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JP4025464B2 - 中空筒構造体 - Google Patents

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JP4025464B2
JP4025464B2 JP17439699A JP17439699A JP4025464B2 JP 4025464 B2 JP4025464 B2 JP 4025464B2 JP 17439699 A JP17439699 A JP 17439699A JP 17439699 A JP17439699 A JP 17439699A JP 4025464 B2 JP4025464 B2 JP 4025464B2
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Kato Construction Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鋼製セグメントを用いた中空筒構造体、及びその構築方法に関し、詳しくは、中空筒構造体の底部に形成されるコンクリート製の底版に、押し抜きと呼ばれる底版の破壊現象が生じるのを防ぐ技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
地下に中空筒構造体を構築する技術は、種々の地下構造物を建設する際に必要とされる。
【0003】
従来の中空筒構造体を構築する方式には、種々のものがあった。そのうちの1つの方式として、複数の鋼製あるいはコンクリート製のセグメントを、互いに周方向及び軸方向に連結して、長手方向軸を縦にした中空筒構造体を構成しつつ、内部を掘削し自重により、あるいは更に、上からの加圧により、地下に沈設するものがある。中空筒構造体の最下段を構成するセグメントの下端には、鋭角な刃口が設けられ、中空筒構造体の自重あるいは加圧により容易に沈設が行われるように工夫されている。
【0004】
沈設した中空筒構造体の上には、更に次のセグメントが連結増設され、中空筒構造体の地下への沈設深さが大きくなる。地下の所定の深さまで構築された中空筒構造体の底部にコンクリート製の底版が形成される。
【0005】
このコンクリート製の底版は、十分な厚さに形成され、地下水の揚圧力などによる破壊を防いでいる。また、底版と、鋼製又はコンクリート製の中空筒構造体の間は完全には一体とはならないので、コンクリート製中空筒構造体の場合、構造体壁にくさび形あるいは段をつけて底版を支持しやすい構造とすることが行われている。鋼製中空筒構造体の場合、そのような例は見ていない。底版コンクリートの厚さについて、オープンケーソンの底版では、十分な安全性を見込んだ厚さとし、施工誤差を考えると最小2mの底版厚を必要とする、とされている[(社)日本道路協会、道路橋示方書(I共通編・IV下部構造編)・同解説第310〜第311頁、平成8年]。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、周囲の地盤の影響などにより、特に、押し抜きと呼ばれる底版の破壊現象が心配される場合には、底版の厚さを更に大きくするか、何らかの底版固定機構を用いるしかなく、底版の厚さを大きくするためには、その分中空筒構造体の沈設深さが大きくなり、さらに必要なコンクリート量が増え大きなコスト増を招くものであった。
【0007】
また、オープンケーソン工法のようにコンクリート製の円形(図5(A)ただし、フリクションカッターは図示せず)あるいは長方形などのコンクリート製の中空筒構造体101を、掘削重機のバケット103などにより内部を掘削しつつ、自重により地下に沈設する場合にも、同様の刃口105(同図(B)ただし、フリクションカッターは図示せず)が設けられるが、この場合には、刃口105の内周面に水平の段差107を設け、この段差107の部分が、底版109のコンクリート111に埋没する状態とし、段差107の水平部分がコンクリート111と噛み合い、コンクリート111との支持力を増すよう工夫されたものが存在する。
【0008】
しかしながら、この段差107を、鋼製セグメントによって構成される中空筒構造体にも設けようとすると、鋼製の刃口の加工がコスト高となってしまう。すなわち、刃口の内周面の形状は、円錐台形状をなす曲面となっており(図1(A)参照)、この曲面に段差を設ける加工を施すことは容易ではない。例えば、山形鋼を円錐台形状の曲面に合わせて曲げ加工し、溶接して取り付けるなどが考えられるが、この曲げ加工は非常に難しく、単に円弧状に曲げたのみでは円錐台形状の曲面との間に隙間を生じてしまう。
