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JP4031004B2 - ショットピーニング方法およびこの方法により得られる板ばね、ならびにショットピーニング装置 - Google Patents

ショットピーニング方法およびこの方法により得られる板ばね、ならびにショットピーニング装置 Download PDF

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本発明は、ショットピーニング方法およびこの方法により得られる板ばね、ならびにショットピーニング装置に係り、とくに、車体や一般機械を懸架するための板ばね端部の目玉部に圧縮残留応力を与えることで、その遅れ破壊時間を長くすることのできるショトピーニング技術に関する。
熱処理を施した板ばねには、疲れ強さを大きくする(耐久性を向上させる)ために、ショットピーニング(以下、単に「SP」と称する場合がある)が施される。しかしながら、SPを施すワークの所定箇所は、板ばねの表面部分に限られ、端部の目玉部内面においてはSPを確実に実施することができなかった。しかしながら、目玉部内面にもブッシュ等を圧入する場合には、目玉部内面の一部にも引っ張り応力が発生することから、SPを確実に実施することのできる技術が従来から要請されていた。
従来、目玉部内面についてもSPの効果は認知されていたが、具体的な方式としては、インペラに角度を与え、目玉部内面の一部にショットを投射する、いわゆるインペラ方式が提案されているにすぎなかった。しかしながら、インペラ方式では、実際に目玉部にブシュを圧入する際に最も応力が集中する目玉部の頭頂部付近にショットを投射することは不可能に近く、このため目玉部内面に積極的にSPを施すことはできなかった。
これに対し、目玉部内面に積極的にSPを施す方式として、エアーノズル方式が提案されている(特許文献1参照)。このエアーノズル方式は、SP装置を用い、ショット噴出装置の下流側にショット反射部材を配置し、この反射部材に付与された角度に応じてショットを目玉部内面に投射する方式である。この方式では、目玉部内面の任意の位置を狙ってSPを実施することが可能であるが、目玉部内面に投射されたショットが飛散するため、飛散したショットを回収せねばならず、この回収作業が大掛かりなものとなる。さらに、SP装置内で目玉部内面に正確にSPを施すには、目玉部内面に対してショット噴出装置および反射部材を正確に位置決めする必要がある。このため、装置自体が大掛かりなものとなり、未だ実用化されていないのが現状である。
特公平7−36982号公報
近年、板ばねの軽量化ニーズに対応し、板ばねの高強度化として高硬度化が図られている。また、目玉部に装着されるブッシュの大径・厚肉剛体化と動力性能増加に伴い、制動時の前後入力が増加することで、目玉部内面に発生する応力は増加傾向にある。さらに、新技術としてモノリーフ(1枚ばね)化が進むと、安全上の問題から目玉部の早期損傷対策が必要不可欠となり、目玉部内面へのSP施工は必須工程となることが予想される。このような事情から、近年においては、目玉部の遅れ破壊時間を長くすること、および強度向上が従来に比して益々重要な課題となってきている。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、車体等を懸架するための板ばね端部の目玉部の遅れ破壊時間を長くし、割れ等が発生しない板ばねを提供すべく、その板ばねの製造に好適なショットピーニング方法およびこの方法により得られる板ばね、ならびにその板ばねの製造に好適なショットピーニング装置を提供することを目的としている。
本発明のショットピーニング方法は、ワークに対してその下方から内部へ鉛直方向に移動可能であるとともに鉛直方向軸線の周りに回転可能なハウジングと、ハウジング内の上部に配置された反射部材と、ハウジング内で反射部材の下方に配置された振動子と、ハウジングに対して上下動することによりハウジングの側方に形成された開口を開閉するとともに、ハウジングに対する上下動においてワークの下縁部に常に接触することが可能なシャッタとを備えたショットピーニング装置を用いる方法であって、ハウジングとワークとの係合状態においては、ハウジングをワーク内部で移動させ、ワークの内周面がハウジングの開口を閉塞することにより、ワーク、ハウジング、反射部材、および振動子により閉鎖空間を形成し、この閉鎖空間内で超音波振動によって鋼球を連続的にワークに投射して、ワークの少なくとも一部に−300MPa以上の圧縮残留応力を付与し、ハウジングとワークとの非係合状態においては、ハウジング上部の反射部材をワークの下側に配置し、シャッタがハウジングの開口を閉塞することにより、ハウジング、反射部材、振動子、およびシャッタにより閉鎖空間を形成して、鋼球の外部への脱落を防止し、ハウジングとワークとの非係合状態と係合状態との間の状態移行においては、シャッタをワークの下縁部に接触させた状態で、ハウジングをワークに対して相対的に上下移動させることにより、ハウジングの開口の閉塞部位をシャッタとワークとの間で連続的に切り換え、ハウジング、反射部材、振動子、シャッタ、およびワークにより閉鎖空間を形成して、鋼球の外部への脱落を防止することを特徴としている。
