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JP4023419B2 - 固定画素表示装置及び冷陰極電界電子放出表示装置 - Google Patents

固定画素表示装置及び冷陰極電界電子放出表示装置 Download PDF

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JP4023419B2 JP2003305706A JP2003305706A JP4023419B2 JP 4023419 B2 JP4023419 B2 JP 4023419B2 JP 2003305706 A JP2003305706 A JP 2003305706A JP 2003305706 A JP2003305706 A JP 2003305706A JP 4023419 B2 JP4023419 B2 JP 4023419B2
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Description

本発明は、固定画素表示装置及び冷陰極電界電子放出表示装置に関する。
第1の方向に延びるM本のストライプ状の走査電極、及び、第1の方向とは異なる(例えば、直交する)第2の方向に延びるN本のストライプ状のデータ電極を備え、走査電極とデータ電極との重複領域から構成された発光領域がM行×N列の2次元マトリックス状に配列された構造を有する固定画素表示装置として、例えば、冷陰極電界電子放出表示装置、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、無機エレクトロルミネッセンス表示装置が知られている(例えば、特開平11−296131号参照)。そして、これらの固定画素表示装置にあっては、線順次駆動方式が屡々採用されている。ここで、線順次駆動方式とは、マトリクス状に交差する走査電極とデータ電極において、走査電極に走査信号を入力して走査電極を選択、走査し、データ電極に入力されたビデオ信号(色信号とも呼ばれる)に基づき画像を表示させ、1画面を構成する方法である。
通常、各データ電極には、図14に回路図を示すデータ電極出力回路100が接続されている。尚、データ電極の等価回路も図14に示す。このデータ電極出力回路100は、例えば、CMOS回路から成る電流バッファ回路である。
通常、画像信号がA/Dコンバータ41に入力され、A/Dコンバータ41の出力がラインバッファ42に一旦記憶され、更には、D/Aコンバータ43に送られ、D/Aコンバータ43からのアナログ信号がデータ電極出力回路100に送られる。一方、走査電極が走査電極出力回路に接続されている。尚、図14には、走査電極及び走査電極出力回路は図示していない。そして、切替タイミングパルス(ロード信号)に基づく走査電極出力回路の動作によって、第1行目から第M行目までの走査電極が線順次駆動され、走査電極に、順次、例えば一定の電圧が印加される。また、第n列目(但し、n=1,2・・・N)のデータ電極には、階調に応じて、電圧変調方式に基づき可変の電圧VDATAがデータ電極出力回路100から印加される(図3の(B)参照)。
特開平11−296131号
ところで、図14に示すように、データ電極には容量成分が存在するので、データ電極出力回路100からデータ電極に印加される電圧VDATAの立上り、立下りの波形が、図3の(B)に示すように、急峻にはなり難い。データ電極に印加される電圧VDATAの波形が急峻ではないと、画面表示の応答性が悪くなり、滑らかな画像表示が困難となる。一般に、冷陰極電界電子放出表示装置においては、データ電極である例えばカソード電極には大きな容量成分が存在し易く、その結果、データ電極に印加される電圧VDATAの立上り、立下りの波形が一層急峻にはなり難い。
従って、本発明の目的は、電極へ印加される電圧の立上り、立下りの波形を急峻にし得る構成を有する固定画素表示装置及び冷陰極電界電子放出表示装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の固定画素表示装置は、第1の方向に延びるM本(但し、M≧2)のストライプ状の走査電極、及び、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるN本(但し、N≧2)のストライプ状のデータ電極を備え、走査電極とデータ電極との重複領域から構成された発光領域がM行×N列の2次元マトリックス状に配列された固定画素表示装置であって、
データ電極を駆動するために、各データ電極に接続された駆動用ドライバを備えており、
該各駆動用ドライバは、スイッチ回路、出力回路、及び、減算回路から成り、
該スイッチ回路は、
(A)データ電極に第1の電圧V1を印加するための第1のスイッチ回路、
(B)データ電極に第2の電圧V2(但し、V2≠V1)を印加するための第2のスイッチ回路、及び、
(C)第1のスイッチ回路及び第2のスイッチ回路のオン/オフ制御を行うための比較器、
を備え、
第m行目(但し、m=2,3・・・Mのいずれか)の走査電極によって構成されるN個の発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータの値Dm,n(但し、nは1,2・・・Nである)に基づき前記出力回路から出力された電圧が、一定期間、第n列目のデータ電極に印加され、
且つ、第m行目の走査電極によって構成される発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータの値Dm,nから第(m−1)行目の走査電極によって構成される発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータの値Dm-1,nを前記減算回路において減じて得られた値(Dm,n−Dm-1,n)が入力値として前記比較器に入力され、該比較器に入力された該入力値と、第1の基準値及び第2の基準値とが該比較器において比較され、
(1)入力値が第1の基準値以上である場合、該比較器の出力に基づき、前記一定期間よりも短い所定の期間、該第1のスイッチ回路がオン状態とされることで、該所定の期間、第n列目のデータ電極に第1の電圧V1が印加され、
(2)入力値が第2の基準値以下である場合、該比較器の出力に基づき、前記一定期間よりも短い所定の期間、該第2のスイッチ回路がオン状態とされることで、該所定の期間、第n列目のデータ電極に第2の電圧V2が印加され、
(3)入力値が、第1の基準値未満であり、且つ、第2の基準値を越えている場合、該第1のスイッチ回路及び該第2のスイッチ回路はオフ状態に保持される、
ことを特徴とする。
本発明の固定画素表示装置において、第1行目の走査電極によって構成されるN個の発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータの値D1,n(但し、nは1,2・・・Nである)に基づき出力回路から出力された電圧が、一定期間、第n列目のデータ電極に印加される。そして、この場合には、第1行目の走査電極によって構成される発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータの値D1,nからデータ値「0」(データの値D0,nと表現する)を減算回路において減じて得られた値(D1,n−D0,n)が入力値として比較器に入力され、比較器に入力された入力値と、第1の基準値及び第2の基準値とが比較器において比較される。データの値D0,nを用いる代わりに、直前のデータの値DM,n(1フレーム前の最後のデータの値)を用いることもできる。
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置は、カソードパネルとアノードパネルとがそれらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
カソードパネルは、
(a)支持体、
(b)支持体上に形成され、第1の方向に延びるN本(但し、N≧2)のストライプ状のカソード電極、
(c)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(d)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるM本(但し、M≧2)のストライプ状のゲート電極、及び、
(e)カソード電極とゲート電極との重複領域に位置する電子放出領域、
から構成されており、
アノードパネルは、基板、並びに、該基板上に形成された、各電子放出領域に対応して設けられた蛍光体領域及びアノード電極から構成されており、
電子放出領域は、ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部の底部に位置する電子放出部から構成され、
冷陰極電界電子放出表示装置は、
(f)カソード電極を駆動するために、各カソード電極に接続された駆動用ドライバ、
を更に備えており、
該各駆動用ドライバは、スイッチ回路、出力回路、及び、減算回路から成り、
該スイッチ回路は、
(A)カソード電極に第1の電圧V1を印加するための第1のスイッチ回路、
(B)カソード電極に第2の電圧V2(但し、V2>V1)を印加するための第2のスイッチ回路、及び、
(C)第1のスイッチ回路及び第2のスイッチ回路のオン/オフ制御を行うための比較器、
を備え、
第m番目(但し、m=2,3・・・Mのいずれか)のゲート電極によって構成されるN個の電子放出領域のそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータの値Dm,n(但し、nは1,2・・・Nである)に基づき前記出力回路から出力された電圧が、一定期間、第n番目のカソード電極に印加され、
且つ、第m番目のゲート電極によって構成される電子放出領域のそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータの値Dm,nから第(m−1)番目のゲート電極によって構成される電子放出領域のそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータの値Dm-1,nを前記減算回路において減じて得られた値(Dm,n−Dm-1,n)が入力値として前記比較器に入力され、該比較器に入力された該入力値と、第1の基準値及び第2の基準値とが該比較器において比較され、
(1)入力値が第1の基準値以上である場合、該比較器の出力に基づき、前記一定期間よりも短い所定の期間、該第1のスイッチ回路がオン状態とされることで、該所定の期間、第n番目のカソード電極に第1の電圧V1が印加され、
(2)入力値が第2の基準値以下である場合、該比較器の出力に基づき、前記一定期間よりも短い所定の期間、該第2のスイッチ回路がオン状態とされることで、該所定の期間、第n番目のカソード電極に第2の電圧V2が印加され、
(3)入力値が、第1の基準値未満であり、且つ、第2の基準値を越えている場合、該第1のスイッチ回路及び該第2のスイッチ回路はオフ状態に保持される、
ことを特徴とする。
本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置において、第1番目のゲート電極によって構成されるN個の電子放出領域のそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータの値D1,n(但し、nは1,2・・・Nである)に基づき出力回路から出力された電圧が、一定期間、第n番目のカソード電極に印加される。そして、この場合には、第1番目のゲート電極によって構成されるN個の電子放出領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータの値D1,nからデータ値「0」(データの値D0,nと表現する)を減算回路において減じて得られた値(D1,n−D0,n)が入力値として比較器に入力され、比較器に入力された入力値と、第1の基準値及び第2の基準値とが比較器において比較される。データの値D0,nを用いる代わりに、直前のデータの値DM,n(1フレーム前の最後のデータの値)を用いることもできる。
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置は、カソードパネルとアノードパネルとがそれらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
カソードパネルは、
(a)支持体、
(b)支持体上に形成され、第1の方向に延びるM本(但し、M≧2)のストライプ状のカソード電極、
(c)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(d)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるN本(但し、N≧2)のストライプ状のゲート電極、及び、
(e)カソード電極とゲート電極との重複領域に位置する電子放出領域、
から構成されており、
アノードパネルは、基板、並びに、該基板上に形成された、各電子放出領域に対応して設けられた蛍光体領域及びアノード電極から構成されており、
電子放出領域は、ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部の底部に位置する電子放出部から構成され、
冷陰極電界電子放出表示装置は、
(f)ゲート電極を駆動するために、各ゲート電極に接続された駆動用ドライバ、
を更に備えており、
該各駆動用ドライバは、スイッチ回路、出力回路、及び、減算回路から成り、
該スイッチ回路は、
(A)ゲート電極に第1の電圧V1を印加するための第1のスイッチ回路、
(B)ゲート電極に第2の電圧V2(但し、V2<V1)を印加するための第2のスイッチ回路、及び、
(C)第1のスイッチ回路及び第2のスイッチ回路のオン/オフ制御を行うための比較器、
を備え、
第m番目(但し、m=2,3・・・Mのいずれか)のカソード電極によって構成されるN個の電子放出領域のそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータの値Dm,n(但し、nは1,2・・・Nである)に基づき前記出力回路から出力された電圧が、一定期間、第n番目のゲート電極に印加され、
且つ、第m番目のカソード電極によって構成される電子放出領域のそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータの値Dm,nから第(m−1)番目のカソード電極によって構成される電子放出領域のそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータの値Dm-1,nを前記減算回路において減じて得られた値(Dm,n−Dm-1,n)が入力値として前記比較器に入力され、該比較器に入力された該入力値と、第1の基準値及び第2の基準値とが該比較器において比較され、