【0009】
また、押し抜きと呼ばれる破壊現象を防ぐためには、中空筒構造体の下端の内周面において、コンクリート製の底版との継目部分の投影水平面積を大きくすることが有効であるが、刃口の内周面に従来のような段差(図5(C))を設けたのみでは、この投影水平面積は増大しない。
【0010】
この発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、鋼製セグメントを組合わせて構造体を構築するという特徴を活かしたものである。すなわち、加工コストが高くならずに済み、コンクリート製底版との継目の投影水平面積を増大させて、いわゆる押し抜きと呼ばれる底版コンクリートの破壊現象を、より十分に防ぐことができる鋼製セグメントによって構成される中空筒構造体、及びその構築方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、第一の発明は、複数の鋼製セグメントが互いに周方向および軸方向に連結された構成を有し、地下に沈設される中空筒構造体であって、前記各鋼製セグメントは、前記中空筒構造体の周方向に長く、互いに平行に配置される主桁と、この主桁を各左右端部において各々接続する左右一対の継手板と、前記主桁の中央部分を縦方向に接続する縦リブと、これら主桁、継手板、及び縦リブに対し張り渡されるスキンプレートと、を有してなり、各鋼製セグメントにおける厚さ、すなわち主桁幅とスキンプレート厚さの合計は、同一セグメントの全主桁の部分で一定であり、かつ、最下段である一段目の鋼製セグメントの厚さは、二段目の鋼製セグメントの厚さに対し、小さくなっていることにより、主桁の部分がオーバーハング状の段差を形成していることを特徴とする中空筒構造体である。
【0012】
また、第二の発明では、さらに、前記段差の下側に略三角形のリブを設けたことを特徴とする中空筒構造体である。
【0013】
また、第三の発明では、さらに、前記リブは、縦リブに設けたことを特徴とする中空筒構造体である。
【0014】
また、第四の発明では、複数の鋼製セグメントが互いに周方向および軸方向に連結された構成を有し、地下に沈設される中空筒構造体であって、前記各鋼製セグメントは、前記中空筒構造体の周方向に長く、上下で互いに平行に配置される主桁と、この主桁を各左右端部において各々接続する左右一対の継手板と、前記主桁の中央部分を縦方向に接続する縦リブと、これら主桁、継手板、及び縦リブに対し張り渡されるスキンプレートと、を有してなり、各鋼製セグメントにおける厚さ、すなわち主桁幅とスキンプレート厚さの合計は、二段目の鋼製セグメントでは、全主桁の部分で一定であり、一方、最下段である一段目の鋼製セグメントでは、最も上の主桁の部分で二段目の鋼製セグメントと同じ厚さとし、最も下の主桁の部分で二段目の鋼製セグメントより小さな厚さとし、これにより、上下の主桁を接続する継手板および縦リブの幅をテーパー形状とすることを特徴とする中空筒構造体である。
【0015】
また、第五の発明では、さらに、前記一段目の鋼製セグメントには、縦リブを覆って内周面に当て板が設けられたことを特徴とする中空筒構造体である。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、図1乃至図3に示す。
【0017】
図2に示すように、この実施形態で地下に沈設される中空筒構造体1は、多数の鋼製セグメント3が、互いに周方向および軸方向に連結されて構成される。すなわち、各鋼製セグメント3は、この中空筒構造体1を、中空筒構造体1の軸方向に複数のリング状に分割し、且つ、このリング状のものを周方向に複数のピースに分割した形状を有する。
【0018】
図1に示すように、各鋼製セグメント1は、主桁5、継手板7、縦リブ9、及びスキンプレート11を有して構成される。すなわち、中空筒構造体1の周方向に長く湾曲した主桁5が、水平状態で、一対、平行に配置される。この主桁5の左端部を、左の継手板7が接続し、右端部を、右の継手板7が接続する。この両継手板7は縦方向に平行に配置される。主桁5の中央部分には、複数の縦リブ9が接続される。各縦リブ9は縦に、互いに平行に、配置される。これら主桁5、継手板7、及び縦リブ9に対し、スキンプレート11が外側に張り渡される。
