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JP4037395B2 - 送信機 - Google Patents

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Description

本発明は、変調方式可変の送信機に係り、特に、電波伝搬環境に応じて、EVM(error vector magnitude:変調精度)規格を満足しつつ変調多値数を変化させる無線通信システムに好適な送信機に関する。
電波伝搬環境に応じて変調多値数を変化させて送受信することができる無線通信システムとして下記非特許文献1記載のものがある。電波伝搬環境が良好な時は、変調多値数の多い変調方式を用いて通信容量を拡大させる。この非特許文献1に示されるIEEE802.11aのシステムにおいては、2値のシンボル点を用いるBPSK (Binary Phase Shift Keying)、4値を用いるQPSK (Quadrature Phase Shift Keying)、16値を用いる16QAM (Quadrature Amplitude Modulation)、64値を用いる64QAMの各変調方式を使用する。
このような複数の変調方式を用いる無線通信システムを含むシステムで用いられる送信機の要部構成は、概略次のようになっている。すなわち、発生させたIチャンネル、Qチャンネルそれぞれのデジタル信号(送信デジタル信号)をDA変換器でアナログ信号に変換し、これをフィルタリングして不要周波数成分を除去する。そしてフィルタリングされたふたつのアナログ信号で搬送波で直交2相変調しこれをアンテナから放射出力する、というものである。
下記特許文献1では、このような複数の変調方式を用いる無線通信システムにおいて、変調多値数が変化してもDA変換器への入力レベルとして最適な動作点となるような送信デジタル信号を生成し、単一のDA変換器を用いても変調多値数の違いでアナログ処理段階での信号劣化が起こらないようにする提案がされている。
アイトリプルイー・スタンダード・802.11a(IEEE Std 802.11a-1999 (Supplement to IEEE Std 802.11-1999)Supplement to IEEE Standard for Information technology-Telecommunications and information exchange between systems-Local and metropolitan area networks-Specific requirements-Part 11):ワイヤレスラン・メディア・アクセス・アンド・フィジカル・レイヤ・スペシフィケーション(Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) specifications):ハイスピード・フィジカル・レイヤ・イン・ザ・5GHzバンド(High-speed Physical Layer in the 5 GHZ Band) 特許第2975390号公報
上記の従来技術(特許文献1)においては、変調多値数の変更(=変調方式変更)に関わらずDA変換器として同一の構成のものを使用するため送信時の消費電力は一定している。すなわち、通信データレートが低いとき(例えば変調方式にBPSKを使用しているとき)と、通信データレートが高いとき(例えば変調方式に64QAMを使用しているとき)とで、無線送信機の消費電力は変わらない。
このため通信データレートが低い場合でも消費電力が大きくエネルギ利用効率が低い。モバイル環境下では無線機の移動などで外部環境が変化し、固定で使用する場合と比較して無線通信伝搬路が不安定である。したがって、変調方式可変の無線通信システムをモバイル環境下で使用した場合、通信データレートの低い変調方式で通信をする確率は低くない。送信機の中では特にDA変換器が全消費電力に占める割合が多く、エネルギ利用効率の低い状態での動作状態を増加させる。これにより、ユーザには頻繁な充電や電池交換を強いることになる。