(1)入力値が第1の基準値以上である場合、該比較器の出力に基づき、前記一定期間よりも短い所定の期間、該第1のスイッチ回路がオン状態とされることで、該所定の期間、第n番目のゲート電極に第1の電圧V1が印加され、
(2)入力値が第2の基準値以下である場合、該比較器の出力に基づき、前記一定期間よりも短い所定の期間、該第2のスイッチ回路がオン状態とされることで、該所定の期間、第n番目のゲート電極に第2の電圧V2が印加され、
(3)入力値が、第1の基準値未満であり、且つ、第2の基準値を越えている場合、該第1のスイッチ回路及び該第2のスイッチ回路はオフ状態に保持される、
ことを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置において、第1番目のカソード電極によって構成されるN個の電子放出領域のそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータの値D1,n(但し、nは1,2・・・Nである)に基づき出力回路から出力された電圧が、一定期間、第n番目のゲート電極に印加される。そして、この場合には、第1番目のカソード電極によって構成されるN個の電子放出領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータの値D1,nからデータ値「0」(データの値D0,nと表現する)を減算回路において減じて得られた値(D1,n−D0,n)が入力値として比較器に入力され、比較器に入力された入力値と、第1の基準値及び第2の基準値とが比較器において比較される。データの値D0,nを用いる代わりに、直前のデータの値DM,n(1フレーム前の最後のデータの値)を用いることもできる。
本発明の固定画素表示装置にあっては、走査電極に印加される電圧とデータ電極に印加される電圧との差をΔVとしたとき、第1の電圧V1は、ΔVの最大値を得るためにデータ電極に印加すべき電圧であり、第2の電圧V2は、ΔVの最小値を得るためにデータ電極に印加すべき電圧であることが好ましい。即ち、(走査電極に印加される電圧)>(データ電極に印加される電圧)の場合にはV1<V2であり、(走査電極に印加される電圧)<(データ電極に印加される電圧)の場合にはV1>V2であることが好ましい。また、本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、ゲート電極に印加される電圧とカソード電極に印加される電圧との差をΔVGCとしたとき、第1の電圧V1は、ΔVGCの最大値を得るためにカソード電極に印加すべき電圧(例えば、0ボルト)であり、第2の電圧V2は、ΔVGCの最小値を得るためにカソード電極に印加すべき電圧(>0ボルト)であることが好ましい。更には、本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、ゲート電極に印加される電圧とカソード電極に印加される電圧との差をΔVGCとしたとき、第1の電圧V1は、ΔVGCの最大値を得るためにゲート電極に印加すべき電圧であり、第2の電圧V2は、ΔVGCの最小値を得るためにゲート電極に印加すべき電圧であることが好ましい。但し、第1の電圧V1、第2の電圧V2は、これらの値に限定されるものではない。
これらの態様を含む本発明の固定画素表示装置、本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、出力回路を、例えばCMOS回路やバイポーラ回路から成る電流バッファ回路とすることができる。尚、電流バッファ回路とは、電圧ゲインが1であり、電流ゲインが1を越える回路を指す。具体的には、電流バッファ回路への入力電圧と電流バッファ回路からの出力電圧は等しく、電流バッファ回路への入力電流よりも電流バッファ回路からの出力電流が大きい回路を指す。尚、出力回路を、電圧ゲインが1を越える回路である電圧増幅回路から構成することもできる。
本発明の固定画素表示装置として、電極に印加する電圧によって輝度が制御される形式の固定画素表示装置、即ち、階調制御方式が電圧変調方式である固定画素表示装置、具体的には、冷陰極電界電子放出表示装置、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、無機エレクトロルミネッセンス表示装置を挙げることができる。
本発明の固定画素表示装置、本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置(以下、これらを総称して、単に、本発明と呼ぶ場合がある)において、スイッチ回路を構成する第1のスイッチ回路、第2のスイッチ回路は、如何なる形式のスイッチ回路とすることもでき、例えば、NMOS−FETから成るスイッチ回路を挙げることができる。また、減算回路及び比較器は、周知の減算回路及び比較器から構成すればよい。
本発明の固定画素表示装置、本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置は、線順次駆動方式によって駆動されることが好ましい。ここで、線順次駆動方式とは、マトリクス状に交差する電極群の内の、例えば、ゲート電極を走査電極とし、カソード電極をデータ電極とし、走査信号に基づきゲート電極を選択、走査し、カソード電極からの信号(ビデオ信号、データ信号あるいは色信号と呼ばれる)に基づき画像を表示させ、1画面を構成する方法であり、あるいは又、例えば、カソード電極を走査電極とし、ゲート電極をデータ電極とし、走査信号に基づきカソード電極を選択、走査し、ゲート電極からの信号(ビデオ信号、データ信号あるいは色信号と呼ばれる)に基づき画像を表示させ、1画面を構成する方法である。
本発明において、一定期間(T1)とは、具体的には1走査期間(時間)を意味する。即ち、一定期間(T1)のM倍が1フレーム時間である。また、所定の期間(T2)と一定期間(T1)とは、T2<T1、好ましくは0.1T1≦T2≦0.8T1、一層好ましくは0.1T1≦T2≦0.4T1の関係にあることが望ましい。また、所定の期間(T2)と一定期間(T1)とは、同時に開始することが望ましい。
本発明の固定画素表示装置にあっては、(走査電極に印加される電圧)>(データ電極に印加される電圧)の場合、V1<V2であるが故に、第1の基準値を電圧α(V2−V1)に対応する値(回路構成に依存してデジタル値の場合もあるし、アナログ値の場合もある。第1の基準値に関する以下の説明においても同様でる)、第2の基準値を電圧β(V1−V2)に対応する値(回路構成に依存してデジタル値の場合もあるし、アナログ値の場合もある。第2の基準値に関する以下の説明においても同様でる)としたとき、0.125≦α≦0.75、0.125≦β≦0.75を満足することが好ましい。一方、(走査電極に印加される電圧)<(データ電極に印加される電圧)の場合、V1>V2であるが故に、第1の基準値を電圧α(V1−V2)に対応する値、第2の基準値を電圧β(V2−V1)に対応する値としたとき、0.125≦α≦0.75、0.125≦β≦0.75を満足することが好ましい。
また、本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、V2>V1であるが故に、第1の基準値を電圧α(V2−V1)に対応する値、第2の基準値を電圧β(V1−V2)に対応する値としたとき、0.125≦α≦0.75、0.125≦β≦0.75を満足することが好ましい。
更には、本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、V2<V1であるが故に、第1の基準値を電圧α(V1−V2)に対応する値、第2の基準値を電圧β(V2−V1)に対応する値としたとき、0.125≦α≦0.75、0.125≦β≦0.75を満足することが好ましい。
尚、本発明において、第m行目の走査電極によって構成されるN個の発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータ(階調制御用データ)の値Dm,nとは、第n行目のデータ電極に印加すべき電圧を規定するデータであり、第m番目のゲート電極によって構成されるN個の電子放出領域のそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータ(階調制御用データ)の値Dm,nとは、第n番目のカソード電極に印加すべき電圧を規定するデータであり、第m番目のカソード電極によって構成されるN個の電子放出領域のそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータ(階調制御用データ)の値Dm,nとは、第n番目のゲート電極に印加すべき電圧を規定するデータである。尚、この説明は、m=1の場合を包含する。
また、「入力値が第1の基準値以上である場合」を『入力値が第1の基準値を越える場合』に置き換えても等価であり、「入力値が第2の基準値以下である場合」を『入力値が第2の基準値未満である場合』に置き換えても等価であり、「入力値が、第1の基準値未満であり、且つ、第2の基準値を越えている場合」を『入力値が、第1の基準値以下であり、且つ、第2の基準値以上である場合』に置き換えても等価である。
本発明において、第1の方向と第2の方向とは直交していることが(即ち、例えば、走査電極やカソード電極の射影像とデータ電極やゲート電極の射影像とは直交していることが)、固定画素表示装置や冷陰極電界電子放出表示装置の構造の簡素化といった観点から好ましい。
本発明において、M及びNの値の組合せとして、具体的には、(1920,1080)、(1920,1035)、(1024,768)、(800,600)、(640,480)、(720,480)、(1280,960)、(1280,1024)等、画像表示用解像度の幾つかを例示することができるが、これらの値に限定するものではない。
本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置(以下、これらを総称して、単に、本発明の冷陰極電界電子放出表示装置と呼ぶ場合がある)にあっては、カソード電極及びゲート電極に印加された電圧によって生じた強電界が電子放出部に加わる結果、量子トンネル効果により電子放出部から電子が放出される。そして、この電子は、アノードパネルに設けられたアノード電極に引きつけられ、蛍光体領域に衝突する。即ち、アノード電極からカソード電極へと放出電子電流が流れる。そして、蛍光体領域への電子の衝突の結果、蛍光体領域が発光し、画像として認識することができる。カソード電極の射影像とゲート電極の射影像とが重複する領域(重複領域)に設けられ、あるいは、位置する1又は複数の電子放出部によって、電子放出領域が構成される。
本発明の冷陰極電界電子放出表示装置において、カソード電極はカソード電極制御回路に接続され、ゲート電極はゲート電極制御回路に接続され、アノード電極はアノード電極制御回路に接続されている。アノード電極制御回路の出力電圧VAは、通常、一定であり、例えば、5キロボルト〜10キロボルトとすることができる。一方、カソード電極に印加する電圧VC及びゲート電極に印加する電圧VGに関しては、階調制御方式が電圧変調方式であるが故に、
(1)カソード電極に印加する電圧VCを一定とし、ゲート電極に印加する電圧VGを変化させる方式
(2)カソード電極に印加する電圧VCを変化させ、ゲート電極に印加する電圧VGを一定とする方式
(3)カソード電極に印加する電圧VCを変化させ、且つ、ゲート電極に印加する電圧VGも変化させる方式がある。
本発明の冷陰極電界電子放出表示装置において、カソードパネルを構成する支持体、アノードパネルを構成する基板は、少なくとも表面が絶縁性部材から構成されていればよく、無アルカリガラス基板、低アルカリガラス基板、石英ガラス基板といった各種のガラス基板、表面に絶縁膜が形成された各種のガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を挙げることができるが、製造コスト低減の観点からは、ガラス基板、あるいは、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板を用いることが好ましい。ガラス基板を構成するガラスとして、より具体的には、高歪点ガラス、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)、硼珪酸ガラス(Na2O・B23・SiO2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、鉛ガラス(Na2O・PbO・SiO2)を例示することができる。
本発明の冷陰極電界電子放出表示装置を構成するカソードパネルにおけるカソード電極やゲート電極、収束電極(後述する)を構成する材料として、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)及び亜鉛(Zn)から成る群から選択された少なくとも1種類の金属;これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(インジウム・錫酸化物)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。
カソード電極やゲート電極、収束電極の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、CVD法やイオンプレーティング法とエッチング法との組合せ;スクリーン印刷法;メッキ法(電気メッキ法や無電解メッキ法);リフトオフ法;レーザアブレーション法;ゾル−ゲル法等を挙げることができる。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、例えばストライプ状のカソード電極やゲート電極、収束電極を形成することが可能である。
絶縁層や後述する層間絶縁層の構成材料として、SiO2、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、SiN、SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラス、ガラスペーストといったSiO2系材料、SiN、ポリイミド等の絶縁性樹脂を、単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。絶縁層や後述する層間絶縁層の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング法、スクリーン印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
本発明の冷陰極電界電子放出表示装置においては、
(a)支持体上に形成され、第1の方向に延びるストライプ状のカソード電極、
(b)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(c)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるストライプ状のゲート電極、
(d)ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部、及び、