【0019】
また、最下段の鋼製セグメント3(図1(A)の下側)の下端には、刃口部13が設けられる。この刃口部13は、下の主桁5の下面に沿って、外板15及び内板17が配置され、略直角三角形の閉鎖空間19を形成する。外板15は円筒状に屈曲され、内板17は円錐台の曲面を形成するように屈曲加工される。両者15、17の先端は鋭角に突き合わされ溶接によって接合される。
【0020】
また、略直角三角形の閉鎖空間19は、下の主桁5の周方向に沿って円弧状に形成されるが、円弧状の途中においては内部に三角形の補強材21が溶接され、刃口13の強度を保持する。
【0021】
刃口13を形成する外板15の上端は、スキンプレート11の外側に接して設けられ、よって外板15の厚さの分だけ外側へ突出しており、いわゆるフリクションカッターを形成している。このフリクションカッターの働きにより、地盤とスキンプレート11との間に隙間を形成し両者の間の摩擦を小さくすることができる。
【0022】
また、一段目の鋼製セグメント3には、内周面に、縦リブ9を覆って当て板23が設けられる。当て板23と両主桁5との間には、大きな隙間が形成され、この隙間の寸法は、後に打設されるコンクリートが当て板23の裏側に回り込む大きさになっている。また、この隙間は、組立作業やコンクリートの打設を工夫すれば、全面的にふさぐこともできる。
【0023】
このように構成される各鋼製セグメント3の厚さは、鋼製セグメント3において、上下方向で一定である。すなわち、各鋼製セグメント3の主桁の幅とスキンプレート11の厚さの合計寸法は、両主桁5の部分で一定である。そして、両主桁5の左右の端部をおのおの接続する左右一対の継手板7の幅も、また同じ寸法で一定である。
【0024】
そして、刃口13が設けられる最下段、すなわち一段目の鋼製セグメント3(図1(A)の下側)の厚さは、刃口13が設けられない二段目以上の鋼製セグメント3の厚さに対し、小さくなっている。これにより、二段目の鋼製セグメント3(図1(A)の上側)の下の主桁5の部分が、オーバーハング状の段差25を形成する。
【0025】
一段目の鋼製セグメント3の厚さは小さくなるが、この鋼製セグメント3を構成する主桁5、継手板7、及び縦リブ9などの板厚を大きくすること、および、強度を維持するために、一段目の鋼製セグメント3(図1(A)の下側)の主桁5は、上下一対の主桁5間に、更に補強のためもう一本の主桁5を平行に設け、合計3本とし、二段目以上の鋼製セグメント3(図1(A)の上側)の主桁5の2本より、数が多くなっている構造を併用する。
【0026】
そして、段差25の部分に対し、一段目の鋼製セグメント3の縦リブ9、および継手板7に連続する位置に、直角三角形のリブ27が溶接される。このリブ27は、段差25を、縦リブ9の位置で、いわば滑らかにする働きを有する。滑らかにすることにより、掘削重機のバケット4(図2)が段差25に引っ掛かること等により、姿勢が傾いてしまうことを防止する。滑らかにするのは、円周方向で縦リブ9の部分についてのみであり、円周方向の他の部分においては、主桁5の部分によるオーバーハング状の段差25は保たれており、後述するコンクリートとの噛み合いは維持される。
【0027】
更に、この鋼製セグメント1の内側には、当て板14が取り付けられ、掘削重機のバケットなどが接触した際に、バケットが縦リブなどに当ること等により所望の姿勢がとれないことなどが防止される。
(構築手順)
図2において、地下にこの実施形態の中空筒構造体1を沈設し構築する手順を説明する。
【0028】
始めに、下端に刃口13が設けられた最下段、すなわち一段目の鋼製セグメント3が据え付けられ連結される。この連結は、中空筒構造体1の周方向に行われ、一段目のリング状のものが構成される。このリング状のものの内部を、掘削重機のバケット4で掘削する(図2(A))と同時に、自重により、あるいは更に上から加圧を行い、地下に埋設する。このリング状のものの上には、二段目の鋼製セグメント3が連結され、次第に中空筒構造体1が構成されていく(図2(B))。
連結はボルト孔29にボルトナットを用いて行われる。
【0029】
さらに、この中空筒構造体1の上下方向の全長は長くなり(図2(C))所定の深さになると、底部にコンクリート31が打設され養生されて、底版33が形成される。このコンクリート31の厚さは、底版自体が地下水の揚圧力などによる破壊を防げる十分な厚さにする。更に、段差25が埋設される位置に打設する。底版コンクリートして、水中コンクリートの上に不陸調整用のコンクリートが打ち増しされることもある。