このようなショットピーニング方法においては、上記鋼球が、ロックウェルC硬さが65以上の硬質研磨鋼球であることが望ましい。
次に、本発明の板ばねは、少なくとも1枚のリーフからなる板ばねに、上記ショットピーニングを施したものである。なお、板ばねの軽量化を実現するためには、最近のモノリーフ化の傾向にしたがうことが望ましいが、強度の成立範囲に対応できない等の場合には、2枚以上の板ばねを重ね合わせて構成することもできる。
さらに、本発明のショットピーニング装置は、ワークに対してその下方から内部へ鉛直方向に移動可能であるとともに鉛直方向軸線の周りに回転可能なハウジングと、ハウジング内の上部に配置された反射部材と、ハウジング内で反射部材の下方に配置された振動子と、ハウジングに対して上下動することによりハウジングの側方に形成された開口を開閉するとともに、ハウジングに対する上下動においてワークの下縁部に常に接触することが可能なシャッタとを備えるショットピーニング装置において、ハウジングとワークとの係合状態においては、ハウジングをワーク内部で移動させ、ワークの内周面がハウジングの開口を閉塞することにより、ワーク、ハウジング、反射部材、および振動子により閉鎖空間を形成し、この閉鎖空間内で超音波振動によって鋼球を連続的にワークに投射して、ワークの少なくとも一部に−300MPa以上の圧縮残留応力を付与するように構成し、ハウジングとワークとの非係合状態においては、ハウジング上部の反射部材をワークの下側に配置し、シャッタがハウジングの開口を閉塞することにより、ハウジング、反射部材、振動子、およびシャッタにより閉鎖空間を形成し、鋼球の外部への脱落を防止するように構成しハウジングとワークとの非係合状態と係合状態との間の状態移行においては、シャッタをワークの下縁部に接触させた状態で、ハウジングをワークに対して相対的に上下移動させることにより、ハウジングの開口の閉塞部位をシャッタとワークとの間で連続的に切り換え、ハウジング、反射部材、振動子、シャッタ、およびワークにより閉鎖空間を形成して、鋼球の外部への脱落を防止するように構成したことを特徴としている。
本発明のショットピーニング方法によれば、ばね端部の目玉部の遅れ破壊時間を長くし、割れ等が発生しない板ばねを提供することができる。また、上記のように、使用する一般的なカットワイヤを用いずに、ロックウェルC硬さが65以上の硬質研磨鋼球とした場合には、ショットピーニングを施した箇所に微細な傷が発生することを防止でき、また均一な表面粗さを得ることができる。
次に、本発明のショットピーニング装置の効果について、説明する。
すなわち、本発明のショットピーニング装置は、上記ショットピーニング方法を好適に実施するための装置であるため、本装置によれば、上記したように、ばね端部の目玉部の遅れ破壊時間を長くし、割れ等が発生しない板ばねを提供することができることはもちろんであるが、その他の効果として、以下の〔1〕〜〔6〕に示す効果が奏される。
〔1〕ワーク、ハウジング、反射部材、および振動子により形成された閉鎖空間内で鋼球の移動を実現してSPを行うことから、特許文献1に記載の装置に比して、SP投射装置自体をコンパクト化することができる。このため、従来に比してより小さな目玉部の内面にもSPを行うことができる。
〔2〕上記のようなSP投射装置のコンパクト化により、特許文献1に記載の装置に比して、装置自体を軽量化することができるとともに、投射位置決めを容易に行うことができるため、SP効果が必要な部分を狙ってSPを施すことができる。
〔3〕アタッチメント(ハウジングの側方に形成された開口の出口付近に設けられたケーシング)の交換により、簡単な段取りで種々のサイズの目玉部に対してショットピーニングを行うことができる。
〔4〕1回の鋼球投入量を微量(10g以下)とすることができるとともに、鋼球をその移動空間に直接投入することができる。また、投射された鋼球をそのまま投射装置の中で回収せずに連続的に用いることができるため、鋼球を回収せずに繰り返して使用することができる。このため、鋼球の飛散対策や特別な鋼球回収装置が不要であり、大掛かりな設備を必要としない。