(e)開口部の底部に位置する電子放出部、
から冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する)が構成されている。
ここで、電界放出素子は如何なる形態の電界放出素子とすることもでき、例えば、
(1)円錐形の電子放出部が開口部の底部に位置するカソード電極上に設けられたスピント型電界放出素子
(2)略平面状の電子放出部が開口部の底部に位置するカソード電極上に設けられた扁平型電界放出素子
(3)王冠状の電子放出部が開口部の底部に位置するカソード電極上に設けられ、電子放出部の王冠状の部分から電子を放出するクラウン型電界放出素子
(4)平坦なカソード電極の表面から電子を放出する平面型電界放出素子
(5)凹凸が形成されたカソード電極の表面の多数の凸部から電子を放出するクレータ型電界放出素子
(6)カソード電極のエッジ部から電子を放出するエッジ型電界放出素子
を例示することができる。
電界放出素子として、上述の各種の形式の他に、表面伝導型電子放出素子と通称される素子も知られており、冷陰極電界電子放出表示装置に適用することができる。表面伝導型電子放出素子においては、例えばガラスから成る基板上に酸化錫(SnO2)、金(Au)、酸化インジウム(In23)/酸化錫(SnO2)、カーボン、酸化パラジウム(PdO)等の材料から成り、微小面積を有する薄膜がマトリクス状に形成され、各薄膜は2つの薄膜片から成り、一方の薄膜片に行方向配線、他方の薄膜片に列方向配線が接続されている。一方の薄膜片と他方の薄膜片との間には数nmのギャップが設けられている。行方向配線と列方向配線とによって選択された薄膜においては、ギャップを介して薄膜から電子が放出される。
スピント型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、タングステン、タングステン合金、モリブデン、モリブデン合金、チタン、チタン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリコン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げることができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法、CVD法によって形成することができる。
扁平型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ましく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極との間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すればよい。電界放出素子におけるカソード電極を構成する代表的な材料として、タングステン(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.87eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95eV)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム(Φ=4.5eV)、シリコン(Φ=4.9eV)を例示することができる。電子放出部は、これらの材料よりも小さな仕事関数Φを有していることが好ましく、その値は概ね3eV以下であることが好ましい。係る材料として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、BaO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.25〜1.6eV)、Y23(Φ=2.0eV)、CaO(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが2eV以下である材料から電子放出部を構成することが、一層好ましい。尚、電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
あるいは又、扁平型電界放出素子において、電子放出部を構成する材料として、係る材料の2次電子利得δがカソード電極を構成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるような材料から適宜選択してもよい。即ち、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(Co)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)等の金属;シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等の半導体;炭素やダイヤモンド等の無機単体;及び酸化アルミニウム(Al23)、酸化バリウム(BaO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)等の化合物の中から、適宜選択することができる。尚、電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
扁平型電界放出素子にあっては、特に好ましい電子放出部の構成材料として、炭素、より具体的にはダイヤモンドやグラファイト、グラファイト・ナノファイバー、カーボン・ナノチューブ構造体、ZnOウィスカー、MgOウィスカー、SnO2ウィスカー、MnOウィスカー、Y23ウィスカー、NiOウィスカー、ITOウィスカー、In23ウィスカー、Al23ウィスカーを挙げることができる。電子放出部をこれらから構成する場合、5×107V/m以下の電界強度にて、冷陰極電界電子放出表示装置に必要な放出電子電流密度を得ることができる。また、ダイヤモンドは電気抵抗体であるため、各電子放出部から得られる放出電子電流を均一化することができ、よって、冷陰極電界電子放出表示装置に組み込まれた場合の輝度ばらつきの抑制が可能となる。更に、これらの材料は、冷陰極電界電子放出表示装置内の残留ガスのイオンによるスパッタ作用に対して極めて高い耐性を有するので、電界放出素子の長寿命化を図ることができる。
カーボン・ナノチューブ構造体として、具体的には、カーボン・ナノチューブ及び/又はカーボン・ナノファイバーを挙げることができる。より具体的には、カーボン・ナノチューブから電子放出部を構成してもよいし、カーボン・ナノファイバーから電子放出部を構成してもよいし、カーボン・ナノチューブとカーボン・ナノファイバーの混合物から電子放出部を構成してもよい。カーボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイバーは、巨視的には、粉末状であってもよいし、薄膜状であってもよいし、場合によっては、カーボン・ナノチューブ構造体は円錐状の形状を有していてもよい。カーボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイバーは、周知のアーク放電法やレーザアブレーション法といったPVD法、プラズマCVD法やレーザCVD法、熱CVD法、気相合成法、気相成長法といった各種のCVD法によって製造、形成することができる。
扁平型電界放出素子を、カーボン・ナノチューブ構造体やグラファイト・ナノファイバー、上記の各種ウィスカー(以下、これらを総称して、カーボン・ナノチューブ構造体等と呼ぶ)をバインダー材料に分散させたものをカソード電極の所望の領域に例えば塗布した後、バインダー材料の焼成あるいは硬化を行う方法(より具体的には、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂等の有機系バインダー材料や水ガラス等の無機系バインダー材料にカーボン・ナノチューブ構造体等を分散したものを、カソード電極の所望の領域に例えば塗布した後、溶媒の除去、バインダー材料の焼成・硬化を行う方法)によって製造することもできる。尚、このような方法を、カーボン・ナノチューブ構造体等の第1の形成方法と呼ぶ。塗布方法として、スクリーン印刷法を例示することができる。
あるいは又、扁平型電界放出素子を、カーボン・ナノチューブ構造体等が分散された金属化合物溶液をカソード電極上に塗布した後、金属化合物を焼成する方法によって製造することもでき、これによって、金属化合物を構成する金属原子を含むマトリックスにてカーボン・ナノチューブ構造体等がカソード電極表面に固定される。尚、このような方法を、カーボン・ナノチューブ構造体等の第2の形成方法と呼ぶ。マトリックスは、導電性を有する金属酸化物から成ることが好ましく、より具体的には、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム−錫、酸化亜鉛、酸化アンチモン、又は、酸化アンチモン−錫から構成することが好ましい。焼成後、各カーボン・ナノチューブ構造体等の一部分がマトリックスに埋め込まれている状態を得ることもできるし、各カーボン・ナノチューブ構造体等の全体がマトリックスに埋め込まれている状態を得ることもできる。マトリックスの体積抵抗率は、1×10-9Ω・m乃至5×10-6Ω・mであることが望ましい。
金属化合物溶液を構成する金属化合物として、例えば、有機金属化合物、有機酸金属化合物、又は、金属塩(例えば、塩化物、硝酸塩、酢酸塩)を挙げることができる。有機酸金属化合物溶液として、有機錫化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アンチモン化合物を酸(例えば、塩酸、硝酸、あるいは硫酸)に溶解し、これを有機溶媒(例えば、トルエン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)で希釈したものを挙げることができる。また、有機金属化合物溶液として、有機錫化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アンチモン化合物を有機溶媒(例えば、トルエン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)に溶解したものを例示することができる。溶液を100重量部としたとき、カーボン・ナノチューブ構造体等が0.001〜20重量部、金属化合物が0.1〜10重量部、含まれた組成とすることが好ましい。溶液には、分散剤や界面活性剤が含まれていてもよい。また、マトリックスの厚さを増加させるといった観点から、金属化合物溶液に、例えばカーボンブラック等の添加物を添加してもよい。また、場合によっては、有機溶媒の代わりに水を溶媒として用いることもできる。
カーボン・ナノチューブ構造体等が分散された金属化合物溶液をカソード電極上に塗布する方法として、スプレー法、スピンコーティング法、ディッピング法、ダイクォーター法、スクリーン印刷法を例示することができるが、中でもスプレー法を採用することが塗布の容易性といった観点から好ましい。
カーボン・ナノチューブ構造体等が分散された金属化合物溶液をカソード電極上に塗布した後、金属化合物溶液を乾燥させて金属化合物層を形成し、次いで、カソード電極上の金属化合物層の不要部分を除去した後、金属化合物を焼成してもよいし、金属化合物を焼成した後、カソード電極上の不要部分を除去してもよいし、カソード電極の所望の領域上にのみ金属化合物溶液を塗布してもよい。
金属化合物の焼成温度は、例えば、金属塩が酸化されて導電性を有する金属酸化物となるような温度、あるいは又、有機金属化合物や有機酸金属化合物が分解して、有機金属化合物や有機酸金属化合物を構成する金属原子を含むマトリックス(例えば、導電性を有する金属酸化物)が形成できる温度であればよく、例えば、300゜C以上とすることが好ましい。焼成温度の上限は、電界放出素子あるいはカソードパネルの構成要素に熱的な損傷等が発生しない温度とすればよい。
カーボン・ナノチューブ構造体等の第1の形成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部の形成後、電子放出部の表面の一種の活性化処理(洗浄処理)を行うことが、電子放出部からの電子の放出効率の一層の向上といった観点から好ましい。このような処理として、水素ガス、アンモニアガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガス、メタンガス、エチレンガス、アセチレンガス、窒素ガス等のガス雰囲気中でのプラズマ処理を挙げることができる。
カーボン・ナノチューブ構造体等の第1の形成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部は、開口部の底部に位置するカソード電極の部分の表面に形成されていればよく、開口部の底部に位置するカソード電極の部分から開口部の底部以外のカソード電極の部分の表面に延在するように形成されていてもよい。また、電子放出部は、開口部の底部に位置するカソード電極の部分の表面の全面に形成されていても、部分的に形成されていてもよい。
電界放出素子の構造に依存するが、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つの開口部内に1つの電子放出部が存在してもよいし、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つの開口部内に複数の電子放出部が存在してもよいし、ゲート電極に複数の開口部を設け、係る開口部と連通する1つの開口部を絶縁層に設け、絶縁層に設けられた1つの開口部内に1又は複数の電子放出部が存在してもよい。
開口部の平面形状(支持体表面と平行な仮想平面で開口部を切断したときの形状)は、円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを帯びた矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の形状とすることができる。開口部の形成は、例えば、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができ、あるいは又、ゲート電極や収束電極の形成方法に依っては、ゲート電極や収束電極に開口部を直接形成することもできる。絶縁層や層間絶縁層における開口部の形成も、例えば、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができる。
カソード電極と電子放出部との間に抵抗体層を設けてもよい。あるいは又、カソード電極の表面が電子放出部に相当している場合、カソード電極を導電材料層、抵抗体層、電子放出部に相当する電子放出層の3層構成としてもよい。抵抗体層を設けることによって、電界放出素子の動作安定化、電子放出特性の均一化を図ることができる。抵抗体層を構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料、SiN、アモルファスシリコン等の半導体材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物を例示することができる。抵抗体層の形成方法として、スパッタリング法や、CVD法やスクリーン印刷法を例示することができる。抵抗値は、概ね1×105〜1×107Ω、好ましくは数MΩとすればよい。