【0030】
(実施形態の作用効果)
この実施形態によれば、一段目と二段目の鋼製セグメント3、3の間における主桁5、5の部分が、オーバーハング状の段差25を形成し、この段差25が埋没する深さにコンクリート31を打設して底版33を形成することで、この段差25がコンクリート31と噛み合い、コンクリート31が鋼製セグメントに支持され、いわゆる押し抜きと呼ばれる底版コンクリートの破壊現象を防ぐことができる。
【0031】
また、この段差25は、刃口13の内周面に設けられるものではなく、中空筒構造体の半径方向の内側に存在し、よってコンクリート31との継目の投影水平面積、すなわち継目を水平面に投影したときの面積を増大させることができ、この面積が大きいほど、底版33との間に働く上下方向の力を広い面積で支えることができるので、狭い面積で支えた部分が破壊されてしまういわゆる押し抜きをより防止できる。
【0032】
また、従来(図5(C))のように、刃口13の内周面である円錐台形状の曲面(内板17の部分)に対して加工を行う必要がないので、加工コストを抑えることが可能である。
【0033】
また、段差25の下側に直角三角形のリブ27を設けることで、掘削重機のバケット4(図2)などが段差25に接触し、姿勢が傾いてしまうことなどを抑止できる。、また、このリブ27を強度の大きな縦リブ9に設けることで、リブ27の強度を向上できる。
【0034】
また、一段目の鋼製セグメント3の内周面に、縦リブ9を覆って当て板23を設けることで、掘削重機のバケット4が縦リブ9に引っ掛かり、姿勢が回転してしまうことを防止できる。当て板23は、内周面を隙間なく覆うことでもよい。
【0035】
また、一般には、中空筒構造体1の底版33を形成するためにコンクリート31を打設した際、このコンクリート31が、一段目の鋼製セグメント3の当て板23の裏側や縦リブ9と縦リブ9の間などにコンクリート強度を維持しながら十分に回り込み充填されることが保証されていれば、このコンクリート31と中空筒構造体1の噛み合いは十分なものになる可能性がある。しかしながら、実際には当て板23の裏側や縦リブ9と縦リブ9の間には、掘削の際の土砂や水が残っていることがあるなどの理由から、コンクリートの回り込みは常に保証されるものではないと認識されている。
【0036】
これに対し、この実施形態の段差25は、オーバーハング状の段差であり、土砂や水が溜まらず、コンクリート31の噛み合いがより十分になることが期待される。
【0037】
また、単にコンクリート31と中空筒構造体1との継目の投影水平面積を増大するためだけならば、一段目の鋼製セグメント3の、例えば上の主桁5の幅のみを大きくすることも可能であるが、この場合には大きくなり突出した主桁5の強度が弱く、コンクリート31との間に生じる大きな圧力に耐えきれない。これに対し、この実施形態によれば、段差25の部分においては、二段目の鋼製セグメント3の下の主桁5の幅のみならず、継手板7や縦リブ9の幅も同様に大きなものであり、これら継手板7や縦リブ9に支えられて段差25は十分な強度を有することになる。
【0038】
(他の実施形態)
以上の実施形態においては、一段目の鋼製セグメント3の内周面には当て板23が設けられたが、他の実施形態においては、この当て板23は設けられないものとすることができる(図4(A))。当て板23が設けられなくても、縦リブ9の本数が多く十分に密に設けられている場合には、この縦リブ9に設けられた三角形のリブ27の働きにより、掘削重機のバケット4などが段差25に引っ掛かり姿勢が傾いてしまうことを十分に防止できる。
【0039】
また、他の実施形態においては、この三角形のリブ27を設けないものとすることが可能である(図4(B))。段差25の寸法に比べ、掘削重機のバケット4が十分に大きな場合には、バケット4が段差25に引っ掛かって姿勢が傾いてしまう恐れが少ないからである。
【0040】
また、他の実施形態においては、三角形のリブ27を設ける代わりに、継手板7の幅をテーパー形状とすることが可能である(図4(C))。
【0041】
すなわち、鋼製セグメント3の厚さは、二段目以上の鋼製セグメント3では一定である。つまり主桁5の幅とスキンプレート11の厚さの合計、及び継手板9の幅とスキンプレート11の厚さの合計は、共通で、上下方向において一定である。しかしながら、刃口13が設けられる一段目の鋼製セグメント3では、厚さは、上の主桁5の部分では、二段目の鋼製セグメント3と同じ厚さであり、下の主桁5の部分では、二段目の鋼製セグメント3より小さな厚さとする。