また、一般に送信機は、規格の定めによりスプリアス放射電力や帯域外漏洩電力等が規制されており、これを満たす必要がある。また、低コスト化や制御方法の簡便さ、IC設計の容易さも重要である。
本発明は、上記の事情を考慮してなされたもので、電波伝搬環境に応じて変調多値数を変化させる送信機において、通信データレートに応じて消費電力を削減することが可能な送信機を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る送信機は、伝送すべき信号を、与えられた変調多値数に応じたデジタル値として生成する送信デジタル信号生成部と、前記生成されたデジタル値としての信号をデジタルアナログ変換してアナログ信号を出力するDA変換部と、前記出力されたアナログ信号により搬送波を変調する変調部と、前記変調多値数に基づいて前記DA変換部の有効ビット数の切り替えを行うビット数制御部とを具備することを特徴とする。
すなわち、変調多値数が可変の送信機において、DA変換部の有効ビット数を変調多値数に基づいて変更する。この変更を制御するためビット数制御部を設ける。これにより、変調多値数に応じて必要なだけの有効ビット数でDA変換がされるので、通信データレートが低い場合にはこれに応じて消費電力を低減できる。
本発明によれば、電波伝搬環境に応じて変調多値数を変化させる送信機において通信データレートに応じて消費電力を削減することができる。
本発明の実施態様として、前記ビット数制御部による前記有効ビット数の切り替えがあっても前記DA変換部の出力アナログ信号の最大振幅が一定となるように、前記変調多値数に基づいて前記DA変換部の出力振幅を制御する出力振幅制御部をさらに具備するようにしてもよい。これにより、DA変換部の有効ビット数が変更されてもその出力の最大振幅が一定しているためその後段の信号処理に特別の対応が不要になる。回路規模を削減しコストダウンを図ることができる。
また、前記DA変換部から前記変調部への信号経路途上に設けられ、所定帯域外の周波数に対する抑圧量が外部からの制御により可変できるアナログフィルタと、前記変調多値数に基づいて前記アナログフィルタの前記所定帯域外周波数抑圧量を制御する信号を生成してこれを前記アナログフィルタの前記外部からの制御信号として出力するフィルタ制御部とをさらに具備するようにしてもよい。これにより、DA変換部の有効ビット数が変更された場合それぞれに対応して所定帯域外の不要輻射を低減することができる。
ここで、前記アナログフィルタが、受動部品で構成された受動フィルタと能動部品を含む部品で構成された能動フィルタとを有し、前記所定帯域外周波数抑圧量の制御のためにもっぱら前記受動フィルタの特性が切り替えられる、とすることができる。もっぱら受動フィルタについてその特性切り替えを行えばDA変換部の有効ビット数が変更されても消費電力の変化(増加)がなく低電力化に向いている。
また、ここで、前記フィルタ制御部が、さらに、該フィルタ制御部による前記アナログフィルタの制御があっても該アナログフィルタの出力アナログ信号の最大振幅が一定となるように、前記変調多値数に基づいて前記DA変換部の出力振幅をも制御する、としてもよい。これによれば、DA変換部の有効ビット数が変更された場合それぞれに対応して所定帯域外の不要輻射を低減し得るとともに、DA変換部の有効ビット数が変更されてもアナログフィルタの最大出力振幅が一定となるためその後段の信号処理に特別の対応が不要になる。よって回路規模を削減しコストダウンを図ることができる。
以上を踏まえ、以下では本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る送信機の主要構成を示すブロック図である。同図に示すように、この送信機はその主要構成として、送信デジタル信号生成部11、DA変換部12、ビット数制御部13を有する。
送信デジタル信号生成部11は、伝送すべき信号を、与えられた変調多値数に応じたデジタル値として生成するものである。変調多値数を、例えば2、4、16、64の4種とするのが上記説明した規格802.11aである。変調多値数の選択は電波伝搬環境に応じてなされる。その選択の方法自体については公知技術を利用可能なのでここでは説明省略する。選択の結果として、使用する変調多値数が送信デジタル信号生成部に与えられているものとする。送信デジタル信号生成部11で生成された送信デジタル信号はDA変換部12に供給される。