アノードパネルにおいて、電子放出部から放出された電子が先ず衝突する部位は、アノードパネルの構造に依るが、アノード電極であり、あるいは又、蛍光体領域である。蛍光体領域は、単色の蛍光体粒子から構成されていても、3原色の蛍光体粒子から構成されていてもよい。
蛍光体領域の平面形状(パターン)は、画素(発光領域)に対応して、ドット状であってもよいし、ストライプ状であってもよい。蛍光体領域が隔壁の間に形成されている場合、隔壁で取り囲まれたアノードパネルを構成する基板の部分の上に蛍光体領域が形成されている。
隔壁は、蛍光体領域から反跳した電子、あるいは、蛍光体領域から放出された二次電子が他の蛍光体領域に入射し、所謂光学的クロストーク(色濁り)が発生することを防止する機能を有する。あるいは又、蛍光体領域から反跳した電子、あるいは、蛍光体領域から放出された二次電子が隔壁を越えて他の蛍光体領域に向かって侵入したとき、これらの電子が他の蛍光体領域と衝突することを防止する機能を有する。
隔壁の平面形状としては、格子形状(井桁形状)、即ち、1画素に相当する、例えば平面形状が略矩形(ドット状)の蛍光体領域の四方を取り囲む形状を挙げることができ、あるいは、略矩形あるいはストライプ状の蛍光体領域の対向する二辺と平行に延びる帯状形状あるいはストライプ形状を挙げることができる。隔壁を格子形状とする場合、1つの蛍光体領域の領域の四方を連続的に取り囲む形状としてもよいし、不連続に取り囲む形状としてもよい。隔壁を帯状形状あるいはストライプ形状とする場合、連続した形状としてもよいし、不連続な形状としてもよい。隔壁を形成した後、隔壁を研磨し、隔壁の頂面の平坦化を図ってもよい。
冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、アノードパネルとカソードパネルとによって挟まれた空間が真空状態となっているが故に、アノードパネルとカソードパネルとの間にスペーサを配しておかないと、大気圧によって冷陰極電界電子放出表示装置が損傷を受けてしまう。係るスペーサは、例えばセラミックスから構成することができる。スペーサをセラミックスから構成する場合、セラミックスとして、ムライトやアルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコニア、コーディオライト、硼珪酸塩バリウム、珪酸鉄、ガラスセラミックス材料、これらに、酸化チタンや酸化クロム、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化ニッケルを添加したもの等を例示することができる。この場合、所謂グリーンシートを成形して、グリーンシートを焼成し、係るグリーンシート焼成品を切断することによってスペーサを製造することができる。また、スペーサの表面に、金属や合金から成る導電材料層を形成し、あるいは又、抵抗体層を形成し、あるいは又、二次電子放出係数の低い材料から成る薄層を形成してもよい。スペーサは、例えば、隔壁と隔壁との間に挟み込んで固定すればよく、あるいは又、例えば、アノードパネルにスペーサ保持部を形成し、スペーサ保持部とスペーサ保持部との間に挟み込んで固定すればよい。
蛍光体領域からの光を吸収する光吸収層が隔壁と基板との間に形成されていることが、表示画像のコントラスト向上といった観点から好ましい。ここで、光吸収層は、所謂ブラックマトリックスとして機能する。光吸収層を構成する材料として、蛍光体領域からの光を99%以上吸収する材料を選択することが好ましい。このような材料として、カーボン、金属薄膜(例えば、クロム、ニッケル、アルミニウム、モリブデン等、あるいは、これらの合金)、金属酸化物(例えば、酸化クロム)、金属窒化物(例えば、窒化クロム)、耐熱性有機樹脂、ガラスペースト、黒色顔料や銀等の導電性粒子を含有するガラスペースト等の材料を挙げることができ、具体的には、感光性ポリイミド樹脂、酸化クロムや、酸化クロム/クロム積層膜を例示することができる。尚、酸化クロム/クロム積層膜においては、クロム膜が基板と接する。光吸収層は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法とエッチング法との組合せ、真空蒸着法やスパッタリング法、スピンコーティング法とリフトオフ法との組合せに、スクリーン印刷法、リソグラフィ技術等、使用する材料に依存して適宜選択された方法にて形成することができる。尚、スペーサ保持部や隔壁をアノード電極上に形成する場合、光吸収層を、基板とアノード電極との間に形成してもよいし、アノード電極とスペーサ保持部との間に形成してもよい。
蛍光体領域は、発光性結晶粒子(例えば、粒径5〜10nm程度の蛍光体粒子)から調製された発光性結晶粒子組成物を使用し、例えば、赤色の感光性の発光性結晶粒子組成物(赤色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、赤色発光蛍光体領域を形成し、次いで、緑色の感光性の発光性結晶粒子組成物(緑色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、緑色発光蛍光体領域を形成し、更に、青色の感光性の発光性結晶粒子組成物(青色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、青色発光蛍光体領域を形成する方法にて形成することができる。
発光性結晶粒子を構成する蛍光体材料としては、従来公知の蛍光体材料の中から適宜選択して用いることができる。カラー表示の場合、色純度がNTSCで規定される3原色に近く、3原色を混合した際の白バランスがとれ、残光時間が短く、3原色の残光時間がほぼ等しくなる蛍光体材料を組み合わせることが好ましい。赤色発光蛍光体領域を構成する蛍光体材料として、(Y23:Eu)、(Y22S:Eu)、(Y3Al512:Eu)、(YBO3:Eu)、(YVO4:Eu)、(Y2SiO5:Eu)、(Y0.960.600.404:Eu0.04)、[(Y,Gd)BO3:Eu]、(GdBO3:Eu)、(ScBO3:Eu)、(3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)、(Zn3(PO42:Mn)、(LuBO3:Eu)、(SnO2:Eu)を例示することができる。緑色発光蛍光体領域を構成する蛍光体材料として、(ZnSiO2:Mn)、(BaAl1219:Mn)、(BaMg2Al1627:Mn)、(MgGa24:Mn)、(YBO3:Tb)、(LuBO3:Tb)、(Sr4Si38Cl4:Eu)、(ZnS:Cu,Al)、(ZnS:Cu,Au,Al)、(ZnBaO4:Mn)、(GbBO3:Tb)、(Sr6SiO3Cl3:Eu)、(BaMgAl1423:Mn)、(ScBO3:Tb)、(Zn2SiO4:Mn)、(ZnO:Zn)、(Gd22S:Tb)、(ZnGa24:Mn)を例示することができる。青色発光蛍光体領域を構成する蛍光体材料として、(Y2SiO5:Ce)、(CaWO4:Pb)、CaWO4、YP0.850.154、(BaMgAl1423:Eu)、(Sr227:Eu)、(Sr227:Sn)、(ZnS:Ag,Al)、(ZnS:Ag)、ZnMgO、ZnGaO4を例示することができる。
アノード電極の構成材料は、冷陰極電界電子放出表示装置の構成によって適宜選択すればよい。即ち、冷陰極電界電子放出表示装置が透過型(アノードパネルが表示面に相当する)であって、且つ、アノードパネルを構成する基板上にアノード電極と蛍光体領域がこの順に積層されている場合には、基板は元より、アノード電極自身も透明である必要があり、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電材料を用いる。一方、冷陰極電界電子放出表示装置が反射型(カソードパネルが表示面に相当する)である場合、及び、透過型であっても基板上に蛍光体領域とアノード電極とがこの順に積層されている場合には、ITOの他、アルミニウム(Al)あるいはクロム(Cr)を用いることができる。アルミニウム(Al)あるいはクロム(Cr)からアノード電極を構成する場合、アノード電極の厚さとして、具体的には、3×10-8m(30nm)乃至1.5×10-7m(150nm)、好ましくは5×10-8m(50nm)乃至1×10-7m(100nm)を例示することができる。アノード電極は、蒸着法やスパッタリング法にて形成することができる。尚、後者の場合、アノード電極は、蛍光体領域からの発光を反射させる反射膜としての機能の他、蛍光体領域から反跳した電子、あるいは放出された二次電子を反射させる反射膜としての機能、蛍光体領域の帯電防止といった機能を有する。
冷陰極電界電子放出表示装置において、アノード電極は、有効領域を覆う1枚のシート状の形状を有する構成とすることもできるし、2以上の複数個のアノード電極ユニットの集合体から構成することもできる。各アノード電極ユニットの大きさは、アノード電極ユニットの位置に拘わらず同じとしてもよいし、アノード電極ユニットの位置に依存して異ならせてもよい。
アノード電極と蛍光体領域の構成例として、(1)基板上に、アノード電極を形成し、アノード電極の上に蛍光体領域を形成する構成、(2)基板上に、蛍光体領域を形成し、蛍光体領域上にアノード電極を形成する構成、を挙げることができる。尚、(1)の構成において、蛍光体領域の上に、アノード電極と導通した所謂メタルバック膜を形成してもよい。また、(2)の構成において、アノード電極の上にメタルバック膜を形成してもよい。
カソードパネルとアノードパネルとを周縁部において接合する場合、接合は接着層を用いて行ってもよいし、あるいは、ガラスやセラミックス等の絶縁剛性材料から成る枠体と接着層とを併用して行ってもよい。枠体と接着層とを併用する場合には、枠体の高さを適宜選択することにより、接着層のみを使用する場合に比べ、カソードパネルとアノードパネルとの間の対向距離をより長く設定することが可能である。尚、接着層の構成材料としては、フリットガラスが一般的であるが、融点が120〜400゜C程度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。係る低融点金属材料としては、In(インジウム:融点157゜C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)を例示することができる。
基板と支持体と枠体の三者を接合する場合、三者同時接合を行ってもよいし、あるいは、第1段階で基板又は支持体のいずれか一方と枠体とを先に接合し、第2段階で基板又は支持体の他方と枠体とを接合してもよい。三者同時接合や第2段階における接合を真空雰囲気中で行えば、基板と支持体と枠体と接着層とにより囲まれた空間は、接合と同時に真空となる。あるいは、三者の接合終了後、基板と支持体と枠体と接着層とによって囲まれた空間を排気し、真空とすることもできる。接合後に排気を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のいずれであってもよく、また、雰囲気を構成する気体は、大気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表0族に属するガス(例えばArガス)を含む不活性ガスであってもよい。
接合後に排気を行う場合、排気は、基板及び/又は支持体に予め接続されたチップ管を通じて行うことができる。チップ管は、典型的にはガラス管を用いて構成され、基板及び/又は支持体の無効領域(即ち、表示部分として機能する有効領域以外の領域)に設けられた貫通孔の周囲に、フリットガラス又は上述の低融点金属材料を用いて接合され、空間が所定の真空度に達した後、熱融着によって封じ切られる。尚、封じ切りを行う前に、冷陰極電界電子放出表示装置全体を一旦加熱してから降温させると、空間に残留ガスを放出させることができ、この残留ガスを排気により空間外へ除去することができるので好適である。
本発明においては、(1)入力値が第1の基準値以上である場合、比較器の出力に基づき、一定期間よりも短い所定の期間、第1のスイッチ回路がオン状態とされることで、所定の期間、第n列目のデータ電極(あるいは、第n番目のカソード電極やゲート電極)に第1の電圧V1が印加され、(2)入力値が第2の基準値以下である場合、比較器の出力に基づき、一定期間よりも短い所定の期間、第2のスイッチ回路がオン状態とされることで、所定の期間、第n列目のデータ電極(あるいは、第n番目のカソード電極やゲート電極)に第2の電圧V2が印加される。即ち、走査電極によって構成される発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータの値、あるいは又、ゲート電極やカソード電極によって構成されるN個の電子放出領域のそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータの値と、それよりも1つ前のデータの値との差分が第1の基準値以上であり、あるいは又、第2の基準値以下である場合、駆動用ドライバが、電極へ印加される電圧の立上り、立下りの波形を補償するための一種の補償回路として動作し、機能する。従って、電極へ印加される電圧の立上り、立下りの波形を急峻にすることができる結果、画面表示の応答性の向上を図ることができ、滑らかな画像表示を達成することができる。しかも、第n列目のデータ電極(あるいは、第n番目のカソード電極やゲート電極)に第1の電圧V1や第2の電圧V2が印加される期間(時間)は一定期間よりも短いので、固定画素表示装置あるいは冷陰極電界電子放出表示装置における消費電力の増加を抑制することができる。また、輪郭が強調された画像を得ることができるので、視認される画像に先鋭さが増加するといった利点を有する。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明するが、従来の固定画素表示装置や冷陰極電界電子放出表示装置の構成、構造を大幅に変更すること無しに、より具体的には、実質的にスイッチ回路及び減算回路を加えるだけで、データ電極等へ印加される電圧の立上り、立下りの波形を急峻にすることが可能な固定画素表示装置や冷陰極電界電子放出表示装置を達成することができる。
実施例1は、本発明の固定画素表示装置、及び、本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置に関する。
実施例1における駆動用ドライバ等の回路図を図1に示し、実施例1の固定画素表示装置の概念図を図2に示し、実施例1の固定画素表示装置あるいは冷陰極電界電子放出表示装置(以下、これらを総称して、単に、表示装置と呼ぶ場合がある)におけるデータ電極(カソード電極)への電圧の印加状態を模式的に図3に示す。更には、実施例1の冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端面図を図5に示し、カソードパネルCPとアノードパネルAPを分解したときの模式的な部分的斜視図を図6に示し、蛍光体領域等の配列を、模式的な部分的平面図として、図7〜図10に例示する。尚、アノードパネルAPの模式的な一部端面図における蛍光体領域等の配列を、図9あるいは図10に示す構成としている。