【0042】
これにより、二段目の鋼製セグメント3の主桁5の部分が、オーバーハング状の段差25を形成するのみならず、上下の主桁5の左右端部を接続する継手板7の幅、及び主桁5の中央部分を接続する縦リブ9の幅を、共通のテーパー形状とする。このテーパー形状により、段差25は、継手板7及び縦リブ9の部分で滑らかとなり、掘削重機のバケット4が段差25に引っ掛かり、姿勢が傾くのを防止できる。
【0043】
また、以上の実施形態においては、三角形のリブ27は、縦リブ9に対して溶接するものであったが、他の実施形態においては、ボルトナットにより締結するものであっても良い。すなわち、この場合には、リブ27を形成する部材自体は三角形である必要はなく、例えば四角形であっても良い。この四角形の一辺のみが、段差25の部分に露出するように、縦リブ9、又は継手板7にボルト締結する。
【0044】
また、以上の実施形態においては、掘削重機のバケット4との接触による不都合を防止するため三角形のリブ27を設けたが、他の実施形態においては、リブではなく、三角形の断面を有する円弧状の棒材とする事も可能である。この円弧状の棒材を、段差25の部分において、縦リブ9及び継手板7に渡した状態で溶接する。この場合でも、底版33を構成するコンクリート31との継目の投影水平面積が増大し、コンクリート31との噛み合いが得られ、押し抜きと呼ばれる破壊現象を抑止できる。
【0045】
また、以上の実施形態においては、三角形のリブ27は一段目の鋼製セグメント3の縦リブ9に設けられたが、他の実施形態においては、二段目の鋼製セグメント3の縦リブ9に連続する位置において二段目の鋼製セグメント3の下の主桁5に対し溶接して設けることが可能である。
(実施例)
以下、この発明の実施例を述べる。
【0046】
第一の実施例は、図1乃至図3の第一実施形態に沿ったものである。
【0047】
すなわち、二段目以上の鋼製セグメント3が周方向に連結されて構成するリング状のものは、外径が8500mm、内径が8000mm、高さが1000mmであった。この場合の各鋼製セグメント3の主桁5の数は2本であり、それぞれの幅は250mmであった。
【0048】
これに対し、一段目の鋼製セグメント3が周方向に連結して鋼製するリング状のものは、外径が8500mm、内径が8200mm、高さが1500mmであり、うち刃口の部分の高さが500mmであった。この場合の鋼製セグメント3の主桁5は、全体の強度を向上するために3本用いられ、それぞれの幅が150mmであった。二段目の鋼製セグメント3と、一段目の鋼製セグメント3はボルトで連結し、これによりオーバーハング状の段差25の寸法は100mmとなった。底版33を構成するコンクリート31の深さは2mであった。その結果、中空筒構造体1の内周面とコンクリート31の支持構造が良好なものとなった。
【0049】
この時、厚さ9mm、高さ200mmの直角三角形のリブ27を、縦リブ9に対し溶接して取り付けた。コンクリートは水中コンクリートを用いた。
【0050】
第2の実施例は、図4(C)の実施形態に沿ったものである。
【0051】
すなわち、二段目以上の鋼製セグメント3によって構成されるリング状のものは、前記実施例と同じ寸法であるが、一段目の鋼製セグメント3が構成するリング状のものは、外径が8500mm、内径が、上の主桁5の部分で8000mm、下の主桁の部分で8200mmとなる。一段目の鋼製セグメント3の上の主桁5の幅は250mmで、中段の主桁5の幅は200mm、下段の主桁の幅は150mmとした。この実施例においてもコンクリートの支持構造は良好となった。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、第1、2、3、4、5、または6の発明によれば、一段目と二段目の鋼製セグメントの間における主桁の部分が、オーバーハング状の段差を形成し、この段差が埋没する深さにコンクリートを打設して底版を形成することで、この段差がコンクリートと噛み合い、押し抜きと呼ばれる破壊現象を防ぐことができる。
【0053】
また、この段差は、従来のように刃口の内周面に設けられるものではなく、コンクリートとの継目の投影水平面積を増大させることができ、押し抜きをより防止できる。
【0054】