DA変換部12は、供給されたデジタル値の信号をデジタルアナログ変換してアナログの送信信号(送信アナログ信号)を出力するものである。ここでDA変換部12の有効ビット数は、ビット数制御部13からのDA変換器ビット数切り替え信号により切り替えられる。
ビット数制御部13は、送信デジタル信号生成部11に与えられている変調多値数の情報を含む信号(変調多値数情報信号)が供給されて、これに基づいてDA変換部12の有効ビット数を切り替えるための信号(DA変換器ビット切り替え信号)を生成するものである。生成された信号はDA変換部12に供給される。
なお、実際には、DA変換部12の後段には送信アナログ信号により搬送波を変調する変調部が設けられている。また、この変調部は直交2相変調器であり、その他方の入力であるもうひとつの送信アナログ信号は、図1に示した構成と同様の別の構成部の出力として供給される。
引き続き詳細にこの送信機の動作を説明する。送信デジタル信号生成部11で生成されたデジタル値の送信信号は、ビット数可変のDA変換部12に供給される。DA変換部12は、供給された送信デジタル信号をアナログ信号に変換して出力する。出力されたアナログ信号は、波形整形フィルタ等(不図示)により不必要な高調波成分が取り除かれて、変調部(不図示)に供給される。変調部により変調された信号はさらにアンテナ(不図示)により放射出力される。
この一連の動作と同時に、送信デジタル信号生成部11に与えられた変調多値数の情報は、変調多値数情報信号として、送信デジタル信号生成部11よりビット数制御部13に供給されている。ビット数制御部13は、供給された変調多値数情報信号に応じてDA変換部12の有効ビット数を変更するため、DA変換部ビット数切り替え信号を生成・出力する。DA変換部12は、この切り替え信号により有効ビット数を切り替え、結果として、変調多値数に基づいたビット数でデジタル信号をアナログ信号に変換する。
なお、DA変換部12における変調多値数に基づいた有効ビット数については、これを、規格に定められるEVM(error vector magnitude:変調精度)に基づいて、例えば次のようにして決定することができる。規格では、変調多値数それぞれに対応して個々にEVMが定められている。各EVM[dB]の絶対値に、出現確率0.1%の送信最大電力と平均電力との差(ピークファクタ)[dB]を加えた値を送信機に必要なSNR[dB]と仮定する。
この前提で、DA変換部12の有効ビット数は、(SNR−1.76)/6.02の算出値の小数点を切り上げた整数以上のビット数でかつ{(SNR−1.76)/6.02}+2の算出値の小数点を切り上げた整数以下のビット数として求められる。例えば、EVMの規格が25dB、ピークファクタが10dBであるとき、送信機に必要なSNRは25+10=35dBとなり、有効ビット数は、(35−1.76)/6.02の算出値5.5から、6ビットないし8ビットのいずれかのビット数になる。同様に個々の変調多値数に応じたEVMの規格からDA変換部12の必要な有効ビット数を算出することができる。
図1に示す構成により、この送信機は、変調多値数に応じてDA変換部12の有効ビット数を変更するので、通信データレートが低いときはDA変換部12の有効ビット数を少なくすることができる。原理的には、DA変換部12の有効ビット数をnビット減少することにより約2×n分の1に消費電力を削減することが可能である。よって、変調多値数の少ないときの送信機の消費電力を抑えることが可能となり、エネルギー利用効率が向上する。さらに、モバイル環境下等の電波伝搬環境の悪い状態で電池駆動の送信機を使用しているユーザの充電の手間を軽減することが可能となる。
図2は、図1中に示したDA変換部12の構成例を示すブロック図である。このDA変換部12の構成は、複数のDA変換器12a、12b、12c、…、12dを用意しこれらをDA変換部ビット数切り替え信号により切り替えて使用するものである。より具体的には、図1に示した送信デジタル信号生成部11で生成された送信デジタル信号を切り替えスイッチ12eに入力し、この切り替えスイッチ12eの切り替えによりどのDA変換器に送信デジタル信号を入力するかを決める。ここで切り替えスイッチ12eの切り替えはDA変換部ビット数切り替え信号により制御される。