概念図を図2に示すように、実施例1の固定画素表示装置は、第1の方向に延びるM本(但し、M≧2)のストライプ状の走査電極(実施例1においては、後述するゲート電極が相当する)、及び、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるN本(但し、N≧2)のストライプ状のデータ電極(実施例1においては、後述するカソード電極が相当する)を備え、走査電極とデータ電極との重複領域から構成された発光領域LEがM行×N列の2次元マトリックス状に配列されている。そして、データ電極を駆動するために、各データ電極に接続された駆動用ドライバ50を備えている。駆動用ドライバ50の個数はNである。
また、実施例1の冷陰極電界電子放出表示装置は、カソードパネルCPとアノードパネルAPとがそれらの周縁部で接合されて成り、カソードパネルCPとアノードパネルAPとによって挟まれた空間は真空状態とされている。
そして、カソードパネルCPは、
(a)支持体10、
(b)支持体10上に形成され、第1の方向(図5の紙面と平行な方向)に延びるN本(但し、N≧2)のストライプ状のカソード電極11、
(c)支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12、
(d)絶縁層12上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向(図5の紙面に垂直な方向)に延びるM本(但し、M≧2)のストライプ状のゲート電極13、及び、
(e)カソード電極11とゲート電極13との重複領域に位置する電子放出領域EA、
から構成されている。
一方、アノードパネルAPは、基板20、並びに、この基板20上に形成された、各電子放出領域EAに対応して設けられた蛍光体領域22(カラー表示の場合、赤色発光蛍光体領域22R、緑色発光蛍光体領域22G、青色発光蛍光体領域22B)及び蛍光体領域22を覆うアノード電極24から構成されている。
より具体的には、アノードパネルAPは、基板20、基板20上に形成された隔壁21と隔壁21との間の基板20上に形成され、多数の蛍光体粒子から成る蛍光体領域22(赤色発光蛍光体領域22R、緑色発光蛍光体領域22G、青色発光蛍光体領域22B)、及び、蛍光体領域22上に形成されたアノード電極24を備えている。アノード電極24は、有効領域を覆う薄い1枚のシート状であり、周知の回路構成を有するアノード電極制御回路32に接続されている。アノード電極24は、厚さ約70nmのアルミニウムから成り、隔壁21を覆う状態で設けられている。蛍光体領域22と蛍光体領域22との間であって、隔壁21と基板20との間には、光吸収層(ブラックマトリックス)23が形成されている。隔壁21とスペーサ25と蛍光体領域22の配置状態の一例を模式的に図7〜図10に示す。図7及び図8に示す例においては、格子形状(井桁形状)の隔壁21が形成されており、蛍光体領域22(赤色発光蛍光体領域22R、緑色発光蛍光体領域22G、青色発光蛍光体領域22B)の形状はドット状である。一方、図9及び図10に示す例においては、隔壁21の平面形状は、略矩形の蛍光体領域22の対向する二辺と平行に延びる帯状形状(ストライプ形状)を有する。尚、蛍光体領域22を、図7あるいは図9の上下方向に延びるストライプ状とすることもできる。
そして、電子放出領域EAは、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14(ゲート電極13に設けられた開口部14A及び絶縁層12に設けられた開口部14B)の底部に位置する電子放出部15から構成されている。尚、実施例1においては、電子放出部15は円錐形である。また、ゲート電極13が走査電極に該当し、カソード電極11がデータ電極に該当し、電子放出領域EAが発光領域の一部に該当する。尚、第1の方向と第2の方向とは直交している。即ち、走査電極(ゲート電極13)の射影像とデータ電極(カソード電極11)の射影像とは直交している。ここで、ゲート電極13には走査信号が入力され、カソード電極11にはビデオ信号(色信号)が入力される。
即ち、実施例1の表示装置においては、
(a)支持体10上に形成され、第1の方向に延びるストライプ状のカソード電極11、
(b)支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12、
(c)絶縁層12上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるストライプ状のゲート電極13、
(d)ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14、及び、
(e)開口部の底部に位置する電子放出部15、
から冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する)が構成されており、より具体的には、この電界放出素子は、円錐形の電子放出部15が開口部14の底部に位置するカソード電極11上に設けられたスピント型電界放出素子である。
カソード電極11の射影像とゲート電極13の射影像とが重複する領域(重複領域)に設けられた複数の電子放出部15によって、電子放出領域EAが構成されている。そして、図6にカソードパネルCP及びアノードパネルAPの模式的な部分的斜視図を示すように、1画素分の領域に相当する電子放出領域EAが、カソードパネルCPの有効領域内に、2次元マトリクス状に配列されている。発光領域(1画素あるいは1サブピクセル)は、カソードパネル側の電子放出領域EAと、この電子放出領域EAに対面したアノードパネル側の蛍光体領域22とによって構成されている。有効領域には、係る発光領域(画素あるいはサブピクセル)が、例えば数十万〜数百万個ものオーダーにて配列されている。そして、カソード電極11とゲート電極13とに印加された電圧によって生じた強電界が発光領域を構成する電子放出部15に加わる結果、量子トンネル効果により電子放出部15から電子が放出され、アノード電極24と衝突する。即ち、アノード電極24からカソード電極11へと放出電子電流が流れる。尚、図6においては、隔壁21やスペーサ25の図示を省略している。
そして、実施例1の冷陰極電界電子放出表示装置は、カソード電極11を駆動するために、各カソード電極11に接続された駆動用ドライバ50を更に備えている。
ここで、各駆動用ドライバ50は、スイッチ回路、出力回路51、及び、減算回路52から成る。また、カソード電極11が接続されたカソード電極制御回路30は、N個の駆動用ドライバ50とN個の例えば8ビットのD/Aコンバータ43から構成されている。更には、ゲート電極13が接続されたゲート電極制御回路31は、一定の電圧VGをゲート電極13に印加する周知の電源及び走査電極出力回路から構成されている。
ここで、スイッチ回路は、
(A)データ電極(カソード電極11)に第1の電圧V1を印加するための第1のスイッチ回路53(図3に示すように符号「SW1」で表す場合もある)、
(B)データ電極(カソード電極11)に第2の電圧V2(但し、V2≠V1であり、より具体的には、実施例1においてはV2>V1である)を印加するための第2のスイッチ回路54(図3に示すように符号「SW2」で表す場合もある)、及び、
(C)第1のスイッチ回路53及び第2のスイッチ回路54のオン/オフ制御を行うための比較器55(比較器55A,55B)、
を備えている。
尚、第1のスイッチ回路53及び第2のスイッチ回路54は、例えばNMOS−FETから構成すればよいし、減算回路52及び比較器55は、周知の減算回路及び比較器から構成すればよい。後述する実施例2においても同様とすることができる。
実施例1の表示装置にあっては、画像表示時、第m行目(但し、mは2,3・・・Mのいずれか)の走査電極によって構成されるN個の発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータ(階調制御用データ)の値Dm,n(但し、nは1,2・・・Nである)に基づき出力回路51から出力された電圧が、一定期間、第n列目のデータ電極に印加される。言い換えれば、第m番目(但し、m=2,3・・・Mのいずれか)のゲート電極13によって構成されるN個の電子放出領域EAのそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータ(階調制御用データ)の値Dm,n(但し、nは1,2・・・Nである)に基づき出力回路51から出力された電圧(0ボルト乃至15ボルト)が、一定期間、第n番目のカソード電極11に印加される。
具体的には、図1に示すように、画像信号が例えば8ビットのA/Dコンバータ41に入力され、A/Dコンバータ41の出力であるデータDm,nが、2系列備えられたラインバッファ42に順次、一旦記憶される。そして、ラインバッファ42に記憶された階調制御用データに相当するデータDm,nは順次、第n番目の駆動用ドライバ50を構成する例えば8ビットのD/Aコンバータ43に送られ、D/Aコンバータ43からのアナログ信号が、第n列目のデータ電極(第n番目のカソード電極11)に接続された駆動用ドライバ50を構成する出力回路51に入力される。そして、切替タイミングパルス(ロード信号)に応じて、走査電極出力回路によって第1行目から第M行目までの走査電極(ゲート電極13)が線順次駆動され、走査電極(ゲート電極13)に、順次、例えば一定の電圧VG(=35ボルト)が印加される。また、第n列目(但し、n=1,2・・・N)のデータ電極(カソード電極11)には、階調に応じて、電圧変調方式に基づき可変の電圧VDATAが出力回路51から印加される。
出力回路51は、CMOS回路から成る電流バッファ回路であり、電圧ゲインが1であり、電流ゲインが1を越える回路である。具体的には、出力回路51への入力電圧と出力回路51からの出力電圧は等しく、出力回路51への入力電流よりも出力回路51からの出力電流が大きい。出力回路51を構成するPMOS−FETの一方のソース/ドレイン領域はVcc(=15ボルト)に接続されており、PMOS−FETの他方のソース/ドレイン領域は、出力回路51を構成するNMOS−FETの一方のソース/ドレイン領域と共に、データ電極(カソード電極11)に接続されており、出力回路51を構成するNMOS−FETの他方のソース/ドレイン領域は接地されている。更には、出力回路51を構成するPMOS−FET及びNMOS−FETのゲート電極は、D/Aコンバータ43に接続されている。各出力回路51からの出力によって各データ電極(各カソード電極11)が駆動されるが、この出力回路51からの出力は、実質的に、図3の(B)に示した従来のデータ電極に印加される電圧VDATAと同じである。
そして、実施例1の表示装置にあっては、第m行目の走査電極によって構成される発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータ(階調制御用データ)の値Dm,nから第(m−1)行目の走査電極によって構成される発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータ(階調制御用データ)の値Dm-1,nを減算回路52において減じて得られた値(Dm,n−Dm-1,nであり、階調制御用差分データである)が入力値として比較器55(より具体的には、第1の比較器55A及び第2の比較器55B)に入力される。言い換えれば、第m番目のゲート電極13によって構成される電子放出領域EAのそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータ(階調制御用データ)の値Dm,nから第(m−1)番目のゲート電極13によって構成される電子放出領域EAのそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータ(階調制御用データ)の値Dm-1,nを減算回路52において減じて得られた値(Dm,n−Dm-1,nであり、階調制御用差分データである)が入力値として比較器55(より具体的には、第1の比較器55A及び第2の比較器55B)に入力される。一方、第1の比較器55Aには第1の基準値が入力され、第2の比較器55Bには第2の基準値が入力される。
即ち、具体的には、実施例1においては、走査電極(ゲート電極13)に一定の電圧VG(=35ボルト)を印加し、データ電極(カソード電極11)に階調に応じて電圧VC(=0ボルト乃至15ボルト)を印加する。そして、第(m−1)行目×第n列目の発光領域における発光状態を制御するためにデータ電極に電圧VDATA(m-1,n)(このときのデータの値はDm-1,nである)を印加し、第m行目×第n列目の発光領域における発光状態を制御するためにデータ電極に電圧VDATA(m,n)(このときのデータの値はDm,nである)を印加する。言い換えれば、第(m−1)番目×第n番目の電子放出領域における電子の放出状態を制御するためにカソード電極11に電圧VDATA(m-1,n)(このときのデータの値はDm-1,nである)を印加し、第m番目×第n番目の電子放出領域における電子の放出状態を制御するためにカソード電極11に電圧VDATA(m,n)(このときのデータの値はDm,nである)を印加する。そして、ラインバッファ42に記憶されたデータの値Dm-1,n,Dm,nを読み出して減算回路52に送出し、減算回路52において減じて得られた値(Dm,n−Dm-1,n)が入力値として比較器55(第1の比較器55A及び第2の比較器55B)に入力され、比較器55(第1の比較器55A及び第2の比較器55B)に入力された入力値(Dm,n−Dm-1,n)と、第1の基準値及び第2の基準値とが比較器55において比較される。
ここで、実施例1においては、走査電極に印加される電圧とデータ電極に印加される電圧との差をΔVとしたとき、第1の電圧V1は、ΔVの最大値を得るためにデータ電極に印加すべき電圧であり、第2の電圧V2は、ΔVの最小値を得るためにデータ電極に印加すべき電圧である。また、実施例1においては、(走査電極に印加される電圧)>(データ電極に印加される電圧)であるので、V1<V2である。言い換えれば、ゲート電極13に印加される電圧(例えば、35ボルト一定)とカソード電極11に印加される電圧(階調に応じて、例えば0ボルト乃至15ボルト)との差をΔVGCとしたとき、第1の電圧V1は、ΔVGCの最大値(即ち、35ボルト)を得るためにカソード電極11に印加すべき電圧(即ち、0ボルト)であり、第2の電圧V2は、ΔVGCの最小値(即ち、20ボルト)を得るためにカソード電極11に印加すべき電圧(即ち、15ボルト)である。そして、第1の基準値を電圧α(V2−V1)に対応する値、第2の基準値を電圧β(V1−V2)に対応する値としたとき、αの値を0.5、βの値を0.5としている。ここで、減算回路52への入力デジタルデータであるデータの値Dm,nを8ビットとすれば、256段階の階調制御が行われる。ここで、Dm,n=255が最も明るい画面データを表しているとする。この場合、αの値及びβの値を8ビットのデジタル表現で言い換えたときの値をそれぞれα’,β’とすれば、α’=128、β’=128である。一般的には、32≦α’≦192、32≦β’≦192を満足することが好ましい。