〔5〕上記したように、鋼球の繰り返し使用が可能であるため、鋼球の使用量は微量(1日1回鋼球を投入する場合には、10g以下)で済み、ランニングコストが安価である。
〔6〕振動子の振動数や振幅を制御することで、使用する鋼球のサイズや、投射時間を適宜変更することができる。その結果、エアーノズル方式では困難であった、短時間での照射による−800MPa以上の高い圧縮残留応力を得ることができる。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明のショットピーニング装置10と板ばねの目玉部Wとを示す図であり、(a)は、装置10と目玉部Wとの非係合状態を示す部分断面図、(b)は、装置10と目玉部Wとの係合状態を示す部分断面図、および(c)は、図(a),(b)に示すショットピーニング装置の平面図である。図1(a)に示すように、このショットピーニング装置10は、目玉部Wに対して鉛直方向に移動可能であるとともに鉛直方向軸線の周りに回転可能なハウジング11と、ハウジング11内の上部に配置された反射部材12と、ハウジング11内で反射部材12の下方に配置された超音波により振動する振動子13と、ハウジング11に対して上下動することによりハウジング11の側方に形成された開口14を開閉するシャッタ15とを備えるものである。
図1(a)に示すように、ハウジング11は、小径の円筒状上部11aと、中径の円筒状中部11bと、大径の円筒状下部11cとからなり、上部11aの側方には開口14が設けられている。また、反射部材12は、上面がハウジング11の上面と一致しており、下面が水平方向に対して傾斜している。反射部材12の下面が傾斜しているのは、目玉部Wの内面と後述する振動子13の上面が垂直なためである。
さらに、振動子13は、その外周面がハウジング11の内周面と微小な隙間を保って配置され、図1(a),(b)の鉛直方向に振動する。振動子13の下方には、ホーン16、ピエゾ素子17がその順に上方から配置されており、ピエゾ素子17はジェネレータ18と高圧ケーブルcを介して接続されている。このような構成の下、ジェネレータ18で発生した高周波電力がピエゾ素子17に入力されると、ピエゾ素子17の圧電効果により上記電力が機械的振動に変換される。さらにピエゾ素子17で発生した振動がホーン16に伝達され、ホーン16によって振動振幅が増幅されて振動子13に伝達される。
加えて、シャッタ15は、その下方に位置する昇降部材19により、ハウジング11に対して上下動する。ここで、上述したハウジング11の形状について追記すると、保持された目玉部Wに対してSP装置10が上昇すると、目玉部Wの淵部で押されたシャッタ15は下降し始め、空間21が目玉部内面に対して開放される。また、SP装置10が降下し始めると、シャッタ15は、昇降部材19により目玉部Wの淵部に常に接触した状態を保持し続けるため、内部に投入された硬質研磨鋼球の落下を防止するように、ハウジング11の外形と目玉部Wの外形に準じた半円筒形状をしている。
このような構成の下、ショットピーニング装置10を使用する際には、図1(a)の状態から昇降部材19によりシャッタ15をハウジング11に対して下方に移動し、開口14を開放して、開口14から複数個の鋼球20を空間21に投入する。次いで、昇降部材19によりシャッタ15をハウジング11に対して上方に移動し、図1(a)に示す状態に戻すべく、開口14を閉鎖する。
さらに、図1(b)に示すように、目玉部Wを押し下げるか、あるいはハウジングを図示しない昇降装置により上方へ移動して、目玉部W、ハウジング11、反射部材12、および振動子13により閉鎖空間22を形成する。そして、上記したような超音波振動によって振動子13を振動させ、これによりその上方に配置された複数の鋼球20を振動子13と目玉部Wとの間で連続的に往復運動させることで、閉鎖空間22内でショットピーニングを行う。なお、上述したように、反射部材12の下面は、目玉部Wの内面と振動子13の上面が垂直なために傾斜しているが、この傾斜の程度は、目玉部WのSP施工位置に応じて適宜変更することができる。また、SP施工時には、ハウジング11を目玉部Wに対して鉛直方向に移動し、あるいは目玉部W固定した状態でハウジング11を鉛直方向軸線の周りに回転させることで、目玉部Wのいかなる位置にもSPを施すことができる。
図1(c)は、反射部材12とシャッタ15との関係を示す平面図であり、シャッタ15には等間隔の3箇所に昇降部材19a〜19c(弾性体)が取り付けられており、これにより、昇降部材19による安定したシャッタ15の上下動が実現される。