DA変換器12a、…は、それぞれ有効ビット数が異なるDA変換器であり、例えば入力側はどれも例えば10ビットであるが、それらの出力では入力のうちその固有の有効ビット数(例えば10ビット、9ビット、8ビット、…)に応じた確度のアナログ値を出力する。DA変換器12a、…のうち送信デジタル信号が入力されたものの出力は、切り替えスイッチ12fにより選択されてこのDA変換部12の出力となる。ここで切り替えスイッチ12fの切り替えはスイッチ12eと同じくDA変換部ビット数切り替え信号により制御される。
また、DA変換器12a、…は、使用されているものを除いて電源オフの状態とされる。このため、DA変換部ビット数切り替え信号をデコーダ12gでデコードして、使用するDA変換器への電源オン制御信号を生成する。生成されたこの信号によりDA変換器のうちひとつのみが電源オンとされ残りは電源オフのままとなっている。
なお、DA変換器12a、…が、それぞれ電源オフのとき出力がオープン状態(ハイインピーダンス状態)となる出力形式を有する場合には、出力側の切り替えスイッチ12fを使用することなく各DA変換器12a、…の出力を単に接続してその接続ノードをDA変換部12としての出力とすることができる。この場合回路規模の縮減が可能である。
DA変換部12を図2に示すように構成することにより、特殊なDA変換器を用いることなく個別に設計したDA変換器の組み合わせで上記効果を得ることが可能となる。DA変換部12として設計が容易であり、設計期間の短縮、それによる機送信機の低コスト化を図ることができる。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の別の実施形態に係る送信機の主要構成を示すブロック図である。同図において、すでに説明した図中に示した構成要素と同一または同一相当の構成要素には同一符号を付してあり、その部分については特に加えることがない限り説明を省略する。この実施形態の送信機は、出力振幅制御部21が新たに設けられ、ビット数制御部13からDA変換部12への信号(DA変換部ビット数切り替え信号)が、出力振幅制御部21からのDA変換部12への出力振幅制御信号も含む点が上記実施形態と異なる。
出力振幅制御部21からDA変換部12への出力振幅制御信号は、変調多値数の変更があってもDA変換部12の出力の最大振幅が一定となるように制御する信号である。このため送信デジタル信号生成部11からの変調多値数情報信号が出力振幅制御部21にももたらされる。出力振幅制御部21は、ビット数制御部13がDA変換部12の有効ビット数の変更を行うことにより生じ得るDA変換部12の最大出力振幅の変動を補正するように出力振幅制御信号を生成する。なお、DA変換部12は一般的には有効ビット数が変更されると最大振幅が変動する。例えば、有効ビット数が10ビットのときデジタル値0から1023までに相当するアナログ値を出力し、有効ビット数が9ビットのときデジタル値0から511までに相当するアナログ値を出力する場合には、出力最大振幅は1/2になっている。
図3に示す構成のひとつの例として、DA変換部12が図2に示されるような内部構成の場合には、各DA変換器12a、…自体の設計としてその最大出力振幅が一定となるようにしておくことも可能である。この場合には、出力振幅制御部21がビット数制御部13に実質的に含まれているものとして考えることができ、DA変換器ビット数切り替え信号が出力振幅制御信号でもあるとして見ることができる。
次に、図3に示す実施形態のより具体的な構成の他の例を図4を参照して説明する。図4は、図3に示した主要構成のより具体的な例を示すブロック図である。図4において、すでに説明した図中に示した構成要素と同一または同一相当の構成要素には同一符号を付し、その部分については特に加えることがない限り説明を省略する。この送信機は、DA変換部12がDA変換器121と可変利得増幅器122とからなり、DA変換器121はが有効ビット数可変のDA変換器であり、可変利得増幅器122はDA変換器121の後段に設けられた利得が可変の増幅器である。