そして、もしも入力値が第1の基準値以上である場合、即ち、(Dm,n−Dm-1,n)>α’あるいは(Dm,n−Dm-1,n)≧α’である場合、第1の比較器55Aの出力に基づき、一定期間(例えば、25マイクロ秒)よりも短い所定の期間(例えば、5マイクロ秒)、第1のスイッチ回路53がオン状態とされることで、所定の期間(例えば、5マイクロ秒)、第n列目のデータ電極(第n番目のカソード電極11)に第1の電圧V1(=0ボルト)が印加される。この状態は、図3の(A)において、第m行目×第n列目の1ライン期間におけるデータ電極への印加電圧VDATAとして表されている。
一方、もしも入力値が第2の基準値以下である場合、即ち、(Dm,n−Dm-1,n)<β’あるいは(Dm,n−Dm-1,n)≦β’の場合、第2の比較器55Bの出力に基づき、一定期間(例えば、25マイクロ秒)よりも短い所定の期間(例えば、5マイクロ秒)、第2のスイッチ回路54がオン状態とされることで、所定の期間(例えば、5マイクロ秒)、第n列目のデータ電極(第n番目のカソード電極11)に第2の電圧V2(=15ボルト)が印加される。この状態は、図3の(A)において、第(m−1)行目×第n列目の1ライン期間及び第(m+2)行目×第n列目の1ライン期間におけるデータ電極への印加電圧VDATAとして表されている。
また、もしも入力値が第1の基準値未満であり且つ第2の基準値を越えている場合、即ち、β’≦(Dm,n−Dm-1,n)≦α’あるいはβ’<(Dm,n−Dm-1,n)<α’である場合には、第1のスイッチ回路53及び第2のスイッチ回路54はオフ状態に保持される。この状態は、図3の(A)において、第(m+1)行目×第n列目の1ライン期間として表されている。
以上のように、実施例1においては、走査電極への印加状態が例えば第m行目から第(m+1)行目に切り替えられた直後の(言い換えれば、ゲート電極13への印加状態が例えば第m番目から第(m+1)番目に切り替えられた直後の)、データ電極(カソード電極11)に印加される電圧VDATAの波形の立上り、立下りの波形を、電圧V1,V2を加重することによって急峻にすることができる結果、画面表示の応答性の向上を図ることができ、滑らかな画像表示を達成することができる。しかも、第n列目のデータ電極(第n番目のカソード電極11)に第1の電圧V1や第2の電圧V2が印加される期間(時間)は一定期間よりも短いので、固定画素表示装置あるいは冷陰極電界電子放出表示装置における消費電力の増加を抑制することができる。また、輪郭が強調された画像を得ることができるので、視認される画像に先鋭さが増加する。
尚、実施例1においては、第1行目の走査電極によって構成されるN個の発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータの値D1,n(但し、nは1,2・・・Nである)に基づき出力回路51から出力された電圧が、一定期間、第n列目のデータ電極に印加されるが、言い換えれば、第1番目のゲート電極13によって構成されるN個の電子放出領域EAのそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータの値D1,n(但し、nは1,2・・・Nである)に基づき出力回路51から出力された電圧が、一定期間、第n番目のカソード電極11に印加される。そして、この場合、第1行目の走査電極によって構成される発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータの値D1,nからデータ値「0」(データの値D0,nと表現する)を減算回路において減じて得られた値(D1,n−D0,n)が入力値として比較器に入力され、比較器に入力された入力値と、第1の基準値及び第2の基準値とが比較器において比較される。データの値D0,nを用いる代わりに、直前のデータの値DM,n(1フレーム前の最後のデータの値)を用いることもできる。あるいは又、第1番目のゲート電極によって構成されるN個の電子放出領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータの値D1,nからデータ値「0」(データの値D0,nと表現する)を減算回路において減じて得られた値(D1,n−D0,n)が入力値として比較器に入力され、比較器に入力された入力値と、第1の基準値及び第2の基準値とが比較器において比較される。データの値D0,nを用いる代わりに、直前のデータの値DM,n(1フレーム前の最後のデータの値)を用いることもできる。
以下、スピント型電界放出素子の製造方法を、カソードパネルを構成する支持体10等の模式的な一部端面図である図11の(A)、(B)及び図12の(A)、(B)を参照して説明するが、本発明の冷陰極電界電子放出表示装置における電界放出素子は、スピント型電界放出素子に限定するものではない。
尚、このスピント型電界放出素子は、基本的には、円錐形の電子放出部15を金属材料の垂直蒸着により形成する方法によって得ることができる。即ち、ゲート電極13に設けられた開口部14Aに対して蒸着粒子は垂直に入射するが、開口部14Aの開口端付近に形成されるオーバーハング状の堆積物による遮蔽効果を利用して、絶縁層12に設けられた開口部14Bの底部に到達する蒸着粒子の量を漸減させ、円錐形の堆積物である電子放出部15を自己整合的に形成する。ここでは、不要なオーバーハング状の堆積物の除去を容易とするために、ゲート電極13及び絶縁層12上に剥離層16を予め形成しておく方法について説明する。尚、図11及び図12においては、1つの電子放出部のみを図示した。
[工程−A0]
先ず、例えばガラス基板から成る支持体10の上に、例えばポリシリコンから成るカソード電極用導電材料層をプラズマCVD法にて成膜した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパターニングして、ストライプ状のカソード電極11を形成する。その後、全面にSiO2から成る絶縁層12をCVD法にて形成する。
[工程−A1]
次に、絶縁層12上に、ゲート電極用導電材料層(例えば、TiN層)をスパッタ法にて成膜し、次いで、ゲート電極用導電材料層をリソグラフィ技術及びドライエッチング技術にてパターニングすることによって、ストライプ状のゲート電極13を得ることができる。ストライプ状のカソード電極11は、図面の紙面左右方向に延び、ストライプ状のゲート電極13は、図面の紙面垂直方向に延びている。
尚、ゲート電極13を、真空蒸着法等のPVD法、CVD法、電気メッキ法や無電解メッキ法といったメッキ法、スクリーン印刷法、レーザーアブレーション法、ゾル−ゲル法、リフトオフ法等の公知の薄膜形成と、必要に応じてエッチング技術との組合せによって形成してもよい。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、例えばストライプ状のゲート電極を形成することが可能である。
[工程−A2]
その後、再びレジスト層を形成し、エッチングによってゲート電極13に開口部14Aを形成し、更に、絶縁層に開口部14Bを形成し、開口部14Bの底部にカソード電極11を露出させた後、レジスト層を除去する。こうして、図11の(A)に示す構造を得ることができる。
[工程−A3]
次に、支持体10を回転させながらゲート電極13上を含む絶縁層12上にニッケル(Ni)を斜め蒸着することにより、剥離層16を形成する(図11の(B)参照)。このとき、支持体10の法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択することにより(例えば、入射角65度〜85度)、開口部14Bの底部にニッケルを殆ど堆積させることなく、ゲート電極13及び絶縁層12の上に剥離層16を形成することができる。剥離層16は、開口部14Aの開口端から庇状に張り出しており、これによって開口部14Aが実質的に縮径される。
[工程−A4]
次に、全面に例えば導電材料としてモリブデン(Mo)を垂直蒸着する(入射角3度〜10度)。このとき、図12の(A)に示すように、剥離層16上でオーバーハング形状を有する導電材料層17が成長するに伴い、開口部14Aの実質的な直径が次第に縮小されるので、開口部14Bの底部において堆積に寄与する蒸着粒子は、次第に開口部14Aの中央付近を通過するものに限られるようになる。その結果、開口部14Bの底部には円錐形の堆積物が形成され、この円錐形の堆積物が電子放出部15となる。
[工程−A5]
その後、図12の(B)に示すように、リフトオフ法にて剥離層16をゲート電極13及び絶縁層12の表面から剥離し、ゲート電極13及び絶縁層12の上方の導電材料層17を選択的に除去する。こうして、複数のスピント型電界放出素子が形成されたカソードパネルを得ることができる。その後、絶縁層12に設けられた開口部14Bの側壁面を等方的なエッチングによって後退させることが、ゲート電極13の開口端部を露出させるといった観点から、好ましい。尚、等方的なエッチングは、ケミカルドライエッチングのようにラジカルを主エッチング種として利用するドライエッチング、あるいはエッチング液を利用するウェットエッチングにより行うことができる。エッチング液としては、例えば49%フッ酸水溶液と純水の1:100(容積比)混合液を用いることができる。こうして、図2に示す電界放出素子を完成することができる。
[工程−A6]
次いで、表示装置の組み立てを行う。具体的には、蛍光体領域やアノード電極等が形成されたアノードパネルAPを準備する。そして、例えば、アノードパネルAPの有効領域に設けられたスペーサ保持部(図示せず)にスペーサ25を取り付け、蛍光体領域22と電子放出領域EAとが対向するようにアノードパネルAPとカソードパネルCPとを配置し、アノードパネルAPとカソードパネルCP(より具体的には、基板20と支持体10)とを、セラミックスやガラスから作製された高さ約2mmの枠体26を介して、周縁部において接合する。接合に際しては、枠体26とアノードパネルAPとの接合部位、及び、枠体26とカソードパネルCPとの接合部位にフリットガラスを塗布し、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体26とを貼り合わせ、予備焼成にてフリットガラスを乾燥した後、約450゜Cで10〜30分の本焼成を行う。その後、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体26とフリットガラス(図示せず)とによって囲まれた空間を、貫通孔(図示せず)及びチップ管(図示せず)を通じて排気し、空間の圧力が10-4Pa程度に達した時点でチップ管を加熱溶融により封じ切る。このようにして、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体26とに囲まれた空間を真空にすることができる。あるいは又、例えば、枠体26とアノードパネルAPとカソードパネルCPとの貼り合わせを真空雰囲気中で行ってもよい。あるいは又、表示装置の構造に依っては、枠体無しで、接着層のみによってアノードパネルAPとカソードパネルCPとを貼り合わせてもよい。その後、必要な外部回路との配線接続を行い、表示装置を完成させる。
実施例2は、本発明の固定画素表示装置、及び、本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置に関する。
実施例2における駆動用ドライバ等の回路図、実施例2の固定画素表示装置の概念図は、それぞれ、図1、図2に示したと同様であるし、実施例2の冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端面図、カソードパネルCPとアノードパネルAPを分解したときの模式的な部分的斜視図、蛍光体領域等の配列は、それぞれ、図5、図6、図7〜図10に示したと同様である。実施例2の表示装置におけるデータ電極(ゲート電極)への電圧の印加状態を模式的に図4に示す。
実施例2の冷陰極電界電子放出表示装置は、カソードパネルCPとアノードパネルAPとがそれらの周縁部で接合されて成り、カソードパネルCPとアノードパネルAPとによって挟まれた空間は真空状態とされている。尚、実施例2においては、カソード電極11が走査電極に相当し、ゲート電極13がデータ電極に相当する。
実施例2において、カソードパネルCPは、
(a)支持体10、
(b)支持体10上に形成され、第1の方向(図5の紙面と平行な方向)に延びるM本(但し、M≧2)のストライプ状のカソード電極11、
(c)支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12、
(d)絶縁層12上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向(図5の紙面に垂直な方向)に延びるN本(但し、N≧2)のストライプ状のゲート電極13、及び、
(e)カソード電極11とゲート電極13との重複領域に位置する電子放出領域EA、
から構成されている。
一方、アノードパネルAPは、実施例1において説明したアノードパネルAPと同様の構成、構造を有する。
そして、電子放出領域EAは、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14(ゲート電極13に設けられた開口部14A及び絶縁層12に設けられた開口部14B)の底部に位置する電子放出部15から構成されている。尚、実施例2においても、電子放出部15は円錐形である。即ち、この電界放出素子は、実施例1と同様に、円錐形の電子放出部15が開口部14の底部に位置するカソード電極11上に設けられたスピント型電界放出素子である。また、カソード電極11が走査電極に該当し、ゲート電極13がデータ電極に該当し、電子放出領域EAが発光領域の一部に該当する。尚、第1の方向と第2の方向とは直交している。即ち、走査電極(カソード電極11)の射影像とデータ電極(ゲート電極13)の射影像とは直交している。ここで、カソード電極11には走査信号が入力され、ゲート電極13にはビデオ信号(色信号)が入力される。
実施例2の冷陰極電界電子放出表示装置は、ゲート電極13を駆動するために、各ゲート電極13に接続された駆動用ドライバ50を更に備えている。ここで、各駆動用ドライバ50は、実施例1と同様に、スイッチ回路、出力回路51、及び、減算回路52から成る。また、ゲート電極13が接続されたゲート電極制御回路31は、N個の駆動用ドライバ50とN個の例えば8ビットのD/Aコンバータ43から構成されている。更には、カソード電極11が接続されたカソード電極制御回路30は、一定の電圧VCをカソード電極11に印加する周知の電源及び走査電極出力回路から構成されている。