以上のような本発明の装置を使用したショットピーニング方法によれば、超音波振動を利用して、板ばねの目玉部の所定箇所に鋼球を安定して投射し、当該箇所に圧縮残留応力を付与することができ、これにより、目玉部の遅れ破壊時間を長くし、割れ等が発生しない板ばねを提供することができる。
図2は、以上に示す本発明のショットピーニング装置の一例を示す斜視図であり、(a)はシャッタ15の解放時、(b)はシャッタ15の閉塞時である。このような装置によれば、上述したように、ワーク、ハウジング、反射部材、および振動子により形成された閉鎖空間内で鋼球の移動を実現してSPを行うことができるため、特許文献1に記載の装置に比して、SP投射装置自体をコンパクト化することができる。このため、従来に比してより小さな目玉部の内面にもSPを行うことができるとともに、軽量化等を図ることもできる。
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。
超音波SPを板ばねの目玉部の内面に施した際の効果について調査した。サンプルとして、厚さ14mm×幅80mm×内径42mmの目玉部を使用した。また、超音波SPは図2に示すショットピーニング装置を用い、投射材としては鋼球A(SUJ2:径2.0mm)および鋼球B(SUJ2:径2.5mm)を使用した。なお、板ばねの目玉部において、実際に超音波SPを施した箇所(遅れ破壊に対してSPが有効であると考えられる目玉部の頭頂部付近)を図3に斜線部分で示す。
このような条件の下、超音波SP実施後の圧縮残留応力分布について調査した。その結果を図4に示す。図4によれば、鋼球Aを使用した場合には、測定したいかなる箇所においても、SPを施さなかった場合に比して大きな残留応力を得ることができた。また、鋼球Aを使用した場合には、表面からの距離が30μm以上の位置では、−400MPa程度の圧縮残留応力が発生していることが確認された。さらに、鋼球Bを使用した場合には、鋼球Aを使用した場合に比して、圧縮残留応力がさらに増大するとともに、表面からの距離が30μm以上の位置では、−800MPa以上の圧縮残留応力が発生していることも確認された。したがって、これらの結果から、本発明の装置を使用した場合には、高い残留応力を得ることができるため、遅れ破壊時間を従来に比して長くすることができることが推認される。
板ばねの目玉部に超音波SPを施さなかったサンプルと、超音波SPを施したサンプルとについて、ブッシュ圧入時に目玉部に種々の応力(1100MPa程度)が発生する各ブッシュを用意し、これらのブッシュを各サンプルの目玉部に圧入して、目玉部内へSPを施した場合に、遅れ破壊時間が長くなるか否かについての調査を行った。なお、板ばねの目玉部において、実際に超音波SPを実施した箇所は、実施例1に示す箇所(図3参照)と同じである。
このような条件の下、表1に示す6つのサンプル(目玉部の寸法は、図3に示す目玉部と同一)について、ブッシュの圧入応力を種々変更し、圧入時、圧入直後、48時間後、96時間後、および1ヶ月後の目玉部内面の状態を調査した。その結果を表1に併記する。
Figure 0004031004
表1によれば、目玉部の内面にSPを施したサンプルNo.1,3,5については、総じて、優れた結果を示した。なお、サンプルNo.3については、割れを生じたものの、この割れは、SP施工位置以外において生じたものであるため、SP実施効果は奏されているものと考えられる。
これに対し、目玉部の内面にSPを施さなかったサンプルNo.2,4,6については、圧入時、圧入直後、および24時間後のいずれかにおいて割れ等が発生しており、サンプルNo.4,6については目玉部の破損が確認された。したがって、この実験結果から、目玉部内面へのSPは目玉部の遅れ破壊には十分効果があると考えられる。また、SP照射位置を変更することで急停車時等に発生する水平前後方向入力による目玉部損傷にも同等の効果を得ることができるものと推認される。
以上に示すように、本発明によれば、近年、板ばねの軽量化に伴う高硬度化、目玉部に装着されるブッシュの厚肉剛体化等が要請されている中で、目玉部内面に発生する応力が増大した場合や、新技術としてモノリーフ化が進んだとしても、目玉部の早期損傷対策としてSP施工をすることで、上記要請に十分に応えることができる。よって、本発明は、車体や一般機械を懸架するための板ばね端部の目玉部に圧縮残留応力を与え、その遅れ破壊時間を長くすることができる点で有望である。