このような構成において、ビット数制御部13から出力されるDA変換部ビット数切り替え信号はDA変換器121に導かれ、出力信号制御部21から出力される出力振幅制御信号は可変利得増幅器122に導かれる。DA変換器121は、例えば図2に示した内部構成のDA変換部12と同じ構成のものである。一方、出力振幅制御信号の役割はすでに説明した通りであり、すなわち、ビット数制御部13がDA変換器121の有効ビット数の変更を行うことにより生じ得るDA変換器121の最大出力振幅の変動を補正するように可変利得増幅器122の利得を制御するものである。
図4に示す構成により、変調多値数が変更されても送信アナログ信号の最大出力振幅が一定となるため、DA変換部12後段の送信機のアナログ構成要素(たとえば波形整形フィルタ、直交変調器、等)は異なる入力信号レベルに対応する必要がなくなり、設計が容易になる。また、回路規模が削減され送信機として低コスト化される。さらに第1の実施形態同様、送信機の低消費電力化がなされエネルギー利用効率の向上が実現する。
(第3の実施形態)
図5は、本発明のさらに別の実施形態に係る送信機の主要構成を示すブロック図である。同図において、すでに説明した図中に示した構成要素と同一または同一相当の構成要素には同一符号を付してあり、その部分については特に加えることがない限り説明を省略する。この実施形態の送信機は、DA変換部12の後段の特性可変フィルタ32(アナログフィルタ)と、この特性可変フィルタ32を制御する隣接チャンネル抑圧量制御部31(フィルタ制御部)とが新たに設けられた点が上記各実施形態と異なる。
これらの新たな構成要素を設けた目的は、変調多値数の変更があっても隣接チャンネル漏洩電力、帯域外不要輻射などを規格で定める規制値より確実に低減することである。これは、変調多値数の変更によりDA変換部12の有効ビット数が変化すると、一般に、アナログ信号出力には次のようなSN比の変動があり、そのノイズレベルにより隣接チャネル漏洩や帯域外不要輻射の原因になるからである。
ビット数 SN比[dB]
2 13.8
3 19.8
4 25.8
5 31.9
6 37.9
7 43.9
8 49.9
9 55.9
10 62.0
11 68.0
12 74.0
そこで、隣接チャンネル抑圧量制御部31では、送信デジタル信号生成部11からの変調多値数情報信号に基づいて特性可変フィルタ32における帯域外減衰量を切り替えるための制御信号を生成する。生成された隣接チャンネル抑圧量切り替え信号は特性可変フィルタ32に導かれる。特性可変フィルタ32は導かれた隣接チャンネル抑圧量切り替え信号により帯域外減衰特性が可変される。
例えば、DA変換部12の有効ビット数が10ビットのとき特性可変フィルタ32の帯域外減衰量が20dBであり、これにより規制(規格)を満足しているとする。この状態から有効ビット数が例えば5ビットに移行したときには、特性可変フィルタ32の帯域外減衰量を、有効ビット数を切り替えたことによるSN比の劣化分30dB(上記表参照)だけ加えた50dBに変化させる。これにより有効ビット数を切り替えた場合(すなわち変調多値数を変更した場合)に応じて常に規格を満足することができる。
なお、特性可変フィルタ32の帯域外減衰量を可変する方法としては、例えばフィルタ次数を変化させることが挙げられる。
図5に示した構成は、図3や図4に示した構成と重畳して適用することも無論可能である。また、DA変換部12と特性可変フィルタ32とをブロックとしてひとつにまとめ、かつ、ビット数制御部13と隣接チャンネル抑圧量制御部31とをブロックとしてひとつにまとめ、隣接チャンネル抑圧量切り替え信号とDA変換部ビット数切り替え信号とを同一の制御信号系列としてまとめて構成してもよい。
図5に示す構成により、低消費電力化のためDA変換部12の有効ビット数を低ビットに切り替えたときにおいても、無線通信システムの規格に定められた隣接チャンネル抑圧仕様を常に満足することが可能となる。
