この場合のCoを主成分とする層の厚みは20Å以下が好ましく、また効果を発揮させるためには5Å以上が好ましい。また、S/Nを向上させるために、第1の磁性層1/非磁性層3/第2の磁性層2/非磁性層3を1つのユニットとして、このユニットを積層しても良い。積層する組数は多い程MR比が大きくなり好ましいが、余り多くするとMR磁性層が厚くなり電流を多く必要とするため、積層の回数は40組以下、更に好ましくは3〜20組程度に設けるのがよい。
【0051】
第1,第2の磁性層1,2の保磁力の制御は、例えば、CoにFeを添加すると保磁力は小さくなり、Ptを添加すると保磁力は大きくなるので、例えばCo100-x-y Fex Pty として元素組成x及びyを調節して保磁力を制御すればよい。また、成膜時の基板温度を高くすることによっても保磁力を高めることができるので、別の保磁力の制御方法として成膜時の基板温度を調節してもよい。この方法と前述した強磁性薄膜の組成を調節する方法とを組合せてもよい。
【0052】
なお、本発明は、図1,図6,図7の構成に限ることなく、第2の磁性層2の非磁性層3と反対側の面に接して反強磁性層を設け、この反強磁性層と第2の磁性層2が交換結合して第2の磁性層2の磁化を固定してもよい。反強磁性層との交換結合によって、第2の磁性層2の保磁力を大きくすることが可能となる。この場合、第1の磁性層1と第2の磁性層2に同じ材料を用いることも可能であるので、保磁力を大きくするためにMR比を犠牲にするといったことがなく、材料の選択の幅が広がる。反強磁性層としては酸化ニッケルNiO、鉄マンガンFeMn、酸化コバルトCoOなどを用いることができる。
【0053】
次に、前述の通り、メモリ素子への情報の記録は、記録電流によりメモリ層の磁化反転磁界(保磁力)より大きい磁界を発生させて行う。よって、記録に必要な磁界は、メモリ層の保磁力に依存する。以下、本願発明者は、記録に必要な磁界の大きさを調べるために、保磁力の異なるメモリ層を持つメモリ素子を作製して評価実験を試みた。
【0054】
図7に示すメモリ素子の構成で、直径0.12μmの導電体5と、内径0.14μm、外径0.30μmのNiFe検出層/AlOx/Coメモリ層からなるメモリセルを、メモリ層の保磁力を2、4、5、10、12(Oe)として各々100個づつ作製した。これらのメモリセルに“0”もしくは“1”の記録を行った。書き込み線に流す電流から発生する磁界の大きさは、メモリ層の保磁力にほぼ等しいか、やや上回る大きさとした。導電体5の長さ、即ち電流路の長さは2μmとした。この後、各セルの情報を再生して、記録情報が確実に保持されている正常セルと、記録情報が消失している不良セルの各個数を調べた。
【0055】
結果を表1に示す。誤り率は全体のセル数に対する不良セルの割合として定義した。書き込み線電流から発生する磁界の大きさを、5(Oe)にすると誤り率は1%になり、10(Oe)以上では0%になった。また、2(Oe)、4(Oe)では、誤り率は各々50、90%になり、情報の保持は困難であった。誤り率は、数%程度のレベルであれば、メモリとして誤り訂正機能の付加で冗長性を持たせることにより、誤り率を0%ととして正確に記録再生することが可能である。以上の結果より、書き込み電流磁界は少なくとも5(Oe)以上が必要で、望ましくは10(Oe)以上が良いことがわかる。
【0056】
【表1】
次に、本願発明者は電流路の長さの上限を調べるために先の説明と同様の構成のメモリセルを、電流路の長さを変えて作製し、記録再生実験を行った。電流路の長さは、0.5、1.0、2.0、3.0、4.0μmとして各々100個づつ作製した。これらのメモリセルに“0”もしくは“1”の記録を行い、書き込み線に流す電流から発生する磁界の大きさは10(Oe)、メモリ層の保磁力は8(Oe)とした。結果を表2に示す。書き込みの長さを2μmにすると誤り率は2%になり、1.0μmでは1%、0.5μmでは0%になった。誤り率が悪くなったのは、膜厚方向に長い電流路を設けたために、隣接するセルに誤記録したためと推定される。以上の結果より、書き込み線の長さは、少なくとも2μm以下が必要で、望ましくは1.0μm以下、更に望ましくは0.5μm以下が良いことがわかる。
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、閉磁路構造の第1、第2の磁性層を用い、発生する磁界によって情報を記録する電流路の長さを0.05μm以上、2μm以下とすることにより、1ビットのセル幅を小さくできて集積度を高められるばかりでなく、記録のための十分な磁界を発生できるため、安定して情報を記録でき、安定して情報を保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁性薄膜メモリの第1の実施形態の構成を示す図である。
【図2】図1の磁性薄膜メモリを用いてメモリを構成する場合の一例を示す図である。
【図3】円柱状の電流路を模式的に示す図である。
【図4】図3の電流路における半径と磁界の関係を電流路の長さをパラメータとして示す図である。
【図5】図3の電流路における電流路の長さと最大発生磁界の関係を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態を示す図である。
【図8】従来例の巨大磁気抵抗効果を用いた磁性薄膜メモリ素子を示す図である。
【図9】図8の磁性薄膜メモリ素子の記録動作を説明するための図である。
【図10】図8の磁性薄膜メモリ素子の再生動作を説明するための図である。
【図11】本発明の磁性薄膜メモリ素子の第4の実施形態を示す断面図である。
【図12】本発明の磁性薄膜メモリ素子の第5の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 第1の磁性層
2 第2の磁性層
3 非磁性層
4 良導体
5 導電体
6 絶縁体
Claims (2)
- 閉磁路構造の第1の磁性層と、前記第1の磁性層よりも高い保磁力を有する閉磁路構造の第2の磁性層とを非磁性層を介して積層して成り、前記第1,第2の磁性層は左回りもしくは右回りに容易軸を有し、前記第1,第2の磁性層の磁化方向の相対角度によって、異なる抵抗値を有するスピントンネル膜を有するメモリであって、
前記第1,第2の磁性層及び非磁性層により電流路が構成され、前記電流路に、前記第1,第2の磁性層の少なくとも一方の磁化を反転させるために、膜面に対し垂直方向に第1の電流が供給され、前記第1,第2の磁性層の相対角度による抵抗値の違いを検出するために、前記第1の電流よりも小さい第2の電流が供給され、前記電流路の長さが0.05μm以上、2μm以下であることを特徴とするメモリ。 - 前記第1の磁性層の前記非磁性層と接する面とは反対側の面、もしくは前記第2の磁性層の前記非磁性層と接する面とは反対側の面の少なくとも一方に、前記第1,第2の磁性層よりも導電率の高い良導体層を形成することを特徴とする請求項1に記載のメモリ。
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