ここで、スイッチ回路は、
(A)データ電極(ゲート電極13)に第1の電圧V1を印加するための第1のスイッチ回路53(図4に示すように符号「SW1」で表す場合もある)、
(B)データ電極(ゲート電極13)に第2の電圧V2(但し、V2≠V1であり、より具体的には、実施例2においてはV2<V1である)を印加するための第2のスイッチ回路54(図4に示すように符号「SW2」で表す場合もある)、及び、
(C)第1のスイッチ回路53及び第2のスイッチ回路54のオン/オフ制御を行うための比較器55(比較器55A,55B)、
を備えている。
実施例2の表示装置にあっても、画像表示時、第m行目(但し、mは2,3・・・Mのいずれか)の走査電極によって構成されるN個の発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータ(階調制御用データ)の値Dm,n(但し、nは1,2・・・Nである)に基づき出力回路51から出力された電圧が、一定期間、第n列目のデータ電極に印加される。言い換えれば、第m番目(但し、m=2,3・・・Mのいずれか)のカソード電極11によって構成されるN個の電子放出領域EAのそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータ(階調制御用データ)の値Dm,n(但し、nは1,2・・・Nである)に基づき出力回路51から出力された電圧(20ボルト乃至35ボルト)が、一定期間、第n番目のゲート電極13に印加される。
具体的には、図1に示すように、画像信号が例えば8ビットのA/Dコンバータ41に入力され、A/Dコンバータ41の出力であるデータDm,nが、2系列備えられたラインバッファ42に一旦記憶される。そして、ラインバッファ42に記憶された階調制御用データに相当するデータDm,nは順次、第n番目の駆動用ドライバ50を構成するD/Aコンバータ43に送られ、D/Aコンバータ43からのアナログ信号が、第n列目のデータ電極(第n番目のゲート電極13)に接続された駆動用ドライバ50を構成する出力回路51に入力される。そして、切替タイミングパルス(ロード信号)に応じて、走査電極出力回路によって第1行目から第M行目までの走査電極(カソード電極11)が線順次駆動され、走査電極(カソード電極11)に、順次、例えば一定の電圧VC(=0ボルト)が印加される。また、第n列目(但し、n=1,2・・・N)のデータ電極(ゲート電極13)には、階調に応じて、電圧変調方式に基づき可変の電圧VDATAが出力回路51から印加される。
出力回路51は、実施例1に説明したと同様の構造、構成を有するCMOS回路から成る電流バッファ回路である。各出力回路51からの出力によって各データ電極(各ゲート電極13)が駆動されるが、この出力回路51からの出力は、実質的に、図3の(B)に示した従来のデータ電極に印加される電圧VDATAと同じである。
そして、実施例2の表示装置にあっては、第m行目の走査電極によって構成される発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータ(階調制御用データ)の値Dm,nから第(m−1)行目の走査電極によって構成される発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータ(階調制御用データ)の値Dm-1,nを減算回路52において減じて得られた値(Dm,n−Dm-1,nであり、階調制御用差分データである)が入力値として比較器55(より具体的には、第1の比較器55A及び第2の比較器55B)に入力される。言い換えれば、第m番目のカソード電極11によって構成される電子放出領域EAのそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータ(階調制御用データ)の値Dm,nから第(m−1)番目のカソード電極11によって構成される電子放出領域EAのそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータ(階調制御用データ)の値Dm-1,nを減算回路52において減じて得られた値(Dm,n−Dm-1,nであり、階調制御用差分データである)が入力値として比較器55(より具体的には、第1の比較器55A及び第2の比較器55B)に入力される。一方、第1の比較器55Aには第1の基準値が入力され、第2の比較器55Bには第2の基準値が入力される。
即ち、具体的には、実施例2においては、走査電極(カソード電極11)に一定の電圧VC(=0ボルト)を印加し、データ電極(ゲート電極13)に階調に応じて電圧VG(=20ボルト乃至35ボルト)を印加する。そして、第(m−1)行目×第n列目の発光領域における発光状態を制御するためにデータ電極に電圧VDATA(m-1,n)(このときのデータの値はDm-1,nである)を印加し、第m行目×第n列目の発光領域における発光状態を制御するためにデータ電極に電圧VDATA(m,n)(このときのデータの値はDm,nである)を印加する。言い換えれば、第(m−1)番目×第n番目の電子放出領域における電子の放出状態を制御するためにゲート電極13に電圧VDATA(m-1,n)(このときのデータの値はDm-1,nである)を印加し、第m番目×第n番目の電子放出領域における電子の放出状態を制御するためにゲート電極13に電圧VDATA(m,n)(このときのデータの値はDm,nである)を印加する。そして、ラインバッファ42に記憶されたデータの値Dm-1,n,Dm,nを読み出して減算回路52に送出し、減算回路52において減じて得られた値(Dm,n−Dm-1,n)が入力値として比較器55(第1の比較器55A及び第2の比較器55B)に入力され、比較器55(第1の比較器55A及び第2の比較器55B)に入力された入力値(Dm,n−Dm-1,n)と、第1の基準値及び第2の基準値とが比較器55において比較される。
ここで、走査電極に印加される電圧とデータ電極に印加される電圧との差をΔVとしたとき、第1の電圧V1は、ΔVの最大値を得るためにデータ電極に印加すべき電圧であり、第2の電圧V2は、ΔVの最小値を得るためにデータ電極に印加すべき電圧である。また、実施例2においては、(走査電極に印加される電圧)<(データ電極に印加される電圧)であるので、V1>V2である。言い換えれば、ゲート電極13に印加される電圧(階調に応じて、例えば20ボルト乃至35ボルト)とカソード電極11に印加される電圧(例えば、0ボルト一定)との差をΔVGCとしたとき、第1の電圧V1は、ΔVGCの最大値(即ち、35ボルト)を得るためにゲート電極13に印加すべき電圧(即ち、35ボルト)であり、第2の電圧V2は、ΔVGCの最小値(即ち、20ボルト)を得るためにゲート電極13に印加すべき電圧(即ち、20ボルト)である。そして、第1の基準値を電圧α(V1−V2)に対応する値、第2の基準値を電圧β(V2−V1)に対応する値としたとき、αの値を0.5、βの値を0.5としている。ここで、減算回路52への入力デジタルデータであるデータの値Dm,nを8ビットとすれば、256段階の階調制御が行われる。ここで、Dm,n=255が最も明るい画面データを表しているとする。この場合、αの値及びβの値を8ビットのデジタル表現で言い換えたときの値をそれぞれα’,β’とすれば、α’=128、β’=128である。一般的には、32≦α’≦192、32≦β’≦192を満足することが好ましい。
そして、もしも入力値が第1の基準値以上である場合、即ち、(Dm,n−Dm-1,n)>α’あるいは(Dm,n−Dm-1,n)≧α’である場合、第1の比較器55Aの出力に基づき、一定期間(例えば、25マイクロ秒)よりも短い所定の期間(例えば、5マイクロ秒)、第1のスイッチ回路53がオン状態とされることで、所定の期間(例えば、5マイクロ秒)、第n列目のデータ電極(第n番目のゲート電極13)に第1の電圧V1(=35ボルト)が印加される。この状態は、図4において、第(m−1)行目×第n列目の1ライン期間及び第(m+2)行目×第n列目の1ライン期間におけるデータ電極への印加電圧VDATAとして表されている。
一方、もしも入力値が第2の基準値以下である場合、即ち、(Dm,n−Dm-1,n)<β’あるいは(Dm,n−Dm-1,n)≦β’の場合、第2の比較器55Bの出力に基づき、一定期間(例えば、25マイクロ秒)よりも短い所定の期間(例えば、5マイクロ秒)、第2のスイッチ回路54がオン状態とされることで、所定の期間(例えば、5マイクロ秒)、第n列目のデータ電極(第n番目のゲート電極13)に第2の電圧V2(=20ボルト)が印加される。この状態は、図4において、第m行目×第n列目の1ライン期間におけるデータ電極への印加電圧VDATAとして表されている。
また、もしも入力値が第1の基準値未満であり且つ第2の基準値を越えている場合、即ち、β’≦(Dm,n−Dm-1,n)≦α’あるいはβ’<(Dm,n−Dm-1,n)<α’である場合には、第1のスイッチ回路53及び第2のスイッチ回路54はオフ状態に保持される。この状態は、図4において、第(m+1)行目×第n列目の1ライン期間として表されている。
以上のように、実施例2においては、走査電極への印加状態が例えば第m行目から第(m+1)行目に切り替えられた直後の(言い換えれば、カソード電極11への印加状態が例えば第m番目から第(m+1)番目に切り替えられた直後の)、データ電極(ゲート電極13)に印加される電圧VDATAの波形の立上り、立下りの波形を、電圧V1,V2を加重することによって急峻にすることができる結果、画面表示の応答性の向上を図ることができ、滑らかな画像表示を達成することができる。しかも、第n列目のデータ電極(第n番目のゲート電極13)に第1の電圧V1や第2の電圧V2が印加される期間(時間)は一定期間よりも短いので、固定画素表示装置あるいは冷陰極電界電子放出表示装置における消費電力の増加を抑制することができる。また、輪郭が強調された画像を得ることができるので、視認される画像に先鋭さが増加する。
尚、実施例2において、第1行目の走査電極によって構成されるN個の発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータの値D1,n(但し、nは1,2・・・Nである)に基づき出力回路51から出力された電圧が、一定期間、第n列目のデータ電極に印加されるが、言い換えれば、第1番目のカソード電極11によって構成されるN個の電子放出領域EAのそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータの値D1,n(但し、nは1,2・・・Nである)に基づき出力回路51から出力された電圧が、一定期間、第n番目のゲート電極13に印加される。そして、この場合、第1行目の走査電極によって構成される発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータの値D1,nからデータ値「0」(データの値D0,nと表現する)を減算回路において減じて得られた値(D1,n−D0,n)が入力値として比較器に入力され、比較器に入力された入力値と、第1の基準値及び第2の基準値とが比較器において比較される。データの値D0,nを用いる代わりに、直前のデータの値DM,n(1フレーム前の最後のデータの値)を用いることもできる。あるいは又、第1番目のカソード電極によって構成されるN個の電子放出領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータの値D1,nからデータ値「0」(データの値D0,nと表現する)を減算回路において減じて得られた値(D1,n−D0,n)が入力値として比較器に入力され、比較器に入力された入力値と、第1の基準値及び第2の基準値とが比較器において比較される。データの値D0,nを用いる代わりに、直前のデータの値DM,n(1フレーム前の最後のデータの値)を用いることもできる。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例にて説明したアノードパネルやカソードパネル、ゲート電極制御回路やカソード電極制御回路といった各種の制御回路、表示装置や電界放出素子の構成、構造は例示であり、適宜変更することができるし、アノードパネルやカソードパネル、表示装置や電界放出素子の製造方法も例示であり、適宜変更することができる。更には、アノードパネルやカソードパネルの製造において使用した各種材料も例示であり、適宜変更することができる。表示装置においては、専らカラー表示を例にとり説明したが、単色表示とすることもできる。
また、実施例においては、第1の基準値、第2の基準値のそれぞれを1つの値としたが、複数の第1の基準値、複数の第2の基準値を設定してもよい。そして、この場合、複数の第1の基準値に応じて、また、複数の第2の基準値に応じて、所定の期間の長さを変えてもよいし、比較器を複数配設することで、第1の電圧V1、第2の電圧V2の値を、それぞれ、複数、設定してもよい。実施例においては、画像信号がA/Dコンバータ及びD/Aコンバータを通され、このA/Dコンバータから送出されたデジタルデータが、比較器において、デジタルデータである第1の基準値及び第2の基準値と比較されたが、このような構成に限定するものではなく、画像信号に基づくアナログデータが、比較器において、アナログデータである第1の基準値及び第2の基準値と比較する構成を採用することもできる。
電界放出素子においては、専ら1つの開口部に1つの電子放出部が対応する形態を説明したが、電界放出素子の構造に依っては、1つの開口部に複数の電子放出部が対応した形態、あるいは、複数の開口部に1つの電子放出部が対応する形態とすることもできる。あるいは又、ゲート電極に複数の開口部を設け、絶縁層に係る複数の開口部に連通した複数の開口部を設け、1又は複数の電子放出部を設ける形態とすることもできる。
アノード電極は、実施例にて説明したように有効領域を1枚のシート状の導電材料で被覆した形式のアノード電極としてもよいし、1又は複数の電子放出部、あるいは、1又は複数の画素に対応するアノード電極ユニットが集合した形式のアノード電極としてもよい。アノード電極が前者の構成の場合、係るアノード電極をアノード電極制御回路に接続すればよいし、アノード電極が後者の構成の場合、例えば、各アノード電極ユニットをアノード電極制御回路に接続すればよい。
電界放出素子において、ゲート電極13及び絶縁層12の上に更に層間絶縁層62を設け、層間絶縁層62上に収束電極63を設けてもよい。このような構造を有する電界放出素子の模式的な一部端面図を図13に示す。層間絶縁層62には、開口部14Aに連通した開口部64が設けられている。収束電極63の形成は、例えば、[工程−A1]において、絶縁層12上にストライプ状のゲート電極13を形成した後、層間絶縁層62を形成し、次いで、層間絶縁層62上にパターニングされた収束電極63を形成した後、収束電極63、層間絶縁層62に開口部64を設け、更に、ゲート電極13に開口部14Aを設ければよい。尚、収束電極のパターニングに依存して、1又は複数の電子放出部、あるいは、1又は複数の画素に対応する収束電極ユニットが集合した形式の収束電極とすることもでき、あるいは又、有効領域を1枚のシート状の導電材料で被覆した形式の収束電極とすることもできる。尚、図13においては、スピント型電界放出素子を図示したが、その他の電界放出素子とすることもできることは云うまでもない。また、収束電極を有する電界放出素子を、実施例1及び実施例2にて説明した表示装置に適用することができる。