なお、通常、DA変換部12後段には折り返し信号を除去するためにアナログLPF(アンチエリアシングフィルタ)が挿入される。一般的には、このLPFによる帯域外減衰により隣接チャネル漏洩電力などの規格を満足できる場合がある。この場合、折り返し信号を除去するためLPFが満足すべき仕様が、隣接チャンネル漏洩電力の規格を満足するためLPFが満足すべき仕様よりも厳しく、すなわち、帯域外減衰量という観点で考えると、LPFがもともとオーバースペックである場合があり得る。
このような場合、この実施形態の送信機は次のように動作させる。すなわち、有効ビット数が減少した場合に帯域外減衰量が隣接チャネル漏洩電力の仕様を満足するぎりぎりの値となるようにLPFの帯域外減衰量を設定する。例えば、DA変換部12の有効ビット数が10ビットの場合に、隣接チャネル漏洩電力の規格を満たすのに必要なLPFの所要減衰量が20dBであるが、折り返し信号除去のために必要な仕様から帯域外減衰量が30dBあり、10dBのオーバースペックとなっていると仮定する。この場合、DA変換部12の有効ビット数を5ビットに減少させる際に、SN比の劣化分30dBをLPFの帯域外減衰量に上乗せしてLPFの帯域外減衰量を60dBとせずに、所要減衰量である50dBに設定する。これによって、LPFの帯域外減衰量を必要以上に設定することによる、特性劣化や消費電流増加を防止できる。
(第4の実施形態)
図6は、本発明のさらに別の実施形態に係る送信機の主要構成を示すブロック図である。同図において、すでに説明した図中に示した構成要素と同一または同一相当の構成要素には同一符号を付してあり、その部分については特に加えることがない限り説明を省略する。この実施形態の送信機は、図5に示した実施形態に比較して、隣接チャンネル抑圧量制御部31AがDA変換部12をも制御する点が異なる。
これは、第3の実施形態において、DA変換部12の有効ビット数をより小さくして使用している場合に特性可変フィルタ32の帯域外減衰量を変化させたことによる送信アナログ信号の振幅ロス(または増加)分を補正するためである。
例えば、DA変換部12の有効ビット数が10ビットと設定されているときにその出力の最大振幅が0.1Vppであるとし、このとき特性可変フィルタ32の利得(帯域内の利得)が20dBになっているとする。これによりこのとき特性可変フィルタ32の出力の最大振幅は1Vppである。
ここで、DA変換部12の有効ビット数が例えば5ビットに設定し直されたときに、必要な帯域外減衰量から特性可変フィルタ32の利得(帯域内の利得)が26dBに変化したとする。この場合にはDA変換部12の出力を6dB分小さくするように隣接チャンネル抑圧量制御部31AがDA変換部12を制御する。この制御の結果、DA変換部12の出力最大振幅は0.05Vppとなる。このように動作させることで、特性可変フィルタ32の最大出力振幅は、変調方式(すなわちDA変換部12の有効ビット数)に依存することなく常に例えば1Vppで一定となり、特性可変フィルタ32の後段に位置する回路の仕様を変調方式に関わらず統一することが可能となる。
図6に示す構成により、低消費電力化のためDA変換部12の有効ビット数を小さなビット数に切り替えたときにおいても、送信アナログ信号の最大出力振幅および隣接チャネル抑圧量は一定になり、特性可変フィルタ32後段のアナログ構成要素(直交復調器、RFフィルタ、等)は、異なる最大振幅や異なる隣接チャネル抑圧量に対応する必要がなくなり、設計が容易になる。また、無線通信システムの規格に定められた仕様を満足する、低消費電力で低コストの送信機が得られる。
(第5の実施形態)
次に、本発明のさらに別の実施形態に係る送信機について図7を参照して説明する。図7は、図5、図6中に示した特性可変フィルタ32の構成例を示すブロック図である。図7に示すように、この実施形態は、第3、第4の実施形態において特性可変フィルタ32を、アクティブフィルタ41(能動フィルタ)と可変受動フィルタ42(アナログフィルタ)との縦続構成で実現したものである。ここで、隣接チャンネル抑圧量切り替え信号はもっぱら可変受動フィルタ42を制御し、アクティブフィルタ41の制御は行わない。