本発明のショットピーニング装置10と板ばねの目玉部Wとを示す図であり、(a)は装置10と目玉部Wとの非係合状態を示す部分断面図、(b)は装置10と目玉部Wとの係合状態を示す部分断面図、および(c)は図(a),(b)に示すショットピーニング装置の平面図である。 本発明のショットピーニング装置を示す斜視図であり、(a)はシャッタの解放時を示し、(b)はシャッタの閉塞時を示す。 板ばねの目玉部において、実際に超音波SPを実施した所定箇所を示す平面図である。 超音波SP実施後の圧縮残留応力分布についての調査結果を示すグラフである。

Claims (4)

  1. ワークに対してその下方から内部へ鉛直方向に移動可能であるとともに鉛直方向軸線の周りに回転可能なハウジングと、前記ハウジング内の上部に配置された反射部材と、前記ハウジング内で前記反射部材の下方に配置された振動子と、前記ハウジングに対して上下動することにより前記ハウジングの側方に形成された開口を開閉するとともに、前記ハウジングに対する上下動において前記ワークの下縁部に常に接触することが可能なシャッタとを備えたショットピーニング装置を用いるショットピーニング方法において、
    前記ハウジングと前記ワークとの係合状態においては、前記ハウジングを前記ワーク内部で移動させ、前記ワークの内周面が前記ハウジングの前記開口を閉塞することにより、前記ワーク、前記ハウジング、前記反射部材、および前記振動子により閉鎖空間を形成し、この閉鎖空間内で超音波振動によって前記鋼球を連続的に前記ワークに投射して、前記ワークの少なくとも一部に−300MPa以上の圧縮残留応力を付与し、
    前記ハウジングと前記ワークとの非係合状態においては、前記ハウジング上部の前記反射部材を前記ワークの下側に配置し、前記シャッタが前記ハウジングの前記開口を閉塞することにより、前記ハウジング、前記反射部材、前記振動子、および前記シャッタにより閉鎖空間を形成して、前記鋼球の外部への脱落を防止し、
    前記ハウジングと前記ワークとの前記非係合状態と前記係合状態との間の状態移行においては、前記シャッタを前記ワークの下縁部に接触させた状態で、前記ハウジングを前記ワークに対して相対的に上下移動させることにより、前記ハウジングの前記開口の閉塞部位を前記シャッタと前記ワークとの間で連続的に切り換え、前記ハウジング、前記反射部材、前記振動子、前記シャッタ、および前記ワークにより閉鎖空間を形成して、前記鋼球の外部への脱落を防止することを特徴とするショットピーニング方法。
  2. 前記鋼球が、ロックウェルC硬さが65以上の硬質研磨鋼球であることを特徴とする請求項1に記載のショットピーニング方法。
  3. 少なくとも1枚のリーフからなる板ばねにおいて、請求項1または2に記載のショットピーニングを施したことを特徴とする板ばね。
  4. ワークに対してその下方から内部へ鉛直方向に移動可能であるとともに鉛直方向軸線の周りに回転可能なハウジングと、前記ハウジング内の上部に配置された反射部材と、前記ハウジング内で前記反射部材の下方に配置された振動子と、前記ハウジングに対して上下動することにより前記ハウジングの側方に形成された開口を開閉するとともに、前記ハウジングに対する上下動において前記ワークの下縁部に常に接触することが可能なシャッタとを備えるショットピーニング装置において、
    前記ハウジングと前記ワークとの係合状態においては、前記ハウジングを前記ワーク内部で移動させ、前記ワークの内周面が前記ハウジングの前記開口を閉塞することにより、前記ワーク、前記ハウジング、前記反射部材、および前記振動子により閉鎖空間を形成し、この閉鎖空間内で超音波振動によって前記鋼球を連続的に前記ワークに投射して、前記ワークの少なくとも一部に−300MPa以上の圧縮残留応力を付与するように構成し
    前記ハウジングと前記ワークとの非係合状態においては、前記ハウジング上部の前記反射部材を前記ワークの下側に配置し、前記シャッタが前記ハウジングの前記開口を閉塞することにより、前記ハウジング、前記反射部材、前記振動子、および前記シャッタにより閉鎖空間を形成し前記鋼球の外部への脱落を防止するように構成し
    前記ハウジングと前記ワークとの前記非係合状態と前記係合状態との間の状態移行においては、前記シャッタを前記ワークの下縁部に接触させた状態で、前記ハウジングを前記ワークに対して相対的に上下移動させることにより、前記ハウジングの前記開口の閉塞部位を前記シャッタと前記ワークとの間で連続的に切り換え、前記ハウジング、前記反射部材、前記振動子、前記シャッタ、および前記ワークにより閉鎖空間を形成して、前記鋼球の外部への脱落を防止するように構成したことを特徴とするショットピーニング装置。
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