図1は、実施例1の固定画素表示装置あるいは冷陰極電界電子放出表示装置における駆動用ドライバ等の回路図である。 図2は、実施例1の固定画素表示装置の概念図である。 図3は、実施例1の固定画素表示装置あるいは冷陰極電界電子放出表示装置における電極(より具体的には、カソード電極)への電圧の印加状態を模式的に示す図である。 図4は、実施例2の固定画素表示装置あるいは冷陰極電界電子放出表示装置における電極(より具体的には、ゲート電極)への電圧の印加状態を模式的に示す図である。 図5は、実施例1の冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端面図である。 図6は、実施例1の冷陰極電界電子放出表示装置を構成するカソードパネルとアノードパネルを分解したときの模式的な部分的斜視図である。 図7は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図8は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図9は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図10は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図11の(A)及び(B)は、実施例1におけるスピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図12の(A)及び(B)は、図11の(B)に引き続き、実施例1におけるスピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図13は、収束電極を有する冷陰極電界電子放出素子の模式的な一部端面図である。 図14は、従来の固定画素表示装置におけるデータ電極出力回路の回路図である。
符号の説明
LE・・・発光領域、EA・・・電子放出領域、CP・・・カソードパネル、AP・・・アノードパネル、10・・・支持体、11・・・カソード電極、12・・・絶縁層、13・・・ゲート電極、14,14A,14B,64・・・開口部、15・・・電子放出部、16・・・剥離層、17・・・導電材料層、20・・・基板、21・・・隔壁、22,22R,22G,22B・・・蛍光体領域、23・・・光吸収層(ブラックマトリックス)、24・・・アノード電極、25・・・スペーサ、26・・・枠体、30・・・カソード電極制御回路、31・・・ゲート電極制御回路、32・・・アノード電極制御回路、41・・・A/Dコンバータ、42・・・ラインバッファ、43・・・D/Aコンバータ、50・・・駆動用ドライバ、51・・・出力回路、52・・・減算回路、53・・・第1のスイッチ回路53、54・・・第2のスイッチ回路54、55,55A,55B・・・比較器、62・・・層間絶縁層、63・・・収束電極

Claims (9)

  1. 第1の方向に延びるM本(但し、M≧2)のストライプ状の走査電極、及び、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるN本(但し、N≧2)のストライプ状のデータ電極を備え、走査電極とデータ電極との重複領域から構成された発光領域がM行×N列の2次元マトリックス状に配列された固定画素表示装置であって、
    データ電極を駆動するために、各データ電極に接続された駆動用ドライバを備えており、
    該各駆動用ドライバは、スイッチ回路、出力回路、及び、減算回路から成り、
    該スイッチ回路は、
    (A)データ電極に第1の電圧V1を印加するための第1のスイッチ回路、
    (B)データ電極に第2の電圧V2(但し、V2≠V1)を印加するための第2のスイッチ回路、及び、
    (C)第1のスイッチ回路及び第2のスイッチ回路のオン/オフ制御を行うための比較器、
    を備え、
    第m行目(但し、m=2,3・・・Mのいずれか)の走査電極によって構成されるN個の発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータの値Dm,n(但し、nは1,2・・・Nである)に基づき前記出力回路から出力された電圧が、一定期間、第n列目のデータ電極に印加され、
    且つ、第m行目の走査電極によって構成される発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータの値Dm,nから第(m−1)行目の走査電極によって構成される発光領域のそれぞれにおける発光状態を制御するためのデータの値Dm-1,nを前記減算回路において減じて得られた値(Dm,n−Dm-1,n)が入力値として前記比較器に入力され、該比較器に入力された該入力値と、第1の基準値及び第2の基準値とが該比較器において比較され、
    (1)入力値が第1の基準値以上である場合、該比較器の出力に基づき、前記一定期間よりも短い所定の期間、該第1のスイッチ回路がオン状態とされることで、該所定の期間、第n列目のデータ電極に第1の電圧V1が印加され、
    (2)入力値が第2の基準値以下である場合、該比較器の出力に基づき、前記一定期間よりも短い所定の期間、該第2のスイッチ回路がオン状態とされることで、該所定の期間、第n列目のデータ電極に第2の電圧V2が印加され、
    (3)入力値が、第1の基準値未満であり、且つ、第2の基準値を越えている場合、該第1のスイッチ回路及び該第2のスイッチ回路はオフ状態に保持される、
    ことを特徴とする固定画素表示装置。
  2. 走査電極に印加される電圧とデータ電極に印加される電圧との差をΔVとしたとき、第1の電圧V1は、ΔVの最大値を得るためにデータ電極に印加すべき電圧であり、第2の電圧V2は、ΔVの最小値を得るためにデータ電極に印加すべき電圧であることを特徴とする請求項1に記載の固定画素表示装置。
  3. 前記出力回路は、CMOS回路から成る電流バッファ回路であることを特徴とする請求項1に記載の固定画素表示装置。
  4. カソードパネルとアノードパネルとがそれらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
    カソードパネルは、
    (a)支持体、
    (b)支持体上に形成され、第1の方向に延びるN本(但し、N≧2)のストライプ状のカソード電極、
    (c)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
    (d)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるM本(但し、M≧2)のストライプ状のゲート電極、及び、
    (e)カソード電極とゲート電極との重複領域に位置する電子放出領域、
    から構成されており、
    アノードパネルは、基板、並びに、該基板上に形成された、各電子放出領域に対応して設けられた蛍光体領域及びアノード電極から構成されており、
    電子放出領域は、ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部の底部に位置する電子放出部から構成され、
    冷陰極電界電子放出表示装置は、
    (f)カソード電極を駆動するために、各カソード電極に接続された駆動用ドライバ、
    を更に備えており、
    該各駆動用ドライバは、スイッチ回路、出力回路、及び、減算回路から成り、
    該スイッチ回路は、
    (A)カソード電極に第1の電圧V1を印加するための第1のスイッチ回路、
    (B)カソード電極に第2の電圧V2(但し、V2>V1)を印加するための第2のスイッチ回路、及び、
    (C)第1のスイッチ回路及び第2のスイッチ回路のオン/オフ制御を行うための比較器、
    を備え、
    第m番目(但し、m=2,3・・・Mのいずれか)のゲート電極によって構成されるN個の電子放出領域のそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータの値Dm,n(但し、nは1,2・・・Nである)に基づき前記出力回路から出力された電圧が、一定期間、第n番目のカソード電極に印加され、
    且つ、第m番目のゲート電極によって構成される電子放出領域のそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータの値Dm,nから第(m−1)番目のゲート電極によって構成される電子放出領域のそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータの値Dm-1,nを前記減算回路において減じて得られた値(Dm,n−Dm-1,n)が入力値として前記比較器に入力され、該比較器に入力された該入力値と、第1の基準値及び第2の基準値とが該比較器において比較され、
    (1)入力値が第1の基準値以上である場合、該比較器の出力に基づき、前記一定期間よりも短い所定の期間、該第1のスイッチ回路がオン状態とされることで、該所定の期間、第n番目のカソード電極に第1の電圧V1が印加され、
    (2)入力値が第2の基準値以下である場合、該比較器の出力に基づき、前記一定期間よりも短い所定の期間、該第2のスイッチ回路がオン状態とされることで、該所定の期間、第n番目のカソード電極に第2の電圧V2が印加され、
    (3)入力値が、第1の基準値未満であり、且つ、第2の基準値を越えている場合、該第1のスイッチ回路及び該第2のスイッチ回路はオフ状態に保持される、
    ことを特徴とする冷陰極電界電子放出表示装置。
  5. ゲート電極に印加される電圧とカソード電極に印加される電圧との差をΔVGCとしたとき、第1の電圧V1は、ΔVGCの最大値を得るためにカソード電極に印加すべき電圧であり、第2の電圧V2は、ΔVGCの最小値を得るためにカソード電極に印加すべき電圧であることを特徴とする請求項4に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。
  6. 前記出力回路は、CMOS回路から成る電流バッファ回路であることを特徴とする請求項4に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。
  7. カソードパネルとアノードパネルとがそれらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
    カソードパネルは、
    (a)支持体、
    (b)支持体上に形成され、第1の方向に延びるM本(但し、M≧2)のストライプ状のカソード電極、
    (c)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
    (d)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるN本(但し、N≧2)のストライプ状のゲート電極、及び、
    (e)カソード電極とゲート電極との重複領域に位置する電子放出領域、
    から構成されており、
    アノードパネルは、基板、並びに、該基板上に形成された、各電子放出領域に対応して設けられた蛍光体領域及びアノード電極から構成されており、
    電子放出領域は、ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部の底部に位置する電子放出部から構成され、
    冷陰極電界電子放出表示装置は、
    (f)ゲート電極を駆動するために、各ゲート電極に接続された駆動用ドライバ、
    を更に備えており、
    該各駆動用ドライバは、スイッチ回路、出力回路、及び、減算回路から成り、
    該スイッチ回路は、
    (A)ゲート電極に第1の電圧V1を印加するための第1のスイッチ回路、
    (B)ゲート電極に第2の電圧V2(但し、V2<V1)を印加するための第2のスイッチ回路、及び、
    (C)第1のスイッチ回路及び第2のスイッチ回路のオン/オフ制御を行うための比較器、
    を備え、
    第m番目(但し、m=2,3・・・Mのいずれか)のカソード電極によって構成されるN個の電子放出領域のそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータの値Dm,n(但し、nは1,2・・・Nである)に基づき前記出力回路から出力された電圧が、一定期間、第n番目のゲート電極に印加され、
    且つ、第m番目のカソード電極によって構成される電子放出領域のそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータの値Dm,nから第(m−1)番目のカソード電極によって構成される電子放出領域のそれぞれにおける電子の放出状態を制御するためのデータの値Dm-1,nを前記減算回路において減じて得られた値(Dm,n−Dm-1,n)が入力値として前記比較器に入力され、該比較器に入力された該入力値と、第1の基準値及び第2の基準値とが該比較器において比較され、
    (1)入力値が第1の基準値以上である場合、該比較器の出力に基づき、前記一定期間よりも短い所定の期間、該第1のスイッチ回路がオン状態とされることで、該所定の期間、第n番目のゲート電極に第1の電圧V1が印加され、
    (2)入力値が第2の基準値以下である場合、該比較器の出力に基づき、前記一定期間よりも短い所定の期間、該第2のスイッチ回路がオン状態とされることで、該所定の期間、第n番目のゲート電極に第2の電圧V2が印加され、
    (3)入力値が、第1の基準値未満であり、且つ、第2の基準値を越えている場合、該第1のスイッチ回路及び該第2のスイッチ回路はオフ状態に保持される、
    ことを特徴とする冷陰極電界電子放出表示装置。
  8. ゲート電極に印加される電圧とカソード電極に印加される電圧との差をΔVGCとしたとき、第1の電圧V1は、ΔVGCの最大値を得るためにゲート電極に印加すべき電圧であり、第2の電圧V2は、ΔVGCの最小値を得るためにゲート電極に印加すべき電圧であることを特徴とする請求項7に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。
  9. 前記出力回路は、CMOS回路から成る電流バッファ回路であることを特徴とする請求項7に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。
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