また、刃口の内周面である円錐台形状の曲面に対して加工を行う必要がないので、加工コストを抑えることが可能である。
【0055】
また、第2、または3の発明によれば、さらに、段差の下側に略三角形のリブを設けることで、掘削重機のバケットなどが段差に接触し姿勢が傾いてしまうことなどを抑止できる。
【0056】
また、第3の発明によれば、さらに、略三角形のリブを縦リブに設けることで、リブの強度を向上できる。
【0057】
また、第4の発明によれば、さらに、継手板の幅をテーパー形状とすることで、略三角形のリブを設けなくても、段差に掘削重機のバケットが引っ掛かり姿勢が傾いてしまうなどを防止できる。
【0058】
また、第5の発明によれば、さらに、鋼製セグメントの内周面に、縦リブを覆って当て板を設けることで、掘削重機のバケットが縦リブに引っ掛かり姿勢が回転してしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る中空筒構造体を構成する最下段の鋼製セグメント及び二段目の鋼製セグメントの連結状態を示す図で、
(A)は内側から見た正面図
(B)は(A)の円周方向から見た側面図
(C)は(A)のC−C断面図
(D)は(A)の刃口の部分の底面図である。
【図2】(A)(B)(C)はそれぞれ図1の鋼製セグメントによって構成された中空筒構造体を地下に沈設する施行手順を示す図である。
【図3】図1の鋼製セグメントの作用を示す図で
(A)は図1(A)の要部斜視図
(B)は(A)の要部拡大図である。
【図4】(A)(B)(C)はそれぞれこの発明の他の実施形態を示す図で、図1(B)に対応する側面図である。
【図5】従来のオープンケーソン工法を示す図で
(A)は斜視図
(B)は(A)のB部拡大図
(C)は(A)のC部拡大図である。(いずれもフリクションカッターは記載を省略した)
【符号の説明】
1 中空筒構造体 3 鋼製セグメント
5 主桁 7 継手板
9 縦リブ 11 スキンプレート
13 刃口部 15 外板
17 内板 19 閉鎖空間
21 補強材 23 当て板
25 段差 27 リブ
29 ボルト孔 31 コンクリート
33 底版

Claims (5)

  1. 複数の鋼製セグメントが互いに周方向および軸方向に連結された構成を有し、地下に沈設される中空筒構造体であって、
    前記各鋼製セグメントは、前記中空筒構造体の周方向に長く、互いに平行に配置される主桁と、この主桁を各左右端部において各々接続する左右一対の継手板と、前記主桁の中央部分を縦方向に接続する縦リブと、これら主桁、継手板、及び縦リブに対し張り渡されるスキンプレートと、を有してなり、
    前記各鋼製セグメントにおける厚さ、すなわち主桁幅とスキンプレート厚さの合計は、同一の鋼製セグメントにおいては、全主桁の部分で一定であり、最下段である一段目の鋼製セグメントの厚さは、二段目の鋼製セグメントの厚さに対し、小さくなっていることにより、一段目と二段目の間の鋼製セグメントの主桁の部分がオーバーハング状の段差を形成していることを特徴とする中空筒構造体。
  2. 前記段差の下側に略三角形のリブを設けたことを特徴とする請求項1に記載の中空筒構造体。
  3. 前記リブは、縦リブに設けたことを特徴とする請求項2に記載の中空筒構造体。
  4. 複数の鋼製セグメントが互いに周方向および軸方向に連結された構成を有し、地下に沈設される中空筒構造体であって、
    前記各鋼製セグメントは、前記中空筒構造体の周方向に長く、上下で互いに平行に配置される2以上の主桁と、この主桁を各左右端部において各々接続する左右一対の継手板と、前記主桁の中央部分を縦方向に接続する縦リブと、これら主桁、継手板、及び縦リブに対し張り渡されるスキンプレートと、を有してなり、
    前記各鋼製セグメントにおける厚さ、すなわち主桁幅とスキンプレート厚さの合計は、二段目の鋼製セグメントでは、全主桁の部分で一定であり、最下段である一段目の鋼製セグメントでは、最も上の主桁の部分で二段目の鋼製セグメントと同じ厚さとし、最も下の主桁の部分で二段目の鋼製セグメントより小さな厚さとし、これにより、上下の主桁を接続する継手板および縦リブの幅をテーパー形状とすることを特徴とする中空筒構造体。
  5. 前記一段目の鋼製セグメントには、縦リブを覆って内周面に当て板が設けられたことを特徴とする請求項1、2、3、または4に記載の中空筒構造体。
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