すなわち、DA変換部12より出力された信号は、まず、能動部品を使用して構成され、特性が固定されたアクティブフィル41に入力される。そして、その出力が、送信デジタル信号の変調多値数に応じた、隣接チャネル抑圧量制御部31(31A)から出力された隣接チャンネル抑圧量切り替え信号により特性が可変される、受動部品だけで構成された可変受動フィルタ42に入力される。ここで可変受動フィルタ42は、例えばその次数が隣接チャンネル抑圧量切り替え信号により切り替えられる。
図7に示す構成により、DA変換部12の有効ビット数を低ビットに切り替えた場合に可変受動フィルタ42の例えば次数が変更されるが、その変更により動作として変化するのが受動フィルタのみであり消費電力は変化(増加)しない。また、低消費電力化を図り、変調多値数が変更になった場合でも隣接チャネル抑圧量を一定に設定することができる。さらに、第4の実施形態と併用することにより、可変受動フィルタ42で発生するロス分をDA変換部12の最大出力振幅の変更で補正するとができ、特性可変フィルタ32後段のアナログ構成要素の設計を容易することができる。なお、この実施形態ではアクティブフィルタ41と可変受動フィルタ42の縦続関係を入れ替えてもよい。これによっても同様な効果が得られる。
本発明の一実施形態に係る送信機の主要構成を示すブロック図。 図1中に示したDA変換部12の構成例を示すブロック図。 本発明の別の実施形態に係る送信機の主要構成を示すブロック図。 図3に示した主要構成のより具体的な例を示すブロック図。 本発明のさらに別の実施形態に係る送信機の主要構成を示すブロック図。 本発明のさらに別の実施形態に係る送信機の主要構成を示すブロック図。 図5、図6中に示した特性可変フィルタ32の構成例を示すブロック図。
符号の説明
11…送信デジタル信号生成部、12…DA変換部、12a、12b、12c、12d…DA変換器、12e、12f…切り替えスイッチ、12g…デコーダ、13…ビット数制御部、21…出力振幅制御部、31…隣接チャンネル抑圧量制御部(フィルタ制御部)、32…特性可変フィルタ(アナログフィルタ)、41…アクティブフィルタ(能動フィルタ)、42…可変受動フィルタ(受動フィルタ)、121…DA変換器、122…可変利得増幅器。

Claims (5)

  1. 伝送すべき信号を、与えられた変調多値数に応じたデジタル値として生成する送信デジタル信号生成部と、
    前記生成されたデジタル値としての信号をデジタルアナログ変換してアナログ信号を出力するDA変換部と、
    前記出力されたアナログ信号により搬送波を変調する変調部と、
    前記変調多値数に基づいて前記DA変換部の有効ビット数の切り替えを行うビット数制御部と
    を具備することを特徴とする送信機。
  2. 前記ビット数制御部による前記有効ビット数の切り替えがあっても前記DA変換部の出力アナログ信号の最大振幅が一定となるように、前記変調多値数に基づいて前記DA変換部の出力振幅を制御する出力振幅制御部をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の送信機。
  3. 前記DA変換部から前記変調部への信号経路途上に設けられ、所定帯域外の周波数に対する抑圧量が外部からの制御により可変できるアナログフィルタと、
    前記変調多値数に基づいて前記アナログフィルタの前記所定帯域外周波数抑圧量を制御する信号を生成してこれを前記アナログフィルタの前記外部からの制御信号として出力するフィルタ制御部と
    をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の送信機。
  4. 前記アナログフィルタが、受動部品で構成された受動フィルタと能動部品を含む部品で構成された能動フィルタとを有し、前記所定帯域外周波数抑圧量の制御のためにもっぱら前記受動フィルタの特性が切り替えられることを特徴とする請求項3記載の送信機。
  5. 前記フィルタ制御部が、さらに、該フィルタ制御部による前記アナログフィルタの制御があっても該アナログフィルタの出力アナログ信号の最大振幅が一定となるように、前記変調多値数に基づいて前記DA変換部の出力振幅をも制御することを特徴とする請求項3記載の送信機。
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